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2011年2月 2日 (水)

2005年茨城トリインフル事件においてはトリインフルエンザがヒト感染していた!

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2005年茨城トリインフル(N2型弱毒型)事件では、食肉処分にあたった作業員40名にヒトへの感染が見つかりました。
なぜか?信じられないかもしれませんが、2006年茨城県はトリインフルに感染した鶏を食肉加工することを認めたのです!
なんとまぁ、今思っても仰天決定ですが、県はレンダリングと食肉加工はN2型弱毒だから大丈夫だとしました。
もちろん命じられた作業員の人たちはゴム手袋をして作業し、直接に鶏体には触れてはいないはずです。マスクもしていました。
だから感染はありえないと言うとしたら、はい、あなたは現場を知らない人です。
現場は鉄火場です。スピードが命です。ラインの速度に合わせて懸命に作業します。たとえば、汗を拭くためにゴム手袋を脱ぐとします。その時に次の鶏体が回ってきたとしたらそのまま素手で触ってしまうこともあるでしょう。
ゴーグルをしろ(食肉加工時にはゴーグルはしませんが)と言われても曇ってはずす場合もあります。今日は風邪気味なのでクシャミをするためにマスクを取ることもあるでしょう。現場は机上の想定通り動かないものなのです。
もしその作業員が単なる風邪ではなく、インフルエンザだったとしたら、トリインフルとの混合感染になるかもしれません。
当然ながら防疫計画には、このようなケースは想定されていません。性善説というか、「出来ていて当然」から発想してしまいます。
ところがあいにくなことには、人間は過ちを犯すから人間なのです。ヒューマン・エラーとは、このような偶発的で不幸な偶然の累積から生まれるようです。
さて、2006年にはインフルエンザの発症はなく、作業員からの抗体検査結果の陽性に止まりましたが、それはあくまでも弱毒N2型だったからです。強毒タイプのN1型ではどうなるのかはわかりません。
今年の事例においても既にヒト感染されている可能性があります。行政は至急検査をするべきです。
2005年の経験者である私の経験からみれば、九州の取り組みは制圧活動においては優れていますが、トリインフルをやや甘く見ているような気がしてなりません。
今回のトリインフル事件において、ヒト感染の危険が報道についてはまったく触れられていません。行政もその危険を関係者に通達しているようには思えません。
風評被害対策と、そこに現実にある危機を知ることとは本質的に別なはずです。
参考のために当時の地元紙「茨城新聞」報道と、茨城家保の養鶏関係者への緊急通達を掲載します。
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鳥インフルエンザ 県内養鶏場関係者ら40人ウイルス感染か             
茨城新聞2006/01/08

■2次感染恐れなし
 茨城県内の養鶏場関係者ら約四十人が、H5N2型の高病原性鳥インフルエンザに過去に感染していた可能性が強まり、厚生労働省と国立感染症研究所が、体内にできた抗体などの詳細な検査を進めていることが七日分かった。
いずれも症状はなく、二次感染の恐れもない。同県内の養鶏場では、昨年六月から鶏への感染が相次いで判明したが、抗体検査の結果から関係者が感染した時期はそれより前の可能性があるという。
 茨城県内で流行したH5N2型は、アジアを中心に人への感染が広がり新型インフルエンザへの変異が懸念されるH5N1型より、毒性は弱い。
しかし感染が確認されれば、鳥から人への感染報告がほとんどないH5N2型が、人へも予想以上に広がることを示す結果で、対策が課題となる。
 国内で鳥ウイルスの人への感染は、京都府の農場で二○○四年二月にH5N1型が発生した際、男性従業員(当時)で初めて確認された。今回、感染が確定すれば、それ以来。
 厚労省や茨城県などは、養鶏場の関係者や鶏の処分作業に当たった自治体職員らを対象に、ウイルス感染がないか調査を実施。鶏との接触状況や症状の聞き取り、のどなどの粘液を採取して行うウイルス検査のほか、感染研では血液で感染の有無を調べる抗体検査などを進めている。

■県、400人検査
 鳥インフルエンザの鶏への感染が昨年六月以降、四十養鶏場で相次いで発覚した茨城県では、新たな感染が確認される度に、県が養鶏場に職員を派遣し、従業員など約四百人を対象に体内にウイルスや抗体がないか検査を行ってきた。
 県保健予防課によると、調査対象には、養鶏場経営者や家族、従業員のほか、鶏を食肉処理する施設の従業員や、鶏の処分作業に当たった自治体職員も含まれる。
 問診のほか、のどの粘膜をぬぐって迅速診断キットでウイルスが存在するか調べる。
 しかし、迅速診断キットはウイルス量が比較的多くないと反応が出ない問題点があり「東南アジアでは感染者の50%程度しか引っ掛からなかった例もある」(同課)という。
 このため県は、ウイルスのDNAを増幅させるPCR検査も行っている。さらに約二カ月の間隔をおいて採血し、国立感染症研究所に送付、二度の採血の間に感染によって体内にできる抗体の上昇がないかも調べている。だが、検査期間の途中で養鶏場を辞め、二度目の採血ができない元従業員もいるという。
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■養鶏場従業員感染の疑い
茨城新聞 2006/01/18

 国の抗体検査で県内の養鶏場従業員らが過去にH5N2型の鳥インフルエンザに感染していたと見られる問題で、県は十七日、厚生労働省に対し、詳しい追加検査の実施や本県で独自検査を行うためのウイルス分与などを要望した。
 要望書は橋本昌知事名で、県保健福祉部の泉陽子次長が厚労省を訪ね、担当者に手渡した。
 要望書は、養鶏場従業員ら県内の七十人が過去にH5N2型に感染していた可能性が強いとした抗体検査について「現在では十分な知見が得られていない」とし、
①抗体検査で感染が疑われる人に対する遺伝子レベルの検査実施
②H5N2型が発生していない養鶏場従業員や一般人を対象とした検査実施
③抗ウイルス薬タミフルが抗体検査に及ぼす影響の検討
④県衛生研究所で抗体検査を実施するため、本県で検出されたH5N2型ウイルスの分与-を求めた。
 県保健予防課によると、これらのうちH5N2型ウイルスについては、抗体検査を行った国立感染症研究所ではなく動物衛生研究所(つくば市)から分与を受ける見通しとなり、県衛生研究所で検査体制確立の準備に入る。
また、水戸保健所は十六日から三日間、国の抗体検査を受けた養鶏場従業員らを対象に、検査結果について説明会を開催。十七日までに約四十人が参加し、「家族の赤ちゃんに感染しないか」などと不安な声が寄せられたという。
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養鶏関係者の高病原性鳥インフルエンザ感染予防のための
 留意点
(養鶏関係者のみ家畜保健衛生所から2006年2月下旬通達文書抜粋)
1.(前略)発熱等の健康状態の以上が認められた場合には、速やかに医療機関を受診すること。
2.鶏の異常死の生むの観察に努め、高病原性鳥インフルエンザが疑われるような異常が認められた際は、死亡鶏等への接触を避け、速やかに家保に連絡し、対応を相談すること。
3.高病原性鳥インフルエンザの感染の生むが確認されるまでの間は、可能な限り鶏舎への立ち入りを控えることとし、どうしても立ち入らねばならない場合には、医療用マスク(N95推奨)、ゴーグル、頑丈なゴム手袋、防護服、長靴を着用するなど、必要な感染防御に努められたい。((後略)
4.鶏の異常死が認められた養鶏場の従事者については、直ちに全員の健康状態の確認を行うこと。また、その方法については、保健所に相談されたい。
家禽と接触がある者において、通常のインフルエンザに罹患した場合には、鳥インフルエンザとの混合感染を予防する観点からも、インフルエンザ罹患中に養鶏場での作業を避けること。
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■宮崎市のブロイラー19万羽を飼育する大規模養鶏場で1日、トリインフルが発生しました。県内7例目、全国10例目です。「県内事例との疫学的関連はない」(農水省)とのことです。
■記事右隅の1字分がが切れてしまいました。改行もできないし。原因はわかりません。修正しよとするとかえってすねます。察してお読みください。ごめんなさい。(。>0<。)なぜなんだぁ~

 

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コメント

もしも感染した鶏肉を食べたりしても心配無いと、マスコミや農水省は言い続けてきましたが、そんなに甘くないってことです。
ウイルスですから、いつどんな変異を起こすかわからない。

05年の茨城県のケースでそれほど多くの感染者を出していたとは…。
弱毒性で済んだのは不幸中の幸いでしかありません。

農業なり製造業なりサービス業なり、身近な職場でちょっとした「ヒューマンエラー」を体験している方は沢山いると思います。
大抵は大した騒ぎにならなかったとして、見過ごされがちです。
しかし、それが一歩違ってたら大災厄になっていた可能性があるのです。

閉塞感と暗い世相で覆われていますが、より良い社会になるためにも少しでも失敗の経験が活かされることを、願ってやみません。


宮崎・鹿児島の火山被害にあわれている方々へ。
心よりお見舞い申し上げます!

念のためにかきますが、仮に感染鶏を食べたとしても生で食べることはあまりないでしょう。万が一ウイルスが存在していたとしても、ウイルスは加熱によって消滅します。

私が心配しているのは、食べることそのものよりも、食肉加工工程の作業員の健康と感染拡大の危険です。

口蹄疫の時もそうでしたが、感染鶏の食肉を持ち回ることによる感染拡大の危険は存在します。

いずれにせよ、茨城の時のように感染鶏を食肉とすることは止めるべきです。

はじめまして、口蹄疫の頃より勉強させていただいています。
接触感染について一つ気になることがあり投稿させていただきました。
感染した鶏肉が加熱する事で食しても感染の心配が無くなるのは理解できますが、調理段階では生肉を触るのですから感染の危険性は残るのではないでしょうか

鶏インフルが人体に感染する可能性がある以上、口蹄疫以上の防疫管理をしないと風評被害は免れない気がします

常識的に鶏肉を食する時は十分に加熱しますが、切り目の入れ方の知識も無く分厚い胸肉をフライパンで適当に焼いたら中は生だった…でも構わず食べたなんていう学生時代の恥ずかしい経験があります。

また、ササミをさっと湯通しして表面以外は生でワサビ醤油という食べ方もあります。

スーパーで鶏肉を買ってきて加熱前の処理をしてるうちに必ず生肉に触れることになり、となればまな板や包丁や手にウイルスが付着するのは必然です。

記事の、加工場の作業員の感染リスクにイチャモンつけるつもりではありません。大いに同意です。

つまり、インフル感染リスクのある鶏肉を加工・流通させることには絶対反対で、濱田さんの考えに完全に一致しております。

牛乳の世界でも、「健康な家畜から搾取した牛乳」と言う事が基本になっていますので、何らかの病気に罹った家畜からの生産物は販売できなくなります。
※誤解されたら困るので・・・
病気と呼ばれるもの全てではなく、チョットした怪我や繁殖障害なども病気ですが、検体は採取しませんので、病気によって・・・と言う意味です。

鳥インフルの様に殺処分を伴うような伝染病は、その罹患畜の扱いも厳重にしなければならないのは当然であります。
仮に熱を通せば安全・・・と言われても、購入から調理、飲食までの各段階での取扱い方は人によって千差万別です。
人畜共通の病気に対しては当然だし、感染拡大リスクが高まる事は絶対避けるべきと思います。

おっしゃるおり、調理の時にしっかりさわっていますね。
たとえ、ヒト・インフルに変異していないとしても危険です。やはり感染鶏はぜったいに流通させるべきではありません。

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