3月15日福島第1原発2号機の水素爆発で茨城県に何が起きていたのか? モニタリングポスト計測数値と気象データにみる事実
福島県第一原子力発電所において、2011年3月11日14:46頃に発生した東日本大震災(M9.0、最大震度7)での被災により冷却機能を失った原子炉1号機が3月12日15時半頃水素爆発を起こしました。
次いで、原子炉3号機も3月14日11時頃、水素爆発事故を起こしました。しかしそれで事態は終了したわけではなく、原子炉2号機も3月15日06時頃に同様に爆発事故を起こしました。
この時の北および北北西・風速2(m/s)の風に乗って、一気に放射性物質が福島県のみならず、近隣の県全域に降り注ぎました。
そして最悪なことには、その時間帯に茨城県地方は折からの雨でした。ヨウ素やセシウムは非常に軽い物質で風によって移動します。そして降雨により地表に落下します。
(3月15日の風向き・日本気象協会)
http://tenki.jp/past/detail/pref-11.html?year=2009&month=3&day=15
なかでも隣県にあたり、県境まで約60㌔しかなく、福島第1原発の風下にあたったわが県には大量の放射性物質が降り注いだと思われます。この放射性物質は、福島県内より多かった可能性すらあります。
2号機が水素爆発した3月15日06時頃には、一挙に数百㌔圏内を放射性ヨウ素、放射性セシウムで汚染しました。
それは3月15日06時頃の茨城県各地の放射線量モニタリングポストの数値に記録されています。
(3月15日以降の各測定局における空間線量率PDF)
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html
60㌔圏超の県北の東海村石神では以下の数値が記録されています。
0時10分・・・・・44ナノグレイ(nGy/h)
6時00分 ・・・727
6時50分・・・2823
7時30分・・・・3032
8時10分・・・3102
一方150㌔超の県南のわが家に一番近いモニタリングポストである鉾田市上富田を見ると以下です。
0時10分・・・・42ナノグレイ(nGy/h)
1時30分・・・・93
1時40分・・・217
7時50分・・3389
実に約6時間で80倍に空中放射線量が増加したことがわかります。
結果、3月19日から21日採取分の水戸市などの放牧原乳と鉾田市のパセリから、暫定基準値以上の放射性ヨウ素が検出されました。
(茨城県農畜産物検査結果)http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/nousanbutsu/20110325_02/index.html
水戸放牧原乳 ヨウ素・・・・1700Bq/kg (暫定基準値・・・・300Bq/kg)
鉾田パセリ ヨウ素・・・・3500Bq/kg (暫定基準値・・・・2000Bq/kg)
同上 セシウム・・765Bq/kg (暫定基準値・・・・500Bq/kg)
以上が、福島第1原発2号機の水素爆発による放射性物質の飛散の、3月15日の風向き天候、茨城県モニタリングポストの測定値、および農産物の検出結果など多方面の角度から見た因果関係です。
本日は数字の羅列で辟易されたと思います。結論はわかりきったことですが、ただ危機を叫ぶのではなくひとつひとつ事実関係を押えていきたいと思います。
私たちの進む道のりはあまりにも長く、先がまったく見えないのですから。
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■ドキュメント【3月15日】に何が福島第1原発で起きたのか?
5・34 福島第1原発に政府と東京電力が一体となって対処するため菅直人首相を本部長とする統合対策本部を立ち上げると首相
6・00 岩手県内の死者は675人、行方不明者は315人と県警
6・10 福島第1原発2号機で爆発音。東京電力から連絡を受けた経済産業省原子力安全・保安院は「圧力抑制プールが損傷の恐れがある」
6・53 「格納容器につながる、水蒸気を水に変える部分に欠損が見られる」と枝野幸男官房長官
7・00 栃木、群馬、埼玉、神奈川の4県の一部地域で計画停電を実施
7・00 福島第1原発付近で毎時965・5マイクロシーベルトの放射線量を検出
7・00 水素爆発のあった福島第1原発3号機で原子炉建屋の上部に蒸気と東京電力。4号機でも屋根の損傷を発見
8・28 福島第1原発2号機の原子炉建屋には損傷があり、放射性物質が外部に漏れている恐れと原子力安全・保安院
8・29 福島第1原発2号機での爆発音を受け、監視や操作に必要な人員以外を退避と東京電力
8・31 福島第1原発の正門前で1時間当たり8217マイクロシーベルトの放射線量を検出と東京電力
9・27 メルトダウン(全炉心溶融)について「燃料の損傷があり、可能性は否定できない」と東京電力
9・48 東京株式市場の日経平均株価が半年ぶりに9000円を割り込む
10・00 警察庁集計で死者は2475人、行方不明者は3118人
10・18 福島第2原発の3基すべてが緊急事態を脱したと東京電力
10・22 福島第1原発3号機付近で毎時400ミリシーベルトの放射線量を観測。1時間で一般人の年間被ばく線量限度の400倍
10・53 原発事故支援のため米軍横田基地と横須賀基地からポンプ車が現地に向かうと在日米軍
10・53 原発事故を受け、在日フランス大使館が在日フランス人にパニック回避をウェブサイトを通じて呼び掛け
11・08 福島第1原発2号機の放射能漏れ拡大を受け、半径20~30キロの住民に屋内退避を指示したと菅首相。「放射能漏えいの危険が高くなっている」
11・11 福島第1原発4号機の原子炉建屋4階で午前9時40分ごろ出火と東京電力。枝野官房長官は水素爆発との見方
11・38 福島第1原発で検出された放射線量について、枝野官房長官は「身体に影響を及ぼす可能性のある数値なのは間違いない」
11・45 東北電力が震災被害の大きい青森県の一部と岩手、宮城、福島を除き、16日から3日間、計画停電を実施すると発表
11・59 環境放射能水準調査の測定頻度を可能な限り上げるよう、都道府県に要請と高木義明文部科学相
12・25 新たに屋内退避となった福島第1原発の半径20~30キロの対象者は、住民ら約14万人と福島県
12・34 被災した千葉県の旭、浦安、香取の3市を計画停電の対象から除外する方向で検討と東京電力が森田健作知事に伝える。茨城県にも連絡
12・35 東京都内で大気から微量の放射性物質を観測と都。横須賀、川崎、さいたま、宇都宮、市原、前橋の各市でも空間放射線量が軒並み上昇。いずれも健康への影響なし。茨城県東海村の東大研究施設で一時、通常値の約100倍に
13・44 福岡市が応援派遣した消防ヘリコプター隊員が福島県上空で被ばくと市消防局
15・00 東京株式市場の日経平均株価終値は前日比1015円34銭安の8605円15銭で、過去3番目の下落率
15・14 政府が被災地に限定した統一地方選延期の特例法案を16日閣議決定へ。全国一律案は与野党協議で合意せず
15・23 福島第1原発の半径20キロ圏内の住民らが避難完了と警察庁
15・30 警察庁集計で死者は2722人、行方不明者は3742人
15・47 福島第1原発の事故を受け、山口県で建設計画中の上関原発の造成工事を一時中断と中国電力
16・18 福島第1原発4号機にある使用済み核燃料のプールの水位は未確認で注水作業もできていないと東京電力
16・21 福島県の佐藤雄平知事が菅首相に「県民の不安や怒りは極限に達している」と電話。記者会見で原発事故への東京電力の対応に苦言
16・47 福島第1原発4号機について枝野官房長官が「高濃度の放射性物質が継続的に出ていない可能性がある」
16・47 約1万人が安否不明となっていた宮城県南三陸町で約2千人の無事を確認と県
16・53 津波の被害を受けた岩手県大槌町の住宅で午前10時40分ごろ、70歳代女性が発生から92時間ぶりに救出。命に別条ないと大阪市消防局
18・00 岩手県警集計で岩手の死者1193人、行方不明3318人に
18・01 千葉県市原市で夕方測定した放射線量が通常の10倍を上回ったと県。午前中の最大約4倍からさらに上昇
18・23 福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールに絡む水素爆発で、原子炉建屋の2カ所に8メートル四方の穴を確認との連絡が東京電力からあったと原子力安全・保安院
18・48 静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発でのプルサーマル計画実施は「市民感情を考えると厳しい」と、石原茂雄市長が了承しない意向示す
20・00 警察庁集計で死者3373人、行方不明者6746人で合わせて1万人を超える
20・20 アイドルグループAKB48のメンバーらが義援金5億円を寄付すると発表
20・56 福島第1原発の事故は、国際原子力事象評価尺度(INES)で上から2番目の「レベル6」に相当とフランスの原子力施設安全局局長
22・31 静岡県東部で震度6強の地震。マグニチュード(M)は6・0
23・58 気象庁がマグニチュード(M)を6・4に修正。東海地震とは無関係との見解
(共同通信)
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■福島第1原発 農畜産物の出荷停止措置 細分化を検討
毎日新聞 3月30日(水)13時52分配信
【図解でわかる】原発被災
◇「県単位では広すぎる」
農畜産物の規制を巡っては、関係自治体から「県単位では広すぎる」との反発があるほか、ホウレンソウや原乳などの指定された品目以外の農畜産物も売れなくなる風評被害が起きている。このため、28日には福島県と関東地方(1都6県)の計8知事が制限緩和を求める要望書を枝野氏に提出。食品衛生法の暫定規制値について「国際的にも非常に厳しい基準」と指摘。対応の見直しなどを求めていた。
枝野氏は制限措置解除に関し「関係者の大変強い関心があり、できるだけ早く整理し、なおかつ分かりやすい形で示したい」とし、早期に公表する意向を示した。露地かハウスかなど栽培形態も考慮する方向だ。ただ、枝野氏は「どの程度きめ細かくモニタリングやデータ収集をできるか」とも述べ、モニタリング強化が前提だとの認識も示した。【影山哲也】
■出荷制限解除、地域単位で=篠原農水副大臣
時事通信 3月30日(水)13時15分配信
筒井農林水産副大臣は、参議院予算委員会で、農産物から国の基準値を超える放射性物質が検出された問題を巡って、出荷制限などで収入を失う農家が増えていることから、緊急措置として、補償の仮払いを行いたいという考えを示しました。
各地の農産物から、国の基準値を超える放射性物質が検出された問題で、政府が出荷制限などの指示を出していることに対し、生産者からは、十分な補償を求めるとともに、当面の収入を失って生計が立たないという声が相次いでいます。これについて、筒井農林水産副大臣は参議院予算委員会で、「農業の被害額を厳密に計算するには時間がかかるため、政府としては、早急に仮払いができるようにしたい」と述べ、正式な補償が行われる前に、緊急措置として補償の仮払いを行いたいという考えを示しました。また、筒井副大臣は、農林水産省として、福島第一原子力発電所の周辺土壌の検査を進めていることを明らかにしたうえで、調査結果によっては、避難・屋内退避の指示が出ていない、原子力発電所から半径30キロを超える地域でも、耕作ができない可能性も出てくるという認識を示しました。
(3月28日 12時26分 NHK ニュース)
■<福島第1原発>農家補償仮払いへ 筒井副農相が方針
筒井信隆副農相は28日の参院予算委員会で、東電福島第1原発事故による農作物被害の補償について「厳密に計算すると時間がかかる。仮払いを早急にすべきだ」と述べ、損害額を確定する前に立て替え払いする方針を示した。
また筒井氏は、農水省が行う土壌検査を踏まえ「検査結果で(屋内退避圏の)30キロ以外でも耕作できない地域が出る可能性がある。それも被害の補償対象になる」と述べた。自民党の塚田一郎氏への答弁。【中山裕司】
■「5、6号機も廃炉に」東電会見に住民怒りの声
読売新聞 3月30日(水)20時44分配信
東日本巨大地震後、東電の最高責任者が記者会見に応じたのは、13日の清水正孝社長以来17日ぶり。2時間以上にわたり、報道陣の質問に応じた勝俣会長は「最大限の補償、おわびをしたい」とし、情報提供の遅れが相次いでいることについて「情報を隠すということは全くないが、ミスが生じたりタイミングが遅れたりしているのは申し訳ない」と謝罪した。
同県田村市の市総合体育館に避難している大熊町大河原の無職市川武さん(68)は「こんな事故を起こしたんだから廃炉は当然」と語り、「避難生活はすでに2週間以上。体じゅうが痛く、心も休まらない。いつまでこんな生活が続くのか」と憤った。
■現在の空間放射線測定値状況状況 (毎朝更新しています。)
茨城県環境放射線監視センター
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
2011年03月31日 04時50分の状況 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
空間線量率(nGy/h) 風速(m/s) *1000nSv(ナノシーベルト)=1μSv(マイクロシーベルト)=0.001mSv(ミリシーベルト) ですから、政府、東電発表の単位であるマイクロシーベルトに換算するには上の換算式によって下さい。 茨城県民がご覧になる場合は自分の住む場所の近くの測定ポイントで見て下さい。 *わが県は全国一モニタリングポストが多い県です。
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なんとも数字や単位(これが換算値含めて分かりにくい)が一杯で…。
まあ、なんというか「とにかく放射能が恐い」が先行し過ぎて、相変わらずパニック状態だと思います。
東電会長の発言には批判が集中しており、保安院は「あくまで監督する立場だから現場のことは東電で…」と逃げ始めた。
福島第1の1~4号機の廃炉は確実でしょうが、感情のままに5・6号機も廃炉が「当たり前」とか、枝野長官の「常識的に考えたら明らか」などという発言が、まともな科学的知見に基づくものとはとても思えません。枝野は大失言だと思います。我々国民に知らされていない深刻な損傷があるなら別ですが…。
まずは1~4号機の鎮静化と、5~6号機の詳しい調査をしてからの話でしょう。
いやなら、首都圏の方々は今後数年に渡り「輪番停電」を覚悟するか、自家発電で賄って下さい。
また、その場合も鳩山前首相が世界に向けて発信したCO2削減の約束は守る義務が生じることをお忘れなく。私達が選挙で選んでしまった政権なのですから。
気持ちとしては福島県の避難されてる方の発言は解ります。私の近所にも沢山避難してきて、体育館などで先の見えない不安な生活を続けてます。
苛立ちは募ることでしょうが、とにかく冷静に考えましょう。
私は原発積極推進派ではありません。むしろあんなもの無いにこしたことはありません。
ただし、それは化石燃料由来以外で充分に安定的でクリーンな電力供給方法を確立できてからのことです。
散々省エネと言われ続けながら73年のオイルショック前よりも、一般家庭の電力使用料は5倍です。
これが私達人間の業であり実績なのです。
そして、昔の生活に戻れと言われても無理なことでしょう。
まずはしっかり、じっくり考えましょう。
投稿: 山形 | 2011年3月31日 (木) 09時08分
今当たり前の事が、当り前で無くなる。それは便利だったことが不便になる事であり、便利さの追求は一般国民(企業も含めて)の我儘に対する対応と共に、効率化、合理主義の飽くなき追求の賜物です。一時代前の暮らしに戻れば、何の不便も無く当たり前に現実を受け入れられるのではないでしょうか?
人間は今のレベルから低下させる事に抵抗があるのは「性(さが)」ですが、被災地(者)や原発の状況を見れば、受け入れざるを得ないと思っています。
電気の周波数の違う、西日本に一踏ん張りしてもらって元気になりましょうや!!
責任の擦り合いは、見苦しいだけで何も生み出しません。(恨み辛み、憎しみだけの後ろ向きなものしか生産されません)
首相でも官房長官でも閣僚でも、保安院でも安全委員会でも東電会長や社長でもありません。皆の責任であり、結果としての「つけ」は国民に回ってくるのです。
その国民でも、直接・間接に被害を受けている方と、そうでない人もいます。けれど全ての国民で責任を負わなければならないのです。
今は「あーだ、こーだ」言ってる場合ではなく、現場で必死に暴走を食い止める為に頑張っている作業員の目標達成を支える事が、関係者には求められていると思います。
投稿: 北海道 | 2011年3月31日 (木) 10時10分
今日は 取り合えず 平穏を装っている 様に見えるが 風向き次第では 予断を許さない状況です、
福島県内の 田んぼや畑の土の調査が始まりました、表面の5cm四方 土中に15cm位の土を調べる?、しかも硬い 耕してない田んぼの土を掘って 持っていきました、
違うだろ、まだ 余り時間が経ってない 汚染具合を調べるのは、普通 表土だろ!、一年位経過したら 耕作する土中を調べるのは 解るが、もうちょっと考えろ‥
今は 大丈夫です、今は 安全です と言うのは、私も解っていますが、一年先 二年先がどうなっているか?、作っても 売り付ける先が有るのか、もしくは みんな 忘れてくれるのか‥。
投稿: 福島市より | 2011年3月31日 (木) 21時29分
将来、電力不足は解消出来ます。
なぜなら、まず東日本で800万人以上が癌で死亡しますし、内部被爆で子孫も増やせません。
投稿: | 2011年5月20日 (金) 13時33分