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南北にしか移動しない渡り鳥が なぜ東西に感染を拡げているのか?

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■ トリインフルなどの感染症は自然宿主である渡り鳥が運ぶ
このブログをご覧の皆さんならご承知のように、伝染病にはいくつかの侵入経路があります。
ヒトの移動、自動車などの移動などがそうですが、鳥インフルにおいてはなにより大きい感染経路は渡り鳥だと言われています。これはウイルスというものがそもそも、ある特定の種類の特定の器官にのみしか生きられない習性があるからです。
鳥インフルの場合、鳥類の呼吸器系器官でしか生きられません。ですから鳥類、なかでも水鳥を自然宿主とします。そして水鳥には渡り鳥がとても多いため、この渡り鳥の飛行する回廊とトリインフルの感染経路はみごとに一致しています。
■ 渡り鳥は地軸方向にしか移動しない習性をもつ
つまり南北方向の動きしかない
ここで改めてトリインフルの2大発生源とも言われる地点を確認しておきましょう。
ひとつは中国青海省の青海湖、いまひとつはロシアのバイカル湖だと言われています。この地点から行き来する渡り鳥がウイルスを運びます。
青海湖とバイカル湖は、地球儀をみると南北の関係にあります。また、大きな発生を見たベトナムも南にあり、更にインドネシアも更に南にあります。
つまり、地球儀で赤いマーカーでライン書けば、ゆるやかな北から南のラインが描けるわけです。これは渡り鳥が地磁気を頼りに飛行するため南北の地軸の方向にしか移動しない習性によります。この他にも渡り鳥のルートは無数にありますが、南北アメリカ大陸のルートも縦断ルートです。
地球を東西に横断する飛行ルートはないようです。南西諸島から日本列島へと伸びるルートもありますが、一見東西ルートのように見えますが、これも良く見れば南北ルートの変形のようです。
話しはそれますが、2005年茨城鳥ウイルス株がグアテマラ株であったことは、これが人為的なウイルス感染拡大であったことを物語っています。グアテマラと日本を結ぶ渡り鳥の飛行ルートなどありえませんから。
■ ではなぜ、東西方向に拡がったのだろうか?
しかし、現実の感染ポイントを見れば、感染拡大は現実には東西方向に行っています。今回大きな発生をみた朝鮮半島も青海湖からはるかに東です。
青海湖と朝鮮半島を結ぶ渡り鳥の飛行ルートは存在しません。しかし、なんらかのルートを通して運び込まれたと思われます。しかし、これだけの長大な距離をどうやって?そしてなにより東西ルートを持たないはずの渡り鳥の習性との矛盾が出てしまいます。
■ これを解く鍵はアメリカにありました
西ナイルウイルスは東海岸から西海岸へ伝播した、ではなぜ?
この矛盾を解く鍵はなんとアメリカにありました。アメリカ東海岸、特にニューヨークを中心にブレークした感染症に西ナイルウイルスがあります。
これはアフリカを発生源とし、おそらくは航空機に乗った蚊によって北米に持ち込まれたと思われています。この西ナイルウイルスが実に奇妙な感染拡大をしています。まず、ニューヨークで発生し、拡大し、懸命の市当局の制圧作戦で下火になったものが、実に2年もの時間差をおいて今度は西海岸で発生が出たのです。
ね、おかしいでしょう。北米大陸を東から西へ移動する渡り鳥などいないのにもかかわらずです。答えはこの「2年」という時間差にありました。なぜ2年もの時間がかかったのかということに留意下さい。
■ 米西海岸にたどり着くまで、2年間もかかったのが鍵
人の移動が原因ならあまりにもゆっくりすぎる
なぜかと言うと、もし航空機などに乗ったヒトが持ち込んだのなら、逆に2年というタイムラグは大きすぎるのです。むしろ瞬時に西海岸に伝播していなければならないわけでしょう。2年などという速度は逆にゆっくり過ぎて、何らかの自然が媒介したとしか思えない時間なのです。
となると、感染拡大の原因としてまっさきに渡り鳥を疑うのが定石です。しかし、さきほどからくどいように言っていますように南北のアメリカ大陸を地軸方向で縦断する鳥はいても、東西ルートで飛来することは絶対にありえない、ここで、アメリカの防疫関係者と鳥類学者チームは頭を抱えてしまったんですね。
■ この秘密が解けた!
渡り鳥はいったん北のアラスカに飛び、そこで別の種類の渡り鳥に感染を移し、
別なルートで南下し、これを繰り返すうちに少しずつ西へ移動したのだ
これが最近になって解明されてきました。これは私にとって眼ウロコでした、こういうことです。
東海岸で宿主となった渡り鳥は、春、一旦北のアラスカへ戻るのです。そしてそこの保留地で他の渡り鳥グループに感染拡大をします。(ただし、ウイルス感染しても自然界のカモ類は発症しませんので念のため。)
そしてウイルスを移された他の渡り鳥グループが別なルートで南下し、やや西に移動する。そしてそこでまた別なルートの渡り鳥グループが北へ帰り、そこでまた別の渡り鳥グループに移し、、そして、以下略・・・このように何回もアラスカに行って、そこでウイルスの宿のバトンタッチをして南下し、それによって西進する。
この行ったり来たりに2年かけているわけです。南北に行ったり来たりして、ウイルスのバトンタッチをしながら、ジワジワ、ジグザグに地軸に対して横方向の西へと移動したというわけです。
■ このようなことは当然、アジアでも起こっていると思われる
青海省からバイカル、そして中国大陸内部でジグザグのルートを繰り返して
中国東北部、朝鮮半島、日本列島へとたどり着いたのだと思われる
このような現象は当然、アジア大陸でも行われていると思うのが自然です。
例えば、青海省から中国大陸内部、東北部、朝鮮半島を経て日本列島に来る、途中の中継地で別の渡り鳥に感染を拡大する、その鳥が北に帰る時には青海湖ではなく別な保留地に向かう、そしてまたそこでウイルス拡大をして、また別なルートが出現する。
こうして地軸に対して横方向のジグザグ転移を、宿主を複雑に変えながら数年規模で行っているのではないでしょうか。
この仮説が正しいとすると、仮に今年中国、北九州地方に上陸しても、そこから東へ移行するには、もう何回か春になって北へ帰って拡大する、冬に南下して拡大する、北へ帰って拡大する、南下して拡大するということを繰り返す必要があります。
というわけで、この説が正しいのなら、今年関東に1型トリインフルが来る可能性はやや低いということになります。そして、来るのなら、2年後くらいということになります。もちろん超楽観論です。
ただこれはあくまでも私の仮説なので、備えは厳重に敷いておかねばならないのは言うまでもありません。また、新型ウイルスに転換してしまった場合は、この限りではありません。ヒト-ヒトですから、もう自然界の動きとは無縁となり、ヒト間で増殖を繰り返すということになります。
         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
■写真 雪の朝、樹の間から輝かしい朝日が差し込みました。
■なぜかPCが不調で改行ができません。読みずらいので小見出しを入れたらいっそう読みにくくなりました。
いじるとかえって更におかしくなるのでごめんなさい。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。えーん、きっとノースイの悪口ばっいかり言っている祟りだよー
■TPPの閣内推進派の筆頭、前原外相が辞任しました。ややTPPが遠のいたかもしれません。

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コメント

バイカル湖と青海湖の共通点と言えば、急激な水質汚染と放射能汚染、秘密軍用基地ってことですかねえ。

とくに、潜水艦の開発基地。魚雷の発射試験場などありましたし。

まあ、でかい湖なんで、軍用利用は何でもあり。
突然変異も起き易い環境ですね。

多様な生物の宝庫と言われてますし。。
ただ、青海湖は、今は、昔ほど、自然は残ってないですが。。急激な都市開発で、汚水が流れ込んでますから。。
どちらの湖も、大きいと言っても、海よりは、比較にならないほど、狭いので、汚染がはじまると、生物への影響は大きいでしょうね。

投稿: りぼん。 | 2011年3月 7日 (月) 13時48分

アメリカの例からも濱田様の仮説はかなり、信憑性が高いのではないかと感じています。
これからの季節(すでに十勝にも飛来していますが)関東以北での発生の懸念は若干低下したものの、油断は出来ない・・・と言った状況でしょうか?
3月上旬ですから、あと約2ヶ月は油断禁物状態です。

外相の辞任については、本人の判断ですから何とも言えませんが、国会が与野党お互いに重箱の隅をつついてばかりで、本来の議論をしなく国会の体をなしていない状況で経費ばかり掛かる・・・・今の議員全員を首にして新たに選び直した方が良いかも知れませんね。その時は、現議員・元議員・前議員の立候補は認めない・・・なんて極端な方が良いかも?
無責任すぎる発言ですね(笑)

投稿: 北海道 | 2011年3月 7日 (月) 17時10分

なるほど。そうやって考えると東西の移動の緩やかさは腑に落ちます。
渡り鳥の専門家はいないのでしょうか。
たしか以前アメリカの学者が昆虫(蝶だったと思いますが)にGPSをつけ、蝶の数世代にわたる移動経路を解明していた番組を思い出します。
昆虫でできるのであれば野鳥でもできないものでしょうか。

現時点でもうひとつ気になる点があります。
ウィンドレスの養鶏農場を嘲笑うかのように悪魔どもが蹂躙する傍ら、平飼農家は死守を続けています。韓国の事例や国内の過去の事例も比べねば不十分ですが何か徹底的な差異があるのでしょうか。
感染農家の日々の動きと平飼農家の動き(物流や生産過程も含みます)に何か徹底的な違いがあるのでしょうか。感染防止の糸口になればと思うのですが。

投稿: 青空 | 2011年3月 7日 (月) 21時06分

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