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2011年4月 1日 (金)

風評被害、春蒔きと米作りの不安、そして福島第1原発は長期化する・・・茨城農業の嘆きと怒り

Photo

今、どのような「技術対策」が県の農水部からおりているのかおわかりでしょうか。

まず野菜では、
①作物の土の付着をすくなくするために植え付け時にマルチを使うこと。
②出荷調整では土やほこり、葉物類の外葉をできるだけ取り除き、可能なかぎり洗浄すること。

栽培方法としては、湿度管理に気を付けながら、寒気を最小限にすること。
露地栽培では、ベタがけ資材を使うこと。

畜産においては、
①給餌するサイレージは原発事故前に刈り取り、保管してあったものだけを使うこと。
②出荷自粛を求められている原乳は当面のあいだ自己所有地に廃棄すること。

水稲は、地域で被曝状況が異なることから、土地改良区と相談して浸種作業を進めること。田植えを遅らせる方法として、趣旨の保存や苗の劣化を防ぐ技術を公開する。

・・・まるでわが県は「空気と土に触れない農業」を目指すようです。未だかつてわが国でなかった土との接触を最小限にし、空気とも極力触れさせない農業をしろ、というわけです。

農業は、古来から土と空気と水の三要素で成立してきました。県農水部はさすがにまだ水はなにも指示していませんが、怖いからしないだけでしょう。水からも浄水場で出た以上遠からず出ます。

となると土、空気、水の農業の根幹三要素から遮断された農業をやれと!しかもすべての茨城県内の畑で無期限に!

現在、さすがの農水省も事態のあまりの展開に重い腰を揚げ始めて、筒井副大臣は「出荷禁止を県単位からもっと細かく規制する方向」を国会答弁しました。

そんなことは当たり前です。なにを今さら。遅い、まったく遅い!

ほうれんそう、パセリ、原乳を破棄し、茨城県産、福島県産の農産物がタダ同然で投げ売られるような事態は既に22日から始まって既に10日間以上経過しているのです。

10日以上たって今さら「出荷規制をもっと細かく見直す」ですか!寝ぼけるのもいいかげんにしろ!

茨城と福島を中心とする農業者は今、断崖絶壁の淵にいます。なぜでしょうか?
それは野菜の春蒔きのシーズンが終わりかかっているのに、蒔けないからです。どんなに引っ張ってもあと1週間前後。これを過ぎると初夏前後の出荷野菜は完全になくなることになります。

水田などは待ったなしで半月中に結論を出さねばなりません。結論・・・そうです、今年のコメをやるかやらないかの土壇場の決断です。

今この4月初めに水田を耕し、パイプラインを点検して水を入れる準備をせねばなりません。本来は3月中の仕事だったのです。そして冬から始まっている苗作りも進行し続けています。ほんとうに掛け値なく待ったなしなのです。

ところが昨日に検証したように、3月15日の福島原発2号機水素爆発で降り注いだ放射性ヨウ素と放射性セシウムは作物や原乳はおろか、土壌そのものまで浸透してしまっています。

ヨウ素は半減期が8日間ですから速やかに分解していきます。しかし問題はセシウムです。体内からは70日間で排出されますが、半減期は30年間です。30年間!オレは90のジジィでとっくにくたばっとるぞ(笑い)。

そして私が知る限り土壌については、どこまでが安全なのかの安全基準値がありません。今農水省で遅ればせに土壌から作物へ放射性物質が吸収されるのかを算出しているそうですが、暫定基準値を発表した厚労省との詰めもあるのでしょうから、たぶん難航しますね。

とうていこ数週間でどうにかなることではありません。

何よりかんじんな放射性物質を出す元凶の福島第1原発の重大事故が解決されていません。それはいつになるのか、早期解決という線は枝野官房長官自身が否定しました。となると、数カ月なのか、それとも半年なのか、1年なのか、まったく見えなくなりました。

放射性物質を出し続ける元凶が封印されないまま、新たな基準値を策定すること自体が意味のないことです。策定した瞬間、今度はプルトニウムを含んだ水素爆発でもやられれば・・・ああそんな悪夢は考えないことにしようっと。

私たち農業者は原発が存続しようとしまいと、そりゃないにこしたことはありませんが、あまり関心がありません。

それより目先の春に種が蒔けるのか、雛を入れていいのか、繁殖の牛豚を導入していいのか、米を作っていいのか、ということで頭の中が一杯です。

米を作っている友人に聞くと、改良区の区長は自主判断に任せると言ったそうです。大震災でパイプラインが地中で寸断された上に、ため池にも日々が入って水が溜まらず、そしてそれを大車輪で修繕したとしても、県の役人に「はいあなたの田んぼからセシウムが出ました。作っても出荷できませんよ」と言われればジ・エンドです。

友人は「農水省は今年も減反するのかな、したら大笑いだ」と言って初めて笑いました。

野菜も牛、豚、鶏も皆んなそうです。放射性物質の飛来がわが県に続く中、いつ何時「県内のドコソコで検出されました。明日から全県で出荷停止です」とやられるかもしれません。

ああ、家畜伝染予防法が懐かしい!仮に伝染病が発生したとしても、当該農場から半径5㌔か10㌔程度の移動制限禁止で済んだのですから。放射性物質の暫定基準値の取り扱いは、一カ所ででれば全県でストップです。

しかも暫定基準は、止めた後の発生動向調査に替わる土壌調査や作物調査は行われないのですから、解除の期限のめどがない無期限ということです。

まぁ仮に解除期限を設定したとしても、発生源は福島第1原発ですからあそこを止めない限り未来永劫にわたって出荷禁止は続くわけですが。

空気、土、水に触れさせることなく栽培しろと命じられ、県内のどこかで出れば出荷禁止。その解除規定すらなく、当然解除期間も設定されておらず、今もなお頭上に福島第1原発からの風下の風を浴び続けて、風評被害で投げ売りをして食いつないでいる、それがわが県の農業のただいま現在の姿です。

原発政策の今後などどうでもいい。さっさと福島第1を冷やせ!
そして石棺に永久に葬ってしまえ!

*なぜか右端が切れてしまいました。直りません。
 おぎなって読んで下さい。すいません。 

 

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

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Jpg_edited1

■2011年04月01日 05時50分現在の空間放射線測定値状況状況 (毎朝更新しています。)
茨城県環境放射線監視センター

http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

単位は空間線量率を図る単位であるナノグレイ(nGy/h)    風速(m/s)です。

非常に面倒なのですが、1nGy/h(ナノグレイ/時間)=1nSv/h(ナノシーベルト/時間)=1000nSv(ナノシーベルト)=1μSv(マイクロシーベルト)=0.001mSv(ミリシーベルト) ですから、政府、東電発表の単位であるマイクロシーベルトに換算するには上の換算式によって下さい。

また「カーム」は風速、風向きが静穏な状態を指します。

茨城県民がご覧になる場合は、下の自分の住む場所の近くの測定ポイントで見て下さい。私たち茨城県民が注意せねばならないのは、福島第1原発からの風下に当たる北および北西風、北北西の風向きです。

*単位はナノグレイ/時ですのでマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。

測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 304  西  2.3
東海村豊岡 283  西  2.0
東海村舟石川 159 北北西 1.0
東海村押延 234 西北西 1.0
東海村村松 243 西北西 1.5
那珂市横堀 176  北  1.3
那珂市門部 249 西北西 2.8
那珂市菅谷 153 北西 0.4
那珂市本米崎 200 ---- ----
那珂市額田 159 ---- ----
那珂市鴻巣 200 西北西 1.0
那珂市後台 213 ---- ----
那珂市瓜連 148 ---- ----
ひたちなか市馬渡 314 西北西 1.5
ひたちなか市常陸那珂 419  北  1.8
ひたちなか市阿字ヶ浦 264 西北西 1.4
ひたちなか市堀口 534  西  0.6
ひたちなか市佐和 303 ---- ----
ひたちなか市柳沢 265 西北西 1.4
日立市久慈 408 西北西 2.2
日立市大沼 391  西  1.0
常陸太田市磯部 214  西  0.9
常陸太田市真弓 143 ---- ----
常陸太田市久米 104 北北西 1.1
常陸大宮市根本 151 北西 1.4
大洗町大貫 324 西北西 1.6
大洗町磯浜 263 ---- ----
鉾田市造谷 382 西北西 0.5
鉾田市荒地 321 北西 2.9
鉾田市田崎 256 ---- ----
鉾田市樅山 512 ---- ----
鉾田市上富田 213 ---- ----
鉾田市徳宿 227 カーム カーム
茨城町広浦 392 北北西 1.4
茨城町海老沢 254 カーム カーム
茨城町谷田部 180 ---- ----
水戸市吉沢 161  西  0.8
水戸市大場 185 カーム カーム
水戸市石川 193 北北東 1.1
三菱原燃 125 ---- ----
原燃工 360 ---- ----

茨城県放射線測定モニタリングポスト位置

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一緒にがんばろう、東北!

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コメント

和蘭の仲間でしょうか、すみれでしょうか?
わたしもこういう素朴な花が大好きです。


さて、農家さんは困りましたね。
春の種蒔きと苗代作りの時期ですし、作付けするにしても売れる見込みがあるのか?
植えて育てても無駄になるかもしれない。激しいジレンマです。

IAEAの飯舘の表土汚染報告など見ると、あまり大きく報道されない「放射能拡散シミュレーションソフト」の有効性がかいまみえます。
ジワジワ拡がってますね。

私も福島第一の1~4号機は「石棺」にしてでも拡散防止が急務だと思ってます。しかし、地下の水が…。
甚大な被害を被った漁業者の皆様には大迷惑な話ですし風評被害が心配ですが、単純に半分は海に流れて拡散・希釈されるのは救いだと思ってます(漁師さんごめんなさいm(__)m)。
そういう私は魚も鯨も大好物なんですよ。

実は私たち有機農業団体も今年の春の種蒔きはする、米は作るで意思一致しようとしていた矢先に、原発の大量放射性物質の水が見つかり、まったく闇の中に入ってしまいました。

漁業者に聞くと、漁船や網のダメージがひどくどうにか使える船だけ共同で出していこうとしていた矢先に、これまた海水の高濃度の汚染水が発覚しました。

漁業のほうは茨城水域だと風評を立てられますから、銚子沖などへ行くそうです。ちなみに茨城の港はほとんどが半壊状態です。

しかし震度6の大震災⇒大停電⇒断水⇒インフラの破壊⇒燃料切れ⇒エサ切れとあって、原発重大事故⇒放射能汚染⇒出荷停止⇒風評被害と続きますから、もうこの先なにがあっても驚きません。

関東では桜が開花したようですが、北海道はまだまだ花の季節ではありません。家の中の鉢植えで緑を楽しんでいる状態です。
十勝もやっと雪解けが進み、畑が顔を見せてきました。
「秋蒔き小麦」の緑が唯一植物らしさを感じさせています。

原発問題は日を追うごとに深刻さを増しているように感じます。仏大統領や原子力の専門会社のCEOも来日し、支援を申し出てくれています。
現政府より、頼もしく感じるのは私だけでは無いと思っています。
「1945年以来」と大統領に言わしめた惨状を、どこまで政府や関係者が認識しているか、甚だ疑問な発言
が記者会見で繰り返されています。
今朝の「朝ズバ」で「○○もんた」が、「戦後65年間原子力政策に関わってきた自民党にも責任がある。良く考えてもらいたい」なんて発言していましたが、これまで、その恩恵を人一倍享受してきた人間が言っても説得力はありません。
(お前に言われたくない、カッコイ良い事だけ言うな!)
影響力のあるマスコミは発言に気を付けてもらいたいものです。
今はとにかく、終息を願うしか何も出来ません。

取り合えず 何か 上に覆いを被せない事には、
風向きだけでは無い様な‥
そもそも 放射線!、線なのだから 原子が分裂する時に 電離性を有する高いエネルギーを持った 電磁波や粒子線が 放射状に飛び出すのだから、多少の風の影響は有るものの、今 到達している所は 絶えず粒子線が 突き抜けているはず、取り合えずフタをしてもらわないと‥‥、距離が離れていても 絶えず観測される訳だ。

でもかぶせたら被せたで・・・温度上昇でやばい事になっても困るから厄介すぎるな・・・。
というかこの原発の設計者がこの原子力発電所は不具合だらけですぐ建て直すべきだったと告白してますしなぁ・・・。水素爆発は起きて当たり前だったようです・・・・。なんでも冷却装置が働らかなかったら・・・水素爆発は確実に起きる設計だったみたいですね・・。余裕が本当にぎりぎりの設計だったそうです。

農業も漁業も、ひどい状況の中、最善の努力していらっしゃることを感じます。本当に腹立だしいのは、この事故の危険性をもう20年以上、数多くの知識人が指摘してきたのに、お金と利権のためにそれを力で押し、原発を作り続けてきた、勝俣会長をはじめとする東京電力幹部、それに丸め込まれたマスコミと権力欲に取り付かれた保安委と通産省(今の経済産業省)です。さらにいうと、そういうことを知らずにすごしてきた私自身も恥ずかしいと思っています。
すべてを菅総理と今の政権のせいにして、本当の責任者たちは特権を使って隠れていますが、私たち国民が今回もそれに流されてしまったら日本という国はおしまいだと思います。
一方で、濱田さんの様に、このひどい状況の中で最善のことをしている方が日本の救いです。
私は東京在住で、子持ちなので子供の食べ物は気になります。農水省のデータを毎日見て、数値がひどかった頃は、子供に「ほうれんそうでなくてバナナを食べなさい、(カリウム摂取のため)」と言ったりしましたが、子供は「ほうれんそうが食べたい」といいます。近くで採れた、皆さんが努力して作られた野菜のほうが美味しいことを子供はわかっているんです。
何も出来なくて申し訳ないのですが、応援しています。これは3県の農業、漁業従事者だけの問題ではなく日本全体の問題です。電力会社を解体して、すべての原発を止めるべきだと思います。村田光平さんの書かれた「原子力と日本病」(朝日新聞社)など、読んでみて下さい。

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