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2011年4月

2011年4月30日 (土)

千葉県の牧草地から暫定値を超えた放射線量  除染はどうしたらいいのか、まったくなにも決まっていない

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日本農業新聞(4月30日)によれば、29日、千葉県の研究機関の牧草地2カ所から基準値を超える放射性物質が検出されました。(資料1参照)

千葉県や圏内の生産団体では牧草の給与を自粛するように徹底しました。自給資料の利用制限などについて政府は「適切な補償が行われるように万全をつくす」そうです。

検出された数値は八街市の県原乳牛研究センターで
・放射性ヨウ素・・・・・・90ベクレル/㎏
・放射性セシウム・・・350ベクレル/㎏

同センター市原で
・放射性ヨウ素・・・・・・・・230ベクレル/㎏
・放射性セシウム・・・・1110ベクレル/㎏

この粗飼料の暫定許容量は、給与して生乳や食肉の中に放射性物質キャリーオーバー(移行)しないための判断の目安として国が設定しました。

暫定許容量は
・放射性ヨウ素/乳用牛(経産牛)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70ベクレル/㎏
・放射性セシウム/乳用牛・肥育牛(出荷前15カ月以降)・・・・3000ベクレル/㎏
・乳用牛・肥育牛以外の育成牛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5000ベクレル/㎏

またまたドヒャーです。私は空中放射線量が多くなった、逆に減少しているから安全になっりましたという政府の言い方に、眉に唾をつけてきました。

というのは空間放射線量(環境放射線量)の多寡は、その時の風向頻度といって風向きや地形によってひどく偏差するからです。

福島第1原発野ある福島県浜通り地域からは、冬季には北からの風が茨城に向けて吹きます。しかし3月12日の水素爆発時には西への飯館村方向にも一時吹いています。この気まぐれな風が飯館村、南相馬市などの30キロ圏外へも放射性物質を飛散させてしまいました。

この情報をおそらくは12日の午後の段階で政府は知り得ていたはずでした。政府中枢には、SPEEDI(スピーディ・緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム家←なにがスピーディだつうの!)という悪い冗談のような名称のスパコンを使って飛散情報は届けられていたからです。

政府はこれを隠匿しました。小規模に見せたかったからです。もはや犯罪行為といってもいいと思います。おそらくはいずれの日にか提訴されるでしょう。

これに抗議して、昨日他ならぬ首相が招聘したはずの内閣官房参与・小佐古敏荘東大大学院教授(放射線安全学)が辞任しました。

教授ははっきりとこの政府による情報隠蔽工作を厳しく批判しており、避難地域の設定も行政のご都合主義だと批判しています。まさに正論です。ようやく政府内部からもこのような声が出たことを心強く思います。

当時、「ただちに健康に影響はない」とオウムのように言っていた枝野氏の反応を知りたいくらいです。かんがえてみれば枝野氏は弁護士で。依頼人である時の政権のためにはなんでも隠して、有利なことしか言わないのでしょうね。困った弁護士根性だ。

それはさておき、問題は土壌に蓄積している累積放射線量(*土壌累積放射線量という言い方はしないようです)です。私がこれに着目するのは、空中放射線量はその時、その人の条件によってまったく条件が異なるからです。

よく放射性医学の専門家が言うのは、1日あたりの放射線量のリミットは、実際にはその3分の1の8時間もでていないでしょう。だから大丈夫というリクツです。

あるいは、放射線量(あの人たちがなにも言わない場合は「空中」のほう)が下がったの上がったのというのは、あくまでも空気中の放射線量です。

放射性物質はとうぜん地表面に落ちてきます。そして風や雨で吹き寄せられて溜まっていく場所ができたりします。たとえば、そうですね、道路の側溝と路面を計ったデータがあります。浪江町では、側溝が20マイクロシーベルトで路面は10分の1の2マイクロシーベルトでした。

これはわずか1メートルも離れていない地点での計測値です。この計測地点の浪江町は福島第1からの南東からの「風の道」にあたっているために高い数値がでてしまったのです。そして路面と側溝ですら10倍も違う値なのです。

空中放射線量も累積でみなければ分からないだろうと言う世論に押されて、ようやく文科省が先日発表しました。(資料3)

私はこれも一歩前進だと思いますが、ほんとうにその土地が安全に暮らしていけて、安全な農産物を生産できるのかどうかのリアルな数値は累積「土壌」放射線量をみなければならないと思っています。

この目安となるのが、現在各所でパラパラと検出されてきている農耕地や牧草地の土壌放射線量です。ここで問題となるのはセシウムです。ヨウ素は半減期がわずか8日間ですので、何回か計っているうちに消滅していきます。

セシウムの半減期は30年ちかくあります。いったん検出されればなにかしらの除染をしなければならなくなります。

福島県郡山市の学校で既に除染作業が始まっています。おそらく日本初の原発以外の敷地での除染作業でしょう。郡山市の判断は英断でした。

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上の写真はスクレーパーで表土を剥いでいるところです。おそらくは5㎝以上剥いでいる気がします。

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続いて散水してから人力で表土を集めて、その後に客土していきます。

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この除染作業の結果、3.6マイクロシーベルトの校庭の土が0.6マイクロシーベルトにまで減少したそうです。

問題はこの後です。この除染した土を持って行く場所が「白紙」なのです(笑)。もうわが政府の「白紙」ぶりには毎回ながらもうひきつって笑うしかありません。

というのは今まで低レベル放射性廃棄物は六ヶ所村の低レベル放射性物埋設センターでしたが、それはあくまで原発からの廃棄物です。それ以外の廃棄物は「産業廃棄物」として、「最終処分地に保管、または埋設する」となっているのです。

この小学校の地は事業ゴミとして、「最終処分地」である学校の校庭に「保管または埋設」するしかないと言うことになります。結局今は、校庭の隅にブルーシートをかぶせて「保管」してあります。これではなんのための除染かわかりません。

おまけに文科大臣は自分では小指もあげもしないで、「このような行為はけしからん」といきまく有り様です。面子をつぶされて怒っているんでしょうね。どこまでバカなのか、わが政府。

そういえば避難所の焚き出しに保健所が立ち入り検査をして閉鎖に追い込んだ所も出たとか。まったく何をかんがえているのか。おおかた厚労省の差し金でしょう。どうせ何もしない、できない人たちなのですから復興の邪魔だけはしないでほしいものです。

問題は山積しています。まず土壌放射線量が明らかにされていません。これを公開させることがまず最初です。

次にそれをどのように除去するのか、その責任主体が事業者や栃所有者なのか、あるいは地方自治体か、はたまた国か、東電か、その財源はなにかなど、今の時点ではまったく「白紙」です。

次に除染した土はどこに持っていくのか、「最終処分地の自分の土地に埋めろ」などととぼけたことを言わんで下さい。それではなんの解決にもなりません。

一体、この難問どうしたらいいのでしょうか。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 日本農業新聞4月0日 クリックすると大きくなります。

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■ 資料2 小佐古内閣参与が抗議の辞任 政権の原発対応遅れ批判
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内閣官房参与の小佐古敏荘東大大学院教授(放射線安全学)は29日、福島第1原発事故をめぐり「政府は法律などを軽視し、その場限りの対応で事態収束を遅らせている」と批判し、首相官邸に参与を辞任する意向を伝えた。小佐古氏は3月16日に就任。原発施設と放射線に関して首相への助言を求められていた。

 政府の原発事故対応への不満が顕在化した。首相が「知恵袋」として活用するため起用した参与が抗議の辞任をするのは、極めて異例だ。

 小佐古氏は29日夕、国会内で記者会見し、放射性物質の拡散を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による測定結果の公表遅れを問題視。原発作業員の緊急時被ばく線量限度を年100ミリシーベルトから年250ミリシーベルトに急きょ引き上げたことに触れ「もぐらたたき的、場当たり的な政策決定を官邸と行政機関が取り、手続きを無視している」と指摘した。

 同時に、福島県内の小学校校庭などに累積した放射性物質に関し、文部科学省が示した被ばく線量基準は「国際的な常識ではなく、行政の都合で決めている」と述べ、厳格化するよう求めた。
(共同通信社)

■ 小佐古参与が抗議の辞意 子供の被曝基準「容認できぬ」 

内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東大大学院教授(61)が29日、東京・永田町で記者会見を開き、参与を辞任する意向を表明した。小佐古氏は菅政権の福島第一原発事故対応について「法律や指針を軽視し、その場限りだ」と批判した。

 小佐古氏は会見に先立って首相官邸を訪ね、今月30日付の辞表を提出した。

 会見では特に、小学校などの校庭利用で文部科学省が採用した放射線の年間被曝(ひばく)量20ミリシーベルトという屋外活動制限基準を強く批判。「とんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命は終わり。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」と訴えた。「通常の放射線防護基準に近い年間1ミリシーベルトで運用すべきだ」とも述べた。

 また、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測が4月下旬までに2回しか公表されなかったことも批判。「今のやり方は、東京で数字をぼっと決めてやっている」と指摘し、政権の対応について「私がやってきたことからは外れているので、これ以上とどまっている理由はあまりない」と語った。

 小佐古氏は放射線安全学などが専門で、東日本大震災発生後の3月16日、原発事故の助言を政権に求められて参与に就任した。菅直人首相は小佐古氏ら計6人の原子力専門家らを次々に内閣官房参与に任命した。 (朝日新聞4月29日)

■資料3 放射性物質:累積放射線量 浪江町などで年間限度超える

文部科学省は2日、福島第1原発から北西約30キロの福島県浪江町国道399号沿いの累積放射線量が、8.985ミリシーベルトに達したと発表した。3月23日以降214時間の累積で、浪江町内の他3地点▽4.078ミリシーベルト▽4.127ミリシーベルト▽1.807ミリシーベルト、北西約32キロの飯舘村の5.339ミリシーベルトが、人工被ばく年間限度(1ミリシーベルト)を超えている。

 都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)は、2日午後5時時点で宮城、茨城、栃木など7都県で1時間当たりの大気中放射線量が通常値を超えた。いずれも通常値に近付いている。

 1日に採取した水道水1キロでは11都県で放射性ヨウ素0.11~9.8ベクレル、5都県で放射性セシウム0.41~4.3ベクレルを検出した。ヨウ素とセシウムがともに検出されたのは栃木、群馬、埼玉、千葉、東京の5都県。

 原発から20~60キロ離れた福島県内43カ所の屋外で行った2日朝から夕方にかけてのモニタリングカー調査は、1時間当たりの大気中放射線量が0.2~62マイクロシーベルトだった。

 2日午前9時までの24時間で採取した1平方メートル当たりの定時降下物は、栃木県でヨウ素95ベクレル、セシウム47ベクレルを検出。ほかの5県でヨウ素4.1~45ベクレル、4都県でセシウム15~23ベクレルを検出した。

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資料3 福島・川俣上空で放射線量10倍  文科省調査

(福井新聞 2011年4月3日午後8時47分)

 文部科学省は3日、福島第1原発から30キロ以上離れた上空をヘリコプターで調査、福島県川俣町で通常の10倍以上の放射線量を計測したと発表した。文科省は「より上層へ放射性物資が拡散している」と分析した。

 文科省は2日、福島県の9カ所と栃木県那須塩原市、茨城県北茨城市の高度約160~650メートルで測定し、川俣町上空で毎時0・30マイクロシーベルト、福島県いわき市で0・15マイクロシーベルト、福島市で0・14マイクロシーベルト、同県白河市近辺で0・13マイクロシーベルトを計測した。同県上空は通常、毎時0・01~0・03マイクロシーベルトとされる。

 また文科省が同県内の土壌や雑草を1日に採取した調査で、原発から約35キロ北西の川俣町の雑草が最も高く、セシウムは1キログラム当たり96万8千ベクレル、ヨウ素は50万3千ベクレルを検出。これまで高い数値で検出されている約40キロ北西の飯館村の雑草ではセシウムは72万5千ベクレル、ヨウ素は21万9千ベクレルと大幅に下がった。

 原子力安全委員会は「局所的に高い値が出ている。採取地点や草の種類によって数値は変動し、健康への影響は評価できず、農産物については厚生労働省などが継続的に検査する」とした。

資料4 義援金、被災者に届かない…給付は1割未満

東日本大震災で寄せられた義援金の給付が進まない。岩手、宮城、福島の3県へ日本赤十字社などから送られた約580億円(第1次分)のうち、被災者の手元に届いたのは1割にも満たないことが、読売新聞の調べでわかった。

 事務を担当する市町村側で職員が足りなかったり、住民への通知や本人確認が出来なかったりし、足踏み状態が続いている。

 日赤や中央共同募金会など4団体と被災した15都道県による「義援金配分割合決定委員会」は今月8日、死亡・行方不明者1人当たり35万円、住宅の全壊・全焼は1戸当たり35万円、半壊・半焼は同18万円を各世帯に配ることを決めた。

 宮城県には計約238億円が配分されたが、実際に受け取った被災者は、ほとんどいない。全職員の7人に1人が死亡・行方不明となった同県南三陸町では、戸籍が流失するなどして受取人の確認が難しいことに加え、町外への避難も十分把握できないという。「事務量が多く義援金にまで手が回らない」と、町職員から悲鳴が上がっている。

 岩手県には約101億円が配分されたが、29日現在、申請を受け付けているのは、対象23市町村のうち宮古市など5市町村のみ。野田村が、県と村の独自分を上乗せして259人に計1億4002万円を渡しただけで、他の自治体では支給はこれからだという。

最終更新:4月30日(土)3時4分

●全国の文科省測定の環境放射線量の数値はここから
http://www.mext.go.jp/

●全国放射線量マップ NAVER
 
http://www.naver.jp/radiation
 東北地方太平洋沖地震 NAVER特設ページ
 
http://matome.naver.jp/tohokujishin 

■写真 カラスノエンドウの新芽です。なんとも淡く美しい。

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2011年4月29日 (金)

福島県NPOの小さくて大きな支援の取り組み  

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今日は私が支援している福島県の「NPO田んぼ」(岩淵成紀理事長)の復興活動をお伝えします。

下の文にも出てくる「ふゆみず」とは「冬水」のことで、その名のとおり冬の間にも水を落とさず、水を張った状態のまま春のしろかきまで持っていきます。

こうすることによって、冬季に植物性プランクトンを糧とするさまざまな微生物、小生物が多く繁殖することがわかっています。

この豊かな生物相を得て、水田が本来持っていた多様な生き物の織りなす曼陀羅を作ろうとしています。そしてその命湧く田んぼを、さまざまな人たち、特に若い人たちに直接に体験してもらい、農とその世界を理解してもらうことを進めています。

活動についてはこちらからご覧ください。
NPO法人田んぼ URL:
http://www.justmystage.com/home/npotambo/

このNPO田んぼは福島県を活動拠点にしていましたが、今回の大震災で自らも被災しました。しかし、それにくじけることなく、このNPOをひとつのステーションとして、被災した人たちへの支援を活発に始めています。

その取り組みは単に支援物資を送るだけではなく、「未来の被災地の再生」に力を入れているのが特長です。

たとえば、被災地の学校の泥の除去や、失われた学用品を届けたり、また被災地やその外の高校生たちとをツイッターで結び合わせて、「避難所の御用聞き」を作ったりしています。

これは被災地に暮らす若い人たちが支援される立場から、被災地のジィちゃんパァチャンを助け、新たな地域を作る芽となる始まりです。

また、家屋を失った人たちのために、短期に暮らす仮設住宅ではなく(もちろんそれも政府の怠慢により非常に不足していますが)、バイオマス間伐材や自然エネルギーを取り入れた今後の再生される町づくりの基盤となる住宅を考えています。

被災地では膨大な瓦礫と化した木材などが放置されたままになっています。この瓦礫を脱塩し、「流域ペレット」として住宅の暖房などに使うことも計画しています。

そして多彩な被災者への癒しプロジェクトも始まっています。音楽、工芸、落語、演芸などを企画しています。

これに私が共感するのは、大震災により今失われてしまった街を、誰の力でどのようにして、どんな新たな町づくりをしていくのかという「未来」への視野が拡がっていることです。

これはともすれば大震災の被害と、頭上から離れない放射能の恐怖から、人が人らしく生きられる新しい町を作るなにかひとつのきっかけになるのではないでしょうか。

喪失感と恐怖から逃れるのには前に進むしかないのです。

被災者が「被災者」であることを止め、新しい町作りの環を自ら作ること、それがほんとうの復興なのではないでしょうか。

現在福島県被災地では、よくいわれるように支援物資が足りているなどということはまったくないそうです。

特に山間部ではひどい状況が続いています。ぜひこれらのNPOや避難所、あるいは県のボランティアセンターなどと連絡をとって支援物資をお送りください。物資によって足りているものといないものがあります。送られる前に一度連絡をとることをお勧めします。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

皆さま

ヘドロをかぶった大谷のふゆみずたんぼのヘドロの部分を調査いたしましたのでご報告いたします。比較のために荒浜の松林内ヘドロも調査結果も添付します。

この結果、被災したふゆみずたんぼのヘドロは、ECも塩分濃度もかなり高いことがわかりました。

(略)
田んぼの復元についてもこのページを通じて 随時報告していきます。

http://www.justmystage.com/home/npotambo/satoako.html

                ■ 7つのプロジェクト
                -こころの通った支援活動-

1.教育プロジェクト
。支援物資を集めて、避難所や被災した個人宅の物資の必要な人々に迅速に届ける。

◦教科書・参考書や文具等の学用品を被災地の子供たちに届ける。

◦被災地の子供たちに家庭教師を派遣する。

◦被災地の校庭の泥の除去や、学校の復興のための学校再建の支援する。

◦被災地の学校に被災地情報発信用のコンピュータや携帯電話を届ける

2.被災地の高校生と世界の高校生を繋ぐtwitter・プロジェクト
◦被災地の高校生と支援の高校生を直接結ぶ
①被災地の高校生が近所や避難所のご用聞きになるような仕組みを被災地 の高校教師とともに立ち上げ、運営する。

② 被災地以外の高校生が近所に呼びかけて被災地の需要に応えて物資を送る仕組みを高校教師とともに立ち上げ、運営する。

◦国連大学と連携してESD International Year of Youth 2011活動の一環として大学生とともに活動する http://social.un.org/youthyear/

3.仮設じゃない生物多様性「復興住宅」・プロジェクト
◦被災地に持続可能なエネルギー(風力、太陽光、バイオマス発電)を利用した個人復興住宅を作成する仮設でない復興住宅プロジェクト。

また、集落の集会場となるコアーな施設を建設し、集落のコミュニテイーを維持し、その周辺に数十の小さな復興住宅を造る。

◦集会場のコアーとなる施設を地域の木材を利用し、地域の人々の研修施設、被災者 の就労の機会の場を提供する。

◦補助発電装置として、バイオデイーゼル発電機を利用する。

◦こころとからだの癒しの場、自然エネルギーを利用した共同足湯施設を併設する。

・生物多様性向上の概念を活かした設計を考える

4. 被災地の廃材と地域の素材を混合した流域ペレット・プロジェクト
◦被災地の柱や梁と倒れた松林の松、流域の葦、杉の間伐等をブレンドした流域の素材を利用した流域ペレットを作成する。

・塩水やヘドロに漬かった木材のモニタリング調査と脱塩の方法の検討を行う。
◦流域ペレットを暖房の材料として震災復興住宅に使う

5. 芸術・文化を通した心と体の癒し・プロジェクト
◦天使の癒し隊メンタルケアー・天使カフェによるアロマ、マッサージとヒーリング活動

・ひととひとのぬくもりを具体化する
◦癒しのクラシック小さな音楽会開催・さと・あこの小さな音楽会(豊岡市との共催事業)

◦落語で癒す(NPO法人メダカの学校との共催事業)・落語家による癒し活動を行う
◦復興と癒しのジャズ(豊岡市との共済事業)活動を行う
・絵本や絵画を通じた心の癒し活動を行う

(略)
7.東北再生のための生物多様性を活用した「東北再興銀行」プロジェクト

◦宮城のお酒、味噌、醤油などの伝統を守り、地域の材料を使用している加工食品の売上の一部を支援金へと活用する市民バンクの創設を行う。

◦震災復興の共通マークの作成と再生のためのコーズ・マーケティングシステムの確立する。

現在、NPO法人田んぼは、これらの活動を同時に行うことを考えています。
皆さんのご意見,ご協力をいただければ幸いです。

岩渕 成紀
NPO法人田んぼ理事長
〒989-4302宮城県大崎市田尻大貫字荒屋敷29-1
電話&fax;  0229-39-3212

■写真 今朝朝日を撮っていたらファインダーにわが家のワンコロが乱入。そのままパチリ。しかし無用に元気なやつらです。この後に、私の所に駈け寄ってきて、レンズをペロリ。可愛いバカです。

2011年4月28日 (木)

すべての命を救え!

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涙が止まらない画像がある。

私たち農家に命を預けている牛や豚、鶏が見捨てられ、苦しみ苦しみぬいて餓死していく。あるものは主人の帰りを待たずに柵にもたれかかるようにして死に、主人が窮余の策で逃がしたものは無人の放射能の町を駆ける。

すべての家畜を救え!

計画的避難区域だの警戒区域だの言っている場合か。家畜はわれわれと一緒の命あるものなのだぞ!

ぶざけるな!なにがその時間的余裕がないだ。1カ月間丸々あったではないか!引き取る所がない。冗談を言え。ほんとうに政府は八方手を尽くしたのか。

必死に牛を避難させ、引き取り手を探したのはJAと民間の篤志家だけではないか。

すべてが遅い。遅すぎる!避難民すらまともに対応できていない政府に家畜のことなど考えが及ばないのはわかっているが、一体なにをしてきたのだ。

計画的避難区域に指定され、5月末までに住民の避難を終えるように一方的に求められた葛尾村の幹部職員は、「村の力だけでは無理だ」と言う。当然だ。

なぜか。人の避難で手一杯の町や村の行政にそのような余力が残っているはずがない。村の職員は言う。

「国側から人の避難の具体策や役割分担すら示されていない。まったく白紙の状態だ。各々の自治体で対応するしかない」

一切を地元自治体に丸投げして期限だけ切る。これで仕事はお終いと考えているようだ。話にならない。

人ですらこの扱いだ。ましてや家畜など勝手に死ねということなのか。農水省は2万人もいるのだろう。MA米の保管などという暇つぶしをしていないで、福島に来て人や家畜の避難の手伝いでもしたらどうなのか。全国各地の農政事務所を使ったらどうなのか。

23日に第2回「復興構想会議」がひらかれたが、なにも決まらない。避難者の扱いも避難方法も、家畜の救助もなにも決まっていない。ただ無駄に多くの会議(20!)を開いてお茶を飲んで堂々巡りの議論をしているだけだ。

救援方法を具体的に実現していく政府の態勢がいつまでも「白紙」だ。そして復興会議で冒頭に出た五百旗部代表の台詞。「復興には増税が必要です」。

人も、家畜も救えず、原発事故さえ止められないうちに増税だけしようというのか!正気とは思えない。
 
被災地支援のボランティアとの連携も調整が難航している。確か辻本女史が担当ではなかったのか。市長が悲痛な声をユーチューブで上げるまで、南相馬市にはボランティアさえ行けない見捨てられた街になっていた。その調整手配をするのが政府の仕事だろう。

無能もここまでくると災害だ。しかし暗愚の帝王は任期一杯やるのが自分の使命だとうそぶく。あげくに与党内部の醜い抗争。

福島県民よ、もっと怒れ!声をぶつけろ!怒りの声を東電だけではなく、無策の政府にぶつけろ!農水省に厚労省にぶつけろ!

福島県民の怒りの声がないとこの堕落した政府は動かない。今一番大変な時なのはわかる。心身ともに限界だというのは痛ましいようにわかる。しかし今声を上げないと手遅れになってしまう。

政府は避難者の救助を最優先しろ!政府はすべての家畜を避難させよ!餌と水を警戒区域に搬入しろ!

もうこれ以上命が消えていくのを見ていられない。

すべての命を救え!

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

警戒区域の家畜、所有者同意で殺処分も 福島県 25日から緊急的措置 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110424/dst11042412370012-n1.htm
 2011.4.24 12:34

【福島県は24日、東京電力福島第1原子力発電所周辺の立ち入り禁止の警戒区域内に残されたり、放牧されたままになっている牛や馬などの家畜について、所有者の同意があれば殺処分を含む「緊急的措置」を行うことを決めた。

 区域内の衛生管理などが目的。25日から県内の家畜保健衛生事務所の獣医師らがチームを組み、放射線量が高い大熊、双葉、浪江町を除く6市町村に順次立ち入る。

 死亡した家畜に消石灰をまき、ブルーシートで覆うほか、ひん死状態や放置された家畜は、所有者の同意が得られれば殺処分する。健康な家畜は畜舎に戻すなどするが、国の方針が出ていないため、域外への搬出は難しいという。

 県によると、警戒区域内には東日本大震災の発生前、牛4000頭、豚3万頭、ニワトリ63万羽、馬100頭がいたという。

 初日の25日は、南相馬市小高区が対象。獣医師など数名が2班に分かれ、防護着着用で作業に着手する】
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2011年4月27日 (水)

「たこ」様にお答えして  放射性物質の土壌検査等が最優先です

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「たこ」様という人からまた長文の書き込みを頂戴しました。今度はすごいですよ。バージョンアップです。(苦笑)

自分で論争はしないと言っておきながら、またまたの乱入なので、放置しておくのも失礼なようですので全文を 転載します。

さて、このような人様の家に土足で上がり込んで、「一丁前にデータを乗せているくせに、データも読めない馬鹿者」とか、「生産者の立場で消費者の健康も考えない」とか、「群れて主張している」とか、まぁいいたい放題の説教強盗のような人ですな(笑)。

まぁよくいるのですよ、あなたのような人が。このブログはランキングにも参加しないでいる静かな「農の座談室」のつもりなんですが、2ch掲示板と勘違いする輩が絶えません。

うちのブログではあなたのような野卑な言葉遣いは厳禁ですのでよろしく。

私はたこ様にひとことの批判はおろかコメントもしていないのに(あなたがしているのは「山形」さんです)、ここまで面識もない他人様を見下してえらぶる精神に、改めて感心します。

あんた何様?

今、私の机の横にある原子力関係の本を写真に撮ってみました。とりあえずこれは原子力批判派ですが、推進派の資料もそうとうにあります。

私はあなたと違って無学な農家ですが、いちおう書くときにはこのていどの本とサイトは当たっております。

ほらほら、あなたの大好きな武田邦彦先生の本が一番上にありますでしょう。予約新刊でとっくに買ってあります。先生のサイトも地球温暖化論争の時から(ちなみに私はクライムゲート事件の日本での初期の紹介者ですが)、あなたのように丸ごと盲信しないで距離を開けて拝見しております。

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さて、何から行きましょうかね。つっこみどころ満載なので目移りするくらいです。ただし、私は今風評被害の真っ只中にいて、今そうとうに大変な状況です。

一部の方には楽しい論争ネタでしょうが、私たちは生活そのものが台風の中にあるものなので、いちおう一点に絞ります。

「たこ」様が私のブログをずっと読んでいたわけではないのは下の文からも判ります。

放射性物質はホットスポットといわれる場所があります。
検査をしているのは、一部の土地だけです。
もし、検査していない場所がホットスポットだったとして
高濃度の放射性物質が付着していたら、どういうことが起きるでしょうか。

一つ間違えれば、加害者となることを自覚すべきです。

はい、そのとおりです。私はかねてからこう主張しています。まずは政府は責任を持って放射性物質の土壌検査をしろ、と繰り返し1カ月前から言ってきています。たとえば4月5日あたりの記事を見て下さい。

放射性物質がどれだけ土壌に残留しているのかをきちんと調べて、それを公開することが最良の風評被害対策なのです。分かりきったことではないですか。

「暫定規制値を超えて食べても直に影響はでない」とか枝野さんが百回言うより、さっさと土壌検査を自治体単位で徹底してやればいいのです。

それをマップにして公開すればいい。ぜひやるべきです。土壌検査などは、今の文科省のやっている測定車を使ってダスト分析方法でやればそれほど迂遠な道のりではないはずです。このことも私は主張してきています。

そうすればどこに放射性物質が土壌基準値より上回ったのか、問題がないのか一目できます。

ご承知のようにセシウムやヨウ素は揮発性ですから、風向頻度が問題となります。風向頻度とは風向きのよくいく地点のことですが、風に乗るというセシウム、ヨウ素の特殊性からこれが重要な判断材料になります。

政府がやっている半径20㎞、30㎞の避難区域の設定などはこのSPEEDIの飛散シミュレーション図をみれば意味があまりないことがわかるでしょう。

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この図は、3月12日から23日のものです。つまり12日と15日の水素爆発の後の飛散状況をシミュレートしています。

この図は後に米国エネルギー省が出した無人偵察機グローバル・ホークを使った下図の実際の観測図と見事に一致しており信憑性があります。(左が内閣原子力安全委員会のSPEEDI、右が米国エネルギー省作成の飛散実測図)

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一目でわかるように、20㎞、30㎞避難区域でも広野町、いわき市、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町などは市の一部がかかっいていますが、同じ市町村でもかかっていない地域もあります。

逆に飯館村は避難区域外でしたが、ほぼ全域がかかっています。現実に文科省の土壌ダスト検査では高濃度の放射性物質が検出されています。

いかに風向頻度によって放射性物質が偏差するのかがわかります。現時点でも福島第1は低濃度の放射性物質を絶えず出し続けています。

しかし問題は規制値を超えるような放出は数回しかないことです。下の表を見て下さい。これは茨城県HPから取った茨城の放射線量の推移です。

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これを見て分かるのは、3月14日前後に大きな放射線量の増加が記録されており、3月21日にまた中ていどのピークがあって以後は低レベルで推移していることです。

SPEEDIの図と上図を重ね合わせると、どの時期にどれだけの量の放射性物質が近隣に飛散したのかほぼ見当がつきます。

しかしこれはあくまでも空中放射線量でしかありません。放射性物質は土壌に降下した後に残留します。そしてそこからグラウンド・シャイン現象などによって地表面から放散していきます。当然のこととして野菜などが植えられていれば吸収するでしょう。

ところが、今の暫定規制値は単なる野菜や畜産物の残留検査にすぎません。これでどうして「安全」が確保できるのでしょうか?問題は土壌なのです。

風向頻度からみて、その地形が盆地であるのか、高台にあるのか、風の通り道なのか違うのかなど多くの要因で、右の畑では出たが、左では出ないといったことがひんぱんに起きるでしょう。

だから、私は県丸ごとの出荷規制などナンセンスだと言っているのです。それは農家のエゴで言っているわけではなく、消費者の安全を担保できないからです。

ひとつの市町村単位ですら出る場所、出ない場所があるのは、先ほどのSPEEDIの図を見れば判りますね。

本来は、時間的余裕があれば畑一枚一枚を土壌検査すべきです。むしろぜひやって欲しいほどです。

しかし、今は到底無理なようですから、ひとつの自治体単位で無作為抽出サンプリングでがまんするしかないのです。

そのルールもまだ決まっていません。決まっているのは暫定規制値がらみの市町村単位だということと土壌基準値だけです。

いいですか、土壌検査は消費者をなだめるためにやるのではないのです。ほんとうに「安全」だと言えるのかと年中消費者の皆さんから聞かれますが、それは私たちが聞きたい。

その土の上で、土にさわって、土と共に生きていくのは私たちなのですから。自分の健康も確保できないような土地で農業などできるはずもありません。もし晩発性障害になるのならば、真っ先に私たち農民とその家族からです。

ですから何度となく私が訴えているのは、直ちに政府は放射性物質の土壌検査をすべきだということです。それが済まないと「たこ」様が言う土壌の除染もクソもありません。

どこを除染したらいいのかわからないで、除染もないでしょう(苦笑)。ものには順番があるんですよ。

「たこ」様、あなたが心配なのはわからないではないですが、今日本人内部で内ゲバをやっている場合じゃないでしょう。それと自分の知識をひけらかしなさんな、まったくお若いな。

世の中、自分の知識の多寡より、同胞の悲惨に泣く心根のほうが大事な時期もあるのですよ。それが分からないなら、大震災がらみでしゃべるのは止めなさい。大変に迷惑です。

       ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

「たこ様」のコメント全文

以下引用

こちらのページを見て、勉強されることをおすすめします。
http://takedanet.com/

結局、生産者側の立場(被害者意識。損得勘定。)のみの視点しか感じないんですよね。

そちら側の意見しか、頭に入ってないというか、物事を客観的に見れてない。データもちゃんと理解できていない。

頭ごなしに否定。

農業に携わる方、得に熱心な方は安全なものを消費者に届けることを大切にされていました。

今はどうでしょう?

政府のいい加減な危険時の安全基準だからといって、本当に胸を張って、これは安全だといえるのでしょうか?

すこしでも『大丈夫かな。。』という心配があるなら、捨てる勇気も必要だと思います。

全く、汚染されていないのであれば、風評ですが
汚染されているのであれば、度合いは違えど
汚染されている野菜には変わりはないのです。

西日本などの野菜は、汚染されていない訳ですから。

汚染された野菜しかないのであれば、食べざるを得ない状況なら
食べるしかないと思いますが。

放射性物質はホットスポットといわれる場所があります。
検査をしているのは、一部の土地だけです。
もし、検査していない場所がホットスポットだったとして
高濃度の放射性物質が付着していたら、どういうことが起きるでしょうか。

一つ間違えれば、加害者となることを自覚すべきです。

避難所に炊きだしにいくなら、完全に安全な野菜を仕入れてやるべきではないでしょういか。

前回、コメントを補足を兼ねて3回続けて書いたところ
『粘着』といわれました。
補足のつもりだったので、ご理解ください。
勉強したてで、ちゃんとデータも理解できていない人が
データを一丁前にのせて、生産者の立場から
消費者のことの健康のことを考えずに
被害者の生産者という立場を、群れて主張されているにしかみえません。

もっと、消費者の立場、心境、安全性を客観的に、俯瞰的に状況をみて、判断すべきだと思います。

いま農業に携わっている方がやるべきことは
汚れた土地で農作物をつくることではなく
汚れた土地を綺麗にしてリセットすることだと思います。

セシウムが含まれる野菜を今後作り続けるつもりなのでしょうか?

それがあなたたちが目指す、農業なのでしょうか?

引用終了

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2011年4月26日 (火)

風評被害は人災です。その人災をおこしたのは政府です

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風評被害を考えてみたいと思います。

昨日、JA茨城は東電に18億4600万円の風評被害による価格下落による損害を請求しました。これの内訳は、野菜関係が約14億4700万円、生乳が約3億9900万円となっています。

これには3月25日までの集計で、現在もまだ風評被害による被害は続いているために5月末に再度の請求が立てられます。

またこれには出荷停止分は含まれておらず、またJAを通さない農産物も多いために、おそらく最終的に茨城県だけで50億円ちかい巨額な請求となると思われます。(資料1参照)

これにわが県以上に品酷な被害を受けた福島県、そして品目数においては茨城をしのぐ千葉県の補償請求がされるとなると、もはや天文学的な請求が東電になされることは間違いありません。

この風評被害は政府によって作られたいわば官製の風評被害です。「菅」製と言い換えてもいいでしょう。

3月中旬、農水省と厚労省は農産物に対して今回の原発事故による放射性物質飛散による影響があるのかを調べていました。

そしてそれへの対応を協議していたところに、官僚の頭ごなしに官邸に棲む暗愚の帝王からの直接の指示で、暫定規制値を急遽作れという命令が下りました。これがいまだ福島、茨城、千葉の農民を苦しめ続けている暫定規制値の誕生です。

この暫定規制値は大慌てで作られた「政治主導」の産物でしたからもうめちゃくちゃな内容でした。(資料2参照)

これは東京近県の暫定規制値のための検体数をあらわした表です。福島が235件、茨城が121件、この両県だけで356件で、総計667件の半分強を占めています。他の県の平均検体数は40から50で、なかには5検体という県もあります。

たしかに福島、茨城は福島第1原発の被害を直接に受けていることは確かですが、検体数が他の県の2倍から6倍では検出されて当然です。

これは原発立地県として、福島、茨城両県は他県にない放射線量測定システムを完備していたからです。しっかりした測定システムを持っていたから損をしたのです。

もし政府がまともな規制をしようとしていたのなら、国の責任において均等な検査システムを作り、土壌検査なども合わせてから数値を公開すべきでした。

土壌検査は一見大変そうにみえますが、現在文科省が行っているダストによる検査ならリアルタイムの測定車による観測が可能です

山梨や群馬、新潟などまで手をのばさず、福島、茨城、千葉、栃木の4県ていどに絞り込めばそれは充分に可能だったはずです。

また、検査対象も市町村単位までの絞り込みも可能だったはずです。県単位で×〇とは、杜撰にもほどがあります。

巨大な風評被害を招くことが分かりきっている暫定規制値を数字だけポンと出せば、検体を多く取った、しかもそれを馬鹿正直に素早く出した福島と茨城が巨大な風評被害に叩かれまくって当然でした。

他県は検査システムがない上に、この2県の惨状を見ていますから、たったの5検体でお茶を濁す県も現れたのです。

今回の原発事故は、原子力災害においてこうしてはいけない教科書のような対応でした。初動は遅く、指揮系統は分裂し、しかも抗争をくりかえしていました。

それを統制し指揮をとるべき首相は・・・まぁご覧の通り、明治以来の憲政始まって以来の不出来な人でした。

あれ以下の人間を考えることさえできないレベルと言っていいでしょう。もはやその地位にいること自体が災厄です。彼に比べれば、飯館村村長や福島県知事などのほうがはるかに行政責任者として見事な働きをしています。

なにより悪いのは、自分の失敗を隠したいために、ひたすら小規模にみせよとする姑息な情報隠匿を何度も行ったことです。(資料4参照)

SPEEDIによって3月12日の事故時点で飯館村に高濃度の放射性物質が飛来していたことを知っていながら、いつまでたってもそれを公表せず、半径20㎞、いや30㎞、いやリング状じゃなくて計画的避難区域だ、今度は警戒区域だ、もうハチャメチャです。

このような後手後手で振り回され続けた地元住民や、放棄されて殺処分になる家畜を考えると胸が痛みます。(資料5参照)

飯館村、川俣町、南相馬の一部は、一カ月以上前から飛散が判明していたのですから、素早く避難区域に指定すべきだったのです。警戒区域指定の判断も必要だったでしょう。

一カ月の余裕があれば国を上げての避難支援態勢が組めたはずです。

それを情報隠匿の発覚を恐れてのっぴきならないところまで状況を放置しているから、このように一カ月以内でめいめい勝手に逃げろというような「計画的避難」となったわけです。愚かさも極まれりです。

暫定規制値も、しっかりとした調査システムを作って、検体を農産物や土壌から採取して、放射性医学の専門家の知見を集めて規制値をつくればいいものを、例によって焦ってやっつけ仕事をするからこのような天文学的2次被害を与えてしまいました。

福島県、茨城県、千葉県は大震災の被災県ですよ。政府が復興を遅らせるようなことをしてどうします。

そしていまや日本製の工業製品までもが国際的風評被害で、放射能フリーの証明書などをつけねば出荷できなくなってしまいました。

風評被害は人災です。その人災をおこしたのは政府です。このことをはっきりと福島県、茨城県、千葉県の農民は心に刻んでおくべきでしょう。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

資料1 日本農業新聞4月26日

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資料2 産地、品目および検体数の県ごとのまとめ

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資料3 SPEEDI緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの観測データ

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■資料4 国開発のシステム 放射能拡散予測 使えず 福島原発 試算2000枚 公表は2枚 「データ不足」と釈明 原子力安全委

 放射性物質の拡散を予測する国の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」で、福島第1原発事故後に2千枚以上の拡散試算図が作成されていたことが18日、分かった。原発事故時の避難対策などに活用することになっているが、所管する原子力安全委員会が公表したのはわずか2枚だけ。国の情報発信の姿勢や防災計画の実効性が問われる上、海外から情報公開が不十分だと受け止められる一因になったとの批判も受けそうだ。
 
 SPEEDIは、原子力安全委員会が原子力施設の防災活動を定めた「防災指針」の関連指針で「大気中に放出された放射性物質の拡散の状況と予測放射線量を迅速に計算して、国および地方公共団体の防災対策に寄与する」と位置付けられている。
 
 しかし、福島第1原発事故で、拡散の試算結果を公表したのは3月23日と4月11日の2回だけ。放射性物質が拡散した後の実測値を基に、既に放出された量と分布を試算したもので、将来の予測はできなかった。原発が電源を失い、予測に必要とされた原子炉や放射性物質に関する情報が入手できなかったからだ。
 
 班目春樹安全委員長は、放射性物質の放出量などの情報を前提にシステムを構築したとし「今回のような(情報不足の)場合には使えない」と不備を認めた。福島県の災害対策本部は「非常に残念。拡散予測がしっかりしていれば、住民の避難にあたって無用な混乱を避けることができた」と指摘する。
 
 ▽「混乱を招く」
 
 正確な拡散予測はできなかったものの、SPEEDIは仮定の条件に基づいた試算を行い、ある程度正確な拡散の傾向を提示していた。
 
 安全委は3月15日に原発2号機で起きた爆発に伴い、大量の放射性物質が放出されたとみているが、その翌日には当日の気象データに基づいて試算。実測値とほぼ同じく、福島県飯舘村や浪江町など原発の北西方向を中心に放射性物質が広がるとの結果を得ていたが、この情報が直ちに公表されることはなかった。
 
 3月23日に初めてSPEEDIの試算結果を公表した際、班目委員長は「こんなことを発表するとかえって社会的混乱を引き起こすのでは。ためらうところがあった」と発言。情報を受ける国民への不信が透けて見えた。
 
 原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で「レベル7」に引き上げる根拠となった放射性物質の放出量の推計にも、SPEEDIは使われたが、安全委は情報開示を渋った。
 
 欧州の気象、原子力当局が、福島第1原発からの放射性物質の拡散を独自に予測し「放出量が不明のため、実際の拡散濃度とは異なる」などのただし書きを付けて、ウェブサイトで公開していたのとは対照的だ。
 
 ▽開発費128億円
 
 ただ、2006年の北朝鮮の核実験や、00年の三宅島噴火では、SPEEDIによる放射性物質や火山ガスの拡散予測が積極的に公表された。国内事故での消極さは「原子力村」の身内への配慮ではとの勘繰りを招きかねない。
 
 SPEEDIの開発が始まって30年以上。開発・運用費の総額は約128億円に上り、本年度も約7億7千万円の予算を計上。データは自治体と共有することになっており、自治体もシステム整備費などを支出している。関係自治体は最も必要な時に、情報を入手できなかったことになる。
 
 吉岡斉九州大教授は「拡散試算図があるなら多少信頼性に欠けても、説明を尽くし積極的に公表すべきだ。国民は理解できないと決めつけ公表しないのは、原子力行政への批判を恐れているからだ」と指摘。「本来の機能である放射性物質の拡散予測ができなかったことで、根本的な見直しを迫られる」と話した。
(西日本新聞)

資料5 家畜殺処分へ立ち入り始まる 福島の警戒区域
(産経新聞2011.4・.25 )

福島第1原発から半径20キロの警戒区域内で、餌や水を与えられずに死にそうになっている牛や豚、ニワトリなどの殺処分を始めるため、福島県は25日、区域内への立ち入りを始めた。

 原発事故で立ち入りが規制された地域内での殺処分は法律で規定されていないが、県は衛生上の観点から独自に処分を始めた。

 県によると、殺処分のために入るのは南相馬市の小高地区。昨年10月時点で牛887頭、馬80頭、豚約6200頭、ニワトリ約26万羽が飼育されている。県は所有者の同意を得て、死にそうな家畜に限り殺処分する。

 小高地区は津波の被害も受け、91戸ある畜舎のうち損壊、流失したところもある。住民も避難していることから、家畜の所有者と連絡を取るのは困難も予想される。

 県家畜保健衛生所の職員6人が2班に分かれ、放射線量を測りながら作業。警戒区域内は防護服とマスクを着用し、1日の被ばく放射線量の上限を50マイクロシーベルトに定めている。

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2011年4月25日 (月)

チェリノブイリの後にスウェーデンが取った放射能汚染対策

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本日はT様からのご紹介により、スェーデンの取ったチェリノブイリ原子力事故の後の農業の汚染対策を転載させていただきます。
非常にわが国の農業にとって参考になる内容です。「スェーデンの今」ブログ様と、ご紹介いただきましたT様に感謝いたます。
「牧草を高めに刈る」という手法は、今日本でも「牧草は収穫して廃棄せよ」という方法が奨励されているだけに興味深いものです。
またベントナイトという除染物質の存在は、浅学ながらまった知りませんでした。
非常に興味深い内容で、詳しくは後日コメントさせていただきます。
ありがとうございました。
         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
(以下引用 ゴチックは原文ママ)

1986年のチェルノブイリ原発事故によって放出された放射能は、風に乗ってまずスウェーデン上空へ流れてきた。その時に運悪く雨が降っていた地域では、雨に混じって放射能が舞い降り、土壌を汚染することになった。今回と次回は、畜産業・農業における汚染対策について。

事故直後に降り注いだ雨によって、スウェーデンの一部の地域では農地や牧草、飼料が汚染された。何も対策を施さなければ、それを食べた家畜の肉や牛乳が汚染され、それがそのまま店頭に並ぶ恐れもあった。だから、迅速な対策が求められた。しかし、当時は原発事故による農業汚染への対策が不十分で、関係者や専門家も戸惑い、時として相反するアドバイスがなされるなど混乱もあった。


【畜産農家は・・・?】

チェルノブイリ事故(4月26日)による放射能汚染がスウェーデンで発覚した4月28日から5月初めにかけての最初の懸念は、冬のあいだ屋内で飼っていた家畜を外の牧草地に出してもよいかどうか、ということだった。

事故直後の時点ではまだ国内各地の汚染の程度が分からなかったため、スウェーデン放射能防護庁家畜を外に出さないようにと全国の農家に通達した。汚染された牧草を食べることによって家畜の肉が汚染されたり、特に牛乳が放射能に汚染されることを恐れてであった。

その後、放射性物質が舞い落ちた程度と分布が分かると、家畜の放牧禁止令汚染がひどかった地域のみで維持された。ここでは次第に、各農家が前年から用意していた干草が底をつくようになったため、汚染されていない干草が全国各地から農業組合を通じて5月から6月にかけてこの地域に運搬された。しかし、それでも700ほどの農家では干草の供給が不十分だったため、農家はやむなく家畜を外に出して、牧草地に生えている牧草を食べさせるという決断を行ってしまった。


一方、乳業業界は許容できる放射性セシウムの含有量を厳しく設定していた(30ベクレル/kg)ため、放牧させてしまった酪農農家は牛乳を買い取ってもらえず、その処分に困った。一つの処分法は、ミネラルの多い土壌からなる農地に撒いて廃棄することだった。放射線防護庁によると、セシウムはミネラルに吸着しやすいため、植物によるセシウムの吸収を抑えることができるためだという。

(注:スウェーデン政府(放射線防護庁と食品庁)は一般の食料品の汚染上限を300ベクレル/kgと定めたのに対し、乳業業界はそれよりもはるかに厳しい30ベクレル/kgという上限を設けていた)

                農地に撒布される牛乳

さて、夏が終わり、牧草の刈り入れ時期が近づいてきた。農務庁が当初、酪農農家に送ったアドバイスは「牧草を刈り、それを牧草地の外に運んで廃棄せよ」というものだった。しかし、農家や農業組合はそれに異議を唱え、もっとよい方法があれば試したいと主張した。

彼らが提案したのは、牧草を高めに刈り取ることで、地表に残る腐りかけた前年の牧草や、土壌が、刈り取った牧草に混入するのを防ぐことだった。

ベントナイト粘土

家畜は上から順番に、羊、豚、肉用鶏、卵用鶏(肉)、卵用鶏(卵)

この実験では、の飼料(干草)にはベントナイト粘土を10%含有させ、豚や鶏の飼料(穀類)にはベントナイト粘土を5%含有させて与えた場合に、肉や卵に含まれるセシウムの量がどれだけ変化するかを調べている。結果は右から2列目に、utan=加えない場合med=加えた場合として示されている(単位はベクレル/kg)。

これから分かるように、羊では86%、豚では65%減るのに対し、鶏では減少率が低くなることが分かる。

また、ここには示されていないものの、乳牛であればベントナイト粘土を飼料に加えることによって、牛乳に含まれるセシウムの量が最大80%減るという。

ベントナイト粘土のほかには、鉄の化合物である
プルシアンブルーもセシウムの体内吸収を抑える効果があるとか。


<屠殺に先駆けて汚染のない飼料に切り替える>

上のグラフは、40日間飼育して屠殺した鶏の胸肉に含まれるセシウムの量を比較したもの

Ⅰ:放射性セシウムに汚染された飼料(セシウムの量は400ベクレル/kg、以下同様)に、ベントナイト粘土を添加(5%)して飼育中ずっと与えた。
Ⅱ:放射性セシウムに汚染された飼料に、ベントナイト粘土を添加せずに、飼育中ずっと与えた。
Ⅲ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の5日前から汚染されていない飼料に切り替えた。
Ⅳ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の10日前から汚染されていない飼料に切り替えた。
Ⅴ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の15日前から汚染されていない飼料に切り替えた。
Ⅵ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の20日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

なるほど、汚染度に大きな違いが見られる。

出典:スウェーデンの防衛研究所・農務庁・食品庁・放射線防護庁・農業大学が共同で発表している『放射性物質が落下した場合の食品生産について』
Livsmedelsproduktionen vid nedfall av radioaktiva amnen)より

(引用終了)

■ベントナイト粘土http://en.wikipedia.org/wiki/Bentonite
Wikipedia英語版 日本語版には項目がありません。

ベントナイト 吸水性 アルミニウム phyllosilicate、一般に、ほとんど モンモリロ ナイトからなる不純 粘土 です。

さまざまな種類の bentonites、支配的な 要素カリウム (K)、 ナトリウム (Na)、 カルシウム (Ca) は、 アルミニウム (Al) などによって異なります。いくつかの nomenclatorial のベントナイトの粘土の分類です。ベントナイト通常風化 火山灰水の存在下で最もよくから形成されます。

ただし、用語ベントナイトとして tonstein と呼ばれるような粘土が使用されて起源不明の粘土層の。産業の目的のために、2 つの主要なクラス ベントナイトの存在は: ナトリウムとカルシウムのベントナイトです。

支配的な粘土種 イライトのときの 層序テフラ層序に、完全に devitrified 一般に K-bentonites として呼ばれます。

その他の共通の粘土は モンモリロ ナイト カオリナイトが一般的です。カオリナイト支配の粘土は、一般的に tonsteins として呼ばれます、 石炭と通常関連付けられています。

ベンナイト粘土は山形様のご教示で「クニミネ工業株式会社」が扱っております。農業改良にも製造しているとHPにはあります。

クニミネ工業HP
http://search.jword.jp/cns.dll?type=lk&fm=127&agent=11&partner=nifty&name=%A5%E4%A5%D5%A1%BC&lang=euc&prop=900&bypass=2&dispconfig=

■写真 欅の若葉。つい先月まで丸坊主だったのにもう若葉が陽光にきらめいています。

■私の農場からも東北への支援物資を送り始めました。昨日は卵を50㎏お送らせて頂きました。もちろん事前に避難所と連絡を緊密にとった上ですからご心配なく。

■茨城県庁様。今度コメントを投稿される場合は所属とお名前を書いて下さいね。公務員が公務的内容を投稿される場合はHN不可です。

もっと怒っていい、東北!

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2011年4月24日 (日)

放射能の春に、茨木のり子の詩を読み返す 

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今、多くの日本人がうなだれている。話しても気が晴れない。酒を飲んでも、甘いお菓子を食べても美味しくない。

自粛という虚しい二文字。桜は満開のまま散り、ほととぎすは歌っているのに、春の声を聞こうとしない。

春の野遊びにも行かない。サッカースタジアムは壊れてしまった。東北出身のキャプテンはスパイクに「東北魂」と縫いつけた。

大震災の後、茨木のり子の昔の詩を読み返している。
めげそうになると読む。先が見えないと読む。

彼女はなんとも雄々しく、男性的なやさしさを持った女性だ。現代詩の詩人でありながら、難しい表現は一切しない。すっと心に届く言葉で語けてくる。

というか、彼女から手厳しく怒鳴られることのほうが多い。

  満員電車のなかで

  したたか足を踏まれたら

  大いに叫ぼう あんぽんたん!

  いったいぜんたい人の足を何だと思ってるの

  生きてゆくぎりぎりの線を侵されたら

  言葉を発射させるのだ

  ラッセル姐御の二拳銃のように

  百発百中の小気味よさで

  ぱさぱさに乾いてゆく心を

  ひとのせいにはするな

  みずから水やりを怠っておいて

  気難しくなってきたのを

  友人のせいにするな

  しなやかさを失ったのはどちらなのか

  苛立つのを

  近親のせいにはするな

  なにもかも下手だったのはわたくし

  初心消えかかるのを

  暮しのせいにはするな

  そもそもが ひよわな志にすぎなかった

  駄目なことの一切を

  時代のせいにはするな

  わずかに光る尊厳の放棄

  自分の感受性ぐらい

  自分で守れ

  ばかものよ

彼女の詩は終戦直後に書かれた。瓦礫と化した町で書かれた。瓦礫の町と放射能の雲の下で生きることになった私たちに、彼女はこう叱咤する。

  たったひとつの獲得品

  日とともに悟る

  この武器はすばらしく高価についた武器

  舌なめずりして私は生きよう!

そうだ、私たちも素晴らしく高価についた武器だったが、舌なめずりして生きよう。
そしてもっと日本人は怒っていい。

怒れ、福島!

怒れ、茨城!

くたばれ、東電!

しっかりしろ、政府!

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2011年4月23日 (土)

つくば市スクリーニング事件は、「差別」か「誤報」か?

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おとといの私のつくば市の事件に対する記事について、「あれは誤報である」というコメントを頂戴しました。

そこで事実関係を再調査しました。今回は市当局がアップした資料ですので一次資料と考えて差し支えないと思います。(資料1参照)

この資料は市長名での謝罪文と、時系列の表によってできています。

この市当局の資料を検討する前に私の立ち位置を明らかにしておきます。私はこの事件を、ネット界の一部で見られるような「放射能差別問題」だとは思っていません。

そして逆にこれを「誤報」として逆手にとって、この事件の教訓まですべて流し去ろうとすることにも反対です。

というのは、この事件は福島第1原発の避難に際して起きたことであり、今後もっと大量に出る可能性が高い避難民の流入に対して、隣接するわが県で起きたことを見逃すわけにはいかないからです。

これへの対応を誤れば、わが県は避難民を傷つけたかもしれない間違った行政のあり方を肯定してしまうことになります。

現在わが国では、残念ながら福島県民に対しての宿泊拒否、福島からの転校生へのいじめなどの明らかな「差別」ととられてもしかたのない事件が連続的に起きています。

このような流れはここで断ち切らねばなりません。さもないと「がんばれ、日本!がんばれ、東北!」という国民的スローガンがただの看板にすぎず、身近になればエゴをむき出しにするのだということになってしまいます。

もうひとつ付け加えるのならば、この事件をもってしてつくば市民や茨城県民総体までもが「差別的」であるかのような言辞を吐く人が絶えません。私のブログコメントにも「茨城県民はけしからん」というようなものが来ました。

あえて反論する必要もない低次元な言い方ですが、とうぜんのこととして私はつくば市民を批判するべきでないと思っています。行政と市民はまったく別の存在です。

ただ、これが「誤報」ではなく事実だとしした場合、それを長期に渡って放置しつづけていたとすれば、倫理的に如何なものかとだけは言えるでしょう。

さて、この事件で問題となったことは要約すればこのようなことです。
●県が福島からの避難民に対して、スクリーニング検査(被曝検査)を20㎞圏内以外を任意の保健サービスとしたことに対して、つくば市がそれを転入に対する義務として強制した。

この報道は全国紙などで複数あり、私はそれを信用しました。複数情報が同じことを報道した場合、それの確度は飛躍的に高まります。

それを受けてつくば市長名で「謝罪文」が提出されました。これは以下です。

①つくば市は福島県からの避難民に避難所を提供するなど積極的に受け入れてきた。

②その際に従来は県が運営していたスクリーニング検査を、市が受託して運営することになった。それに際して各種の専門機関に協力を依頼した。

③国からの情報がないために、市民からの不安の声が上がり、避難所の避難民だけではなく、福島県からの一般転居者にもスクリーニング検査を「お願い」した。

④このスクリーニングの「お願い」は、3月17日からすべての避難民、転居者とし、3月24日からは20㎞圏内のみとすることにした。

⑤市はこれを転居届けの義務とはしていない。

以上は当事者である市が市長名で出した公文書であり、これを否定する証言が上がらない限り事実に則していると思われます。

大事なことは、つくば市は福島県からの避難民や転居届けに対してスクリーニングを「義務」づけしていないという部分です。だとすれば、報道はあたかもそれを「義務づけ」しているかのように書いていますのでその部分は事実に即していません。

しかし、ここからがやっかいなのですが、市長みずからこう書いています。

「しかし,この取扱いの変更が各窓口センターに周知されず,加えて,本件報道の宮城県からの転入者の方については,窓口センター職員の錯誤により,転入案内の対応の際に,配慮を欠いたものとなってしまいました。」

これはつくば市の受け付け窓口職員が、ほとんど「強制」であるかのような口ぶりでスクリーニングを避難民や転居希望者、果ては宮城県からの転入者に対して言っていたということになります。

つまり、つくば市はそのような方針はなかったが、事実上そのように受け取られかねない行政執行をしていたということです。

参ったなぁ。じゃあ一緒じゃないですか。そういう気持ちじゃなかったが、実際はそうやっていた。それは窓口がミスったからだというのです。市原市長さん、このような言い訳は一般社会では通用しませんよ。

避難民を受け入れる一番の窓口であるはずの転入窓口は、しっかりと「このスクリーニングは任意です。20㎞圏内以外のかたは心配な方のみ受けて下さい」とアナウンスすべきでした。

それを怠って転入窓口がただ「福島県からの方はスクリーニングをしてください」とだけ言えば、転入者はそれを「義務」として受け取ります。当たり前です。

このように考えると、私はこれは避難民受け入れに際しての失敗事例だと思います。ただし「差別」うんぬんを問われるべき事例だとは思いません。

一方、このようなつくば市行政側の大きな手落ちがあり、宮城県からの転入者までにスクリーニング要求をしたわけですし、市長自身も謝罪しているわけですから、これへの報道を「誤報」というには酷です。

今後、政府の目を覆うような不手際で原発事故の影響はいっそう拡大していくことでしょう。計画的避難避難地域や警戒区域の設定にともなって多くの避難者が出ると思われます。

それに対して何をしたらいいのか、してはいけないのかがひとつ明らかになったことでこの事件は不毛ではありましたが、ひとつの意義があったと思います。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 福島県からの避難者への放射線検査について

平成23年4月20日   

つくば市長 市原健一   

 今般の福島県からの避難者に対する放射線被害の安全確認検査(スクリーニング)について,住民登録の際の窓口センターでの取扱いに不備があり,申請者及び被災された福島県民の皆様に配慮を欠く結果となり,不快な思いをされたことと,深くお詫び申し上げます。

 茨城県は,震災後,福島原発事故の避難所2か所をつくば市内に開設し,福島県からの避難者の受け入れを行いました。その後,つくば市が同2か所の避難所の運営を行うこととなりました。その際,茨城県が既に保健所で実施していたスクリーニングを継続して実施することといたしました。

しかし,対象者が多く,土浦保健所での対応が困難であることから,つくば市消防本部のほか,産業技術総合研究所,高エネルギー加速器研究機構,筑波大学の協力を得て,避難所でのスクリーニングを実施いたしました。

 この当時は,福島原発事故後まもなく,放射線や放射性物質に関する公式な情報が少ない中で,放射能に対し誰もが不安を感じていました。このような状況で,避難所への避難者だけでなく,福島県からの一般転入者に対してもスクリーニングを受けていただくようお願いすることにいたしました。

 市民課窓口及び各窓口センターにおいても,3月17日に転入者に対し,スクリーニングをお願いすることといたしました。その後,各地の放射線量に関する公式な情報が公表されるようになり,市民課窓口では,3月24日に,福島原発20キロメートル圏内の方についてのみスクリーニングをお願いすることといたしました。

 しかし,この取扱いの変更が各窓口センターに周知されず,加えて,本件報道の宮城県からの転入者の方については,窓口センター職員の錯誤により,転入案内の対応の際に,配慮を欠いたものとなってしまいました。

 しかしながら,スクリーニングを実施されなかった方に関しても,つくば市が転入届を受理しなかったというような事実はございません。つくば市としては,もとより被曝は伝染するなどという認識は持っておりませんし,まして福島県の方々を差別する意図がなかったことを御理解いただきたく存じます。
 なお,福島県から避難され,避難所でスクリーニングを受けた皆さまからは,安全が確認できて安心した,また,市内の知人宅に避難されていた方々からも,つくばで検査できないかという問い合わせがあり,消防本部でスクリーニングを実施した事例があったことを申し添えたいと思います。

 今後も,福島原発避難者の受入れを積極的に取り組むとともに,スクリーニングを希望する方には,実施機関の案内をしてまいりたいと存じますが,また,このような事態が生じないよう,さらに注意してまいります。

 結びに,本件について不快な思いをされた多くの皆様方に心よりお詫び申し上げます。

スクリーニングに関する経過

3月11日 東日本大震災。原子力緊急事態宣言の発令。
避難所の開設。

3月14日

福島県から避難者7名をつくば市役所避難所に受け入れ。
つくば市消防本部でのスクリーニングの実施。

3月15日

茨城県が洞峰公園に福島県からの避難者受入れを開始。
避難者へのスクリーニングを茨城県土浦保健所にて実施。

3月16日

つくば市で福島原発避難者受入本部を設置。

3月17日

国際会議場で避難者の受入れを開始。
洞峰公園,国際会議場でスクリーニングを実施。
市民課から各窓口センターに転入手続についての通知。

3月18日

県からの依頼により,洞峰公園及び国際会議場の避難所の運営をつくば市が引き継ぐ。
3月21日 洞峰公園及び国際会議場の避難者554人
3月24日 市民課で転入者への取扱いを変更(20km圏内の方に限定)
3月31日 国際会議場避難所を閉鎖
避難者が洞峰公園,市内ホテル,龍ケ崎市等に移動

4月16日

市内国家公務員宿舎での長期避難者受入れに関し,県との協議を開始

4月17日

洞峰公園避難所を閉鎖

茨城県放射線量測定モニタリングポスト
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

2011年04月23日 07時50分の状況
測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 165 南東 2.4
東海村豊岡 156 南南東 3.6
東海村舟石川 97  南  3.3
東海村押延 114 南南東 3.4
東海村村松 151 南南東 4.0
那珂市横堀 100 南南西 2.5
那珂市門部 127 南東 1.6
那珂市菅谷 91 南南東 3.2
那珂市本米崎 104 ---- ----
那珂市額田 90 ---- ----
那珂市鴻巣 110 南南東 3.5
那珂市後台 116 ---- ----
那珂市瓜連 93 ---- ----
ひたちなか市馬渡 174 南東 1.4
ひたちなか市常陸那珂 231 南西 2.2
ひたちなか市阿字ヶ浦 153  南  4.8
ひたちなか市堀口 200 南南東 3.4
ひたちなか市佐和 152 ---- ----
ひたちなか市柳沢 138  南  3.8
日立市久慈 232 南東 1.1
日立市大沼 207 南南東 1.6
常陸太田市磯部 110 東南東 2.7
常陸太田市真弓 83 ---- ----
常陸太田市久米 72 南東 3.3
常陸大宮市根本 88 南南東 3.9
大洗町大貫 177  南  4.8
大洗町磯浜 152 ---- ----
鉾田市造谷 212 南南東 4.3
鉾田市荒地 180 南南東 5.6
鉾田市田崎 144 ---- ----
鉾田市樅山 262 ---- ----
鉾田市上富田 138 ---- ----
鉾田市徳宿 138 南南西 4.5
茨城町広浦 201  南  4.1
茨城町海老沢 147 南南西 3.5
茨城町谷田部 111 ---- ----
水戸市吉沢 97  南  4.5
水戸市大場 117  南  3.4
水戸市石川 122  南  4.1
三菱原燃 82 ---- ----
原燃工 176 ---- ----

空間線量率(nGy/h)    風速(m/s)

*空中放射線量の単位はナノグレイですから、通常につかわれるマイクロシーベルトにするには、1000分の1にしてください。たとえば水戸市吉沢97とあれば、0.97マイクロシーベルトです。

また空中放射線量は風向きや地形でひんぱんに変化します。あまり日々の変化に神経質になる必要はありません。市販のガイガーカウンターなどよりリアルタイムでみられますから、こちらのほうが優秀です。

■写真 わが家の菜種畑。ただしちょっと前のです。去年は作りませんでした。

がんばろう、東北!

応援するぞ、茨城!

Photo

2011年4月22日 (金)

千葉県の出荷制限野菜事件を考える

055

まったくイヤな事件が起きたものです。私の立場上、書くべきか書かない方がいいのか微妙なのでやや迷いましたが、書くことにします。

出荷制限のかかっている千葉県産のホウレンソウがパルシステム生協連に出荷されて大騒ぎになりました。その前にはイオングループに同じ千葉県産のサンチュが出ています。

ことの成り行きは下の資料1、2をご覧ください。

出荷自粛
自治体が生産団体などに自粛を要請するもので、明確な法的根拠はない。

出荷制限
原子力災害特別措置法に基づき、国が都道府県などに指示を出すより強い措置。

当初に暫定基準値を上回った野菜や畜産物に対してだされていた「出荷自粛」は法的な根拠のないいわば政府からの「お願い」でした。

それに対して、今問題となっているのは「出荷制限」です。これは原子力災害特別措置法26条の「原子力災害の拡大防止を図るための措置」のうち、「応急対策の実施のため必要なときは、行政各部や地方公共団体(今回の場合は4県の知事)に対し、必要な指示ができる」とする条項を法的根拠にしています。(資料4参照)

マスコミ報道はほとんどが「危険な野菜が出荷されていた」ということで自治体や流通団体を批判しています。まるで食べると即危ないかのような印象操作が行われています。

では実際に危険なのでしょうか?千葉県が検査数値を出しています。今回のホウレンソウを出荷した多古町の数字が資料3にあります。

数字の左がヨウ素131、右がセシウム134と137の合計です。

暫定規制値(野菜類)
・放射性ヨウ素:2,000ベクレル/kg
・放射性セシウム:500ベクレル/kg

13

多古町

4月14日

ほうれんそう

260

14.6

14

多古町

4月14日

ほうれんそう

290

27

ヨウ素は基準値2000ベクレル/㎏に対して、検出値が260、セシウムは500に対して146でした。まったく問題になりません。ヨウ素に至っては一桁少ないほどです。

実際出荷されたほうれんそうの数値もパルシステムが検査した数字があります。
検査結果
放射性ヨウ素 70ベクレル(暫定規制値2000ベクレル)
放射性セシウム 28ベクレル(暫定規制値500ベクレル)

このどこが「危険」なのでしょうか?このなにが問題だと言うのでしょうか?私には理解できません。

そもそも暫定基準値というシロモノ自体が、首相官邸から丸投げされた厚労省がいかなる農業関係者とも、いや農水省とすら相談もせずにしたやっつけ仕事だからです。

今までさんざん批判してきましたが、要点は次のことです。

①出荷制限(当初は「自粛」)の対象が県単位とあまりに広大であり、実情にそぐわない。たとえば茨城県は県北と県南は150㎞近く離れているが、制限は同時にかかってしまう。

②放射性物質のうちヨウ素、セシウムは共に揮発性が高く、風向きや地形で一カ所で検出されても隣が検出されないことがある。それを県の一カ所で出れば一切出荷不可というのは暴挙に等しい。

③土壌の放射性物質検査は義務づけられていないために、ひとつの畑である品目が検出されても、他の品目は出荷制限とならない。これは厚労省が食品衛生法的発想で農産物を斬っているからである。

このように暫定基準値自体に問題があるために、消費者はいったん出荷制限が出た県全体の農産物を忌避する風潮が生まれてしまいました。

これでは暫定基準値-出荷制限自体が風評被害を作り出す原因となったに等しいではないですか。

現在の都市部、特に東京の消費者の動向はあまりにもナーバスに過ぎます。水道で出たといえばスーパーでペットボトルを買い占めます。その中にはバナジウムというれっきとした放射性物質が入っているものすらあるというのに。

あるいはひとつひとつの商品がほんとうに危険かどうなのかの目を養わないで、福島県産、茨城県産、千葉県産とあるだけで忌避します。

私たち茨城の農民からみれば、なんという身勝手な人たちだという気分にさせられます。今、私たち福島、茨城の頭上に覆い被さっている放射性物質は、どこに電気を送るために作られた原子力発電所から来ているのでしょうか?

かつては東海村原発から、そして今は福島第1、第2原発、柏崎刈羽原発からです。その送り先は東京を中心とする首都圏です。(東電HP参照)
http://search.jword.jp/cns.dll?type=lk&fm=127&agent=11&partner=nifty&name=%A5%E4%A5%D5%A1%BC&lang=euc&prop=900&bypass=2&dispconfig=

これらの原発は事故の常習犯であり、そして隠蔽の常習犯でした。地元自治体にすら報告を怠ったことも度々ありました。それが今回の大事故を導いたのです。

もし仮に東海村2号炉で事故が起きれば、茨城県ほぼ全域が現在の福島県と変わらない状況になります。東海村臨界事故もそのような東海村原発の付属施設で起きた人為的災害でした。

このように東京の人たちは、福島県、茨城県、新潟県の人々のリスクの上に文化生活を送っていると言ってもいいのです。にもかかわらず、いったん事故が起きれば私たち地方住民が背負わせ、福島、茨城の農産物、水産物であっただけで買わないとおっしゃる。

乳飲み子を抱えるお母さんたちにとっていたしかたがない面は認めます。東京などを選んで住んでいる方ばかりでないことも理解しています。

しかし、このあまりに長い復興への道のりの最初にあたって、愚かな政権に踊らされないで欲しいのです。首相は場当たりで、責任という二文字をそもそもどこかに置き忘れてしまったような人です。政治家としての根本的に必要ななにかを欠落させている人物です。

いつも悪いのは自分ではないとばかりに責任を他の人たちに押しつけて政権にかじりついています。今回、その生贄になったのか福島、茨城、千葉の農民でした。

こういう言い方はしたくはありませんが、被害者は私たち農民です。それをあたかも加害者であるかのように見ないで下さい。

もし、ほんとうに「がんばろう、日本」と願うなら、自分の目でものを選び、自分の頭で判断して下さい。被災地を応援するということは、義援金を送ること以外にもたくさんあるのです。

それを考えることが、なによりもの復興支援です。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 放射性物質の検出に関わる農産物のお届けについてのお詫びとお知らせ
2011年4月18日
パルシステム生活協同組合連合会

日ごろよりパルシステムの商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。

 4月2回の4月11日(月)にお届けいたしました「コアフード・ほうれん草」の一部で国の出荷制限の掛かっている千葉県多古町産(有限会社 北総ベジタブル)のホウレンソウを誤ってお届けいたしました(当該商品供給総点数1232点中、74点)。

 なお、今回誤ってお届けしたものと同じロットのホウレンソウを検査したところ、国が食品衛生法に定めている暫定規制値を下回っていることが確認できております(※)。健康に影響を及ぼすことはありません。

※検査結果
放射性ヨウ素 70ベクレル(暫定規制値2000ベクレル)
放射性セシウム 28ベクレル(暫定規制値500ベクレル)

■資料2 出荷制限のホウレンソウ販売 関係者「千葉のイメージ失墜」

産経新聞 2011.4.21 23:06
出荷制限中の千葉県多古町産ホウレンソウが消費者に販売されるという事態が発生した。13日にも、出荷自粛の要請を受けていた旭市産のサンチュが「イオン」などで販売されていたことが明るみに出たばかり。消費者の信頼を揺るがす事態に、農協関係者は「出荷制限が解除されても、消費者は県産農産物を敬遠するのではないか」と不安を抱いている。

 県によると、問題のホウレンソウは多古町に畑を持つ農業法人(芝山町)からパルシステム生活協同組合連合会(東京都文京区)に出荷されたもので、組合員に74束が配達され、このうち36束が消費されたという。パルシステムでは、ホウレンソウから検出された放射性ヨウ素は暫定基準値(1キロ当たり2千ベクレル)を下回る70ベクレルで、安全性には問題ないとしている。

 本来、出回るはずのない商品が消費者に届いてしまうのはなぜなのか。

 県安全農業推進課の担当者は「ここ最近、農協の『系統出荷』を離れて、生産者と購入相手が直接取引するケースが増えているためではないか」と指摘する。食品の安心・安全を重視する消費者のニーズに応えるため、契約農家から農産物を直接買い付ける事業者が増加。東京、神奈川など大消費地に近いこともあり、農協を通さずに生産者などが流通させているケースが県内出荷額の約6割を占めるという。

また今回の農業法人のように、各地に分散して畑を持つ生産者も多く、県では出荷自粛や出荷制限の対象外の地域に情報が十分伝わっていない可能性もあるとみている。

 政府は今月4日、旭市と香取市、多古町で産出された6品目の葉物野菜に出荷制限を指示。政府方針では1週間ごとの検査で、3回連続で基準値を下回った場合、出荷制限を解除するとしている。

 県などによると、すでに2回の検査では基準値を下回り、早ければ今週末にも出荷制限が解除される見込みだ。出荷制限を受けている香取市のある生産者は「出荷したい気持ちは誰もが同じで、みんなルールを守っている。これからというときに、千葉産のイメージを失わせるものだ」と話している。

■資料3 旭市、香取市及び多古町の分析結果(千葉県HPより)

分析機関:(財)日本食品分析センター多摩研究所                           単位:ベクレル/kg

No.

栽培地

採取日

品目

放射性ヨウ素

131

放射性セシウム

134と137の合計

1

旭市

4月14日

しゅんぎく

120

47

2

旭市

4月14日

しゅんぎく

39

13.7

3

旭市

4月14日

パセリ

88

65

4

旭市

4月14日

パセリ

340

89

5

旭市

4月14日

サンチュ

検出せず

検出せず

6

旭市

4月14日

サンチュ

検出せず

検出せず

7

旭市

4月14日

セルリー

160

36

8

旭市

4月14日

セルリー

56

26

9

旭市

4月14日

ちんげんさい

検出せず

検出せず

10

旭市

4月14日

ちんげんさい

検出せず

検出せず

11

香取市

4月14日

ほうれんそう

40

17.3

12

香取市

4月14日

ほうれんそう

37

検出せず

13

多古町

4月14日

ほうれんそう

260

14.6

14

多古町

4月14日

ほうれんそう

290

27

  暫定規制値(野菜類)

放射性ヨウ素:2,000ベクレル/kg
放射性セシウム:500ベクレル/kg

■資料4 出荷制限の責任を取るのは誰か
前回、災害時の「緊急事態宣言」の意味や効果について、ごく大ざっぱなことを書きましたが、これに関して新たな動きがありました。

菅総理が、福島など4県で取れた牛乳やホウレンソウを「出荷制限」する指示を出したとのことです(22日各紙朝刊)。これは、前回にも紹介した「原子力災害特別措置法」(以下「措置法」)に基づくものです。


テレビを見ていますと、枝野官房長官が記者会見で、措置法の「第20条3項に基づき」と発言していました。

この条文は、要約すれば「原子力災害対策本部長(現在、菅総理)は、応急対策の実施のため必要なときは、行政各部や地方公共団体(今回の場合は4県の知事)に対し、必要な指示ができる」というものです。

応急対策の内容としては、措置法26条に「原子力災害の拡大防止を図るための措置」などと掲げられていて、これらが法的根拠になるようです。


細かな話ですが、注意していただきたいのは、総理大臣が個々の農家や牧場主に、直接に出荷禁止を命じたわけではなく(それを認める法律はない)、あくまで知事に対して「必要な指示」をしたという点です。

ですから、農家に出荷禁止を直接命じるのは知事です(知事がどういう法的根拠でそんな命令ができるか、まだきちんと調べていませんが)。

報道では「放射能は問題ないレベル」と繰り返されていますが、現在のホウレンソウや牛乳の在庫は廃棄処分になるでしょうし、風評被害は当分回復できないでしょう。


後日、その責任を誰が取るのかが問題になったとき、菅総理が措置法の論理を悪用して「私は『応急対策』をせよと指示しただけであって、出荷制限は私ではなく知事が命じたのだ」と言う可能性がなくはないと思いますが、そのような言い訳を許してはいけません。


菅政権にはすでに前科があります。

尖閣諸島に不法上陸した中国人船長がおとがめなしで釈放された一件では、間違いなく政府の有形無形の圧力がかかっているはずですが、当時の仙谷官房長官は「那覇地検の判断を尊重する」と言ったきり黙ってしまった。このことは皆さんの記憶に新しいと思います。

今回の一連の対応についての責任は、緊急事態宣言をし、対策本部長に就任した菅総理にあるというのは、前回書いたとおりです。
とはいえ、菅総理が「責任取って総理をやめます」と言ったところで、農家の方々の売上げ減少という現実の被害が解消されるわけではない。


これらの金銭的被害の賠償については、「原子力損害の賠償に関する法律」という法律があり、これによると原子力事業者(東京電力)に賠償責任があります。ただし、その第3条では「異常に巨大な天災地変」などにより発生した損害は賠償の対象外とされており、今回の地震はこれにあたるように思われます。


それでも、出荷制限は国(具体的には菅総理)の指示に基づいて行なわれたわけですから、憲法に基づいて(詳細は省略しますが17条の国家賠償請求権や29条3項の補償規定)、何らかの手当てが行なわれるのでしょう。
 

●本稿を書くにあたって、いつも見識あるコメントを頂戴している青空様のブログ記事に励まされました。ぜひこちらもご一読ください。
http://ameblo.jp/aozora4747/page-3.html#main

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2011年4月21日 (木)

つくば市の福島避難者に対する軽挙は恥ずかしい

053_edited1 

上の扉写真は出荷できなかった茨城県産のホウレンソウです。ようやく先日出荷解除になったのですが、出荷時期を1カ月も逃してしまったために徒長してしまい廃棄せざるをえませんでした。

県全体を出荷自粛(実は強制)にするという無茶苦茶な政府方針により、ひとつの県丸ごとが出荷不可能になりました。そしてホウレンソウ、牛乳、かきなに止まらず、ありとあらゆる農畜産物が風評被害の嵐に投げ込まれました。

そして放射性汚染水を大量に海水に通告なしに放出するという前代未聞の政府・東電の行為によって茨城の漁業は 未だ出漁すらできない状況に追い込まれました。

わが県は「放射能汚染の県」として刻印されたのです。このことは茨城県民は、農民でなくとも屈辱として記憶に新しいはずです。

そのわが県のつくば市が、同じ原発事故に苦しむ福島県からの避難者にスクリーニング証明を出せと要求しました。(資料1参照)

このつくば市の動きには、茨城県からの指示がありました。茨城県の指示はこのような内容です。(資料2・3参照)

①福島県からの避難民を受け入れる各自治体に対して放射性物質が付着していることを想定して、脱衣や除染を優先的に行うように指示した。

②スクリーニング検査(*)を受けるかどうかは避難民の自主的判断とした。
*スクリーニングscreening・ふるいわけ・適格審査・この場合は被曝検査を指す。

③ただし、福島第1原発から半径20㎞以上に住んでいた人はその対象としない。

一読すればわかるように、至ってまっとうな内容です。むしろ県の意図したことは、20㎞圏内からの避難者への健康不安に対する健康サービスの提供と思われます。

またスクリーニング検査(被曝検査)も「どうしても心配な方は受けることができますよ」といった配慮であって、義務ではありませんし、ましてや転入処理の前提ではありません。

ところがこの受け入れ県としてはしごく妥当な県指示が、つくば市に行くとこうなります。(資料3参照)

①つくば市は、福島県からの避難者に対して20㎞圏内であるか否かを問わず無条件にスクリーニング検査を受けることを要求した。福島県からの人に限らず、仙台からの転入者にも要求した。

②このつくば市の要求は、スクリーニング検査を受けなければ通常の転入手続きに入れないために事実上の強制的検査である。

つくば市の措置は過剰な逸脱です。県は市に対してこのような20㎞圏外の人たちにスクリーニング検査をすることなど義務づけていません。あくまで「それでも心配な方は受けられますよ」という配慮にすぎません。

スクリーニング検査を避難者や県外者の転入にまで義務づけていた(*現在は批判を受けて廃止)となると、つくば市の常識を疑いたくなります。

とうぜんのことながら、万が一被曝していたとしてもそれによって他の人に被曝を感染することなど絶対にありえません。被曝は感染症でないことなど放射性医学のイの字ではないですか。

研究学園都市の名が泣きます。放射性医学の専門家など山ほどつくば市にはいるでしょうに、なぜ彼らの意見を聞かなかったのでしょうか。

たしかに避難区域では衣服への付着の可能性がわずかではありえます。しかし仮にあったとしても、それは既に福島県で既に脱衣、除染されているはずです。

それまるで感染症の流行と同一視して、スクリーニング検査を福島からの避難者すべてに義務づけるなど差別を助長すると言われても、つくば市は返す言葉がないでしょう。

私は差別事件と仰々しく叫ぶつもりはありませんが、12年前の東海村臨界事故の時に、「水戸」ナンバーをつけているだけで他県から「放射能がうつる」と言われたことをもう忘れたのですか。

よしんば感染症であったとしても、それが感染を移すかどうか、いかなる対策をとればいいのかの判断には、長い時間と多くの知見が必要なことはハンセン氏病やHIV対策での苦い経験でした。

市民からの不安の声があったと言い訳しているようですが、そのような風評を許さず正しい放射性医学に対する知識を広めるのが市当局の仕事ではないですか。それを市当局が率先して軽挙してどうします。

このようなつくば市の心ない行為は、共に原発災害と闘っている福島県民の心を傷つけました。私は茨城県民のひとりとして大変に申し訳なく思います。

私たち茨城県と福島県は、程度の差はあっても同じようI大震災を受け、その後の原発事故と余震で苦しめられ続けています。その意味で兄弟県のようなものだと思っています。

私たちはたいしたことは出来ませんが、避難されてきた方には最大限のことをするつもりでおります。

一緒に歩きましょう。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 つくば市は「過剰反応」=転入者への放射能検査要求-枝野官房長官

 茨城県つくば市が、福島第1原発事故で福島県から避難してきた転入者に放射能汚染検査の証明書を提示するよう求めていたことが19日分かった。

枝野幸男官房長官は同日午前の記者会見で「原子炉からは放射性物質は出ているが、人や服装に付着して外に出ることはないように管理している。客観的に見て明らかに過剰な反応だ」と同市の対応を批判した。
 また、「福島の皆さんは避難を余儀なくされたり、風評被害を受けて苦労している。避難している方、あるいは安全が確認されている福島県産品などを温かく受け止めてほしい」と語った。
 同市は転入者からの抗議を受け、検査を求めないことにしたという。2011/04/19

資料2 茨城県庁 福島県から避難された方への放射線影響に関する留意事項

1.避難指示の対象外の方(福島第一原発から半径20km以上離れている)や、福島県ですでに検査を済ませた方には、被ばく検査(表面汚染検査)は必要ありません。

理由 放射線医学総合研究所で一昨日、昨日と東京電力や付近で作業をしていた方の被ばくの検査を行いましたが、これまで除染が必要となるような被ばくをしている方は一人もいらっしゃいませんでした。(放医研HPより)

2.福島第一原発から20km以内の方でも、すでに茨城県内に避難された住民の方々が、健康に影響を与えるような量の放射性物質に汚染された可能性はほとんどありませんが、微量の放射線物質が付着していることも想定して、まずは脱衣・除染を行ってください。

3.脱衣や除染が終わってもどうしても心配な方は、被ばく検査(表面汚染検査)を受けることもできます。
 検査は、急ぐものではなく、夜遅い場合は翌日でも大丈夫です。
2011年3月18日 茨城県HP
http://www.pref.ibaraki.jp/important2/20110311eq/20110318_17/

■資料3 つくば市が福島からの避難者差別「放射線検査証明書出せ」

 福島第1原発の事故後に福島県から避難し、茨城県つくば市が同市に転入する人に対し、放射線の影響を調べるスクリーニング検査を受けるよう求めたり、受けたことを証明する書類の提出を求めていたことが19日、分かった。県や市には地域住民から「避難者にスクリーニング検査を強制しろ」などの声も出ているが、閣僚からはつくば市の対応に批判が相次いだ。

 この日会見したつくば市の市原健一市長は「配慮が足りず、誤解を与え、申し訳ない。これからも避難者を受け入れる」と謝罪した。一方で「避難者と受け入れ側の安全と安心のため、汚染がないと確認する必要がある」と述べ、強制と受け取られないよう配慮し、避難者に検査を勧めていく考えを明らかにした。

 つくば市によると、3月17日に市民課長名で転入手続きに訪れた人に放射線の影響を調べるスクリーニング検査の証明書の提示を求めるよう指示。文書では「土浦保健所にて、放射線に関する検査を受けていただく。検査終了後、問題がなければ、通常の手続き」と明記している。証明書は市内6か所に配布された。

 今月11日になってつくば市内の研究機関に就職するため、仙台市から転居してきた男性(33)が証明書の提示を求められ、県と市に苦情を訴え、発覚した。

 茨城県では、福島県からの避難者を受け入れる同県の各市町村に対し、放射性物質が付着していることを想定して、脱衣や除染を優先的に行うよう指示。スクリーニング検査を受けるかどうかは自主的な判断に任せているが、検査証明書を希望する避難者も多いという。県は「住民からは『避難者へのスクリーニング検査を必ずやってほしい』という声も出ているが、検査は強制ではない」と話した。

 これに対し、政府の被災者生活支援特別対策本部は証明書提出について「風評被害の一つのようなもの。避難している人の気持ちを考えるべきだ」と市の対応を批判。玄葉光一郎国家戦略担当相(衆院福島3区)は福島県から他県に転出した子供が「放射能がついている」といじめに遭ったケースを紹介し、「人への風評被害が起きている」と指摘。「福島県民は冷静さを保って行動しているが、一部の心ない方の対応は本当に残念だ」と述べた。

 枝野幸男官房長官は「明らかな過剰反応だ」とし、「福島県民は避難や風評被害で苦しんでいる。温かく受け止めてほしい」と呼び掛けた。
(報知 2011年4月20日)

■つくば市が福島県からの避難者に放射線検査要請

 東京電力福島第1原発の事故後に福島県から避難し、茨城県つくば市に転入しようとした人に対し、市が放射線の影響を調べるスクリーニングを受けることを求めたり、受けたことを証明する書類の提出を求めていたことが19日、分かった。

 市原健一市長は「配慮が足りず誤解を与え申し訳ない。これからも避難者を受け入れる」と謝罪する一方、「避難者と受け入れ側の安心と安全のため、汚染がないと確認する必要がある」と述べ、強制はしないが、今後も避難者に検査を勧める考えを明らかにした。

 政府の被災者生活支援特別対策本部は、証明書類の提出について「風評被害の一つのようなもの。避難した人の気持ちを考えるべきだ」と市の対応を批判している。

 つくば市によると、検査を要請した文書は市民課が作成し、転入者を受け付ける「窓口センター」に課長名で3月17日に通達された。福島県から避難して市に転入する人について「(県内の)土浦保健所にて、放射線に関する検査をしていただく。検査終了後問題がなければ、通常の手続き」と明記している。

 今月11日、つくば市内の研究機関に就職するため、仙台市から転居してきた男性(33)が証明書の提示を求められ、県と市に苦情を訴えたために発覚した。

 スクリーニングをめぐっては3月、屋内退避の30キロ圏内の女性が、避難先の神奈川県で母親を介護施設に入所させようとして、証明書類がないとして一時断られたことが明らかになっている。
(2011年4月19日)

原発周辺住民に「個人被曝線量計」を 国立がんセンター提案

国立がん研究センターは、福島県の東京電力福島第1原発付近に住む人たちの不安を解消するため、日常的に放射線を取り扱う医療従事者が使用している「個人被曝(ひばく)線量計」(ガラス線量計)約2万個を住民に配布するとした、国などへの提案書をまとめた。

 国立がん研究センターの説明では、ガラス線量計は放射線を扱う医療従事者が毎日、白衣の胸ポケットなどにバッジのように着けて使用する。一定期間使用してから検査機関に送ると、約2週間後に使用期間に浴びた放射線量が計測されて戻ってくる。電子線量計のように、リアルタイムで放射線量を測定することはできないという。

 現在、自治体などが発表しているのは地域ごとの放射線量。ガラス線量計を使えば、個人の被曝量を知ることができる。数値が低ければ安心につながり、逆に高ければ避難を行うなど、データに基づいた行動も可能になるという。

 同センターによると、メーカー在庫などを考慮すると2万個程度を供給することが可能だ。1回の検査費用は約3千円で、仮に2万人が年4回の検査を行うと2億4千万円が必要となる。検査結果は、将来の被曝医療研究に役立てることも可能という。

 製造メーカーの千代田テクノルによると一般向けの販売は行っておらず、主に自治体や医療機関向けに販売しているという。

 国立がん研究センターの嘉山孝正理事長は「医療関係者も、この検査結果を見ることで安心して医療を行っている。安心のために使う2億4千万円は決して高額ではないはずだ」と訴えている。
(産経新聞4月19日)

積算被ばく線量予測図公表 北西40~50キロで20ミリシーベルトの恐れ 米エネルギー省

2011.4.20 09:49

福島第1原発周辺の被ばく線量予測図。赤は1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超える恐れがある地域(米エネルギー省提供・共同)

 米エネルギー省は19日までに、福島第1原発の周辺地域に1年間とどまった場合の被ばく線量の予測図を発表した。

 原発から北西方向に40~50キロにわたり、1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超える恐れがある地域が広がっている。航空機を使った観測データに基づくもので、人が屋内にいても被ばく量は減少しないと仮定して計算したとしている。

 日本政府は、積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れがある地域を「計画的避難区域」に指定することを決めている。(共同)

      ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

[追記]

つくば市の放射線検査要求はマスコミによる曲解報道のようです 新規

つくば市が福島からの避難者に対し放射線検査を要求したとの報道がなされました。
かなりの方が叩いていらっしゃいましたが、事実は少々違うようです。
放射線差別があるはず!という無意識に動かされてはいませんか?
つくば市は、震災直後から福島からの避難者を受け入れ、避難者の十倍以上のボランティア希望者が様々な支援を申し出ていました。そうした事実はご存じですか?
放射線検査に対して意義を申し立てたのは福島からの避難者ではなく、他県民であることはご存じですか?
叩く前にソースを確かめて下さい。
そして、当事者の気持ちをよくお考え下さい。
確かに手続き上問題はあったと思います。
でも、つくば市民は、誰もが、差別感情など抱いていないと言っています。
避難してきた福島県民も、差別されたと主張している方は、私の周囲では見当たりません。
差別が本当にあったなら憤るべきでしょうが、単なる誤解なら、他県民が差別だと騒ぎ立てることで、避難者もつらい思いをするのではありませんか?
誰も差別感情など抱いていないのに、周囲の声に押されて、差別されたのだと誤解し、傷ついてしまう可能性だってあるのです。
報道による誤解と偏見が蔓延している状況を見ていると、
避難者を受け入れ支援しようと頑張ってきたつくば市民の皆様のお心を思ってつらくなると同時に、
避難してきた福島の方々のご心痛が増すばかりなのではないかと、それも心配です。
手続き上のミスについては、つくば市は謝罪しています。
でも、差別感情は、存在していないのです。
皆様、よくお考え下さい。
本当に大切なのは、なんですか?
皆様の糾弾の声がもたらすものはなんだか、想像してみて下さい。
それと。
福島県民の皆様。
野菜王国茨城の県民にとっては、福島県は、風評戦争の戦友です。
差別感情なんて抱いていません。安心して下さい。
引用以上
この野菜王国の方と私は同じ立場にたつので、事実関係をもう少し調べてみます。ただ、この方が言うようにつくば市当局と市民はまったく違う立場なので、それを一緒にしてはいないつもりです。

がんばれ、福島!

原発事故にといっしょに闘おう!Photo

2011年4月20日 (水)

宮崎県の皆さんが手本です。私たちも頑張ります

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宮崎口蹄疫からちょうど1年間が立ちました。

東児湯地域を中心とする5町、1300戸の農家が殺処分を受けました。処分された家畜は実に29万頭にも上りました。

現在もまだ宮崎県の復興の道のりは遠く、多くの難題を抱えています。新たな家畜の導入、出荷までの長い月日、運転資金の調達、飼料高、子牛価格の上昇、そしてTPP。

また多くの農家が再建を断念しました。いまでも死んでいった家畜の墓に花を添え続ける農民の姿があります。

私は宮崎口蹄疫を約半年の間応援しました。

その時強く思ったのは、「宮崎を私たちが助けているのではない、宮崎が私たちを助けているのだ」ということでした。宮崎県の農家の皆さんの驚異的な踏ん張りと団結心がなければ間違いなく口蹄疫は韓国のように全国化していたことでしょう。

宮崎県東部地域で封じ込めることが出来たのは、殺処分することによって感染拡大を押しとどめた自己犠牲のおかげでした。

私はワクチン・全殺処分という方法に疑問を呈し続けてきましたが、それを行った農家の人々の「ここでくい止めるんだ」という痛いような決意は伝わってきました。

その後、再び宮崎県はトリインフルエンザに見舞われました。火山の噴火にもあっています。しかし今、もう一息とはいいませんが、再建への道を大きな歩幅で歩いていらっしゃいます。

宮崎県農民の不屈の精神は私たち北関東、東北の農民も学ばねばなりません。
宮崎県の皆さんが手本です。私たちも頑張ります。

がんばれ、東北!

がんばれ、宮崎!

がんばるぞ、茨城!

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2011年4月19日 (火)

長期にわたる放射性物質の降下と、地表面への累積を見落とすな!

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昨日に続いてなぜ土壌放射線量が大事なのかを考えていきたいと思います。

えてして私たちは自分の地域に降ってくる放射線量という場合、空中放射線量のほうを考えてしまいがちです。それはとうぜんで、損傷を受けた福島第1原発からは未だかなり低位になったといっても放射性物質が出続けているからです。

特に4号炉の使用済み燃料プールと、一部が融解している燃料棒からは絶え間なく放射性物質が放出されていおり、おそらくは1日数テラベクレルに登るのではないかという専門家もいます。(資料1参照)

先日、東電が出したロードマップ(工程表)でも放射性物質の抑制までに3カ月から6カ月かかるとされています。(資料2参照)

原子力安全委員会の斑目委員長がにべもなく「難しいじゃないの」(意味)と言うように、こんな期間で放射性物質が抑制できると思うほうがゴクラクトンボのようです。私たちは更に長い時間を絶え間なく排出される放射性物質とつきあっていかねばならなくなりそうです。

さて、この放射性セシウムやヨウ素は非常に軽い揮発性の高い物質ですから、その時の風に乗り各地に飛散していきます。

なぜ測定結果にでないのか不思議がられていたストロンチウム89と90も福島県各地で検出されたそうです。(資料3参照)

今までに福島第1原発から放出されたトータルな放射線量は、内閣府原子力安全委員会発表63万テラベクレル、一方経産省原子力安全・保安院発表37万テラベクレルと4割も違います。

やれやれどうしていつもこうなんでしょうね。中とって50万テラベクレルとしますか。(笑)テラは京の単位ですから、なんともかともです。

今の段階では同じレベル7でもかのチェリノブイリの10分の1だというのが政府のなぐさめのお言葉です。しかしこの10分の1とはあくまでもただいま現在の数字なのです。

チェリノブイリは翌日から鉛を投下して、10日間で鎮火しました。そして5カ月で石棺に封じ込めています。放出れされた放射線総量は推定520万テラベクレルだと言われています。

福島第1は未だ放射性物質放出の抑制すらできていない状況です。つまり延々と放射性物質を出し続けているわけです。

仮にこの状況が1年単位になった場合(その可能性は高いと思われますが)、放射性物質は放出され続けて累積していきます。

再度の水素爆発がなかったとして、仮にあっても格納容器がそれを封じ込めてくれるという幸運に期待したとしても、語弊のある表現を使えば放射性物質は「降り積もっていく」と考えるべきです。

ではどこに「降り積もっていく」のでしょうか?あたりまえですが、それは土壌です。

今までこのような長期にわたって原子炉から放射性物質が排出され続けるような状況を人類は経験していません。チェリノブイリ型事故のように短期で封じ込めるかわりに、大量の放射性物資を一時に排出してしまう事故しか考えてこなかったのです。

ですから、国際的にも土壌放射線量ではなく空中放射線量が避難基準の指標になっているのです。

国際放射線防護委員会(ICRP)は、原発事故などが起きた後に周辺に住む人の年間被曝(ひばく)限度量は、2007年の勧告に基づき、1~20ミリシーベルトの範囲が妥当とする声明を発表した。」(朝日新聞3月26日)

頭を切り換えなければなりません。今私たち日本が遭遇している事態は、ドッカーンというチェリノブイリ型原発事故ではなく、比較的小規模な爆発の後ダラダラと揮発性の強いヨウ素、セシウムを中心としたストロンチウム、そして微量で飛散地域も限定的ですがプルトニウムが排出されると言った事態なのです。

その場合どのようなことになるのかは、下の放射線影響協会の図がわかりやすく解説しています。

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     (図 「緊急被曝医療の対象について」放射線影響協会より引用) http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakuken/hibakuken001/siryo1-4.pdf#search='

原子力事故により放射性プルーム(気体による雲)が出来て、それが地表に落下します。それを人が吸入し、地表面に落下します。

この放射性物質が再び地表面から放射されます。これを人が吸収してしまいます。あるいは、植物などに吸着されます。

これが「グラウンドシャイン」と呼ばれる現象です。この現象が福島第1原発事故で既に起きており、そのことは原子力安全委員会も認めています。(ソース TBS報道特集4月17日)

ところが政府はあいもかわらず空中放射線量のみを重視する発言をくりかえしています。空中放射線量は、たとえば茨城県北部地域の場合以下のように推移しています。

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        (上図 茨城県HPより引用・クリックすると大きくなります)

水素爆発のあった3月15日から17日に大きなピークがあります。実はこのようなピークはそれ以前の3月12日にもあった水素爆発から3、4日間も観測されたはずなのですが、大停電で観測記録が残っていません。

現在は「健康に影響がない」レベルまで下がっています。政府の言い方だと、この現時点の空中放射線量に問題がなければOK、基準を上回れば避難という言い方をしています。

そうではありません。その考え方は決定的に間違っています。なぜなら、その考えに立つ限り、既に地表面に落下し、今後も長期にわたって落下しつづけて累積していくであろう放射性物質の存在を無視しているからです。

この放射性物質の放出が止まらない限り、いや止まったとしても、既に累積している放射性物質がどのていどのレベルの土壌放射線量を示すのかしっかりとしたデータが示されない限り、「健康に影響がない」とは言えないのです。

それが東海村臨界事故でもみられた大量の晩発性障害です。これについては回を改めます。

               

■写真 ホトケノザです。いや、野草はいい。なごみます。

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■資料1福島1~3号機核燃料、保安院「溶融」と初見解

読売新聞 4月18日(月)20時48分配信

 経産省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は18日の記者会見で、1~3号機の核燃料が「溶融していると思われる」と述べ、内閣府の原子力安全委員会に報告したことを明らかにした。

 保安院はこれまで、核燃料の損傷が3%以上としてきたが、「溶融」との見解を出したのは初めて。

 保安院は炉心の壊れ具合によって3段階に定義されると報告。「炉心損傷」は、焼き固めた燃料(ペレット)を覆う金属の被覆管が壊れているが、燃料体の形は崩れていない状態。ペレットの一部が溶けだしている状態を「燃料ペレットの溶融」、溶けた燃料が下に落ちていくのを「メルトダウン(炉心溶融)」とした。

 その上で、「ペレットが溶融している」とした理由について、2、3号機は「ペレットが溶融して生じる放射性物質が高濃度の検出された」ことを、1号機は「水素爆発に至った」ことを挙げた。
資料2 東電工程表、実施に相当の困難と班目委員長

読売新聞 4月18日(月)20時19分配信

 内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は18日、東京電力が発表した事故収束への工程表について「相当のバリアがある」と述べ、実施には困難が伴うとの認識を示した。

 また「工程表の精査はできていないが、スケジュールありきで安全がおろそかになることは避けてほしい」と語った。

 班目委員長は「一番難しいのは2号機対策」とし、理由としてタービン建屋地下に高濃度の放射性物質を含む汚染水があることを挙げた。フランスから導入予定の浄化処理技術についても「本当に(高濃度の汚染水に)使えるのか、安全委員会側として承知していない」と効果に未知数の部分が多いことを挙げた。
資料3 放射性ストロンチウムを検出=原発30キロ外、福島6市町村―文科省

時事通信 4月13日(水)0時44分配信

 福島第1原発の事故で、文部科学省は12日、福島県でサンプル調査をした結果、土壌と植物から放射性ストロンチウム89と90が検出されたと発表した。同省によると、事故をめぐりストロンチウムが検出されたのは初。
 同省は3月16~17日、第1原発の30キロ圏からやや外にある福島県浪江町の2カ所と飯舘村の1カ所で採取した土壌を分析。1キロ当たりストロンチウム89が最大260ベクレル、同90が最大32ベクレルだった。
 大玉村、本宮市、小野町、西郷村で19日に採取された植物も分析。1キロ当たりストロンチウム89が最大61ベクレル、同90が最大5.9ベクレルだった。サンプルの植物は食用野菜ではないという。
 ストロンチウムは、カルシウムと似た性質を持ち、人体に入ると骨に沈着し、骨髄腫や造血器に障害を引き起こす恐れがある。ストロンチウム90は半減期が約29年と長く、過去の核実験の際に飛散し問題となった。同89は半減期が約50日。 
(Jコム2011/04/13-00:48)

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文科省全国の放射線モニタリングデータ
http://www.mext.go.jp/

全国の放射線のモニタリング調査結果の1週間の推移を都道府県別にグラフにしてお知らせします。また、福島県については、モニタリングカーを用いた放射線モニタリングの結果をお知らせしています。

茨城県放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

2011年04月19日 06時30分の状況
測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 186 東北東 7.9
東海村豊岡 174 北東 7.3
東海村舟石川 107 東北東 5.5
東海村押延 127 東北東 6.2
東海村村松 163 東北東 3.8
那珂市横堀 112 東南東 5.3
那珂市門部 141 北東 3.1
那珂市菅谷 101 北東 5.6
那珂市本米崎 118 ---- ----
那珂市額田 101 ---- ----
那珂市鴻巣 124 東北東 4.2
那珂市後台 135 ---- ----
那珂市瓜連 101 ---- ----
ひたちなか市馬渡 198 東北東 6.4
ひたちなか市常陸那珂 260 南東 6.2
ひたちなか市阿字ヶ浦 169 東北東 6.2
ひたちなか市堀口 334 北東 4.2
ひたちなか市佐和 175 ---- ----
ひたちなか市柳沢 160 東北東 6.9
日立市久慈 261 北東 8.7
日立市大沼 228 北東 6.0
常陸太田市磯部 127 北東 8.7
常陸太田市真弓 93 ---- ----
常陸太田市久米 77 東北東 4.4
常陸大宮市根本 97 東北東 3.2
大洗町大貫 200 東北東 5.9
大洗町磯浜 172 ---- ----
鉾田市造谷 237 北東 5.1
鉾田市荒地 204 東北東 7.5
鉾田市田崎 164 ---- ----
鉾田市樅山 340 ---- ----
鉾田市上富田 152 ---- ----
鉾田市徳宿 156  東  4.2
茨城町広浦 224 東北東 6.8
茨城町海老沢 165  東  2.1
茨城町谷田部 124 ---- ----
水戸市吉沢 109 東北東 4.8
水戸市大場 131 東北東 1.8
水戸市石川 134 東北東 4.8
三菱原燃 90 ---- ----
原燃工 198 ---- ----
空間線量率(nGy/h)    風速(m/s)

*モニタリングポストの計測数値はナノグレイですので、マイクロシーベルトにするには100分の1にしてください。

厚労省 茨城県で産出されるホウレンソウ(一部地域を除く。)、カキナ及びパセリに係る出荷制限の解除について

○ 3月21日及び23日、原子力災害対策本部は、茨城県等に対し、一定の食品の出荷制限等を指示していました(3月21日付けプレスリリース「食品の出荷制限について」及び3月23日付けプレスリリース「食品の摂取制限及び出荷制限について(福島県及び茨城県)」)。
○ その後、4月4日、食品の出荷制限・摂取制限の品目・区域の設定・解除の考え方が原子力災害対策本部の対応方針として発表されました(4月4日付けプレスリリース「食品中の放射性物質に関する暫定規制値の取扱い等について」)。
○ これに基づき、茨城県より、農林水産省及び厚生労働省との協議を経て、原子力災害対策本部あてに、本日、食品の出荷制限の指示の変更が申請されました。
○ これについては、本日までの検査結果に基づき、食品の出荷制限・摂取制限の品目・地域の設定・解除の考え方に適合するものと認められるため、原子力災害対策本部は、茨城県に対し、本日、食品の出荷制限の指示を変更しました。

がんばれ、東北!

がんばるぞ、茨城!

Photo 

2011年4月18日 (月)

政府はどうして空中放射線量のみを避難指標として、土壌放射線量を無視するのでしょうか?

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計画的避難地域に指定された飯館村の放射線量数値を調べていると混乱してしまいます。

IAEAは先月末から今月初めにかけて調査スタッフを来日させて福島第1原発とその周辺の放射線量数値を独自に検査していきました。

IAEAのHPはこちらから(放射線量モニタリグについては資料2参照)
http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

このIAEAの独自調査で、飯館村の土壌の放射線量の数値は2千万ベクレル/hと発表されました。(資料1参照)

この数値の高さは日本側の文科省の検査した数値とも一致します。検査はIAEAより1週間ほど前だと思われます。こちらの数値は117万ベクレルです。(資料3参照)

・飯館村 陸土 土壌 3月20日12時40分 ヨウ素131・・・1,170,000ベクレル/㎏ 
                          セシウム137・・・163,000             

立場の違った公的機関二者がほぼ同時期に測定して、ほぼ同じ高い数値が出た場合、その信憑性は極めて高いといえるでしょう。

これに対して政府はこのように答えています。

「日本の原子力安全委員会は31日、国内では土壌でなく空間放射線量を指標にしていると説明。原発から半径20キロを「避難」、20〜30キロを「屋内退避」とした設定は妥当で、避難区域の設定見直しは必要ないとの考えをあらためて示した。」(秋田魁 4月2日)

うーんですね。原子力安全委員会は内閣府直属の機関ですから、政府公式見解とみていいでしょう。それが「空間放射線量が指標だ。だから飯館村は避難地域ではない」と言っているのです。それが3月31日です。

それが今頃になって計画的避難地域だと言い出す。わずか1カ月で立ち退けと無理無体を言う。なにか変です。

このとき飯館村を訪れた福山内閣官房副長官は、説明で年間の累積被曝放射線量が20ミリシーベルト以上になる可能性があることを上げています。この根拠は国際放射線防護委員会(ICRP)の声明によっています。

「原発事故などが起きた後に周辺に住む人の年間被曝(ひばく)限度量は、2007年の勧告に基づき、1~20ミリシーベルトの範囲が妥当とする声明を発表した。」(朝日新聞3月26日 資料4参照)

政府はIAEAの土壌放射線量の退避勧告を、空間放射線量を避難基準の指標にしているのだからと拒否したわけですから、この両者にはなんの関連もないという立場なのでしょうか。ここがよくわかりません。

毎日私も茨城県のモニタリングポストを見ていますから、その時の風向きや風量、地形、などでわずか数㌔でも数値が大きく変わることを知っています。季節でも風向きが違います。

たとえば今日の鉾田市田崎は0.16マイクロシーベルトですが、わずか数㌔隣の鉾田市縦山では0.34マイクロシーベルトです。

ほぼ倍ですが、この差にはさほどの意味はありません。翌日にまた変化するからです。また初夏には変化します。

福島県で6月から海から陸地に吹く東風は「いなせ」といわれるそうですが、この季節による風向きの変化で海岸にある福島第1原発からの放射線量はまったく異なった飛散の仕方をするはずです。

ならば、ただいま現在の空中放射線量は参考になっても決定的要因ではないのではないでしょうか。

一義的には、既に3月12日と3月15日の水素爆発によって降ったであろう土壌の放射性物質が残留し、日常的に土壌表面からグラウンドシャイン現象(*)という放射線を飛散させることが問題なのです。

*「グラウンドシャイン」=プルーム(放射性雲)から地表面に沈着した放射性物質からの放射線(ガンマ線)による被ばくのこと。(「緊急被曝医療の対象について」放射線影響協会) 
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakuken/hibakuken001/siryo1-4.pdf#search='

そう考えた場合、空中放射線量のみを避難基準の指標とすることに大きな疑問を感じてしまいます。

       ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 ヨウ素平均測定値は避難基準以下 IAEA、飯館村で検出

 【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)当局者は1日、福島第1原発の北西約40キロにある福島県飯館村の土壌から検出された放射性ヨウ素131の値がIAEA独自の避難基準を上回ったと指摘したことについて、複数の測定値を分析した結果、平均値は避難基準を下回ったと明らかにした。ヨウ素131の半減期は約8日と短い。

 当局者は記者会見で「測定値は低下傾向にあるが、日本政府には状況を注視するよう伝えている」と話した。

 IAEAは3月30日、避難区域外の飯館村で1平方メートル当たり約2千万ベクレルと、IAEAの避難基準の2倍に相当する地点があったと公表。日本側が3月後半に村内の土壌で測定した数値を独自に分析したという。

 IAEAによると、日本側が3月19〜29日に飯館村で検出した15の測定値をさらに分析した結果、1平方メートル当たりの平均値は約700万ベクレルとなり、避難基準を下回った。

 日本の原子力安全委員会は31日、国内では土壌でなく空間放射線量を指標にしていると説明。原発から半径20キロを「避難」、20〜30キロを「屋内退避」とした設定は妥当で、避難区域の設定見直しは必要ないとの考えをあらためて示した。

(秋田魁新報 2011/04/02 10:56 更新)
資料2 IAEA放射線量モニタリングについてのHPのコメント

2。 放射線モニタリング

4月14日には、両方のヨウ素131とセシウム137の証言は、それぞれ1〜5県で検出された。 両方のI - 131とCs - 137については、証言はすべてのステーションで20 Bq/m2下回っていることが検出されました。

ガンマ線線量率は、47都道府県すべてで毎日測定されています。 値は時間の経過とともに減少する傾向にある。 福島は4月14日2.0μSv/ hの線量率で報告された。 茨城県では、0.14μSv/ hのγ線量率が報告されています。

他のすべての都道府県でγ線量率は0.1μSv以下であった/ hの線量率は、福島第一から30キロを超える距離の福島県の東部、専用報告されている。 4月14日には、この領域の値は21 0.1でした。

地元の大学と協力して、教育、文化、スポーツ、科学技術(文部科学省)日本の省は、追加の監視プログラムおよびγ線量率の測定40都道府県の54都市で作られて設定している。 4月14日の時点では、γ線量率は45都市で0.1μSv/ hを下回っていた。 8都市では、γ線量率は0.17μSv/ hを0.13からであった 福島市、0.42μSv/ hの値で観察された。

いくつかの都道府県でのみ、私が- 131またはCs - 137非常に低いレベルで水を飲んで検出されます。 4月12日の時点で、私に関連する幼児のため、1つの制限- 131(100ベクレル/リットル)福島県の村でsmallscale水供給の場所にあります。

4月14日、IAEAのチームが39キロ、南、南西福島第一原子力発電所から15に至るまでの距離で福島エリアで11の異なる場所で測定を行った。 これらの場所では、線量率は.8μSv/ hを0.3〜であった 同じ場所では、β-γ汚染測定の結果は2.5 MBq /㎡は0.16〜0.21mm。 最高値は、発電所からより23キロの距離で観察された。

原子力安全保安院は、福島第一工場で約300人の労働者のうち、28は、この緊急事態に関連する期間で100 mSvを超える量を蓄積して受信したことを4月14日に報じた。 労働者が、救急隊員の露出を制限するための250 mSvの日本の指針値以上の投与を受けています。

食品汚染に関連する分析結果は、4月14日11日から撮影50サンプルの計4月14日、厚生労働日本省が報告されている。 様々な野菜、きのこのすべてのサンプルの分析結果、果物(いちご)、様々な肉、シーフード、10県で未処理の生乳(千葉県、福島、群馬、茨城、神奈川、長野、新潟、埼玉、栃木、山形県)示されたのI - 131ことは、CS - 134および/またはCs - 137のいずれかが検出されないか、日本の当局によって設定された値を規制下であった。

4月14日、日本の内閣総理大臣は、栃木県内のカキナの販売制限の解除を承認した。

資料3 土壌文科省 福島県ダストサンプリング測定結果(PDF)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/25/1304007_2510.pdf

■資料4 被曝限度量の緩和提案 国際放射線防護委、移住回避促す

国際放射線防護委員会(ICRP)は、原発事故などが起きた後に周辺に住む人の年間被曝(ひばく)限度量は、2007年の勧告に基づき、1~20ミリシーベルトの範囲が妥当とする声明を発表した。日本の現在の基準は、一律に1ミリシーベルト。福島第一原発事故の影響が収まっても、放射能汚染は続く可能性があると指摘し、汚染地域の住民が移住しなくてもいいよう、日本政府に配慮を求めた形だ。

 ICRPは専門家の立場から、放射線防護に関する勧告を行う組織。声明は、21日付で発表された。

 07年の勧告では、一般の人が年間浴びてもいい放射線量を三つの範囲で設定。緊急時は20~100ミリシーベルト、緊急事故後の復旧時は1~20ミリシーベルト、平常時は1ミリシーベルト以下とした。

 今回の声明はこの勧告を紹介したもので、原発事故の影響を受けた地域に住民が住み続ける場合は、1~20ミリシーベルトの範囲内で検討するという考え方を紹介した。この地域も、長期的には1ミリシーベルト以下にすることが目標だとした。

 ICRPは通常、各国の個別事例については言及しない。しかし今回は、「日本で起きた悲劇的な出来事に、深くお悔やみ申し上げます」と述べる異例の内容となった。

 福島県南相馬市の25~26日にかけての1日の放射線量は計0.028ミリシーベルト。1ミリシーベルトを基準とすると、約1カ月で超えてしまう。現在の線量が続くと仮定すると、年間総量は約10ミリシーベルトのため、20ミリまで引き上げた場合は、移住の必要はなくなる。一般的に放射線の被曝量が100ミリシーベルト以下なら、健康への影響は心配ないとされている。

 日本アイソトープ協会の佐々木康人常務理事は「ICRPの基準はもともと、余裕を持って設定している。日本の基準はさらに、厳しめの数値を取っている。1~20ミリシーベルトという数字なら、健康に全く影響はない」と話している。
(朝日新聞3月26日)

■資料5 飯舘全村、川俣は山木屋 「計画的避難」で政府説明

 福山哲郎官房副長官は16日、飯舘村と川俣町を訪れ、住民への説明会に出席、東京電力福島第1原発事故で政府が同村の全村と同町の一部を計画的避難区域に指定する方針をあらためて示した。福山副官房長官は「心からおわびを申し上げる」と陳謝した上で、東電の損害賠償の仮払い実施や、国が農林業や商工業への補償を実施する方針を示した。川俣町の指定については山木屋地区が対象になる見通しを示し、今後、地元との協議を踏まえて決める考えを明らかにした。計画的避難区域指定についての政府の地元説明は初めて。
 飯舘村の説明会で福山官房副長官は「避難区域に指定されれば、東電が1世帯100万円を支払う損害補償の仮払い対象となる。指定前に自主避難した住民も含まれる」と語った。
 指定の時期や避難の具体的な方法などは明らかにしなかったが、避難する場合には集落単位でまとまりを持った仮設住宅や借り上げ住宅、旅館やホテルなどの確保を進める考えを示した。また、畜産農家が飼育する牛を移動させる方向で調整していることを明らかにした。
(2011年4月17日 福島民友ニュース)

飯館村「避難見直す必要なし」 原子力安全委員会

国際原子力機関(IAEA)が福島第1原発の北西約40キロの福島県飯館村で放射性物質の数値が避難基準を上回ったと指摘したのを受け、国の原子力安全委員会は31日、避難区域の設定を見直す必要はないとの考えをあらためて示した。

 原子力安全委は31日の記者会見で、日本とIAEAの間で住民に避難を指示する基準が異なると強調。原発から半径20キロを「避難」、20〜30キロを「屋内退避」とした設定を「妥当だ」とした。

 IAEAは3月18〜26日、福島県内の土壌を測定、避難区域外の飯館村で「IAEA基準の2倍」に相当する放射性物質を検出したとしている。

(秋田魁新報2011/03/31 19:51 更新)
IAEA、検出はヨウ素 測定値を2千万ベクレルと修正

 【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)は3月31日、福島第1原発の北西約40キロにある避難区域外の福島県飯館村の土壌からIAEAの避難基準を上回る値が検出されたとした放射性物質は、半減期の短いヨウ素131で、測定値は1平方メートル当たり約2千万ベクレルだったと修正した。

 IAEA当局者は30日の記者会見で、約200万ベクレルとしていた。数字を取り違えたとみられるが、IAEAは独自の避難基準の2倍に相当する事実は変わらないとしている。

 測定日は3月後半で、ヨウ素131の半減期は約8日。当局者は「検出された値は限られた試料に基づいた初期評価で、追加調査が必要」と話している。

 一方、日本の原子力安全委員会は31日、国内では土壌でなく空間放射線量を指標にしていると説明。原発から半径20キロを「避難」、20〜30キロを「屋内退避」とした設定は妥当で、避難区域の設定の見直しは必要ないとの考えをあらためて示していた。

(秋田魁新報 2011/04/01 11:28 更新)

■「全村避難」に揺れる飯舘 「地域守る」住民悲痛

 「ブランドが根本から崩れる」「道を閉ざされた」―。東京電力福島第1原発事故で国が「計画的避難区域」に指定する方針を示した飯舘村と川俣町山木屋地区でそれぞれ16日に開かれた説明会。飯舘村の各地区・団体の代表者は、村を支えてきた農業を揺るがす事態について福山哲郎官房副長官に訴えた。「地域を守るため、絶対避難しない」と宣言する農民も。農業の村は「全村避難」に大きく揺れた。

 計画的避難の方針を国が直接村民に説明したのは初めて。政府は報道陣の退出を求めたが、住民が公開を強く求め、急きょ公開に。福山副長官は約2000頭の牛の移動や農作物の補償、村が本年産のコメなど農作物の作付け見送りを決めたことに敬意を表し、全村避難に伴う農業の適切な対応を表明した。しかし、村議や農業委員、JA、商工会などの代表者が顔をそろえた会場からは、厳しい声が相次いだ。

 村ブランド和牛「飯舘牛」生産に長年かかわる菅野義人さんは「牛は場所を移せばいいというわけでない。避難することが適当か疑問」、酪農家の長谷川健一さんは「このままでは廃業するしかない。全頭買い上げを求める」と語気を強めた。

 2時間半に及んだ説明会。福山官房副長官は「今後も皆さんと話し合って進めていきたい」とあいさつしたが、出席者の拍手はまばら。事態の深刻さが際立った。
(2011年4月17日 福島民友ニュース)

■<福島第1原発>「信用できるのか」 東電工程表に疑心暗鬼

毎日新聞 4月17日(日)22時4分配信

「思ったより長い」「発表は単なる目安なのでは」……。東京電力が福島第1原発事故収束までの「道筋」を示した17日の記者会見。既に原発周辺から避難したり、避難を指示される恐れのある「計画的避難区域」に住む住民たちは、事故から1カ月以上たって聞かされた日程に複雑な表情を見せた。不便な生活への怒り、将来の不安、そして東電への疑心暗鬼。さまざまな感情を抱きながら、発表を受け止めた。【河津啓介、和田武士、荻野公一、町田結子】

【福島第1原発】放射線抑制6~9カ月 年内避難解除困難に

■双葉町住民

 役場ごと埼玉県加須市に避難した双葉町の住民たち。両親と妻の4人で旧騎西高校に避難している配電線工事業、舘林孝男さん(56)は放射線量の大幅抑制までの期間について「自分では3カ月程度と思っていた。(6~9カ月は)長い」と憤る。福島県内で電気の復旧工事に携わることもできるが、高齢の両親を避難所に置いて行けない。「とにかく早く双葉に帰って働きたい。9カ月を目標にするのではなく、一日でも早く収束させてほしい」と訴えた。

 父親と同校に避難した養蜂業、小川貴永(たかひさ)さん(40)は「暫定的な発表に過ぎないのでは」と疑う。知りたいのは帰れるめどだ。「人間が住めるまでどのくらいかかるのか、1次産業は復活できるのか。それを教えてほしい」と語気を強めた。

 井戸川克隆・双葉町長は「町民のことを考えると、明確に安全な数値が確認されるまで帰宅できないと考える。さらにしっかりした作業をされることを望む」とコメントした。

■郡山市

 福島県内最多の約1700人が避難する郡山市の多目的ホール「ビッグパレットふくしま」。避難指示が出ている半径20キロ圏内の富岡町や屋内退避が指示されている20~30キロ圏内の川内村の住民が中心だ。富岡町の斉藤義男さん(76)は「避難は一時的と思っていたが、そんなにかかるのか」と落胆の様子を見せたが、すぐ思い直したように「収束時期がはっきりすれば先の見通しも立つ。(見通しが)ないよりいい」と付け加えた。夫が原発関連の会社に勤めている富岡町の女性(52)は「政府や東電からいろんな発表があるが、言うことがころころ変わるように見える。今日の発表も信用できるのか」と手厳しい。

■飯舘村

 全域が計画的避難区域になる飯舘村。菅野典雄村長は村役場のテレビで会見を見守った。「初めて先が見えたことは歓迎したい。だが、これで安心できるものではない」と感想を述べた。

 事故は、村の基幹である農業、畜産業に大打撃を与えた。放射性物質の漏えいが抑えられたとしても、再建はその先だ。

 「土壌の(除染などの)問題などはもっと日数がかかる。私たちにとっては、土地や牛も命の一つだ」とため息をついた。

■川俣町

 一部が計画的避難区域になる川俣町の主婦、高木栄子さん(66)は「本当に6~9カ月で収まるとは信じられない」と疑問視した。事故後の生活上の悩みも訴える。「窓も開けられず、思うように外出もできない。ちょっとした家族の言動にもきつく当たるようになってしまった」

■2011年04月18日 08時40分の茨城県空中放射線量状況

●茨城県放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 184 東北東 4.2
東海村豊岡 173 北東 7.0
東海村舟石川 104  東  4.9
東海村押延 127 北東 6.5
東海村村松 165 北東 3.3
那珂市横堀 109 東南東 4.4
那珂市門部 141 東北東 1.9
那珂市菅谷 99 東北東 4.1
那珂市本米崎 117 ---- ----
那珂市額田 99 ---- ----
那珂市鴻巣 123  東  3.1
那珂市後台 130 ---- ----
那珂市瓜連 100 ---- ----
ひたちなか市馬渡 194 北東 4.6
ひたちなか市常陸那珂 263 東南東 4.3
ひたちなか市阿字ヶ浦 170 北東 5.6
ひたちなか市堀口 333 北東 4.3
ひたちなか市佐和 172 ---- ----
ひたちなか市柳沢 160 北東 5.1
日立市久慈 263 北東 6.7
日立市大沼 226 東北東 5.4
常陸太田市磯部 126 東北東 2.9
常陸太田市真弓 91 ---- ----
常陸太田市久米 77 南南東 1.8
常陸大宮市根本 97 南南東 2.0
大洗町大貫 201 北北東 3.1
大洗町磯浜 173 ---- ----
鉾田市造谷 238 北北東 5.0
鉾田市荒地 204 北北東 5.5
鉾田市田崎 164 ---- ----
鉾田市樅山 345 ---- ----
鉾田市上富田 150 ---- ----
鉾田市徳宿 158 東北東 4.7
茨城町広浦 225 北東 3.7
茨城町海老沢 162 東北東 2.0
茨城町谷田部 122 ---- ----
水戸市吉沢 108 東北東 4.4
水戸市大場 129 北北東 2.4
水戸市石川 133 東南東 3.5
三菱原燃 87 ---- ----
原燃工 196 ---- ----

空間線量率(nGy/h)    風速(m/s)

マイクロシーベルトにするには100分の1にしてください。

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2011年4月17日 (日)

あの大震災の日、村の小学校ではなにが起きたのか 被災地から被災地への支援始まる第2回

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今朝5時19分の地震で目が覚めました。震度3だそうです。昨日は私の住む地域である茨城南部を震源とする震度5弱が来ました。

そして哀しいことに、だいたいいまのはどの程度の震度かが体感で分かるようになってきました。まるで人間地震計ですな。なんせ70何回も余震もらっていますから鍛え上げられてしまった(笑)。

テレビで昨日「ボロ家でグルメ」みたいな番組をやっていましたが、観ながらも内容そっちのけでカミさんと「あ、この家は茨城に建ってたらもたないよね」などと批評する始末。

昨日のような震源地の真上だと、いきなり無警告でガンッガンッときます。グラグラというより縦方向への衝撃です。

震源地が遠いとズーンというトラックが遠くを通るような重低音がして、グラグラときます。だからズーンと来たら遠い、いきなり来たらヤバイ。

3月11日は、2時46分にズーンと来て、もうあとは洗濯機の脱水槽に放り込まれたような感じです。これがM9で、そのわずか29分後の3時15分にM7.7震度6が来ました。

私たち茨城に住む人間には第2波のほうが怖かったですね。震源地がまさに私の住む目と鼻の先の茨城沖だったからです。まさに直下からズドンっと来るかんじです。

あまり知られていませんが、茨城県でも内陸に2㌔も津波が侵入しました。高さは4,5メートルあったそうです。港は軒並み壊滅です。

神栖では大通りを津波が通り抜けたそうです。わが県は三陸のようにリアスではなくなだらかなな海岸線が続いているので、このていどで助かったようです。

さて当時、村の小学校に子供を行かしていた母親に話を聞きましたが、2時46分の第1波で教室はポルターガイスト現象が起きて、壁の額や花瓶などが斜め横に吹っ飛んで来るのです。

「机の下に入ってぇ!」と叫ぶ若い女の先生の声も裏返っています。通学用のヘルメットを被るまもなく、校舎全体が大きくズシン、ズシン、グラグラ、ガッシャーンと揺さぶられます。

ようやく揺れが収まると、子供は泣きだすことも忘れています。廊下は水道のパイプがどこか壊れたのか水浸し。当然電気は止まってしまいました。

子供たちが泣きだしたのは、薄暗い廊下から校庭に脱出してからのことでした。集合して点呼を取り始めたところで、そこへ第2波の襲来です。巨人が校庭を下から突き上げ、校舎を70㎝も土台から持ち上げてしまいました。

村のいろいろな人に聞いても2時46分より3時15分のほうが怖かったなと言います。いったんものすごい地震のエネルギーが通過して、ひと安心した所に来るのですから心理的にこたえます。まして子供ならどんな心の傷を負ったことか。

大川小学校の悲劇を思うと、死んだ子供が出なかったのはほんとうに奇跡でした。

私たちの村は小学校が二つも土台から持ち上げされて使用不可能となり廃校に決まりました。子供たちは気持ちも新たに別の小学校に通っています。

それにしても菅政権の対応のひどさは度をすごしています。あまりにもひどすぎます。被災後1カ月を過ぎても避難所の人たちにあれほどの過酷な暮らしを強いるというのは、これが先進国かと目を疑うほどです。

いつまでも体育館のようなところに寝かせて、水もない、トイレも使えない、食料も満足にならない、果てはその避難場を追い出されて転々とするに至っては、政治がまともに機能しているとはいえません。

いくらでもやりようがあるはずです。保養所や企業の研修施設などを借り上げて、人間らしい暮らしができるように配慮するといったことがなぜ出来ないのでしょうか。

今こそ国家が最大の力を発揮して避難民を助けなければならないのに、ほとんどが自衛隊と地元自治体、そしてボランティアの手に救援を委ねています。

政府はやくたいもない会議を20も作っておしゃべりばかりで何かやった気になっているだけです。

もはやこれは国家ではありません。おとなしい日本人でなかったらとっくに暴動が起きています。

巨大地震、巨大津波までは天災ですが、原発事故や避難所に行ってから病気で死ぬ人が続出するというのは人災です。

そもそも先の小学校の地震による廃校にしても、学校の耐震工事を無駄だと短時間で事業仕分けしたのは、レンポー節電担当大臣(←なんてくだらない任命だ!)と枝野幹事長だったのではなかっのですか。

耐震工事を乏しい自治体財政でなんとかやりくりした鹿島市はかろうじて大震災に間に合い、潰れた学校は皆無でした。

レンポー大臣、枝野官房長官、あなた方は心の痛みを感じないのですか。言い訳と隠蔽だけは一流のあなた方ですから、小学校がいくつも潰れて子供が危険にさらされようとも意識にも登らないのでしょうね。ああ、いかん朝から素で怒ってしまった。

茨城県は全国でも最低レベルの5割程度しか学校の耐震補強が済んでいません。くだらない政治ショーで耐震事業予算をカットしなければ、村の小学生はあのような恐怖を味わうこともなかったのかもしれないのです。

 

         

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

[承前]

                  被災地から被災地への支援始まる
           ー茨城県の農家・下河辺昭二氏が見た宮城県被災地レポートー

Photo               (撮影下河辺氏 野田村)

46日、宮古市重茂漁港に向かった。途中田老町地区を通り抜けた。国道を挟んで町並みがあったはずなのにあるのは瓦礫の山だった。

町民は一人もいない。いるのは自衛隊だけ、町民全員が避難所暮らしをしていると思われる。

宮古市重茂漁港に到着、ここでは約100人が避難所で暮らしている。46日現在、20人が行方不明。この人たちは高台で津波を監視していた消防団員だ。

重茂漁港では行方不明者捜索の為、炊き出しの受け入れが出来ないと連絡を受け、準備済みの食材を渡し避難所へ配ってもらう事とした。

Photo_3           (撮影 下河辺氏 焚き出し風景)

着の身着のままで逃げ、命拾いはしたが長期の避難所生活で相当なストレスだと思う。

物資は届いているが、口に合わなかったり、サイズが合わない衣服だったり、風呂にも入れない、酒も飲めない、お金も何も無い状況だ。当たり前の生活が出来ていない。早く義捐金を渡して久しぶりにお風呂に入ってもらい、少々の酒でも飲んでもらいたいと思うが、これらは贅沢ではないでしょう。

                              (了)

首都圏放射線量マップ
http://www.j-cast.com/2011/03/18090608.html

多くの地域の放射量をみることができる便利なサイトです。

がんばれ、東北!

茨城からも応援するぞ!

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2011年4月16日 (土)

被災地から被災地への支援が始まった!

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被災地から被災地への支援が力強く始まっています。

大震災以降わが茨城県はこれほどの打撃を受けたことがないほど痛めつけられました。おそらくは常陸の国始まって以来でしょう。未だその被害の全容はわかっていないほどです。

復興までどれほど長い道のりになるか想像もつきません。10年では収まらないことでしょう。

大震災による直接的被害のみならず、その直後から始まった福島第1原発の原子力事故は、茨城県、福島県の農畜産物全体を風評被害によって事実上出荷不可能な状態に追い込んでしまいました。

春の種まき、田植えすらこの4月中旬に至るまで決定することが出来ませんでした。それは地表に降り注いだかもしれない放射性物質が、どこにどれだけ降ったのか、そして今後も降り続けるのかの予測が県にも、市にも、そして私たち農業者にもつかなかったからです。

そしてあろうことか、自称「低レベル放射性汚染水」(私はこの数値が発表されない限り「低レベル」という政府・東電発表を信頼していませんが)の大量放出により茨城県海域は「放射能汚染の海」というレッテルを貼られ、水産物は未だ漁にも出られない状態が続いています。

こうしてわが県は、「茨城県産」というだけで農産物、畜産物、水産物のほぼすべてが出荷不可能に近い状態に追い込まれてしまったのです。

これは復興の槌を持つ手を縛り、被災地に二度目の大震災を与えたのでした。

「県難」という言葉があればまさに今がその時でしょう。この重苦しく垂れ込める雲を払うようにわが村からも農業者が東北地方の被災地支援にたちあがりました。

自らも打撃を受けながらも、更に困難な地域を支援するのです。被災者がより苦しんでいる被災者を助けに数百㌔を走って駆けつけたのです。

被災地に向けて自らの農場産の食料を積み、焚き出しをしてきました。今日はこの被災地による被災地支援の主宰者である下河辺昭二氏の寄稿を頂戴しましたので2回にわけて掲載いたします。

Photo_2                      (撮影 下河辺氏 田老村)

岩手県野田村に炊き出しのお手伝いに行って来た。

そこには同じ取引先に生産物を供給している産地、メーカーの人たちが被災されている。

4月4日午後

茨城を出発、先発隊を含めて計7人、3台の車に分乗し東北道を北上、茨城から岩手まで道路におうとつがあり、改めて今回の地震の大きさを実感する。

1000頃に宿に着いた。岩手の山荘にはたくさんの雪が残っていて現場に着く前から厳しい状況での被災を想像しながら就寝。

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野田村入り避難所生活者約100人、街を見て言葉を失う堤防は破壊され街の中に漁船が何艘も打ち上げられている。家屋の大半は瓦礫化していた。所々に家が傾いた状態で存在している。

かろうじて家は立っているが一階部分には津波で破壊された車などが入り込んでいて想像を絶する風景に言葉を失う。

到着後すぐに炊き出しの準備、丼物と汁物、各400食、自分達が寝ている間に岩手の関係者が早朝より準備をしてくれた。

汁物は地鶏のガラを煮込んで出汁を取って本格的に作られていた。いつもイベントなどでは試食と言う合言葉でスタッフの腹を満たすが、今回は本職の仕込みと言うこともあり出来なかった。と言うより行わなかった。

少々残念だが持ち込んだ食材は限られている被災者を最優先にと誰もが思っていたからだ。約1時間で大きな寸胴の底が見えた。

野田村の皆さんに「美味しいよ、ありがとう、頑張ってね」逆に励まされた。

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宮古市重茂漁港に向かった。途中 田老町地区を通り抜けた。国道を挟んで町並みがあったはずなのにあるのは瓦礫の山だった。町民は一人もいない。

いるのは自衛隊だけ、町民全員が避難所暮らしをしていると思われる。

宮古市重茂漁港に到着、ここでは約100人が避難所で暮らしている。46日現在、20人が行方不明。この人たちは高台で津波を監視していた消防団員だ。

重茂漁港では行方不明者捜索の為、炊き出しの受け入れが出来ないと連絡を受け、準備済みの食材を渡し避難所へ配ってもらう事とした。

(次回に続く)

首都圏放射線量マップ
http://www.j-cast.com/2011/03/18090608.html

多くの地域の放射量をみることができる便利なサイトです。政府は原発事故以来一貫して「安全です」と言ってきました。それがいかにいいかげんなでまかせであったのかがわかりました。政府は信用でいません。

私たちは自分で自分の家族を守るしかないのです。毎日自分の済む地域の放射線量をウォッチしましょう!

がんばれ、東北!

茨城からも応援するぞ!

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2011年4月15日 (金)

土壌や水に降った放射性物質をどう除去するのか?

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本日は鹿児島県のS様から頂戴した、活性炭を使った放射性物質の除去の方法をご紹介します。

今後、福島県や茨城県などにおいては土壌や飲料水に入った放射性物質の除去を真剣に考えねばならないことになりました。

活性炭のような多孔質の素材は確実にかなりの放射性物質の除去効果があると思われます。活性炭は身近で簡単に手に入り、Sさんのご紹介のような2ℓのペットボトルで家庭でも簡単に作れるのがミソです。 

私たち農業者にとって、畑や水田に降ったと思われる放射性物質をどうやって除去するのかが今後の大きなテーマとなってきています。

低レベルならばそのまま地表5㎝以下の汚染されていない土壌と混合することで希釈することが可能だと言われています。

では高レベルならどうするのかです。一般的には客土することが指導されています。

今まで長い時間と手間をかけて作ってきた土壌を剥ぐという行為自体が、農家にとって自分の人生の否定のようなものです。耐えがたい苦痛となります。

それをどうにか「ならぬ堪忍、するが堪忍」と飲み込んだとして、表土を地表5㎝からはぎ取るとしましょう。問題はそれからです。

現実問題として、どこにこんな大量の放射性物質を帯びた土壌を引き受けてくれる奇特な地域があるでしょうか。

たぶん、ありません。結局、自分の畑の一角に大きな穴でも掘って、水系を汚染しないようななんらかの遮蔽物を置いてそこに捨てるしかなくなります。口蹄疫の埋却処分をもっと大がかりにしたものだと思えばいいと思います。

他に手はないのだろうかと思っていたところ、新潟大学の野中先生の堆肥やゼオライトを使った除去方法があることがわかりました。

ゼオライトは多孔質の資材でよく堆肥作りに用いられます。多孔質の穴ひとつひとつがいわば微生物の住処となって地中の菌相を豊かにしていきます。

堆肥も同様の原理で、堆肥中のバークなどの木質やゼオライトなど多孔質の微生物の絶好の住処となります。

これら、ゼオライト、活性炭、バークなどの多孔質の資材はいずれも優れた放射性物質の吸収資材となりうると思います。

これらを地表表面に大量に散布し、あまり5㎝以下の清浄な土壌とかき混ぜないようにしながら投入し、撹拌することもひとつの放射性物質除去の手段ではないかと思われます。

もうひとつはクリーニング・プランツ(清浄化植物)です。チェリノブイリではスラブ地方で大量に栽培されているヒマワリなどが使用されたと聞いた事があります。

クリーニング・プランツとなる条件としては、丈が高くなり、一定の大きな面積を面で植えることができ、栽培が簡単な事も重要な条件です。栽培過程で手間がかかってしまうと手を入れる時に、作業者が二次汚染をしてしまいます。大型の植物のほうが吸収率は高いでしょう。

関東で、その条件で思いつくのはソルゴーか、菜種、ヒマワリといったところでしょうか。他にも牧草類などに適したものが沢山あると思います。

ただし、通常の汚染物質と違って放射性物質は二次汚染をする可能性かあるので、よほど収穫には注意する必要があります。農家としてはどうしても搾油のひとつもしたいところですがあきらめたほうが無難です。

客土を拒否した場合、これら多孔質資材の投入やクリーニング・プランツの活用などで、放射性レベルを少しずつ下げていくしかないのかもしれません。

いずれにせよ、このようなことを農業者に強いる原子力事故に対していいようのない怒りをおぼえるのは私だけではないでしょう。

 ■写真 またまた椿です。椿は中毒症状があるのでしょうか。今度は満開の桜を背景に撮ってみました。

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

以下、Sさんのメールから転載いたします。

はじめましてよろしく。

水道水の放射能除去についてメール差し上げます。

活性炭は水の中の放射能を除去するという知見があると厚生省はいっています。

福島原発に近いところでは長い間放射能が入っているかもしれない水を飲まざるをえません。

うちには活性炭があるのですが手作りで除去装置ができるのではないかとかんがえて
います。

方法は

2LのPET容器のキャップに5ミリぐらいのあなをあけます。

容器の底は切り取ります。

炭が漏れないようにキャップ内側に布を少しおきます。

容器に活性炭を1L入れ、上から1L水を入れ、ろ過します。


実際には鹿児島では除去のテストはできません。

また放射能の計測ができません。

この方法が有効であることが分かれば活性炭(1キロ1500円ぐらい)だけあれば
だれでも除去装置をもつことができます。

濱田さんの周りでこのテストと計測を試みる人がいないでしょうか?

活性炭はさしあげます。

計測についてはルートを探さないといけませんが生活クラブが計測室を持っていま
す、また県の機関が計測してくれるとよいがとおもいます。

首都圏放射線量マップ
http://www.j-cast.com/2011/03/18090608.html

多くの地域の放射量をみることができる便利なサイトです。

がんばれ,東北!

がんばれ、農家!

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2011年4月14日 (木)

放射性物質の土壌検査ルールをさっさと決めろ!  地震速報付き(涙)

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村の友人と昨夜電話をしたのですが、この大震災以降なんかいいことあったかい、と聞いてみました。

「ありありだよ。米と野菜を届けている消費者から数えきれないくらいの励ましをもらったよ。その都度ふしぎなくらいに涙が出るんだよな」。

私も昨日また大きな励ましの手で肩を叩かれました。いまや当地では貴重品となっているヨーグルトに牛乳などの品々と、その方のお人柄を忍ばせる温かさがぎっしりと詰まったお手紙まで添えてありました。

もう声もありません。夫婦で北の方角を向いて頭を下げました。
このような時に頂く励ましは、常日頃の百倍も心の隅々まで染み渡るものです。生涯わすれることはないでしょう。ほんとうに、ほんとうにありがとうございました。

さて、もう少しその米作りの友人との会話に戻ることにします。彼は隣町に住んでいるのですが、その街だけで田んぼ約80町歩が使用不能だそうです。

私の村でも同じ程度の被害を出しており、土地改良区ごと作付け不可能という決定をする地域も出始めています。パイプラインも地中で寸断されており、もはや新たに敷設するしかないようです。

ポンプアップしているため池にもかなりのひびが見つかったりしているようです。

修繕するにも、工事業者も他の復興工事で出払っているうえに、先立つものがありません。友人は冗談ぽく、「今度大震災が来るなら、年度末はやめてほしいなぁ」などと言っていました(苦笑)。

行政がらみの新たな復興予算や補償などは、村の農水課に問い合わせてもまったく見通しが立たない状況だそうです。

私たちの村などまだましなほうで、海岸に近い稲敷郡の被害はすさまじいそうです。液状化現象で、多くの田んぼに砂や泥が出ており、もう手が着けられないません。

そんなこんなで、わが県の今わかっている範囲での作付け不能水田は360町歩に登るようです。ただし、こんな数字では収まらないと思います。おそらくは500町歩を超えることでしょう。

ところで、私が放射性セシウムの土壌検査のことを聞くと、その米作り農家の彼によれば、未だわが地域には本格調査は入っていないとの話でした。

これまた村の農水課に聞いても、とんと埒があきません。まぁ考えてみれば当然で、何をどのようにして調べるのかまったく国から県に方針が降りていないのです。

そうですね、たとえば国は出荷自粛(といっても実際はガチガチに強制ですがね)の地域範囲を県単位から地方自治体単位にまで縮めました。

本来は家畜伝染病予防法(家伝法)のように、検出された農場から半径5㌔までを出荷自粛とするべきでした。そしてそれ以内の範囲をサーベイランスすればいいのです。いきなり1県丸ごと出荷自粛なんて正気の沙汰ではありません。

と書いていたところで、おっと地震だ。午前6時42分。震度3だそうです。なんか地震実況中継付きですなぁ。もはや震度3ていどでは驚かない茨城県人の私。これを喜ぶべきか、嘆くべきか(笑)。

そして放射性物質の検査の単位がよくわかりません。たとえばそうですね、ひとつの畑にキャベツがあってホウレンソウが植わっていたとしましょう。ホウレンソウは出荷自粛になりましたと、しかし同じ畑で隣合わせのキャベツはいいわけです。おいおいじゃないですか。

放射性物質うんぬんで言うのならその畑丸ごとダメでしょう。条件はまったく同一なんですから。これは食品衛生法を根拠とする厚労省的な品目主義が根っこにあるからです。

農業では基本的に畑(ほ場)主義が用いられます。有機JAS認証もそうですが、一枚一枚のほ場に番号をふってそこからトレサビリティ(生産履歴)を始めます。

ところが、今回の暫定基準値による出荷自粛は厚労省がイニシャチブを握ったために、無理やり品目主義的な仕切りをしてしまいました。これが無用の混乱の始まりでした。

政府は計画的避難区域(←この名をきくだけで腹がたつ)の川俣町では、米の作付けに待ったをかけています。福島県は農民に「土壌は作付けできる基準にあるが、国の発表があるまでできない」という苦しい説明をしているようです。(日本農業新聞4月14日)

ちなみに、水田土壌の放射性物質の基準値は下の図です。川俣町では1㌔乾土あたりで2573ベクレル/㎏でした。これはほぼ政府基準の半分です。

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政府は今頃になって川俣町や飯館村を計画的(なにが計画的だつうの)避難区域に指定したために、避難のスケジュールが水稲の成長段階と重なってしまうことを恐れているのでしょう。

ならばもっと早い段階でこれらの自治体を避難対象にすべきであって、5月中旬に控えた田植えに向けての種籾の芽出し作業を始める4月中旬まで引っ張るべきではありませんでした。

昨日にも書きましたが、政府は既に1カ月前にこれらの福島原発の30㎞避難範囲の北西の市町村に放射性物質が降ったことを知っていたはずだからです。

政府が今回の大震災復興と原発事故処理で度々みせる極度の判断の遅さと情報隠匿体質が、かえって問題をこじらせたのです。

これからするという水田や畑の放射性物質の土壌検査も、暫定基準値のルールである市の中で一カ所でも検出された瞬間、ひとつの市が丸ごとアウトなのでしょうか。そうならば薄氷の思いで米作り農家は検査結果をまたねばならなくなります。

私は農政的常識として、仮に検出されても作付け自粛や出荷自粛はその田畑のみに限定すべきだと思っています。

とまれ、政府はいっかな放射性物質検査のルールを出してきません。時間が経てばたつほど風評被害は大きくなります。農家も早く検査をしてもらってすっきりしたいのです。これでは対策の立てようがありません。

農水省はさっさと仕事をしてほしいものです。決まらなければもう見切り発車しますよ、というのが被災地農民の声です。

あ、そうそう。その米農家の友人の話では減反は今年もやるそうです!わ、はは!もう笑うきゃない!

ついでもTPPも検討再開だそうです!(ソース 日本農業新聞4月14日)今、TPPをしたら大震災で大打撃を食らった日本農業はご臨終です。分かりきった話でしょう。菅首相の脳味噌は大丈夫ですか?脳味噌が炉心融解おこしているんじゃないのでしょうか。

いやすごいよ、こんな千年に一度の非常時でも、福島では避難区域の牛が餓死している時に、宮城県では想像を絶する規模の津波による冠水があったというのに、福島や茨城の農民は日々放射能に怯えていると言う時に、淡々と今年も減反をやるっていう官僚の感覚がすごい。

農水のお役人様。今は農業復興の時じゃありませんか。たぶん東北、北関東で積算すれば1県まるごとていどの規模が作付け不可能になるんですよ。なにが、減反ですか。増産の間違いじゃありませんか。

最期にコメントの茨城の中国人研修生が虐待されているという話ですが、ほんとうにご覧になったのでしょうか。

中国人研修生は不法入国者ならいざしらずごく普通の外国人労働者にすぎませんよ。県最低賃金は補償されており(それは彼らの故郷で家が建つくらいの高給ですが)、日本人農業労働者にすらない場合がある社会保障も用意されています。

住居にしてもごく普通のアパートです。そうでないと農家側に受け入れる資格がないからです。入管の監視はパンパではないですよ。

外国人労働者の是非とは別に、中国人研修生はひと頃のジャパユキさんとはまったく違った外国人労働者なのです。混同されていますね。

と書いたところでまた地震。今度は大きい!7時36分。これでまた液状化やパイプラインの修復が遅れますね。

     ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

【首都圏放射線量マップ】(4月13日13時)

http://www.j-cast.com/2011/03/18090608.html

がんばろう、福島!

がんばろう、宮城!

がんばろう、岩手!

がんばろう、青森!

がんばろう、山形!

がんばろう、千葉!

がんばるぞ、茨城!

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2011年4月13日 (水)

既に「計画的避難区域」が危険だと1カ月前に知っていた政府の不作為

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毎日焼けたフライパンの上のポップコーン状態の茨城からの発信です。

まぁよく来ますね。よー飽きもせず、グラグラと。そのしつこさには感心しきり。そのひとつひとつが震度5、ときには6ですから、ああ毎日二日酔いのような気分。

ま、実際村の連中に聞いても「酔いつぶれて朝まで意識なしが一番」なんて言ってますがね。先日の夜の震度5も知らずにグワーと寝ていた猛者もいたりして(←私だったりして)。

さて、わが政府はどうしてやることなすことこう愚かなのでしょうか。初めは馴れていないしねぇ、こういうときは政府に協力しようなどという優しい気分だった私たち被災地の人間も、いいかげんうんざりします。

何にうんざりかと言えば、なにをやっても後手後手。おまけにひどい情報隠匿体質。

原子力事故で一番やってはいけないのは、情報隠匿だというのは柏崎刈羽原発事故や、もんじゅの事故での教訓じゃなかったのですか。東電がなにも学んでいなかったのは驚きませんが、政府までもとなると頭を抱えたくなります。

そして、初動で処理するのも危機管理のイロハのイです。初動でやらずもがなの「陣頭指揮」(←シロウトが行って何を陣頭指揮するんだか)に行ってしまい、帰京するやドッカーン。

米国にすら事故情報を正確に伝達せずに、技術支援もこじれにこじれてから頼むという見通しの甘さ。

しかもその理由が、「事故を小さく見せたい」、「国民の批判を浴びたくない」、「政権がもたない」という何とも言いようがないくだらん理由なのだから、開いた口がふさがりません。

はっきり言います。福島第1原発事故は天災などではありません。人災です。

政府も東電も天災にしたくてたまらないようです。今や10兆円とも言われる被災補償金を原子力賠償法を適用して、一般会計で処理してしまいたいようです。

一般会計ですって?なんのことはない、われわれ被災者の税金まで使って補償をするということです。たぶん消費税増税でもするんでしょうね。国民は踏んだり蹴ったりです。

冗談ではない。あんなド素人同然の対応をして、情報を隠匿したあげくは原子力安全委員会は3月の下旬の時点でレベル7だと知っていたというじゃないですか。知っていたが、レベル判定は保安院の管轄だからと言い逃れをする。(ソース 毎日新聞4月13日)

一時が万事です。気象庁は国会で河野太郎議員が追求するまで、事故以来測定し続けてきた放射線分布図を隠していました。

原子力安全委員会は、大枚の金を使ってスパコンでシミュレートしてきた放射線拡散分布図を隠匿してきました。

東電の広報担当官である枝野氏は「ただちに健康に影響はない」としか言わない。

あげく、1カ月もたってから、飯館村も「計画的避難区域」にします。「もう同心円はやめました」ですと。

政府の対応を時系列でみてましょう。(資料2参照)

3月11日    ・・・・3キロの避難区域を設定
その日の夜   ・・・10キロに拡大

3月12日    ・・・20キロ翌日に更に拡大
3月15日    ・・・20キロから30キロに屋内退避指示
3月25日    ・・・同地域に自主避難を勧告
4月11日    ・・・計画的避難区域を設定

なんですか。これは?被災者を翻弄するのもいいかげんにしろ!
IAEAなど初めから80キロ圏を避難区域とするように提言してきたはずです。それをともかく「事故を小さく見せたい」の一心で、政府として取るべき避難指示をネグレクトしたのです。
おまけに、この猫の目のように変わる避難指示は、避難地域の地方自治体には何も知らせず、記者会見で発表するという杜撰さです。
これでどうして速やかな避難が出来ますか?事前に当該自治体としっかりと避難計画を練って、警察、自衛隊、消防などと連携して避難をするのが常識ではないですか。
それを一切やらず、いきなりテレビ発表です。正気を疑います。ですから、屋内退避した住民へ食料も行き渡らず、着の身着のまま避難した住民は通帳も現金すらもっていない人も大勢出ました。
彼らが一時帰宅を要求するのはあたりまえすぎるほど当たり前です。政府が事前に自治体と協議していれば、こんな杜撰極まる避難方法はとらなかったでしょう。(資料3 参照)
そして今回の11日の計画的避難区域です。何が「計画的」だつうの。政府は既に3月12日、すなわち事故直後から放射線分布が福島第1原発から同心円状に飛散していないことを知っていました。
この証拠が、原子力安全委員会の管轄するSPEED1(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)です。(資料4 参照)
この分布図にははっきりと、当時の風向きや地形によって100㍉シーベルトの放射線が、飯館村、川俣市の一部、南相馬市の一部などまで降ったことが記載されています。
原子力安全委員会は内閣府直属の機関ですよ。首相や官房長官、経産大臣は当然知り得ていたはずです。こんな重要な住民の健康に直結する情報をなぜ隠匿していたのですか!
それを文科省の土壌の放射線測定(資料5参照)などが出るに及んで隠し通せなくなって、なんと1カ月もたってから渋々と今どきになって、なにが「同心円ではない」だの、「計画的避難区域」だ。
ちなみに、飯館村のセシウムの土壌数値は以下です。最大で117万ベクレルです。初めは桁を読み違えたのかと思いました。

・飯館村 陸土 土壌  3月19日11時40分  300,000Bq/kg
・     同上      3月20日12時40分 1,170,000  
・川俣町 陸度 土壌  3月20日12時4分   151,000

この文科省の調査は3月19日から20日です。この数値は当然、直ちに政府中枢に伝えられていたはずです。にもかかわらず、更にそこから20日間もたって、「計画的避難区域に設定」だそうです。

ここまで住民の安全を無視しつづけてきたとなると、これは単なる無能では片づけられことではなくなりました。もはや政府による意図的不作為です。

すでにこの政府には解決能力は失われています。政権交代などする暇は今はないでしょうから、ともかく首相を降板させるべきです。このまま行くと、国民の生命が危ない。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

              NHKニュース夜7時 4月12日012_edited1

Photo_2            (飯館村放射線数値 出典 気象庁HP)

 

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

資料1 原子力損害賠償法

 原子力事故時の損害賠償の枠組みを定めており、電力会社は国が支払う賠償措置額の一定割合を「補償料」として国に納める。補償料率は損失の発生見込みなどを基に算定し、09年の改正では、民間保険で保険料率が低下傾向にあることを反映して料率を引き下げた。事故で賠償が必要になる可能性は極めて低いとの見方から、補償料は国の一般会計に入れられて使われている。

■資料2 政府の対応(時系列)

日 付内 容発表など
3月11日午後 福島原発3キロ内の地域に避難・避難指示。3~10キロの地域に屋内退避指示 官房長官記者発表
3月12日午後 避難指示を10キロ圏内に拡大 官房長官記者発表
避難指示を20キロ圏内に拡大 官房長官記者発表
3月14日 原子力安全・保安院が、20キロ以内の住民へ屋内退避呼び掛け 東奥日報
3月15日 20~30キロ圏内に屋内退避指示 官房長官記者発表
3月25日 20~30キロ圏内について、地元市町村に住民の自主避難の促進をお願い 官房長官記者発表
3月28日 20キロ圏内の立ち入り規制の継続(一時帰宅の自粛を呼びかけ) 官房長官記者発表
4月11日 20キロ圏外に計画的避難区域。1か月メド退避促す 産経新聞「枝野長

資料3 「国に裏切られた」 計画避難に住民ら怒り
(産経新聞4月13日)

「何で今さら」。福島第1原発事故で11日、政府が新たに「計画的避難区域」の対象にすると発表した福島県の飯舘村や葛尾村、浪江町の全域と川俣町と南相馬市の一部。住民らはこれまで高い放射線量の中で不安な生活を続けていた。


 避難の指示もなく「安全」と言い続けた政府が、事故から1カ月もたって出した、あいまいな指示。「国に裏切られた気分だ」。怒りと悲痛な声が上がった。

 1カ月をめどに避難するように求める計画的避難区域に指定された飯舘村。11日午後、村役場で開かれた説明会では住民から強い訴えが飛んだ。「補償はどうなるのか」「いつ戻ってこられるのか」

 経営者の一人は「地域に密着してやってきた。退去すれば信頼を失い、廃業になってしまう。逃げることはできない」と涙を浮かべた。自治会長の細山利文さん(62)は「自主避難とは違い、長期的になる可能性が高い。何百頭も牛を飼っている人もいる。生活の基盤をどうするのか、住民には村からちゃんと説明してほしい」と訴えた。

 菅野典雄村長は「大変残念な状況だ。国などと交渉し、できるだけ村に基盤を残していけるように努力したい」と説明した。

 妻と2人でプラスチック製品の製造業をしている坂本徳さん(60)は「これから工場を見つけて再開したとしても何千万円もかかる。避難するつもりはない」ときっぱり。一方、自動車関係製造業の庄司正良さん(68)は「風評被害で取引先から『大丈夫か』といわれていた。(放射線量の)数値が高くなっているのを見て、避難した方がいいのか考えていたところだった」と頭を抱えた。

 村内で働く女性(52)は「『大丈夫、大丈夫』と言いながら結局避難させるのか。これだけの地域が避難対象になったら、福島県はなくなってしまうのではないか」と政府の対応への不満を口にした。

 「計画的避難区域」と、屋内退避や自主的避難を求める「緊急時避難準備区域」の両方に一部が指定された福島県南相馬市は「情報を収集しているところ」と対応に追われた。

 南相馬市で避難生活を送る男性(60)は疲れた様子で、「計画避難とか緊急避難とかいわれても内容がよく分からない。避難所生活にも慣れてきたのに、またドタバタするのは勘弁してほしい」と話した。

■資料4 SPEED1(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の測定した放射性物質分布図

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■資料5 土壌文科省 福島県ダストサンプリング測定結果http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/25/1304007_2510.pdf

枝野氏、避難区域見直し「同心円ではない」
(産経新聞4月11日)

枝野幸男官房長官は11日午前の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所から20キロ圏内に出している避難指示区域の対応について、「同心円的な対応ではなく、放射線量は風向きや地形で影響されるので、累積した放射線量の観点から安全確保の措置が必要だ。地元と相談しながら進めている」と述べ、20キロ圏外の地域でもモニタリング結果などから地域ごとに指示を出す検討を進めていることを明らかにした。

一方、屋内退避としている20~30キロ圏に関しては「常時、屋内退避の必要性はないが、大量の放射線物質が出る場合に備えて詰めをしている」と、一部地域については屋内退避を解除する可能性を示唆した。

 避難指示を指定している半径20キロ圏の警戒区域指定については「最終的には決まっていない」と述べるにとどめた。

 原発の状況については「事態が悪化して大量の放射性物質(放射能)が新たに出る可能性は相当低くなった」と述べた。

東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故・トラブルに対するINES(国際原子力・放射線事象評価尺度)の適用についてhttp://www.meti.go.jp.cache.yimg.jp/press/2011/04/20110412001/20110412001.html

福島第1原発:事故賠償補償料足りず 差額、国民負担に
(毎日新聞 4月13日)

 原発事故の損害賠償制度を定めた原子力損害賠償法(原賠法)に基づき、電力会社が毎年国に納めた補償料が、1962年の制度開始から2010年度まで累計で約150億円しかないことが12日、分かった。東京電力福島第1原発事故で、国は最低でも1200億円を支払う必要があるが、これまで受け取った補償料では足りず、不足分は国民負担で賄うしかない。現行制度では大規模事故への備えが十分ではないため、政府は賠償措置額の増額や補償料率の引き上げなど制度を見直す方向で検討する。

 原賠法では、原子力施設ごとに、事故時に国が支払う上限額が「賠償措置額」として決められている。同法が初めて適用された99年の東海村臨界事故では、約154億円の賠償金のうち、核燃料加工会社の賠償措置額10億円が国から支払われた。発電所の賠償措置額は1カ所当たり1200億円で、今回の事故で福島第1原発と同第2原発が賠償の対象になれば、国の負担は最大2400億円に膨らむ。

 原発の賠償措置額は当初は50億円だったが、法改正で段階的に引き上げられ、09年の改正(10年1月施行)では、東海村事故を受けて600億円から1200億円に倍増した。ただ、措置額を引き上げると、保険料に相当する電力会社の補償料負担も重くなるため、09年改正では補償料率を「賠償措置額の1万分の5」から「1万分の3」に引き下げ、電力会社の負担を2割増に抑えた。

 福島第1・第2、柏崎刈羽の3発電所を運転する東電の納付額は現在、年間1億数千万円、他の電力会社からの分も含めると、年間の補償料総額は8億~9億円とみられる。補償料は別会計で積み立てられる保険のような仕組みではなく、政府の一般会計に入れられているため、支払いも一般会計から出すことになる。

 これまで補償料率は「今回のような大規模の原発災害を想定せずに設定していた」(文部科学省幹部)。今回の事故で「原発のリスクに比べ、電力会社の負担が低すぎる」との意見が強まっており、賠償措置額や補償料率など、制度の抜本的見直しは不可避だ。ただし、電力会社の負担増は電気料金に跳ね返るため、政府は消費者の負担との兼ね合いもにらみながら議論を進める。【永井大介】

●茨城県放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

*単位はナノグレイ/時です。マイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
たとえば東海村石神254とあれば、0.254マイクロシーベルトとなります。
*「カーム」とあるのは、風向きが静穏のことです。

蛇足 本日の大爆笑ニュース

なんとまぁ、時もあろうに!

東京電力 地球環境大賞を受賞!
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110225/trd11022505010002-n2.htm

がんばろう、東北!

 がんばるぞ、茨城
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2011年4月12日 (火)

俺たち百姓は神社の桜の老木のように動けないんです  だから苦しい時こそ笑うんです

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昨夜ものすごい地震が来ましたね。当地は震度6弱。余震なんて可愛いものではなくリッパな地震です。

ああ、こわーというのが実感です。さすが部屋の額や花瓶、ガラス類などヤバそうなものはみんなしまってありますし、すべての家具やテレビも針金がグルグル巻きにしてありますので、11日の時のようにガラガラガッチャーン!ドッピンシャン!はありませんでした。

村のコンビニも、まぁ馴れたもので(←馴れたくはないね)、瓶類は未だ床の上にボックスに入れて置いてあります。11日の日はどの店でも砕け散ったガラスが散乱してそれはすさまじかったですから。

さて、3月11日には実は3つの地震が立て続けに起きていました。まず第1波は東日本大震災の象徴的時間となった2時46分の宮城沖で起きたM9.0巨大地震です。

次いで29分後の3時15分に茨城沖でM7.7の第2波が起き、そしてわずか10分後の3時25分にM7.5の第3波が福島沖で発生しました。

M7超クラスの大地震が立て続けに39分の内に起きたわけです。阪神・淡路大震災がM7.3ですから阪神・淡路大震災クラスが立て続けに3回ほぼ同時に北関東、東北を襲ったことになります。

このような巨大地震群が、地殻に与えた影響は大変に大きいようで、東日本大震災によって東西方向に地殻が強く引っ張られているそうで、とうぶん不安定な状況が続くようです。

わが村も2つの小学校が土台から浮き上がって廃校。崩落した鹿行大橋は当分手つかずの状態、大型スーパーは天井が崩落して未だ再開のめどがたたず、JAのガソリンスタンドは地下タンクが浮き上がって閉店に追い込まれそうな模様です。

農業は風評被害でメタメタ、牛乳はようやく出荷制限が解けました。ほんとうにめでたいことです。失われた丸々1カ月間を取り返せるかですが、その間の飼料代などの運転資金の手当てなどで頭痛いことです。

春の作付けが始まりました。もうやるきゃないってとこですかね。この水温む季節に種蒔きと米作りやらなかったら百姓じゃないてなもんですよ。

一斉に村中の畑や田んぼでトラクターがガタゴトと動きは始めました。私なんぞセシウムが降ってたら知らんぞォなどと消極派だったのですが、まぁ赤信号皆んなで渡れば怖くないってところでしょうか。

とりあえず今は放射性物質の空中放出は低下していますから、お願い、もう一回水素爆発なんてやらんでくれよと祈るような気持ちです。今度いったら下手すりゃプルトニウム様の出番ですから、これはシャレにならない。

そういえば原子力保安院は今回の原子力事故をレベル7とするそうです。往生際が悪かったですが、そこまでの大事故にしてしまった不始末の責任はどこかてとってもらいましょう。 こんな状態で毎日グラグラする地盤の上に乗って、放射能が降ってきたらしょうがないじゃんかと明るく居直って暮らしています。だって泣いてもしかたないじゃないですか。笑って暮らすしか方法がないじゃないですか。

百姓は神社の桜の老木のようにこの地から動けないんです。だから苦しい時こそ笑うんだ、です。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

事故評価 最悪のレベル7へ
(NHKニュース 4月12日)

東京電力の福島第一原子力発電所で相次いで起きている事故について、経済産業省の原子力安全・保安院は、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めました。「レベル7」は、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

原子力施設で起きた事故は、原子力安全・保安院が、国際的な評価基準のINES=国際原子力事象評価尺度に基づいて、その深刻さを、レベル0から7までの8段階で評価することになっています。原子力安全・保安院は、福島第一原発で相次いで起きている事故について、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、INESに基づく評価を、最悪のレベル7に引き上げることを決めました。

原子力安全・保安院は、福島第一原発の1号機から3号機について、先月18日、32年前にアメリカで起きたスリーマイル島原発での事故と同じレベル5になると暫定的に評価していました。レベル7は、25年前の1986年に旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。レベルが引き上げられる背景には、福島第一原発でこれまでに放出された放射性物質の量が、レベル7の基準に至ったためとみられますが、放射性のヨウ素131を、数十から数百京(けい)ベクレル放出したというチェルノブイリ原発事故に比べ、福島第一原発の放出量は少ないとされています。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

●茨城県放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

*単位はナノグレイ/時です。マイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
たとえば東海村石神254とあれば、0.254マイクロシーベルトとなります。
*「カーム」とあるのは、風向きが静穏のことです。

がんばろう、東北!

 忘れないでね、茨城

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2011年4月11日 (月)

まだ大震災は終わっていない

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3月11日午後2時46分。この時刻を日本人は決して忘れることはないでしょう。

亡くなられた13013名の人々、未だ行方が分からない14608名の人々に、本日午後2時46分、合掌しようと思います。

そして負傷された4684名の方々が一日も早く退院されることをお祈りします。

今も津波で流された荒野となった街の残骸の中を子供の姿を探して歩き回る父親、母親の姿があります。

社屋や製品、機械を一切津波で失っても、ひとりの解雇者も出さず復興を誓う会社があります。社長はこのような時期に入社する社員に「君たちは希望の種だ」と呼びかけました。

行方不明者の最期のひとりが家族のもとに帰る日まで、希望の種が花を着けるまで、その日がいつになるのかまったく判りませんが、この大震災は終わっていないのです。

長い戦いとなります。ゴール遥かに先です。覚悟して戦い抜きましょう。

がんばろう福島!

がんばろう、宮城!

がんばろう、岩手!

がんばろう、青森!

がんばろう、千葉!

そしてがんばるぞ、茨城!

負けないぞ、日本!

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2011年4月10日 (日)

水稲のセシウム土壌基準値が決まる  政府は情報を隠蔽するな!

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政府が水田の土壌のセシウムの基準値を決めました。5000ベクレル/㎏です。これを超えると作付け禁止となります。

気象庁も隠匿し続けていた各地の放射線モニタリングデータを出し始めました。

原発の爆発事故で、気象庁は放射性物質の拡散予測を連日行っていたにもかかわらず公開していませんでしたが、国会で野党の追求に会い、今頃になって拡散予測を初めてHP上で公開し始めました。(下図・クリックするとアニメーションを開始します)
http://atmc.jp/jma/

110406 また気象庁は今までこのようなことを調査していたようです。

全国: 全国の放射能 | 全国の水道の放射能 | 全国の雨の放射能 
水道情報: 東京 | 埼玉 | 神奈川 | 千葉 | 茨城 
福島原子炉: 燃料棒露出度 | 水位 | 温度 | 放射線量 | 収納容器圧力 | 原子炉圧力 | 原子炉復旧状況図
福島海水: 海水(表層) | 海水(下層) | 海上の空間 | 放射線量 
福島: 福島20km-30km圏 | 福島原発の放射濃度 | 福島原発の溜まり水 | 福島原発プルトニウム
拡散予測: 日本気象庁 | ドイツ気象局 | オーストリア気象局 | イギリス気象局 | ノルウェー気象局 | 台湾気象局 
その他:

茨城原発周辺 | 宮城県全域 

今までこんな大事なことを知らせず、風評被害を放置してきた政府の責任は非常に重いと思います。大きな怒りを感じます。このような時にデータを秘匿することなど到底ゆるせることではありません。

これは気象庁独自調査ではかならずしもなくSPEED1(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)とリンクしたものです。

ちなみにこのSPEED1は、スパコンを使ってわずか20分後に福島第1原発からの放射性物質の拡散をシミュレーションする能力を持ちながら、これもまた隠匿されていました。

わが国はいつからこんな情報隠匿体質の国になったのですか!今もっとも国民が欲している情報を隠匿することは、国家の国民への背信行為です。

ところで、この気象庁の拡散予測は、このようなことを調べています。放射性物質の
〈1〉地上への降下量
〈2〉大気中の濃度分布
〈3〉大気の流れに沿ってどう流されたかを示す流跡線だそうです。

福島第1原発からの放射性物質放出量などが不明なことから、同原発から1ベクレルの放射性ヨウ素131が放出されたと仮定して計算したとのことですが、とうぜんこの「仮定」の数値が正しいのかは知るよしもありません。

仮定が間違っていたり、あえて誤ったデータを入力してあったりすれば、結論はまったくちがったことになります。気象庁もこのようなことを言われたくなければ、さっさとデータを公開したらよかったのです。

仮定が正しいとして、気象庁の地上への降下量についてのシミュレ-ションによれば、4日午後3時から72時間で放出される計1ベクレルのヨウ素131は、風に乗ってこのような飛行パターンをしました。

まず、南西方向に拡散し、その結果、7日午前9時までに地上に降下した積算量は、東北南部から関東までは1平方メートル当たり10兆分の1ベクレル程度に薄まっていました。

沖縄本島付近~朝鮮半島南端では同1000兆分の1ベクレル、台湾ではさらに100分の1小さい値の同10京分の1ベクレルとなっているとのことです。

さて、政府・東電の、自称「低レベル汚染水」(実際は違うと思いますが)を無警告で海に流すという信じがたい愚行の結果、魚介類に汚染が進んでおり、漁業にも深刻な影響を与えています。

既に、福島県や茨城県の野菜や原乳などに放射性物質が検出されて、これまで基準値がなかった魚介類にも慌てて同様の暫定基準にすることを決りました。

毎度のこととはいえ、政府の泥縄ぶりに愕然とします。原発事故対応も泥縄と思いつき、放射性物質の飛散も情報を隠匿したあげくは、露顕して地元自治体から猛烈な抗議を受けると周章狼狽して泥縄的に基準値を作る・・・まったく政府の体をなしていません。

間違いなく慌てふためいて作ったものでしょうから、植物と動物を同じ基準値にしています(失笑)。

今回の水稲の土壌基準もおおかたそんなものです。とまれ基準値が決まったことで、さっそく福島や茨城では稲の作付けが始まるでしょう。

しかし同じ茨城県内の漁協のように、放射能検査を行い、新たに設けられ政府基準値をクリアしていると安全宣言を出したとたん、強烈な風評被害で銚子漁港から水揚げすら拒否されるというようなことにならねばいいのですが。

風評被害は仲買や消費者のせいではありません。全ての責任は放射能を土壌や海に流出させた政府と東電にあります。

政府はこれを風評被害一般として片づけ、市場や仲買人たちを「指導」するそうです。もうその鉄面皮ぶりに唖然とします。そもそも誰のせいでそうなったのでしょうか。「指導」を受けねばならないのは政府と東電です。

東電と一体となって国民を保護せず、放射性物質を土壌や海に流出させ、その情報すら隠匿し続けた政府のせいではないですか。

福島県と茨城県の水稲の作付けは大幅に減ると思われます。その分は減反分として見るとのありがたい農水省の仰せです。こんな千年に一度の非常時にも減反を忘れない農水省の根性に脱帽しました。

「国民の生活が第1」という政権党の選挙ポスターが、昨日の春一番でちぎれて空を舞っていました。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

農水省 稲の作付に関する考え方

平成23年4月8日
原子力災害対策本部

1 作付制限

(1) 福島第1原子力発電所の事故に伴う避難地域及び屋内退避地域に加え、水田土壌の放射性セシウム濃度の調査結果及び水田土壌中の放射性セシウムの米への移行の指標(別添)からみて、生産した米(玄米)が食品衛生法上の暫定規制値を超える可能性の高い地域については、米の作付制限を行うこととする。

(2) その具体的な地域については、今後、水田土壌の調査結果を踏まえて、国と関係自治体が協議して決定し、その段階で、原子力災害対策本部長から関係地方自治体に対し、稲の作付制限を行うよう指示する。

(3) なお、稲の作付制限を行う場合は、適切な補償が行われるよう万全を期すこととする。

2 その他

(1) 1以外の地域については、稲の作付を行って差し支えないが、放射性物質の放出が続いていること等から、収穫時に米(玄米)の分析を行い、食品衛生法上の暫定規制値を超える場合は、原子力災害対策本部長から関係地方自治体に対し、出荷制限を行うよう指示することとする。

(2) なお、出荷制限を行う場合は、適切な補償が行われるよう万全を期すこととする。

(別添)水田土壌中の放射性セシウムの米への移行の指標

1 使用データの選択

長期間にわたる国内の実態をよく反映しているデータとして、独立行政法人農業環境技術研究所が、1959年から2001年まで、全国17ヶ所の水田の土壌及び収穫された米の放射性セシウムを分析した結果(計564データポイント)を用いた。

2 データの解析

(1) 土壌の種類によって放射性セシウムの米への移行に差がないことを確認

(2) 玄米を日常的に摂食する者のことを考え、玄米中の放射性セシウムを土壌中のものと比較。各データポイントにおける玄米中及び土壌中の放射性セシウム量の比(移行係数)を算出。

(3) 算出した移行係数の分布をモデル化

(4) 消費者に安全な米を供給する観点から、同モデルを用いて、水田の土壌から玄米への放射性セシウムの移行の指標案を決定

(5) 指標案について、外部の専門家の意見を聴取

独立行政法人放射線医学総合研究所特別上席研究員  内田滋夫氏

学習院大学理学部化学科教授  村松康行氏

財団法人環境科学技術研究所 環境動態研究部長  久松俊一氏

独立行政法人農業環境技術研究所 理事長宮下清貴氏(他2名)

(6) (5)に示した外部の専門家が指標案に同意

3 水田の土壌から玄米への放射性セシウムの移行の指標

0.1

(指標を前提として、玄米中の放射性セシウム濃度が食品衛生法上の暫定規制値(500 Bq/kg)以下となる土壌中放射性セシウム濃度の上限値
5000 Bq/kg)

農水省セシウム基準値

(別添) 水田土壌中の放射性セシウムの米への移行の指標
区切り線

1.使用データの選択
長時間にわたる国内の実態をよく反映しているデータとして、独立行政法人農業環境技術研究所が、1959年から2001年まで、全国17ヶ所の水田の土壌及び収穫された米の放射性セシウムを分析した結果(計564データポイント)を用いた。

2.データの解析
(1) 土壌の種類によって放射性セシウムの米への移行に差がないことを確認
(2) 玄米を日常的に摂食する者のことを考え、玄米中の放射性セシウムを土壌中のものと比較。各データポイントにおける玄米中及び土壌中の放射性セシウム量の比(移行係数)を算出。
(3) 算出した移行係数の分布をモデル化
(4) 消費者に安全な米を供給する観点から、同モデルを用いて、水田の土壌から玄米への放射性セシウムの移行の指標案を決定
(5) 指標案について、外部の専門家の意見を聴取
独立行政法人放射線医学総合研究所 特別上席研究員 内田滋夫氏
学習院大学理学部化学科教授 村松康行氏
財団法人環境科学技術研究所 環境動態研究部長 久松俊一氏
独立行政法人農業環境技術研究所 理事長宮下清貴氏(他2名)
(6) (5)に示した外部の専門家が指標案に同意

3.水田の土壌から玄米への放射性セシウムの移行の指標
0.1
(指標を前提として、玄米中の放射性セシウム濃度が食品衛生法上の暫定規制値(500Bq/kg)以下となる土壌中放射性セシウム濃度の上限値:5,000Bq/kg)


4月中旬に水田の土壌調査結果示す 作物への「移行係数」も提示  農水省

東京電力の福島第一原発事故によって大気中に放出されている放射性物資の農地への影響について、農水省は関係する県に協力するかたちで水田を最優先に土壌調査を行い、田植え前の4月中旬にも検査結果などを示す方針を3月30日に明らかにした。

◆県域全体を評価

 調査するのは土壌中に累積した放射性セシウム。放射性ヨウ素は半減期が8日間と短く、米(穀類)、卵、肉などには蓄積の程度が少ないとして、厚労省が示した食品中の放射性物質に関する暫定基準値の対象とされていないことからも、対象としないことにした。
 調査対象とするほ場の考え方は、福島第一原発からの距離。屋内退避が求められている半径30km圏の外側を対象にする。また、これまでの大気中放射性物質のモニタリング検査の結果で、一定の蓄積量を超えた場所も基準とする。
 農地の汚染防止に関しては「農用地汚染防止法」があるが、同法では放射性物資を対象としていない。そのためこの調査の実施にあたっては法的な根拠がないため、県の調査に協力するかたちで行うことにした。
 調査では水田表面から15?の土壌を採取、今回は150検体を予定しており2つの専門機関で分析する。
 分析結果については、個々の地点のデータは公表せず、県全体の評価が得られるかたちで農水省から県に提示する予定。結果の公表については基本的に県、さらには政府全体の判断となるという。

◆作付の可否を判断

 土壌分析の一方で農水省は土壌中の放射性セシウムがどの程度、玄米や精米といった農産物の可食部分に移行するのか、移行係数の検討も進める。内外の先行研究を精査していくという。ただし、これまでの研究では、同じ作物でも土壌の性質によって移行係数にかなりばらつきがあるといい、慎重に検討を進める。
 農水省は当該県に対して土壌分析結果とともに、この移行係数も示す予定だ。土壌中からある値で放射性セシウムが検出された場合、その数値に移行係数をかけた値が農産物に移行する可能性のある数値となる。現行の食品中の放射線物質暫定基準値では、米(穀類)・野菜(根菜とイモ類は除く)などは、1kgあたり500ベクレル(Bq)とされている。
 土壌検査の結果、この数値を超えるような状態が明らかになれば、作付の可否についての政策判断も問われることになる。農水省によれば、かりにそうした事態になった場合には省外の有識者も含めて判断することになるという。

◆すべては原発事故

 今回の調査は田植え前に一定の結果を出したいとの意向から実施されるものだが、原発事故の今後によっては再検査の必要性も出てきかねない。さらに土壌検査の結果、例年どおりの米づくりができたとしても、農水省によると、今度は収穫後の米に対する検査も必要になる可能性もあるという。
 また、米の移行係数を示した後には、野菜や果樹など他の作物の移行係数も先行研究などをもとに示していく予定だ。
 いずれも不透明な点が多いが、それも「すべては原発事故」(農水省)が原因。生産現場の混乱と不安は計り知れない。

(JA COM 2011.03.31)

福島県の一部、作付け延期解除 県が独自に土壌検査
(朝日新聞 2011年4月7日1)

福島第一原発の事故を受け、福島県は6日、県内の水田や畑、果樹園といった農地の土壌を独自に調べた結果を発表した。水道水から高濃度の放射性物質が検出された飯舘村をはじめ、県北部の7市町村の一部で高い値が出た。県は県内の全農家に作付けなどの延期を要請していたが、これらの地域を除き、作付け延期の要請を同日解除した。

 県によると、3月31日から2日間かけ、県内全域で約10キロ間隔で選んだ計70カ所の農地の土壌を調査。九州地方の検査機関に送り、分析していた。

 その結果、飯舘村に加え伊達市月舘町、川俣町、二本松市、本宮市、大玉村、郡山市日和田町でも高濃度の放射性セシウムが検出されたが、その他の地域の数値は低かったという。

 土に含まれる放射性物質の基準値はなく、農林水産省が今月中旬をめどに「算定作業」を進めている。だが県は3月25日に県内全域の農家に作付けなど農作業の延期を要請しており、素早い情報提供が必要と判断。農水省が基準値を決める前に、農地への影響評価に着手していた。

 県によると、専門家の意見に基づき、高い数値が出た7市町村の地域については近く再調査をする。また、原発から半径20~30キロ圏内で屋内退避指示が出ている浪江町、広野町、葛尾村、川内村についても順次、調査をするという。

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                (日本農業新聞4月10日)

■ 気象庁 各地の放射線モニタリングデータhttp://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.html
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●茨城県放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

*単位はナノグレイ/時です。マイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
たとえば東海村石神254とあれば、0.254マイクロシーベルトとなります。

*「カーム」とあるのは、風向きが静穏のことです。

がんばろう東北!

 忘れないでくれ、茨城!Photo

2011年4月 9日 (土)

政治はどこに行っているのですか?政府はなにをしているのですか?   付録 気象庁の隠匿されつづけてきた放射性物質拡散予測図

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あの3月11日からそろそろ1カ月が立とうとしています。正直、嘘のようです。・・・そんなにたったのかというのが実感です。

普通の地震ならば、1カ月もたてば復興の槌音が高く響いているはずです。しかし、それは弱々しく、放射性物質を含んだ暗雲は私たちの頭上から過ぎ去る様子も見えません。

目の前にはなんの光明もなく、雲から差し込む陽の光すら見えません。

被災者は弱い者から避難所で死んでいき、政府の指示にしたがって屋内避難した人には食料すら満足に届いていません。

巨大地震、巨大津波、原発事故、ライフラインの壊滅、そして放射性物質による山野と海の汚染。未だ見つからない1万余の死者。

日本には政府と呼べるものがあるのですか?たしかに自衛隊や消防、警察、ボランティア、そして米軍までもが献身的に被災地を救援しています。

だが、政府はどこでなにをしているのですか?

首相は引きこもり、聞こえてくるのは怒鳴り声だけ。たまに出てくれば政局大事のパーフォーマンスだけ。補佐役の官房長官はまるで東電の有能な原子力広報官に成り下がりました。

巨額な国民から寄せられた義援金は未だ被災者の手には届かず、着の身着のままで避難所にいる人たちは身体ひとつで逃げて来た人も多いというのに。この被災者に義援金が手渡されるのは来年という噂もあります。

孤立した集落や島々は忘れ去られ、乏しい食料と燃料をわけあっていると聞きます。大震災の後に死んでいった人々は人災なのではありませんか

そして私たち福島と茨城の農業者は・・・書くのもつらい。よく自殺者が2名で済んでいるものです。

福島県の放射性物質測定値が7日に出て、ようやく7市町村を除いて作付けが許容になりました。茨城県はまだ出ていません。

この許容も、あくまでも許容であって、「やれとも、やるなとも言えない」、農家の自主的判断に任せるということのようです。地方行政としてはそこまでしか言えないでしょう。

ただ、行政としては、地表をできるだけ耕さないでほしいとのことです。できたら畑一面にシートを張って、そこに穴でもあけて種まきしてほしいのでしょう。

農業はバクチとなりました。収穫までの間に放射性物質が住んでいる市のどこかで出ればその瞬間に出荷停止。平成の大合併をしていますからストライクゾーンがやたら広いのです(苦笑)。まぁ、いままでの県単位よりややましですが。

放射性ヨウ素なら半減期が8日ですから敗者復活のめはあるのですが、セシウムが出たら死刑宣告です。なんせ30年ですから。

しかもその作物の片づけは、しっかりと雨ガッパを着て、テープで裾を密封し、マスク、ゴム手袋を着けて、ビニール袋に集めていかねばならないようです。

作物を取り去った後の土壌は、土を入れ換えねばなりません。いままで長年堆肥を入れ、すきこみ、土壌微生物を大量に育んできた肥沃な土は汚物のように捨てられます。

いや捨てようもない。放射性物質を含んだ土などどこが引き受けてくれるのでしょうか。

考えないことにしよう、というのか私の村の気分です。考えても仕方がない、自治体に問い合わせても「答えようがない」とのこと。市は県に、県は政府に問い合わせますが、「現在はなにも申し上げられない」とのことです。

政治はどこに行っているのですか?政府はなにをしているのですか?

私たち農民は何も考えない。ただひたすら目の前の問題を取り除いていく。ふらつきながら一つずつ乗り越えて行くのです、今日も。

      ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

●今まで、観測していたにもかかわらず隠匿されてきた気象庁の放射性物質拡散予測が公開され始めました!

■日本気象庁による放射性物質拡散予測
http://atmc.jp/jma/

2011年4月6日16時30分
http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/EER/eer24.pdf

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*単位はナノグレイ/時です。マイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
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 忘れないでね、茨城

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2011年4月 8日 (金)

政府は被曝限度量を引きあげるのではなく、事実を説明してください!

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昨夜も震度4の地震がきました。毎日のように続く地震です。つい先だっては隣町の鉾田を震源地とする震度5が来て、直下型の縦揺れを味わいました。もう当地では、震度2などヘナチョコの地震ていどだとテレビで報じてくれないほどです(笑)。しかし昨夜のは効いたぁぁ。

さて、福島県で6日までの田畑の放射性物質を調査した土壌調査がひととおり終了したようです。

結果は7市町村を除き耕作の延期解除をしました。(資料1参照)
まずはおめでとうございます。とりあえずは春の農作業が開始できたわけです。

もちろんこれで楽観している農業者はひとりもいないはずです。それどころか原子力安全委員会は、なにを考えたのか1㍉シーベルトから20ミリシーベルトに年間被曝限度量を緩和するということを始めました。

なんと一挙に20倍にするというのです。長期戦に備えるので基準値を一挙に引き上げたのだそうです。なんとまたご都合主義なことよ。これでは何が原子力「安全」委員会だと言われてしまうでしょう。

一方、文科省が実施した福島県の土壌が公開されています。(資料3参照)飯館村の放射性セシウムの検査結果がわかります。福島第1原発北西40㌔の飯館村です。

・飯館村 陸土 土壌  3月19日11時40分  300,000Bq/kg
・     同上      3月20日12時40分 1,170,000  
・川俣町 陸度 土壌  3月20日12時4分   151,000

117万ベクレル/㎏!野菜の基準値は500ベクレル/㎏ですからもはやなんとも言いようがありません。

これは原子力安全委員会のSPEED(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の行った「甲状腺内部被曝の試算 3月12日午前8時20日から3月24日午前0時までの積算値」という資料にでています。
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf#search='speedi

SPEEDは原子力事故があった場合、気象条件や放射線量を入力するとわずか20分で結果がでるスパコンによる被害予測システムです。

とうぜん、政府はこのSPEEDによって事故発生直後の12日から、避難指示区域の20㌔を大きく超えて40㌔以上もの距離に拡大していることを知り得ていました。

またほぼ同時期に米国エネルギー省が独自に米軍によって調査した放射線の分布状況地図と比べてみると、福島第1原発から北西方向に大きく40㌔を超えて伸びていることがわかります。(資料4)

枝野官房長官が口癖のように言う「直ちに健康に被害はない」ではなく、長期に高い放射線を浴びた場合に発生する恐れのある晩発性障害を考えるべきです。

12年前の東海村臨界事故でも600名もの晩発性障害が出たと言われています。甲状腺癌は5年後から出始めます。

このような中での年間被曝量限度量の引き上げです。政府は真逆なことをしているとしか思えません。今するべきは、この事実を国民に説明することであり、危険地帯からの避難です。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 日本農業新聞4月8日

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■資料2 年間の被曝限度量、引き上げを検討 原子力安全委
朝日新聞4月5日)

原子力安全委員会は5日、放射線量の高い地域の住民の年間被曝(ひばく)限度量について、現在の1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げるべきか検討を始めた。放射線の放出が長引き、「長く生活する観点で考えないといけない」とし、現実路線への見直しを検討する。

 会見した代谷誠治委員は「防災対策での退避は通常、短期間を想定している」と指摘。すでに数週間に及ぶ退避や避難の考え方について、政府から見直しを検討するよう相談されていることを明らかにした。 原発から半径30キロ圏外の福島県浪江町の観測地点で放射線量の積算値が上昇している。先月23日から今月3日までの積算値は10.3ミリシーベルトになった。日本では人が年間に受ける被曝限度量は現在、一律1ミリシーベルト。国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、緊急事故後の復旧時は1~20ミリシーベルトを目標としている。

資料3 文科省 福島県ダストサンプリング測定結果http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/25/1304007_2510.pdf

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■資料4 SPEEDと米国エネルギー省の放射線調査
http://www.youtube.com/watch?v=_LtJKeTelmc&feature=player_embedded#at=103

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一緒にがんばろう、東北!

Ganbare

2011年4月 7日 (木)

米国NRCの悪魔の予言は的中した

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福島第1原発の原子力事故に対して、米国4月5日付け「ニューヨークタイムズ]紙が、米原子力規制委員会(NRCNuclear Regulatory Commission)が作成した3月26日付けの秘密評価書を掲載しています。

「ニューヨークタイムス アジア 太平洋版」(4月5日 資料1参照)
http://www.nytimes.com/2011/04/06/world/asia/06nuclear.html?_r=1

この記事の中で、米国NRCは以下の点を指摘しています。

(1)注入した水の重さで容器が破壊する危険性

(2)海水の塩で目詰まりして炉内に水が入らず空焚きになっている危険性

(3)さらなる水素爆発の危険性

これらのNRCの危険性の評価は、枝野官房長官の言う「安全」のオウム返しとは異なっています。しかし現実には、政府が既にこのNRCの提言を受け入れていることは、6日に開始された窒素封入や、25日の米海軍バギー船による真水提供などをみればわかります。(資料4参照)

実は、米国政府は福島第1原発の事故発生と同時に日本政府に対して、情報を速やかに公開してくれるように申し出ていました。それは米国が世界でもっとも経験豊富であることを自他ともに許す原子力規制委員会(NRC)と、原子力事故に対する即応ユニットを持っており、直ちに技術支援できる立場にいたからです。(資料2参照)

米国は既に1981年から1992年かけてNRCが、原発で電源が完全に消滅した場合になにが起きるのかというシミュレーションを実施していました(資料3参照)。

その結果は、今回の福島第1原発で起きたことをそのまま予言するような内容であり、その内容は日本側の原子力安全・保安院にも伝えられていたはずでした。

しかし、まったくそのNRCの警告は生かされることなく握りつぶされました。原子力安全保安院は原発推進派の司令塔である経産省の一部局に過ぎなかったからです。

そして東電という公共事業体は、昨日の放射性物質を含んだ排水を何の予告もなく海に流すような体質を持っていました。

では米国NRCの想定したシミュレーションを見てみましょう。

このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉を使用しました。

驚かされるのは、福島第1原発で起きた状況とあまりにも酷似していることです。

まず、今回の福島第一原発で起きた状況とまったくと同様に、「外部からの交流電源と非常用ディーゼル発電機が喪失し、非常用バッテリーが作動する」事態がシミュレーションの条件です。

そしてこれを前提として、バッテリーの持ち時間、緊急時の冷却系統の稼働状況などいくつかの場合に分けて計算しました。

結果は バッテリーが4時間使用可能な場合のシミュレーションはこうなります。

・停電開始後5時間で「燃料が露出」
           ↓

・5時間半後に「燃料は485度に達し、水素も発生」
           ↓

・6時間後に「燃料の溶融(メルトダウン)開始」
           ↓

・7時間後に「圧力容器下部が損傷」

           ↓

・8時間半後に「格納容器損傷」という結果が出ました。

なんとわずか6時間で燃料棒の融解(メルトダウン)が発生するというのです!

現実に福島第一でなにが起きたのでしょうか?
地震発生時に運転は自動停止しました。そして外部電源からの電力供給がダウンしましたが、すぐに非常用のディーゼル発電機に切り替わりました。ここまでは原子力安全委員会と東電の想定どおりです。

しかし直後に襲った津波により軽油タンクが全壊して約1時間後に発電機が止まり、電源は非常用の直流バッテリーだけになりました。

ここでNRCが設定したシミュレーションの前提条件と同じ状態になったわけです。

福島第1原発では、直流バッテリーは8時間使用可能でしたので、NRCのシミュレーションより4時間遅れとなりましたが、「燃料棒の露出」⇒「温度上昇・水素発生」⇒「燃料棒の融解開始」⇒「格納容器破損」という発生した事象の順序は一緒でした。

つまり、NRCのシミュレーションは悪魔のように福島第1原発の事故を言い当てていたことになります。

となると、このNRCシミュレーションに沿って考えると、福島第一原発の格納容器はすでに損傷している可能性が高いことになります。というか、ほぼ確実に損傷しているとみるべきでしょう。

ところが愚かにも原子力安全保安委員会は1990に年、原発の安全設計審査指針を作った際に、このNRCの警告をまったく無視してしまいます。

安全保安委員会は「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧または非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」としてしまったのです。

福島第1原発の事故は既に予見されていたものであり、それを知りながら握りつぶした原子力安全委員会の責任は重大だと言わざるを得ません。

12日に首相の第1原発視察の際に同行した斑目原子力安全保安委員長が、「水素爆発の可能性はない」と言った直後に水素爆発を起こしたことは、なんとも皮肉なことです。

斑目委員長は「隕石の直撃など、何でもかんでも対応できるかと言ったら、それは無理だ」とかつて言ったようですが、津波やそれによる電源喪失は既にNRCによって約20年前に知られていた事であり、隕石落下などとすり替えるのは無責任としか言いようがありません。

さて、冒頭で紹介したニューヨークタイムズ記事はこう書いています。

The N.R.C. report suggests that the fuel pool of the No. 4 reactor suffered a hydrogen explosion early in the Japanese crisis and could have shed much radioactive material into the environment, what it calls “a major source term release.”

「NRC報告書は、日本危機の初期、4号反応炉の燃料プールが水素爆発の被害を受け、環境に多くの放射性物質を発散した可能性を示唆し、これを「主要な定期放出源」と呼んでいる。」

Experts worry about the fuel pools because explosions have torn away their roofs and exposed their radioactive contents. By contrast, reactors have strong containment vessels that stand a better chance of bottling up radiation from a meltdown of the fuel in the reactor core.

「専門家たちが、使用済み燃料プールを懸念しているのは、爆発で屋根を引きはがされ放射性物質が暴露されているからである。これに比べれば、反応炉は、強固な収容器があり、炉心の原子炉燃料がメルトダウンしてもその放射性物質を封じ込める可能性が高い。」

原発の風下で暮らす私たちにとって喜ぶべきことなのかどうなのか、米国の識者は仮にメルトダウンしても強固な格納容器が封じ込めるだろうし、今放出され続けている放射性物質は4号炉の燃料棒プールの損傷によっているとしています。

ま、平たく言えば、今後も再度ドッカーンと水素爆発する可能性は高いが、格納容器が封じ込めるだろう、と。

今の放射性物質の飛散は、格納容器の圧力を開放するためのベント(排気)によるよりも、4号炉の燃料棒プールの暴露からきていますよ、ということが米国NRCの意見のようです。

いずれにせよ被爆地となった福島県と茨城県にとって、語弊のある言い方をあえてすれば、ちょっとましな地獄か、本格的な地獄の始まりかの差にすぎませんが。

私は福島第1原発の原子力事故は人災だと考えます。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■「ニューヨークタイムス アジア 太平洋版」(4月5日)原文

U.S. Sees Array of New Threats at Japan’s Nuclear Plant
By
JAMES GLANZ and WILLIAM J. BROAD
Published: April 5, 2011

United States government engineers sent to help with the crisis in Japan are warning that the troubled nuclear plant there is facing a wide array of fresh threats that could persist indefinitely, and that in some cases are expected to increase as a result of the very measures being taken to keep the plant stable, according to a confidential assessment prepared by the Nuclear Regulatory Commission.

Among the new threats that were cited in the assessment, dated March 26, are the mounting stresses placed on the containment structures as they fill with radioactive cooling water, making them more vulnerable to rupture in one of the aftershocks rattling the site after the earthquake and tsunami of March 11. The document also cites the possibility of explosions inside the containment structures due to the release of hydrogen and oxygen from seawater pumped into the reactors, and offers new details on how semimolten fuel rods and salt buildup are impeding the flow of fresh water meant to cool the nuclear cores.

In recent days, workers have grappled with several side effects of the emergency measures taken to keep nuclear fuel at the plant from overheating, including leaks of radioactive water at the site and radiation burns to workers who step into the water. The assessment, as well as interviews with officials familiar with it, points to a new panoply of complex challenges that water creates for the safety of workers and the recovery and long-term stability of the reactors.

While the assessment does not speculate on the likelihood of new explosions or damage from an aftershock, either could lead to a breach of the containment structures in one or more of the crippled reactors, the last barriers that prevent a much more serious release of radiation from the nuclear core. If the fuel continues to heat and melt because of ineffective cooling, some nuclear experts say, that could also leave a radioactive mass that could stay molten for an extended period.

The document, which was obtained by The New York Times, provides a more detailed technical assessment than Japanese officials have provided of the conundrum facing the Japanese as they struggle to prevent more fuel from melting at the Fukushima Daiichi plant. But it appears to rely largely on data shared with American experts by the Japanese.

Among other problems, the document raises new questions about whether pouring water on nuclear fuel in the absence of functioning cooling systems can be sustained indefinitely. Experts have said the Japanese need to continue to keep the fuel cool for many months until the plant can be stabilized, but there is growing awareness that the risks of pumping water on the fuel present a whole new category of challenges that the nuclear industry is only beginning to comprehend.

The document, which was obtained by The New York Times, provides a more detailed technical assessment than Japanese officials have provided of the conundrum facing the Japanese as they struggle to prevent more fuel from melting at the Fukushima Daiichi plant. But it appears to rely largely on data shared with American experts by the Japanese.

Among other problems, the document raises new questions about whether pouring water on nuclear fuel in the absence of functioning cooling systems can be sustained indefinitely. Experts have said the Japanese need to continue to keep the fuel cool for many months until the plant can be stabilized, but there is growing awareness that the risks of pumping water on the fuel present a whole new category of challenges that the nuclear industry is only beginning to comprehend.

The document also suggests that fragments or particles of nuclear fuel from spent fuel pools above the reactors were blown “up to one mile from the units,” and that pieces of highly radioactive material fell between two units and had to be “bulldozed over,” presumably to protect workers at the site. The ejection of nuclear material, which may have occurred during one of the earlier hydrogen explosions, may indicate more extensive damage to the extremely radioactive pools than previously disclosed.

David A. Lochbaum, a nuclear engineer who worked on the kinds of General Electric reactors used in Japan and now directs the nuclear safety project at the Union of Concerned Scientists, said that the welter of problems revealed in the document at three separate reactors made a successful outcome even more uncertain.

“I thought they were, not out of the woods, but at least at the edge of the woods,” said Mr. Lochbaum, who was not involved in preparing the document. “This paints a very different picture, and suggests that things are a lot worse. They could still have more damage in a big way if some of these things don’t work out for them.”

The steps recommended by the nuclear commission include injecting nitrogen, an inert gas, into the containment structures in an attempt to purge them of hydrogen and oxygen, which could combine to produce explosions. On Wednesday, the Tokyo Electric Power Company, which owns the plant, said it was preparing to take such a step and to inject nitrogen into one of the reactor containment vessels.

The document also recommends that engineers continue adding boron to cooling water to help prevent the cores from restarting the nuclear reaction, a process known as criticality.

The assessment provides graphic new detail on the conditions of the damaged cores in reactors 1, 2 and 3. Because slumping fuel and salt from seawater that had been used as a coolant is probably blocking circulation pathways, the water flow in No. 1 “is severely restricted and likely blocked.” Inside the core itself, “there is likely no water level,” the assessment says, adding that as a result, “it is difficult to determine how much cooling is getting to the fuel.” Similar problems exist in No. 2 and No. 3, although the blockage is probably less severe, the assessment says.

Some of the salt may have been washed away in the past week with the switch from seawater to fresh water cooling, nuclear experts said.

A rise in the water level of the containment structures has often been depicted as a possible way to immerse and cool the fuel. The assessment, however, warns that “when flooding containment, consider the implications of water weight on seismic capability of containment.”

Experts in nuclear plant design say that this warning refers to the enormous stress put on the containment structures by the rising water. The more water in the structures, the more easily a large aftershock could rupture one of them.

Margaret Harding, a former reactor designer for General Electric, warned of aftershocks and said, “If I were in the Japanese’s shoes, I’d be very reluctant to have tons and tons of water sitting in a containment whose structural integrity hasn’t been checked since the earthquake.”

The N.R.C. document also expressed concern about the potential for a “hazardous atmosphere” in the concrete-and-steel containment structures because of the release of hydrogen and oxygen from the seawater in a highly radioactive environment.

Hydrogen explosions in the first few days of the disaster heavily damaged several reactor buildings and in one case may have damaged a containment structure. That hydrogen was produced by a mechanism involving the metal cladding of the nuclear fuel. The document urged that Japanese operators restore the ability to purge the structures of these gases and fill them with stable nitrogen gas, a capability lost after the quake and tsunami.

Nuclear experts say that radiation from the core of a reactor can split water molecules in two, releasing hydrogen. Mr. Wilmshurst said that since the March 26 document, engineers had calculated that the amount of hydrogen produced would be small. But Jay A. LaVerne, a physicist at Notre Dame, said that at least near the fuel rods, some hydrogen would in fact be produced, and could react with oxygen. “If so,” Mr. LaVerne said in an interview, “you have an explosive mixture being formed near the fuel rods.”

Nuclear engineers have warned in recent days that the pools outside the containment buildings that hold spent fuel rods could pose an even greater danger than the melted reactor cores. The pools, which sit atop the reactor buildings and are meant to keep spent fuel submerged in water, have lost their cooling systems.

The N.R.C. report suggests that the fuel pool of the No. 4 reactor suffered a hydrogen explosion early in the Japanese crisis and could have shed much radioactive material into the environment, what it calls “a major source term release.”

Experts worry about the fuel pools because explosions have torn away their roofs and exposed their radioactive contents. By contrast, reactors have strong containment vessels that stand a better chance of bottling up radiation from a meltdown of the fuel in the reactor core.

“Even the best juggler in the world can get too many balls up in the air,” Mr. Lochbaum said of the multiplicity of problems at the plant. “They’ve got a lot of nasty things to negotiate in the future, and one missed step could make the situation much, much worse.”

 

■米紙、水素爆発の危険を指摘 当局の内部文書に基づき
 【ワシントン共同】

同紙によると、原子炉冷却のために注入している水によって、原子炉格納容器のストレスが高まり、余震によって容器が破壊される危険性が高まっている。同原発1号機は内部にたまった塩により循環が著しく妨げられており、原子炉の中には水がなくなっている可能性もあるという。
 また、原子炉内の水が分解されてできる水素によって水素爆発が再び起きる危険性も指摘した。
 こうした問題に対処するため、NRCは日本政府に水素爆発を防ぐための窒素注入などをアドバイスしたという。

爆発防止へ、窒素注入続く=汚染水の再流出警戒―福島第1原発・東電

時事通信 4月7日(木)5時4分配信

 福島第1原発事故で、東京電力は7日、1号機の原子炉格納容器内への窒素ガス注入作業を続けた。窒素を充満させ、爆発の恐れがある水素と酸素を容器内から追い出すのが狙い。注入は数日続く予定で、2、3号機でも実施する。
 窒素注入によって格納容器内の高濃度放射能を含む空気が外部に押し出される恐れもあるため、東電は容器内の圧力などを慎重に観察する。
 1号機は東日本大震災翌日の3月12日、原子炉建屋で爆発が発生。燃料棒を包む被覆管ジルコニウムと水蒸気が反応して水素が生じ、酸素と反応して爆発したとみられる。
 1号機ではその後、原子炉を冷却するため注水が続いている。この水が分解されて水素と酸素が発生、爆発の危険性が増していた。東電は6日夜、窒素ガス約6000立方メートルを格納容器に注入する準備を開始。7日午前1時半すぎから注入を始めた。
 一方、高濃度放射能を含む汚染水の流出が止まった2号機取水口付近の立て坑「ピット」の周辺も引き続き監視。外部流出は他に確認されていないが、汚染水が通ってきたトンネルから地下に染み出ている可能性も否定できず、監視カメラなどで外部への再流出を警戒している。 
■資料2 米“放射能パニック”隠蔽政府にヒラリー激怒「信用できない」
(産経新聞
2011.03.18)
東京電力福島第1原発の事故を受け、米国内で「反日感情」が高まりつつある。東日本大震災直後は同情も多かったが、菅直人政権の原発危機への対応のひどさに、ヒラリー国務長官までが「日本は信用できない」と激怒。米メディアが「今週末にも、太平洋を超えて放射性物質が到達する」と報じたこともあり、西海岸はパニック状態になりつつある。

 「日本の指導者の欠陥が危機感を深める」

 ニューヨーク・タイムズ紙は16日、こんな強烈な見出しで、菅首相が臨機応変の対応力や官僚機構と円滑な協力関係に欠けるため、国家的危機への対処を大幅に弱くしている、と指摘した。

 今週に入り、米政府やメディアは総じて日本に厳しい。悲惨な大震災への同情はどこかに吹き飛んでしまった。

 米国在住のジャーナリストは「ホワイトハウスや議会で連日、日本の原発危機に関する会議や公聴会が開かれているが、『日本政府や東電は情報を隠蔽している』『混乱して無政府状態』といった反応ばかり。かなり緊迫している。これを放置すると、反日感情がさらに高まる」と警告する。

 事故発生直後、米政府は原子炉冷却に関する技術的支援を申し入れた。ところが、原子炉の廃炉を前提とした提案だったため、日本政府は「時期尚早だ」と受け入れなかったという。

 その後も、米政府は外交ルートを通じて、「第1原発は大丈夫なのか?」「本当のことを教えてくれ」と打診したが、日本外務省は首相官邸の指示もあり、「適時適切に対応している」とお役所答弁。ところが、第1原発の危機は日に日に深刻化し、水素爆発や放射性物質漏れが発覚した。

 このためか、ヒラリー国務長官は「日本の情報が混乱していて信用できない」「米国独自の調査で判断する」とテレビのインタビューで強い不快感を強調。在日米大使館は第1原発の半径80キロ以内に住む米国民に避難勧告し、東京の米大使館などに勤務する職員の家族約600人に、自主的な国外退避や日本国内の安全な地域への避難を認めると発表した。

 米メディアも17日朝から「金曜日にも太平洋を超えて米国に放射性物質が到達するから危険」と派手に報じ、欧州やアジアのメディアも「天災が人災に発展」「事実を隠蔽した」などと報道。

 米西海岸はパニック状態で、抗放射能薬が飛ぶように売れて、品不足状態だという。

 現在、ワシントンに滞在している国際関係学研究所の天川由記子所長は「米政府は菅政権に対し『大量の放射能漏れを隠している』との懸念を持っている。菅政権の対応の遅さと甘さは、米国民に『日本人は放射能漏れを起こした厄介者』と思わせかねない」と語る。

 菅政権は、日本を世界の孤児にする気なのか。

■資料3 原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用
(朝日新聞2011年3月31日)

東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していたことがわかった。計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。

 このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。

 今回の福島第一原発と同様、「外部からの交流電源と非常用ディーゼル発電機が喪失し、非常用バッテリーが作動する」ことを前提とし、バッテリーの持ち時間、緊急時の冷却系統の稼働状況などいくつかの場合に分けて計算した。

 バッテリーが4時間使用可能な場合は、停電開始後5時間で「燃料が露出」、5時間半後に「燃料は485度に達し、水素も発生」、6時間後に「燃料の溶融(メルトダウン)開始」、7時間後に「圧力容器下部が損傷」、8時間半後に「格納容器損傷」という結果が出た。

 6時間使用可能とした同研究所の別の計算では、8時間後に「燃料が露出」、10時間後に「メルトダウン開始」、13時間半後に「格納容器損傷」だった。

 一方、福島第一では、地震発生時に外部電源からの電力供給が失われ、非常用のディーゼル発電機に切り替わったが、津波により約1時間後に発電機が止まり、電源は非常用の直流バッテリーだけに。この時点からシミュレーションの条件とほぼ同じ状態になった。

 バッテリーは8時間使用可能で、シミュレーションと違いはあるが、起きた事象の順序はほぼ同じ。また、計算を当てはめれば、福島第一原発の格納容器はすでに健全性を失っている可能性がある。

 GEの関連会社で沸騰水型の維持管理に長年携わってきた原子力コンサルタントの佐藤暁さんは「このシミュレーションは現時点でも十分に有効だ。ただ電力会社でこうした過去の知見が受け継がれているかどうかはわからない」と話す。

 一方、日本では全電源が失われる想定自体、軽視されてきた。

 原子力安全委員会は90年、原発の安全設計審査指針を決定した際、「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又(また)は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」とする考え方を示した。だが現実には、送電線も非常用のディーゼル発電機も地震や津波で使えなくなった。

 原子力安全研究協会の松浦祥次郎理事長(元原子力安全委員長)は「何もかもがダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石(いんせき)の直撃など、何でもかんでも対応できるかと言ったら、それは無理だ」と話す。

■資料4 福島第1原発:冷却用真水の補給で米軍がバージ船提供
(毎日新聞26日)

 北沢俊美防衛相は25日の記者会見で、東京電力福島第1原発の冷却に必要な真水を補給するため、米軍から真水を積載できるバージ船(はしけ)2隻や給水ポンプ1機の提供を受けることを明らかにした。海上自衛隊の補給艦などと連携し、週明けから冷却作業で活用する。バージ船のうち1隻は25日に米軍横須賀基地を出港し、もう1隻は26日に出港する予定。

 自衛隊は高圧消防車で海水を使って放水してきたが、米側から「(塩水による)機材の腐食を防ぐには真水に変更すべきだ」との強い要請があり、活動のあり方を再検討。東電が復旧を進める「補給水系」の注水ポンプに真水を補給する方向に切り替えた。

 バージ船は全長約50メートルで真水約1100トンを積載できるが、速度が遅いため、自衛隊の支援艦がえい航して28日にも到着する。バージ船は原発近くに接岸し、米軍から別途提供を受ける給水ポンプを通じて、冷却水タンク(容量約3500トン)に真水を送る計画だ。バージ船の真水がなくなった場合、沖合の自衛艦から補給を受け、繰り返し運搬するという。

 給水作業は東電側が行う予定だが、自衛隊員も作業を行う場合に備えて訓練に参加するという。

*本日は資料部分が長くなりましたので、空中放射線量の掲示はお休みします。こちらからご覧ください。

●放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

2011年4月 6日 (水)

今、私たち福島県と茨城県の農民は放射能という「津波」に呑み込まれています

014

私たち福島県と茨城県の農民は、大震災の後に来た放射能という「津波」に呑み込まれています。

昨日、ある酪農をしている農家に行ったところ見るも無残な光景がありました。

それまで丁寧に磨き上げるようにしていた床は糞が大量に溜まり、牛はわずか数頭を残すのみとなっていました。

この牧場の主人は牛としゃべれるというの自慢で、いつも何事かを話しかけながらブラシをかけたり、乳房を拭ってやっていたものでした。

オレの畜舎はおかァとケンカしてもここで寝られるという自慢をするくらい清潔で、どんなに多忙でも畜舎の掃除を怠ったことはありませんでした。

乳質の向上にも熱心で、わざわざ福島の競りでジャージ種を落としてトラックに乗せて帰ってきた時には子供のようにはしゃいでいました。トリ屋の私までジャージー様歓迎式典にお呼ばれして牛見の酒を飲んだものです。

牧草の作付けにも熱心で、村の休耕地があればせっせと牧草を植えては大きな牧草ロールをたくさん積み上げていたものです。

輸入藁を飼うのは恥だと思っていたのではないでしょうか。オーストラリアあたりの畜産家がみれば笑ってしまうような小規模でしょうが、牧草地には青々とした牧草が茂っていました。

彼の自慢はこの牧草地と牛でした。

後継者も育ち拡大しようとする矢先に、あの忌まわしい原発事故が起きました。牛乳は出荷停止となり、絞っては牧草地に捨てることになったのです。

放牧は放射性物質が残存している可能性があるとされて禁止になりました。放牧地は原料乳の単なる廃棄場と化したのです。

乳を絞らないと牛が苦しがります。毎日絞っては捨てる。捨てるために絞る。

そして餌代だけが静かに溜まっていきました。息子は出稼ぎに行き、老いた父親だけが残りました。そして絞っては捨てる・・・。

地震は一過性です。余震は毎日数回来ますが、もうなれっこになりました。

ほんとうに恐ろしいのは放射能です。いつまでも続く、どこまでものしかかるように私たちの上に垂れ込める暗雲のような放射能です。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

安全、安全とオウム返しに言うだけの政府は信用できません。
  デマにまどわされず、自分で自分と家族の身を守りましょう!
   毎日自分の住む地域の放射線量をチェックしましょう!

現在の茨城県の空間放射線測定値状況
 毎日更新しています!

●放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

*単位は空間放射線量を計る単位のナノグレイ/時ですので、人体に対する放射線量を測定するマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
ですから、たとえば「東海村石神 266」とあれば、0.266マイクロシーベルトということになります。

*ちなみに避難指示がでている50㌔圏の福島県浪江町では3日午前10時に32.7マイクロシーベルトです。事故の影響のない山梨県では同じく0.044マイクロシーベルトです。

浪江町について。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000005-maip-soci

*茨城県は全国一放射線測定に力を入れています。モニタリングポストの数も全国一です。自分の住む地域を下の地図で確認して直近のモニタリングポストの数値を見てください。

*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。

*茨城県は福島第1原発の北方にあるために、北からの風に警戒してください。また西風は内陸部に、東風は海へと吹く風となります。放射性物質の飛散は、そのときの風量や風向きで微妙に変化するので、必ずしも県北が危険ということにはなりません。県南が高く出る場合もあります。

*降雨により空中に浮遊する放射性物質は降下してきます。

2011年04月06日 05時30分の状況
測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 247 西北西 3.6
東海村豊岡 230 西北西 3.0
東海村舟石川 135 北北西 3.1
東海村押延 184 北西 2.0
東海村村松 204 西北西 2.0
那珂市横堀 144  北  2.8
那珂市門部 197 西北西 2.8
那珂市菅谷 126 西北西 1.3
那珂市本米崎 158 ---- ----
那珂市額田 130 ---- ----
那珂市鴻巣 161 北西 2.1
那珂市後台 173 ---- ----
那珂市瓜連 122 ---- ----
ひたちなか市馬渡 260 西北西 2.2
ひたちなか市常陸那珂 346  北  2.4
ひたちなか市阿字ヶ浦 218 北西 3.4
ひたちなか市堀口 460  西  0.7
ひたちなか市佐和 250 ---- ----
ひたちなか市柳沢 221 西北西 2.4
日立市久慈 340 西北西 3.2
日立市大沼 328 北北東 1.4
常陸太田市磯部 169 西南西 1.3
常陸太田市真弓 117 ---- ----
常陸太田市久米 89  北  1.5
常陸大宮市根本 123 北北西 1.5
大洗町大貫 263 西北西 2.0
大洗町磯浜 221 ---- ----
鉾田市造谷 316 カーム カーム
鉾田市荒地 269 西北西 3.3
鉾田市田崎 213 ---- ----
鉾田市樅山 432 ---- ----
鉾田市上富田 185 ---- ----
鉾田市徳宿 195 カーム カーム
茨城町広浦 314 北西 2.0
茨城町海老沢 210 カーム カーム
茨城町谷田部 152 ---- ----
水戸市吉沢 137 北北西 0.4
水戸市大場 157 北西 1.4
水戸市石川 162  北  1.7
三菱原燃 107 ---- ----
原燃工 287 ---- ----

空間線量率(nGy/h)    風速(m/s)

■茨城県放射線測定モニタリングポスト位置Hp10tizu_2

Photo

 (出典Wikipedia)

共にがんばろう、東北!

  辛い時こそ笑うんだ!

Ganbare

2011年4月 5日 (火)

国は責任をもって野菜、土壌の放射性物質調査をしろ!それがいちばんの風評対策だ!

0057

暫定基準値の緩和を求めていた5県知事の要求は、政府により却下されたようです。なんとも複雑な心境です。

参考 厚労省 食品中の放射性物質に関する暫定規制値の取扱い等についてhttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017tmu.html

たしかに暫定基準値を下げれば、出荷できる量は一時的に増えるのはたしかです。暫定基準値自体の作られ方のうさんくささもむかっ腹が立つところです。

しかし今ここで農業者が引き下げを要求し、それが通ってしまったなら、消費者はどのように思うでしょうか。たぶん農業団体の圧力に押されて政府が統一地方選がらみで下げたと思うでしょうね。

そしてそれでなくても、大いに不信感をもたれて風評被害のまっただ中にある私たちの農産品は更に売れなくなります。

いったん野菜類の基準を放射性ヨウ素2000ベクレル/㎏、放射性セシウムを500ベクレル/㎏と決めたのなら、それで行くしかありません。

有機農業者には更に厳しい基準を設けよと言う方もありますが、まだ今後なにが待ち受けているかも分からない状況の中で、数値基準をこれ以上厳しくすることも、緩める事も控えるべきです。

状況は終了していません。いやそれどころか混迷を深めていると言ってもいいでしょう。
一昨日、細野剛志補佐官が「3カ月間くらい」というめどを示しました。これはおそらくは冷温停止までの期間を指していると思います。

冷温停止までは、原発は圧力容器の内部圧力を放出するためにひんぱんにベント(排気)を行うと見られます。その都度、放射性物質が空中に放散されて、風に乗り飛散します。

このような放射性物質の飛散状況があと3カ月は続くというのが政府の見方のようです。私はそのような見方は楽観に過ぎると思いますが、とりあえずはひとつのめどです。

3カ月間というとおそらくは8月頃までは、放射性物質の被曝下で私たちは生産し、生活をする覚悟をしましょう。

そしてもうひとつは風評被害の原因ともなり、私たちを苦しめ続けている放射性物質がどのていど作物や土壌にあるのかという調査が、事実上手がつけられていない状態です。

この暫定基準値を出した当の厚労省が放射性物質の検査などしたことがないのです。ですから、地方自治体に調査を丸投げしてしまいました。

茨城県が特出して基準値をオーバーした作物を出したのは、原発の風下であるだけではなく、JCO臨界事故以来茨城県が全国一の放射線被害対策を持つ県だったからです。

検体数が福島県と茨城県で計356件、栃木、群馬、千葉ので計160件です。2県で他の県の2倍もの検体をとれば検出数も増えあたりまえです。そして茨城県はそれをそのまま公開しました。多くの農業者からの批判はありますが、それは県民の健康をあずかる地方自治体として正しい処置だったと私は思います。(資料1参照)

結果は福島県と茨城県のみが特出した風評被害にあっています。3個90円のブロッコリー、一袋50円のピーマン。まったくしゅっかできないほうれんそう、牛乳、パセリ、水菜。つまりは検査をしっかりしたから馬鹿を見たのです。

誰のせいでしょうか。本来は国がなすべき放射性物質調査をせずに県に丸投げした厚労省のせいです。

そもそも厚労省は12年前の東海村のJCC(原子力燃料会社)の臨界事故の時ですら、600人から700人と言われた被爆者に対して晩発性の障害を認めず、なんの補償もしなかったではありませんか。

東電と一体化したような経産省といい厚労省といい、本気で被曝の恐怖におののいている福島、茨城の人たちのことを考えた事があるのでしょうか!

あるというのなら、直ちに国が地方自治体に丸投げせずに、国の責任において福島、茨城の野菜、土壌を徹底的に調査し、その数値を直ちに公開すべきです。

これが真の風評被害対策です。暫定基準値を超えても食べて大丈夫だ、被曝してもただちに人体に影響はありません、などと訳の分からないことを百回くりかえすのなら、今すぐにこども手当てなどという信じられない無駄金をこの調査にあてることです。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

資料1

_edited1                     (出典 週刊現代)

安全、安全とオウム返しに言うだけの政府は信用できません。
  デマにまどわされず、自分で自分と家族の身を守りましょう!
   毎日自分の住む地域の放射線量をチェックしましょう!

2011年04月05日 05時40分現在の空間放射線測定値状況状況
毎日更新しています!

●放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

*単位は空間放射線量を計る単位のナノグレイ/時ですので、人体に対する放射線量を測定するマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
ですから、たとえば「東海村石神 266」とあれば、0.266マイクロシーベルトということになります。

*ちなみに避難指示がでている50㌔圏の福島県浪江町では3日午前10時に32.7マイクロシーベルトです。事故の影響のない山梨県では同じく0.044マイクロシーベルトです。

浪江町について。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000005-maip-soci

*茨城県は全国一放射線測定に力を入れています。モニタリングポストの数も全国一です。自分の住む地域を下の地図で確認して直近のモニタリングポストの数値を見てください。

*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。

*茨城県は福島第1原発の北方にあるために、北からの風に警戒してください。また西風は内陸部に、東風は海へと吹く風となります。放射性物質の飛散は、そのときの風量や風向きで微妙に変化するので、必ずしも県北が危険ということにはなりません。県南が高く出る場合もあります。

*降雨により空中に浮遊する放射性物質は降下してきます。

測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 257 北西 1.9
東海村豊岡 240 西北西 3.1
東海村舟石川 139 北西 2.7
東海村押延 191 南西 1.1
東海村村松 209  西  0.5
那珂市横堀 148 北北西 0.5
那珂市門部 204  西  0.4
那珂市菅谷 129 北西 0.7
那珂市本米崎 166 ---- ----
那珂市額田 134 ---- ----
那珂市鴻巣 167  西  0.8
那珂市後台 178 ---- ----
那珂市瓜連 125 ---- ----
ひたちなか市馬渡 272  西  1.8
ひたちなか市常陸那珂 357  北  2.0
ひたちなか市阿字ヶ浦 225 西北西 1.9
ひたちなか市堀口 458 北西 1.4
ひたちなか市佐和 259 ---- ----
ひたちなか市柳沢 227 西北西 2.5
日立市久慈 352 西北西 3.1
日立市大沼 336 西北西 1.9
常陸太田市磯部 177 西南西 1.9
常陸太田市真弓 122 ---- ----
常陸太田市久米 92 北北東 1.5
常陸大宮市根本 126 西北西 0.6
大洗町大貫 275  西  1.4
大洗町磯浜 226 ---- ----
鉾田市造谷 325 カーム カーム
鉾田市荒地 276 西北西 2.2
鉾田市田崎 218 ---- ----
鉾田市樅山 444 ---- ----
鉾田市上富田 187 ---- ----
鉾田市徳宿 198 北北東 0.6
茨城町広浦 326 西北西 2.8
茨城町海老沢 217 カーム カーム
茨城町谷田部 156 ---- ----
水戸市吉沢 141  西  1.1
水戸市大場 160 西北西 1.7
水戸市石川 167  北  0.7
三菱原燃 109 ---- ----
原燃工 298 ---- ----
空間線量率(nGy/h)    風速(m/s)

■茨城県放射線測定モニタリングポスト位置Hp10tizu_2

Photo

                          (出典Wikipedia)

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  辛い時こそ笑うんだ!

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2011年4月 4日 (月)

福島県農業技術通達 「耕してはならない」  福島県、茨城県は無期限の「農業禁止」に突入するのか?

         021_edited1

福島県農水部の原発事故に関する技術指導か出ました。

衝撃的内容です。 先だってご紹介した新潟大学農学部の野中昌法教授のおっしゃるとおりのことが現実になりました。

「耕うん作業については、現在、放射性物質が表層にとどまっている状態と思われることから、これ以上拡散させないため、当面耕うんを行なわないで下さい。」

要するに「耕すな」、「何も作るな」ということです。更に言えば、農業は当分の間やるなということです。

そして「当分の間」がどこまでつづくかまったく誰にも判りません。これを書いた福島県のお役人にも分からないし、政府・東電にすら分からないでしょう。

「とりあえず、農業はするな」という指導だけです。この「とりあえず農業はするな」指導にわが茨城県も追随する可能性が大です。 

福島県は4月6日までに土壌検査をして結果を公表するとしていますが、この短期間では非常にラフなサンプリングしかできないと思われます。 

本来は事実上福島県は、耕作放棄の指導をしているわけですから、その重大さは自覚しているはずです。(それにしては単なる「技術指導」という軽い形式には疑問がありますが) 本来は土壌検査のやり方やルールを明らかにして1年程度かけてしっかりとした放射性物質の土壌に対する影響を調べたことでしょう。

当然わずか1週間ていどの土壌検査では全体像をなぜたものにすぎず、逆に誤解や誤った解釈が跋扈してしまうことも了解済みなはずです。

にもかかわらず土壌検査をして、6日までに「今後の農業の進め方」を通知すると言っている以上、もはや時間的余裕がまったくないということです。時間的余裕はゼロです。いやマイナスです。

この4月第1週は農事暦ではもう田んぼの耕起がとおに始まっていて、一部では田んぼに水を入れて代かきを始めている時期です。

今年は大震災の影響で、わが村でも田んぼに水を導くパイプラインが地中で寸断されたために大幅に作業が遅れてはいました。

また一部の田んぼでは液状化現象が発生して砂と泥水の沼地のようになった所もあります。しかし農家はめげずにこつこつとパイプラインを修繕し、液状化した田んぼもくりかえしトラクターをいれてならしている真っ最中でした。

苗は育苗の真っ最中で仕上がりの段階に近づいています。苗は冷蔵庫になど入れて多少発芽を遅らせることは可能ですが、それも限界があります。徒長した苗は廃棄せざるをえないでしょう。

一方、畑作に関しては、仕方がない現在時点で畑やハウスにある作物は諦めよう、無理に売っても箱代も出ないし、万が一消費地の自治体が放射線測定でもして暫定基準値をオーバーするようなことにでもなったら一大事だ、という認識が進んでいました。

事実、関西圏でわが村の水菜から検出されて、県が追加調査して安全宣言を出すというスッタモンダの事件もありました。あんなことが起きるなら、さっさと潰してしまおうとしている矢先でした。

潰してはならない、潰すと放射性物質がより深く地中に入ってしまって始末に悪いという野中先生の知見が伝えられて待ったがかかり、そして今回の福島県の「技術指導」です。

福島県と茨城県の農業は混乱のまっただ中にあります。百歩譲って、今ある出荷は諦める事ができたとしても、春の種まきができなくなるということは6月以降収穫の作物が一瞬で消え失せるということになります。

夏収穫のトマト、きゅうり、ナス、ピーマンなどが出せないとなると・・・年間作付けをそこに絞ってきた農家が多いだけに呆然としています。

茨城県は未だ結論を出していません。しかし今週中がタイムリミットですからなんらかの指導を出してくるはずです。

おそらくは福島県と同様の「耕起禁止」通達ではないかと思われます。その瞬間、わが県においても史上誰も経験したことのない無期限の「農業禁止」という事態に突入することになります。ここまで事態が深刻だと怒るとか哀しむとかいうよりボーとしてしまいます。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■福島県東北地方太平洋沖地震及び東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う農作物等に関する農業技術情報(第8報)http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/01gijutu230401.pdf
平成23年4月1日
福島県農林水産部

1 営農に関する考え方
県におきましては、原発事故に伴う放射性物質による土壌汚染及び営農への影響等に
ついて、国等と連携しながら鋭意検討を進めているところです。
これらの状況を踏まえ、農家の皆さんには予定している農作業を延期し、しばらく様
子をみていただくようお願いします。
作業の遅れに伴う技術対策については、随時、情報を提供しますので、これらの情報
を参考に営農計画を立てていただくようお願いします。

2 農作物等に関する当面の技術対策
(1)共通
ア県内の土壌の状況については、国と連携を図りながら下記により調査を実施してお
りますので、各作物の作付けや栽培管理については、その結果等をふまえて判断して
ください。
<<<農用地の土壌分析について>>>
県内農用地における土壌分析を開始しました。
調査地点は、各市町村毎に最低1地点含まれるように選定し、70地点のサンプルを
採取しました。
今後、分析結果に基づき、4月6日を目途に今後の農作業の進め方について情報を
提供する予定です。

なお、土壌調査の実施方法とサンプルの採取地点については、以下のURLを参照し
てください。
URL
http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/05gensiryoku/susumekata_230331.pdf
イ耕うん作業については、現在、放射性物質が表層にとどまっている状態と思われる
ことから、これ以上拡散させないため、当面は耕うんを行わないでください。今後の
対応については、情報が入りしだい、随時、提供していきます。
ウ実施した生産に関する記録については、記帳しておくようお願いします。
エ県では、3月29日に「福島県防霜対策本部」を設置しました。今後は、凍霜害の危
険性が高い時期に入りますので、防霜対策をお願いします。なお、福島県のホームペ
ージに「凍霜害等気象災害防止対策」を掲載しましたので、参照して下さい。
URL
http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/04toku_joho/tousougai_taisaku_h230329.pdf
(2)水稲
ア水稲育苗(種子予措、浸種作業、播種、育苗)の各作業行程を見直し、田植えを遅
らせても良いように計画してください。
イこのため、水稲の播種作業を遅らせる必要があります。塩水選や浸種作業は播種時
期に合わせて計画してください。
ウ平年における県内水稲の播種及び田植えの終期は表1のとおりですので、この時期
を目安に播種作業を計画してください。

エ浸種を開始していた場合の対応策

● 浸種を中断し、軽く水切りを行い、ビニール袋に入れ、JA等の大型冷蔵庫など
で5℃前後に保ちます。この方法では約2週間は保存が可能です。
なお、JAによってはこのような施設が無い場合もあるので、このような方法を
とる場合は、可能かどうかあらかじめJA等に相談してください

■茨城県地震及び原発事故に伴う茨城県農産物の技術対策について(第1報)
茨城県農政企画課

公開日  2011年3月29日

このたびの東北地方太平洋沖地震及び東京電力福島第一原発事故により本県農産物に大きな被害や影響が及んでいます。これらの被害や影響を少しでも軽減できるよう技術対策をとりまとめましたので、今後の営農に活用ください。
 なお、今後、情報の集積状況などに応じて順次更新してまいります。

水稲

地震災害対策

 地域によって状況が異なりますので、水田への通水時期については、土地改良区と調整のうえ、浸種作業を行ってください。
(1)田植えの遅延対策について
 既に浸種が始まっている場合、種子の保存や苗の劣化を防止する技術を組み合わせることにより、1ヶ月近く田植えを遅らせることができます。
ア 浸種の中断と保存方法
次のいずれかの方法により播種時期を遅らせることができます。

  • 種籾をビニール袋などに入れて冷蔵保存するか(2週間程度有効)、又は氷水に浸したままで低温に保ちます(1週間程度有効)。
  • 種籾の入った網袋を広げて陰干しします(1週間程度有効)。

 なお、1日程度の浸種ならば乾かしても問題ありません(1ヶ月程度有効)。
イ 田植え作業を10日程度延期するための育苗管理

 5月上旬の田植えを10日程度遅らせると、育苗後期に葉が黄化してきますので、1箱当たり2.5~5gの硫安を追肥します。
ウ 移植時期と収量の関係について
○あきたこまち
 4月下旬の田植えに比べ、5月中下旬の田植えでも5パーセント程度の減収に抑制できます。
○コシヒカリ
 5月上旬の田植えと比べ、5月下旬で5パーセント程度の減収に抑制できますが、6月下旬でも密植にすれば15から20パーセント減収にとどまります。
(2)液状化等被害水田の対策について
ア 被害程度が小さい場合

  • 田面の高低差が10cm未満なら、代かきによる均平作業で修正できます。
  • 液状化をおこした圃場では、噴砂を表土と混合します。整備後に土壌診断を行い、土壌改良資材や肥料を施用します。

イ 被害程度が大きい場合
 高低差が10センチメートル以上ある圃場では、レーザーレベラー等による再整備が必要になります。
(3)塩害軽減対策について

 海水の流入した水田は、灌漑水で湛水と落水を数回繰り返し、塩類を洗い流します。さらに、代かきをしてから落水すると、除塩効果が高まります。

野菜

地震災害対策

(1)燃料不足への対応

  • やむをえず設定温度を下げる場合は、カーテンを午後早めに閉めるなど保温に努めてください。
  • 暖房機の設定温度を変える場合、変更は徐々に行い、作物のストレスを和らげてください。

(2)草勢の回復
 地震後、草勢は回復しつつありますが、果菜類ではこまめな収穫を行い、着果負担を軽減するとともに、必要に応じて液肥の葉面散布を行ってください。

原発事故対策

(1)共通事項

  • 植え付け時はなるべくマルチを利用し、野菜への土の付着を少なくします。
  • 出荷調製時には、野菜に付着した土やほこりを良く取り除き、可能な場合は洗浄してください。・さらに、葉菜類については、外葉をできるだけ取り除いてください。

(2)施設野菜
 換気は最小限にとどめてください。ただし、換気を少なくすると施設内の湿度が高まり、灰色かび病が発生しやすくなるので、湿度管理には注意してください。
(3)露地野菜

  • 粉じん等を避けるため、なるべくべたがけ資材を利用してください。
  • 収穫中は、収穫物をほ場に長時間放置せず、屋内の施設に取り込んでください。

出荷自粛を求められた作目(ホウレンソウ、カキナ、パセリ)の廃棄方法について

○出荷自粛を求められている野菜の廃棄は、当面、次の方法により行ってください。

  • すきこみや焼却は行わないでください。
  • すでに刈り取ったものは1箇所に集めて保管してください。
  • まだ刈り取っていないものは、そのまま放置してください。

畜産

地震災害対策

(1)構築物の破損への対応
 畜舎の周囲や餌タンク、堆肥舎等の構造物について、傾斜や破損・亀裂、機能上の障害の有無を確認し、補修の必要な箇所がある場合は応急措置を行ってください。
(2)給与飼料等の切り替え上の注意
 配合飼料等の切り替えが必要な場合は、給餌飼料の急変が家畜へ悪影響を及ぼさないよう徐々に給与割合を変更するなど注意してください。

原発事故対策

(1)放牧
 放牧は、当面の間、行わないでください。
(2)飼養管理上の注意

  • 乾牧草(サイレージを含む)を給与する場合は、事故の発生前に刈り取り、保管されたもののみを使用してください。
  • また、事故の発生時以降も屋内で保管されたものを使用してください。
  • 屋外で保管されたものはラップ等の包材により外気と遮断されたものを使用してください。これらを使用する際は、包材の外装を念のため布でふきとったり、水洗いするなどしてから包材を開けてください。
  • 家畜の飲用水については、井戸水や水道水を利用するほか、貯水槽にふたをするなど降下する粉じんなどの混入を防止してください。

出荷自粛を求められた原乳(生乳)の廃棄方法について

  • 出荷自粛を求められている原乳(生乳)の廃棄は、当面、自己所有地に集中的に埋設してください。
  • なお、廃棄に窮する場合には、産廃施設での処分のほか、「急速乾乳法(一発乾乳法)」により乾乳を行うことを念頭に置いてご相談ください。

その他

  • 当面作付け予定のない農地は耕耘・整地などの作業を控えてください。
  • 生産、販売、廃棄に関する記録については、記帳しておくよう注意してください。

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■現在の空間放射線測定値状況状況
放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

自分と家族の安全は自分で守ること、これが原則です。デマにまどわされず、自分で自分と家族の身を守りましょう!

*単位はナノグレイ/時ですのでマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。

■茨城県放射線測定モニタリングポスト位置Hp10tizu_2

2011年04月04日 05時50分現在の空間放射線測定値状況状況
測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 266 西北西 2.2
東海村豊岡 248  西  1.9
東海村舟石川 143 北北西 3.1
東海村押延 199 北北西 1.5
東海村村松 215 北北西 1.3
那珂市横堀 153 北東 1.2
那珂市門部 214 北北東 0.5
那珂市菅谷 134 北北西 1.4
那珂市本米崎 173 ---- ----
那珂市額田 138 ---- ----
那珂市鴻巣 174 カーム カーム
那珂市後台 187 ---- ----
那珂市瓜連 131 ---- ----
ひたちなか市馬渡 280 北北西 3.1
ひたちなか市常陸那珂 369 東北東 1.9
ひたちなか市阿字ヶ浦 233  北  2.5
ひたちなか市堀口 474 西北西 0.6
ひたちなか市佐和 267 ---- ----
ひたちなか市柳沢 235  北  1.9
日立市久慈 362 カーム カーム
日立市大沼 348 北北東 0.9
常陸太田市磯部 184  西  1.9
常陸太田市真弓 126 ---- ----
常陸太田市久米 94 カーム カーム
常陸大宮市根本 132 北北西 0.6
大洗町大貫 285 北西 1.4
大洗町磯浜 236 ---- ----
鉾田市造谷 338 北西 1.4
鉾田市荒地 285 北北西 1.5
鉾田市田崎 227 ---- ----
鉾田市樅山 457 ---- ----
鉾田市上富田 193 ---- ----
鉾田市徳宿 206 北東 0.6
茨城町広浦 339 北北西 2.0
茨城町海老沢 226 北北西 0.9
茨城町谷田部 161 ---- ----
水戸市吉沢 145  北  0.8
水戸市大場 166 北西 2.1
水戸市石川 172  北  2.6
三菱原燃 113 ---- ----
原燃工 311 ---- ----
空間線量率(nGy/h)    風速(m/s)

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Ganbare

2011年4月 3日 (日)

毎日自分の住む地域の放射線測定値をチェックよう!

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毎日自分の住む地域の放射線測定値をチェックしよう!

わが茨城県は福島第1原発の風下に位置します。冬場の風向きは北方から吹くために、福島第1原発の重大事故による放射性物質の飛散を大きく受けています。

茨城県は福島第1原発から北の県境でわずか約60㌔の距離しかありません。もっとも離れている県南でさえ200㌔弱です。

たとえば、福島第1原発2号機が水素爆発した3月15日午前6時には、県北の東海村石神でそれまでの放射線量が6時00分に0.727マイクロシーベルト(μSv)/時(以下単位は同じ) だったものが、わずか50分後の6時50分には一気に3.8倍の0.2823にはね上がり、1時間30分後の7時30分には0.3032、更に2時間10分後には0.3102に達しました。

県南は150㌔圏を超えていますが、鉾田市上富田の記録では15日0時10分に0.42だった数値が、事故後1時間50分後の7時50分には0.3389となりました。
*3月15日以降の各測定局における空間線量率は下記からご覧になれます。
 
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html

実に約6時間で80倍に放射線量が増加したことがわかります。

ちなみに東北と関東甲信越の放射線最大値(3月29日9時から30日9時)は以下です。東北各県より茨城県の数値が高いことがお分かりいただけると思います。

自分と家族の安全は自分で守ること、これが原則です。デマにまどわされず、自分で自分と家族の身を守りましょう!

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今後の福島第1原発の状況は予測がつきません。おそらくは数年がかりの大変な作業になることは確実視されています。

特に私たちが警戒しなければならないことは、福島第1原発の使用済み燃料棒の融解から発生していると思われるプルトニウム238の飛散です。

現状では原発敷地内のみの検出にとどまり、自然界に存在する量を超えていませんし、通常ではプルトニウムは非常に重い物質なのでヨウ素やセシウムのように遠くまで飛散する可能性は低いと思われています。

しかし今後仮に、水素爆発が再度起きた場合には予断を許しません。万が一そのような事故が起きた場合には、下記の茨城県放射線モニタリングポストを調べて下さい。自分の地域のモニタリングポストは下の配置図から探して下さい。

放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

●参考【プルトニウムとは何か?山崎記者の徹底解説】NHKhttp://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/100/76383.html

■2011年04月03日 05時40分現在の空間放射線測定値状況状況

*単位はナノグレイ/時ですのでマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。

測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 276 北北西 3.4
東海村豊岡 257 北北西 1.2
東海村舟石川 147 北北東 2.7
東海村押延 206  北  2.4
東海村村松 224 北北西 1.5
那珂市横堀 159  東  0.8
那珂市門部 224 北東 0.9
那珂市菅谷 138 北東 2.4
那珂市本米崎 180 ---- ----
那珂市額田 144 ---- ----
那珂市鴻巣 183 北北東 0.8
那珂市後台 195 ---- ----
那珂市瓜連 135 ---- ----
ひたちなか市馬渡 289 北北西 2.8
ひたちなか市常陸那珂 384 東北東 1.6
ひたちなか市阿字ヶ浦 244  北  3.0
ひたちなか市堀口 490 北北東 2.1
ひたちなか市佐和 278 ---- ----
ひたちなか市柳沢 242  北  3.2
日立市久慈 375  北  1.0
日立市大沼 361 北北東 2.5
常陸太田市磯部 195 北北東 1.4
常陸太田市真弓 130 ---- ----
常陸太田市久米 95 北北東 3.4
常陸大宮市根本 137  東  0.4
大洗町大貫 296 北北西 1.9
大洗町磯浜 242 ---- ----
鉾田市造谷 351 北北西 1.9
鉾田市荒地 297 北北西 3.0
鉾田市田崎 235 ---- ----
鉾田市樅山 471 ---- ----
鉾田市上富田 199 ---- ----
鉾田市徳宿 211 北北東 1.3
茨城町広浦 355 北北東 2.3
茨城町海老沢 233 北北東 0.9
茨城町谷田部 166 ---- ----
水戸市吉沢 149 北北東 3.0
水戸市大場 171  北  1.2
水戸市石川 177  東  1.0
三菱原燃 116 ---- ----
原燃工 324 ---- ----
空間線量率(nGy/h)    風速(m/s)

■茨城県放射線測定モニタリングポスト位置Hp10tizu_2

共にがんばろう、東北!

Ganbare

2011年4月 2日 (土)

新潟大学農学部の野中昌法教授  土壌に吸収された放射性物質について

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本日は有機農業研究会に寄せられた新潟大学農学部の野 中昌法教授の今回の放射性物質の土壌残留問題についてのメールを転載いたします。

私のコメントは別途することにしますが、放射性物質はいったん土中に吸収されると極めて除去がやっかいな物質であることがわかります。

もはや今月や来月の終結はありえません。まずは各々の畑や牧草地の放射性物質の検査ですが、どのような方法でやるのかの方法やルール作りが早急に必要です。

農水省は補償補償と気休めに叫ぶより、このような政策を一日も早く作るべきです。また今回の原発事故による退避、被害、復興に関する包括的な特別措置法を策定し財源を明らかにすべきです。

野中先生の知見を読む限り、春の種まきはむしろ危険なことになります。耕起してしまって、地表の放射性物を土中の深い所に入れる可能性があるからです。

現在ある作物は収穫せずにそのままにして、地表表面をシートかマルチでびっしり覆ってしまうしかなくなりました。

検査をするにしても、未だ放射性物質の放出が続いているわけで、今検査しても、明日はどうなるか判りません。

稲作も農業用水中の放射性物質の問題も重なるので、そうとうに難しくなりました。

もう今日明日の問題ではなく、したがって風評被害だけの問題でもなく、年単位の対策と考えて腹を決めておくしかなくなりそうです。

まさにミゼラブルです。

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野中です。土壌学が専門なのでその観点から記載します。また、環境汚染物質化学と言う講義でチェルノブイリや核種による環境汚染問題を話しています。

飯舘村(注 福島第一原発北西約40キロ・メートル地点)を始めとする放射線核種による土壌汚染問題ですが、先日新潟日報の取材があり論説に掲載されますが、 その要旨を述べます。

1950年代から1960年代においてソ連、アメリカ、中国等の原水爆実験で日本には多くの核種が落ちてきました。

そのころ、新潟大学土壌学研究室も含めて土壌中の挙動と作物への影響について研究が行われました。

東大の研究も含めてのその当時からの知見の紹介です。

①ヨウ素131はガンマー線ですが、半減期は8日ですので、土壌への長期蓄積はありません。現在の汚染は降下物としての農作物への付着だけです。

②セシウム137はガンマー線ですが、半減期は30年です。土壌中では水には溶けにくく、土壌中に50~70%保持されます。土壌中では動きにくいですが、カリウムがあると置換されやすく、作物への移行を抑制できます。

原子の周期表ではカリウムとセシウムは同じ第1族で挙動が似ています。土壌中では表層土壌に蓄積すると考えられます。

体内から排出されやすいと言っていますがガンマー線ですので細胞や染色体に影響を与えることに変わりはありません。

③ストロンチウム90はベータ線で、半減期は28年です。今回測定値が発表されませんが、必ず出ています。何故発表できないかといううとマスコミ等で話題になっていますが、ベータ線は測定に時間がかかるからです。

ストロンチウムは同じ2族のカルシウムと置換されやすいです。したがって、土壌中ではカルシウムがあると作物への吸収は抑制されます。また、土壌の中で20~30%が水に溶けて、下層土壌への移行と作物への吸収がセシウム137と比べて1桁大きいです。

人間の体内に入るとセシウムより危険です。なぜなら、カルシウムと同じ挙動を示すので、カルシウムと交換して骨に蓄積してベータ線を出し続けます。骨細胞を破壊してガンになり易くなります。

畑作物の場合、土壌中に蓄積したセシウム137の吸収率は0.05%以下と考えられますが、イネの場合は湛水状態で0.1%~1.0%程度まで高くなるようです。

ただし、先にも書きましたが土壌中のカリウムイオンと置換されて、カリウムがセシウム137の作物への吸収を阻害すると考えられます。有機物を投入した土壌でもセシウム137の吸収を抑制する作用があると思います。

ストロンチウム90はセシウム137と比べて、作物への吸収量は一桁多くなるようです。この吸収も土壌中の有機物で抑制できる可能性は大きいです。

稲作の場合、土壌中の核種だけでなく、農業用水に含まれる核種も問題となります。活性炭・ゼオライト等である程度、除去可能かと思いますが、
  
また、現在大気中から降下してくる核種は植物に付着させて、土壌中への蓄積を少なくすることが大切です。また、土壌を耕起しないことも大切です。セシウム137は土壌表層だけに蓄積していると思いますので、また、その際、人間が呼吸で内部被ばくします。

チェルノブイリでは菜の花で植物除去を行っていますが、これも栽培する時と収獲で人間が内部被ばくするかも知れませんので反対です。チェルノブイリでもストロンチウム90が高濃度で蓄積しています。
 
セシウム137とストロンチウム90が土壌に蓄積した場合、土壌の入れ替えしかないと思いますが、どの程度で入れ替えが必要か今後の課題です。

また、森林土壌に上記2核種が蓄積した場合、きのこに濃縮蓄積されやすいのできのこ栽培ができなくなります。きのこは食べられないでしょう。

更に、牧草地では地上部に蓄積させて刈り取り除去をすることしか手がないと思います。

IAEAの飯舘村のデータはヨウ素131と聞いています。今後、土壌中のセシウム137と共にストロンチウム90にも関心を示してください。

汚染土壌の分布は風向き、地形により異なります。飯舘村でも場所により汚染の程度が異なるはずです。きめ細かなモニタリングで安全である場所と汚染場所の詳細な情報を公開して飯舘村全域や福島県全域が汚染されているような情報を出すことは良くないと思います。

これから農作業が始まる時期になり、私たちにできることはなにか?
中越地震の時、原発が火事なっただけで、柏崎の有機栽培農家は風評被害で2年間苦労したと話していました。
私たち消費者も含めて皆さんで、真剣に考えましょう。

       

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■来週中に出荷制限の解除方法があきらかになるようです。今頃になってなに言ってやがるです。解除方法のルールも決めずに出荷禁止を全県的に言い渡し、福島、茨城の農業を地獄に突き落とした反省の弁を言ってからにしていただきたいものです。

日本農業新聞(4月2日)によれば、筒井農水副大臣は3月31日に以下の発言をしています。
「たとえば1週間に1階検査して、3回続けて下回ったら安定的に下回といえる可能性は出てくる」。

農業者はこんな寝ぼけた解除方法の設定などより、どうやって今を生きるか、もし放射性物質が残留していたらどうしたらいいかで夜も寝られないのです。

■茨城県環境放射線監視センター
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

単位は空間線量率を図る単位であるナノグレイ(nGy/h)    風速(m/s)です。

非常に面倒なのですが、1nGy/h(ナノグレイ/時間)=1nSv/h(ナノシーベルト/時間)=1000nSv(ナノシーベルト)=1μSv(マイクロシーベルト)=0.001mSv(ミリシーベルト) ですから、政府、東電発表の単位であるマイクロシーベルトに換算するには上の換算式によって下さい。

たとえば、下の表で「東海村石神 292」とあるとすればナノグレイ/時ですから、マイクロシーベルトにするには、それを1000分の1にして「0.292マイクロシーベルト」となります。

ちなみに今まで測定された放射線の最大値は、下の切り抜きの図表をご覧ください。
29日午後3時の福島第1原発に西門で137.8マイクロシーベルトです。わが茨城県では0.221マイクロシーベルトが最大値です。

これは福島県の30日午前8時の最大値3.32マイクロシーベルト、避難指示の出ている浪江市の29日午前10時57分の43.0マイクロシーベルトに桁が違いますが次ぐものです。

福島県の北の宮城県は0.16マイクロシーベルト、北西の山形県で0.068マイクロシーベルトです。

いかに放射性物質が北からの風で風下のわが茨城県に降ったのかお分かりいただけると思います。

茨城県民がご覧になる場合は、下の自分の住む場所の近くの測定ポイントで見て下さい。私たち茨城県民が注意せねばならないのは、福島第1原発からの風下に当たる北および北西風、北北西からの風向きです。

■2011年04月02日 06時00分の現在の空間放射線測定値状況
(毎朝更新しています。)

*単位はナノグレイ/時ですのでマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。県ももっとわかりやすく表示しろよな!

測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 292  西  2.4
東海村豊岡 270 西南西 1.7
東海村舟石川 154 西北西 2.0
東海村押延 222 西南西 0.8
東海村村松 234 西南西 1.7
那珂市横堀 166 北北西 1.1
那珂市門部 237 西北西 1.5
那珂市菅谷 147  西  0.8
那珂市本米崎 191 ---- ----
那珂市額田 152 ---- ----
那珂市鴻巣 192 カーム カーム
那珂市後台 204 ---- ----
那珂市瓜連 143 ---- ----
ひたちなか市馬渡 302 西南西 1.4
ひたちなか市常陸那珂 401 北北西 2.1
ひたちなか市阿字ヶ浦 256 西北西 1.9
ひたちなか市堀口 513 カーム カーム
ひたちなか市佐和 292 ---- ----
ひたちなか市柳沢 254 西北西 1.6
日立市久慈 391  西  2.8
日立市大沼 376 西南西 0.9
常陸太田市磯部 205 西南西 1.8
常陸太田市真弓 137 ---- ----
常陸太田市久米 101 北北西 1.2
常陸大宮市根本 145 北北東 0.5
大洗町大貫 309 南西 1.0
大洗町磯浜 254 ---- ----
鉾田市造谷 367 カーム カーム
鉾田市荒地 310 西南西 1.7
鉾田市田崎 248 ---- ----
鉾田市樅山 492 ---- ----
鉾田市上富田 205 ---- ----
鉾田市徳宿 220 南南西 0.6
茨城町広浦 373  西  0.8
茨城町海老沢 243 南南西 0.9
茨城町谷田部 174 ---- ----
水戸市吉沢 156  西  1.3
水戸市大場 179 北西 1.3
水戸市石川 184 東北東 0.4
三菱原燃 121 ---- ----
原燃工 342 ---- ----

_edited1                   (図表 産経新聞より転載)

一緒にがんばろう、東北!

Ganbare

         

2011年4月 1日 (金)

風評被害、春蒔きと米作りの不安、そして福島第1原発は長期化する・・・茨城農業の嘆きと怒り

Photo

今、どのような「技術対策」が県の農水部からおりているのかおわかりでしょうか。

まず野菜では、
①作物の土の付着をすくなくするために植え付け時にマルチを使うこと。
②出荷調整では土やほこり、葉物類の外葉をできるだけ取り除き、可能なかぎり洗浄すること。

栽培方法としては、湿度管理に気を付けながら、寒気を最小限にすること。
露地栽培では、ベタがけ資材を使うこと。

畜産においては、
①給餌するサイレージは原発事故前に刈り取り、保管してあったものだけを使うこと。
②出荷自粛を求められている原乳は当面のあいだ自己所有地に廃棄すること。

水稲は、地域で被曝状況が異なることから、土地改良区と相談して浸種作業を進めること。田植えを遅らせる方法として、趣旨の保存や苗の劣化を防ぐ技術を公開する。

・・・まるでわが県は「空気と土に触れない農業」を目指すようです。未だかつてわが国でなかった土との接触を最小限にし、空気とも極力触れさせない農業をしろ、というわけです。

農業は、古来から土と空気と水の三要素で成立してきました。県農水部はさすがにまだ水はなにも指示していませんが、怖いからしないだけでしょう。水からも浄水場で出た以上遠からず出ます。

となると土、空気、水の農業の根幹三要素から遮断された農業をやれと!しかもすべての茨城県内の畑で無期限に!

現在、さすがの農水省も事態のあまりの展開に重い腰を揚げ始めて、筒井副大臣は「出荷禁止を県単位からもっと細かく規制する方向」を国会答弁しました。

そんなことは当たり前です。なにを今さら。遅い、まったく遅い!

ほうれんそう、パセリ、原乳を破棄し、茨城県産、福島県産の農産物がタダ同然で投げ売られるような事態は既に22日から始まって既に10日間以上経過しているのです。

10日以上たって今さら「出荷規制をもっと細かく見直す」ですか!寝ぼけるのもいいかげんにしろ!

茨城と福島を中心とする農業者は今、断崖絶壁の淵にいます。なぜでしょうか?
それは野菜の春蒔きのシーズンが終わりかかっているのに、蒔けないからです。どんなに引っ張ってもあと1週間前後。これを過ぎると初夏前後の出荷野菜は完全になくなることになります。

水田などは待ったなしで半月中に結論を出さねばなりません。結論・・・そうです、今年のコメをやるかやらないかの土壇場の決断です。

今この4月初めに水田を耕し、パイプラインを点検して水を入れる準備をせねばなりません。本来は3月中の仕事だったのです。そして冬から始まっている苗作りも進行し続けています。ほんとうに掛け値なく待ったなしなのです。

ところが昨日に検証したように、3月15日の福島原発2号機水素爆発で降り注いだ放射性ヨウ素と放射性セシウムは作物や原乳はおろか、土壌そのものまで浸透してしまっています。

ヨウ素は半減期が8日間ですから速やかに分解していきます。しかし問題はセシウムです。体内からは70日間で排出されますが、半減期は30年間です。30年間!オレは90のジジィでとっくにくたばっとるぞ(笑い)。

そして私が知る限り土壌については、どこまでが安全なのかの安全基準値がありません。今農水省で遅ればせに土壌から作物へ放射性物質が吸収されるのかを算出しているそうですが、暫定基準値を発表した厚労省との詰めもあるのでしょうから、たぶん難航しますね。

とうていこ数週間でどうにかなることではありません。

何よりかんじんな放射性物質を出す元凶の福島第1原発の重大事故が解決されていません。それはいつになるのか、早期解決という線は枝野官房長官自身が否定しました。となると、数カ月なのか、それとも半年なのか、1年なのか、まったく見えなくなりました。

放射性物質を出し続ける元凶が封印されないまま、新たな基準値を策定すること自体が意味のないことです。策定した瞬間、今度はプルトニウムを含んだ水素爆発でもやられれば・・・ああそんな悪夢は考えないことにしようっと。

私たち農業者は原発が存続しようとしまいと、そりゃないにこしたことはありませんが、あまり関心がありません。

それより目先の春に種が蒔けるのか、雛を入れていいのか、繁殖の牛豚を導入していいのか、米を作っていいのか、ということで頭の中が一杯です。

米を作っている友人に聞くと、改良区の区長は自主判断に任せると言ったそうです。大震災でパイプラインが地中で寸断された上に、ため池にも日々が入って水が溜まらず、そしてそれを大車輪で修繕したとしても、県の役人に「はいあなたの田んぼからセシウムが出ました。作っても出荷できませんよ」と言われればジ・エンドです。

友人は「農水省は今年も減反するのかな、したら大笑いだ」と言って初めて笑いました。

野菜も牛、豚、鶏も皆んなそうです。放射性物質の飛来がわが県に続く中、いつ何時「県内のドコソコで検出されました。明日から全県で出荷停止です」とやられるかもしれません。

ああ、家畜伝染予防法が懐かしい!仮に伝染病が発生したとしても、当該農場から半径5㌔か10㌔程度の移動制限禁止で済んだのですから。放射性物質の暫定基準値の取り扱いは、一カ所ででれば全県でストップです。

しかも暫定基準は、止めた後の発生動向調査に替わる土壌調査や作物調査は行われないのですから、解除の期限のめどがない無期限ということです。

まぁ仮に解除期限を設定したとしても、発生源は福島第1原発ですからあそこを止めない限り未来永劫にわたって出荷禁止は続くわけですが。

空気、土、水に触れさせることなく栽培しろと命じられ、県内のどこかで出れば出荷禁止。その解除規定すらなく、当然解除期間も設定されておらず、今もなお頭上に福島第1原発からの風下の風を浴び続けて、風評被害で投げ売りをして食いつないでいる、それがわが県の農業のただいま現在の姿です。

原発政策の今後などどうでもいい。さっさと福島第1を冷やせ!
そして石棺に永久に葬ってしまえ!

*なぜか右端が切れてしまいました。直りません。
 おぎなって読んで下さい。すいません。 

 

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

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■2011年04月01日 05時50分現在の空間放射線測定値状況状況 (毎朝更新しています。)
茨城県環境放射線監視センター

http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

単位は空間線量率を図る単位であるナノグレイ(nGy/h)    風速(m/s)です。

非常に面倒なのですが、1nGy/h(ナノグレイ/時間)=1nSv/h(ナノシーベルト/時間)=1000nSv(ナノシーベルト)=1μSv(マイクロシーベルト)=0.001mSv(ミリシーベルト) ですから、政府、東電発表の単位であるマイクロシーベルトに換算するには上の換算式によって下さい。

また「カーム」は風速、風向きが静穏な状態を指します。

茨城県民がご覧になる場合は、下の自分の住む場所の近くの測定ポイントで見て下さい。私たち茨城県民が注意せねばならないのは、福島第1原発からの風下に当たる北および北西風、北北西の風向きです。

*単位はナノグレイ/時ですのでマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。

測定局(グラフ表示) NaI線量率
nGy/h
風向 風速
m/s
東海村石神 304  西  2.3
東海村豊岡 283  西  2.0
東海村舟石川 159 北北西 1.0
東海村押延 234 西北西 1.0
東海村村松 243 西北西 1.5
那珂市横堀 176  北  1.3
那珂市門部 249 西北西 2.8
那珂市菅谷 153 北西 0.4
那珂市本米崎 200 ---- ----
那珂市額田 159 ---- ----
那珂市鴻巣 200 西北西 1.0
那珂市後台 213 ---- ----
那珂市瓜連 148 ---- ----
ひたちなか市馬渡 314 西北西 1.5
ひたちなか市常陸那珂 419  北  1.8
ひたちなか市阿字ヶ浦 264 西北西 1.4
ひたちなか市堀口 534  西  0.6
ひたちなか市佐和 303 ---- ----
ひたちなか市柳沢 265 西北西 1.4
日立市久慈 408 西北西 2.2
日立市大沼 391  西  1.0
常陸太田市磯部 214  西  0.9
常陸太田市真弓 143 ---- ----
常陸太田市久米 104 北北西 1.1
常陸大宮市根本 151 北西 1.4
大洗町大貫 324 西北西 1.6
大洗町磯浜 263 ---- ----
鉾田市造谷 382 西北西 0.5
鉾田市荒地 321 北西 2.9
鉾田市田崎 256 ---- ----
鉾田市樅山 512 ---- ----
鉾田市上富田 213 ---- ----
鉾田市徳宿 227 カーム カーム
茨城町広浦 392 北北西 1.4
茨城町海老沢 254 カーム カーム
茨城町谷田部 180 ---- ----
水戸市吉沢 161  西  0.8
水戸市大場 185 カーム カーム
水戸市石川 193 北北東 1.1
三菱原燃 125 ---- ----
原燃工 360 ---- ----

茨城県放射線測定モニタリングポスト位置

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