今、私たち福島県と茨城県の農民は放射能という「津波」に呑み込まれています
私たち福島県と茨城県の農民は、大震災の後に来た放射能という「津波」に呑み込まれています。
昨日、ある酪農をしている農家に行ったところ見るも無残な光景がありました。
それまで丁寧に磨き上げるようにしていた床は糞が大量に溜まり、牛はわずか数頭を残すのみとなっていました。
この牧場の主人は牛としゃべれるというの自慢で、いつも何事かを話しかけながらブラシをかけたり、乳房を拭ってやっていたものでした。
オレの畜舎はおかァとケンカしてもここで寝られるという自慢をするくらい清潔で、どんなに多忙でも畜舎の掃除を怠ったことはありませんでした。
乳質の向上にも熱心で、わざわざ福島の競りでジャージ種を落としてトラックに乗せて帰ってきた時には子供のようにはしゃいでいました。トリ屋の私までジャージー様歓迎式典にお呼ばれして牛見の酒を飲んだものです。
牧草の作付けにも熱心で、村の休耕地があればせっせと牧草を植えては大きな牧草ロールをたくさん積み上げていたものです。
輸入藁を飼うのは恥だと思っていたのではないでしょうか。オーストラリアあたりの畜産家がみれば笑ってしまうような小規模でしょうが、牧草地には青々とした牧草が茂っていました。
彼の自慢はこの牧草地と牛でした。
後継者も育ち拡大しようとする矢先に、あの忌まわしい原発事故が起きました。牛乳は出荷停止となり、絞っては牧草地に捨てることになったのです。
放牧は放射性物質が残存している可能性があるとされて禁止になりました。放牧地は原料乳の単なる廃棄場と化したのです。
乳を絞らないと牛が苦しがります。毎日絞っては捨てる。捨てるために絞る。
そして餌代だけが静かに溜まっていきました。息子は出稼ぎに行き、老いた父親だけが残りました。そして絞っては捨てる・・・。
地震は一過性です。余震は毎日数回来ますが、もうなれっこになりました。
ほんとうに恐ろしいのは放射能です。いつまでも続く、どこまでものしかかるように私たちの上に垂れ込める暗雲のような放射能です。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
安全、安全とオウム返しに言うだけの政府は信用できません。
デマにまどわされず、自分で自分と家族の身を守りましょう!
毎日自分の住む地域の放射線量をチェックしましょう!
■現在の茨城県の空間放射線測定値状況
毎日更新しています!
●放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
*単位は空間放射線量を計る単位のナノグレイ/時ですので、人体に対する放射線量を測定するマイクロシーベルトにするには1000分の1にしてください。
ですから、たとえば「東海村石神 266」とあれば、0.266マイクロシーベルトということになります。
*ちなみに避難指示がでている50㌔圏の福島県浪江町では3日午前10時に32.7マイクロシーベルトです。事故の影響のない山梨県では同じく0.044マイクロシーベルトです。
浪江町について。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000005-maip-soci
*茨城県は全国一放射線測定に力を入れています。モニタリングポストの数も全国一です。自分の住む地域を下の地図で確認して直近のモニタリングポストの数値を見てください。
*「カーム」は風速、風向きが「静穏な状態」を指します。
*茨城県は福島第1原発の北方にあるために、北からの風に警戒してください。また西風は内陸部に、東風は海へと吹く風となります。放射性物質の飛散は、そのときの風量や風向きで微妙に変化するので、必ずしも県北が危険ということにはなりません。県南が高く出る場合もあります。
*降雨により空中に浮遊する放射性物質は降下してきます。
2011年04月06日 05時30分の状況 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
空間線量率(nGy/h) 風速(m/s) (出典Wikipedia) |
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コメント
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原子力安全保安院って、790人もいたんですね。しかも専門でもない官僚(外局)がほとんど。よく仕分けされなかったもんだと…。
学者組織の安全委員会と統合して監督力と権限を強化するそうで、
それはいいんですが、今回の様な事態に至ってから言われてもどうにもできないし。
現場で頑張ってる方々にお礼の気持ちとエールを送るしかできません。
畑も田んぼも酪農もダメ。漁業もダメとは…。
これでまた、「毒菜」とまで呼ばれてパニックを起こした野菜が輸入されてくるんでしょうね…。
投稿: 山形 | 2011年4月 6日 (水) 07時04分
搾った牛乳を廃棄する心情は痛いほど分かります。
それも、治療牛の牛乳を誤ってバルククーラーに入れてしまったとか、出荷出来ない牛乳ならまだしも、正常な生産物を廃棄するのは、いたたまれない事でしょう。放牧酪農を実践し夢と希望をもち、家族や地域の仲間に支えられながら築いてきた経営が、自己責任ではない所で、崩壊して行く・・・本当に残念だと思います。
北海道でも平成18年3月に乳業会社が「処理能力を超える」との理由で出荷抑制が行われ、私の町でも10日間で600㌧以上廃棄しました。私もその対応で苦労した経験があります。
十勝の3月は、まだ雪もあり且つ土壌凍結している為、畑に廃棄しても河川に流出し汚染してしまいますから、糞尿処理用のスラリータンクに投入し処理しました。(スラリータンク所有の生産者に協力してもらいました)
また、乳量を抑制する為に、早めの「乾乳」も行いましたが、後々牛の体調が崩れ、次の分娩後の乳量が低下する事は避けられませんでした。
「牛に迷惑をかけない」事を基本に取り進めるべきですが、避難指示地域や自主避難地域など、境遇は様々ですから、その対応も難しいのではないかと想像しています。
避難指示(自主避難)以外の地域に、獣医師などの専門家を派遣し、適正なアドバイスがもらえる様に対策する必要があると思います。
投稿: 北海道 | 2011年4月 6日 (水) 08時05分
こちらは先週までのガソリンパニックが嘘のように、日常が戻りつつあります。
ただ、あいかわらず「定番」じゃない商品が目立って多くて片寄ってます。
しばらくは混乱は続きますね。
太平洋側のことを思うと、これ以上贅沢は言えません。
濱田様、また連絡帳ですいません。
北海道様。
よつばの「十勝」がイオンで大量に入荷してました。
ウマー(^^)d
でした。
先程寒い駐車場で1リットル飲んじゃいましたよ。
もう1本はお持ち帰りです。
投稿: 山形 | 2011年4月 6日 (水) 19時40分
北関東及び東北の乳業会社が全面的に回復していない状況にあり、加えて原発関連で首都圏含めて牛乳不足が顕著になっています。関東生乳販売連合会(生乳取扱生産者指定団体)の理解を頂き、全農の要請で都府県送りが多くなっています。
消費者には中々理解されない事かも知れませんが、生産者団体でそれぞれに住み分けをしており、沢山牛乳を生産している北海道と言えど、勝手気ままに都府県に牛乳を送りだす事は出来ません。
大量に送り出すと、都府県の酪農家の経営を圧迫してしまう恐れがある為で、言いかえれば「縄張り」があります。
このような非常時には、地元の「生乳販連」の理解を頂きながら送りこむ・・・と言う事になります。
このような状況にならないと、「よつ葉乳業」の牛乳を味わっていただけないのは残念ですが、少しでも喜んでいただければ嬉しいです。
不足している状況の中では、どんどん美味い牛乳を生産しますので、味わってください。
本音はいつでも、どこでも北海道の牛乳を飲んで欲しいのですが、それが長期間になるという事は、府県の酪農家の再建が進んでいない事になりますから、複雑な気持ちも有るのが正直なところです。
でも、パック資材の不足によってアイテムによっては品切れになる可能性もある・・・と、乳業から連絡が来ています。
濱田様、掲示板に使って申し訳ないですが、山形様のコメ拝見して、嬉しくなりついついコメしてしまいました。
投稿: 北海道 | 2011年4月 6日 (水) 21時53分