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2011年5月 2日 (月)

農業者も自分と家族の安全のために放射能の土壌検査をすべきです

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さまざまなご意見ありがとうございます。
都市の消費者の皆さんが、特にお子さんをお持ちの親御さんが怖いと思うのはあまりにも当然だろう、と私も思います。

今Amazonあたりで見ると防災と放射能対策本の花盛りで、政府がまき散らしたこととはいえ、かくも浸透してしまった放射能汚染に対する恐怖は、一朝一夕にはなくならないと思います。

なにせ、JA福島の人たちが首相に風評被害対策を陳情した時に持ってきたきゅうりを、首相は「洗ってあるの、これ?」と言ったといいますから、首相自らもカイワレのようにワシワシとは食べたくないようです(苦笑)。

さて、野菜や畜産物の暫定規制値についてもう少しお話したほうがいいと思います。ことの発端はこれですから。

私は暫定規制値は役に立たないスカスカの網だと思っています。なぜでしょうか。それは、農業をまったく知らない厚労省のお役人が作ったためです。

暫定規制値は野菜や畜産物、海産物という「製品」にかけられています。牛乳がらみで牧草地も対象になっていますが、これは例外でだいたいが「製品」に対してです。

厚労省がつくるとどうしてもこのような食品衛生法的な網のかけ方になります。ここのどこがスカスカかと言うと、野菜が生えている下の「畑」を見ていないんですよ。

たとえばそうですね、今をときめくホウレンソウがあったとしましょう。ホウレンソウからすればときめきたくはなかったでしょうが、出荷規制はこのホウレンソウという「製品」にかけられます。

では、よくあることですが、畑に別な野菜が植わっていたらどうします。これも出荷規制の対象になるのでしょうか?

答え。キャベツがホウレンソウの横の畝にあったとしても、このキャベツは出荷規制の対象にはなりません。だって、キャベツは出荷規制対象外ですから。

もし万が一、放射性物質がこの畑に降っていたとしたらホウレンソウだけに選択的に降るなんて馬鹿なことはあるわけないですよね。とうぜんキャベツもヤバイわけです。

ほんとうに放射能(正確には放射線量)規制をかけるのならば、ホウレンソウもキャベツも同時に規制をかけなければ食の安全は担保できません。

農水省がこの暫定規制値を作ったのなら、こんなアホなものを作らなかったでしょうね。ところが農業のノの字も知らない厚労省が官邸の意向で一晩で作った哀しさでこんなハンチクなものが出来ちゃいました。

しかも当初の出荷自粛段階では、規制範囲を県単位なんてベラボーに広く取ってしまったために、わが茨城など南北に150㌔はあるような県など県北で出たために、100キロ離れた県南まで一括アウトです。

私は農水省が同じ暫定規制値を作ったのなら、たぶん畑単位にして、万が一検出されたのなら、そこから10㌔圏内を出荷規制の対象にして、規制圏内をサーベイランス(発生動向調査)していく方法をとったと思います。

そして検出された畑からの野菜や畜産物は廃棄処分とし、土壌の除染対策などの対策を施していきます。サーベイランスで別件が出れば、そこも同じです。

そして半減期が8日のヨウ素なら1週間ごとの検査でシロならば、規制を解除します。セシウムだと半減期が30年ちかいのでちょっとやっかいですが。

これは実は既に農水省管轄の家畜伝染病予防法に現実にある方法です。宮崎県口蹄疫でも使われたなじんだ手法です。

厚労省は工場からの食品などの規制に使う手法で農畜産物を捉えたので、こんなことになりました。

ここでもう一度お聞きしたいのですが、果たしてこんな暫定規制値で農産物の「安全」は担保できたのでしょうか?

ところがこのことを見逃したので、現実には茨城県産ホウレンソウの横に植わっているキャベツはオーケーになりました。都市の消費者の皆さん、これで安心ですか?

実は私こんなことを書くと同業者から「余計なこと書くんじゃない。また風評被害が拡がるだろうが!」とデコボコにされてしまいそうですが、本当に安心したかったら都市の消費者も農業者も「畑」、言い換えれば土壌を調べなければならないのです。

今、なぜこんな史上最大規模の風評被害が拡がっているのかといえば、それは都市の消費者がこの暫定規制値-出荷制限のいいかげさをどこかで感じているからです。

だから家庭の自主防衛に走って買え控えをしてしまうのです。それを東電の原子力広報官の枝野さんあたりが、「ただちに健康に影響はありません」などと言えば言うほど、消費者はホンマかいなと思って当然です。彼には大分国民は騙されていますしね。

私は土壌の放射線量測定をしろ、とくどいくらいに言っています。これはわが同業者から「余計なことを」と言われても主張し続ける気です。だって、ほんとうにセシウムあたりが自分の畑に降っていたら、本格的な除染を検討せにゃなりませんから。

この農業に降りかかった放射能被害を単に風評被害一般で片づけてはなりません。農業者もまた自分と家族の健康の自主防衛のためにすべきなのです。

そしてそれが消費者の安全を確保する最良の方法なのではないでしいうか。

■写真 山桜の咲く野良の道です。実はもう散ってしまいましたが。

パソコンが震災の時の衝撃で不調です。ひょっとして明日から更新が途絶えるかもしれません。(涙)。連休中なので、どうしようもないよぉ。

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

そうですね。農水省主導ならば農地を基本にして規制したはずです。
農業の補助金なども、作物に対してよりは反当いくらというのが得意な農水省が、こんな肝心な場面で主導してそうしないのか、全く呆れてしまいます。
土壌への汚染が現在進行形なので、極め細かく何度も検査しなければならないのですが、それは作物においても同じですから、言い訳にはなりません。

土壌検査に熱心でなく、作物の検査に重点を置く現状では、農家は作付けを自粛してしまいます。それは、首都圏での食糧不足をもたらすと思いますし、穿った見方ですが、自粛分への補償は複雑な査定が必要となると思うので、東電や国の何らかの魂胆があるような気がしてやみません。

①暫定基準値を決めて発表した国と原因となった東電は十分な補償を行う事。(風評被害も含めて)
②国は圃場毎に土壌の検査を速やかに行い、その数値を公表する事。
(県単位で網をかける様な乱暴で常軌を逸した事は有り得ない)
③問題のある圃場に関しては、速やかに対応する事。
(除洗や土壌の入れ替えなど)
④農業者(漁業者)の身体に対する影響調査(検査)を速やかに行う事。加えて将来にわたって定期的な追跡調査(検査)を国や東電の責任で行う事。
(当然農業者に限らず避難地域は勿論三県内の住民全て対象とする事)
⑤収穫された農・畜・水産物の検査実施。
(海洋は流れによって何処に、どの様に汚染されているか分からないし魚の動きも分からない為、水揚げ毎に検査実施)
⑥全ての調査(検査)結果は速やかに公表する事。
⑦消費者の求める安心・安全の担保可能な正確な情報提供を行う事。
⑧消費者も放射線に限らずゼロリスクは有り得ないと言う事を理解する事。
(限りなくゼロに近く・・・は理解できる)
取敢えずこんな感じかな?

私は安全を担保する為にいくらお金がかかっても良い・・税金でも電気料でも払う・・・とする昨日のコメには賛成できません。
許容できるリスクと許容できるコスト負担があります。それは個人毎に基準は違うものだと思います。
極論ですが、ゼロリスクだったとしても大根1本1万円、ホウレンソウ100g1万円なんて出せません。
高負担でもリスクゼロを希望するなら、買えば良いし、ここまでのレベルなら安全ですよ・・と言われている基準以下なら目くじらを立てる事でも無いでしょう。

今後、三県の平均寿命と他都道府県の平均寿命なんて
調査を継続して行けば、何か分かるかも知れませんが・・・・それまで農業者も漁業者も待てませんしね。
とにもかくにも、原発を落ち着かせる事と同時に避難者と一次産業の人たちに対する対応が優先課題だと思います。

首都圏が食糧不足に陥ったら・・・と考えると背筋が寒くなります。10時間前後の停電でさえあの混乱ですし、計画停電でも大きな影響が出ました。
中期的には、関東から西日本へ企業の移転が始まるでしょうね・・・

畑の表面を5cm、土を入れ替える。。これって、11トンダンプで、何千台になるのか、政府は、判っているのだろうか?
地下鉄工事のとき、もっとも重要なことは、いかに、掘り出す土を減らすことです。
掘ると空気が混ざるので、ものすごい量に増えます。
区画整理の圃場整備とは、訳が違います。汚染土壌を取り除くことは、相当難しいはず。

お金がいくらあっても、足りないでしょうね。

今は放射能よりユッケの方が大騒動です。死者がでています。牛肉を生で食べるのは大変危険なのですね。鳥、馬等これも国が基準を定めるべきですね。

政府が言い逃れといいわけしかしないのがよく分かる動画・・。http://www.nicovideo.jp/watch/sm14303819。こいつら本気で延ばすだけ延ばして誰かに責任おしつけるつもりなのかもしれないな・・・。

通常、牛肉の表面には、まな板や包丁、料理人の手等の細菌が付着しますが、肉の内部には細菌は存在しませんので、ステーキは表裏に火を通せばレアでも大丈夫です。
衛生管理が出来ていて、且つ新鮮で「生食用」となっている物は別として、ミンチ肉でのハンバーグは、内部までしっかり火を通さないと食中毒の危険があります。
それは、肉の表面の細菌がハンバーグでは内部に混ざってしまう為です。
全ての生肉がダメと言う訳ではありませんが、例え新鮮な肉であっても家畜の種類によってダメなものも有りますから、生食する予定の時は確認が必要ですよ。

ユッケ(生肉)を、提供するなら、新鮮なブロック肉を、レストラン自身で、切り分け、提供しないと、多分無理です。
セントラルキッチンや卸精肉店で、事前に切り分けて加工し、レストランに配達するには、冷蔵4度か冷凍マイナス18度で、空気に触れないように、完全区分し、非常に短時間で、配達し、調理せねばなりません。1時間以上放置すれば、アウトでしょう。そんなことは、焼肉材料提供卸肉店は、承知のはず。もちろん、厚生労働省も、通達を出してます。本物のランプ肉のユッケが、数百円で、安全、手軽に。食べられると思っているのが、間違いだと思います。基本は、肉類は、火を通すことです。
牛肉で、生食用として、公式表示して、出荷できる食肉加工場(とさつ場)は、国内には、1箇所もないはずです。それほど、O-157、111.などの菌を無くすことは、難しく、増殖が早いので、調理時間との勝負ですから、加工納品は、無理でしょう。なお、安価なステーキ肉は、成形肉ですので、ハンバークと同じで、火を通さないと危険です。
ステーキレストランで、600円ランチとか。。
多分、成形肉なんでしょうね。セントラルキッチンで、針で、刺して、サラダ油を打ち込むのですが、針が汚染されていたら、アウトです。切かすの肉を接着剤で、引っ付けて、1枚肉に加工する場合もありますけど。
ユッケ用の肉を大量に、チェーン焼肉店に、事前加工して納品するなんて、卸精肉店で、やろうとすること自体、無理なんです。ほぼ、関西のO157学校給食事件と同じ発生構造と予測してます。
新鮮と言う事は、短時間現場調理でしか、得られないはずなんですが(事前加工では、無理)

なんだかテーマ違いですが、馬刺には厚生労働省の基準があります。
また、第一義的に責任のある店側に「肉のプロ」はいなかったのかと疑問に思いつつ、卸業者のインタビューにも違和感を感じます。

お子様を亡くされた方には同情致しますが、6才児にユッケを食べさせる親もどうかと思います。

食肉業界の、より一層の透明化をお願いしたい。
チェーン店ではない個人経営で大人向けの小さな店だったら、こんな騒ぎにはなっていなかったとも思います。

私もユッケ大好きです。しかも生肉は熟成されたのが美味い!「鮮度」とは矛盾する話ですが…。

管理人さま。テーマずれを、もう少しお許しください。
現状、馬刺しだけですが、「生食用表示」が可能な、食肉加工場は、下記のみだと思われます。

○生食用食肉の出荷実績のあると畜場

自治体 と畜場名

青森県 (株)青森畜産公社津軽食肉センター
福島県 会津食肉センター
郡山市 (株)福島県食肉流通センター
宇都宮市 (株)栃木県畜産公社
山梨県 (株)山梨食肉流通センター
高知市 高知県広域食肉センター
福岡県 県南食肉センター
福岡県 うきは市営と畜場
熊本県 千興ファーム食肉センター
熊本県 熊本市食肉センター

生食用レバーの加工基準に適合していると畜場

自治体 と畜場名

新潟市 新潟市食肉流通センター
長野市 佐久広域食肉流通センター
福岡県 県南食肉センター共同組合
福岡県 うきは市営と畜場
熊本市 千興ファーム食肉センター
熊本市 熊本市食肉センター

なお、これだけ、大量に都市部に流通している成形肉(国産、輸入肉共に)に関する規定は、まったくないのが、おかしいと思います。

昔のように、牧場の隣で、きちんと解体して、鮮度の良いブロック肉の中心部を、料理すれば、生でも、レアーでも、成人に食べていただくなら、歴史的結果として、ほとんど問題はなかったように思います。

初めまして、新潟大学の農学部教授の記事から拝見させていただいております。
そうですか、キャベツは規制対象外なので、放射能ごと出荷されている可能性があるんですね……。
私自身新潟におり、お米の産地として知られています。
農業をやられている方からするととんでもない事態ですよね。
幸い新潟は原発の風上になるのですが、それでも今後自分の土地で作られたお米を口にするのをためらってしまう思いがあります。。。

通りすがりの者ですが…こんなちゃんと考えてくれてる生産者がいるなんて(涙)
関東の乳幼児のママです。
おっしゃる通り暫定規準値なんてまったくあてにならないので産地で避けてます。
政府東電がもちろん全責任を追うべきですが、国を完全に信用し、何故買い控えが起きているのか?本当に風評被害なのか?チェルノブイリのデータと比べる…等、自分達で情報収支を行わない農業・酪農・漁業に携わってる方々もどうなんだろうと思ってます。
被害に合われて大変なのは分かりますが、一番に健康被害がでるのは自分達が作った物を食べ続ける生産者・その子供・お嫁さん・孫達です。
政府が汚染物を国民に売り払おうとするのは、生産者を守りたいからではなく生産者への補償をしたくないから。
後の健康被害など今は考えてる余力がないだけで…。
長くなってしまいましたが、震災前やアメリカ等の規準値で出荷されたものであれば福島・茨城産進んで買います!
頑張って下さい!

貴重なお話ありがとうございます。
やはり国の検査って抜けが多くて形式的ですね。。

私は東京在住ですが、今も関東~東北の野菜を買い控えています。生育期間を考えると、汚染されていた頃の水で育った野菜が安全とは思えず、これは「風評被害」にはあてはまらない(実際、危険)と思うためです。

最近は東京のスーパーのほとんどに、復興支援として東北や関東の野菜が戻ってきました。

買えるものがなくて困っています。

うちは幼児も妊婦もいませんが、幼児や妊婦さんのいるご家庭はどうされてるんだろうと思うと胸が痛みます。

土壌検査してもらえると、不信感が少し減るのに…と拝見して思いました。

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