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故瀬尾健先生の残した教訓   原子力事故はこのようにして歪められる

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お見舞いの言葉を賜りありがとうございました。強行軍だったためか身体の芯に疲れがしこっているような気分ですが、私にとって農場の日常に戻ってこれたことが一番の癒しです。

震災の後にも思ったことですが、まさに「愛しき日常」です。当たり前に水が出て、当たり前に電気がつき、揺られぬ大地の上で放射能の恐怖もなく、当たり前に農業をやっていける・・・これに優る人の幸福などどこにあるでしょうか。

今、それを根こそぎ奪われてしまった避難地域の人々に一日も早い「日常生活」が戻ることをお祈りします。

さて下の資料にスクラップしましたように、政府・東電の嘘が次々と白日の下にさらされ始めました。もう目も当てられないですね。

まぁ、予想していたこととはいえ、なんとやはり1、2、3号機がほぼ完全にメルトダウンしていたようです。

しかもそれをシャラと原子力安全委員会の斑目委員長は「3月中旬に知っていた」と言うのですから、もはやこの隠蔽体質と、カエルの面になんとやらの体質は、骨絡みのようです。

京都大学原子炉実験所の故瀬尾健先生「原発事故の恐怖」というブックレットがあります。先生は福島原発事故の前に他界されたのですが、この中に瀬尾先生がまるでこの福島第1原発の事故の事故後を言い当てたような部分がありますのでご紹介しましょう。

これは「事故からの教訓」という部分に納められているのですが、先生は「事故がもっている一般的特徴と当局者や責任者の対処の仕方の傾向」をこう述べています。ちなみに、これが書かれたのは1994年のことです。

事故は思いがけないことから起こり、予想外の経過を辿る
事故が起きてからの責任者たちの第一声は驚くほど似ている。つまり「こんなことが起きるとは信じられない」というのである。思わず出た言葉には真実がそある。

この場合、ひとつは責任回避、もうひとつは発言者の言葉とは裏腹に「今後ともなにが起きるかわからない」ということをはからずも白状している

●私たち国民はこの原発事故が起きてから何度となく聞かされて、耳にタコが出来たのが「想定外だった」という台詞です。

いわく、「こんな巨大津波は想定外」、「全電源喪失は想定外」、「非常用電源まで切れてしまったのは想定外」、「ECCSが働かなかったのは想定外」、「注水が漏れたのは想定外」、「使用済み燃料プールの水がなくなっていたのは想定外」・・・。

そして今度はとうとう「1~3号機がメルトダウンしていたのは想定外」とでも言うのでしょうか。

政府・東電はこのメルトダウンという深刻な事態を、3月中旬のおそらくは15日の水素爆発があった直後に知り得ていて、シャラとして「56%の炉心損傷」などと発表していたことになります。

この事実隠蔽を安全委員会の斑目委員長があっさりと悪びれもせずに認めるのが事故後2カ月たってからです。

炉心はメルトダウンして圧力容器に無数の穴を開けているそうですから、そりゃいくら何万トンも注水しても溜まらないはずですよ(もはや苦笑)。水位も格納容器の底にあるだけのようです。

となると、この圧力容器の穴を塞がない限り、永久に注水をするというバカなことになりかねません。しかも注水すればするだけ、核燃料が融解して出来た高濃度の汚染水が生じるということになります。

もうあのクリントン長官の来日に合わせて作った政治的狂言芝居でしかない「工程表」とやらはチャラにして一から考え直すことですね。

事故の際の責任者は、信じられないほど楽観的である

●この先生の書かれた部分は制御室のことを念頭に置いていますが、事故直後の原発内部の混乱した状況も徐々に伝わってきています。

また事故直後に原子力安全委員会ははっきりと、「爆発の危険はない」と明言したはずです。これはハッタリではなく、真にそう思っていたことは、斑目委員長が菅首相とノコノコ「陣頭指揮」(笑)を取りに福島第1まで視察したことでわかります。

事故の影響は過少評価される

●先生はスリーマイル事故の後のNRCの評価や、チェノブイリ事故の後のIAEAの出した被害調査が余りに過少であることを指摘しています。

この福島事故においては、政府は当初レベル4~5としていたものが、一夜にして2階級特進のレベル7になってしまいました。

原子力保安院、安全委員会、官房長官会見、東電発表が皆、先生の言う「原発で被害が出ることがあることは断じてあってはならない」という特定の立場の色眼鏡を通しての情報でしかなかったことがわかります。

関係者はありとあらゆる手を尽くして事故を秘密にする

●このブログでも早くから指摘してきたことですが、安全委員会と政府は事故直後からSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク)を通じて、リアルタイムで放射能雲がどのような拡散をしているのかを知っていました。

それを実に1カ月半も隠匿し、ネットではドイツ気象庁の予測図までもが出されるに至って渋々公開をしました。まさに最低最悪の隠蔽体質です。

SPEEDIを隠蔽していた理由は、政府が作った同心円的避難区域の設定(それも逐次拡大するという!)がまったく無意味であり、実態としての放射性物質の被害は風向きや地形によっていることを秘匿したかったからです。

菅首相が福島第1の視察の帰りに、ヘリ機内で簡単なメモ計算して決まったという20キロ避難区域設定の失態隠しでもあったのでしょう。

いずれにせよ、原子力安全委員会に巣くうクロウト衆は、事故を過少評価して民草に知らしむべからず、よらしむべしを決め込み、シロウト首相以下政府関係者は無知なるが故に「政治主導」を連発し状況をいっそう悪化させるという猿芝居をしていたことになります。

経済性のために安全性は都合よくねじ曲げられる

●これなどまさに学校校庭の安全基準を、1ミリシーベルト/年から一気にその20倍に引き上げるという唖然とする措置をみるとよく理解できます。今後も国民が監視しなければ、このような安全基準の恣意的改変が随時まかり通ることになりかねません。

被害者は因果関係がはっきりしないことをいいことに切り捨てられる

●これなどは12年前の東海村臨界事故における晩発性障害の訴訟で、国側がまったくその因果関係をみとめなかったことにもみられます。

今後福島原発事故後数年、十数年たって白血病やガンなどの晩発性障害が多発するはずです。これを今まで「直ちに影響はない」と言ってきた政府当局者はなんと答えるつもりでしょうか。これもまた「想定外だった」でしょうか。

チェリノブイリですら、人権なし大国といわれた旧ソ連は1000台のバス、トラックを仕立てて避難区域の住民と家畜、ペットまで立ち退かせました。

それに対してわが日本政府はなんなのですか!情報は隠す、おためごかしの楽観的嘘をつきまくる、避難区域の人たちは勝手に出て行け、家畜やペットは見殺し、農業者には補償も決めていない先から東電だけ救済することを決めようとする。

順番が逆だ。政府は東電側を向いているのか、国民ための政府なのか、どちらなのですか?

政府はまず正しい情報を国民に与えなさい。私たちを愚民扱いしないことから始めることです。

             ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

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地震16時間後完全にメルトダウン 1号機本当に「危機一髪」だった

J-CASTニュース 5月16日(月)20時2分配信

福島第1原発1号機は、大地震発生の16時間後にはほとんどの燃料が原子炉圧力容器の底に溶けて落ちる、いわゆるメルトダウンの状態にあったことが分かった。2、3号機もメルトダウンの可能性が強まっており、1、2、3号とも、考えられていたより深刻な危機に直面していたといえそうだ。

 ただ現在、1号機の冷却は順調で、東電は6~9か月で原子炉を冷温状態にするという期限は維持する方針だ。一方、3号機の圧力容器温度は不安定な状況が続いている。

■燃料が溶け落ちて「結果的に」冷却できた

 東電は今回、福島第1原発が地震発生から45分後の大津波で全電源を喪失し、冷却機能を失ったと仮定して、1号機内のデータを分析した。その結果によると、冷却が止まった直後から圧力容器内の水位が急激に低下し、地震発生から3時間後には燃料の露出が始まった。

 そこから炉内の温度は急上昇。発生5時間後には燃料棒の損傷が始まり、容器の底に溶け落ち始めた。16時間後の3月12日午前6時50分頃には大部分の燃料が圧力容器底部に溶け落ちたという。

 東電は地震翌日の12日午前5時50分に炉心へ真水を注入し始めたが、落ちた燃料で容器に穴が空き、水位は低いままだった。それでも燃料が下部に落ちたため炉心の温度は結果的に下がったとしている。

 燃料は現在、大半が容器下部で水没しているものの、圧力容器周りの温度などから一部露出している可能性がある。東電は、冷却水漏れはあるものの圧力容器の大規模な破損はないとし、注水によって燃料が安定して冷却できていると説明している。

 今回の解析が正しければ、燃料が溶け始めてから注水作業を始めるまで約10時間、空だきの状態が続いた。これまでの発表では、燃料は約55%だけ損傷しているとされており、東電は2か月も溶融を把握できていなかったことになる。

■細野首相補佐官「心配なのは3号機」

 東電は5月17日、原発事故収束の改定工程表を発表する。これについて、菅首相は5月16日の衆院予算委員会で、「半年から9か月後に冷温停止になるという状況に対して、なんとか時間的な展望は変えないで進めることができるのではないか」と発言。東電の清水正孝社長も、「安定な冷却が保たれている」と強調したうえで、日程を維持する考えを示した。

 また、1号機の建屋地下では大量の汚染水が確認されている。このことから、細野首相補佐官は5月15日に出演したNHK「日曜討論」で、冷温停止までの期限は堅持する方針を示したうえで、格納容器を水で満たす冠水方式を見直す考えを明らかにした。さらに、

  「(1号機は)ある程度きっちり冷えているということを考えれば、状況自体は比較的安定していると見ている。むしろ心配なのは3号機。必ずしも順調に冷えていない。3号機にどう対応するかが、私の頭の中で比重を占めている」

と語った。

 3号機は5月上旬から圧力容器の温度が上昇しており、東電は注水量を増やして対応しているところだ。また、東電は2、3号機でも炉心溶融の可能性があるとして解析を進めている。

1号機、地震16時間後にメルトダウン 4号機の爆発は3号機の水素逆流が原因か

産経新聞 5月15日(日)23時36分配信

 東京電力は15日、福島第1原発1号機で、地震発生から16時間後の3月12日午前6時50分ごろには大部分の燃料が原子炉圧力容器の底に溶け落ち、全炉心溶融(メルトダウン)を起こしていたとの暫定評価を発表した。

 東電によると、地震約45分後の津波で非常用の冷却機能が失われたと仮定したところ、地震発生直後の自動停止から3時間後の11日午後6時ごろには燃料の頂部まで水位が低下。午後7時半ごろには燃料がすべて水面から露出し、損傷が始まった。

 午後9時ごろには、炉心の最高温度が、燃料が溶ける2800度に達し、12日午前6時50分ごろには燃料の大部分が圧力容器底に落下したという。

 また、東電は15日、4号機で3月15日に原子炉建屋が大破したのは、3号機原子炉で発生した水素が、4号機と共通の配管から4号機側に逆流し、爆発した可能性が高いとの見方を明らかにした。

 3号機で放射性物質を含む蒸気を逃した排気作業の際、通常は稼働している4号機側の排風機が、当時は停電で作動しておらず、4号機側に水素が流入したとみられるという。

冷却装置、津波前に一時停止…東電詳細データ

読売新聞 5月16日

東京電力福島第一原子力発電所1号機で、東日本大震災による津波襲来の前に非常用冷却装置が一時停止していたことが16日、東電が公表した大震災直後のデータでわかった。

 東電は、この冷却装置が津波後に停止したとの前提で、地震発生から16時間後に炉心溶融(メルトダウン)に至ったとする分析結果を15日発表していた。冷却装置が正常に作動すれば、メルトダウンを遅らせることができた可能性もある。

 公表データは、事故原因解明のため、経済産業省原子力安全・保安院が東電に求めたもの。大震災が発生した3月11日午後2時46分から14日頃までの原子炉内の水位、放射線量などの膨大なデータのほか、運転員の当直日誌、操作実績をまとめた。

 データによると、運転中の1号機は地震発生後、原子炉に制御棒が挿入されて緊急停止。1号機では、地震直後の11日午後2時52分、直流電源で動く緊急時冷却装置の「非常用復水器」が自動起動し、原子炉の冷却・減圧が始まった。

 しかし、約10分後の午後3時頃には、復水器は一時停止。作業記録によると、その後、弁の開け閉めが行われ、稼働、停止を繰り返した。原因は不明だが、東電によると、地震直後に原子炉内の圧力が乱高下し、この現象を抑えるため、作業員が手動で停止した可能性もある。

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コメント

うーん、ここ数日でいろいろ出てきましたね。
なんとも哀しく残念です。

最初に「想定が甘かった」と言って頭下げていた安全委員会の班目さんですら、一昨日まで「メルトダウン」だとは言えず、
先に外国誌に書かれていた「パーシャルメルトダウン」という言葉を使った保安院の担当者は、更迭させられました。
総理や幹事長や保安院や東電も2ヶ月以上「燃料の一部損壊」と言い続け、言葉のインパクトの大きい「メルトダウン」は否定し続けました。

やはり「データ」が正確に取れない状況だったとはいえ、NRCの昔の想定通りに進んでいたようですね。

そして、枝野は20キロ同心円を変える必要は無いと言い続けていた…。

NスペではなくETV特集で地味にNHKも「ネットワークで作る放射能汚染マップ」で「政府発表は信用できない」とやってましたが、国営放送では限界だったんでしょう。(今頃担当者は無事だろうか?)


なんのことはない、事故直後にスピーディのデータと米軍の測定値に基づいて「最悪を想定」した避難計画を実施していれば、かなりの住民被爆は避けられたはずではないか!

そして、永田町は相変わらず政局優先。

もう、いいよ菅直人。
これは人災そのものだ。


飯舘村の農家さんが言ってた、「政府は安心させようとして甘い見積りばかりするが、そんなことより正確なデータを出してくれないと信用できない」
ということばに凝縮されていると思います。

派手に水素爆発を起こした3~4号機も、普段なら作動する連結配管の電源喪失で水素が流れ込んだとか…。

これからどうやって収めるのか、見ものです。
現在は安定してますが、夏場の風向きでは山形も無事ではありませんから。

厳しいですね。

投稿: 山形 | 2011年5月17日 (火) 13時48分

数々の不正で茨城産はもはや信用できなくなりました。茨城ブランドの崩壊です。壊したのは茨城人自身です。

投稿: 適 | 2011年5月17日 (火) 21時09分

適という人。まずなんの件で騒いでいるのでしょうか?数々の不正?なんのことだ?

出荷規制を破ったのはお隣の県だよ。わが県がこんな罵倒を受ける心あたりはまったくないですね。

第一スレ違いじゃないですかね。私の記事となんの関係もない。実にバカ丸出しです(失笑)。

このコメント欄は非常に水準が高いので、こんなハンチクで差別的な書き込みをしていると恥をかきますよ。

投稿: 管理人 | 2011年5月18日 (水) 05時19分

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