福島第1原発3号機の「水素爆発」は即発臨界による核反応だったのか?
福島第1原発3号機の「水素爆発」について、政府発表とは異なる興味深い説が出ましたので、ご紹介します。
この米国フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフエンジニアのアーニー・ガンダーソン氏の説は、これを水素爆発ではなく、核反応によるものであると結論づけています。以下、YouTubeから起こしました。一部を読みやすくしましたが、ほぼ原文のままです。
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1号機の水素爆発と3号機の「水素爆発」の噴煙の噴出の仕方、そのスピードがまったく違っています。下の写真をごらんください。
1号機の爆発は、煙が建屋から離れていくスピードが3号機と比べてゆっくりしています。また3号機の爆発は、1号機に比べてはるかに大きなものです。
3号機の爆発は、ベクトルと呼ばれるエネルギーの方向は1号機と違い、垂直方向にすごい勢いで伸びています。
また建屋の南側(画面右)には黒い煙が立ち上る前に、明るい黄色の閃光が見えます。
その他のこととしては、原発から2マイル(約3㎞)も離れたところから、多数の燃料棒の破片が見つかっています。
これが4号機のものか、あるいは3号機のものかですが、4号機は既に使用済み燃料プールには水がなく、燃料棒は露出していますが、燃料集合体には損傷はないのです。
ということは、2マイル吹き飛ばされたこの燃料棒の破片は、3号機からの破片だとみられます。
そして、大変に細かな粒子状のウランがハワイと米国西海岸で検出されました。同じくパウダー状のプルトニウムも原発付近出発見されて、アメリシウムは米国東海岸のニューイングランドでも発見されています。
これらの物質は超ウラン元素と呼ばれるウランより重く、その核の検出はフクシマの燃料棒が破損して揮発したことを意味します。
爆発後の3号機の写真を見ると、建屋の大部分が吹き飛んでおり、特に南側がなくなっています。
しかし、3号機の赤外写真を見ると、同じ場所に高温部分の熱源があります。これは3号機の格納容器・原子炉自体には損傷がないことを示しています。
そこで謎が残ります。格納容器・原子炉に損傷がないのに、なぜ建屋が吹き飛んだのでしょうか?
15m×15m×15mの使用済み燃料プール容器内の水は空の状態だったと思われます。そこにガスが溜まり上向きに爆発したのです。
プール上部はもともと吹機抜けており、壁は防御するバリアとして働くので、その構造が上方に爆発エネルギーを逃がしたのです。燃料プールは上に向けられた銃口のように働いたのです。
爆発のビデオを見ると、多量の破片が落ちているのが見えます。それらは、燃料棒を含む燃料集合体でプルトニウムやウランの破片でしょう。
その他としては、噴煙の黒さです。その黒さは、ウランやプルトニウムが揮発したことを意味します。これらが微細な粒子となって、太平洋を超えて゛ハワイ、西海岸、ニューイングランドまでも到達したのです。
それはただの水素爆発だと仮定して、水素が酸素と結合して水を作る化学反応としての水素爆発だとすると、それはdetoationです。
deflagationはあのような閃光は伴いません。両方とも爆発の事象を表す言葉ですが、は衝撃波が音速であり、detoationは衝撃波が音速を超えるものです。上の1号機の爆発と3号機の爆発を比べた写真を見るとその違いがわかります。
こ3号機の爆発がdetoationだとすると、水素と酸素の化学反応だけではない他の原因が考えられます。
①水素・酸素の化学反応が始まり、水素爆発を起こした。
②それによって燃料棒が激しく動いて変形するような衝撃波を生じた。
③使用済み燃料プールの燃料棒が衝撃で変形し、集約したことで即発臨界による核反応が起きた。
④その核反応が、プールから燃料棒・燃料集合体などを吹き飛ばし、噴煙をあげる爆発エネルギーとなって建屋上方にとして吹き上げた。
この仮説を調べるためには、噴煙に含まれる核種の同位体を調べることです。現在、米軍機がサンプルを採取していますから、ラボで分析中でしょう。
2つのキセノン(xe)の同位体が発見されれば(比率によりますが)、3号機使用済み燃料プールで即発臨界を起こしたのかどうかがわかります。
証拠はまさにそこにありますが、入手されていません。おそらくは日本政府が持っていると思います。
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YouTube
福島第一原発3号機の爆発についての解説 4月26日
米国 フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフエンジニア アーニー・ガンダーソンhttp://www.youtube.com/watch?v=P4KXX24Dv1U&feature=feedf
福島第一原発3号機の水素爆発、けがは11人
東京電力は、14日午前11時ごろ、福島第一原子力発電所3号機で、2回にわたって爆発音が上がったと発表した。
赤い炎とともに大量の煙が立ち上っており、東電は施設内の作業員を退避させたが、社員、協力会社の従業員ら計11人が負傷した。
の程度は不明だが、全員歩行が可能な状態という。経済産業省原子力安全・保安院は、同11時1分、水素爆発が起きたことを確認した。原発の損壊の程度は不明だが、東電は「原子炉格納容器と圧力容器は健全」とみている。
同社幹部は「炉心が溶融した可能性がある」と話した。
3号機は原子炉建屋内に水素ガスがたまり、水素爆発の危険が指摘されていた。既に避難指示が出ている同原発から半径20キロ・メートル以内に残っていた約600人に対しては、緊急措置として屋内にとどまるよう呼びかけた。東電によると、保安院の指示で同原発南側5キロ・メートルの範囲を立ち入り禁止とした。東電によると、爆発が起きた時、地上は無風で、上空は、西もしくは南西へ風が吹いていた。
1号機でも12日午後3時すぎ、水素爆発が起き、原子炉建屋が骨組みを残して吹き飛んだ。3号機の爆発は、水素爆発特有の白い煙とともに、1号機の時よりも高い灰褐色の煙と炎を伴っており、水素爆発に加えて他の異変が起きた可能性もある。
東電によると、14日午前1時10分から3時20分まで、原子炉を冷やすための炉内への海水注入を一時中止していた。このため炉内の燃料棒の露出が進み、水蒸気が燃料棒に長時間触れて、水素が大量に発生し、爆発につながった可能性があると見ている。
3号機近くにある中央集中制御室には13~15人残り、炉内へ冷却水を注入する作業を継続している。格納容器周辺の放射線量に大きな変動はみられない。午前11時30分現在、残存した原子炉内の燃料棒は、上部約1・8メートルが冷却水から露出し、危険な状態が続いている。発電所正門付近の放射線量は1時間あたり50マイクロ・シーベルトで、同44分には20マイクロ・シーベルトに低下した。
3号機爆発、負傷者は東電社員4人、自衛隊員4人、計11人
けが人の内訳は、東電社員4人、協力会社の従業員3人と、自衛隊員4人。
東電と協力会社の7人は第1原発の事務所へ自力で戻り、全員が救急車で第2原発の敷地に搬送された。自衛隊員4人は部隊によって第2原発のビジターズホールなどに運ばれた。
東電の産業員が全員の意識があることを確認しているという。
除染の措置後、病院に搬送する方針。また、一時不明と伝えられた3人の自衛官も無事が確認された。
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コメント
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うーん、どちらも水素爆発だと思いますが、何ともいえませんなぁ。3号機MOX燃料を狙い撃ちした記事にも思えますし…黒煙は爆発規模が大きくて、瓦礫や埃が舞い上がっただけかもしれませんです。
しかし、水素爆発の瞬間は「日テレ」のカメラが何故か見事に捉えてましたね。
もうずいぶん経ちますが、プルトニウムのモニター値には注意ですね。
海水からは検出されてますな。
政府・東電は隠してる話があったら、すべて出して下さい。
何が何でも今は「冷温停止」「飛散防止」にまで持っていくしかありません。
菅が言い出した浜岡の危険→停止は分かりましたが、この夏大丈夫なのだろうか!?
トリウム液体塩炉万能のような記事をあちこちで散見しますが、基礎は確立されていても、実用技術やメンテナンス等にまだまだ課題があるのかと。
でなけりゃ北欧などはとっくに移行してるんじゃないかなぁ…などと。
投稿: 山形 | 2011年5月10日 (火) 11時05分
農業高校卒業では難しすぎて中々理解できませんが、素人的には「水素爆発」し、建屋の天井が吹き飛んだとなると、プチ水素爆弾!!が爆発した・・・と理解していました。
※本物の水爆ってどのくらいの爆発力があるのか分かりませんが、屋根が吹っ飛んだ程度なので敢えて「プチ」と表現しました。
評価の仕方はそれぞれと思いますが、あの程度で済んだのは「不幸中の幸い」で無かったかな?と感じています。
もし、本物の爆発だっだら、原子爆弾?(プルトニウムではないから核爆発では無いか・・・)
水素爆発で言えば小規模?大規模?
最悪、燃料棒が溶融するメルトダウンしたらどれだけの被害(影響)が考えられるのか?
3月11日以降様々な情報があると思いますが、私のネット環境では、まだきちんと調べ切れていません。
一時帰宅が始まった・・・と報道されています。
限られた時間と人数ですが、良かったと思っています。今後いつ再帰宅できるか見通せない状況下では、少しでも我が家の匂いを嗅いできてほしいです。
投稿: 北海道 | 2011年5月10日 (火) 16時49分
水素爆発は水素が燃えて水になるだけ
水爆は重水素が核融合
全然別の現象
投稿: | 2011年5月16日 (月) 00時08分
今更ではありますが、仮に臨界を起こしていたのであれば強力な中性子線が検出されないとおかしいのでは?
と言う訳で、核反応によるものとは考えにくいと思います
投稿: | 2011年9月 3日 (土) 10時38分
3号機の爆発はアメリカ政府の自国民に対する避難勧告から考えて、間違いなく「即発臨界」だったと思います。只の水素爆発だけで自国民に即刻80km以上離れよと通達しないでしょう。
それに韓国から飛び立った偵察機が福島上空でキセノンを検出してます。その報道は今は削除されたが、去年3月20日頃にYOUTUBEでアップされていた。これはプルトニュウムがパウダー状になって全国にばらまかれた事を通告しているのです。
投稿: ナイト ライダー | 2012年9月23日 (日) 18時45分
ナイト ライダーさん。
なぜスペースを開けたHNなのかは知りませんが、今更こんなに前の記事にコメントとは驚きました。
即発臨界に「間違いない」?
違います。アメリカが50マイル避難指示を出したのは「もしかしたら、その可能性もあるから予防的措置」だったと考えるのが妥当でしょう。
大して時間もかからないうちに、50マイル圏内に沢山のアメリカ人(英語講師などの民間人)が戻ってますから。邪推にもほどがあります。
プルトニウムが全国に拡散された?
ゼロだとは言いませんが、60年代の核実験時代以上の数値は出ていませんよ。
韓国から飛んだ偵察機?
グアムから飛んだ無人偵察機プレデターの観測データの話とは違うんですか?
どうせこちらのこんなに前のブログに突っ込むなら、もうちょっと前の記事で真っ先に観測マップ載ってるんですが…。
投稿: 山形 | 2012年9月26日 (水) 07時25分