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福島の危機は深まっている

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菅首相とその取り巻きの言った、言わない、聞いていない、言ってあるという「大論争」があいもかわらず続いているようです。

東電は12日午前3時20分に海水注入を経済産業省に通告したとか。これでこの低次元な論争にチェックメイトですね。

そもそも最高責任者が「聞いていない」ということを逃げ口上に使うようになっては、危機管理もクソもありゃしませんて。

この人は、都合の悪いことは知らぬ存ぜぬ、失敗はすべて他人のせいということにしてどこまでも政権にしがみつくのだろうな。すごいよ、この権力欲だけは。

まぁこれで来年あたりの週刊誌「持ちたくない上司ワーストワン」となること決定ですな(笑)。

政治家としてどうこうという次元を超えて、人として見苦しいの極みですが、こんな男のことは放っておきましょう。カミさんが言ってました。「バカはうつるから、相手にしてはいけない」って。

さてスチャラカ首相(←古いね)を尻目にして、東電が福島第1原発の危機の詳細を明らかにしました。ま、これもどこまてほんとうかは大いに疑っておく必要がありますが、とりあえずこんな状況です。

下の資料1に毎日新聞の作成した1、2、3号機の状況の一覧がありますので、ご覧下さい。なんじゃこれは、と思わず往年の松田優作のような声を出したくなります(笑←笑っている場合か)。

●1号機・・・地震発生から15時間後の13日6時頃に圧力容器が破損。炉心ほぼ完全にメルトダウン。水素爆発は12日15時36分。圧力容器は破損、格納容器は破損の疑い。

●2号機・・・地震発生から101時間後の3月15日20時に完全にメルトダウン。水素爆発はそれ以前の15日6時10分。圧力容器破損、格納容器破損。

●3号機・・・地震発生から60時間後の3月14日3時に完全にメルトダウン。水素爆発は14日9時。圧力容器破損。格納容器破損の疑い。

いったい3月の中旬頃に、盛んにテレビで「メルトダウンしているなどというデマを信じるな」といっていたのはどこの誰でしたかね。斑目委員長などハーシャル・メルトダウン(部分的炉心融解)すらとんでもないとばかりに怒ってみせておられました。

いままで東電は炉心について、1号機は完全に露出していない、「燃料棒の先端からマイナス1700㎜の位置にある」と発表してきたはずです。

ところが一転、今度は「水位計が間違っていました。ほんとうに炉心全融解していました」ですと・・・。アキサミヨー。

となると、東電が意図的にデータ改竄をしたかどうかということは後の検証に任せるとして(東電はデータ改竄のプロですが)、計測データそのものが信憑性がないということになります。

原子炉内部は目で見ることは出来ませんから、水位計、温度計、圧力計というローテクな測定機器で検査するしかないわけです。これがたぶん震災の影響で狂っていることもありえます。

となると、こちらはその先を考えておかなければならないことになります。

ジルコニウムの燃料容器を溶かして流れだしたウラン燃料は、現在どこにあるかといえば、第2のバリアーである圧力容器の底を突き抜け、さらにその下にある第3のバリアーの格納容器の底にベチャっというかんじでへばりついているものと思われます。

そしてその一部は、さらに格納容器の底を突き抜けて圧力抑制室(サプレッションルーム)にまで達し、さらに2号機ではそれすら突き抜けて外部に漏れだしていると考えられます。(資料3参照)

この格納容器は厚さ4センチの鋼鉄製でできており、1400度~1500℃に耐えられるとされていますが、これを突き抜けたウラン燃料は2800℃に達していると考えられています。

もはやこの外というか下は、いきなり建屋の底のコンクリート床です。そうとうな厚さがあると思われますが、注水で冷やし続けていてもどこまで持つかです。

つまりはもはやメルトダウンではなく、その上のレベルの非常事態であるメルトスルーです。

メルトスルーという、かつて私が高校生の時に映画「チャイナシンドローム」で観たことが私の国の、それもわが家から160㌔先で起きているとは思いたくない現実です。

ところでこの先はどのようなことになるのでしょうか。
最悪のケースは、この建屋コンクリート床を貫通して地下水とぶつかり巨大水蒸気爆発をおこす可能性です。その場合は・・・あまり考えたくありません。近くに住む人間のことも考えずに面白半分に書かれている記事もまんざら煽りではなくなります。

次にもう少し現実的な可能性ですが、溶けた高温のウラン燃料の外側は冷却水で冷やされ表面だけ冷えて固まった状態となっていると推測されています。この内部は高温のマグマ状になっていて、非常にもろいと考えられます。

これがしつこく続く余震にあってひび割れた状態となり、その亀裂から冷水が進入すると、これも水蒸気爆発となります。結果は前者と同じです。

もうひとつは、それらの爆発がない場合でも、格納容器までアウトなわけですから、もはや工程表にあった水棺は不可能です。いくら上から入れても下から漏るのではどうしようもありません。別な方法を考えるしかないでしょう。

また既に注水がウラン燃料に当たって通過しているわけですから、高濃度の汚染水を常に大量に排出しつづけることになります。東電は循環器を外付けして循環させて濾過して再循環させることを考えていますが、うまくいくかです。

おそらくはどこかで行き詰まり、巨大タンカーなどに汲み上げることになるのではないでしょうか。

いずれにせよ、現在なんとなく状況が停滞しているので喉元過ぎてしまった人も多いでしょうが、実は危機は深まっているのだと思ったほうがいいようです。

              ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

資料1

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資料2

東京電力は、福島第一原子力発電所の炉心溶融(メルトダウン)について詳しいデータ解析を行い、1~3号機では、圧力容器だけではなく、その外側を覆う鋼鉄製の格納容器も、地震後24時間以内に損傷していた可能性があることが分かった。

 解析結果の報告書は23日に経済産業省原子力安全・保安院に提出された。

 報告書によると、東電が原子炉の運転データに基づいて地震後の圧力などの状況を詳しく計算したところ、1号機では、緊急冷却用の「非常用復水器」が十分に働かず、炉心溶融の進行によって、地震後15時間で圧力容器の底部が破損。炉心溶融に伴って格納容器の温度も上がり、同18時間で設計温度の138度を大幅に上回る約300度に達した。温度はその後も上がり続けたと推定される。

 格納容器は、運転時に300度近い高温と70気圧もの高圧にさらされる圧力容器と異なり、設計上の温度・圧力条件が低く設定されている。300度を超す高温では、格納容器で配管や機器の貫通部を密閉しているゴムや金属が耐えられずに劣化してしまい、放射性物質を含んだ蒸気が漏れ出したとみられる。

資料2

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コメント

うーむ…本当に深刻な状況になってきましたね。
地下からの高濃度排水漏れもこれで説明ができました。
しかし発表遅すぎじゃね?
圧力容器が思いの外脆弱な気もしますが、なんせオンボロなマークⅠですからねえ。
そして2号基サプレッションプールの爆発も整合性があります。

それでもチェルノブイリみたいに黒鉛減速材まるごと燃えて爆発よりかマシなレベル。

わたしも、あんなチャチな1万トンバージ船やタンクではなく20万トンクラスの大型タンカー1隻潰して高濃度汚染水入れて凌ぐしかないと思います。

とにかくまた「ドカン!」だけは勘弁してくれ。

そういえば、震災直接から「あくまで水位があるから大丈夫」→「水位低下しても直ちにメルトダウンにはいたらない。部分的損傷」だと解説を続けてた東工大の赤眼鏡の教授が、全く出てこなくなりましたね。

チェルノブイリよりははるかに放出量も範囲も狭い(とは言っても東京23区レベル)の汚染です。しかも発表が遅くて「なんで今頃?」です。ETVでやってた民間個人の危険を冒しての測定と一致してます。
その間、スピーディーは何処にいってたのでしょうか?

そして汚染地図作るのは文科省。と、やはりバラバラ。
何やってんだか…菅がいない間にクーデターでも起こすヤツがいるんじゃねーか?
岩手の小沢と喜多方の渡部恒三が、犬猿の仲だったのが合同誕生会でニコニコと。不気味です。

広大な土壌汚染は、各論では土の上下入れ替えで大丈夫とか言ってますが、実際誰がどのようにやるのですょうか?緊急の課題なんですが…。

奥様の言う通り「構うだけバカがうつる」は被害に苦しむ農家のカミさんの至言ですね。

『がんばれ!負けるな農家!』
と言っても、相手が放射能ではいかんともしがたい。

投稿: 山形 | 2011年5月25日 (水) 12時12分

http://www.n-shokuei.jp/topics/pdf/info_110524.pdf

http://www.n-shokuei.jp/topics/pdf/info_110524.pdf

セシウムなど検査をしてくれるみたいです。思ったより、検査費用は、かからないみたいです。

ただし、検査条件があるみたいですが、うまく利用すれば、風評被害が減らせるかもしれません。

投稿: りぼん。 | 2011年5月25日 (水) 20時07分

相方様の「バカはうつるから相手にしない事」は納得します。バカは自分が100%ですから、相手の言う事は頭に入らないのです。「バカはバカだからバカなんだ」と、いつも若い人たちに言っています。(笑)
(しかし、それを承知の上で理解・納得させる努力も必要なのは言うまでもありません)

素人の私は「メルトスルー」の意味がやっと分かりました。メルトダウンから圧力容器破損、メルトスルーして格納容器破損、建屋内の水と接触して水蒸気爆発~地下水に到達したとすれば更なる水蒸気爆発・・・考えたくもないですが、東電か政府か分かりませんが、よくここまで情報隠しをしたものです。
口蹄疫時もそうでしたが、災害発生時は最悪を想定して対応する事が重要だという事を、まだ分かっていないという事に驚きです。やりすぎ(心配しすぎ)でちょうどよい・・
「りぼん」様の情報の通り、風評被害を防ぐためにも、検査して行く事が必要と思います。

投稿: 北海道 | 2011年5月25日 (水) 20時58分

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