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2011年5月26日 (木)

セシウム除去Q&A

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セシウムの農産物にあたえる影響も少しずつですが、知られてきました。土壌肥料学会、環境科学技術研究所、IAEA、農業環境技術研究所などの研究を要約するとどうやらこのようなことのようです。

Q1 セシウムが降った土はどうしたら除染できるのでしょうか?

●大気中の放射性物質は、植物へストレートに吸着される葉面吸収と、土壌にいったん降下した後に植物の根によって吸着されていく経根吸収の二種類あります。

●セシウムは水溶性のために土壌の性質によって異なります。砂地のような水はけのいい土地では比較的早く農業用灌水、雨水などで沈降していき、土壌中から減少していきます。ただし、水系汚染に移行するわけなので、別の問題を引き起します。

●一方セシウムは土壌の粘土質の団粒構造と結合しやすいので、関東ローム層のような粘土質の土壌のほうがセシウムの減少はやや少ないようです。

Q2 セシウムの降った土地になにを作付けするのがいいのでしょうか?

●作付け時期としては遅ければ遅いほど、土中から流出したり、作物以外の植物が吸着していきます。

●セシウムは土壌中のミネラルと結合しやすいので、もし可能ならばいったん作物以外の植物を植えるといいでしょう。たとえば、牧草とか、菜種、ヒマワリなどです。

●ただし、ひまわりや菜種などは畑から持ち出して穴に投棄するなどの処分方法しか今のところありません。焼却すると煙にセシウムが混ざるからです。最終処分の方法まで考えてから実施してください。

●菜種は意外とセシウム吸収が悪いとされています。

●外国の文献には、チェルノブイリの時のマツやニガヨモギや一部のキノコにセシウムが集積しやすいとの報告があるそうです。イギリスの研究では、ヒユ科のアマランサス属がセシウム吸収能力が最も高いと報告されています。日本に自生するヒユ科アマランサス属としてはイヌビユなども有効だとされています。

●スウェーデンではベンナイト粘土をすきこんだりして有効な除去をしました。ベンナイトは日本でも多く産出され入手可能です。

●堆肥も通常より木質分やゼオライトを多くして投入すると有効な吸着作用を得られます。

●施肥肥料分によってもセシウムの吸収は違います。カリはセシウムの同族元素なためにカリ肥料を多めに配合するとセシウム吸収率は高まります。

●もし今畑に作付けられたままだった場合は、あえて収穫せずに徒長させてできるだけ吸収させてしまうほうがセシウム吸収には有効だと思われます。

●土壌検査で規制値を上回った場合は、今期の作付けはあきらめて菜種やヒマワリ、牧草などを植えるのも有効です。

●客土は現実的ではありませんが、もしするなら剥いだ土は他の場所に移動することは出来ないと思ったほうがいいでしょう。

●自分の畑の一角に深い穴を堀り、汚染土壌を埋めた後に、表面を鉄板やセメントなどで覆うといいでしょう。

●ハウスに汚染土壌を入れると、放射線は窓やビニールを透過してしまいますので気をつけて下さい。

Q3 作物によってセシウムの移行係数は違いますか?

●違います。IAEAによれば穀類の葉茎、豆科飼料作物、牧草などには高い移行係数がでます。ただし土質によって差がでます。

●米でも糠部分に多くセシウムがたまると言われています。ですから、白米のほうがセシウム濃度は玄米に比べて2~3割低いようです。

●青森県六ケ所村での研究では、白米のセシウム濃度は土壌の1000分の1という結果になっています。

●稲藁、麦藁などの非可食部分の家畜への飼料化、あるいは堆肥化は、茎部分のほうが吸収率が高いためにセシウムの食物連鎖を引き起こす可能性があります。実測してから与えるほうがいいと思われます。

*情報ソース http://jssspn.jp/http://www.aomori-hb.jp/http://www.iaea.org/

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コメント

あのぉ、菜種・向日葵作戦やその他作物を実行できたとして(まだ、JAXAとかで実験段階、遅い!)、後の処理はどうなるのでしょう?
作業員の被爆対策をしてれば(暑くて大変そうだ)油は絞れそうですが、残りを堆肥などにできずに深い穴を掘ってコンクリで固めたりすると、「農地法」の壁が立ち塞がるのではないでしょうか?

はたまた六ヶ所村に持って行って処分するのでしょうか?

これ、昨日コンビニの兄ちゃんから受けた疑問です。

今日福島県の人工授精をしている方とお話しする機会がありました。
計画的避難地区の肉牛(肥育牛・育成牛)の移動は販売も含めて、80%程度完了しほぼ目途が立ったとのことですが、搾乳牛に関しては搾った牛乳を出荷出来ないとの理由で、餓死あるいは安楽死させるほか無いようです。
農水省では法律が無い為に「安楽死」させろとは言えないとの答え。死亡した死体の処理も環境庁は埋めても焼却してもダメで、石灰をかけてビニールで覆う他手は無いようです。
いまだにこんなありさまで、現地では判断に苦慮している状況だそうです。

実は浄水施設から出る汚泥ですが、これに含まれるセシウムが200ベクレル以下のものは肥料として出荷されるようです。http://mamagen.jimdo.com/に情報がありました。沖縄ではこのような肥料を以前から受け入れていたんでしょうか?
もし受け入れていないのなら沖縄の土壌を汚染させないためにも農家や肥料を作っている方に至急検討していただきたいです。


国も県も市も、土壌についてのことは、あと回しです。
六千ベクレルあるので、心配です
米や農作物にセシウムが 入るが心配です。
いろいろ参考に、なりました。
ありがとうございます。

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