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2011年6月

再生エネルギー法案は、もっと大きなエネルギー政策の見直しの中に位置づけられるべきです

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管首相が「脱原発解散」をするともっぱらの噂です。

私は雛で暮らしているせいか、なにかよくわからな~いという気分です。素朴なわからな~いを並べてみましょう。

そもそも、「脱原発」に反対、少なくとも今の時期に「原発ダンコ推進!原発、文句あっか!」なんていうイキのいい推進派はほとんどいないはずです。

かつての郵政解散と違って同じシングルイッシュでも、「脱原発」や「再生エネルギーの推進」は国民のおそらくは8割近くまでが賛成にまわるでしょう。

つまり、ホントはどう見ても解散-総選挙の争点にならないのです。

すくなくとも、今この時期に国民投票まがいのことに税金を選挙費用だけで500億だかかけて、復興を中断してまでするべきものとは思えません。

われわれ被災地の人間からすれば、他にやること山ほどあるっぺよ、と言いたくなります。これは私のみならず被災地の共通心理でしょう。

これで国民が怒らないのは、日本人が辛抱強いからで政府が優秀だからではありません。よく言われるように、他国ならとっくに暴動ものです。

もう一度初めに戻ってお聞したい。こんな状況でなにが争点なのでしょうか?

この時期に再生エネルギー法案こそが大事で、「脱原発」で内閣の信を問う総選挙をするというなら、菅さん、あなたそうとうにおかしいよ。

内閣の信を問うなら、いっかな進まない復興や、原発事故対処の誤りに対しての審判を仰ぐのが筋であって、そんな誰でもが総論賛成するような「脱原発」をめぐってではありません。

さて、この再生エネルギー法案にしても、通産省はなんの予算の裏付けをしていません。そもそも経済産業省は、「脱原発」などにはまっこうから反対であり、この再生エネルギー法案を骨抜きにしまくっています。

今の電気事業法の根幹である総括原価方式という、かかったコストの増大をそのまま電力ユーザーに転化できる仕組みは温存されたままです。

ですから、電力会社は自然エネルギーに転換しようとしまいと、痛くもかゆくもありません。

現時点で圧倒的に高い(*将来的には大幅にコストダウンが可能ですが)自然エネルギーを固定価格で買うことができとすれば、それは電力ユーザーに請求書を回せるからです。

現時点で自然エネルギーは、将来有望な補欠打者でしかありません。いっかな出番が回ってこなかったために鍛えられることがありませんでした。

わが家はたぶん茨城県で最初の太陽光発電住宅だったはずですが、設置して15年、未だモトを取っていません。今の段階ではそんなものなのです。

今しなければならないのは。再生エネルギーを固定価格で買うという甘いアメではなく、いかに安価で現実的価格で発電できるように代替エネルギーを「鍛える」ことなのです。

今の段階で固定価格とやらを設定すれば、おそらく「現時点での価格」が固定価格となると思われます。

つまり、太陽光49円、風力12円です。火力7.5円、原子力5.5円(「2010年エネルギー白書」)がそのまま電気料金にスライドします。

もっとも、この原子力は廃炉コストや原発立地法などによる税金などは一切入っていませんので立命館大学大島堅一教授によれば原子力のコストは約12.23円だそうです。

いずれにせよ、現時点において自然エネルギーに大転換するとなれば、電力ユーザーは今を倍するような電力料金と不安定な電力供給に悩まねばならなくなります。

菅さんの話はいつもそうですが、後先がメチャクチャなのです。

今すべきことの優先順位がないから、思いついたついたことをそのまま口にします。

もし、真剣に代替エネルギーへの転換を問うならば、電気事業法の抜本改正しかないはずです。

●いくら高かろうとすべてをユーザーに転化できる総括減価方式の廃止

●発電と送電網の切り離し

●地域独占事業形態の廃止と新規参入による競争力の導入

そして、エネルギー政策全体も大きく書き換えられねばなりません。

●再生エネルギーの比率の見直しと将来計画の策定

●原子力発電所の抜本的総点検

●運用停止原発の解体-廃炉の道筋の明確化

●代替エネルギーが定着するまでの過渡期における政府の負担割合の増大

●自然エネルギー定着のための付帯的技術ソリューションへの政府投資の増大
・スマートグリッド
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89

・超電導送電http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A90889DE2E6E0E1E1E1E4E2E3E5E2E1E0E2E3E2E2E2E2E2E2E3;p=9694E3E7E3E0E0E2E2EBE0E2E3E2

このような大きな構図の中で、再生エネルギー全量買い取り制が出てくるのであって、増額を安易にユーザーに転化可能な現行電気事業法を変えないで実施しようというこの法案は首相の延命以外になにかあるとは思えません。

この法案が通ればおそらくは50円ちかい固定価格でバカ高い電気を大規模に発電した事業者が濡れ手に粟のボロ儲けすることでしょう。

滅びゆく原発利権に替わる新たな再生エネルギー利権の誕生です。そうならないためにもしっかりと国民がエネルギー問題をトータルに考えていかねばなりません。

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飯館村の最期の臨時セリ

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飯館村という小さな村は、震災以前から私たち県外者にもよく知られた村でした。

平成の大合併の風が吹くなか、飯館村は安易な合併の道を取らず、自力で村を栄えさせることを選びました。

簡単なことではありません。わが村もそうでしたが、厳しい村財政を寄って集まりゃどうにかなるとばかりの風潮の中で、自分の村の経済をしっかりと成り立たせることから始めようとする道は茨の道だったはずです。

驚くほど多くの特産品が村人の創意工夫で生まれました。お酒、漬け物、農産品、そして全国ブランドになった飯館牛。

飯館村は、たとえ地方の小さな村であっても頑張れば栄えていくことができるのだというシンボルでした。私たちもその轍に続きたいと願った村でした。

しかし、この努力は一夜で潰されました。いうまでもなく、原発事故が村を襲ったからです。

NPOの測定で30μSv/hの地点も多数ありました。出荷は停止となり、野外の牧草は使用を禁じられました。

今まで手を入れて大事に育ててきた牧草地には牛の姿がなくなり、高い輸入粗飼料を買うしかなくなりました。これでは経営が成り立つはずもありません。

野菜はすべて出荷停止。作物を作ることが出来なくなった農家の中には離農を考える農家も増えていきました。

そして4月22日の避難勧告。

JAそうまによれば、飯館村の繁殖農家で牛を手放して廃業を決めたのは211戸のうち実に95%を超えました。(日本農業新聞6月29日)

避難先で畜産を継続できる人は10戸に満たなかったそうです。

国は5月末までの避難を求め、JA福島は全力で牛の避難の取り組みをしました。

4回に及ぶ臨時セリ、避難区域の繁殖牛、子牛の8割にあたる千6百頭を区域外の農家が引き取りました。

私は、今回の震災と原発事故でJAの果たした役割は巨大だったと思います。

被災区域への迅速な全国からの飼料搬送、被災者への経営の支援、販売努力、募金、そして今回のような避難区域の牛の退避など、JAがもし存在しなければ、被災各県の農業は壊滅の危機にさらされていたことでしょう。

農家の子供は小さい時から牛に乳を与え、学校から帰ると真っ先に牛の顔を見に行きます。そして牛と一緒に育っていきます。

結婚して子牛を増やし、子供が出来て牧草地を増やす。彼らから牛を取ることは命を取ることと一緒です。

6月28日、避難地域の最期の臨時セリが終わり区域内9300頭の牛は村からすべて姿を消しました。

いつの日か村に帰って行きましょう。今は牛を手放しても、、また牛を飼いましょう。やめるなどと言わず、もう一回やりましょう。

がんばって下さい。飯館村の皆さんが村に帰る日が一日でも早からんことを心からお祈りしています。

                日本農業新聞6月29日

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農業や地元行政も不安を払拭する努力を続けています  付録 正しい野菜の放射能簡易測定方法・bq⇒sv換算ソフトのご紹介

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ああ、私のブログでベクレル⇒シーベルト換算式(欄外参照)なんかをご紹介する時代が来るとは思わなんだ。ふ~っ、と深いため息。実に嫌な時代ですなぁ。

このベクレル⇒シーベルト換算式は内部被曝を計算するためのものです。

農産物や飲料水などによる内部被曝を簡単に計算することができます。最近はスマートフォンにもついて来るそうです。

たぶん次のスマートフォンは、間違いなくガイガーカウンター付きモデルが出ますね。

最近の線量計はガイガー・ミュラー管を使わないで計測できますから、そう分厚くはならないそうです。孫さんあたりもう試作しているだろうな。

街角でピーピー(←実際の警告音はよほど低い設定値にしないかぎり鳴りませんが)、飯食う前にピーピー、車内でピーピー。玄関でカミさんからピーピー。
公園でピーピー、保育園でピーピー。鳴らないのは特養ホームだけだったりして(力なく笑う)。

その気持ちはよく分かりますよ。厚労省にも言い分はあるのですが、確かに暫定規制値は国際的には非常識な数値です。

初めにこんな高い数値を出してしまって、それ以降消費者が他の先進諸国の規制値を知れば、疑心暗鬼になって当然です。

まして政府から出される情報がはなはだ怪しい上に二転三転していますから、これは自分の家族、亭主はともかくとしてまずは子供たちを守らねばというわけです。

野菜や魚などを食べる前に計っている消費者もかなりいるようです。ただ測り方が間違っているケースがありますので、ひとことアドバイスを。

現在私たち風評被害の台風の中にあった産地では、放射性物質の計測が行われるようになってきています。

私たちが本格的にする場合は、検体を検査機関に出して40分ほど計測器にかけますが、簡易計測ならば各農家でもあるていどは可能です。

ご参考までにお教えします。検体にガイガーカウンターをいきなりくっつけてもダメです。

前にテレビレポーターが魚にガイガーカウンターを当てているのを見て大笑いしました。あんな方法では正しい数値は出ません。

①検体を洗います。ホコリに放射性物質が付着している場合もありえますから、その粉塵で検体の計測値に影響がでることを防ぐためです。

②検体を包丁で叩いて叩きまくって平たく伸ばします。厚さはおおよそ1㎝くらいでしょうか。

③検体の叩きを平らな皿に乗せて、だいたい4等分に線を引きます。

④この4等分された区画の中心を計測して、その平均値を出します。

これが農海産物の簡易計測方法です。ただし、簡易計測法では正しい数値は出ません。あくまでも目安ですので、そこのところをご理解ください。

なお、茨城県は独自に農産物の大規模な抜き取り検査をしています。その結果は逐次HPにアップれていますが、逐次改善されています。
県内農産物・畜産物への影響について(各食品の分析結果(6月10日現在)

今までは計測結果が単に「検出されず」でしたが、これでは1ベクレルでも規制値から低ければ「検出されず」なのかという疑問を持たれたようです。

そこで茨城県は表示方式を改めて、下の表のように微量検出の数値まで出しています。これでお分かりのように、今茨城県発表で「検出せず」と書かれてあったらほんとうに検出限界以下なのです。

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残念ながら、この農産物への不安は冷温停止がなされるまで続くでしょう。

それまで、私たち農業者や行政も出来るだけの検査を重ねて消費者の不安を払拭しようとしていることを知って下さい。

■写真 珍しく縦位置で撮るとデカイ!檜に絡んだ蔦です。不気味であるな。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv計算・換算

食品の放射能検査データ

食品による年齢別の内部被曝ベクレル(Bq)シーベルト(Sv)換算ツール

年間の被曝量を計算してくれるソフト 「放射線量簡易計算ツール

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原発放射能は最期にどこにいくのか決まっていない欠陥設備

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頂いたコメントにもありましたが、放射能は洗ってもなくなるわけではありません。必ず「どこか」に行きます。実に困った存在です。

洗った汚染水は下水道から下水処理場に送られてそこで沈殿して汚泥となるわけですが、その汚泥から高濃度の放射性物質が検出されたのは最近のニュースでした。

まず、4月中の東京都の調査で東京大田区の下水処理場である南部スラッジプラントの汚泥を焼いた灰1㌔から1万5千ベクレル/㌔の放射性物質が見つかりました。

このとき施設内の放射線量は2.69μSVwa;jされました。

やはり被曝した汚泥の塵が閉鎖空間の中で溜まったためのようです。

他にも、このような検出が相次ぎました。

・4月30日 郡山市県中浄化センターの溶解スラグ・・・33万4千bq/㎏
・5月4日  福島市堀河週末処理場の汚泥・・・・・・・・・44万6千
・5月18日 東京葛西水再生センターの焼却灰・・・・・・・ 5万5千

この被曝汚泥をどうするのかについては、福島県のみの指針として「10万bq/㎏以上は適切に保管する」指針を出しているのみで、他の都道府県については国は何も決めていません。

保管場所についてもなんの指針もありません。ただ「適切に保管しろ」というだけです。

六ヶ所村も使えないし、現実的には県所有地の一角に穴でも掘ってコンクリートで覆って鉄板を被せるしかないのかもしれません。

これも廃炉と一緒なのです。今の原発はようやく国民の知るところとなりましたが、最終処分ができないのです。

30年の耐用年数が過ぎて運用停止になっても、解体して持っていく場所がありません。

実際は、福島第1原発1号炉のように耐用年数の倍の60年も使ってしまっているのは(それを認める安全保安院も保安院ですが)、東電のドケチ根性もありますが、それ以上に廃炉にしても持っていく先がないことです。

3号炉のMOX炉も、原発から出る使用済み燃料のプルトニウムの行き先がないので、しようがないのでリサイクル・プルトニウム炉を作ってみました、という後先が逆なことをしています。

わが茨城県の東海第1原発も、日本初の原発でしたが1966年に運用開始されて33年間使って1999年に運用停止しました。

したのはいいのですが、未だ解体される見込みはたっていません。こんな高濃度放射性物質の固まりの原子炉などどこにも持っていきようもないのです。

この放射能の難しさは、ひとつひとつがつながっており、しかも最終処分方法がないことです。例えばこうです。

・原子力事故⇒放射性物質飛散⇒地域被曝⇒農産物⇒土壌⇒水系汚染⇒回収困難

・除染⇒下水を経て水系・下水処理場汚泥汚染⇒行き場なし

・原子炉建設⇒30年で廃炉⇒解体⇒解体済廃材⇒行き場なし

・燃料棒⇒使用済み本領からプルトニウム⇒仏でリサイクル⇒国内に輸送⇒MOXプルサーマル炉⇒たぶんダメ?

とまぁこのように、最期にどこにも持っていきようがないものを大量に作ってしまったというわけですから、こんな無責任な政策を国策としてしまった自民党には大いに反省してもらわねばなりません。

と言っても、片や民主党も原発推進の牙城である電力総連出身の議員はうじゃうじゃいますし、亡くなった連合の稲森会長は東電労組の出身でした。昨日は東電労組から中山義活経産省政務菅が政治資金をもらっていたこととが発覚してしまいましたので、どっちもどっちもですが。

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原子力事故の直後、私はどのようなデータを求めて走ったのか?

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風評被害から3カ月。どうにか回復してきていると言っても、いったん傷ついた福島、茨城の農産物のイメージの回復にはほど遠いようです。

こういう時になると農家は妙に沈黙してしまいます。なんて言うのかなぁ、嵐が過ぎて行くのを待つというのが体質のどこかにしみこんでいるんですね。

私は3月15日の水素爆発があった直後から仲間の農家に声をかけました。

「すぐに対応しないとダメだ。計測器をすぐに購入して線量を計って事実を確認しよう。そして大丈夫ならば安全だと言おう」。

だが首を縦に振る人はほんとうに一握りでした。いやお前の言うことは違うというのではなく、う~んグニョグニョ・・・。まぁね、グニョグニョ、もうちょっと様子見んべぇよ、グニョグニョ。

ああ、また始まったかと天を仰ぎました。大勢が見える時までは腰を上げないという日本農民病がこの千年に一回の時にも出たのです。

と言っても、それは農家として必ずしも間違った選択ではなかったのかもしれません。先んじて走った私にも同じように「情報の壁」が待っていたからです。

結局、私たちは村こと放射能風評被害の大渦に巻き込まれて行くことになります。

さて、この時点で必要なデータは3種類でした。

①3月15日以降数日間の飛散図・・・・放射性物質が福島第1原発からいかなる飛散をしたのかを知る基本的データです。

②地域の空間放射線量・・・農産物にフォールアウトした放射線量の目安になります。

③土壌放射線量・・・畑の土にどれだけ放射性物質が降ったかを知る目安になります。

まず②の放射性物質のフォールアウト状況は、幸いにもあるていどの予測がつきました。(資料1参照)

12年前の東海村再臨界事故時には、私はおっとり刀で隣村のモニタリング・ポストまで駆けつけて、パニくっている職員と見せろ見せないでやりあわねばなりませんでしたが、今回はリアルタイムで県の計測数値が表示されていました。大変な進歩です。 原子力安全対策課のページ

次に①ですが、私はこの時点では残念ながら、よもや国が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)という原子力災害時の予報シミュレーション・システムなどというごじゃれたものを持っているとは知りませんでした。

そしてそこにははっきりと事故直後からの放射性物質の飛散の動きが刻々と表示されているにもかかわらず、首相官邸の奥の院に隠匿しているなどとは夢にも思っていませんでした。

私は政府の枝野「原子力担当安全広報官」が言う、「放射性物質の流出はありません」というヨタを信じるほどウブではありませんでしたが、まさかまんま隠しているとは思ってもみなかった。ああ、オレ甘かった。

このSPEEDIの飛散図には、隣県にまで及ぶ放射性物質の詳細な拡散状況が記されているといわれており、まさに当時私たちが喉から手が出るほど欲しい一次情報でした。

この隠匿により、福島第1からフォールアウトした放射性物質が、当時の風向きにより、30㎞地点を超えて西北方向に伸びていたことが握りつぶされました。(資料2参照))

これを知りながら首相官邸は同心円的避難区域に固執し続け、飯館村、南相馬市などの避難が大幅に遅れるという致命的失敗をしました。

未だこのSPEEDIの生データは開示されておらず、もし3月15日からの1週間の間にこれが開示されていたのならば、福島県内のみならず大きな影響を受けた近隣県にとって緊急対応措置を取るための貴重なデータとなったことでしょう。

このように私たち農業者は、国から見放されたに等しい状況の中で手探りで対応措置をとらざるをえなかったのです。

しかも個々別々に。団体ごとに、時には個人で。

私はこの3月中旬の時点で市農水課に、「一刻も早い組織的検査体制の構築」を呼びかけました。しかし、検査機関が満杯であるとの理由ではかばかしい答えは得られませんでした。

実際、農民のみならず市農水課もまた途方に暮れていたのです。国はおろか県からも情報がまったく来ない。県も独自のモニタリング数値しか持ち合わせていない。そんな中で小さな市に何が出来ますか?

そして国がした唯一のことといえば、それはどこに責任主体があるのか分からない「出荷自粛要請」でした。しかも、ただの一片の首相名の紙切れに乗せて。

政府の言うとおりにすると、県全体の農産物が止まりねない、そんな第1次生産者の死活を左右するものを、ただのファックス一本で寄す。これがこの国の政権なのです。

この後に、菅政権は浜岡原発停止「要請」で同じ手法を踏襲します。汚れ仕事は法的裏付けがない「お願い」で通す。どこまでも卑怯な政権です。

それでなくとも、大震災の被災地でもあった茨城県全体のインフラはズタズタであり、停電、断水地域もまだ多かったのがこの時期でした。

後はご承知のように約2カ月半に及ぶ超特大の風評被害の嵐でした。出荷自粛(後に「出荷制限」)の品目は当然のこととして、関係のないレタスなども3個90円、いや値さえつかずといった状況で、投げ捨てられていったのでした。

この対応の中で、遅まきながら農産物の検査体制が稼働し始めたのが1カ月前。土壌検査もようやく手が着きな始めたばかりです。

現在、市内各地で土壌放射線量を市独自が計測を開始し始めています。(資料3参照)
行方市における放射線量率測定結果

今は幼稚園、小中学校の庭などですが、近い将来は農地の土壌計測にも向かうはずです。ただ予算がない。

国は近隣県の土壌放射線量計測の予算をまったく計上していません。

このような生産者、消費者の不安を取り除くイロハのイの取り組みを放棄しておきながら、何が 再生可能エネルギー特措法案だというのでしょうか!

そんなもの単なる自然エネルギー利権を孫氏に丸投げするだけのものじゃないですか。

さて、地域の農家もあまりにひどかった嵐がひとまずは弱まり、大打撃から立ち直りつつあります。

改めて思うのは、このような原子力事故で近隣住民が何より必要とするものは正しいリアルタイムの情報です。

情報は原子力事故と闘う最低の武器です。

この情報という最大の武器を私たちに与えないで、いったいなにで闘えと政府は言うのでしょうか。防護衣かマスクか、ヨード剤か。それとも私たちの生命そのものなのでしょうか?

次にまた原発が爆発した場合、同じ対応が続くのならば私は日本国民をやめたい。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 茨城県放射線量推移表001

■資料2 SPEEDIによる放射性物質モニタリング図

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■資料2 行方市の放射線量率測定結果

6月24日に行方市が実施した放射線量率の測定結果は、以下のとおりです。

【測定結果】
●麻生小(幼稚園)毎時 0.108 マイクロシーベルト
●太田小(幼稚園)毎時 0.172 マイクロシーベルト
●大和一小 毎時 0.172 マイクロシーベルト
●大和二小 毎時 0.189 マイクロシーベルト
●大和三小 毎時 0.283 マイクロシーベルト
●行方小 毎時 0.142 マイクロシーベルト
●小高小 毎時 0.146 マイクロシーベルト
●麻生中 毎時 0.151 マイクロシーベルト
●麻生一中 毎時 0.177 マイクロシーベルト
●津澄小(北浦幼稚園)毎時 0.152 マイクロシーベルト
●要小 毎時 0.159 マイクロシーベルト
●玉川小 毎時 0.139 マイクロシーベルト

すべての場所において健康に影響を与えるレベルではありません。

※平常時の茨城県内の環境放射線量:毎時0.03~0.07マイクロシーベルト
※胸部レントゲン撮影時(1回)の放射線量:50マイクロシーベルト
※学校等の校舎・校庭等の利用判断における文部科学省の暫定基準値:毎時3.8マイクロシーベルト 

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放射能除染は家庭でも簡単にできます

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本日は野菜の家庭で出来る放射能除染を取り上げてみます。

正直に言って、「野菜が怖い」症候群を拡げるようであまりやりたくはなかったのですが、家庭を預かる主婦の皆さんが知っていて損はないと思いなおしました。

放射性物質は煮ても焼いても除去できません。となるとこりゃやっかいと思われるでしょうが、いえ案外簡単です。

そう、「洗う」んです。

例えば頑固なストロンチウム90ですら、米に付着していたとしても、洗うことで5割~6割は落ちてしまいます。

野菜は煮ると付着したヨウ素、セシウムの5~8割が落ちます。この除染効果は、煮ることそのものよりも、煮汁に放射性物質が流出していくわけです。となると、煮汁はよく切ってということになりますかね。

玉野菜は外葉を取ります。キャベツなどのように葉がみしっと被っている場合は、葉自体が防護の役割を果たしています。ですから、外葉をいつもより多めに取り除けばいいわけです。

これからの季節は春に播種した麦などが出るシーズンとなりますが、自治体や農業団体で計測した数値が出てからにしてください。

3月15日の関東各県への放射性物質飛散時に、麦は畑にありましたので影響がないとは言いきれません。

私は土壌からの移行は、移行係数が多いほうれんそうでさえ千分の1.1程度で、他の野菜類はおしなべて1万分の1のケタですので、ほとんどないと思っていますが、3月中に地表にあったものは汚染の可能性があります。

魚介類も同じ要領です。ただし食塩水(濃度3%)で洗うと30~70%の除去が期待できます。ただの水ですと10~30%ていどですので、食塩水での洗浄が有効なようです。

また煮汁は流出した放射性物質が出る可能性がありますので、飲まないほうがいいのは野菜と一緒です。

クソ、私は魚の煮汁をご飯にかけるのが好物なのに!東電、恨んでやる(笑)。。

そして洗浄水も酢を入れると効果が上がるようです。

煮汁が怖い方は、一回下ゆでして水切りをしてから、だし汁と合わせるのもいいかと思います。

というわけで、心配な方はアライグマになりましょう。私のように畑でちょっと土をはらって、生でボリボリ、パリパリ食べるのが至福の人間には、実にいやな時代です。

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今回の放射能という災厄を運命だなどと絶対に言わせない!

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今日はまったく別のことを書くつもりでしたが、気が変わりました。

先日の私が自分たちの地域の農産物が安全であると書いたところ、ある種の人たちにとっては、「犯罪的行為」らしいようです。

多くは私の姿勢に対する共感でしたが、何本かはすさまじいまでのその手の人たちの「本音」をさらけ出した汚い言辞を書きつらねてあるので正直驚きました。

昨夜もまた欄外のような投稿を頂戴しました。今回は私の農業者としての姿勢と「大違い」なある福島の農家のことを書いています。

その方は、「自分の農作物を妊婦や子供に食べさせられない」と廃棄して、「賠償金をもらう」ことにしたそうです。そして放射性物質の計測もしていないそうです。

この農家の方のことを、この投稿氏は「野菜を作る人の誇り」とまで書いて、「すごくほっとした」そうです。

ほっとするのは勝手ですが、私のことをそれとは「大違い」だとまで書いています。つまり、私は「農家としての良心」を投げ捨てた悪徳農家ということになります。

このように書かれると、これは単なる悪罵の類ではなく、本質的なことだと思いますので、歳がいもなく朝っぱらから真正面から対応することにします。

私は農業者です。では農業とはなんでしょうか?

いや、別にそう改まったことを聞いているのではありません。簡単なことです。私は週末の市民農園を楽しむ人間ではない。私は農業のプロなのです。

地を耕し、トリを飼い、その生産物を売って、家族を養い、次に必要な資材や飼料を買って再循環させている職業の人間です。

農産物を「作る」のが、私という人間の背骨であり、血であり肉そのものです。これが私の人としてのプライドです。

ですから、ひとつの農産物を作り、販売し、次の再生産に繋げるためのつなぎ目に存在する「売る」という行為を大事に考えています。

私は正しく作った農産物を「売らない」で、「捨ててしまう」という農家がいたとしてたら、これはもはや「農家」ではないとすら思っています。

市民農園なら、食べても食べなくても自由ですが、私たちは「食べてもらう」ことで始めて、種まきから始まるひとつの生産を締めくくることが出来ると思っています。

ですから、私は自分の農産物を誇りを込めて売り、食べてもらうことを生き方のプリンシパル・原則とします。

さて、今回の放射能事件で私たち福島、茨城両県の農水産物は恥辱にまみれました。あたかも汚いもののように扱われ、捨てられました。いや捨てられる前に、政府の通達で私たち自らの手で「出荷自粛」すらしました。

出荷自粛、それは自分が作った農産物を捨てるということです。トラクターでかき回すことすら禁じられていたので、やむなく畑の一角に穴を堀り、投棄しました。

投稿氏さん、この屈辱が分かりますか?この哀しみが分かりますか?神奈川のお茶の農家が「わが子を捨てるようなものだ」と言った言葉は、まさに私たち共通の叫びです。

いや、賠償金が入るだろう、ですか。農家は金だけ受け取れば満足だろう、とでも。金が入れば何をしてもいい、とでも。

違います。私たち農業者は、農産物を「売る」ことの見返りとして「金」を受け取っているのであって、廃棄する代償に金を受け取っているわけではありません。

これは同じ「金」を媒介にしていますが、本質的にまったく別なことです。金さえ出ればなんでもやるのなら、その人はもう農家としての大事な何かを喪失し始めています。

ただし、私は福島県のこの農家のような選択もあり得ると思っています。しかし、賠償金をもらうのは次善の選択でしかありません。

失礼ですが、私はこれは農家としてのいちばん大切な心を捨てた行為だとも思えます。農家は自分の土地と農産物を命をかけて守るべきです。

なぜなら、土は母であり、生産物は子だからです。母と子を捨てて金を取ることをあたりまえだと思っているなら、もはや百姓ではありません。

守ることがどうしてもかなわないとなって金をもらえばいい。その努力もしないで賠償金を前提にしていたとしたら、私たち農家は何ですか。ただの乞食じゃないですか。

現実的にやむを得ない人もあるでしょうが、私はそう簡単にギブアップしません。

自分の農産物を測定するのは当たり前です。自分の地域の放射線量や、土壌の放射線量も調べるでしょう。

そしてその放射性物質の作物への移行のあり方を調べ尽くすでしょう。除染の方法を調べ尽くすでしょう。そしてそれをできるだけ多くの人に知ってもらうように勉めるでしょう。

今さら「都会の人へ安全なものを届けたい」なんて分かったようなことは言いません。そのような安全な農業への取り組みは、既に私は有機農業者として四半世紀取り組んできたからです。

私の農産物にはただの一滴の化学農薬もかかっていません。ひとかけらの抗生物質も使っていません。27年かけて自信を持って安全だと言い切れるものを作ってきました。

その上に立って言います。私は今回の放射能という災厄を運命だなどと絶対に言わせない!

私はこの福島第1原発の事故という「運命」と徹底的に戦います。それはデモすることでもなく(必要ならやりますが)、シュプレッヒコールをすることでもありません。

ましてや賠償金をあてにして、自分の農産物を捨てることではありません。

それはこの土地で、手塩にかけた農産物を作り続けていくことです。それが私の百姓としての戦いです。

             ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

「名無し」氏の投稿全文

福島の農家の方のスレがありました その内容は 野菜の放射線測定など テキトーにされており 農家として汚染された土壌は 事実であり 自分で作った野菜を 子供達や妊婦さんに 食べさせる事は 出来ないと感じ野菜は 作らない!と決めたそうです
後は 東電に賠償して貰うと
この農家さんのスレを読んで 凄くホッとしました
野菜を作る人の誇りを感じました

あなたとは 大違い。
投稿時間 2011年6月24日 (金) 01時10分

*HNを名乗らないで無記名で投稿することをこのブログでは認めていません。これは実名公開している私に、いわば覆面で斬りかかってくるに等しい行為です。この方のIPアドレスは記録に残っていますので、次はお気をつけ下さい。

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「暫定」規制値の「暫定」が取れる日が来ることを覚悟しよう

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暫定規制値の「暫定」が取れた時が、私たち農業者にとってほんとうの正念場だと思っています。

ご承知のように日本の放射性物質の唯一の規制値は、今まで「国内では原子力事故は起きない」という「想定」の下に作られていました。

ですから、放射性物質の規制値はあるにはあったのですが、それはチェルノブイリ原発事故による欧州産農産物の輸入品に対しての規制値でした。

厚労省はWTOの規制値に基づいてこのような数値基準を出していました。
例えば水の規制値は以下です。
・ヨウ素・・・10bq/ℓ
・セシウム・10bq/ℓ

同じく今の3月12日の事故以後に急遽決まった規制値をみてみましょう。
・ヨウ素・・・・300bq/ℓ(ただし乳幼児は100bq/ℓ)
・セシウム・・200bq/ℓ

一挙に20倍から30倍に規制値が上がってしまったわけですから、たしかに消費者に不信感をもたれてしまっても当然なわけです。

これは同じ先進国の規制値としても格段に高い数値です。
・ドイツ・・・・0.5bq/ℓ
・米国・・・・・0.1bq/ℓ

これだけ見ているとなんてメチャクチャな数値なんだと思われるでしょうし、実際、消費者の一部には猛烈な反発が一部ではあります。

それは十二分に理解できまが、もちろん根拠はあります。どうしてこのような日本の基準値が「暫定」であったにせよできたのかといえば、放射性ヨウ素の摂取国際安全基準値は1年で50msvなのです。

それに対して厚労省は、日本の基準値をそれを下回る33.3msvとしました。

この摂取国内安全基準値の33.3msvを1年間に摂取するために必要な放射線量
・食品・・・1.1msv
・水・・・・・1.1msv
・牛乳・・・1.1msv

これは具体的にはどのような量なのでしょうか?
・食品(野菜として)・・・700グラム(約2パック強)
・牛乳・・・・・・・・・・・・・・4.6ℓ(1ℓパックを4.6本)
・水・・・・・・・・・・・・・・・4.6ℓ

これを「毎日1年365日飲む」という設定とします。考えただけでお腹がガブガブになります。

なぜこんなありえない仮定とするかと言えば、食品規制値や放射線の被曝限度量などは、365日毎日同じものを飲んだり食べたりする、あるいは24時間露天に立っている、というような究極の設定をまずすることで、それを安全パイとするわけです。

日本の厚労省はその国際基準値の約6割強ていどにまで落とした33.3msvに上限値を設定しました。このミリシーベルトをベクレルに換値したのが(若干ズレますが)日本の食品暫定規制値です。(換算式は複雑なので省略します)

この日本の厚労省の設定の弱点は、水や牛乳は単品ですからいいとして、「食品」は数限りなくあるのです。

ほうれんそうだけ食べているわけではありません。米も肉も、他の野菜もお茶なども摂取します。となると、同じように並列して1.1msvでいいのか、という疑問がでてくるわけです。

では、ドイツや米国の放射性物質の規制値がどうしてこんなに低いのかといえば、食品添加物や農薬の規制値と同じ考え方を取っているからです。

つまり、消費者がどんなものをどれだけ食べてもぜったいに人体に影響が出ないというメチャ低い数値を摂取限度量としたのです。

仮に100が摂取限度量とするなら、思い切って10分の1の10を食品規制値としましょうという考え方です。

現に、日本も含めての食品添加物や農薬の規制値はこのような絶対安全値という発想に立って作られています。逆に言えば、仮にこれ以下の微量検出されたとしても、それは科学的に大丈夫ですよ、と国が認めた摂取量だということになります。

厚労省もいったんはその方向で作るつもりだったようですが、時間がないためか、はたまた別種の思惑があったのか分かりませんが、摂取限度量の国際基準値を6割まで下げて「暫定」規制値を作ることでよしとしたのでした。

ですから、とうぜんのこととして、日本は近い将来「暫定」が取れた真の規制値を作ることでしょう。たぶんもうその検討は開始されているはずです。

想像できるのは、今の規制値を米、独なみの10bqにもっていくことです。私もそうすべきだと思います。

多くの被曝県の農業団体は規制値を緩めろと言っていますが、気持ちは分かりますがそれは間違っています。むしろ米、独の先進国規制値と同等の基準を作り、それ以上は出さないという気迫が私たち農業者には必要です。

風評被害というのは、基準値を緩めることや、測定しないが安全だから食べてくれ、オレたちは苦しいんだ、という甘えた姿勢では絶対に解消されません。

しかし率直に言って、いったんセシウム300bqと決められてそれが検出されないような対策を行っている真っ最中に、更にそれを30分の1にまで下げるのは死にも優る苦しみでしょう。

私も頭では納得しつつも、現実には呆然となるかもしれません。下手をすると、今まで規制値内だった出荷物を膨大に廃棄することにつながりかねないからです。

それでなくとも現在、農業者は出荷物の放射性物質検査で重い負担を負っています。検査は補償対象外のですので、すべての手間とコストは農業者が負担しています。

短期ならともかく、いつ果てるともないその苦役を負った農業者の背にもうひとつの重石が乗せられるものなのかどうか・・・。

いずれにせよ、やがて遠からず「暫定」が規制値からはずされる日が来ることだけは間違いありません。

その覚悟はしておきましょう。政府や東電のように「想定外」だったと言わないためにも。

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福島市の放射線量について      

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おはようございます。「東電の回し者」で、「福島第1原発に行け」といわれている「犯罪者」のハマダめでございます。

こんな言われようは今 まで50何年間か生きてきましたが、ガキの時に「お前のかぁちゃんデベソ」といわれて以来のことであります。

こんなボキャ貧の悪罵を浴びると、なぜかガキ時代の頃を懐かしく思い出します。

私が洟垂れ小僧だった昭和30年代(「3丁目の夕陽世代」というわけですな)は米ソの大気圏内核実験なんて物騒がせなものの真っ盛りでした。

セシウムなどはあたりまえ、ご丁寧にもプルトニウムまでが微量ですが降っていたのでした。それから半世紀。

あの頃さんざんぱら放射能を浴びて育ったわれらがアトミック・チャイルド世代も大きくなりました。というか、よれてきました。

まさに民族を上げて長期低線量被曝の人体実験をしてしまったわけですから、私たちの前後の世代が有意性をもってガンなどの後障害が多いかどうなのか、早く統計数字を知りたいものです。

それにしても、われらが世代は第5福龍丸事件の前後に生まれ、洟垂れの時代には大圏内核実験、長じて青春期は公害垂れ流し時代、家庭を築く頃にはチェルノブイリ、中年となって東海村再臨界事件、よれた今になって止めのような福島第1原発と、ま~よ~節目節目で放射能浴びたことよ、と我ながら感心します。

あ、最近も屋根から落ちてレントゲン撮ったんだった(笑)。

私の友人が男気を発揮して、「福島第1の作業員募集に行くゾ!」と叫んでいましたが、行ったのかしらね。これ以上悪くなるなら、言われんでも老人決死隊(老人という歳でもないけどさ))でも作りますよ。

おい、見ず知らずの他人様に「お前、福島第1に行け」と言ったコメントくん、あんた一緒にフクシマ第1へ行きます?行くなら一緒に行こうか。

ところで話はゴロリと変わって、福島市にをめぐってなにかうろんな空気が漂ってきました。

福島市で年間20ミリシーベルトを超える地点が計測され、緊急非難計画が作られたの作られなかったのと大騒ぎです。

まず前提としてどのあたりが放射線量の目安となるか見てみましょう。とりあえず、ICRP(国際放射線防護委員会)の設定した放射線量の安全範囲を見ます。

念のために言っておきますが、ICRPは基本的に原子力発電推進の立場です。ここが作ったリスクモデルは、高放射線量の被曝をモデルにして被曝線量の限度量を作りました。

ですから、低線量被曝がある限度量以下だと「放射能汚染が原因であるとは認められない」とされてしまうことがあります。

これに噛みついたのが、ECRR(欧州放射線リスク委員会)で、未だスッタモンダの論争をしています。

ただし共に高線量を一時に浴びた場合の影響については共通の認識なので、焦点は低線量の内部被曝にあることがわかります。

と前置きが長かったですが、とりあえずこのICRPのリスクモデルを例にとってご説明します。

自然界にも宇宙から来る放射線は降り注いでいるわけで、とうぜんその人体への影響は存在します。これは人工的放射線、これは自然の放射線。自然放射線は人に優しい、なんてことはゼンゼンありません。

ですから、自然放射線量の年間平均値に、一般人の年間被曝限度量を足すと放射線のここまでが自信をもって大丈夫ですよという限度量となるわけです。

①自然放射線量(*宇宙から降ってくる自然放射線)・・・日本平均1.5mSv
②一般人の1年間の被曝限度量(*原子力施設、医療用を除く)・・・1mSv

・合計された1年間の放射線限度量・・・・①+②=2.5mSv

・1時間あたりの放射線限度量・・・・・・・・1年間の被曝限度量=2.5mSv
=2500μSv÷8760時間(1年間)=0.285μSv/h 

なお、この被曝限度量は被曝の閾値とは異なりますので気をつけて下さい。ICRPの定めた閾値は年間100~150ミリシーベルトです。

この限度量というのは一種の目安で、政治的というか、二重、三重、四重に安全係数をとった数値です。ですからこれを0.1μSv出たから危険とかいう性格のものでは決してありません。

放射線の数値には幅がある、このことを必ず念頭において下さい。さもないと神経症になっいてしまいます。

それともう一点ご注意したいのですが、公的計測以外は信じないで下さい。政府は今までこの原子力事故でさんざん嘘を並べ立てたむくいで、発表を信じる者がいなくなってきている有り様です。

だからと言って、県行政の出すモニタリング数値までも信ぜずに、自分で買い込んだガイガーカウンターででたらめな計測をして、とてつもない高数値をネットに流している不届き者がいます。

ちょっと前には東京の自宅の庭が3ミリシーベルトだったとパニくっている馬鹿がいました。ありえません。ご参考までに正しい計測方法を下の資料欄に乗せておきましたのでご覧ください。

さて、福島県は3月15日の直後に25μSv/hでした。確かに高い数値です。年間通してこの線量だとすると219mSvとなり、閾値を超えてしまいます。

しかし、ご安心を。現在は以下です。

●浪江町(避難区域)6月20日午前9時~21日午前9時まで(文科省計測)
・・・・17.2μSv/h

●福島市・・・同上 0.380μSv/h

下図は3月16日からヨウ素の半減期である8日間を挟んだ28日までの放射線量の推移グラフです。

003_3         (「イタ・デテスタビリス」様より引用させていただきましたうありがとうございました。)      http://d.hatena.ne.jp/reuni/20110327/1301219410

このように放射線量は事故直後から65分の1にまで激減しています。なぜでしょうか。それは事故当初の放射線にはヨウ素が大部分を占めていて、その半減期の挙動が放射線量に現れているからです。

おおよそ放射線量は2カ月ていどで減り続けていきます。現実には風や雨で放射性物質が溜まってしまう場所(ホットスポット)が出来たりしますので、均一に減少する訳ではありません。

またセシウム137は半減期が30年ていどですので、残存し続けます。

また土壌にも吸着されていますが、土壌からの作物移行は千分の1から1万分の1程度のオーダーですので、心配する必要はほとんどありません。

私は放射線防護の専門家ではないので、結論めいたことは言えませんが、現在の福島市の0.380μSv/hという線量値は、確かに安全限度量はICRPの0.285μSv/hを超えていますが、一喜一憂せずしばらくは静観していくべきでしょう。

ただし、お子さんに対しては充分な保護措置が必要な境界に差しかかっていることは間違いないようです。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

福島県放射能測定値情報
http://www.city.kitakata.fukushima.jp/cgi-bin/kinkyu/view2.cgi 

■放射線量の公式に計測方法

①地上からの計測点を地上高2カ所(1m、5㎝)にわけて計測する。
②電源を入れた後に、最初は10秒ごと4回の予備計測を行う。
③本計測は40秒毎に4回にわけて計測し、その平均値を取る。

なお地上高は
・地上1m・・・・・成人の生活する呼吸器のある高さ
・地上5㎝・・・・・子供が公園や校庭でしゃがんで遊ぶ高さ

また、測定場所としては
・地表が露出している場所・・・コンクリートなどだと雨で放射性物質が流されたりして、実態より低くでる場合がある。
・樹や建物がない開けた場所・・・樹や建物で遮蔽されていると、降雨で放射性物質がその根元や樋の下に集まってしまい、実態より高い数値になる。

*これ以外の方法もありますが、肝は何回かにわけて計測してその平均値を出すこと。それと計測点の高さを1メートルとすることです。よく地べたに置く人がいますがこれはダメです。

■福島市 独自の避難計画策定へ
(福島県)

放射線への不安が広がる中、福島市は、今後、独自の避難計画を作ることにした。
これは、きのうの市議会の中で市が明らかにしたもので、原発の状況が悪化した場合や、年間の被ばく線量が20ミリシーベルトを超える地点が見つかった場合などを想定し、29万人の住民の避難をスムーズに行うために、独自の避難計画を作る。
市は、緊急時避難準備区域や特定避難勧奨地点に指定された場合には、子どもや妊婦を優先的に避難させる考えで、県外を含めた避難先や移動手段などについて検討を進めている。
なお、33万人が暮らす郡山市も、避難計画を作るかどうか検討を進めている。

■福島市が放射線量の一斉調査

NHK6月17日 12時20分

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、住民から放射線に対する不安の声が上がっていることから、福島市は、放射線量をよりきめ細かく把握するため、市内の1000か所余りで一斉調査を始めました。

原発事故のあと、福島市は、市内の公園や学校などおよそ160か所で放射線量を測定し、ホームページで公開しています。しかし、住民からは「自宅の近くなど、より細かく放射線量を知りたい」という要望が相次いでいました。

これを受けて福島市は、17日から公共施設などに加え、住宅街の道路など、市内1045か所の放射線量を測定する一斉調査を始めました。このうち、福島市の児童公園近くの道路では、2人の職員が測定器を使って放射線量を測りました。

測定は地面から高さ▽1メートル、▽50センチ、▽1センチの3段階で行われ、この場所ではいずれも基準値を下回っていたということです。

近くに住む49歳の主婦は「もっと早くやってほしかったのですが、細かく分かるのはありがたいと思います」と話していました。福島市環境課の鴫原和彦課長は「身近な場所を多く調査して、市民に少しでも安心してもらおうという思いです。一刻も早く結果を出したいと考えています」と話していました。

市は、17日と20日の2日間で調査を終え、23日以降、回覧板などで地域の人たちに結果を知らせることにしています。

■福島大学キャンパス内及び附属学校園の放射線計測データ
http://www.fukushima-u.ac.jp/guidance/top/fukudai-housyasen.html

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神奈川から放射能が怖くて逃げた人がいるんですって(笑)

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お恥ずかしい話ですが、昨夜は少々ヤケ酒を飲んでしまいました。いや、少々ではなくて多々ですか(笑)。

で、今日は完全な二日酔いです。世の中が黄色い。頭の中で和尚が鐘撞いていやがらぁ。和尚さん、そんなにむきになって鐘つくなよ。グワァァン!

私は少年マンガの主人公のような人生観があるらしくて、きちんと誠意を尽くして話せばわかってもらえる、少なくとも相互理解の一歩になると信じてきました。

しかし、今回はみごと裏切られました。養老猛先生流にいえば「バカ の壁」というやつらしいですな。

こちらを理解する気がハナからないから、鵜の目鷹の目でこちらのアラ探しをして、気に食わない一点をついてくるってわけですからたまらない。

私は今の脱原発運動は国民的なうねりにならないと思っています。なぜなら、今のところ都市の人たちの自分の健康防衛運動でしかないじゃないですか。

原発立地県の住民や第1次生産者という最大の当事者であり、最大の被害者が加わらない運動など先が見えています。

やっぱり自分は怖いから群馬産を選ぶよって言うなら、それでもいいのです。選択の自由、食べない自由もあるって口が酸っぱくなるほど言っているでしょう。

しかし、原発現地の農業者のブログにまでやってきて、大きな声でリクツを並べ立てて不買運動もどきのことを吹聴されると、こちらもちょっとそりゃやりすぎだろうって思うわけですよ。

そんなこと言ってたら、福島や茨城の住民、農民や漁民を敵に回しますよ。オレたちはそこで暮らしているんだ。ここで一生懸命不安と戦いながら生きているんだってね。

そう言えば、つい先日「報道特集」を見ていたら、神奈川の人で石垣島に放射能が怖くて「脱出」した人がいるそうです。

福島の人なら分かります。わが県にもかなりの数がいらっしゃっていますが、できるだけの対応をして上げたいと思っています。

しかし、神奈川からの「脱出」とは、こりゃまた!

昨日の書き込みでも「神奈川以東は全部被爆地」などいう頭のねじがぶっ飛んだようなコメントがありましたが、本気でそう思っているのかしらね。

ならば、宇宙から降ってくる自然放射線は日本平均1.5ミリシーベルトもあるんですから、地下にでも潜って地底人となって暮らすんですな。

あ、そうそう、この脱出した人に忠告したいのですが、よもや飛行機で石垣島に行ったんじゃないよね。

飛行機で高度を上げると、宇宙線は倍になります。おおよそ高度15㌔上がるごとに線量は倍となるんです。

ですから、一般の飛行機が飛ぶ高空(10㌔~12㌔)では5.8マイクロシーベルト/hとなっちゃいます。

放射線医学研究所によればこんな被爆量となります。
・成田-ニューヨーク往復・・・150~200マイクロシーベルト
・成田-ソウル往復・・・・・・・・5マイクロシーベルト

胸部レントゲンの実効線量(*年齢によって違います。一昨日の年齢別表を見てね。だいたい子供は成人の8倍敏感)が50マイクロシーベルトだから、NYに行くとその4回分を一気に浴びることになります。

そこまで心配するなら、石垣までは船で行ってね。だって神奈川の線量はこんなところです。
・神奈川県の6月18日午前9時~19日午前9時まで・・・0.056マイクロシーベルト
・同 過去の最大平常値・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.069

ということは、石垣島まで飛行機で約2時間かかるとして11.6マイクロシーベルトの線量を浴びることになるので、神奈川でジッとしていればいいのに、脱出したおかげでいっぺんに約200倍も浴びちゃうことになるんです。(笑っちゃ悪いが、やぱり笑う)

ちなみこの航空機の飛行中の放射線量は、飛行機のクルーの要請で計測されたものですが、年がら年中飛行している彼らに特にガンが多いというデータはありません。

茨城だっていちばん高い放射線量が記録されたのは、0.015ミリシーベルト/h(北茨城市3月16日測定値)です。現在は6月1日計測で0.185マイクロシーベルトと激減しています。(下図参照)

最大数値だとしても、あるわきゃない設定ですが、仮に1日24時間雨の中に立ち続けたとしても、受ける放射線の量は0.36ミリシーベルトです。これはお医者さんで受ける胸部レントゲンが0.1ミリシーベルトですから67分の1です。まったく問題にならない線量です。

こんなていどで「お前の県は汚染地帯だ。産物は廃棄せよ」みたいな言われ方をするとムッとなりますよ、まったくもう。

*放射能という表現について・正しくは放射線ないしは放射性物質ですが、慣用句として放射能と表現する場合もあります。

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再びコメントにお答えして  私が茨城の農産物を安全だと主張する4つの理由

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いろいろとご意見を頂いております。とうとう「暴言」だ、「小馬鹿にしている」とまで言われてしまいました。私も言い方にやや穏当を欠いたものがあったのかもしれませんが、暴言を吐いたつもりもないし、ましてや小馬鹿になどしたつもりはまったくないのですが。

あ、そうだ。このブログはHNなしの投稿は認めておりませんのでよろしくお願いします。

さて、居直るのかといわれそうですが、「暴言」か否かで議論しても不毛だと思いますよ。「小馬鹿にした」などは立場の違いによる感じ方の差です。

立場とは都市生活者と、私たち被災地であり、被曝地である農民の立場です。こればかりは入れ替わるわけにはいかないのでいかんともしがたいのです。

さて、都市の消費者は3、4月の福島、茨城の農業者の悲惨極まる状況を、自分たちが農産物を忌避した「結果」とは考えたくないわけです。それを匂わせただけでムッとおなりになられる。

あくまでもそれは主体的に「そうしたかった」からではなく、政府の情報隠匿による内部被曝の危険性を最小限にするための自衛的行為だったとしたいようです。

それは一面でそのとおりでありながら、自分のとった消費行動が結果ではあれどのような影響を私たちに加えたのかに対して眼を閉ざしておいでになります。

つまり、眼中には自分の立場だけしかないのです。これでいいんでしょうか、これで原発や放射能汚染の問題がなにか解決されるのでしょうか、と私は問い続けています。

自分が子供の親であり、その子供の体内被曝を恐れるというのは十二分に理解しています。だからブログ記事で実効線量の年別表を乗せました。子供は大人の8倍も敏感に放射線を細胞内に取り入れてしまいます。

子供は無条件に守られねばならない、これは私の信念です。

ただ、大人は別です。大人は自分のとった消費行動がひとつの社会的なアクションなのだということをどこかで意識しているべきです。

これは前にも書いたことのですが、大事なことなので何度もくりかえすことにします。

子供には消費の「選択の自由」はありません。親が与える食物を食べるのが前提だからです。

しかし、親である大人は現在の日本においては無限大にも見える消費の幅があります。東日本のものがいやならば、ブラジルの鶏肉を買うことも出来るし、米国のブロッコリーも買える、危険さえ厭わないなら国産の半値の中国産毒菜だって買えます。

現実には福島、茨城産の農産物を「忌避する自由」の権利を行使されたわけです。

結果、私たち農業者は丸々2カ月から人によっては3カ月間無収入に近い悲惨な状況になりました。

震災による被害を癒す暇もなく、放射能という「津波」に押し流されたのです。人により違いはありますが、おおよそ数千万円の営業損と、それをカバーするための借金を背負うことになりました。

借金はちょうど今月末あたりから返済開始ですから、収益がないのに返済だけせねばならないわけですからずしっと応えます。

今まで借金を背負って経営をしてきた人が多いので、これでいわゆる二重ローンということになります。

あまり報道されていないようですが、東日本の被災地で家や車を壊された人たちや、家畜を失ったり、田畑などの経営基盤を失った農業者にはこの二重ローンは背骨が曲がるような苦しみなのです。

補償金だなどと言っていますが、未だなにも具体的には決まっていませんし、支払いはたぶん来年にまでズレ込むでしょう。そこまでもたない農業者も多く出ると思います。

「農家の暮らしと放射能汚染されたものを食べろというのは別だ」と仰せですが、そんなにスパンっと別なことなのでしょうか。

まったく別なことだと主張すると、都会の消費者は福島や茨城の農家なんか知ったことではないさ、と言っているのと一緒です。

だって、都市の消費者は「食べない選択」をすることが充分に可能なのですから。私たちがいくら「食べてくれ」と言おうが言うまいが、食べなきゃいいだけの話です。

日本の爛熟した消費市場においてはコンシューマーのほうが圧倒的に強者なのです。それがわかって言われているのかしら。

結果に対しても責任を持つのが成熟したコンシューマーだと私は思うのですが。それがわかっていて、「われわれは危険だから食べない。そのことで福島と茨城の農民は打撃を受けるだろうが、それは致し方のない選択なのだ」とまで言うなら、それはそういうお立場なんでしょうね、としかいいようがありません。

ただ、未来に食料危機などが来たら、まんま裏返しのことをわれわれからされますよ、ていどのことは言えますが。

それはさておき、私は今回データを出して「食べてほしい」と書いています。その論拠は4つです。

第1に、茨城における作物への被曝原因となる空中放射線量がまったく問題ないレベルまで6月中旬時点で下がってきていることです。

この下のグラフは茨城の放射線量の推移を示しています。3月15日直後に高い数値を示したあとは一気に下降しているのがわかるはずです。

どうも、福島、茨城両県の人以外は、いつまでもダラダラと放射性物質が垂れ流されているように錯覚しているようですが、それは間違いです。

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次に、具体的な現時点での空中放射線量をみてみます。茨城のものはTBS、東京のものは共産党都議団が公表したものです。

一目瞭然。ほとんど東京東部と茨城は変わりがありません。空中放射線が作物に影響を及ぼす線量ではありません。

・北茨城市・・・・0.185μSv
・高萩市・・・・・・0.129
・大子町・・・・・・0.099

・葛飾区・・・・・0.391μSv/h
・江戸川区・・・0.181
・江東区・・・・・0.186

第2に、現在市場に出ている青果の大部分は、5月以降に作付けした、言い換えれば畑に出たものであり、3月15日の福島第1原発の水素爆発の影響を受けていないことです。

あるとすれば3月中に飛散した放射性物質が、雨などにより降下して古い茎や葉に付着して、それが新芽に移行したお茶のような例です。

静岡のお茶も3月中旬に飛来した微量の放射性物質が、折からの雨で降下し付着したもので、それが加工工程で濃縮(*約5倍と言われる。ただし、その後に飲用に際して約50分の1に希釈される)されたものです。

これらの事実から、放射性物質による農産物の汚染は既に3月一杯で終わっており、現在はその余波の段階だと私は考えています。

もちろん新たな水素爆発がなければの話ですが。しかしどうも、都市の人たちは原発事故が収束していないことと、放射性物質が今も大量に放出されているような錯覚をごっちゃにしているようです。

第3に、なおかつ汚染があるとすれば、3月中の放射性物質の降下が、なんらかの移行(キャリーオーバー)をしている場合です。つまり、土と水に対してです。

土に関しては作物への移行係数がいくつかの研究機関から出されてきています。これは主要作物で以下です。(土壌学会のデータによる)

 ・ほうれん草:0.0011
 ・キャベツ :0.00024
 ・レタス :0.00014
 ・長ネギ :0.00040
 ・ジャガイモ:0.00090
 ・ニンジン :0.000071
 ・キュウリ :0.00010
 ・トマト :0.00080
 ・ナス :0.00030
 ・ピーマン :0.00018
 ・大根 :0.00039 

ほとんどが一万分の1レベルで、ほうれんそうのように露地で比較的広く空気に接する割合が多い葉物でさえ千分の1のオーダーです。土壌からの放射性物質の移行は、少なくとも理論的にはありえないと思います。

あとは水ですが、これは広範な調査が必要で、現在は結論は出ていません。ただし、私たちの独自調査では私たちの使用している地下水には現在のところ検出は見られていません。

第4に、私たちは既に独自に放射性物質の検出を開始しています。Photo

上は私の農場の農産物のヨウ素131、セシウム131、137 の計測結果です。もちろん「検出せず」です。

これはガイガーカウンターを当てただけという簡易計測法ではありません。葉物ならば1㍉にみじんにした後に計測器にかけて約50分計測する本格的な計測方法です。この計測は定期的に無作為抜き取り方式で行います。

他にも各生産団体での独自検査がなされています。農家によってガイガーカウンターでの土壌検査や、作物検査などをしています。

もし、放射能汚染が心配ならば、その買った先の流通団体にお問い合わせになると良いと思います。おそらく、関東の流通で放射線計測の取り組みをしていないところのほうが稀なはずです。

このように私はやみくもに「さぁ食べろ」と言っているわけではなく、ファクツ&エビデンス(事実とデータ)を踏まえて言っております。

最後にもう一点。

私たち農業者は都市消費者と「共同の被害者」の立場です。

何に対するって?それはハッキリしているじゃないですか。原発と、その事故対応を誤った政府と東電に対してです。

この大きな「加害者」を忘れないようにしませんか。

ここで、3月から5月中旬くらいまで無収入だった私たち福島、茨城の農民と、あなた方放射能の体内被曝が怖くて買い控えをした消費者が声を荒らげて、「お前は今言ったことは暴言だ。取り消せ」みたいなことを言って胸ぐらをつかみ合っても仕方がないじゃないかと思います。

私は明瞭な脱原発派です。一切の原発の再稼働は認めない立場です。ただし、現実には一定期間は移行期があるだろうな、とは思っていますが。

たぶん、私を非難なさっている人たちもほぼ同じ立場だとお見受けします。ただ即時停止か、段階的移行なのかという手段の認識のズレはあるでしょうが。

私が言いたいのは、原発を作ってしまった世代の私たち大人が、責任をもって原発を葬ることです。

その方法のひとつとして、政府、東電を批判するばかりではなく、今被曝県の私たちの農産物を食べてみようとするアクションもまた、ひとつの意思表示なのではないかと思うのですが、間違っていますでしょうか。

それは被曝県と連帯してつながっていくことで、口先だけの政局で脱原発を語る為政者に対して、もっと強く脱原発を迫っていく道を拓くことではではないかと思うのです。

もちろんお子さんは実効線量からみても同様にそうしろとは言いませんが、大人の皆さんは少しそのあたりも考えてアクションされたらいかがでしょうか。

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「原発安全宣言」ですって!寝言は寝て言え!      「安全宣言」したいのなら、政府と東電は生データを出しなさい!

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冗談は顔だけにして欲しい。寝言は寝てから言って欲しい。

ついでにイヤなことは首相が自分で言ってほしい。浜岡のようになカッコつける時だけしゃしゃり出て、こういう世論総反発がミエミエの時には部下を使う。毎度のことですが、実にみっともない。

首相自ら「原発安全宣言」をしたらいかがでしょうか。出来ますか?柏崎刈羽が、美浜、大飯が、伊方が安全だなんてどの口で言えるんですか。

今の関東全体を覆う重度の放射能パニックは、政府発表を信じられないから起きているのです。

今まで政府はなんと言ってきましたか。「放射能漏れはありません」、「メルトダウンはしていません」、「SPEEDIは見ていません」、全部ウソでした。

いちばん原子力災害でやってはいけない情報隠しをやっておきながら、未だチャラとしている。こんな政府発表を誰が信じますか。「安全宣言」したいのなら、政府と東電は生データを出しなさい。話はそれからです。

ほんとうに重大な事実を包み隠さずに情報公開して、今このような困難がある、しかし、このような対策を取っているから、政府を信頼してくれ、というのが筋でしょう。さんざん隠しておきながら、3カ月もたった今になって信用してくれだなんてよく言えるものです。

それを初期にメルトダウンが起きていた重大情報すら隠しました。それが今になってIAEAへの報告書を出す段でバレてしまいました。IAEAへの報告書で政府自身がなんと書いていますか。

●1号機・・・地震からすぐに冷却機能停止。炉心露出。約5時間の11日午後8時頃に炉心融解(メルトダウン)。圧力容器の底を融解して貫通し、格納容器も貫通した(メルトスルー)。12日、水素爆発。

●2号機・・・地震後にからくもRCIC(原子炉隔離時冷却系)を手動で作動させたが、バッテリー切れとなった14日午後1時25分冷却系停止。
14日午後8時8時頃炉心融解。同日午後11時、溶解した燃料棒が圧力容器を貫通。
15日午前6時まで2度のベントを試みるもすべて失敗。水素爆発。

●3号機・・・RCICを手動で作動したものの配管系が破損。バッテリー切れの12日午前11時に機能停止。
ECCS(緊急炉心冷却装置)が自動作動したが、高圧系配管の破損のために13日午前2時42分に停止。
13日午前8時、燃料棒家露出。11時頃、炉心融解。消防ポンプで注水。
14日午前11時、水素爆発。午後10時頃溶解燃料棒によって圧力容器メルトスルー。

15日の時点で政府と安全委員会は1後記から3号機までがすべて水素爆発して、メルトダウンを起こしていたことを知り得たはずです。それを隠匿した。

国民は皆、まだなにか重大なことを隠していると思っています。

こんな原発事故対応をしておきながら、「安全宣言」ですと!爆笑もんですよ。

今回の大震災で、4つの原発が試練を受けました。福島県の福島第1、第2、女川、そして茨城県の東海第2です。

前3つの原発については先に述べた状況でした。わが県の東海第2はどうだったでしょうか。

結論から言えば、福島第1と首の皮一枚の差だったのです。

3月11日、茨城県東海村ではこのようなことが起きていました。

午後2時46分の第1波に続き、3時15分に第2波が茨城県沖で発生したために、たてつづけに2ツの 震度6の烈震が襲いました。

原子炉は緊急停止したのは不幸中の幸いでした。しかし福島第1と同じように、外部電源の3系統すべてが切断。外部電源の遮断!まさに福島第1で起きた悪夢の事態が茨城でも起きていたのです。

非常用電源3台が稼働したものの、海水取水ポンプのうち1台が故障して起動できず、使用可能は2台のみ。

しかも福島第1を襲ったような15メートル超の巨大津波ではなく、たかだかといってはナンですが、5m前後の津波で、3台中1台が壊れてしまったのです。なんという脆弱性!

津波は堤防の先端のわずか40㎝下まで迫っていたのです。あともう少し高ければ津波は堤防を乗り越えて原発敷地内に殺到したことでしょう。

そして6本ある電源のうち、主電源が3本とも全滅。3本ある予備電源も2本しか生き残らなかったのですから、なんと電源の生存率わずか3割。

つまりは、全電源喪失一歩手前であり、しかも予備ポンプ1台ではおそらくは能力的に炉心冷却ができなかったと思われます。まさに紙一重でした。

そうなったら考えたくもありませんが、福島第1とまったく同じシナリオが始まったはずです。

冷却系機能停止⇒燃料棒露出⇒圧力容器内部高温高圧⇒ベント失敗⇒水素爆発⇒炉心融解⇒圧力容器メルトスルー⇒格納容器メルトスルー。

こんな東海第2原発が「安全」ですって!よくいいますよ。わずか3カ月で抜本的対策ができるはずもない。

菅さん、あなたの言辞は右手でカッコよく廃炉までの法整備を謳い、自然エネルギーがどうたらと言う。しかし左手では真逆なことをしています。

それに気がつかなければただのルーピーか、ペテン師です。

■写真 吠えているのではありません。太平楽にフワーぁぁ。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

<原発>海江田経産相「再稼働を」 立地道県知事、批判噴出

毎日新聞 6月18日(土)21時29分配信

海江田万里経済産業相が18日、原発再稼働の要請方針を示したことに対し、毎日新聞が原発立地道県の知事に姿勢を尋ねたところ、「適切」とした安全対策への疑問の声が噴出、現時点での受け入れを表明する知事はいなかった。原発の運転に関して知事に法的権限は無いが、電力会社と道県などの協定もあり、知事の同意無しの稼働は困難とみられる。経産相は近く福井県と九州を訪問する方針だが、慎重姿勢を見せる知事の説得など、各地で紛糾するのは必至の情勢だ。

【海江田経産相の発言は】定検で停止中の原発、政府が再稼働促す

 取材に応じなかった福井県知事と連絡が付かなかった茨城、鹿児島両県知事を除く10道県知事が取材に応じた。現在、国内の商業用原発54基のうち37基が停止中(調整運転を含む)。運転中のうち5基が8月末までに定期検査に入る予定で電力需給の逼迫(ひっぱく)が懸念されている。海江田経産相は同日の会見で、シビアアクシデント(過酷事故)対策に関し、適切との評価結果を公表した。

 適切と判断した根拠の説明を求める知事は多く、溝口善兵衛島根県知事は「国が指示し、電力会社が実施する安全対策で十分かチェックする必要がある」と国の方針をうのみにできないとの姿勢を堅持。新潟県の泉田裕彦知事は「安全性について論評に値する内容が無い」とコメント。「本県の技術委員会の質問に国は回答していない」と不快感も示した。

 原発事故の現場となった福島県の佐藤雄平知事は「再稼働はあり得ない」と従来通り断言。菅直人首相判断で運転停止となった静岡県の浜岡原発は、今回の経産相方針でも対象外とみられ、川勝平太知事は「再開のさの字も出る状況ではない」と現状を語った。

 浜岡原発と他の原発との違いについて説明を求める知事も複数いた。福井県は、県幹部が「原発の高経年化対策や、浜岡原発のみに停止を命じた判断根拠などが示されなければ、定期検査中の原発の再稼働は了解できない」と慎重な姿勢を示した。

 原発の建設や運転の許認可権は国にあるが、道県と市町村、電力会社は安全協定を結び、施設増設などは地元の了解を取る▽自治体の安全措置要求の受け入れ--などを約束している。経産相の発言を巡っては橋下徹大阪府知事も「時期尚早。経産相や経産省のみなさんが原発周辺に住めばよい」と話している。【まとめ・石川淳一、柳澤一男、関東晋慈】

 ■道県知事のコメント

◇北海道 高橋はるみ知事

過酷事故対策が適切と評価した根拠も含め、国は責任ある説明が必要。説明を踏まえ対応を検討したい

◇青森県 三村申吾知事

県原子力安全対策検証委員会での検証結果、県議会での議論などを踏まえ、慎重に、かつ厳しく対処していく

◇宮城県 村井嘉浩知事

一定の理解は示すが、不安の声があるのも事実で安全対策を万全にしてほしい。女川原発にはコメントできない

◇福島県 佐藤雄平知事

原発が立地している県の知事は安全確認の証左がなければと言っている。(福島第2原発の)再稼働はあり得ない

◇新潟県 泉田裕彦知事

本県の技術委員会の質問に国は回答していない。原発の安全性について論評に値する内容を何も含んでいない

◇石川県 谷本正憲知事

経産相の判断は一つの考え方だが、浜岡原発と他の原発の違いを十分説明していただかないと判断は難しい

◇静岡県 川勝平太知事

(浜岡原発が含まれないのは)当然だ。完全な対策だと確認できない限り、再開のさの字も出る状況ではない

◇島根県 溝口善兵衛知事

国の指示内容が、福島原発事故の原因を踏まえた安全対策として十分かチェックしていく必要がある

◇愛媛県 中村時広知事

再稼働の必要性に理解を求めたのだろうが詳細は分からない。伊方原発の稼働は白紙であることに変わりはない

◇佐賀県 古川康知事

再起動への国の意思が明確に示されたと受け止める。玄海原発の再起動は、県議会での議論も踏まえ判断したい。

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お母さん方へのご忠告。今出回っている農作物は大部分は安全です

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昨日のニュースを見ていたら、ある県の学校給食でピーマンなどの食材の放射能測定を始めたそうです。

鹿島の学校の一部では、自分の県の食材を使わないと宣言してお母さん方に好評だとか。公園でもお母さん方がガイガーカウンター片手に「あ、0.5μSvもあるわ」などとやっているそうです。(*μSv・マイクロシーベルト)

ああ、気が滅入って猫をかん袋に詰め込みたくなります。そのうち国立がんセンターが提唱するように1億総線量計となる日も近いのかもしれません。

磁気ネックレスをしていたり、ピップエレキパンなんかしていると、さぞかしピーピーうるさいだろうな。ラドン温泉に行く時は必ずはずしてね。(*もちろん冗談です。線量計はだいたい1ミリシーベルトくらいから警告音を出すので、こんな程度じゃ鳴りません)

さて、ちょっと農業者としてお母さん方へのこ忠告をひとこと。今出回っている農作物は大部分は安全です。

というのは、5月以降に作付けされたものだからです。つまりもう茨城県の放射線量がきっちりと落ちている時期に作付けしたわけです。

今の茨城県は東京東部とさほど変わらない放射線量なのですよ。ちょっとデータをば。
茨城県のものはTBSで、東京のデータは共産党都議団の計測値です。

・北茨城市・・・・0.185μSv
・高萩市・・・・・・0.129
・大子町・・・・・・0.099

・葛飾区・・・・・0.391μSv/h
・江戸川区・・・0.181
・江東区・・・・・0.186

ご承知のように、空中放射線量は作物の放射線量に大きな影響を与えます。特に空中の放射性物質は風で流され、雨で地上へと降下します。

その落ちた先に作物があれば放射性物質がかかってしまうわけですね。空中放射線量が作物への放射性物質の移行を示す重要な要素なのです。

で、わが茨城県の空中放射線はうれしいことに下がり続けていて、だから作物に検出されない値にまで下がっています。その証拠に、この2カ月間はお茶を除いて放射性物質の検出はありませんでしょう。

ではなぜお茶が出たかと言うと、2度ほどこのブログでも取り上げましたが、3月15日の水素爆発による放射性物質の飛散を茎や古い葉が受けて、それが新しい新芽に移行したためだと思われています。

では汚染された土から作物へ移行するんじゃないかとよく言われますが、土壌から作物への移行は極微量なのです。

いちばん大きいとされるホウレンソウですら1000分の1.1ていどです。他の野菜は1万分のいくつかといったケタです。(資料1参照)

このホウレンソウが現在の暫定規制値である500Bq/kgを超えるためには、土壌のセシウム濃度が約45 万Bq/kg というありえない数値にならねばなません。

福島第1原発の1号炉の中で農業でもやらないかぎりそんな放射線量は出ませんからご安心を。

後は、3月中に畑にあって、今収穫している作物ですが、これに該当するものは麦とキャベツくらいかな。心配なら計ってみて下さい。ちなみにうちの県では不検出ですが。

あとはもうひとつ茎、葉で浴びたとして、5月に着花し、これから果実になる果物ですが、ベラルーシで暮らしたママさんのブログによると、日本でよく食べられているリンゴ、梨、イチゴ、サクチンボウは放射能を吸収しにくい果物だそうです。
(「ベラルーシの部屋ブログ」)
http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/8293655302efdbc574fd32087588abca

これはチェルノブイリで被曝したベラルーシの調査結果だそうですから信用できますね。

というわけで、今出回っている作物はほとんど安全だと思います。

お子さんの健康を思って心配されるのはよくわかります。成人と子供は放射線の吸収を測る実効線量係数が子供の約8倍違いますから。(資料2参照)

心配するものは大いに心配されたほうがいいのですが、煽られてしまって「食べ物が怖い」というお子さんに育ててしまってはかえっていけないと思いますよ。

        ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

資料1 作物重量1kgあたりのセシウム濃度/土壌1kg あたりのセシウム濃度は次のとおりです。

●・白菜 :0.00028
 ・ほうれん草:0.0011
 ・キャベツ :0.00024
 ・レタス :0.00014
 ・長ネギ :0.00040
 ・ジャガイモ:0.00090
 ・サトイモ :0.0011
 ・サツマイモ:0.00075
 ・タマネギ :0.000016
 ・ニンジン :0.000071
 ・キュウリ :0.00010
 ・トマト :0.00080
 ・ナス :0.00030
 ・ピーマン :0.00018
 ・大根 :0.00039
 ・大豆 :0.0018
 

●資料2 年齢順放射線の実効線量係数(*放射線量にこの実効線量係数をかけると実際の人体に及ぼす放射線の影響が分かります)

・0~2歳まで・・・・・・0.18
・2~7歳まで・・・・・・0.10
7~12歳まで・・・・0.052
・12~17歳まで・・・0.034
・17歳以上は・・・・・0.022

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千葉県、東京都と相次ぐ高い放射線量の測定     政府は東日本全体の放射線汚染マップを早急に作れ!

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思わない展開になってしまいました。 

福島県を中心として、わが茨城県、そして千葉県の一部程度までが被曝圏だと思われてきました。

そのためにこの3県の農産物や海産物は壊滅的といっていい被害を受け、その被害は未だ続いています。

しかし、この5月に入って実は放射性物質は思いのほか遠くまで飛散しており、しかも距離との相関関係がないようにも見えるデータが出始めました。

ことの起こりは、ある元原子力安全委員の方のブログに千葉県での独自の計測結果が載ったことから始まりました。

驚いた千葉県住民は独自にガイガーカウンターを購入し、自分の土地を計測し始めました。

おおよそ以下のような結果です。

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この結果には、私も含めて多くの人が唖然となりました。福島第1原発との距離との相関関係がないのです。

・野田市・・・・・0.25マイクロシーベルト(μSv)/h以下単位同じ
・我孫子市・・・0.33
・柏市・・・・・・・0.54
・鎌ヶ谷市・・・0.29
・松戸市・・・・0.36
・流山市・・・・0.34

もっとも離れている流山市は、福島第1原発から実に190㌔でした。

一方、茨城県は福島第1原発にはるかに近く、もっとも福島県境に近い北茨城市でわずか70㌔程度しかありません。飯館村で40㌔ですから、その距離の近さが分かります。

それにもかかわらず茨城県北部の計測結果は以下でした。
・北茨城市・・・・0.185μSv
・高萩市・・・・・・0.129
・大子町・・・・・・0.099
下の資料1の茨城県の計測データともほぼ符号します。

尚、多少の測定値のズレは放射線の特長であり、基本的に放射能の壊変(分裂)によるものだそうです。むしろ同じ値をずっと表示しているのであれば、その計器の分解能が雑だということになります。

ですから、公式に計測する場合はこのように行います。

①地上からの計測点を地上高2カ所(1m、5㎝)にわけて計測する。
②電源を入れた後に、最初は10秒ごと4回の予備計測を行う。
③本計測は40秒毎に4回にわけて計測し、その平均値を取る。

なお地上高は
・地上1m・・・・・成人の生活する呼吸器のある高さ
・地上5㎝・・・・・子供が公園や校庭でしゃがんで遊ぶ高さ

また、測定場所としては
・地表が露出している場所・・・コンクリートなどだと雨で放射性物質が流されたりして、実態より低くでる場合がある。
・樹や建物がない開けた場所・・・樹や建物で遮蔽されていると、降雨で放射性物質がその根元や樋の下に集まってしまい、実態より高い数値になる。

逆に言えば、高い数値で煽りたければ、建物の樋の下や、道路の側溝で、地表面ギリギリで、一回だけ安物の計測器で計れば、とんでもない数値が出て、ぎゃ~ここもホットスポットだ、ということになります。

よくテレビリポーターがどう見ても安物の簡易計測器で自動車に乗りながら計っていたりするのをみかけますが、あんな数字は信用しないほうがいいと思います。

というわけで、市民の独自計測結果が多くネットで流されていますが、分解能が粗い機器を使って、今述べた手順で測定しないととんでもない数値が出て、慌てて引っ越しを考えたりすることになるのでご注意下さい。

それはさておき、文科省は今まで各都道府県でたった一カ所だけの測定でお茶を濁してきました。しかも、先に述べた測定手順によらず、測定位置や高さに統一された基準がありませんでした。

例えば、東京にただ一箇所ある放射線量測定ポイントは、新宿区百人町の地上18mのビルの上にあります。他の県もてんでバラバラの高さにありますが、共通項はビルの屋上だということです。

旧科学技術庁がこれでどうすると思いますが、その理由は、文科省の放射線量MP(モニタリングポスト)は60年代から続く偏西風に乗って飛来する大気圏内核実験の放射線量測定のためにあったからで、原発事故を考えたものではなかったからです。
(*なお各自治体のMPはチェルノブイリ時のものです。福島県と茨城県など原発立地県のものは、国の補助金で作っています。)

東日本ではただふたつの県、福島県と茨城県のみが原発立地県として放射性物質の漏洩対策の一環のMP網を持っていたにすぎません。

千葉県で茨城県北部を超える線量が測定され、神奈川、静岡で相次いでお茶から検出されるなど、放射性物質の飛散はかならずしも距離と比例しないで、そのときの雨や風向きなどの気象条件によるものではないかと考えられ始めました。

例えば、3月15日の福島第1原発の水素爆発により飛散した揮発性放射性物質のヨウ素、セシウムは3月中旬から下旬の風に乗って飛散した後に、折からの雨で各地に広範に降下したものだと思われます。

それを裏付けたのが、5月6日から23日まで日本共産党東京都議団が行った東京各地での測定結果でした。

測定方法はた非常に的確で、精度が高い測定機器を使い、地表1メートルで10秒間隔で10回測定した平均値を出すという文句のつけようがない手順でした、また測定地点も公園などの開けた公共の場所で測定されていますので、データ的に信頼性が高いと思われます。

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        (日本共産党東京都都議団計測 なぜか右端が切れていますがクリックすると見えます)

共産党東京都議団の東京都内の測定結果は
・葛飾区・・・・・0.391μSv/h
・江戸川区・・・0.181
・江東区・・・・・0.186

以上のように東京都東部において比較的高い線量を計測しています。西部の奥多摩市などではさすがに線量は低下して、0.072μSv/hまで落ちています。

なお、福島第1原発から東京都までは優に200㌔を超えます。ここまでの遠距離でありながら、茨城県北部と同等ないしはそれ以上に高い数値が出てしまったわけです。

あまりこういう計算はしたくないのですが、千葉県柏市で出た0.54μSv/hを国際的標準の積算方式で考えるとこのようになります。

・0.54μSv/hの放射線量を24時間、365日浴びたとした場合・・・・・・・0.54×24=12.96
・112.96×365=4730.4μSv/h=4.73ミリシーベルト(mSv)

一方、ICRP((国際放射線防護委員会)の設定した放射線量の安全範囲
①自然放射線量(*宇宙から降ってくる自然放射線のこと)・・・日本平均1.5ミリシーベルト(mSv)

②一般人の1年間の被曝限度量(*原子力施設、医療用を除く)・・・1mSv

・合計された1年間の放射線限度量・・・・①+②=2.5mSv
・1時間あたりの放射線限度量・・・・・・・・1年間の被曝限度量=2.5mSv=2500μSv÷8760時間(1年間)=0.285マイクロシーベルト/h 

なお、この被曝限度量は被曝の閾値とは異なりますので気をつけて下さい。

柏市の数値が正しいとすれば、比較するまでもないでしょう。柏市にはあきらかなホットスポットがあるということになります。政府もホットスポット対策をようやく着手し始めたようです。

ただひとつお断りしたいのは、柏市のどこで計ったのか、その時の気象条件や風向きにもよります。一回高い数値が出たからと言って不必要に恐れる必要はありません。

そして今回はTBSという報道機関が出した数字ですからいちおう信用しましたが、ネット界で流布している風説にひとしいホットスポット情報には耳を傾ける必要はないと思います。

また千葉県全体では、6月5日午前9時から6月16日午前9時までの文科省測定値は0.044マイクロシーベルトにすぎません。ネット界でホットスポットについてそうとうにいいかげんな自主測定値が氾濫していますので注意してください。

いずれにせよ、既に福島県や茨城県が独自に始めて、東京都も追随し始めた県内各地での放射線量測定による汚染マップを作りを早急に、しかも定期的に継続して行うべきです。

これはとうてい地方自治体にできることではありません。首相は自然エネルギーの全面買い取りを辞任の駆け引き材料に使っているようですが、その是非はともかくとして、まずは国民の日常的不安をしっかりと解消することから初めてほしいと思います。

国民、特に東日本の人間にとって見えない脅威と日々接する恐怖を政府は知るべきです。自然エネルギーの議論はその後ゆっくりやって下さい。

■写真 遅くなった田んぼもようやく青々としてきました。今年の稲はどうなるのでしょうか。1カ月遅れで台風と稲刈りがぶつからないか、出来ても平年並みで買ってもらえるか、村中が不安で一杯です。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

資料1 茨城県で測定された放射線量Photo_2

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放射線についての食品安全委員会が両論併記になったわけ

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書いている当人が楽しんで書いていないためか、はたまた歯切れが悪い両論併記をしているせいか、この間の低線量被曝についてはコメントがほとんどない状態です(ため息)。

これを書いている時間が朝の5時から7時なので、朝ッパラから頭をかきむしりながらオレなにやってんだろうと自問することもしきり。

私としては「なぜ、国は被曝した可能性が高い地域の人間にしっかりとした指針を示してくれないのだ?」という素朴な疑問から始まっているだけなんですが、これがなかなかムズカシイときています。

さて厚労省の諮問委員会である食品安全委員会は、3月29日に出した「放射性物質に関する緊急とりまとめ」の中で、そうとうに突っ込んだ「安全側に配慮した」規制値を出してきました。

ほんとうは放射性医学界の主流としてはきっぱりと「国の責任において100ミリシーベルト未満は大丈夫だと宣言します」と言い切ってしまいたかったのだと思います。

しかし、現実に出た答申は、ICRP(国際放射線防護委員会)の出している100ミリシーベルトのを5分の1にまでタイトにした20ミリシーベルトという厳しい基準値でした。なぜでしょうか?

いや、正直に言って、関西の人なんかより福島、茨城両県の県民のほうが「100ミリシーベルト、いや150だって大丈夫です」と言ってほしかったでしょう。大阪でガイガーカウンター片手に食事している人よりガンに罹る率はケタ違いなはずですから。

食品安全委員会の審議の中では、もっぱら放射線治療の中で得られている知見の観点から専門家が多く発言したようです。

そう言えば、前回「原子力村」、要するに御用学者だと言われてしまった中川恵一先生も、東大病院の放射線科の医師でしたね。国立ガン研究センターも会見をしていますが、やはり中川先生に近い意見です。

この放射線医療の医師たちの最大公約数的意見は「100mSv未満は、発がんリスクが検出されないという研究が圧倒的に多い」ということでしょう。まぁ「ゼロ被曝が望ましい」などといったら、自分の仕事ができなくなるからかもしれませんが(笑)。

この100ミリシーベルトというのが閾値(境界の数値)というわけですが、研究者によっては150ミリシーベルツトという人もいます。

前に紹介した低線量を脅威とする研究者は50ミリシーベルトを閾値としていますから実に3倍の差です。更にラジカルな人はいかなる放射線自体も危険であるとまで言っています。

結局、この審議会ももめたようです。というのは、「いや、20mSv弱の曝露で、固形がんのリスクが若干上がっているという調査結果もある」などと、低線量放射線の発がん影響について多くの意見が出たからです。

隔世の感があります。私の偏見かもしれませんが、今まで低線量被曝を脅威とする人たちは学界の中で異端児だったようです。小出裕章先生なども京大の片田舎の実験所の教員のいちばんのヒラである助教(助手))から出世できませんでした。

一方放射線医学界でブイブイ言わしているのは東大、京大の先生ばかりです。こういうところが、象牙の塔のいやらしさでしょうね。

ところが、3月12日以降この形勢は大逆転しました。今までオオカミ少年呼ばわりされながらも原発の危険を訴え続けた異端の人たちのほうが、少なくとも原発の危険性においては正しかったことが現実に証明されてしまったからです。

これは百万言の言葉より大きなインパクトを日本全体にもたらしました。小出先生の明大の臨時講義に、ホールに入りきれない学生ほどので埋まり、先生はとうとうホールの外に出て話をされたそうです。

そして原発に反対する人たちの低線量被曝に対する危機意識がみるみる内に浸透していきます。

そうでもなかったら食品安全審議会は、今までどおりにシャンシャン大会で、「100ミリシーベルト以下は安全。そうでよろしゅうございますね」でチョンだったはずです。

しかし審議会は「放射性ヨウ素については甲状腺等価線量50mSv=実効線量にして2mSv、放射性セシウムについては実効線量5mSv、あるいは10mSvである」というというとりまとめをせねばならないほど紛糾しました。

つまり低線量を脅威とする人たちの声がとおり始めたのです。

となると、学界主流派の「低線量被曝は確率論であり、現実にはほとんど無視し得る」という意見と並んで、「今回の検討では、低線量での発がん性のリスクについての詳細な検討は行えていない」と書かざるを得ない状況となったのです。

また、同じ審議会とりまとめ文書で、「放射線への曝露はできるだけ少ない方がよいということは当然のことである」と書かなければならなくなったわけです。苦しいところです。

ともかく3月の下旬という緊急時です。ここで審議会を流すわけにもいかない。かといって疫学的調査や毒性学的な情報収集の時間もないとなれば、両論併記した上で、「実際上の人の影響には閾値がある」とせざるをえなかったというわけでしょう。

たしかに、前々回の広島、長崎の疫学調査においても、多くのパラメータがあることは文献にも記されています。

例えば爆心地からの風向き、地形、遮蔽されていたかいないか、年齢、性別、飲酒、喫煙などの生活スタイルまでふくめて実に多くの変数があるのが分かります。

ただ一律に近ければどうとか、遠くても危ないと言い切れないほど現実にはパラメータが多く存在するわけです。

いずれにせよ、閾値ありかなしか、あるいは、極めて微量の被曝はどうかということを考える時には、非常に多くのそれぞれの人が抱えた要因に左右されるというのは確かなことです。

だから、放射線医学の専門家になればなるほど、「微量で閾値以下なら必ずしも危険ではないが、しかしできるなら放射線には当たらないほうがよい」という含んだ言い方になるようなのです。

科学者として良心的であろうとすればするほど、一般ピープルには分かりにくくなってしまうのはそのようなわけです。

■写真 ウユニ塩湖の朝です。一見すると雪か氷のようですが、実は岩塩の湖。カミさん撮影。写真は腕ではなく被写体のすごさだというのがよくわかる一枚です。

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死を選んだ農民は、壁にチョークで「原発さえなかったら」と書いた

Photo写真 避難区域の牛。 死にかかっています。週刊文春より参考のために引用させていただきました

明日から再開する予定でしたが、やはりあまりにも哀しいこの記事を無視できなくなりました。

相馬の酪農家、原発災害苦に自殺か

 相馬市玉野で13日までに、50代の酪農業男性が死亡しているのが見つかった。関係者によると、遺体が見つかった状態などから自殺とみられるという。遺体のそばの黒板には「原発がなければ」と書かれていたという。立谷秀清市長は同日、「当市において原発関連の犠牲者が出たことは誠に残念。海外に渡った2人の子どもが心配です」と文書でコメントした。

 同市や関係者の話などによると、男性は11日に見つかったとみられる。男性の妻と子ども2人は妻が出身の海外に避難しているという。男性も一時、渡航していた。同市によると、同市玉野地区は一時、原乳の出荷規制などがかかっていた。
(2011年6月14日 福島民友ニュース)

この背景には、いうまでもなく東電福島第1原発の事故にあります。下の切り抜きでも取り上げた飯館村の畜産農家は7割が廃業に追い込まれると見られています。

そして避難地域にはいまなお大量の家畜が放棄されたままになって餓死を待つか、家保による安楽死を待っている状況です。

日本政府と東電は放射性物質の拡散を3月12日の早期に知りながら適格な避難をさせなかったばかりか、原発がメルトダウンしている危険な状況であることも隠蔽し続けました。

まさに犯罪的行為です。そして3月中旬の早い段階でこのことを地元自治体や、住民に知らせれば対処の方法も違ってきたであろうに、「事故を小規模に見せたい」がための政府のミーイズムで「放射性物質の外部流出はない」と言い張ってきました。

こうして一時を争う重要な時期に2カ月間近い時間が無為に消費されて、今度は「警戒区域に設定するからさっさと出て行け」です。

避難民は自分の預金通帳すら持ち出せなかった人も出ました。まして牛、豚のような大型家畜は置いてこざるをえませんでした。

あるものは柵を放って家畜を逃がし、あるものは立ち入り禁止のロープをくぐるようにして自分の家畜に飼料を届けました。

しかし、それには自ずと限界があります。

JAは日本農業の主力部隊として懸命に牛の移動をしました。NPOも放射線の危険を知りながら現地で活躍しました。

この間、政府はなにをしていたのか!農水省はなにをしていたのか!鹿野大臣はなにをしていたのか!

薬殺だけが手段だったとはぜったいに言わせない。

さて、今回の悲劇的事件のもうひとつの背景には、フィリピン妻があります。私の村もそうですが、農村には外国人妻が多く入っています。

それは農村の恒常的嫁不足があるからです。習慣の違う農村に入ってきた外国人妻は苦労しながらも、よく働き、よく笑い、たくさんの子供を産み、そして村に溶け込んでいきました。

しかし、それが今回の原発事故でフィリピン政府が自国民保護のために帰国命令を出したのです。

多くのフィリピン妻は日本国籍を取得していません。配偶者ビザだけで日本で暮らしています。日本国籍を取得するためには、5年間結婚生活をせねばならないからです。

これは政府としても非常に多いとされる偽装結婚を防止するためのやむを得ざる措置でした。

となると、今回はどうなったのでしょうか。フィリピン妻はフィリピン国籍なので自国政府の退去命令に背くわけにはいきません。もし背いたら「日本人でもフィリピン人でもない」といういちばん不安定な地位になってしまうからです。

やむなく子供を抱いてフィリピンに帰った彼女たちを、今度はフィリピン政府は「日本には安全となるまで返すことは出来ない、出国ビザを停止する」と言ってきました。

この事件のフィリピン妻も幼い子供を抱えて帰国しましたが、「もう戻れなくなりました。助けて下さい」という悲鳴にも似たメールを出します。

もらった夫たちは驚きあわて、フィリピン現地に飛んだそうです。「オレが迎えにいって一緒に帰ろう」。

しかし、フィリピン政府は態度を変えず、現地日本大使館は「日本政府は介入できない」とあっさりと手を引いてしまいました。

子供だけは日本国籍がありますから夫との帰国を許されましたが、乳飲み子を母親から離すことができるでしょうか。

そして親子、夫婦の別離。家庭の崩壊。

このような中で悲嘆のあまり自殺を選んだ農民は、壁にチョークで「原発さえなかったら」と書き残して自殺したのです。

それまでささやかではあっても順調に育ったブランド牛があり、親からの開墾の農地も整ってきた、妻が来た、子供が生まれた、この子を後継者にしたい・・・こんな人としての最低限の喜びと誇りを殺したのはすべて原発です。

そして無能で非情な日本政府です。 

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

飯舘の畜産農家、7割廃業へ…牛と避難する人も

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、全域が計画的避難区域に指定された福島県飯舘村で、畜産農家の7割以上が家畜を処分して廃業に追い込まれる可能性が高まっている。

 だが、避難区域の指定が解除されるめどが立たないなかでも、高級和牛ブランド「飯舘牛」の繁殖牛を連れて避難したり、
村内にとどまって飼育を続けたりする農家もあり、関係者は畜産を続ける農家に何とか飯舘牛を守ってほしいと期待をつないでいる。

 村産業振興課によると、村内では原発事故前、約220戸の畜産農家が2300頭近い肉牛を育てていた。
しかし、避難の決定後、牛を連れて行けない農家は牛を競りにかけて売却せざるを得なくなり、そのまま廃業する意向を示した農家が7割以上に上った。

 そのなかで、雌牛15頭を育てている同村伊丹沢の山田長清さん(60)は、若くて血統の良い4頭を連れて福島市内に移り、畜産を続けることを決めた。
村内の知り合いの畜産農家はほとんどが廃業を決めたが、山田さんは「十数世代かけて交配を重ねた繁殖牛は自分の生きがい。血筋を絶やすわけにはいかない」と語る。
25年ほど前、村が「飯舘牛」ブランドを売り出し始め、山田さんも優秀な血統の導入に取り組んだ。
「飯舘牛の名にふさわしい、村でもトップクラスの繁殖牛に育て上げた」と自負する。

(読売新聞)

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原爆症とは低線量被曝のことだった

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今まで人類はいくつかの低線量被曝を経験してきました。

最初の大規模な経験は、不幸にもわが国が同時に2つの大都市において経験した広島、長崎の核兵器被爆です。

以後、チェルノブイリ原発事故、中東戦争時の劣化ウラン弾問題、そして各地の核実験場周辺における低線量被曝例が続きます。

このような経験をする中で、直後の急性症状とは別に、翌年以降、あるいは十数年後に発症する例が多数あることがわかってきました。 

「原爆の放射線被曝を検討する場合は残留放射線の影響を見逃してはならない。遠距離被爆地や遠隔の他の市町村から,救援や復旧のために爆心近くに駆けつけた入市被爆者にも急性症状が発症し,死に至るものが現れた。」
(「広島・長崎原爆の遠距離被爆者と入市被爆者の急性放射線症状」 田中煕巳・高橋 健)

これが「後障害」、あるい「晩発性障害」といわれるものです。

この晩発性障害は、被爆直後から救援のために現地に入った人々だけではなく、比較的遠くに居住する人々からも多く発症しました。

現地の疫学調査としては広島の於保医師による1958年の調査があります。これは低線量で残留した放射線がどのように人体に影響を与えるか実証的に調査したものです。

 「於保医師は広島市内の2 kmから7 kmの地域に生存している被爆者3,964人を対照にし被爆距離と屋内,屋外被爆,直爆後のl km以内への出入の有無と急性症状発現との関係を詳しく調べた。
また,629人の入市被爆者について,入市時期と急性症状発現の有無との関係を調査し,残留放射線による影響を統計的に示した。脱毛発現についての結果を図4に示す。
このグラフから,屋外被爆の場合には2km以遠の被爆者で,その後,爆心地帯に出入りしていない被爆者の中にも10%近い脱毛発症者がいることがわかる。」
(同上  資料1参照)
 

これらは年が立つに連れて、被爆との因果関係を立証するのが難しいために、原爆症認定訴訟も起こっています。

ガンなどの晩発障害には闇値がなく、確率的にほぼ被曝線量に比例して発症するという説に立つ人たちは、資料2のような疫学調査で分かった因果関係を示しています。
(資料2参照)

資料2のグラフは大変に衝撃的なもので、0.1シーベルトより少ない放射線量を浴びた事例のほうが単位線量あたり2倍から2.5倍もの相対的リスクをがあるとされています。

これは被曝した細胞が隣接する細胞に被曝情報を伝えるバイスタンダー効果や、遺伝子ゲノムが不安定となることが原因だと考えられるようになっています。

一方、厚生省の被爆者医療審議会の被爆者認定基準は、今なお閥値が存在するという立場を取りつづけています。

国側・厚労省は一貫して被曝量との因果関係を閾値(しきいち・発症する境界)があると主張し続けて、低線量被曝による晩発障害の原爆症認定を拒んできました。

今、私たちが福島第1原発事故で恐怖する低線量被曝による晩発性障害は、60年以上前から日本にあり、立場によって結論が分かれる古くて新しい問題だったのです。

不幸にも政治的な保守、革新に分かれて争われてしまったために、真実が見えにくくなってしまいました。

政治的立場を離れて、いったい広島、長崎の地でなにがあったのか、なにが爪痕として残って人々を蝕んだのかを見極める必要があります。

それは66年前にあった古き出来事ではなく、今、現在進行形で第2の大規模な被曝経験をしている私たち日本人に必要なことです。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

資料1 被爆条件の違いにおける被爆者の脱毛現象

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資料2 馬淵晴彦「疫学に基づくリスク評価の立場から」1997  Photo

参考文献

広島・長崎原爆の遠距離被爆者と入市被爆者の急性放射線症状
(日本の科学者 Vol.34 N0.7 July l999)

田中煕巳・高橋 健
http://www.ask.ne.jp/~hankaku/html/tnk.htm

http://www.ask.ne.jp/~hankaku/html/mokuzi.htmll

  

■写真 ギンモクセイが咲き誇って、強烈に臭いのですな。ハチさんは大喜びで群がってきました。

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広島、長崎から低線量被曝研究は始まった

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九州はたいへんな大雨なようで、心配しております。被害がなければいいのですが。やはり、口蹄疫事件で半年間大変にお世話になった宮崎、親族の多い熊本、鹿児島が気になってしかたがありません。

当地も昨夜来の大雨です。3月12日以来、今までは気にすることもなく当たっていた雨に敏感になってしまいました。

私たちがほんの子供だった頃は、ビキニ環礁などの大気圏内核実験が米ソでひんぱんに行われていた頃でした。

大気圏内核実験とは、まぁよーやってくれるよです。これほど他国に迷惑至極なことはない。

おそらくは全国的に拡がった被曝ということにおいては、この60年代の被曝状況ほど深刻なことはなかったはずです。なにせまんべんなく全国にセシウムなどを降らしたのですからね。

この時はプルトニウムまで東京に降っているのが観測されています。言語道断の犯罪行為と言っていいでしょう。

「黒い雨」(89年)という映画を観たことがありますか。あの今は亡きスーちゃんが女優として開花した作品ですが、彼女が鏡に向かっていると、櫛にべっとりと大量の黒髪が抜けていくシーンがあります。

広島、長崎において亡くなった大量の人達の多くは、強烈な熱と爆風によるものだけではなく、被爆後に襲った放射線と放射性物質による晩発障害によってでした。

「ピカ」の後遺症で村の人がひとりひとり倒れて、月に何回も村の道を行く葬列が見られるようになるというシーンが記憶に残っています。

そしてピカに遭って苦しむ人たちへの、同じ村の人達による忌避も描かれています。今回のフクシマでも一部で見られた「放射能差別」です。

語弊があるかもしれませんが、私はこれを被爆した「人に対する風評被害」だと思っています。

それはさておき、広島、長崎に対する核攻撃により、瞬間的な死も含めて実に24万人という一般市民が殺戮されました。立派な戦争犯罪です。私はこのことに対して永久に米国を許さない。

この後日本に進駐した米軍は、すぐに両市に調査団を送り、1950年から寿命調査(lSS)を開始します。

近距離被爆者約5万人、遠距離被爆者約4万人、そしてそれらの比較対象として投下時に両市にいなかった非被爆対照者約3万人を、囲い込んで徹底的に追跡調査をおこなっていきます。

これは約半世紀、50年間にわたって継続された人類史上初の被曝の晩発性障害の大規模調査でした。

ちなみに、よく私たちは「唯一の被爆国」という表現を使いますが、唯一の「被爆国」ではありますが、唯一の「被曝国」ではありません。

米国だけで大気圏内核実験が禁止される1980年までに423回、うち先住民族の居留地付近と北太平洋地域で193回の核実験を行っています。

ソ連は142回、自国領少数民族居住地帯で大気圏内核実験を行い、今に至るも中国はウイグル民族の居住地付近で22回の核実験を行っています。

フランスはオーストラリア、アフリカ、南太平洋の島々で66回の大気圏内核実験を行いました。

これらの追跡調査はほとんどされておらず、民間団体によるものしかないような現状です。しかし、米国本土においてもアトミック・ソルジャーと呼ばれるユタ州実験場で投下直後に投下地点付近で訓練をさせられた(!)兵士から大量の被曝者がでています。

南太平洋では島ごと流浪の民となった島もあります。

現在もなお進行しているウイグル族への被害はすさまじいほどで、別途ご紹介するつもりです。

私たちは「唯一の被爆国」という表現をすることで世界に多数存在している、いや現在もなお増え続けている核による被曝者へ目を閉じてはなりません。

さて話を戻しますが、この米国の広島、長崎の被爆者に対する遠近9万人の調査は被曝のデータベースとして最も多いものでした。

この時初めて人類は放射線が長期にわたって人をむしばみ、時に死に至らしめることを知ります。

それにしても無辜の市民の頭上に、しかも無警告に落としてから知るとはなんという愚かな!なんと許しがたいことか!

この遠近が問題となるのは、投下地点からの距離で、かなり正確に被曝地点の放射線量が分かるからです。

結果、50ミリシーベルト/年(*通常は/年という言い方はしませんが)という放射線量までガンや白血病になる確率が高いということが分かったという説もあります。

すいません。かならずしもそうは言えないという説もあるので、ここではそのように正直に書きます。追々私の中でも整理されていくでしょう。

ここで出た50ミリシーベルトがひとつの閾値(しきいち)です。(*100~150ミリシーベルトという説もあります)閾値とはそれ以上で有意となるかならないかの「境の数字」ていどで理解されて下さい。

この両市のデータを分析した米国科学アカデミー委員会は、2005年6月30日にひとつのレポートを出します。

この論文の結論部分にこう書かれています。

「利用できる生物学的、物理学的なデータを総合的に検討した結果、委員会は以下の結論に達した。被曝の影響は低線量まで直線的に存在し続け、閾値はない」

これが放射線量の脅威を語る上で大きな存在となる「直線・閾値なし仮説」(lNT仮説)です。

そしてこの米国科学アカデミー委員会はこのように明瞭に断言します。

「最小限の被曝であっても、危険をおよぼす可能性がある」

明日はこの直線・閾値なし仮説をもう少し詳しくみてみましょう。というのは、現在の風評被害の大本になっているのは、食物、特に農産物や水、あるいは土壌から体内に取り込まれる低線量の体内被曝だからです。

これがまさに今の日本が抱え込んだ、おそらくは十数年以上かかってしか結論が出ないような苦悩の根源なのですから。

そして、避難地域の人々の未来をどのように考えていくのかの、ひとつの拠り所となることが確かだからです。

 

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大震災から3カ月たちました。ありがとうございますの念を込めて

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昨日で大震災から3カ月たちました。1万5413名の方が亡くなられ、未だ8069名の方が行方不明となっています。そして避難者も8万8361名に上ります。

この御霊に合掌します。戦後、私たちはかくも大量の同胞を失ったことはなかった。

ひとつひとつの断ち切られてしまった生
砕かれた夢
親を失った子
子を失った親
住む人がいなくなった村々
いっかな進まない復興

そして、3月12日から始まった福島第1原発の暴走は現時点においても冷温停止のめどはたっていない状況です。

先日、放射性物質は福島、茨城、千葉の3県に止まらず、遠く神奈川、静岡にまで飛んで、お茶を汚染していたことが分かりました。

私がこの震災と原発事故で失ったものは多かったですが、唯一の大きな収穫は温かいご支援でした。

今に至るも届けられる友情に満ちた支援の品を手にすると、ありがたさで身が震えるような感動を受けます。「北海道」様、ほんとうに有り難うございました。

どのようにこのお気持ちをお返ししたらいいのかわからないほどです。

一期一会という手垢がついてしまった言葉が、今新しい気持ちで蘇ります。

壊された人の絆、新しくできていく人の絆。私たちは未来に利子を付けてこの絆を手渡していかねばなりません。

ご支援を頂いた皆様へのお礼のみで今日は失礼します。

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静岡県の荒茶からセシウムが検出される  ほんとうに危険なのでしょうか?

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全国で有数のお茶所の静岡藁科地区の荒茶から679ベクレルの放射性セシウムが検出されました。なんと福島第1原発から直線で365㌔です。

これはいくつかの点で非常に考えさせられる事件です。

まず、茶葉自体には暫定規制値が設定されていません。短い期間で体外に排出される放射性ヨウ素と違って、長期間残留する放射性セシウムの暫定着基準値があるのは以下です。

・飲料水・・・・・・・・・・・200ベクレルBq/㎏(*以下単位同じ・ベクレルは放射性物質が出す放射線量のこと・雨でたとえれば降雨量に相当する)
・牛乳 乳製品・・・・・・200
・野菜・・・・・・・・・・・・・500
・肉・卵・魚・その他・・500

で、お茶はこの「その他」に一括して入れられているというのが厚労省の見解のようです。まぁ、「想定外」の事態だったわけですね。

お茶というのはどのように放射線量を考えたらいいのか、実はとても難しい存在なのです。

というのは「お茶」とひとつくくりで言うのは簡単ですが、生茶葉から製品になり、更に実際に飲まれるまれるまでに形を変えるからです。

まずこの静岡の事例は、先日の神奈川の事例とはやや異なります。どこがというと、神奈川は「生茶葉」つまりお茶の葉から検出されたものだからです。

お茶は、野菜や牛乳のようにそのまま食べたり飲んだりするものではないですね。お茶は飲用にするために「生茶葉」⇒「荒茶」⇒「製茶」の行程を経ます。

今回の静岡の場合、「生茶葉」を蒸した後に乾燥させたりする加工工程を経て出来る最初の製品段階である「荒茶」(あらちゃ)からの検出でした。

これはえらい違いです。生茶葉からお茶の製品にすることによって、水分が抜けて重量は落ちますが、その分だけ放射性物質は濃縮されてしまいます。

それが生茶葉から最終製品の「製茶」になるまでに約5倍になると言われています。

困ったことには濃くなっちゃうんですよ。だから香り高くなるが、放射能だけに着目すると始末が悪いってことになります。

ということは、この静岡県の検査が生茶葉の時にされていたら679Bqの5分の1の135.8Bqしかなかったかもしれないわけで、当然基準値のはるか下です。

ね、どこで測定するのかでも、お茶はぜんぜん違った数値となるという難しい存在なのが分かりますね。

難しさはまだあります。製茶になって商品となるのですが、これを飲む時はあたりまえですが、お湯を入れますよね。

すると薄まります。だいたい約50分の1となるようです。ということは、679Bqの50分の1ですから13.5Bqとなっるわけです。ぜんぜん問題ない値です。

これで終わりかと思ったら、もうひとつややっこしいことがあります。暫定規制値は㎏単位なんです。

お茶の葉をキロ単位で使うバカがいますか。学生食堂などでデカイ薬罐で煮出す時だって数十グラムしか使わないでしょう。普通の家庭ではたぶん大さじ1杯ってところでしょう。

お茶をキロ単位で摂取することなど、お茶のお風呂に入ってどんぶりでガブ飲みする人以外まずありえないことです。

仮に、1回5グラムとして1日2回飲むと考えて10グラムとしましょう。現実のお茶の摂取量は基準値の100分の1程度なものなのです。

基準値の100分の1しか使わずに、更に水で50分の1にまで薄まるというわけです。このように考えると、基準値の500Bqが一挙に0.1Bqまで落ちました。

では、そもそもこの食品の暫定規制値とは一体なにかということになります。

「その放射性物質の濃度の食べ物、飲み物を平均摂取量で1年間摂取し続けた時の被曝量を5ミリシーベルト(mSv)として設定しましょう」ということから逆算された放射線量です。

そしてこの人体になんらかの影響が出るリミットを100mSvとしました。先日「放射能初歩の初歩」でやりましたが、ミリシーベルトの横に単位がついていませんね。これは年間量を表します。

年間100mSvがリミットですよと言っているわけです。なにもついていなければ自動的に年間単位だと思って下さい。

そしてそれでも厚労省は安心できないので、安全を考えて100mSvを20分の1まで5mSvまで狭めました。

しかも「1年間摂取し続けたら」という、ある意味非現実的な枠まではめました。

お茶の場合は1年間摂取し続けるのはあたりまえですが、ホウレンソウを毎日1年間とり続けるとか、魚を毎日かかさず1年間とり続けるというのは、まぁないでしょうな。

これは食品衛生法の考え方ですが、安全基準が二重三重にかかっているのが分かりますね。

静岡県知事が「飲用茶なら問題ない」と断言しているのはこのようなわけです。

お茶のような加工工程を減るものに対して、国はどの段階で検査をするのか、生茶葉か、中間の荒茶か、それとも最終段階の製茶かをはっきりさせるべきでしょう。

神奈川では生茶葉で測り、静岡では中間の荒茶で測るから混乱するのですよ。生茶葉と決めたら生茶葉にするべきです。

ところで話は違いますが、明日に詳しく取り上げるつもりでいますが、各県で放射線測定位置が違ったそうで(もはや爆笑)。

宮城県では県庁の80m上の屋上、わが茨城県では30㎝の地表スレスレだったとか。そりゃ数値が大きな違いが出ますよね。

野菜だって洗って測定していた県もあるかも。

測定値はいったん世に出ると一人歩きをして風評被害の元になるもの。政府も測定手順と測定ポイントをしっかり統一していただきたいものです。そのつど右往左往する消費者や生産者はたまったものではありませんから。

             ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■茶葉などから通常を上回る放射性物質 静岡

産経新聞 2011.5.11 18:42

 静岡県は11日、御前崎市で採取した茶葉とタマネギ、浜岡原発周辺海域のシラスから、過去の変動幅を上回る放射性物質を検出したと発表した。福島第1原発からの放射性物質の影響と考えられ、県はいずれも「健康への影響を心配するレベルではない」としている。

 御前崎市の茶葉1キロからは、通常はほとんど検出されないセシウム134が41・3ベクレル、セシウム137が41・6ベクレル、ヨウ素131が1・51ベクレル検出された。国は茶葉について放射性物質の暫定基準値を定めていないため、野菜類の基準値を準用して「問題ない」と判断した。

 しかし県は「茶葉をそのまま食用にすることはほとんどない」として、茶葉を湯に入れて抽出した飲用茶で追加調査を実施。菊川市内と磐田市内で採取した茶葉を使った飲用茶で検査したところ、いずれも微量の放射性ヨウ素と放射性セシウムを検出した。県は、飲料水の暫定基準値と比較しても「安心して摂取できるレベル」としている。

 しかし、茶葉は本県の特産品であり輸出品でもあることから、県は今月中にも県東部と中部で採取した茶葉で追加調査を行い、放射性物質の検出状況を確認する。

■「荒茶」出荷停止 静岡県知事「検査しない」 消費者団体は「検査は当然」

産経新聞 2011.6.2 22:00

 荒茶も出荷停止対象とした国の決定を受け、これまで厚生労働省の検査要請を拒み続けてきた静岡県の川勝平太知事は2日、あらためて「(荒茶の)検査はしない」と政府決定の拒否を明言。一方で消費者団体は「数値が示されなければ風評被害を招きかねない。検査は生産者にとっても必要」と警鐘を鳴らしている。

 「県はこれまで(生茶葉と飲用茶を)きっちりと検査し、(安全性も)クリアしている。われわれは値を隠すようなことはしないし、安全でないものを安全だとは言わない」

 記者団にこう述べた川勝知事に対し、厚労省の担当者は「静岡県には丁寧に説明していくしかない」と頭を抱える。

 荒茶の検査をめぐっては、「検査するべき」と主張する厚労省と、生産者への影響を慮(おもんぱか)って「検査は不要」とする農水省の意見が真っ向から対立。

 ところが、意見を求められた原子力安全委員会が「荒茶の検査をしないのであれば、製品に『直接食べられない』という表示をするべきだ」と助言すると、「茶のイメージが悪くなる」と判断した農水省側が一転、「検査不要論」を取り下げた経緯がある。

 ようやく政府決定に至った茶の出荷停止問題。全国消費者団体連絡会の阿南久事務局長は「決定は当然の結果。よかったと思う」としたうえで「荒茶で放射性物質が濃縮されると分かっていながら数値が隠されたままでは風評被害を招く。検査は生産者のためにも重要だ」と強調した。

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ちゃんとした「原子力教育」をつくろう!  放射能の恐怖から逃れるためには、「放射能を知る」ことしかない

         

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このところ若い頃にちゃんとした「原子力教育」を受けておけばよかったと思うことしきりです。

な~んて言うと、おいあんたいつから推進派になったんだと言われそうですが、それは今の「原子力教育」が推進一辺倒に傾きすぎているからです。

たとえば「チャレンジ!原子力ワールド」なんて副読本があります。http://www.atomin.go.jp/supplement/other.html

もう題名からして福島第1の冷温停止にチャレンジしてくれよ、と突っ込みをいれたくなるタイトルですが、内容的には「素晴らしいアトミック・ワールドへようこそ」といった内容で、原発安全神話のテーマパークのようなものです。

これをそのままフクシマ事故後に教えられる教師がいたらそうとうな強心臓。終戦直後の教科書のように墨で塗りつぶして使うんでしょうか。

こんな原子力推進教育に文部省は大枚36億3千万も予算を使っています。
(資料1 
文部科学省における 「国民・地域社会との共生」について参照)

実に36億3千万円。福島県だけの放射線汚染マップ作り予算がわずか7億でしたけね。茨城や千葉など確実に被曝している県にはビタ一文でませんでした。゛

農業者が今自分たちの健康に怯え、雨にもあたれない、出荷しても売れないといった状況の解決策の第一歩である放射能汚染マップ作りは緊急の課題なはずですが、例によってこの調子です。2次補正でつくのでしょうかね。期待しないでおきましょう。

ましてや水産業などカヤの外。

今、福島や茨城の漁民が津波で壊れた港と漁船を抱えて、どうにか海に出てもまったく売れないわけです。

これの解消にはまず補償もさることながら、しっかりとした福島第1原発からの汚染水と魚介類の汚染分布状況を調査することです。いまは県が懸命にやっていますが、本来は国がやるべき大規模な調査のはずです。

東北の巨大な被害の陰になってあまり知られていないのですが、福島から茨城の沿岸の港は津波で総潰れです。まともな漁港はひとつもない。

そして被曝。風評被害。農民や漁民にとって命より大事な農地や海の放射能汚染をしっかりと把握しないで、対策もクソもないもんです。

しかし、こんな基本的なことが手つかずのうちに、今度は福島第2原発でも汚染水を排出したいですと!(資料2参照)

とうぜん地元の自治体と漁業関係者や水産庁の大反対で沙汰止みになっていますが、正気とも思えません。お前大丈夫かとおでこに手をあてた、って奴です。

おっと怒って脱線してしまった。
とまれこのような第1次産業の原子力事故からの復旧には政府は支援をちびり、32億円もかけて原子力推進教育にうつつを抜かしていたわけです。(文科省は今年度から内容を見直すと言っておりますので、念のため言い添えます)

政府は子共たちに原子力をひたすら安全と洗脳するだけではなく、原子力や放射能のリスク、防護の仕方までしっかりと教えていくべきでしょう。

今回の原子力事故で痛感したのは、国民が政府や電気事業連合会から正しい原子力や放射能の知識を与えられていなかったことです。

私たち国民は、電気事業連合会のCMの怪しげなカッパから、「原子力はクリーンだから地球にやさしいんだよ」なんて騙されていたのでした。

あのカッパめ、震災以降とんと見かけませんが、またお眼にかかったら一発ハリ倒してやりたい。

国民が望むと望まざるとに関わらず、あと十数年はイヤでも原子力とつきあわねばならないでしょう。

それは運転停止まではなんとかなるとして、その代替エネルギーの建設や原発の廃炉ができないという物理的な限界によります。

その間に第2のフクシマが起きない保証はまったくありません。そのときに子供をどうやって守るのか、子供が子供自身自分の身をどうやって守るのかという術を教えていかねばなりません。

具体的にいくつの歳まで、どの程度の放射線量が安全であるのか、安全でないのか。

あるいは放射能事故が起きた時、どのように対処したらいいのか。どこへ逃げ、なにを飲み、なにを食べたらいいのか。

放射能の目に見えず、匂いもしない、味もないという恐怖は被曝地の人間にしかわからない恐怖です。空気も水も自分が作るものすら怖いという恐怖を私たち福島、茨城の両県民は3カ月間にわたって味わってきました。

この恐怖から逃れるには、「放射能を知る」ことしかありません。

親も子供も共に具体的にしっかり放射能と原子力を学ぶことで、漠然たる不安から逃れられるのではないでしょうか。

原発バラ色神話はもはや通用しません。しかしその裏返しの放射能脅迫神経症にならないためにも、しっかりとした親子の「原子力教育」がいるのです。

■ 写真 もみじの青葉です。青葉のもみじもいいもの。このもみじは裏山から苗木で移殖したものですが、もうこんな大きなきへと成長しました。いまや子供、孫の幼木が一帯に分家してもみじ村となっています。

             ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 文部科学省における 「国民・地域社会との共生」[平成19年度予算額:24.3億円]
・エネルギーや原子力に関する教育の取組の支援等を通じて国民一人一人がエ
ネルギーや原子力について考え、判断するための環境を整備。

・特に、教育支援事業への重点化を図り、国としての理解増進事業を推進し、エネ
ルギーや原子力に関する教育の取組の支援を着実に実施。

・また、高速増殖原型炉「もんじゅ」に係る広報を充実・強化し、高速増殖炉研究開
発を更に推進。

●原子力・エネルギーに関する教育支援事業の充実・強化12億円
●高速増殖原型炉「もんじゅ」に係る広報事業の着実な推進1.8億円

資料2 福島第2でも汚染水放出検討=30億ベクレル、東電打診-保安院

 経済産業省原子力安全・保安院は8日、東京電力が福島第2原発の原子炉建屋などにたまった放射能汚染水を海に放出することを検討していると発表した。総量は約3000トンで、放射性物質は30億ベクレルとみられ、保安院や自治体、漁業関係者に打診している段階という。

 保安院によると、第2原発のたまり水は東日本大震災の津波で建屋内に浸入した海水。含まれる放射性物質はマンガン54やコバルト58、60などで、配管のさびなどが海水に含まれたためとみられ、ヨウ素やセシウムなどは検出されていない。

 このうち、コバルト60の濃度は1立方センチ当たり0.3ベクレルと、水中の濃度限度として定められている同0.2ベクレルよりも高い。汚染水を放置しておくと、設備の腐食などが進む恐れがあるため、東電は放射性物質を検出されないレベルまで除去した上で、放出したいとしている。(2011/06/08-12:58)

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昨日のコメントへのお返事と年齢差による放射線量の実効線量係数について

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昨日、やや挑発的なことを言い過ぎたようで、「見損なった」とまで言われてしまいました。ひさしぶりだな、こんな言われ方したの。17の時にガールフレドに言われて以来じゃなかったかしら(笑)。

あれは小出裕章さんの言葉なんだけどなぁ、と言っても、私が勝手に使っているわけですから責任はとりますが、要は言いたいことは原子力についての私たち大人の「責任」の問題なのです。

なにも「危険とわかっているものを食え」と言いたいわけじゃありません。第一、都市生活者はそれこそ無数の食に対する選択肢を持っていらっしゃる。

それこそ野菜だったら、西日本や九州、四国のものもふんだんにあるだろうし、毒菜でよければ輸入中国野菜もあります。

いくらだって選べるじゃないですか。だから「選択の自由」の権利を行使されたらいいのです。

特に、昨日も言いましたが、成長期のお子さんをお持ちの方は、断固として「選択の自由」の権利を十二分にお使いになられたほうがいいと思います。

それは成長期の子供の細胞が、放射線の内部被曝によってダメージを受けやすいからです。

下に便利な表があったので引用させて頂きましたが、実際にどれだけの放射線量を身体に取り込んだのかは、年齢によって大きな差が出ます。

これは放射線の種類ごとに、「実効線量係数」をかけます。

実効線量係数はこの表の真ん中にありますが、以下年齢順には以下です。
・0~2歳までは0.18
・2~7歳までは0.10
7~12歳になるといきなり数値は下がって0.052
・12~17歳では更に下がって0.034
・17歳以上になると0.022

            (下図 「放射能のほんとうの話」より引用)Photo_2

なんと乳児と17歳以上では同じ放射性物質を体内に取り込んでも(つまり体内被曝ということですが)これだけの取り込み量の差がでるわけせです。

例えば、家族で水を飲むとしますね。同じ浄水場から来る水だとして、水の暫定規制値は300ベクレル/㌔ですね。

これに先日大騒ぎになった基準値以上の放射性ヨウ素が入っていたとしましょうか。東京のお母さんたちが一斉にミネラルウォーターを買いに走った時のことを思い出して下さい。

成人は一日なんやかやで2ℓ近く水を飲みますから,2ℓに300ベクレルのヨウ素が入っていきたことと仮定しましょう。

すると600ベクレルですから、これに実効線量係数をかけるわけです。
・17歳以上成人の放射性ヨウ素の吸収量・・600Bq×0.022=13.2μSv(マイクロシーベルト)
・2歳までの乳児・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・600Bq×0.18=108μSv

とこれだけ大きな差が出ます。ですから、私は子供は特に細心の注意で守れと言っているのです。

そしてもうひとつ、子供は自分で食べる食事を選択できません。中坊ともなれば買い食いのひとつもして帰ってくるでしょうが(私は中学の時は一日5回食べていました)、子供の食事は親が責任をもって選ぶのが原則です。

では大人といえば、食の選択の幅があります。こういう言い方はなんですが、成人は子供の約8倍もの安全係数があるのです。

たしかにいただいたコメントのように「子供の健康のために親の健康も重要だ」と言うのなら、それはそのとおりで別にそれでもかまいません。どうぞ心ゆくまで食べ物に線量計をあてたらいいでしょう。

まさに「選択の自由」です。いや「生き方の選択」の問題だと言うほがいいかな。わが国は自由社会です。自由におやりになるがいいのです。誰にも止められません。

ただ、私が言っているのは、それだけでは原子力や放射能の真の解決にはならないだろうと言うことです。

たしかに「オレの家は東日本のものは一切食わん」でいいですが、それでほんとうに原子力から脱却できますか?

電力会社は、「ああそうですか。カラスの勝手でしょう」とばかりに原子力発電所からの電気を送りつけてきますよ。

もし関西電力の美浜や大飯、高浜原発が今回のような福島第1原発のような事故を起こしたらどうしますか?西日本のみならず、おそらくは北陸や、脊梁山脈を超えて関東中枢部まで被曝するでしょう。

下のグラフは福島第1原発からの放射性物質の飛散シミュレーション図です。(ドイツ気象庁)Photo_4 

これを見ると福島第1原発から飛散した放射性物質は遠くカムチャツカ半島近くまで届いていることがわかります。

これを敦賀湾の原発銀座に置き換えれば、すっぽりと日本の中枢的経済圏である首都圏、京阪神地区が被曝範囲内に収まってしまうことがわかります。

私は自分の住む場所が被曝県で、風評被害の真っ只中にいる人間だから暴言を承知で言いますが、今回の事故が福島第1で「よかった」と思っている部分もあります。

苦々しさを込めて言いますが、被害は「たかが」数県の農水産物と、避難区域の人々と家畜に止まりました。あえて言えば地方経済的損害です。

これが敦賀の原発銀座だったら、冗談ごとではなく、日本は二度と立ち直れない規模の経済的損害と数百万人の避難者を出したことでしょう。

まだ「たかが」と言える損害で収まっているうちに、これを教訓にして私たちはこの原子力から段階的に足抜きをしていかねばなりません。

そのために国民が知恵を結集せねばならない大事な時期、それが今です。その時に、「オレのうちだけ安全ならそれでかまわない」という選択もいいでしょう。

私はそれを否定しません。まさに生き方の自由です。

ただひとつ言えるのは、そのように言い切ってしまったらあなたの地域が原子力事故の被災地になった場合、誰もなあなたの家族に手を差し伸べないでしょうね。

私が言いたいのはただ、「お前も危ないものを食え」ということではなく、大人の世代が子供の世代に世の中を手渡す前にこんなヤバイ原子力にきっちりカタをつけておこうよ、ということにすぎません。

そのために出来ることがただ、自分の家族の安全の防衛だけなんでしょうか、と私は問うているのです。

 

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小出裕章さんの言葉

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小出裕章さんという私が尊敬する学者がいます。今でこそ非常に有名になってしまいましたが、3月12日以前にはまったくといっていいほど無名な人でした。

社会的な地位は60を過ぎられて退官が近いというのに未だ京都大学助教、つまり助手でしかありません。

そう言えば若き日の私も参加する機会を得た「公害原論」の宇井純さんも、いい歳をして助手でした。

おふたりは東大や京大では異端の人だったわけです。

しかし、宇井さんは日本で初めて系統的に公害研究に着手した創始者であり、小出さんもまた、今後に必ずできるであろう「脱原子力学」の創始者でした。

小出さんの本を手にすると、ある種の感動を覚えます。これは凡百の脱原発の時流に乗った人たちの本にはないものです。どういったらいいのでしょうか、温かい「魂」があるのです。

さて、先日福島から避難されている方から初めてコメントを頂戴しました。うれしかった。

その方も、今の放射能パニックを苛立たれておられました。ある人たちは言います。福島は水俣やチェルノブイリになる。30年は還れない。為政者まで言う始末です。

福島や茨城産の野菜を食べると甲状腺障害になる。ガンに罹る。

私たち福島や茨城の人間がそこに住んでいることをわきまえない言い様です。

私たちのふるさとがそこにあり、住む家があり、職場があり、置いてきた家畜があり、ペットも残されている。

全財産と、生きてきた思いでのすべてがいまでもそこにある。まだ住民たちの日常のぬくもりが残っている土地を、よくチェルノブイリや水俣になるなどと言えますね。

言葉を慎みなさい!表面の同情づらから、面白半分の顔がのぞいています。

小出さんは放射線の危険を危険だとはっきり言います。彼の説は傾聴に値するもので、近々取り上げてみようと思っています。

しかし、今日私が言いたいことはその説そのものではなく、彼の心根の部分です。

小出さんは、大人は福島や茨城の野菜や畜産物を食べるべきだと言います。なぜか?

それは私たち大人の世代が原発を作り、その恩恵を享受してきたからです。

原子力はたかだか電気を作るためのものでしかないと小出さんは言います。そのためにこんな大きなリスクを冒す必要があるのかと問います。

「たかが電気」のために、子供たちの安全や未来までもを売り渡していいのかと言います。

子供の生命は無条件に守られねばなりません。都会の消費者の人たち、特に幼い子供たちを持つ母親の人に、ひとりの茨城の農業者として言いたいのです。

子供は守って下さい。最小限のリスクでも回避すべきです。全身の神経を研ぎ澄ませて、知恵を集めて子供と家族を守って下さい。

そのために私たち産地が犠牲なることは厭いません。

しかし、大人の皆さんは違う。東日本の運命を共にする覚悟を持って下さい。あなた方の細胞は既に成長段階を終了しており、子供と比べてリスクは遥かに少ない。

そしてあなた方は私たち福島や茨城、新潟の原発立地県のリスクの上に生活をしてきました。このことを忘れないで下さい。

あなた方都会の消費者は、リスクは拒否するが、恩恵は享受するという。そんなことが今の東日本で許される贅沢でしょうか。

子供は手厚く守って下さい。そして大人の方々は、共にこの日本列島を覆った悲劇と戦いましょう。大人たちの責任で復興させましょう。

そして、私たちの世代が作ったこの原子力という怪物を、私たちの世代で石棺に葬ってしまわねばなりません。

 

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鶏卵に餌から放射性物質は移行するのだろうか?

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屋根転落事件というボケをかましまして、ご心配をおかけしました。

屋根のてっぺんから落ちたのではなく、あ~れ~と屋根に爪立てながら落下したので、せいぜいが4、5m落ちただけですのでご安心下さい。屋根に私の爪痕がくっきりと。(うそ)

病院で調べてもらいましたが、「単なる打ち身でしょう」とのことでした。お見舞いの言葉、感謝いたします。

ところで、先日鶏舎周辺の草刈りをしたのですが、いつもならせっせとトリに食べさせているのですが、今回はおあずけとしました。草が大好物のトリさんからは猛烈なブーイングの嵐。

というのは、やっぱり草からの鶏卵への放射性物質の移行をいやでも考えてしまうのですよ。ああ、いやな渡世だ。

実は先だって私の消費者の方から、「卵の餌からの放射性物質の移行は大丈夫なんですか?」というご質問を頂戴していたからです。

特に私たちの有機農産物を購入する人たちは消費者意識が高い分だけ放射能汚染に敏感だといえます。

そこで論より証拠で、ちょっと鶏卵の放射性物質移行を調べてみました。

確かに放射性物質は私たちの地域に降ってきています。それは3月12日と15日のあの忌まわしい福島第1原発の水素爆発により飛散した大量の放射性物質によるものです。

この放出量は昨日になって保安院により上方修正されて、推定77万テラ(京)ベクレルと従来の37万テラベクレルの2倍に達しました。どうせまたそのうち上がることでしょうが。

その時の茨城県の被曝状況は、下のモニタリングポストの放射線量グラフ(茨城県HP)をご覧頂ければ分かると思います。事故以来の過去最大値は0.110マイクロシーベルトです。

現在はおおむね低い線量で推移しており、昨日6月5日の茨城県平均値は0.056マイクロシーベルトと約半分にまで下がってきています。

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また私の住む鹿行(ろっこう)地域は県内で降下線量が少ない地域のひとつで0.1マイクロシーベルト未満です。(資料2参照)

そして畜産物に限っても、わが県は3月に水戸で原乳から暫定規制値を上回るものが検出されて、出荷制限がかけられ、つい先だって解除されたばかりです。

これは放牧牛の乳から検出されたもので、それ以降わが県では放牧や自給飼料は事実上使用不可能となっています。

牧草の放射線量の規制値は以下です。

・放射性セシウム・・・1キログラム当たり300ベクレル
・放射性ヨウ素・・・・・・ 70ベクレル
・肉牛はセシウムのみ・・・300ベクレル

この規制値は再処理工場の安全審査の時に作られたもので、放射性物質が植物に降下して吸収され、それを家畜が飼料とすることで人間にキャリーオーバー(移行)する経路を想定しています。

いったん放射性物質が人体へ移行した場合は内部被曝の原因となります。この低線量のリスク評価は放射線学界でも意見が分かれているのはご承知のとおりです。

ただし、植物に直接に放射性物質が降った場合はさることながら(私はその危険は時期的に去ったと思っていますが)、土壌中に吸収された場合には物理的、化学的に変化を起こすことが知られています。

特に関東ローム層では、セシウムは粘土質と強固に結合して植物の吸収を妨げます。

私は、また新たな原発の爆発がない限り、既に3月、4月の時期で放射性物質の有為な降下は終了したと思っています。

牧草や野菜類からの放射性物質の検出が止まったのはそのためであり、今後あるとすれば3月、4月時期に既に茎葉に吸着したものが新芽や果実に移行したケースであり、5、6月移行は土壌経由の汚染が主になると考えています。

ここで出てくるのが、土壌からの移行係数です。野菜類の移行係数については先だって詳報いたしましたが、鶏卵でも移行係数は存在します。(資料1参照)

鶏卵においては、自然養鶏以外には緑餌の給与をしないので、土壌由来と言っても飼料からの経口の数値です。

・全卵(卵殻も含む)への移行係数・・・2.03

すると現在のセシウムの規制値が300Bq/㎏を超えるためには、飼料が2万5千Bq/㎏という超高濃度の汚染をされなければならないことになります。

このような高濃度の放射能汚染は、福島第1の1号炉内で養鶏でもしているならともかく、現実には考えられません。

ということで、あくまで理論上はですが、ほぼ絶対に緑餌(粗飼料)も含めて餌からの放射性物質移行はありえません。(きっばり)

そういえば、浜岡原発で温排水を使って鯛の養殖なんかやってたよなぁ。誰が食うんだ、そんなもの(笑)。

■写真 わが村の簡易郵便局。いやーこう撮るとまるで映画のセットみたいですね。

     

                   。°。°。゜。°。°。°。

■資料1  . 日本の文献資料による移行係数
第 28 回環境放射能調査研究成果

6-2 -2. lC卵
鶏卵については、扱う動物が小型で安易なことから、Fallout に関しての実験は多い。
特に鶏に第五福竜丸の甲板に降下した灰やF. Pを直接投与した実験川.20) に注目される。
Sr-90 の移行を文献値2 0 >により検討してみると、投与したF.P は調整後l年3 ヵ月のも
ので短半減期核種はかなり減表しているものと思われる。これを産卵鶏に5 日間毎日一定量づつ経口投与して毎日の産出卵に移行してくるSr-90 の量を調べた。

その結果、1 日の給与量に対し卵殻に13% 、卵黄に0.8% 、卵白に1. 2% 、全卵では15% であった。即ち可食部(卵黄と卵白)には2% の移行が報告されている。卵の平均重量55g 、卵殻を10 gとして移行係数を計算すると、全卵1kg 中Sr-90/Sr-90 1 日給与量、また可食書官1kg 中Sr-90/Sr-90 1 日給与量の比は、それぞれ、2.7および0. 34 であった。

1 -131 の可食部への移行は3 核種のうち一番多い。特に卵黄に多く移行することが報告
Z けされている。卵の中のI-131 が最も多くなるのは投与後4 -5 日であるので、この移
行係数は連続投与によって確かめなければならない。実験は4 羽の鶏にト131 を体重1 kg当たり10μCi をl週間毎日i 回づっ筋肉注射したものである。

卵l個のi 日投与量に対する移行置のデータは、投与4 日自のものから8日目までのものを平均した。その結果は15.09 %であった。これを当時の卵の平均重量55 gとして移行係数を計算すると2.74 になるが、筋肉注射であるので、これを経口投与に換算するために0.74 を乗じて2.03 という値を得た 。但しこの値は卵殻を含む全卵への移行係数であり、可食部への移行係数は、この値より小さくなることが予想される。

Cs-137 の卵への移行量については、かなり少ないとされているので、実験数もデータも
少ない。Cs-134 のi 回投与による実験 では可食部への最大移行値は0.56 %で、これを1 kgの移行係数として推定するとO.I( l.OE-l)である(表6 -11 ) これは筋肉注射のl回投与であるので、経口投与の場合は、さらに小さくなる可能性がある。

■資料2 茨城県放射線量分布図(茨城県HP)

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■日本農業新聞(4月30日)によれば、29日、千葉県の研究機関の牧草地2カ所から基準値を超える放射性物質が検出された。(下記切り抜き参照)

千葉県や圏内の生産団体では牧草の給与を自粛するように徹底した。自給資料の利用制限などについて政府は「適切な補償が行われるように万全をつくす」。

検出された数値は八街市の県原乳牛研究センターで
・放射性ヨウ素・・・・・・90ベクレル/㎏
・放射性セシウム・・・350ベクレル/㎏

同センター市原で
・放射性ヨウ素・・・・・・・・230ベクレル/㎏
・放射性セシウム・・・・1110ベクレル/㎏

この粗飼料の暫定許容量は、給与して生乳や食肉の中に放射性物質キャリーオーバー(移行)しないための判断の目安として国が設定しました。

暫定許容量は
・放射性ヨウ素/乳用牛(経産牛)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70ベクレル/㎏
・放射性セシウム/乳用牛・肥育牛(出荷前15カ月以降)・・・・3000ベクレル/㎏
・乳用牛・肥育牛以外の育成牛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5000ベクレル/㎏

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屋根から転落しました(泣き笑)

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お笑い下され。昨日、屋根から転落して首と腰を強打しました。う~痛てぇ。

わが村も震災で屋根瓦がそこここ落下しています。近頃の新建材の家と違って、農家の屋根瓦は気前よく落ちるんですな。特にグシと呼ばれる一番テッペンがゾロリっと落ちる。

しかたがないから親爺がブルーシートを持ってよじ登って落ちた所に被せるんですが、それが、また大風ひとつでヒラヒラと飛ぶのです。女房にせき立てられてまた被せる、また落ちる。

もう3回もやったという家もありました。4回目はやらないですね。すると、梅雨どきの雨が降りこみ、屋根に鼠のショッベンのような模様をつけたり、ひどい時は居間にシトシトピッチャンと滴が落ちて来ます。なんと風流なことよ。

わが村の瓦屋は10年先まで仕事が入ったと内心喜んだのでしょうが(ついでに大工、墓石屋と水道屋も特需のようで)、全国から瓦屋が東日本に大集合。

わが村にも長野県ナンバーの瓦屋がお仕事中です。しかし全国的に瓦供給が逼迫しているとのこと。色違いならありますがと言われた人もいるとか。馬鹿言えっての。

私も梅雨の合間に昨日よじ登った所、30分ほどして、脚立の足元がなんか変だ、きっと変だ、ぜったいに変だ、しぇ~とあお向けに落下。

ご丁寧に、脚立の伸ばしたヒンジの部分を固定金具で留めておかなかったもんで、落下しながら脚立のヤローが性格が悪いことに曲がってくるんですな。そして脚立に足を挟まれたまま着地。

そうそう死ぬ間際に走馬灯のように人生を回想するってウソです。あ、逆に死ななかったから回想しなかったのか。

ちょっと打ち所が悪かったので、なんとなく後頭部が今でもズーンという感じです。大丈夫でしょうが、ちょっとイヤダな。

夫婦して体中シップだらけでくさいことくさいこと。というわけで今日はこれまで。

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私は脱原発運動をしているのではなく、自分の農場と家族の防衛闘争をしているのです

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Aさん。

正直に言って、私は放射能(*)というものをよく分からないのですよ。特に低線量被曝はわかりません。だから分かったふりをして話しているわけでもない。
「安全だ」とも「安全ではない」とも私には言えないのです。

なぜなら、私は単なる風評被害の消費者向けアピールをしているわけではないからです。ならばいっそうのこと簡単なのです。もっと歯切れのいいことを言うでしょう。

かつてのように私が有機農業団体の代表をしていた頃なら、「原発は危険だ。私たちはその犠牲者だ」と言うか、逆に、「こんなていどの低線量ならば健康に影響にありません」と言うかしたでしょうね。

代表という仕事は組合員農家の農産物を守ることが大事な仕事ですから、あいまいには言えないのです。

このブログを書き始めた時に思ったことがひとつあります。それはオフィシャルな発言ではなく、自分の迷いを含めてできる限り正直に書いていこうということでした。

と、どうなるかと言えば、口蹄疫の時もそうでしたが、あれこれ迷うことのみ多かりき、なのです。

口蹄疫の時も、養豚協会と山田大臣の果たした役割の評価は、途中で一転しました。こういうことはカッコ悪いので、できるだけチャラとしてどこかの国の首相のようにカエルの面になんとやらを決め込むほうがいいのです。

私はそれが出来ずに、「認識に誤りがありました」とやってしまって一部の人からは馬鹿にされました。

そして、現在進行形の原発や放射能についても同じです。ひとりの農業者として、ひとりの茨城県民として、ひとりの日本国民として、そしてなによりひとりの家庭人として自分を偽ることなく書いていきたいのです。

ここで初めに戻るわけですが、私には放射能がよくわからないのです。特に低線量放射線被曝の評価が分からない。

私がかねがね尊敬していた孤高の科学者・小出裕章先生のように、「一切の放射線は危険である」と言い切っていいものかどうか迷っているのです。

というのは、なにを非科学的なといわれそうですが、学説の吟味ではなくそれを言い出したら私は自分の住む所がなくなるからです。

自分の住む場所どころか、営々と27年かけて作ってきた生産基盤のすべてを放棄しなければならなくなります。60前でそれはきついですよ。
そして村の仲間にも避難を呼びかけなければならなくなります。

たまに考え込みます。たとえば下館村や南相馬の人たち、特に同じ農業者の人たちが同じ村の人たちに見えてきます。

オレなら家畜を野に放すだろうか、それとも薬殺するだろうかって、妙に具体的にリアルに。
おとなしく避難所に行って補償金もらうか、それとも東電本社前にトリをおっ放してやるかとも。オレなら後者かもな。

そう考えてしまった福島の避難地域、警戒地域外の農家や茨城の農民はけっこういると思いますよ。毎朝のように「日本農業新聞」で避難地域の住民や牛の状況を見るたびにいたたまれなくなります。

いや1年でまた元の村に戻れるさ、低線量セシウムなんかそれほどかからずに体外に出ていくよ、ということを言う学者の言説がそうであればどれほどいいだろうと正直思ってしまいます。藁にもすがるって気分でしょうね。

まぁこんな低線量安全説をすこしでも唱えると、ネット界ではあいつは御用学者だ、こいつは「原子力村」だみたいに袋叩きになっているようです。

はっきり言って不愉快ですね。少なくとも生産的な話ではありません。何に対して不愉快かと言えば、「低線量被爆地」の人間の気持ちをまったく考えていないからです。

この「安全説」バッシングをしているのが福島、茨城の住民なら致し方ないのですが、どうみても放射性物質が飛んでいくはずもない人たちまでもが同じことを言うと、カンベンしてよくれという気分になります。

そんな人たちまで言うのなら、私のような「低線量被爆地」で風評被害の中心地にいる人間はどう考えたらいいのですか?

低線量で子供に催奇性が出る、発癌率が高いのなら、私はよそに移住でもしますか?

私の生産物も同じです。私の作る農産物を長年食べていたら発癌率が高まるとでも?冗談ではない。だから自分の農産物と家族の健康を守るためにがんばっているのです。

今、私は理念としての脱原発運動をしているのではなく、私の農場と家族の防衛闘争をしているのです。

福島や茨城の農業者は放射線とどう折り合いをつけたらいいのか悩んで悩んで、雨にもあたれない、自分の農場の草も家畜に与えられないのです。

だから、「まったく安全」、「全部危険」の極端な両端を切って判断するのが妥当だと思うのです。

正直手さぐりです。あらかじめ結論があるわけでもありません。どちらの立場の方にも申し訳ないですが、歯切れが悪いし、「原子力村」の学者の説も、脱原発の学者の説も等しく扱っていきます。

そういうわけですので、今後ともおつきあい下さい。

*正確には放射線、放射線量、放射性物質、放射能などなど。この場合は、一般名詞として「放射能」を使用しました。

■写真 村の床屋さん。店頭の藤棚が自慢で、ちょっと前までたわわに藤が下がっていました。

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低線量被曝の地だから学びたい放射線初歩講座   第1回 放射線の脅威は100ミリシーベルトを境にして確率論と確定論に分かれる

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私のブログにもいろいろな方が来ます。ある方は線量計をあてないと子供に食事をやれないとおっしゃる方、申し訳ないが福島、茨城県産の農産物はちょっとね、と言う方は意外なほど多いようです。

ある私の古い友人からは、ズケズケと「よく日本になど住んでいるな」と言わんばかりの言い方をされてかなりムっとなりました。彼は外国在住なのです。

つまりは、「弱い放射線を微量受けることの脅威」を最大限に捉えて、それを日常生活から極力排除しようという考え方です。

一方、こんな考えがあることも知ってたまげました。文面をご紹介できないのが残念なのですが、なんと「弱い放射線を微量受け続けることにより」という部分までは低線量脅威派の人たちと一緒なのですが、さぁここからがスゴイ。

続けていわく、「身体の細胞を活性化させて毛細血管か拡張し、新陳代謝が向上し、免疫力が高まって自然治癒力が高まる」。

正直言ってドヒャ~でしたね。いわば低線量放射線バンザイ派です。毎日浴びたい低線量というわけですね。

これは居酒屋のへべれけが言っているわけではなく、いちおう(失礼)トーマス・D・ラッキィ博士という米国の医学者によって唱えられているホルミシス学説というのだそうです。

と学会が手を叩いて喜びそうな学説ですが、ホルミシタスという用語は、ホルモンの語源のギリシア語のホルモと同じ意味の「刺激」や「促進」という意味をもった造語のようです。

この放射性ホルミシタス効果というのは鳥取県三朝温泉などの天然微量放射線をもった鉱泉が人体に有為な働きをしているという話しからきています。そういえば、わが家のそばにも人工的放射性物質を使ったラドン温泉なんかがあったっけ。

うちの村のジィ様が飲むと薬効があるとかでコップ持参で通ってましたっけ。そういえば健康グッズになんとかいう放射性鉱物でできたネックレスなんかもありましたね。

このホルミシタス効果というのは、抗酸化酸素SODが増殖するというのですが、どうも私は素直に受け取れないのですね。低量放射線をあらかじめ浴び続けていれば、障害をあたえかねない強い放射線量を浴びた時に、その健康障害が軽減するということはあるでしょうが、積極的に毎日低線量被曝をするのは、ちょっと考えてしまいます。

このホルミシス効果はかんじんな免疫学的統計数値の絶対量が少なくて、民間療法に毛が生えたようなもののような気がします。

さて、放射線医学の専門家である東大中川恵一先生の「放射線のひみつ」という本によれば、放射能が身体にあたえる影響はふたとおりあるそうです。

ひとつは「確率論的影響」と、もうひとつは「確定論的影響」のふたつです。

言い方は難しいのですが、要するに「確率論的影響」とは宝くじのようなものです。あるいは映画「ディアハンター」に出てくるロシアン・ルーレットのようなものです。

ロシアン・ルーレットとはリボルバー拳銃に一発だけ弾を入れて、カラカラと回してから頭に当てて引き金を引きます。死ぬ確率6分の1の命をかけたバクチというわけです。ぜぇ~たいにやりたくない。

中川先生によれば、放射線の人体への影響は、ある一定の線量を境にして確率論と確定論に分かれるのだそうです。

それが100~150ミリシーベルト(mSv) です。この境目のことを「閾値」(しきいち)というかったるい呼び方をします。これ以下なら大丈夫、これ以上だったら危ないという境目のことです。

100~150ミリシーベルト以上だったら確定論的に危ない。100ミリシーベルト以下は確率論だと先生は言われます。

「危ない」とはハッキリ言ってしまえば、発ガンが起きる可能性が高まるということです。

またこのミリシーベルトは「年間積算量」で考えます。

同じミリシーベルトと言っても、何も横に単位がついてなければ放射線量が溜まった年間「量」で、ミリシーベルト/時と書いてあったら一時間当たりの「勢い・強さ」のことです。紛らわしいので気をつけましょう。と言いながら、私もよく間違えて使っていたようです(汗)。

下の新聞切り抜き2のような福島第1原発1号機内部のように4000ミリシーベルト/時も放射線量があると、特殊な放射線防護装備をしない限り瞬間的に死に至ります。

あ、そうそうシーベルトとは、ドイツ人の放射線学者の名前からきていて、「放射線の人体に与える影響(危険度)を表す数値」のことです。

農産物や水などの食品に含まれる放射能の強さを表す数値はベクレル(Bq)と呼び、これはフランス人の学者の名前から来ています。こういう単位に自分の名を残すのはイヤだなろうな。

ついでにグレイ(Gy)は「物体が受けた放射能の強さ」のことだそうです。モニタリングポストの数値などはこのグレイが単位となっています。雨にたとえれば「降水量」にあたります。

首相のやめるやめる詐欺をめぐるドタバタを尻目に、地味ィ~にもう何回かこの放射線初歩講座をしてみようと思います。

今、放射線について真剣に考えなければならないことはいくつもありますが、そのひとつが「低線量被曝」の問題なのです。

なぜなら、私の住む茨城の地も「低線量被曝の地」だからです。私がこの地で生きていく以上、この問題に真正面から向かい合わねばならないと思います。

■写真 毎日雨でうざりしますが、たまさかの晴れ間で、田んぼに夕陽が残り惜しそうに映し出されています。  

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

下の新聞切り抜きには、福島第1原発で働く労働者の被曝限界数値を100から250ミリシーベルトに引き上げたことが報じられていますが、この従来の規制値の根拠も、100ミりシーベルトが閾値となっています。

この境(閾値)も大人と子供ではまったく違います。子供は細胞が日々成長を続けているので被曝線量も大人よりはるかに低く取る必要があります。学校の校庭に20ミリシーベルトなどというのはとんでもなく危険な値です。

■新聞切り抜き1 作業員の被曝量引き上げ、福島原発事故で厚労省

2011.3.15 23:05

 厚生労働省は15日、東日本大震災での福島第1原発事故で応急対策にあたる作業員に関し、放射線の被曝(ひばく)線量限度を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げる規則の特例を定めたと発表した。経済産業省などの要請に基づくもので、250ミリシーベルトへの引き上げは初めて。これにより1回あたり15分程度だった作業時間が30分程度に増えるという。

 国際基準では重大事故時の被曝線量限度は500ミリシーベルトとなっているが、会見した小宮山洋子副大臣は「労働者の健康を考えると今後さらなる引き上げは考えられない」とした。

 また同副大臣は、福島第1原発事故で半径20キロ外に避難した住民の検査などのため、全国の都道府県などに対し医師や放射線技師の派遣を打診していることを明らかにした。

■新聞切り抜き2 1号機内で4000ミリ・シーベルト

読売新聞 6月4日(土)12時0分配信

 東京電力は4日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋1階南東部の床を貫通する気体輸送用の配管周辺の隙間から湯気が上がっているのを、調査に入った米国製ロボット「パックボット」で確認、撮影したと発表した。

 湯気が立ち上っている周辺の放射線量は、最高で毎時4000ミリ・シーベルトで、3月11日の事故発生後に測定された中では、最も高い数値だった。3分余りで作業員の被曝(ひばく)限度である250ミリ・シーベルトを超え、15分間続けて作業すると、吐き気など急性放射線障害の自覚症状が出るレベルだ。

 1号機では、格納容器から汚染水の漏出が続いている。

 東電では、格納容器の下部にある「圧力抑制室」付近から漏れ出した、約50度の汚染水から湯気が発生、1階に噴き出していると見ており、「今後、継続して監視する」と話している。

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放射性セシウムQ&A 第3回  土壌から野菜への放射性物質の移行はほとんどありえない

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放射性セシウムのQ&Aの続きです。

Q1 セシウムは地表に降った後どのように移動していくのでしょうか?

●チェルノブイリ原発事故の後に降った大規模な放射性物質の降下は東欧や北欧で大きな被害を与えました。

そしてその時に人類史上初めての大規模な放射性物質の調査が行われたわけですが、その調査でセシウムがどのように土壌に滞留するのかがわかってきました。

●調査によれば、セシウム137 が土壌下方へ進む速度は年間1cm 以下で、7年後でも78%から99%が地表10㎝に残存していました。

●1960年代の日本の核実験由来のセシウム137の測定でも、表層にほとんど残存して、地下30㎝の地層からはほとんど検出されていませ。

つまりほとんど沈降しない性質をもっていると思っていいでしょう。

●有機質に富む土壌では、化学農法の土壌より早く分解されて地表から深い部分に移動することがわかっています。

Q2 土壌から作物へのセシウムの移行は、作物の種類によって違いがありますか?

●大きな差はないようですが、やや葉物が高いなどの差はあります。以下日本原子力研究開発機構(JAEA)の計測した各種農作物のセシウム移行係数(作物重量1kgあたりのセシウム濃度/土壌1kg あたりのセシウム濃度)は次のとおりです。

●・白菜 :0.00028
 ・ほうれん草:0.0011
 ・キャベツ :0.00024
 ・レタス :0.00014
 ・長ネギ :0.00040
 ・ジャガイモ:0.00090
 ・サトイモ :0.0011
 ・サツマイモ:0.00075
 ・タマネギ :0.000016
 ・ニンジン :0.000071
 ・キュウリ :0.00010
 ・トマト :0.00080
 ・ナス :0.00030
 ・ピーマン :0.00018
 ・大根 :0.00039
 ・大豆 :0.0018

Q3 移行係数をみると多い葉物でも1000分の1の単位ですが、土壌からの移行は少ないと考えていいのでしょうか?

●そう考えてもいいと思います。葉物をのぞいてほとんどの野菜が1万分の1の単位です。

●多いと言われる葉物のホウレンソウでさえ1000分の1.1の数値です。これは現在の暫定規制値である500Bq/kgを超えるためには、土壌のセシウム濃度が約45 万Bq/kg というありえない数値にならねばなません。

●このことから農業者は消費者に対して、直接に降ったセシウム汚染は危険性が高いが、土壌から移行する放射性物質汚染はほとんど考えなくてもいいと説明していいと思います。

Q4 土壌から作物へのセシウム移行対策はどのようなものがありますか

●いちばん確実なのは表土の入れ換え、つまり客土です。しかし、この方法は問題が多い方法です。

・もっとも豊穣な表土層が喪失されてしまう。
・表土をスクレーパーで剥いで、ダンプで持ち出し、さらに新しい土を入れてならすという不毛な作業が必要。
・高コスト。
・除去した膨大な土の処分場所がなく、結局自分の畑の一角に埋めることになる。その場合は穴を鉄板などでふさぐこと。

●深く耕起する方法は、植物根域のセシウム濃度を希釈し吸収を減らす効果があると言われています。しかしリスクとしては以下があげられます。

・汚染土壌粒子の飛散による作業者の健康被害。
・未汚染の深層に汚染物質を入れてしまう可能性。

●セシウムと同族元素のカリウムを施肥することで、除去用植物(クリーニング・プラント)にセシウム吸収をさせる。

●酸性土壌では石灰を多めに施肥することでセシウムの植物への移行の低減効果があるとされています。

●アンモニウムは、土壌にあるセシウムイオンを追い出す力が強いとされています。

●ゼオライトやベントナイトなどの粘土鉱物資材は、土壌中のセシウム保持力を高め、植物へのセシウム吸収を低減すると言われています。ゼオライトやベントナイトはスウェーデンの除去作業でも使われて効果が実証さています。

●水稲においても、カリウムを含む肥料はセシウムの吸収を抑制する働きが認められています。

こんなひどい放射性物質をバラ撒いた東京電力を恨みながら、頑張りましょう!

■写真 わが村の郵便局です。カラーよりも白黒写真が似合いますね。

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IAEAのスットコドッコイの報告書

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IAEAがつまらない報告書を出しました。

津波に対する警戒が足りなかったとか、政府の避難措置はよかったとか、情報公開は適切であったとか、なんか日向に置き放しになった4日目のコーラのような内容です。

「津波により電源喪失し、冷却機能が奪われた。今後もっと多重化する必要がある」とのご託宣です。

そんなことIAEAにわざわざ言われなくても、私のようなドシロートでさえ分かります。問題は、では仮に非常用電源が生き残っていたとして、ECCS(緊急炉心冷却装置)がまともに作動していたらどうなっていたかです。

6基の福島第1原発はいずれも60年代から70年代に作られたポンコツです。いまや1号機などGE製というマニア好みのレアグッズです。福島の海辺に置いておくより、むしろ渋谷の電力館(←買い手募集中)に「おジィさんの古原発」として飾っておきたいほどです。

当初は30年といわれる原子炉寿命に合わせて廃炉になる予定でした。ところが原発の新規用地が見つからないために、2005年に一挙に2倍の60年間にまで延長されてしまいました。

あの福島第1原発の狭い敷地に、なぜ6基もの原発がひしめいているのかの理由も一緒です。世界広しといえどあんなに混み合った原発繁華街はありゃしませんって。

お隣の女川に2基、福島第2に2基、合わせて10基もの原発が数㎞の間隔で並んでいるのですから、壮観というか地獄のようなというか。

このような10基もの原発を密集させるという立地条件自体が、一回の天変地異で全部が同じ危機に陥る遠因となっています。そして事実そうなりました。このことに対してIAEAはなにも言っていません。

さて、もちろん1号機の老朽化に対して補修工事はなされてきています。耐震補強もされているようです。

しかし問題はかんじんの原子炉圧力容器が、長年にわたって高速中性子を浴び続けてきたために金属疲労を起こしているのではないかと思われるのです。これを「中性子脆化」と呼びます。

また原子炉というのは配管でできたクリスマスツリーのような存在ですから、無数の配管によってグルグル巻きになっています。

この配管は100気圧、300℃という高温高圧の熱水流に絶えずさらされているためにパイプの肉が削られている状態になっています。

なぜ原子炉の寿命を30年としたかというにはわけがあって、これらの健全性が太鼓判を押せるのは30年間くらいまでだからです。それを過ぎると最初は緩やかに、そしていったん金属疲労が限界を超えると急激に脆化が進むわけです。

ECCSは燃え盛る火に水をかける要領で、原子炉の上から一挙に冷水をかけて冷ます装置です。経年脆化が進んだ原子炉や配管網がそれに耐えられたかどうかです。

これは定期点検でテストしてみるわけにもいかないので、まさにぶっつけ本番だったはずです。

破断の可能性はフィフティ・フィフティでしょう。そして破断した場合は、水素爆発より深刻な水蒸気爆発が起きたはずです。

あるいは、津波以前に配管網の地震による破断が起きていたかもしれません

果たして津波による予備電源喪失だけが原因だったのかどうかは、後の事故調査委員会の調査を待たねばなりません。

しかし、福島第1原発のように疑いだすときりがないようなそもそも危ない原発が、そもそも津波の危険が予想される危ない地域に、そもそも世界一の密度で林立していたわけです。

「そもそも」の三乗ですな。こんな「そもそも原発」を認可してしまうような原子力安全・保安院に問題が大ありなのはあたりまえすぎるほどあたりまえです。

IAEAは原子力安全・保安院が経済産業省の外局だということを指摘しているようですが、そんなことはあたりまえです。米国NRCにしても日本のような独立性をそもそも疑われるような組織作りをしていません。

政府もさすが言われなくてもわかっているようで、遠からず切り離されるでしょう。あたりまえだつうの。

むしろ問題は、原発の危機管理においての責任の所在、指揮系統、専門家チームの位置づけが混乱しまくっており、自称「原子力通」の首相が現場指揮にまでくちばしを突っ込んで混乱させたことです。

首相はほう酸を注水に入れることすら「だれがこんなことを命じた!」と喚いたというのですから、あんた寝ていたほうが国のためだよ。

原発のような高度の専門性と緊急性を要する危機管理体制において、権力者が権力をかさに着て容喙する、これほど危険なことはありません。

口蹄疫においても、政府対策本部と県対策本部部の指揮系統の二重性が危機管理の妨げになりました。私は口蹄疫のような初動制圧が重要な伝染病は、国が一元化して指揮権を持ち、独立性をもった専門家グループが判断し、指揮するべきだと思っています。

ところが今回の原発事故ときたら、口蹄疫とは比較にならない国家非常事態にもかかわらず、どこが頭で尻尾やら。

政府対策本部があり、東電対策本部があり、それらが互いに足をひっぱり、情報を隠蔽し、怒鳴り、喚き、ののしり合うとまったく体をなしていません。統合対策本部とやらができても、相変わらずですから、一から整理し直したほうがいいのではないでしょうか。

これも菅直人氏という稀なるキャラの持ち主が居すわる限り無理でしょうが。今日の午後に不信任がどうぞ可決しますように。誰でもいいが、あの御仁だけはもうこりごりだ。

それはさておいて、IAEAは80日もたっての計画的避難区域の住民の避難を「非避難措置が適切だった」と書いているそうで、いったい避難民と面談したのでしょうか。これも書くと長くなるので今日はこれで置きます。

ま、考えてみればIAEAとは隠れもしない原子力推進の世界の総本山ですから、ああでも言うしかなかったのでしょうかね。

■ 写真 霞ヶ浦の夕べ。遠くに筑波山が見えます。震災の後は国破れて山河ありと感じるから参った。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

IAEA 問題点の詳細分析へ

NHK 6月1日 19時27分

IAEA調査団の報告の概要は、およそ1週間にわたる調査で得られた事実関係を整理し、事故対応や津波に対する備えなど、一部について問題点などを指摘しています。しかし、詳細な分析はこれからで、今後、事故が起きた原因の背景にどのように迫り、教訓を導き出すのか、IAEAの真価が問われることになります。

報告の概要はA4判4枚にまとめられ、まず、福島第一原発の事故を巨大地震に伴う津波が原因だったとしました。

そのうえで事故の背景として、津波の想定を過小評価していたと指摘し、原発の設計や運転をする際には、すべての自然災害の危険性を正しく評価し、対策を取るべきで、新たな知見が得られた場合は、評価を更新すべきだとしています。

また、今回の津波では、冷却機能を維持するために重要な非常用発電機が水没して使えなくなっていたことなどから、報告では、電源を多重化したり発電機が水没したりしないよう対策を取るなど、重大な事故に対して複数の手段を事前に用意しておくべきだと指摘しています。

さらに今回の事故で政府の中心として対応に当たっている経済産業省の原子力安全・保安院については、IAEAの安全基準に基づいて独立性を担保し、その役割が明確にされるべきだと指摘しました。

この独立性については、IAEAが2007年に日本の原子力安全規制についてレビューした際の報告書でも指摘されていて、将来的に今よりもはっきりと独立性を持つべきで、原子力安全委員会との役割も明確にすべきだとしていました。

ただ、今回の事故対応で独立性に問題があったかどうかは触れられていません。これについて調査団のウェイトマン団長は、報告を提出したあと、記者団の質問に答え、「IAEAの安全基準では、規制当局に独立性を求めている。単に明確化するだけでなく、体制・人・専門性でも独立性が必要になる。この原則に従って日本はさらに検討することが必要で、閣僚級会合でも取り上げられるテーマの1つとなると思う」と述べました。

こうした問題点の指摘の一方で、現場での事故対応については、過酷な環境の中で、作業員たちが最大限の安全を確保しながら作業に当たっているとしたほか、住民の避難を含めた日本政府の国民を守るための対応はよく組織されているなどとして高く評価しています。

IAEAでは、今回の事故の報告書を世界の原子力安全の教訓にしたい考えで、20日にウィーンで開かれるIAEAの閣僚級会合での発表に向けて、今回の調査結果を詳細に分析するとしています。今後、事故が起きた原因の背景にどのように迫り、教訓を導き出すのか、IAEAの真価が問われることになります。

 

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原賠審の第2次指針が出ました

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うー、今朝は昨日張り切って梅雨の合間に草刈り大会をしたら腰にきたぁ。やった人ならおわかりでしょうか、刈り払い機ってブンブン回すので腰に来るんですよね。

しかも当日ではなく時間を置いてくるんだなぁ、これが。もう私も若くはないな、と実感。

3月12日前までは、刈った草はニワトリにあげていましたが、今は自粛。まして先日の大雨でじっとり濡れた草など論外的自粛。ああいやな渡世だなぁ。

いちおう私の住んでいる地域は県の調べでは、0.1マイクロシーベルト以下の安全地域、そして私の農場の農産物も「放射性物質検出されず」でしたが、安心はできません。なにせまだ事故は終わっていないのですから。

さて昨日、原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)の第2次指針が決まりました。(資料1参照)

私の知り合いの農家にも来訪して調査をしていったようですが、担当官は非常に親身で丁寧な応接だったとか。

第2次指針はこんな内容です。
①4月までの出荷制限区域内のすべての食用農水産物、および食用畜産物。

②賠償項目としては
・出荷制限で出荷を断念した場合
・出荷制限後も、再開できるまでの損害
・米などの作付け制限
・牧草や放牧などの給与制限
・福島県の葉たばこのように行政関与による生産者団体の自粛

③損害項目としては
・価格低下に伴う損害や就労不能などに伴う損害
・検査費用
・解除後の農地や農機の再整備などの追加費用

④賠償対象地域
・政府が作付け制限を指示した区域
・地方自治体が放牧や牧草給与を制限した区域
・自治体が作付け、営農自粛を行った区域

・生産者団体が行政の指示で自粛した区域

意外だと言ってはなんですが、私はもっと木で鼻をくくったようなものを作ると思っていました。

審査会の第1次指針では直接の出荷自粛指示のみを対象としたために、いわゆる風評被害分が除外されていたのですが、当然のこととしてこちらのすそ野である政府、自治体指示分外のほうが多いわけです。

どうするつもりかと思って見ていましたが、この風評被害に関しても、「一定期間は、出荷制限区域内で生育した農林水産物について消費者や取引先が取引を敬遠する心理は合理性がある」として賠償対象に組み入れました。

パチパチ。ただし、花や木材、工芸品などの非食用のものまで風評被害にあっていたわけですから、そのあたりを次の7月の中間指針までどう扱うかが注目です。

もうひとついい意味で意外だったのが、ホテルやレジャー施設などの観光業では、福島県内に拠点を置く施設の予約キャンセル分などで生じた損害額を賠償の対象としたことです。これにもパチパチ。

ただし、この観光施設の損害は、大震災移行の自粛ムードの要因もあるために市場動向を見極めて、福島県外まで拡げるかどうかを決めるそうです。

わが茨城県の観光もほぼ壊滅状態でしたが、これは明らかに放射能禍の影響によるものだと思います。

また観光業は単に旅館やレジャー施設だけではなく、土産物という形で地域の物産を売る大きなセクターです。土産物としてのお菓子や料理店なども含まれます。陶器、木工、織物、染めなどの工芸品もあるでしょう。

つまり地域の第1次産業の農林水産業、モノ作りの第2次産業、そしてサービスの第3次まで丸ごとふくまれてはじめて「観光業」なのです。ですから、地方においてはこの観光業が非常に大きな位置を占めています。

これがいっぺんに破壊されたのが今回の原子力事故による風評被害事件でした。ある意味見えやすい農畜産物だけではなく、このような側面もしっかりと原賠審は理解してほしいと思います。

そして精神的苦痛についてですが、避難所、仮設住宅などを4段階に分けて分類して賠償をすることにしたそうです。この部分は微妙ですね。

賠償対象を明らかにするためにレベル分類せねばならないのは理解できます。しかし、自宅にいても避難区域の家屋内退避をよぎなくされたために、出勤はおろか食料の買い出しにも行けなかった人たちが多かったのですから、住む場所だけとって精神的苦痛は一概には言えないのではないでしょうか。

いちばんの問題は千葉県が出荷制限指示のあった香取と旭市以外が補償の対象とされなかったことです。

これはまったくおかしな話で、例えばねぎなどは農水省調べでも制限区域の出荷はわずか4%しかないのに、千葉県全体は前年比で30%も落ちてしまっています。明らかな風評被害です。果菜、根菜、花き、果実も同様です。(「日本農業新聞」6月1日)

これでは千葉県の風評被害にあった農家はまったく救われません。ぜひ次回の中間指針でしっかりとした救済策を打ち出し、一刻も早い仮払いを支払うべきです。

ところで、今後7月の中間指針まで、電力業界や東電に大量の資金注入をしてしまった銀行業界、そしてその守護神たる経済産業省を中心に、いかに賠償範囲を狭めるか、いかに賠償金額を値切るかの圧力がしっかりかかってくると思われます。(資料2、3参照)

そして東電は間違いなくこの巨額賠償金を、電気料金値上げに転化しようとすると思われます。

電力会社は、電気事業法で、発電所、事業所などの施設費、人件費、燃料費などのコストを一括して一定割合(今は3%)で利益に上乗せできる「総括原価方式」という一般民間会社では考えられないようなバカな特権を享受しています。

これがバカ高い原発を増設したり、廃炉など気にせずに原発を増設できた秘密です。「コストが大きいほど利益が上がる」という非合理の極みの総括原価方式がなくならない限り、電気会社にとって原発事業ほどボロイ儲けの商売はないのです。

それはさておき、今回の原子力事故でもいちはやく夏期の値上げを表明して世論から袋叩きに会いましたが、性懲りもなく東電は電気料金にオンすることを狙って来ることでしょう。

電気料金の値上げには、「原発停止しての電力の安定供給」などといったたわごとにだまされずに拒否していかねばなりません。

■写真 被災前の霞ヶ浦の舟溜まり。今回の被災で湖の漁港や堤にも被害が出ました。

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資料1 日本農業新聞6月1日(クリックすると大きくなります)

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 ■「まだ先見えない」「被害一緒なのに」原発賠償範囲指針 農漁業者ら憤りと恨み節

 福島や茨城、栃木、群馬4県、千葉県の一部の農水産物や福島県の観光は賠償範囲に含まれることになった。31日、決定した東京電力福島第1原発の賠償範囲を定める第2次指針。範囲は決まっても、出荷停止や風評被害で大きな打撃を受けた地元の農業・漁業者からは「いまだに先が見えない」との声が上がる。一方で、今回の賠償対象から外れた周辺自治体も風評被害で苦しんでおり、「うちも一緒なのに…」と恨み節も聞かれた。

 「漁師の中には原発事故以降、全く収入がない人もいる。当然の決定だと思う」。31日、賠償対象になったとの決定を受け、福島県漁業協同組合連合会(JF福島漁連、いわき市)の関係者はこう打ち明けた。

 安全が確保できないなどとして事故直後から漁業従事者に操業停止を呼び掛けているJF福島漁連。「事故の影響で出漁できなかった」として同日、4月末までの損害分計約14億5300万円の賠償を東電に請求した。

 今後も月ごとに被害額を取りまとめて請求する予定で、「原発事故が収束しなければ漁も再開できず、先が見えない」と憤る。

 出荷規制を受けたホウレンソウとカキナの実害分を東電に請求しているJA群馬中央会(前橋市)は、「生産者はホッとしていると思うが、(賠償の)時期が明らかになっていないのが気になる。できるだけ速やかにやってほしい」とコメントした。

ただ、今回の指針では、食用以外の飼料作物などは今後の検討課題として対象に含まれていない。同中央会農業対策部の大橋広典次長(45)は「県内では牧草や切り花なども影響を受けている。こうしたものについての指針も早めに示してほしい」と注文をつける

 一方、3市町(旭市、香取市、多古町)の農産物が賠償対象となった千葉県では、同様に風評被害を受けながらも賠償の対象外となった近隣地域の関係者に失望が広がった。

 3市町に近い山(さん)武(む)市にある山武郡市農業協同組合では、県内のホウレンソウやシュンギクなどから国の暫定規制値を超す放射性物質が検出された3月下旬から4月上旬にかけて、卸先のスーパーや消費者からの返品が相次いだ。

 同組合の林亮一・部長代理(56)は「現在は徐々に回復してきているが、被害を受けたのはこちらも同じ。何らかの補償があると期待していたが…」と肩を落とした。
(産経5月31日)

■資料2 東電、審査会に賠償限度配慮などの要望書 批判必至も

福島第1原発事故の賠償問題で、東京電力が賠償限度への配慮や算定基準の明確化などを求める要望書を、原子力損害賠償紛争審査会に提出していたことが6日、分かった。審査会の議論に東電の主張を反映させる狙いがあったとみられ、審査会の独立・中立性を損ないかねないとの批判も出そうだ。

 審査会は原子力損害賠償法に基づき、政府や産業界から独立した立場で賠償の目安となる指針を策定。4月28日に原発事故の賠償範囲の第1次指針をまとめたが、要望書は3日前の25日に提出された。この中で東電だけで賠償費用を負担するのは困難だと指摘。東電が負担可能な賠償限度に配慮しつつ、第1次指針を策定するよう要望した。

 さらに賠償手続きを公正、円滑に行うために、損害内容と原発事故との因果関係を判断するための基準の明確化や、損害を認定するための証拠基準を指針に盛り込むことなども求めた。
(産経5月6日)

資料3
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は20日の会見で、政府が決定した東京電力福島第1原子力発電所事故の損害賠償支援枠組みについて「原子力は国策でやってきた。被害者に迅速で十分な補償を行うには、東電だけでなく国も負担すべきだ」と述べ、国の賠償負担についても明確化すべきだと訴えた。

 政府の支援枠組みは、交付国債を、新たに設置する機構に交付して、公的資金を投入し、東電は長期にわたり返済する。この点について八木会長は、「原子力損害賠償法では、国による援助が明記されている。国の負担は交付国債だけでいいのか」と疑問を呈した。

 だが、枠組みそのものについては、賠償実現や電力安定供給のため、電事連加盟各社の社長が重要性を確認。「各社の負担金は株主や顧客に説明できるよう(金額や方法を)明確にする必要がある」ことを強調した。
(産経 2011.5.20 21:16)

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