福島市の放射線量について
おはようございます。「東電の回し者」で、「福島第1原発に行け」といわれている「犯罪者」のハマダめでございます。
こんな言われようは今 まで50何年間か生きてきましたが、ガキの時に「お前のかぁちゃんデベソ」といわれて以来のことであります。
こんなボキャ貧の悪罵を浴びると、なぜかガキ時代の頃を懐かしく思い出します。
私が洟垂れ小僧だった昭和30年代(「3丁目の夕陽世代」というわけですな)は米ソの大気圏内核実験なんて物騒がせなものの真っ盛りでした。
セシウムなどはあたりまえ、ご丁寧にもプルトニウムまでが微量ですが降っていたのでした。それから半世紀。
あの頃さんざんぱら放射能を浴びて育ったわれらがアトミック・チャイルド世代も大きくなりました。というか、よれてきました。
まさに民族を上げて長期低線量被曝の人体実験をしてしまったわけですから、私たちの前後の世代が有意性をもってガンなどの後障害が多いかどうなのか、早く統計数字を知りたいものです。
それにしても、われらが世代は第5福龍丸事件の前後に生まれ、洟垂れの時代には大圏内核実験、長じて青春期は公害垂れ流し時代、家庭を築く頃にはチェルノブイリ、中年となって東海村再臨界事件、よれた今になって止めのような福島第1原発と、ま~よ~節目節目で放射能浴びたことよ、と我ながら感心します。
あ、最近も屋根から落ちてレントゲン撮ったんだった(笑)。
私の友人が男気を発揮して、「福島第1の作業員募集に行くゾ!」と叫んでいましたが、行ったのかしらね。これ以上悪くなるなら、言われんでも老人決死隊(老人という歳でもないけどさ))でも作りますよ。
おい、見ず知らずの他人様に「お前、福島第1に行け」と言ったコメントくん、あんた一緒にフクシマ第1へ行きます?行くなら一緒に行こうか。
ところで話はゴロリと変わって、福島市にをめぐってなにかうろんな空気が漂ってきました。
福島市で年間20ミリシーベルトを超える地点が計測され、緊急非難計画が作られたの作られなかったのと大騒ぎです。
まず前提としてどのあたりが放射線量の目安となるか見てみましょう。とりあえず、ICRP(国際放射線防護委員会)の設定した放射線量の安全範囲を見ます。
念のために言っておきますが、ICRPは基本的に原子力発電推進の立場です。ここが作ったリスクモデルは、高放射線量の被曝をモデルにして被曝線量の限度量を作りました。
ですから、低線量被曝がある限度量以下だと「放射能汚染が原因であるとは認められない」とされてしまうことがあります。
これに噛みついたのが、ECRR(欧州放射線リスク委員会)で、未だスッタモンダの論争をしています。
ただし共に高線量を一時に浴びた場合の影響については共通の認識なので、焦点は低線量の内部被曝にあることがわかります。
と前置きが長かったですが、とりあえずこのICRPのリスクモデルを例にとってご説明します。
自然界にも宇宙から来る放射線は降り注いでいるわけで、とうぜんその人体への影響は存在します。これは人工的放射線、これは自然の放射線。自然放射線は人に優しい、なんてことはゼンゼンありません。
ですから、自然放射線量の年間平均値に、一般人の年間被曝限度量を足すと放射線のここまでが自信をもって大丈夫ですよという限度量となるわけです。
①自然放射線量(*宇宙から降ってくる自然放射線)・・・日本平均1.5mSv
②一般人の1年間の被曝限度量(*原子力施設、医療用を除く)・・・1mSv
・合計された1年間の放射線限度量・・・・①+②=2.5mSv
・1時間あたりの放射線限度量・・・・・・・・1年間の被曝限度量=2.5mSv
=2500μSv÷8760時間(1年間)=0.285μSv/h
なお、この被曝限度量は被曝の閾値とは異なりますので気をつけて下さい。ICRPの定めた閾値は年間100~150ミリシーベルトです。
この限度量というのは一種の目安で、政治的というか、二重、三重、四重に安全係数をとった数値です。ですからこれを0.1μSv出たから危険とかいう性格のものでは決してありません。
放射線の数値には幅がある、このことを必ず念頭において下さい。さもないと神経症になっいてしまいます。
それともう一点ご注意したいのですが、公的計測以外は信じないで下さい。政府は今までこの原子力事故でさんざん嘘を並べ立てたむくいで、発表を信じる者がいなくなってきている有り様です。
だからと言って、県行政の出すモニタリング数値までも信ぜずに、自分で買い込んだガイガーカウンターででたらめな計測をして、とてつもない高数値をネットに流している不届き者がいます。
ちょっと前には東京の自宅の庭が3ミリシーベルトだったとパニくっている馬鹿がいました。ありえません。ご参考までに正しい計測方法を下の資料欄に乗せておきましたのでご覧ください。
さて、福島県は3月15日の直後に25μSv/hでした。確かに高い数値です。年間通してこの線量だとすると219mSvとなり、閾値を超えてしまいます。
しかし、ご安心を。現在は以下です。
●浪江町(避難区域)6月20日午前9時~21日午前9時まで(文科省計測)
・・・・17.2μSv/h
●福島市・・・同上 0.380μSv/h
下図は3月16日からヨウ素の半減期である8日間を挟んだ28日までの放射線量の推移グラフです。
(「イタ・デテスタビリス」様より引用させていただきましたうありがとうございました。) http://d.hatena.ne.jp/reuni/20110327/1301219410
このように放射線量は事故直後から65分の1にまで激減しています。なぜでしょうか。それは事故当初の放射線にはヨウ素が大部分を占めていて、その半減期の挙動が放射線量に現れているからです。
おおよそ放射線量は2カ月ていどで減り続けていきます。現実には風や雨で放射性物質が溜まってしまう場所(ホットスポット)が出来たりしますので、均一に減少する訳ではありません。
またセシウム137は半減期が30年ていどですので、残存し続けます。
また土壌にも吸着されていますが、土壌からの作物移行は千分の1から1万分の1程度のオーダーですので、心配する必要はほとんどありません。
私は放射線防護の専門家ではないので、結論めいたことは言えませんが、現在の福島市の0.380μSv/hという線量値は、確かに安全限度量はICRPの0.285μSv/hを超えていますが、一喜一憂せずしばらくは静観していくべきでしょう。
ただし、お子さんに対しては充分な保護措置が必要な境界に差しかかっていることは間違いないようです。
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■福島県の放射能測定値情報
http://www.city.kitakata.fukushima.jp/cgi-bin/kinkyu/view2.cgi
■放射線量の公式に計測方法
①地上からの計測点を地上高2カ所(1m、5㎝)にわけて計測する。
②電源を入れた後に、最初は10秒ごと4回の予備計測を行う。
③本計測は40秒毎に4回にわけて計測し、その平均値を取る。
なお地上高は
・地上1m・・・・・成人の生活する呼吸器のある高さ
・地上5㎝・・・・・子供が公園や校庭でしゃがんで遊ぶ高さ
また、測定場所としては
・地表が露出している場所・・・コンクリートなどだと雨で放射性物質が流されたりして、実態より低くでる場合がある。
・樹や建物がない開けた場所・・・樹や建物で遮蔽されていると、降雨で放射性物質がその根元や樋の下に集まってしまい、実態より高い数値になる。
*これ以外の方法もありますが、肝は何回かにわけて計測してその平均値を出すこと。それと計測点の高さを1メートルとすることです。よく地べたに置く人がいますがこれはダメです。
■福島市 独自の避難計画策定へ
(福島県)
放射線への不安が広がる中、福島市は、今後、独自の避難計画を作ることにした。
これは、きのうの市議会の中で市が明らかにしたもので、原発の状況が悪化した場合や、年間の被ばく線量が20ミリシーベルトを超える地点が見つかった場合などを想定し、29万人の住民の避難をスムーズに行うために、独自の避難計画を作る。
市は、緊急時避難準備区域や特定避難勧奨地点に指定された場合には、子どもや妊婦を優先的に避難させる考えで、県外を含めた避難先や移動手段などについて検討を進めている。
なお、33万人が暮らす郡山市も、避難計画を作るかどうか検討を進めている。
■福島市が放射線量の一斉調査
NHK6月17日 12時20分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、住民から放射線に対する不安の声が上がっていることから、福島市は、放射線量をよりきめ細かく把握するため、市内の1000か所余りで一斉調査を始めました。
原発事故のあと、福島市は、市内の公園や学校などおよそ160か所で放射線量を測定し、ホームページで公開しています。しかし、住民からは「自宅の近くなど、より細かく放射線量を知りたい」という要望が相次いでいました。
これを受けて福島市は、17日から公共施設などに加え、住宅街の道路など、市内1045か所の放射線量を測定する一斉調査を始めました。このうち、福島市の児童公園近くの道路では、2人の職員が測定器を使って放射線量を測りました。
測定は地面から高さ▽1メートル、▽50センチ、▽1センチの3段階で行われ、この場所ではいずれも基準値を下回っていたということです。
近くに住む49歳の主婦は「もっと早くやってほしかったのですが、細かく分かるのはありがたいと思います」と話していました。福島市環境課の鴫原和彦課長は「身近な場所を多く調査して、市民に少しでも安心してもらおうという思いです。一刻も早く結果を出したいと考えています」と話していました。
市は、17日と20日の2日間で調査を終え、23日以降、回覧板などで地域の人たちに結果を知らせることにしています。
■福島大学キャンパス内及び附属学校園の放射線計測データ
http://www.fukushima-u.ac.jp/guidance/top/fukudai-housyasen.html
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コメント
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おはようございます。mimiです。信じられないようなコメントを書いた人がいてホントにびっくりしてしまいました。でも、考えてみたら、どうしようもないクレーマーっていますね。各学校に学年一人ぐらいは信じられないような親がいます。(東京ではそうです。茨城ではどうだかわかりませんが)
濱田さん、ご自愛ください。ほとんどのまともな東京の人は、毒野菜なんて絶対に絶対に絶対に思っていませんよ。埼玉産と福島産をみて、つい、埼玉産を買ってしまっている人でさえ、心の中で「ごめんなさい。」と思っています。子供が大きい人たちは「俺たちもう関係ないし、これぐらいで協力できるなら」と率先して買ってますよ。
あんな暴言を平気でいえる人たちは多分周りの人からも相手にされていないので、誰かにいやな思いをさせることに生きがいを感じているのか、もしくは脱原発をつぶすために、消費者と生産者に仲たがいさせるためにどこかに雇われているのか?その可能性もあるかも、と思うと怖いです。
「どうしようもないクレーマーはどこにでもいる」というのは残念ながら現実ですので、あまり気にしないでくださいね。
私は立場も違うし、反対意見もいっぱい言ってますがいつも楽しみにしてます。ここの情報に勇気付けられている方が沢山いらっしゃるので、その方々のために、ご自愛ください。
投稿: mimi | 2011年6月22日 (水) 10時19分
綺麗な蜘蛛の巣ですね。
こんなちょっとした自然の写真は大好きです。
子供の頃に庭で早朝ずっと見ていたのを思い出しました。
最近、我が国の高度成長を牽引した70代の元プラント技術者がネットで「我々が福島原発に行こう」と仲間を募って話題になりましたが、その後の展開を聞きません。
まあ、まるで「決死隊」みたいなニュアンスで国も東電も表向き相手に出来ないでしょうけど…その心意気は私は大いに買います。
それにしても、わざわざこんな農家さんの場末の(失礼m(__)m)ブログまでやって来て、ろくに内容も読まずに暴言を吐く輩の神経は理解できません。
匿名ネット社会ならではの正しく「バカの壁」です。
自らどれだけ恥をさらしてるか、見えてないのでしょう。
心から軽蔑します(それこそどこかの回し者ですか?)。
ブログ主様、家業や各方面の調整や原発対応と忙しさの極みでしょうが、連日の更新にコメント対応とお疲れ様です。
とにかくお身体を大事になさって下さいね。
「壁の向こう」の輩は、そんな事情など考慮せずに「汚染地域」「危険な野菜」「嘘つくな!」「東電の回し者」「犯罪者」などと、あらゆる言葉で罵倒してきますから。
ここ数日は匿名ネット社会の醜さを凝縮したような事態でしたね。
どちら様も、もうちょっと落ち着きましょうよ。
人間、全てを共有・理解することなと、社会生活をしていれば二十歳くらいで気づくことです。
その上で議論・討論すればいいのです。時代はインターネットになりましたが、その辺の人間形成や成熟度は変わっていません。
福島市に関しては70年代に転校してきた女の子が渡利小学校からでした。現在高線量地域で先生をやってます。以前「風呂の効率的な沸かしかた」の研究発表で理科クラブが全国ニュースで取り上げられたこともあります。
近年、春になるたびに「花見山」として一般解放して話題だったものの、今年は誰も来ない…3代続けて守ってきた山は、その奥(原発に近い)方向です。
ちなみに昨夜移転した飯舘村仮役場もそこにあります。
全ては地震ではなく福島第一原発の事故に奪われました。
涙がボロボロと出て来ますが、泣いていては何も進みません。
現実を直視し、より良き未来・復興、避難地域の皆様の少しでも早い帰還が果たされるために知恵を出し合うべきです。
被害者(生産者も消費者も)同志が争って罵り合う不毛な争いなど、何にもならず無駄なことです。
もしかしたら「バカが延々と対立しててくれれば、むしろ統治しやすい」
という、途上国国家や組合分裂の企業がやってきた論理すら働いているのではと。
邪推に過ぎますでしょうか?
投稿: 山形 | 2011年6月22日 (水) 10時33分
私は原発事故の後にこちらを知りました。
茨城県は、土木事業者がひたすら自民党を支持し、いつのまにやら原発ができ、退職された方々は孫にしか関心がない。
しかしハマダ様のように独自の経験、考えをもった方が茨城にいたことに驚きと安堵と誇りを感じます。
毎日のブログを楽しみにしています。
投稿: 茨城北部住み | 2011年6月22日 (水) 10時57分
記事とは内容が逸れますが・・・
仕事柄時々上京します(今週末と来週半ばにも)が、茨城県や千葉県を上空から見ると、ゴルフ場の多い事にビックリします。ほとんどの山が切り開かれ、ゴルフ場となっています。
きれいな水も空気も作りだしてくれる森林が少なくなるのは切ないものがあります。
地球全体でも森林が減少しているのに、狭い日本でバッサバッサと切り倒して、ゴルフ場開発なんて今考えたら、もったいない事ですね・・・・
一部のお金持ちや趣味の為に貴重な森林伐採をしてしまう・・・なんか、ブログに???な意見を寄せてくる「我まま」な人と同列に見えてしまいます。
経済が低迷している現在、新たなゴルフ場建設は考えられませんが、良き時代もあったのですね。
お互い敵は別な所にいます。不毛な言い争いは控えましょうよ!!
投稿: 北海道 | 2011年6月22日 (水) 13時12分
濱田さん、こんにちは。 二日酔い、体調はいかがですか? ずっとコメントを書こうと思いつつ時間が取れずにいました。 暴言を吐いている人って一体どんな人なんでしょうか・・・。 本当にやめて欲しいです。
本文とは内容がずれてしまいますが・・私は乳幼児を持つ母親ですが、現在の福島、茨城など被災地のお野菜は安全だと思います。 セシウムがまだ降下している時期はリスク回避のために買い控えしました。まだ母乳なので、やはり気にしました。
ただ、4月前半ぐらいだったでしょうか、福島在住の方が母乳検査でセシウム不検出、東京在住で震災後は避難し、都内に戻ってからも食べ物、飲み物に気をつけ外出も控えていた方からセシウム検出と某掲示板にありました。 これはとても不思議でした・・。
また、同じ方からその後の報告が1週間前ぐらいにあり、その後の検査で不検出となりました!と報告がありました。 他にも心配で検査をされた方々は皆不検出で安心されていました。 自分から出たものですから、よく分からない不安から大きな安心感に繋がったと思います。 私は検査するという選択肢はありませんでしたが、不検出の書き込みを読み更に安心できました。
現在、被災地県産の野菜の検査結果を見るとウメや原木しいたけ、筍以外はほとんどが不検出です。
http://yasaikensa.cloudapp.net/
水産物には影響が出始めていますね。 ウニの数値が高いです。 これからは野菜よりも水産物をチェックかなと思います。 大人は流通しているものは食べても全くOKだと思いますが、乳幼児、子供達はちょっと気をつけたいです。
安全だなんて言うな!という方は何を持って「安全」としているか定義しなければならないと思います。暫定基準値が国の安全の線引きです。
NDだけが安全だと思う方は、NDの物を探して購入すればいいだけのことかと。 NDでも被災地の野菜は買わないという人もいます。理解できないわけではありません。政府が全く信用できないからです。
パルシステムは独自の検査結果をサイト上で公表しているので絶賛されていました。 詳細は確認していませんが、独自の基準値もあるようです。JAでも有機野菜を作っている農家さんの団体でも独自に国の規制値より低い値を設定すれば消費者は安心して購入すると思います。
お体ご自愛ください。
いつも長くなってしまってすみませんm(__)m
投稿: 文義 | 2011年6月22日 (水) 18時47分