• 20250113-133232
  • 20250113-134354
  • 20250113-134844
  • 20250113-135719
  • 20250112-044948
  • 20250112-050804
  • Dsc_1204
  • Dsc_1204_2
  • Dsc_1206_2
  • Dsc_1210

« 電話一本で防げたセシウム牛事件 | トップページ | ここまで来たら全都道府県での全頭検査は不可避です »

2011年7月28日 (木)

セシウム腐葉土まで出た。落ち葉から堆肥への新しい汚染ラインの出現

005
まぁよく次から次に問題が起きるものです。今度は腐葉土です。

これでもうひとつの、落ち葉⇒堆肥⇒畑という汚染ラインが確認されたことになります。 

1万1000bq/㎏のセシウム腐葉土が栃木の業者から出荷されてホームセンターに出回ってしまったようです。そしてかなりの量が既に消費されてしまいました。(資料1参照) 

製造業者によれば、これは日光と宇都宮近辺で採取された落ち葉が原因のようです。 

日光は0.5μSv/hの被曝地域ですから高濃度に被曝していたと思われます。
(見飽きたかもしれませんが、資料2を見てね)

この日光付近で栃木県内から集められた落ち葉を収拾し、ある程度腐植させた後に原料としてこの腐葉土製造業者に販売していたようです。 

この製造所のある地形は、周囲を小高い山に囲まれた窪地にあるそうで、この業者には気の毒ですが、フォールアウトした放射性物質が蓄積するにはうってつけの条件です。

この「落ち葉」と言われるものの正体は、よく思われるような山でかき集めてきたものではありません。公道や公園の整備作業によって出る枝をチョッパーにかけ粉砕したもの(バーク)や落ち葉で、30日ほど寝かせた後に堆肥業者や農家に販売します。

この集められた落ち葉は、樹木の根のホットスポットに堆積していたものですから、セシウムが検出されて当然です。

この落ち葉収拾は国や県の指名業者が行います。この指名業者は堆肥原料業者も兼ねており、、行政から金をもらって清掃した「ゴミ」を堆肥原料として販売できるという二重の役得を持っていました。 

多くの堆肥は、ホームセンター用の一般消費者向けばかりではなく、むしろ農家相手の業務用堆肥がメーンですので農家堆肥にもセシウムが検出される可能性が高まったことになります。

というか、既に農家堆肥にも入ってしまっていると考えるべきでしょう。私にはホームセンター向けよりこちらのほうが心配です。

さて、現在、セシウム藁を供与された牛の糞尿処理が行き詰まっています。

それは東北、関東全域で「堆肥の流通を自粛」する通達が出されているからです。このお達しにより、牛農家は糞尿処理の行き場が消滅してしまいました。

受け入れる各地の堆肥センターは出所がないので、満杯状況です。と言っても牛農家では毎日糞尿が出るわけですから、このまま行くと牧草地に過剰に散布するしか方法はなくなることになります。

一方、畑農家の側では現在でも畑に散布すべき堆肥が不足し始めており、東北、関東全域の農業の足元が揺らぎ始めています。

せっかく化成肥料から有機質堆肥を使うことで品質向上に努力してきた農家がいちばん困るという結果になってしまいました。

長年かけて地域で作り上げてきた畜産農家-畑農家の循環作り(耕畜連携)の環もズタズタになりつつあります。

早急に堆肥の流通再開の基準を農水省は明示し、これだけ広域に拡がった藁⇒堆肥汚染対策をすべきです。

ところで実は、この腐葉土問題は国交省にも責任があります。国交省は知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいますが(←比喩が古いね)、先ほどお話したようにこの腐葉土や堆肥の原料となった落ち葉やバークは、国交省管轄の国道のものが大きな割合を占めています。

国交省は、放射能汚染は農水省と厚労省がやればいいと考えて、他人事のようにこの他人の不幸を眺めていたはずです。

そして福島、茨城、千葉、栃木、群馬、岩手にまで広域に拡がった放射能汚染地域に多くの道路、河川、湖があったことを忘れているようです。

国交省はこの道路脇の街路樹の根周辺、側溝の放射線量を測定したのでしょうか?たぶんしてはいないはずです。

していればあのような高線量の落ち葉の収拾を許可するはずがありません。道路整備の落ち葉といういわば「ゴミ」の最終処分から、またもや行政の怠慢が透けて見えてきました。

最後にひとつだけ追加しておきます。
今ネットではこのセシウム腐葉土を使った市民農園から採れた野菜に放射性物質が移行することを騒いでいますが、あまり心配しなくていいのではないですか。

セシウム腐葉土が1万bq/㎏あったとして、それは堆肥全体のおおよそ2~3割です。腐葉土だけで野菜を作ることはありえません。チッソが不足して成長栄養が不足するからです。

とすると、多めに見ても3千bqが堆肥に移行する正味なわけです。

それが土壌に入ったとしても、確かにセシウムはカリウムの挙動と似た動きをするので作物が吸い上げることはありえます。しかしその量はと言えば、下の表(資料3)にある移行係数どおりです。

もっとも多いサツマイモで0.03、つまり100分の3、よく作るほうれんそうで0.00054、1万分の54です。

ですから、ほうれんそうならば1.62bqしか移行しないことになります。まったく問題がないと思いますが、またこんなことを書くと「東電から金をもらっている」と書き込まれるのかな(笑)。

ええ、確かに東電から金もらってますよ。うちは13年前から太陽光発電を東電に売ってますからね。 (o^-^o)

■写真 怪しげに葉を揺らすヤツデ。 

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 NHK 7月26日 8時0分

 

市販の腐葉土から放射性セシウム  

 

秋田県内のホームセンターで販売されていた栃木県の業者が出荷した腐葉土から、放射性セシウムが検出され、秋田県が購入した人に使用を控えるよう呼びかけているほか、ホームセンターは、東北地方の店で販売されている同じ業者が出荷した腐葉土をすべて回収することにしています。 

放射性セシウムが検出されたのは、新潟市に本社があるホームセンター「コメリ」の秋田卸町店で販売されていた腐葉土です。 

秋田県によりますと、この腐葉土は栃木県の業者が出荷したもので、1キログラム当たり1万1000ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。 

腐葉土については、放射性物質についての基準はありませんが、国は下水道の汚泥を肥料の原料として使用する場合は放射性セシウムが1キログラム当たり200ベクレルを超えないよう基準を定めています。 

放射線量については、腐葉土の袋から1メートル離れた地点での空間放射線量は1時間当たり0.06マイクロシーベルトで、秋田県は健康には影響はないレベルだとしています。 

秋田県は、7月中旬以降に秋田県内のコメリの店で同じ業者が出荷した腐葉土を購入した人に、使用を控えるよう呼びかけているほか、店に販売自粛を要請しました。コメリによりますと、同じ業者が出荷した腐葉土は東北地方の店で販売しているということで、今後、すべて回収し、処理方法については行政と協議するとしています。

 

■資料2Photo

 

緑色と黄色のエリアに注目。緑色は0.25μSv/h(毎時マイクロシーベルト)以上、黄色は0.5μSv/hから1μSv/hのあいだです。 

爆発以前の関東地方の放射線量はだいたい.05μSv/h前後ですから、5倍から20倍は高い数値が観測されています。
日光は黄色地域なのがわかります。 

■資料3土壌から野菜へのセシウム移行係数(農水省HPより)

・ホウレンソウ・・・・・ 0.00054

・キャベツ・・・・・・・・・ 0.00092

・ハクサイ ・・・・・・・・・0.0027

・レタス ・・・・・・・・・・・0.0067

・カボチャ・・・・・・・・・ 0.0038

・キュウリ ・・・・・・・・・0.0068

トマト ナス ・・・・・・・0.00070

・イチゴ ・・・・・・・・・・ 0.001

・タマネギ・・・・・・・・・0.00043

・ネギ ・・・・・・・・・・・・0.0023

・ダイコン ・・・・・・・・0.00080

ニンジン・・・・・・・・ 0.0037

・サツマイモ・・・・・・・0.033

« 電話一本で防げたセシウム牛事件 | トップページ | ここまで来たら全都道府県での全頭検査は不可避です »

原子力事故」カテゴリの記事

コメント

通常ホルスタインの経産牛は一日60㎏程度の糞を排出します。当然尿もありますから、糞尿合わせると100㌔以上になります。
肉用肥育牛はこれより少ないと思われますが、飼養頭数によっては大量に発生します。
今まで順調に循環していたシステムがどこかで滞ると、大量に滞留と極端な不足が生じます。
糞尿をそこいらに振りまくわけにはいきませんので、自己所有か友人知人に頼んで、畑に散布しなければ、とどのつまり畜舎の周囲から雨などで流出していくことになり、環境に与える影響も現実のものとなります。
ただ、堆肥の散布は作物の栽培状況により、時期を選ぶことになり、いつでも好きな時に散布できるというものではありません。
当然その糞尿に「セシュウム」を含有していたとすれば、それらも拡散させてしまう事になります。
頭の痛い解決策が中々見いだせない問題ですね。

以外と根菜類の移行係数も低いんですね。
おっしゃる通り家庭菜園で混ぜ込む量は普通1割多くて3割程度でしょうから、それほど大騒ぎするものでも無いかもしれません。

やはり農家の堆肥サイクル(稲藁も使いますね)への影響のほうがより心配です。

あおやま様。目的が違います。早川先生のものは放射性物質の飛散シミュレーション図です。

一方、地元行政がつくらねばならないのは、消費者の信頼回復と農業者の安全のための汚染マップです。

当然後者のもののほうが精度が高くなければ意味はありません。

こんなお答えでいいでしょうか。

このところ新潟・福島方面に猛烈な豪雨が降っているそうです。 そこで私の疑問ですが、このような豪雨は放射能汚染問題の緩和に大きな助けになるのではないでしょうか。

微細な放射性物質は数百ミリの大雨で地面に浸透して深部に移行するものもあり、或いは雨水に運ばれて川を下り海に流れて行く部分も大きいでしょう。 雨の前と後とでの比較検討は当然どこかで企画されているのでしょうね。

現在のところ、これだけのデータしかないのですから、とりあえずの推計として、早川先生の0.25μSv/hの地域では400Bq/Kg、それ以下のところは100~200Bq/Kgあたりをみこんではどうでしょうか。
政府は航空機からの測定を計画して、福島・栃木県が発表されています。滋賀県まで計測するようなので茨木県ももうすぐだと思います。

利根様。

わたしも密かに期待してはいたのですが、残念ながらセシウム等は地中成分にガッチリ吸着されてしまって残るようです。
流れた水は河川や湖沼から海まで汚染します。
海まで流れてしまえば、大幅に希釈されるでしょうが。少し検出されるだけで魚介類の消費者不信をまねいて漁業が商売にならない。
利根川水系なら川と霞ヶ浦から河口まで。

また、山林を洗って地下水脈に潜った水は、核種によりますがストロンチウムやプルトニウムとなると、周囲の汚染を繰り返しながら変異し、今や欠かせなくなった「〇〇の自然水」の水源を万年レベルで汚染し続ける可能性もあります。こちらは長期に渡ってモニターする必要があるでしょう。ハワイでさえ微量ながらプルトニウムを検出してます。

本当に放射性物質は煮ても焼いても無くならない。全くもって厄介なものです。

腐葉土、藁(→牛糞)による放射性セシウム汚染が懸念され、問題になっていますが、汚染されているのは、落ち葉や藁だけではないはず。家庭菜園、園芸に使用される黒土、赤玉土、鹿沼土なども、同様に汚染されているはずです。全国に汚染を広げないために、汚染地域のそれらの出荷販売は止めるべきです。

正確な汚染マップが本当に必要です。風評なのか、事実なのか今は分からないことが多過ぎる。汚染が、わら、落ち葉とくると、当然、土、水など全面汚染となっています。まず、行政は徹底して、汚染測定値を公開すべきです。次に合理的な安全基準値を示すべきです。

東京様、初めまして。

黒土・赤玉土・鹿沼土…出荷停止せよとの考えもわかりますが、
とりあえず一旦止めて計測するのが正しいかと。
腐葉土の場合は、主材料の落ち葉にセシウムが吸着されてのことのようですし。
名無しさんが仰るように、細かい汚染マップ(ホットスポットの把握)を作るべき。
単純にただ出荷止めろでは説得力がありませんし、単なる地域差別とも取られかねませんよ。

家庭菜園やってる方でも、これだけ騒ぎになれば心配な方は買わないでしょう。
心配なのは重々承知してますが、まずはヒステリックにならずに冷静に見守りましょうよ。

4月にコメリで牛糞堆肥を購入し、家庭菜園で利用しました。2坪あたりに40リットルくらいだったかと思います。腐葉土も畑に入れたので、心配になり、お店に問い合わせると、腐葉土はインドネシア産のものだから心配ないが、牛糞堆肥は、茨城産のものなので、現在含有放射線量を調べているとのことでした。家族にも、採れた野菜を食べさせてきたので、体内汚染のことを考えてとれも心配です。どうしたらよいのでしょうか?お店の方は、結果を知らせて下さると言われましたが、とりあえず、今日は野菜を収穫できません。畑や、野菜の汚染値を計測する方法があったら教えて下さい。

まめしば様。あまりご心配なさる必要はないのではないでしょうか。本文でも書きましたが、腐葉土はあくまでも補助的資材です。おおよそ10%から多くて30%ていどしか肥料に入らないはずです。
おっしゃるように茨城県の牛糞は検査されていませんが、これも堆肥に入るとしてもおなじようにな比率です。

そしてこれをさらに土にまぜるわけですから、希釈されてしまいます。ここから移行するとなると放射性ぶっ異質が入っているとしても極微量となります。

さらに植物がそこから吸い上げるのは、一定の移行係数をかけるわけですが、本文資料欄にも書いたように、ほとんどが千分の1から1万分の1の桁です。

私も暫定規制値は高すぎると思っていますが、おそらくは計っても今の規制値をはるかに下回る数字しかでないはずです。

さて、ご自分で測るとなると、家庭ではガイガーカウンターで測ります。手順を紹介します。
❶野菜は細かく刻んでシャーレなどに入れる。
➋刻んだ野菜を1㎝ていどの厚みにして計測する。
➌ガイガーカウンターを野菜すれすれに当てて器材の指定する時間計測すする。(器材によって時間が違います)
➍だいたい4回計って、その平均値を求める。

一回では正確な数値は出ません。放射線は電気の一種なので、毎回計測値が違うはずです。同じな数字が出続ける場合、逆に分解能が粗いので逆に信用しないで下さい。

よくネットでとんでもない数値を公表している人がいますが、これは1回計測しかしない場合が多いのです。必ず4回ていどは計って、その平均値を出して下さい。

土壌は厳密にやり始めるとキリがないのですが、ガイガーカウンターでがまんしましょう。地表スレスレに当ててください。

器材はピンキリです。Amazonでガイガーカウンターでゾロゾロ出てしきます。だいたい4万から10万といったところです。

ご参考になりましたでしょうか。

管理人様。ご返答ありがとうございました。少し安心しました。それにしても、今回の原発問題。他人事ではなく、直接自分の健康、家族の健康に関わっていることを実感しました。見えない敵が近づいているような不気味さを感じます。明日は8月6日ですが、原爆がとても身近に感じられます。子どもたちの未来のためにも、原発は無くしていくべきだと思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 電話一本で防げたセシウム牛事件 | トップページ | ここまで来たら全都道府県での全頭検査は不可避です »