« セシウム腐葉土まで出た。落ち葉から堆肥への新しい汚染ラインの出現 | トップページ | 福島第1原発4号炉が倒壊しないことを祈ります »

ここまで来たら全都道府県での全頭検査は不可避です

037

先日の土壌測定の記事についてあおやま様から情報を頂きました。ありがとうございます。

ご指摘のように茨城県も確かに土壌の放射線量測定をしております。
「県内農用地の土壌調査結果(4月8日)」

http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20110408_20/

問題は統計上の母集団(*)が少なすぎることです。
*母集団・・・調査対象のとなる数値,属性等の源泉となる 集合全体のこと

市でひとつではなんとも言えません。「やらないよりましね」としか言い様がないのは三つの理由です。

ひとつめは、検体数がわずか各市一件ではほとんど無意味。

ふたつめに、どのような場所を選んだのかの選定理由が不明。

みっつめに、どこで測定したのか住所まで記載しろとは言いませんが、少なくとも大字(おおあざ)名ていどは公表しないと、統計として無意味。

というわけで、意地悪く見ると、いちばん放射性物質が出そうもないところを恣意的に選んで採取したんだろうと勘繰られかねられません。

畑にしても、ロータリー耕耘した畑だと線量は減りますから、トラクターがけをしたのかどうなのかのコメントも欲しいところです。

また単に「農用地」としか書かれていませんので、これが今問題となっている牧草地なのか、畑なのかも分かりません。

もしやるなら、全農地をしろとまでは言いません。能力的に無理です。

まず市をグリッグに切って、それぞれに座標記号を与えます。

たとえば、南北をA座標とすれば、東西を数字の座標とします。ですから北からA、B、西から東に1、2と座標記号を振っていきます。

このグリッドの大きさと測定箇所の数のルールを作り、測定方式と器材を決定します。

そしてこの検査報告については所有者名や番地までは公表する必要はありませんが、大字名までは特定して公表すべきでしょう。

ここまでやれば、茨城県は「汚染マップ」をもっていると胸を張れます。なにもしないで、チョコチョコと恣意的に計って「やっています」と言っても、信頼は得られません。

さて、現在茨城県では、牧草地の調査はごく少数のサンプリング測定しかされていない実態です。

藁は当然として、早急にすべての牧草地を一枚残らず測定しないと、福島や宮城の轍をまちがいなく踏むことになります。

そして全頭検査もここまで来たら不可避でしょう。畜産業界と行政は、BSEと同じ対応をせねばならないと覚悟すべきです。

もはや全国規模でセシウム藁はバラ撒かれてしまいました。農水省は早急に予算を作って全都道府県で全頭検査体制を構築せねばなりません。

ここでセシウム藁問題を断ち切らないと、とんでもなく連鎖し続け、長期化してしまいます。

それでなくとも、これは農水省が引き起こした人災なのですから。

■写真 合歓木です。私はこの樹が好きです。なんでか安らぎますよね。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

広がる全頭検査、茨城・栃木も…機器確保が課題

放射性セシウムに汚染された肉牛や稲わらが各地で見つかった問題で、自治体による全頭検査の動きが広がっている。   

   28日には、茨城県と栃木県が全頭検査を行う方針を示し、千葉県も「全戸検査」すると発表した。すでに山形県や、静岡県のJAが全頭検査を始めているほか、岩手、宮城、秋田、新潟、群馬、岐阜県などでも全頭検査する方針を固めている。しかし、検査機器の不足などから出荷が滞る恐れもあり、依然、農家の苦悩は深い。

 栃木県の福田富一知事は28日午前、「栃木のブランド牛の名声や安全を保つため、全頭検査に移行したい。来週中くらいまでには方針を決めてスタート時期を明確にしたい」と述べた。同県ではこの日、農家1890戸を対象に出荷牛の肉を調べる「全戸検査」と、県内JAによる独自の全頭検査も始まった。

 茨城県は8月から、県内処理する肉牛の全頭検査とともに、県外に出荷する農家に全戸検査を行う。県は簡易検査機器なども導入して検査態勢を整える。千葉県の全戸検査は8月3日からで農家353戸が対象。

 ただ、多くの自治体で検査機器の確保が課題となっている。農林水産省によると、放射性物質の検査機器「ゲルマニウム半導体検出器」は1台約2000万円。民間検査機関なども含め、全国に120台程度しかないという。

(2011年7月28日14時41分  読売新聞)

|

« セシウム腐葉土まで出た。落ち葉から堆肥への新しい汚染ラインの出現 | トップページ | 福島第1原発4号炉が倒壊しないことを祈ります »

原子力事故」カテゴリの記事

コメント

昨日農水省の関係者と会う機会がありました。
①個体識別について、氏名(牧場名)公表を任意ではなく全て公表できないか?
A:現法律では公表について「承諾書」が必要であり、即全てを公表するという事にならない。ただ、今後県名レベルでは無く、「郡」なり「市町村」まで掲載するように検討する必要があると思っている。
②家畜糞尿の処理の見通しは?
A:現時点では処理に関して結論は出ていない。難しい問題で、悩んでいる。
③個体識別は出生からと畜(死亡)までだが、その先のトレサは追跡可能か?
A:枝肉は解体後部位ごとに細かく分け、沢山の販売店に売られていくので、それを個体識別と同様に報告義務を課すことができない。時間と手間がかかるが、伝票を調査していくしか追跡できない。

以上の状況でした。

濱田様がご指摘している「放射線」関係も聞きたかったのですが、それとは全然関係ない部署だったので、回答は無理でした。
昨日は茨城にも大雨警報が出されていたようですが、ご無事でしょうか?
私は昨日・今日と白川市にいますが、現在小雨が降っています。午後から東京経由で十勝に帰ります。
ゲリラ豪雨に気をつけてください。

投稿: 北海道 | 2011年7月29日 (金) 08時00分

ゲルマニュウム検査機の能率は、1時間に1検体くらいなので全頭検査となると相当な時間がかかりそうです。ただ国会での児玉龍彦氏の証言では核種を絞る装置なら、効率はもっと上がるのだとか。
児玉龍彦(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=41163&media_type=wb&lang=j&spkid=21080&time=01:07:01.4
「衆議院TV・厚生労働関係の基本施策に関する件(放射線の健康への影響)」
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41163&media_type=wb

投稿: あおやま | 2011年7月29日 (金) 09時38分

【岩手県】について、汚染された稲わらを給餌された
可能性のある牛肉の検査結果(7/28まで)
25頭を牛トレサでチェックしてみたのですが、
肥育農場はすべて空欄でした。
http://twitpic.com/5xi7i6

投稿: コンタン | 2011年7月29日 (金) 14時11分

久しぶりにコメントします。

霞ヶ浦の南側の自治体では、すでに簡易スペクトロメーターを購入したところがあり、さらに複数の自治体が購入を決定しています。8月中には県南の複数の自治体が自ら検査できる体制がとれるようです。この地域は米産地、野菜産地であり、地産地消を進めており給食食材の検査をPTAからも言われていたようです。購入を決定した役所の担当に尋ねたところ、農産物を含む食材だけでなく、校庭、園庭、農地土壌、堆肥等の測定もする予定とのことでした。

投稿: 下請です | 2011年7月29日 (金) 21時41分

児玉氏の質疑応答の文字起こしがありましたので参考までに。
「児玉龍彦さん発言まとめ(質疑部分)」
http://famasaki.com/japan/20110729105723/

投稿: あおやま | 2011年7月29日 (金) 22時32分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/515571/52335457

この記事へのトラックバック一覧です: ここまで来たら全都道府県での全頭検査は不可避です:

« セシウム腐葉土まで出た。落ち葉から堆肥への新しい汚染ラインの出現 | トップページ | 福島第1原発4号炉が倒壊しないことを祈ります »