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ここで踏ん張るために失敗の原因をしっかりと究明しよう

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南相馬市のセシウム牛肉事件に3ツの新たな情報が加わりました。

まず、南相馬市の当該牛が10都道府県に既に出荷されていたことが仲買業者の伝票から分かりました。

またこれを受けて、福島県は県内処理する牛の全頭検査をすることに決めました。ただし、報道では「全頭検査」とあるだけで、今までのような意味のない外部被曝のチェックなのか、内部被曝まで踏み込んだ放射線量検査なのかはわかりません。

もし前者のスクリーニングならば、やっても無駄です。今は福島県産ブランド牛が踏ん張る時です。信頼回復のために、大変であることは重々承知ですが、内部被曝検査をされることをお願いします。

そして、出荷した農家のワラからも1万7045ベクレルの高濃度セシウムが検出されました。出荷農家は、調査に対して今までは屋内保管していたムラのみを与えていと言っていたが、実は「爆発時に屋外にあったワラも与えていた」(朝日新聞7月11日)そうです。
(資料1、2参照)

私は自分が農家だというせいもあって農業者の今回の原発事故の受難は、わがことのような痛みを覚えています。

その農家に言いたい。ダメだ、ダメだ、やっちゃぁいけない!こんなことをしたら、自分だけではなく、村をいっそう地獄に引きずり込む手伝いをしているようなものだ!

南相馬のみならず、福島牛ブランド全体が崩壊の淵に立っています。想像していただきたい。今、東京の消費者で福島産牛肉と知って買い求める人がどれだけいますか。

私も茨城の農家です。風評被害の恐ろしさは骨の髄まで知っています。

今まで福島産はブランド牛の宝庫でした。しかし既に飯館牛は消滅しかかっています。残酷なことを言うようですが、南相馬の牛もこの事件で同じ運命を辿る可能性が大きく高まりました。

やがて事件の影響は内陸部のブランド牛にも波及していくかもしれません。そうなったら立ち直るまでどれだけの時間がかかると思っているのでしょうか。

今、必要なことは失敗の本質を限定していくことです。言い換えれば、「南相馬の空気、土、水、みんな危ない」という馬鹿げた中傷を毅然としてはねのけていくことです。

一部のネット界では既に、「南相馬の井戸水が危ない、土壌もだ」というような無責任な風評が立ち上っています。馬鹿者どもが!他人の不幸を面白がるな!

井戸水は放射性セシウムの挙動をすこしでも勉強すればありえないことが分かるはずです。

セシウムは確かに水溶性ですが、地下水脈に到達するはるか以前の地表面せいぜいが5㎝ていどでストップしてしまいます。それは土壌の団粒構造(*地中の土と水、空気の結合する構造のこと)内部の粘土と結合してしまうからです。

土壌も同じく表土は汚染されている可能性がありますが、それも村全体が均一に汚染されているわけではなく、3月12日、15日の爆発以降の風の通り道や降雨などで大きく左右されます。

放射性セシウムが揮発性の極めて軽い物質で、風に乗って移動し、降雨で落ちる性質があるからです。

谷津田であるのか、平坦な畑なのかでも違います。アスファルト道路か、未舗装かでも違います。

あるいは、土質によっても異なります。粘土質ならばセシウムの沈降は遅く、今でも地表面付近に残存しているはずです。

一方砂地ならば、団粒構造が緊密ではないので粘土質より早く沈降するかもしれません。

ですから、右の畑で検出されても、左の畑では微量しか出ないということもあります。

いずれにせよ、土や水の性格を知っていれば、軽々に「南相馬の水と土がみんな汚染されている」などと絶対に言えないはずです。

ホットスポットはあるでしょう。しかし、そんなものは東京にも千葉にも、わが茨城にも沢山あります。

今は徹底した事件調査をする時期です。

どんな状態で問題のワラが保管されていたものなのか、ラッピングされていたのか、それとも裸だったのか、屋内でも雨がかかるような軒下だったのか。牧草のロット管理はしていたのか、していなかったのか、などを詳しく調査せねばなりません。

現在、去年のワラを野外に置いていたという報道がありますが、それがほんとうがどうか、なぜそのようなことをしたのかを明らかにするべきでしょう。

この農家の失敗の原因を特定して明確にせねばなりません。不心得者だと批判する前に、村全体が生き残るために踏ん張りましょう。

これはあくまでも「失敗」であって、悪行ではないのです。悪いのは彼ではなく、あくまでも悪魔の原発なのですから。

頑張りましょう、南相馬!踏ん張りましょう。南相馬の牛飼、頑張れ!

負けるか、原発ごときに!

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 日本農業新聞7月12日

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■資料2 2頭の牛肉からもセシウム・10都道府県に
(時事通信 7月11日)

福島県南相馬市の農家が出荷した肉用牛11頭から国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、同じ農家が原発事故後に出荷した別の牛の肉が少なくとも10都道府県に流通し、一部は消費されていたことが11日、東京都などの調査で分かった。

 一方、農林水産省と福島県は同日、この農家の稲ワラから規制値の約57倍に相当する同セシウムを検出したと発表。県は、原発周辺の緊急時避難準備区域と計画的避難区域の全牛農家約230戸の出荷した全頭を対象に、肉の放射性物質の検査を行う方針を決めた。

 南相馬市の農家は、11頭を出荷する前の5月30日から6月30日までに6頭の牛を東京・芝浦の食肉処理場などに出荷。都が流通先に残っていた肉を調べたところ、1頭から最大で規制値の6・8倍となる1キロ当たり3400ベクレルの同セシウムが検出された。

 業者の保管する伝票類を調べたところ、東京、神奈川、大阪、静岡、愛媛の5都府県の卸売業者や小売業者に流通していたことが判明。さらに、愛媛県などの卸売業者を通じ、北海道、千葉、愛知、徳島、高知県の業者にも渡っていた。

■資料3 稲わらから高濃度セシウム 南相馬の汚染牛のえさ
(朝日新聞7月12日)

福島県南相馬市の畜産農家が出荷した牛11頭から基準を超す放射性セシウムが検出された問題で、同県がこの農家から提出を受けたえさなどを検査した結果、稲わらから高濃度の放射性セシウムが検出されたことが、関係者への取材でわかった。農家は県の聞き取りに、東京電力福島第一原発が爆発した際に屋外に置いていたわらを牛に与えていた、と説明したという。

 県と農林水産省は、原発事故で汚染されたわらで内部被曝(ひばく)した可能性が高いと判断。農家は出荷時の県側の聞き取りには正しく申告していなかったとみられ、点検のあり方について改善できないか検討を進める。

 県と農水省は10日、農家を実地調査。えさの配合飼料と牧草、わら、井戸水を検査用のサンプルとして採取した。検査の結果、わらからかなり高濃度の放射性セシウムが検出された。

 問題の牛11頭は7日に出荷された。これに先立ち、県は6月26日に牛の体表の放射線量検査(スクリーニング)を行い、全頭が数値ゼロでクリア。この際、えさの管理状況や牛の飼育状況の聞き取りをし、農家はわらについて「震災前に収穫したもの」と申告していた。しかし、10日の聞き取りには「爆発時に屋外にあったわらも与えていた」と話したという。

 原発事故を受け、県は3月25日、飼料は事故前に刈り取って屋内に保管されたものを使うことなどを農家に指導していた。

 この農家は「緊急時避難準備区域」にある。県は、同区域と「計画的避難区域」から牛などを出荷する際の取り扱いについて農水省に照会。同省は4月18日付で点検内容を県に提示した。(井上亮)

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

そうですね。不心得者(切羽詰まった)の生産者を責めるより、全体の信頼回復が農家の生命線になります。
反省すべきは反省し、徹底した検査体制(どうやるんだろう?)と情報公開が肝になりますね。


鮮やかな青い紫陽花、いいですねえ。

投稿: 山形 | 2011年7月12日 (火) 07時20分

確かに酪農家の方に落ち度があったと思います。
しかしですよ、県や関係機関の営農指導には現実にはできないような指導が明記されています。
爆発があった際に外にあった物を廃棄するとして、その代替えになるものまで斡旋、流通させないと農家は困ります。
酪農家だけを責めないで下さい。悪いのは東電であり国です。

投稿: さくら | 2011年7月12日 (火) 08時52分

原発のせいで
東電の保障がないせいで
飼料が高騰したせいで
政府がなにもしてくれないせいで
といいつつ その方はダメだと知りつつ汚染された飼料をあなた方の言う愛してやまない家畜を汚染し、それを全国各地の消費者に消費させてしまったのです。

当然、安全管理をきちんとした上で汚染されたのなら「落ち度」や「不可抗力」といえるでしょうが今回の件は「自分が生きるためには顔の見えない他人の健康はどうでもいい」という考えのもと行われたものです。

この時点でこの酪農家の方は「被害者」でなく生きるためにという大義名分の元「加害者」になったのです。

反省してください。

投稿: 大坂在住 | 2011年7月12日 (火) 09時07分

確かにミステイクだった・・・・
さくら様が仰る通り、粗飼料は喰わすな!と言っても、代替飼料も手配されない中で、どうすればよいのか?(さくら様へ・・肥育牛を出荷したのは「酪農家」ではなく「肉牛農家」ですので、その点宜しく)

肥育牛はカロリーの高い「濃厚飼料(トウモロコシ中心)」を給与しますが、胃袋の状態を維持する為に「稲ワラ」などの粗飼料は絶対に必要です。
黙って手をこまねいて、徐々に弱って行く牛を見ていろ!と言うのか・・・・・
ミスはミスとして、福島県産牛肉の信頼回復に向けた動きを一刻も早くしないと、取り返しのつかない事になります。テレビではどのチャンネルを見ても、この話題を取り上げています。
健康に一番影響を及ぼす「食」の問題ですから、大きく取り上げるのは分かりますが、パニックにならず冷静な報道を望みます。
時間や費用はかかっても、全頭検査の実施と正確な情報公開が安心・安全を担保する事だと思います。

濱田様「がんばれ日本・がんばれ東北」復活しましたね。私は今でもパソコンの背景に使わせて頂いています。
「がんばれ日本・負けるな東北」!!!

投稿: 北海道 | 2011年7月12日 (火) 09時24分

非常に下らないことですが、酪農家とは、乳牛を飼い、乳を搾って出荷する畜産農家のことです。
今回の畜産農家は、牛(和牛)を肥育して集荷する肥育農家です。
一般には、区別つかないかもしれませんが、そこはハッキリ区別してください。
何か事があると、畜産農家=酪農家と言うコメントがありますが、酪農家が畜産農家を代表している訳ではありません。

下らないことで、すみません。

投稿: 一宮崎人 | 2011年7月12日 (火) 09時28分

北海道様とコメントが被ってしまいました。すみません。

投稿: 一宮崎人 | 2011年7月12日 (火) 09時29分

北海道様、宮崎様、大変失礼しました。ありがとうごさいます。
福島県民は一生懸命、放射能と向き合い、除せん作業と作付けの工夫をし努力しています。負けないぞ福島!

投稿: さくら | 2011年7月12日 (火) 09時39分

こんにちは。
肥育農家の方を責めるべきではないと思います。人間は間違いをするものです。それを避けるためには、汚染された恐れのある飼料、出荷できなかった野菜、取り除いた土などは、どこかで一元管理をしなければなりません。それは、行政の役割だと思います。逆に言えば原子力発電をやるならば、事故が起こる前に東電なり、安全保安意があらかじめその場所を確保しておくべきでした。(あの莫大な宣伝費を使えば、ありえる事故に対する場所の確保ぐらい出来たはずです)
現在、それぞれの農家がビニールシートなどをかぶせて管理することになっていますが、農家の持ち主が変わることだってあるのです。そのときに、それがどこにあるかわからなくなるのは当たり前です。一個人が処理できるレベルのものではないのです。30年かそれ以上、一個人が、汚染されたものをを保管しておいた場所を管理し続けられますか?他の人がその農地を譲り受けた場合、高レベル汚染土を破棄した場所を耕地として利用してしまう可能性はありえることです。
そのとき、その農家の人を責められますか?
個人を責めることはお門違いだと思います。

投稿: mimi | 2011年7月12日 (火) 11時07分

本人からの聞き取り調査で、屋外飼料の使用をしないようにとの指示があったあと、悪いとは知りつつ使用したと証言されたことが報告されています。

過失や不可抗力なら出荷下方の非はありませんが、ダメだと知りつつ悪いとおもいつつ与えたという証言なのですでに加害者だと発言しました。
ほんの一部の方のせいですべての食に対する不安や全頭検査など消費者生産者にしわ寄せが来ることになり、まじめに農業、畜産業に取り組んでいる方々すべての利益にならないばかりか、提供側を一筋の曇りなく信用して消費している消費者を内部被爆せしめたことは大罪といわざるおえないでしょう。

投稿: 大坂在住 | 2011年7月12日 (火) 11時47分

農家本人が、状況を把握した上で給与しているのであれば、「未必の故意」と取られますね。残念ですが、やはり非難されうる場合もあるかと考えます。

ただ、「食」の安全の問題が出る度に思うのですが、「食」の安全は、それを生産する生産者だけが、そのコストを負担しなければならないのでしょうか?

私は、食の安全、安心に関しては、生産者、消費者共にそのコストを負担すべきだと考えます。

残念な事に一部の人間が行った行為で、その安全、安心がゆらいだ時に、再度、安全、安心を担保する為に何らかの検査等が導入されるなら、それは、生産者、消費者共に、そのコストを負担すべきです。一方的に生産者だけが負担すべきではないと考えます。

元来、日本人は、食べ物に対して、そのリスクに対するコストはあまり払ってきていないのではないでしょうか?近年では、その意識も変わってきているかもしれませんが、やはり、安いモノのほうが高いモノより売れているのでは?無農薬有機となれば、どれほど人の手が必要で、どれほどコストが高くなるのか、理解されている人は良いですが、そうでない人は?
大手の量販店では、定時定量定質なモノが喜ばれます。その為には、大規模にいかにコストをかけずに生産するかが大事になります。結果、化学肥料や農薬のお世話になる。
このことからも、今まで日本人が、食に対してコストを負担してきていない事がわかるのでは?

長くなりすみません。

投稿: 一宮崎人 | 2011年7月12日 (火) 12時46分

代替の飼料がきちんと確保できていたのか(資金も含めて)、状況がはっきりとしていないので、現時点で農家を責めるのは控えるべきだと思います。

内部被曝をチェックできない検査体制が問題です。人間は尿検査で内部被曝を推測できるのですから、し尿にカリを多く含む牛ですから、尿検査である程度の目安をつけられる技術があってもよさそうです。筋肉内の「ストック」と尿などの「フロー」の関連付け検査は難しいかどうか、専門家の声を聞きたいです。
しかし、最低限、全ての枝肉をガイガーカウンターで調べるくらいはできるはずです。

ところで、わたしが気になるのは、農水省の検査で明らかになったオーツヘイ(輸入わら) 980 Bq/kg(生牧草換算 223 Bq/kg)という数字です。購入粗飼料を野ざらしにすることは絶対にありえません。40×40×60cmほどに四角く固く梱包されたオーツヘイの表面だけに付着したセシウムの値です。決して低い値ではないです。
牛舎は壁のない風通しのよいものがほとんどです。牛は暑さに弱いからです。牛舎は通気性のよい構造が必須です。
しかし、通気によって牛舎の中もかなり汚染されてしまったはずです。当然そこで働く農家自身もです。

農水省はこの農家の内部被曝の検査も、早急に行うべきだと思います。

投稿: 南の島 | 2011年7月12日 (火) 12時59分

大なり小なり原発の恩恵を日本国民は受けていた訳ですから、廃止に向かうにしろ維持するにしても、自然エネルギーに向かうにしても結局は、国内で生活する以上何らかの負担は生じます。
「食」に関しても、このような話題が出ると大阪在住様の仰る「消費者対生産者」の構図を取りたがる方も存在しますが、食の安心安全を担保するにはお互いの負担と理解が必要です。
そんな負担するくらいなら、安い輸入食品を・・・と言う方も当然いますが、選択の自由は制限されるものではないですから、自由にされたら良いと思います。
ただ、この肉牛農家ばかりを責めるのではなく、こうせざるを得なかった背景も考えるべきだと思います。
この農家の行為を肯定は出来ませんが、心情は理解できるところがあります。

投稿: 北海道 | 2011年7月12日 (火) 13時45分

この件に関しては、大変、残念ですが、牛を餓死させてまでも、出荷すべきではなかった。
放射性Csを含むと推察される粗飼料を与えるべきではなかった。
思いとどまって欲しかった。
管理人さんの記事にもありますが、信頼回復には、どれほどの時間と労力を要することでしょう。
残念ですが、私には、この農家を弁護する言葉が見つかりません。

1次的には、「食の安全」ということになると思いますが、2次的には、この問題、あまりにも波及することが多すぎます。
牛は、福島にだけいるわけではありません。
牛は、肥育牛だけではありません。
無論、黒毛和牛だけでもありません。
消費者の方に、肥育牛だの、和牛だの、国産牛だの、ブランド牛だの、ホルスタインだの、交雑種だの、認識している人がどれほどいるでしょう。
消費者の方にとっては、全部、牛・牛肉という認識ではないでしょうか。

福島では、既に、やや違うところ(↓)に、影響が出始めているようです。
http://jaccnet.zis-ja.com/d1110000000/d1110300000/251/results.html

投稿: Cowboy@ebino | 2011年7月12日 (火) 13時54分

失礼な言い方だと思いますが、確かに一般的な消費者にとっては、和牛=A5のお肉=美味しいのような短絡的な考えが普通なのかもしれませんね。
牛肉のセシウム汚染=牛肉が危険=牛肉は食べない。
その牛肉が何処産だとか、品種は何だとかは関係なくただ牛肉というだけで危険視してしまう。
そうなると当然消費が落ち込みますので、牛肉が売れなくなる⇒肉屋が仕入れを控える⇒枝肉単価が下がる⇒肥育農家が利益率が下がる⇒肥育素牛の導入を控えるか、単価を下げる⇒子牛価格が下がる。と言う流れが出来つつあるのでしょうか?福島の子牛価格だけが下がってきているのか、全国的に波及するのか?
今後の全国の子牛セリ価格の動向に注意する必要がありそうですね。ただ、この手のセリ価格の変動は、今までBSEや口蹄疫で、何処も何度もあったはずです。
その度に、何とか乗り切ってきたのも事実かと思います。問題は、消費者に安心をどう担保するか。その一点だけなのだと思います。
あと、今までは、何とか嵐を乗り切ってきましたが、その後に何らかの啓蒙があったのでしょうか?依然、消費者が牛肉を全て一緒に見てしまうのは、生産者サイドの啓蒙が無い為ではないでしょうか?
せめて、同じ牛肉でも、様々な種類(品種等)が存在し、全てが同じではない事を消費者に理解してもらうのは、生産者の営業努力ではないでしょうか?

投稿: 一宮崎人 | 2011年7月12日 (火) 17時03分

Cowboy@ebino様がお示しになった7/11の福島の子牛セリ値では、繁殖農家はやっていけません。今回の影響は非常に大きなものです。

今日の日本農業新聞に福島産枝肉暴落の記事もありました。

福島産牛が急落 セシウム検出響く 東京食肉市場

 東京都中央卸売市場食肉市場で11日、福島県南相馬市の黒毛和牛から国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されてから初めての牛枝肉せりがあり、福島産が値下がりした。全国から和牛309頭、交雑種86頭が上場(同市場でと畜した分)。そのうち福島県産はそれぞれ29、20頭が取引された。卸売会社は「福島県産の単価は前週に比べ3割下げた。他産地と比べると半値になった」という。「(安全性への不安から)スーパーの一部で福島県産を避ける動きがあった」(仲卸業者)ため。価格下落について卸売業者は「今まで同県産を買い支えていた業者も、具体的な発生原因がはっきりするまで様子を見る動きが出た」と、セシウム検出の影響が大きいと見ている。

 同日の和牛去勢A4等級の全体の平均取引価(24頭、福島県産含む)は、前回取引(8日)に比べて154円下がり1408円だった。このうち、福島県産和牛去勢のA4等級の平均取引価格(4頭)は、1キロ918円で、同等級全体の35%安となった。

 全体の取引では、和牛去勢のA5、A3等級も100円以上下げた。

 安値は、2001年のBSE(牛海綿状脳症)の国内発生時以上の事態との見方もあり、卸売会社は「(安全性確保など)国は対応の方向性を早急に示してほしい」と訴える。

・販売悪化を懸念市場関係者

 11日のせりは買参人が普段よりも少なかった。横浜市の仲卸売業者は「焼き肉店での生肉食中毒事件以降に消費が落ち込み、冷蔵庫に在庫を抱えた業者が多いのではないか」と推測。「セシウム検出でさらに売れ行きが悪くなる心配がある」と話す。都内の仲卸業者は「福島県産を避けてほしいというスーパーが出てきている」と打ち明ける。

 また、同日のせりの順番を記した「と畜配線表」には、セシウムが超過してせりにかけられなかった牛が記載されていたが、「特にアナウンスもなく順番が飛ばされた。きちんとした説明がほしかった」(都内の食肉業者)という声もあった。


一方で、肉用牛セシウム汚染、背景に飼料の流通停滞?http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110712-OYT1T00636.htm
という記事もあります。


大きな葛藤を伴って藁を与えていたはずです。好き好んで汚染されている餌を与えるとは思えません。大きなストレスの中で、判断を誤ったかもしれません。同じ試練を抱えた農家は他にもいると言われたら、反論出来ませんが・・・

投稿: 南の島 | 2011年7月12日 (火) 17時28分

酷薄な世の中です。
心底残念に思います。放射能汚染基準値を上回った牛肉を世に送り出してしまった農家に対してではありません。

彼の農家を責める気持ちは十分わかります。
国内で肥育、繁殖、酪農を営む畜産牛農家や豚、鳥を養う畜産家が深いため息をついたであろうことは容易に理解できます。

特に牛肉業界は死亡者が出た生食の関係で需要が大幅に減退しています。枝肉価格も下降している中です。
節電要請の強い中、今後も食中毒関連で国内農畜産品の事故は必然的に上昇するでしょう。
厳しい経営環境に放り込まれ、苛立つ思いは痛いほどわかります。関係者の皆様が憤りを隠せない思いはわかります。

しかし消費者から農家全て悪いという意見が出てくるのはいったいどうした理屈なのでしょう。
世に不良品は常にあり、その場合は製造メーカーを責めるのに、なぜ農家だけは県単位、あるいは国産丸くくりという無礼極まりない対応と反応をとるのでしょう。
私にはまったく信じられない。なぜ農家だけが常に一蓮托生でなければならないか。

いまWEBで横行している「東日本の生産者の負担と責任で安全な食品を提供しろ」という主張は、私にとっては近隣に犯罪者が出れば、その町あるいは県の住民はすべて犯罪者だと差別発言をのたまうのと同じにしか聞こえない。犯罪者の町の住民は全て身分証明を
首からぶら下げ、犯罪暦がないことの証明書と精神医の診察結果を携帯しろといっているのと同じです。
違うというならその理由を納得をいく様に示してほしい。

ほぼ大多数の市民や消費者がそのような愚か者ではないことは理解していますが、報道とWEBの無礼者はいちいち腹立たしく思います。

3月11日の震災発生から3月末にかけての20日間、東北6県、北茨城は極度のガソリン不足が発生し、目立った飼料工場は全て大被害を受けました。
現役養豚家様のブログや農水省の原田氏のツイッターでもきわめて厳しい状況であったことをうかがわせました。
4月以降放射能の汚染検査がようやく始まり、危険度が認識されたのはそれからです。
その前段階の情報不足の中で牛に野外にあった飼料を与えたという行為を責めることは、一消費者である私にはできない。
残念な思いもありますが、同業者でもないのに責めることはできません。

3月末までの間、宮城県民は山形からの物資が納入されるまでまさに飢え苦しみました。
取引先の畜産農家の豚は30%を飼料不足で殺処分にしました。
そのときの畜産業者の無念の電話の声を私は忘れることができません。

震災、原発、行政もマンパワーが足りず、現場は日々体力と資金を削り取られています。

なぜ、4ヶ月も経過するのに、この放射能汚染に対する支払額の総額も支払方法もスケジュールも何一つでてこないのでしょう。
この国は福島県を本当に見捨てるつもりなのでしょうか。私はそれはどうしても許せないと感じています。

投稿: 青空 | 2011年7月12日 (火) 20時27分

文才も無く中々適当な言葉が見つからず、中途半端なコメをしていますが、青空様のコメをみて私の言いたかった事の大半が含まれていました。
勝手な想像ですが、出荷した農家も「だます」とか「抜け駆け」を狙ったものではないと思っています。何も食べさせるものが無い中で、この「ワラ」を食べさせても内部被ばくや、肉にどのくらい含まれるのか、そんな知識も無く給与してしまったのだと思います。
結果としては残念な行為ですが、全てを否定する事はいかがなものかと感じています。
さっきテレビで、神奈川県の給食に福島県を含む7県の牛肉は使用しない事を決めた。。。と報道されていました。牛肉への不信感が除々に拡大し現実化してきています。本当に残念なことです。
不景気・食中毒で消費が低迷~価格下落の中、今回の放射線検出で「とどめ」を刺された感がします。
信頼回復には時間と財源が掛る事は覚悟しなければならないと思っています。

投稿: 北海道 | 2011年7月12日 (火) 21時39分

農家の対応のこともありますが、
「スクリーニング検査である程度わかる」としていた
農水省の対応も大ウソだったようです。

スクリーニングの失敗の原因については、まだ公式発表はないように思いますが、
バックグラウンドの環境放射線値が高すぎて、ちゃんと
検査できなかったのでは?とも疑われています。

この失敗についても、きちんと原因を究明してほしいと思います。

投稿: コンタン | 2011年7月12日 (火) 22時59分

北海道様
細かい話ですいませんが、
×神奈川県
〇横浜市
です。あそこの教育委員会は昔から市教委が県教委より力がある不思議なとこです。
もちろん山形産も隣県なので巻き込まれました。
それでもBSE騒動で、過剰とも思われた個体識別までできるトレーサビリティシステムのおかげで、流通ルートがすぐに特定できたのは良かったと思います。
あれが無かったら、今頃もっととんでもない疑心暗鬼の大パニックだったでしょう。


青空様
文章に心打たれました。
あの時期、こちらでは電気は1日~2日で復旧しましたが、ガソリン・灯油と共に飼料の枯渇も深刻な事態になりました。
関係者はかなり無理して被害甚大な宮城に優先して送ったそうで、お役に立てたようでなによりです。
昨日の県知事会見で「飼料備蓄量の増大」も入ってました。
知事会を欠席して「卒原発共同提案」を嘉田滋賀県知事に任せたのは、今日から皇太子ご来県だからです。

投稿: 山形 | 2011年7月13日 (水) 07時26分

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