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2011年7月19日 (火)

政府はセシウム汚染藁を焼却・堆肥混入する指示をやめろ! 国が責任を持ってセシウム藁を回収し、処分しろ!

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セシウム藁は白河以外の福島県内各地で発見され、既に給与してしまったことによるセシウム検出牛は全国で発見されるようになりました。

そして、そのかなりの数量は既に市場に出て消費されていることが分かりました。まさにこれ以上ない最悪の事態です。

岩手、宮城、福島、栃木、茨城、千葉、群馬、埼玉の8県で、畜産農家と稲作農家を対象に、わらの取り扱いに関する緊急調査を実施するといいます。

日本の畜産界は往年のBSE規模の災厄に備える必要があります。

農水省は、計画的避難区域・緊急時避難準備区域内の全ての飼養農家について牛肉のモニタリング検査を行い、この区域外の福島県や周辺県(牧草について自粛した地域等)で飼養される牛についても牛肉のモニタリング検査を強化するとしています。

しかし鹿野農相は12日の閣議後の記者会見で、福島県の「全頭検査に出来ることでありますならば、協力もして参りたい」と述べるに止まりました。

あくまで主語は県であり、国は「協力」する支援者にすぎないというわけです。

今の政府は、初代復興大臣が頭ごなしに知事を叱り飛ばすような中央権力意識の権化であるにもかかわらず、ことこういう国こそが責任をもって解決すべき大きな問題ではころっと変身して地方分権主義者になるというムシのよさです。

福島県はこの腰が引けた国の「協力もして参りたい」という対応に業を煮やし、国に全頭検査体制を要望していくことにしました。当然すぎるほど当然の要請です。

国のなんという太平楽なことよ。なんという危機感のなさよ。今、ここでこのセシウム牛・藁の解決方法を確立しなければ、この秋の米の収穫において大変なことになるとどうして思わないのか不思議なくらいです。

このセシウム牛・藁問題は、おそらくは間違いなく出るであろうセシウム検出米の第一波にすぎません。

すべての始まりは「最初のボタンの掛け違い」にあります。農水省は、「事故以降の飼料を与えることは自粛をお願いしていたのに、指導が行き届かなかった」と弁明に勉めています。

あんたらバカか。ぜんぜん農業現場に来ないで霞が関の蛍光灯の下でパソコン画面をボーっ眺めているのが農政だと思っているからこうなるのです。冬の田んぼに藁が積んであるなんて、地域にもよりますが関東、東北では珍しい風景ではないでしょうに。

この農水省通達は3点で重大な抜け落ちがありました。

❶ BSEなみ、いやそれ以上の飼養管理態勢を敷くべき放射性物質汚染の対象区域を避難区域・避難準備区域に限定してしまった。

➋ 牛が当然食べるはずの粗飼料の藁の供給元を対象外としてしまった。

➌ 牛を外部スクリーニングのみで出荷許可できる検査方法としてしまった。

結果はご覧のとおりです。責任はあげて不作為の政府にあることは明々白々です。

当該の避難区域・準備区域外の農家は、よもや自分のことだとは思わなかったのです。事実、18日までに問題が出た藁を出荷した14軒の農家のうち13軒までは、この通達が自分たちも対象にしているとは思わなかったそうです。

3月12日、15日の水素爆発と、それに続く放射性物質が希ガス化した放射能雲(プルーム)の通過に対しても、国からなにひとつ放射能情報は提供されていませんでした。

時々刻々と放射能雲の通過を通報するSPEEDI情報は安全・保安院と内閣が隠匿しました、いや正確には、福島県に一部伝えられたものの、それに対して「公表してはならない」(福島県原子力対策課の証言)と箝口令まで押されたそうです。

放射能被曝した地域の国民は、後に福島、茨城両県と文科省のモニタリングで徐々にその脅威を知ることになるのですが、それはとうに放射性物質のフォールアウトが過ぎた後のことでした。

前首相補佐官・馬淵氏の言うようにまさに「情報隠匿体質」そのものです。

さて、このような後手後手というより無為無策の結果、問題は今や事後対策に移っています。ところが、事後対策は事前対策の百倍難しいのですよ。

しかし、今ここで止めないとコントロールが不可能になります。既に411頭もの疑いのある牛が流通してしまっています。汚染ワラは全国に散らばってしまいました。

いまやババ抜きゲーム化した日本畜産市場において、西日本産、九州、北海道産を問わずすべての牛肉が風評被害にさらされてしまうことは目に見えています。

対策は整理すればいくつに絞られてくるでしょう。

❶ 放射能雲の通過域内すべての牛、粗飼料(*稲ワラや麦ワラ、牧草などのこと)、飲料水の徹底した検査の実施。

➋ 3月12日以後屋外にあったすべての粗飼料を検査した後、汚染したものの廃棄。

➌ 放射能汚染された牛の処理。

➍ 市場に出た汚染肉の早急なる回収。

➎ 以上の国家賠償。

では、現実にどうしていったらいいのでしょうか。

❶はようやく始まろうとしていますが、国の責任体制が見えません。国はここで前面にたつとおそらくは国家賠償につながりかねないとビビっているのだと思われます。

しかし、福島県も言うように、県下全域での全頭検査、藁の放射能検査などは気の遠くなるような仕事であり、とうてい地方自治体の手に負えることではありません。

そもそもいいかげんな通達の結果、このような事件を引き起こしたわけですから、政府が責任をもって全頭・全藁の検査をすべきなのが筋です。

➋も大きな問題を抱えています。「どうやって放射性物質を処分するのか」という大前提の方法論が確立されていないのです。

方法としては放射性物質を除去する基本的は2ツの方法しかありません。

❶ 除去する。
・土壌なら客土。あるいはクリーニングプラント(ひまわり、菜種など)で除染する。
・藁などの処分では持ち出した後に焼却して埋設する。

➋ 希釈する。
・土壌場合は深耕ロータリーなどで表土から50㎝ほどを天地返しする。
・藁などの場合は焼却した後処分する。

ところが「焼却した後に堆肥と混入すること」という指示を農水省が出しているのです。常識を疑います。

これは放射性物質を新たに畑にバラ撒いて、もっと汚染濃度をあげろという指示に等しい、おおよそ諸外国では考えられもしない愚案です。いや愚案というより危険極まる指示です。

農水省は、放射性物質は不滅であり放射性物質の総量は不変であるという大原則をお忘れか?

放射性物質は煮ても焼いても、高温高圧をかけようとも、希釈されたり、別な場所に行ったりすることはあっても消えないのです。だから怖いんじゃないですか。

煮たり焼いたりすれば、かえって濃度を高めます。それをしろと政府農水省は言うのですから開いた口がふさがりません。

灰にすることで茎葉の水分が完全消滅し、かえって放射性物質の濃度は高まります。

放射性廃棄物をわざわざ高濃度廃棄物にして、そしてあろうことかそれをそれでなくとも汚染されたか可能性がある農地に撒け、というに至っては絶句するしかありません。

これで放射能の実害がいっそう拡がるばかりか、風評被害がでなかったら奇跡というものです。このような非常識な農水省指示は即刻撤回すべきです。

藁の処分を考えるのなら、牧草キューブのような方法で圧縮して穴を掘ってシートを敷き、詰めた後に鉄板を被せる方法しか、私には思いつきません。

しかしこのような私的な保管方法では、長年のうちに放射性物質が漏洩することはを防げないでしょう。漏洩した場合、農地の再汚染、水系汚染につながります。

また処分過程での放射性物質を含んだ粉塵の吸入による健康被害もあるでしょう。

つまりは、行政が責任をもって回収し、処分するしか方法がないのです。

県内いくつかのゴミ焼却場を放射性物質専用とし、放射性物質除去フィルターを装着した後に焼いてキューブ化し、特定の最終処分場に持ち込んで一元管理するしかない。

今、直ちに始めないと手遅れになります。国が責任をもってセシウム藁を回収し、処分しなければなりません。

■写真 本日の台風接近前の早朝の空。なんか不気味ですね。

             ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■農水省 鹿野農林水産大臣記者会見概要http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/110712.html

鹿野道彦農林水産相は15日の閣議後の記者会見で、福島県白河市の稲作農家が販売した高濃度の放射性セシウムに汚染された稲わらをえさとして与えていた畜産農家2戸が、聞き取り調査に対して、福島第一原発の事故を受けて国が示した飼育管理方法を「知らなかった」と話していることを明らかにした。

農水省は原発事故後の3月19日に「乾いた牧草を家畜に与える場合は事故発生前に刈り取ったものだけを使う」との通知を出した。ただ、通知は畜産農家向けに出たもので、稲わらを供給する稲作農家は通知の対象外だった。鹿野農水相は「今後あらゆるルートで飼育管理の徹底を図る」と述べた。

■ 農水省 原子力発電所事故を踏まえた家畜の飼養管理について(22消安第9976号、22生畜第2385号、平成23年3月19日)

■農水省 東日本大震災について~調査結果が暫定許容値を上回る地域において刈取り、保管している牧草等の取扱い等についてhttp://www.maff.go.jp/j/press/seisan/c_kikaku/110608.html

■ 日本農業新聞7月19日 1面

Photo

■新潟に宮城産セシウムわら=東京などへ肉牛24頭出荷

時事通信 7月18日

新潟県は18日、同県長岡市の畜産農家2戸が保管していた宮城県産稲わらから、国の暫定規制値(1キロ当たり300ベクレル)を超える1万500~2万600ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。乾燥する前の水分を含んだ状態に換算すると、規制値の8~15倍に相当する。うち1戸の農家からは新潟県内と東京都のと畜場に肉牛計24頭が出荷されたことも分かった。これらの農家はいずれも宮城県内の業者から稲わらを購入したという。

 新潟県は2戸に対し、この稲わらを与えた牛の出荷や移動の自粛を要請するとともに、流通状況の調査を開始した。県内で宮城県産の稲わらを使用している他の農家が保管する稲わらを対象に、セシウム検査も実施する。 

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コメント

自民党時代からの農水族である鹿野大臣の地元の山形県からも、残念ながら既に70頭出荷されました。
肉自体は国の暫定基準よりはかなり低い値でしたが…。
稲藁は宮城県大崎市産で、かなりの高濃度を測定。

いったいどうするつもりなんでしょうね。

堆肥に混ぜる?
とんでもない!作物の風評被害が広がるのみ。
頭脳優秀な農水官僚は何をやってるんでしょう。

いつも勉強させてもらっております。

農林水産省の指示ですが、気になって調べてみたところ、放射性セシウムが5000ベクレルを超える場合はたい肥への混入や農地へのすき込み等をしないこととしてるようです。また、すき込む場合も「焼却」は指示に含まれていないと思います。ご確認ください。:
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/c_kikaku/110608.html
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/bokusou_hokan_qa.html

濃度基準(5000ベクレルは暫定基準の10倍)の問題ではなく、巨大な風評被害を生み出し有機農法の死に直結する恐ろしさが大問題になると思います。
消費者団体側が〇〇ベクレル以下だから大丈夫だね~、なんて言わないでしょう。

処分場の焼却灰の措置と通じるものがあるのでしょうか?いつかの記事に、放射性物質の処理について、法の規制が決まっていない?か、地方自治体では出来ない?な記事、ありましたよね?
結局、官僚さんは、法律で決まっていない事には、どう対処すべきか決め切れないのでは?
想像力を働かせれば、ワラを焼却したら、放射性物質の濃度が上がって、もっと危険になること位、以前の最終処分の件で、経験済みなはずなのに。
ちなみに、燃やした灰の放射性セシウムが5000ベクレルって誰が測定するのですか?
農家自身が、燃やして測定するの?そんな簡単に測定できるの?出来るはずないと私は思うのですが。

堆肥センターなどで、セシウム入りの土壌や灰は、堆肥にしたくないので、受け入れません。と、全国の堆肥センターは声をなぜ、出さないのか?
不思議です。
ひょっとして、具体的に、堆肥センターに、伝わっていないの?
何ベクレルなら、安全と言うことはなくて、堆肥として、循環ループを作れば、永久に汚染し続けることが、理解できないのでしょうか?

どうしても、堆肥センターに持ち込むなら、今、福島原発でやってるような、水と吸着材を混ぜて、沈殿させ、分離後、汚染されてない土を堆肥に使うなら、まだ、理解できますが・・・

ワラに限らず福島第一原発での汚染水処理フィルターや各地の下水処理場の汚泥など、放射能に汚染された廃棄物がどんどん発生しています。今のところは発生した場所に一時保管しているようですが、このままいくと行き詰ることは目に見えています。
国の関係省庁が責任を持つのは当然ですが、そうはいっても便利な魔法はあり得ない以上、国民全体が考えざるを得ない事態です。今まで核廃棄物の採取処理を先送りしてきたツケが来ています。

今後行うべきことが、もう一つあります。
福島のせりで売られた子牛や繁殖メス牛の追跡調査です。全国各地の農家に購入されています。

もちろん、ここにコメントしている皆様は、汚染されていない餌を与え続けたら生体からほとんどのセシウムが排出されることはご存知でしょう。
しかし、購入農家や消費者の安心感をえるためにも該当牛(生まれた牛も含む)の継続的な調査が必要です。と畜後の枝肉の検査もです。

うーん…。食品暫定基準を早々に出してきた当初から、国には国内の生産者を守ろうとする気概があまり感じられないと思ってきましたが、全国に放射能汚染を広げるような措置までとるとは・・。まさかとは思いますが、輸入品を優遇したいんでしょうか?
日本の食の未来が心配になってきました…。

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