冷血漢の最後っ屁
辞任まで秒読みに入った冷血漢の最後っ屁です。
ようやく一時帰宅を許された避難民たちが避難所に帰った頃合いを見計らったようにして、冷血漢はすさまじい悪臭を放ちました。
今までたしか来年1月頃には帰宅が可能なような超楽観的な見通しが、今度は一転して20年間は帰宅が困難だそうです。
その上に、避難地域に放射性物質の瓦礫などの中間処理施設を作りたいとのことです。
この男、完全におかしい。首相としてどうとかいう以前に、まともな人間の姿をしていません。
なにを言おうと責任を取る必要がないこの時期に、このような大変な重荷を被災地に置いていくという神経が普通ではありません。
「あんたらは、20年間故郷に帰れないよ。その代わりに、無人となったあんたらの故郷に放射性物質の中間処理施設を作ってあげるからね」というわけです。
そもそも来春に帰宅できるという見通しそのものが、素人が考えてもありえないほどいいかげんでした。今まで政府は一度として徹底した測定と、除染作業のひとつもしたのでしょうか。
避難地域に多くのホットスポットがあるのはあたりまえです。文科省のヘリ測定ですら、土壌線量は数十万bqはある地点が点在しているのです。これをどうにかしないで、まともな帰郷が出来るはずがありません。
しかしそれはあくまで空中からのおおざっぱな測定でしかないのです。道路脇、下水溝、軒下、森林、池などをの危険ゾーンを丁寧に測定したことが一度としてあったのでしょうか。
半年もたっていながら、ただの一度として政府調査団の正式な放射線量測定はやられていません。
それでいて、ヘリをブーンと一回飛ばしただけで、「あんたら、20年間帰れないよ」というふざけた結論を言う。ぶざけるのもいいかげんにして頂きたい。
何度も言いますが実に半年間も時間があったのですよ。その間、ただの一度も実測もしない、ましてや除染のまねごとすらしない、あげくに「20年間帰れない」とはどのツラ下げてこのようなことを言えるのでしょうか!
まず、しっかりと徹底した調査をするのが前提。そして政府が全力を上げてコストと人員を投入して大除染作業をするのが次の前提です。
「私たちはこれだけ清浄化に向けて努力しました。しかし、残念ながら現状の線量はこうです。これだけの年間被曝線量下では、除染を継続してもなお帰郷には〇〇年先になるとの見通しです」と理解を求めるのが筋ではないのでしょうか。
なにひとつ汗をかかない。やったのは醜悪な党内権力闘争だけ。
そしてさんざん被災者を放っておきながら、どの口で「20年先まで帰れません。放射性物質の保管場をつくらせてくれ」ですか。
怒りを通り越して哀しみすら覚えます。人として恥ずかしくないのか!
同じことを言うにしても、やるべきことをなし、なすべき努力をしてから、避難民に言ってほしい。
そして自分は辞任後は大熊町に自宅を移して処理施設の門番をする、と宣言しなさい。そのていどの人としての覚悟をして、このような被災者に言い知れぬ苦しみを与える事を言いなさい。
この男にはなにを言っても無駄でしょうが、為政者の言葉はその程度に重いのです。
■写真 朝焼けに揺れる月見草の群落。もう空気は秋ですね。
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■退陣表明した首相からの「宣告」に怒りの声
菅首相は27日、東京電力福島第一原子力発電所事故に関連して、福島県の佐藤雄平知事との会談で「長期間にわたり住民の居住が困難になる地域が生じる」との厳しい見通しを明らかにした。
退陣を正式に表明した菅首相からの「宣告」に、原発の地元の双葉、大熊町民からは「国は除染の努力もしていない。許せない」などと怒りの声が上がった。
埼玉県加須市に避難し、26日に双葉町の自宅に原発事故後初めて一時帰宅した女性(36)は27日、首相の表明について「放射線量が高い地区は各地に点在している。何を根拠に『居住が困難になる地域』とするのか、ちゃんと聞きたい」と述べ、不信感をあらわにした。
同じく26日に避難先の同市から双葉町に一時帰宅した女性(49)は「やっぱりあそこで生活するのは難しいということか。もうここで生活しなくてはいけないという気持ちに傾いている」とあきらめた口調で語った。中学3年の次女(15)は埼玉県内で進学することを決めたという。
大熊町民からも厳しい声が相次いだ。「東電と国はこれまで『原発は安全だ』と言い続け、我々も協力してきた。それなのに、ばかにしている」。原発から1・5キロの大熊町夫沢で建設会社と農業を営んでいたが、今は会津若松市に妻と避難している男性(58)は憤りを隠さない。
読売新聞 最終更新:8月28日(日)1時18分
■福島第1原発>帰郷困難、20年超も 政府試算
政府は27日、福島市内で開かれた「福島復興再生協議会」で、年間被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される地点では、除染しない場合、帰宅可能な水準(年20ミリシーベルト以下)まで線量が下がるには20年以上かかる可能性があるとの試算結果を示した。
菅直人首相は27日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、東京電力福島第1原発周辺の放射線量が高い地域について「長期間にわたって住民の居住が困難な地域が生じる可能性は否定できない」ことを認め、「心からおわび申し上げたい」と陳謝した。
放射性物質が風雨で拡散されることなどにより、被ばく線量は除染なしでも自然に低下していく。試算結果によると、帰宅可能水準まで被ばく線量が下がるには、現在の推定線量が100ミリシーベルトの地点で10年程度、50ミリシーベルトの地点で4年程度かかる。この期間をより短くするには、除染作業を効率的に進める必要がある。
◇汚染物質保管「福島で」 首相が知事に要請
会談で首相は、除染作業によって新たに汚染土壌が発生することも踏まえ「汚染物質を適切に管理する中間貯蔵施設を県内に整備することをお願いせざるを得ない」と述べ、汚染物質を一時保管するための中間施設を県内に設置したい考えを伝えた。
政府関係者によると、中間施設は国が建設し、放射性物質の空中や地下水への拡散を防ぐための遮蔽(しゃへい)壁も備える。首相は「最終処分場にすることは全く考えていない」としたが、佐藤知事は「突然じゃないか。非常に困惑している」と、受け入れは困難との見方を示した。
汚染土壌やがれきについて、政府が26日発表した「除染の基本方針」は、国が処分場を整備するまでの間、市町村や地域ごとに仮置き場を設けるべきだとしている。しかし、「仮置き場では安全な管理は難しい」との批判が地方から出ていることを受け、国が責任を持って中間施設を整備する必要があると判断した。
会談に同席した細野豪志原発事故担当相は記者団に「一定期間は貯蔵できるものでないと、(市町村の)仮置き場と変わらない」と述べ、放射性物質の封じ込め効果の高い施設を造る意向を明らかにした。
(毎日新聞8月27日)
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コメント
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いやはや。
以前から菅は20~30年は住めない。と言ってましたが、やはり事前協議も無く唐突に「放射性瓦礫の『中間処分場』を福島県内にお願いせざるをえない」と、今にも眠り込みそうなモゴモゴ声で通達。
また『最終処分場のビジョンは無い』とのこと。
そりゃ、福島県知事も多くの被災者は怒りますよ。
現実的に福島第一周辺を国有化して瓦礫や資材を深く埋めるしかないと、私も思ってましたが、順番すら考えない。
困ったら東電に押し付けて、前日に自画自賛の原発対応評価総括なんてものを出して失笑を浴びておいて、翌日にはこんなこと言い出したら…誰だって怒ります。
そして、数々の思いつき政策は、今NHKで討論している候補者にマル投げですから。
もう、誰が首相になっても菅よりはマシ。
菅直人は戦後最悪の総理大臣として歴史に名前を刻むことでしょう。
今日の写真もキレイです。秋ですなあ。
投稿: 山形 | 2011年8月28日 (日) 09時50分
http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/baisho/1304760.htm
愛知県では、私の家のすぐ近くの区役所で、福島県から避難してきた人向けの損害賠償手続きの説明会がありました。
具体的な記入例など、印刷物や様式も配られて、東電がやるべき説明を、ボランティアの弁護士さんが、説明してました。書類を出さないと賠償されないし、もう、半年経ってますから、思い出して、メモしたり、領収書など伝票を揃えないと請求できません。
この請求で、認められない部分は、別途、請求訴訟になるのか、よく解りませんが、避難先の自治体で、手助けしてくれる場合は、まず、助けてもらったら、どうでしょうか?
賠償請求、義捐金請求、など、手続きごとは、たくさんあるのでしょうけど、丁寧な応援をしてくれる自治体とそこまで、面倒みれない自治体とあるようですが。。。
まずは、第1回分の請求をしてもらうことでしょうか。
投稿: りぼん。 | 2011年8月28日 (日) 17時34分
半年も経ってから20年以上ですか・・・・
素人でも原発近接地は除染と時間をかけなければ、再度住む事は困難な事は分かる事です。
ましてや、測定も何もしない中でよくぞ今更言えたものです。
死期が迫った首相が何を意図して言ったのでしょうか?
「最後っ屁」とは言い得て妙ですが、次期首相に対する宿題を残す意図なのでしょうか?測りかねます。
濱田様が仰っている「測定と除染」が優先する事であって、その結果によって方向性を出すのが順番では無いでしょうか?
本日午後には新代表が決まるようですが、党員資格停止中の御大に縋った人物が就任したとすれば、この先どうなっちゃうの?
解散が無ければ後二年我慢なのかな~
投稿: 北海道 | 2011年8月29日 (月) 08時53分