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2011年8月30日 (火)

農水省の放射線量マップが発表されたが・・・

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首相が交代したそうです。野田さんは前任者2人と比べれば、いちおう人間の姿をしているのですが、いずれにせよ、国民の意思とはなんの関係もない政変でした。 

わずか400弱の人間だけで次期首相を決めている姿を、指をくわえてテレビ観戦するしかないというのは、なんとも言いようがない無力感があります。 

私自身は政治にとんと関心をなくしつつあります。女房殿など、新聞を見るのもいやだと家庭欄とマンガしか見ません。サッカーのひいきチームが勝った時だけスポーツ欄も読むようですが(笑)。困ったもんだ。 

さてくだらない政治ショーはさておき、政府は事故から半年たってようやく大雑把な放射性物質分布図を出してきました。(欄外記事参照) 

福島、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の各県で580箇所をサンプリングしたそうです。わが茨城県は、数えたら50弱というところですか。 

政府の総合学術会議が、文科省や自治体と協力して調査したそうです。 

技術的方法としては
●水田・・・約15㎝の深さで土壌を採取
●畑地・・・約30㎝
 

7日の私たちの測定会(*欄外参照)で専門家の先生にお聞きしようと思っているのですが、この計測方法でいいんでしょうかね。 

畑地地下30㎝なんかにセシウムはありません。素人のくせにと言われそうですが、断言します。 

セシウムはおおよそ地表下5~10㎝域に止まっています。飯館村の農水省の「実験」とやらでも、土検棒という長い棒を突っ込んで計っていましたから、今回もその方法だったのでしょう。おいおいです。

そんな深くに入れたら、セシウム滞留層を突っ切って希薄な層をあえて検査しているようなものです。

それとも、農水省は既にどの農家も深耕ロータリーをかけていることを前提に調査をしているのかしら。

よもや、深耕で希釈されるのを待って計ったということはないですよね。だとすれば大本営発表というやつです。 

だったら、4月の初めの田んぼ作業の開始期にそのような農業指導を徹底させたらよかったのです。

それを今さら稲刈り時期になって、ほぼすべての農家がロータリーがけした後にノコノコと調査して、「おおざっぱに測ってみました。汚染レベルに合わせて除染方法を指導します」ですか。馬鹿じゃなかろか(苦笑)。

官僚にとっては「やった」というアリバイ実績だけあればいいんでしょうが、農業者にとってなんの役にも立ちません、こんなもの。

汚染マップはほぼ、早川マップに沿った分布状況です。両図を比較してみてください。

福島県内では、避難地域に赤丸の2万5千bq超えが各所に点在しています。

●2万5千bq超え・・・・2万8千h(水田2千300h、畑樹地500h)
●1万~2万5千・・・・・3千(同2千200、同800)
●5千~1万bq・・・・2千500(同千800、同700)

除染が必要な農地の総計は8千300hだそうです。

農水省の今回の分布図を見ると、茨城県、千葉県などはおしなべて千bq以下だったようですが、ホントかよ、というのが私の実測した経験からの感想です。

私の実測でも既に2千~3千bqは何カ所から出ているし、千bq前後も珍しくありません。特に、未耕起の土地はおおよそ高い数値が出ると言えます。

今回の福島県の数値でも2万5千bq以上をひとくくりにしていますが、実態がわかりません。

また、関東各県にも相当数のホットスポットが存在することが、民間の計測で分かっています。

そもそもホットスポットという概念自体が、どこまでという区分けなく市民の間にあいまいに一人歩きしています。

ホットスポットという時に、農水省はよもや2万5千bq/㎏超えをして言うなどということはないと思いますが、どの水準から上をホットスポットしているのかを示してほしいものです。

私たちは民間の放射線専門家の意見に従って、以下のレベル認識をしています。
●土壌放射線量レベル区分
・レベル1・・・0~200bq/㎏未満
・レベル2・・・200~500未満

・レベル3・・・500~1000未満
・レベル4・・・1000以上

レベル2からレベル4までが除染が必ず必要な地域です。私の私見では、1000bq超えをした土地(レベル4)はホットスポットと呼んでかまわないと思います。

これも都市の消費者の中には200bqあってもホットスポットと呼ぶ人もいるでしょう。

この農業者の認識と、農水省・政府の認識、そして都市消費者の認識の大きなズレが問題なのです。

放射線量分布図は、農業者向けだけであってはならないはずです。今やこのような調査は、農業者より都市消費者が真っ先に見るのです。

そして「ここの農産物は危ないからやめよう」と考えます。これがあたりまえの市民の感覚となっています。

農水省は、いまこそ情報の開示が真っ正面から求められていることを知るべきです。土壌の汚染度、農産物の安全性などの諸情報をしっかり発信しないで、農業の信頼回復はありえません。

昨夜、ニュースで、福島県の被災地首長の新政権への希望を聞くことができました。全員揃って、「放射能情報のすみやかな開示と、除染」でした。まったくそのとおりです。

私たちは自分自身の手で、農業の信頼回復に努力します。政府も少しは仕事をしなさい。

■写真 いまカラスウリの花が満開です。花をベッドに心地よさそうです。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 

      日本農業新聞 8月30日 農水省放射性物質分布図(土壌線量です)
Photo
    群馬大早川由紀夫教授制作 放射性物質飛散マップ(*空間線量です)
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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/07/29/1306949_072914.pdf


いまさらですが、降下物の測定から、予想さてていたことですが、、、
土壌の測定値については、いくらでも、数値が変化するというのは、当たり前といえば、当たり前でしょう。セシウムを含まない土をどのくらい混ぜて希釈したかというお話ですから。

>棒状に採取。
棒状に採取したのを全部まぜて測定するというより、棒状に採取することで、深さとセシウム含有量の比較が可能なのではありませんか?つまり、深さ50cmまでの土壌を棒状に採取し、たとえば、1cm刻みで測定することで、深く耕して、15cmの深さまでの土のベクレル/Kgとは違うデータが取れると思います。

転載様。未だ、農業外の方は驚かれるかもしれませんが、深耕ロータリーをかける「以前」と「以後」のデータはありません。

私がよく言う深耕後「10分の1」というのも経験数値で、厳密な実証データではありません。

おっしゃられる「あたりまえ」は経験則の世界で、必ずそうなるということなのかどうなのかはわかっていません。

というのは、その土地の土質が大きく関わってくるからです。粘土質なら大きく下がるでしょう。しかし、砂質土壌だと、私はデータを知りません。

土検棒ですが、各層の土が採取可能です。おそらくは、それを一回撹拌して、乾燥させて、異物を取り除いてから計測にかけるはずです。(*茨大土壌学の先生からの聞き取りによる)

私としてはやるのなら、セシウムの未耕耘の土地と、耕耘後の土地の比較データと、層刻みのデータが欲しいのです。また土質によるデータも欲しいところです。

一回撹拌してしまうと、その土地の現況は掴めますが、なにぶん深耕した後の数値なわけで、それは深耕ロータリーという除染の第一歩の作業後なわけです。

それならば、その前に計って公表しろ、それがフェアな数字だろう、というのが私の意見です。

農地土壌濃度分布図の作成の詳細がありました。
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/110830.htm

これによると・・・
放射性物質濃度の測定に用いる農地土壌の試料は、調査地点ごとに一つのほ場から採取しました。具体的には、ほ場での平均的な値を得るため、ほ場に対角線を引きその交点1点、対角線の交点と各頂点との中点4点の計5箇所から、放射性物質が耕起によってかくはんされる深さや農作物が根を張る深さを考慮して、ほ場が水田の場合は地表面から約15cm、畑の場合は最大約30cm の土壌を採取しました。
採取した5点の土壌試料は、一つのビニール袋に入れてよく混合しました。
・・・ということです。

やはり、耕される、もしくはすでに耕されていることを前提にしています。数値を低く押えたい陰謀かもしれませんが、私たち農家は、田畑は耕して使うものと前向きに捉えるべきかもしれません。
上のリンク先には、各県別の農地土壌濃度分布図などが添付資料として示されています。
茨城県http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110830-21.pdf

これらの図を見ると、調査地点が粗すぎますね。しかも、濱田様が知りたい1000bq/kg以下は一括りです。
一応、【別添4】農地土壌中の放射性セシウムの分析値
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110830-24.pdf
で細かい数値は公表していますが・・・。

何処にあるのか探しました。農林水産技術会議に置いてありましたか。南の島さん、ありがとうございます。本省のHPに置いておけばいいのに。

図を見る限り、汚染されていない場所はないようですね。正直ガックリです。

耕うんする前の土壌ですが、田んぼは畦で畦塗りしていない所、農道脇もしくは進入路。畑は果樹畑等。耕していない所はあると思いますが。それで周辺土壌のおおよその目安はつくのかなと。

地元自治体に測定器が入りましたので、近々自給用畑の隅(未耕うん)、筍畑(竹林)、柿の木の根元、以上の土壌を表面から5cm程度で900cc検体を取り、測定してみます。ちなみに検出限界はCs134、137各々30bqです。

http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1940/2011/08/1940_0830_2.pdf
平成23年8月30日
文部科学省及び茨城県による 航空機モニタリングの測定結果について

なんか、どさくさの中で、茨城のヘリからの測定結果が公開されていました。

茨城も大変ですが、つづく、千葉北部と東京23区東部の汚染も心配です。


今日は色々発表されています。

「平成22年度高病原性鳥インフルエンザの発生に係る疫学調査の中間取りまとめ」の公表について
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/110830.html

本文(100ページあります)http://t.co/lay0xUH
概要http://t.co/FcMqoZK

採取土壌ですが、深さ15cm分とあるので0−15cmの深さの土を全てというふうに読み取れるのでより正確だと思います。畑の場合ならやはり地表も含めて深さ30cmまでの土を全部測定というふうに見えませんか。
測定単位の問題としてはkgあたりではなくて農地m2あたりに換算した数値で比較されるべきかと思いますが、同条件で測定された農地の比較そのものは有効だと思うので参考にはなりますよね。
深さを変えて1cm2あたりの土1kgと表層だけ10cm2あたりの土1kgでは例えばセシウム降下直後なら重量あたりではどう考えても後者が10倍の値になります。
もし表面近くのみの土しか測定しない場合、測定しない深さの土にセシウムがしみこんでいたとしてもそれは完全に無視されることになってしまいます。
詳しくは知らないのですが作物への移行係数の計算式も根域の深さが関わってくるはずなのでそれに応じた深さの土を計測していれば問題ないはずです。

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