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2011年9月 5日 (月)

ドイツTDZの歪曲報道とYouTube削除問題について  

010_2

放射能という見えない敵と闘っている人間を背後から殴りつける者がいます。 

懸命に生きようとしている人々を傷つけて笑う者がいます。匿名性の背後に隠れて、デマを流布して、悦に入る者がいます。 

あたかも東日本の農業のみならず、その全域が滅びることを願望しているような言辞を平然と吐く者がいます。 

東日本全域を切り捨てろとまで口走る者がいます。 

あいにくですが、私たち東日本の人間は滅びるつもりも、逃避する気もありません。

また、ヒステリックになることもできません。ヒステリックになったら現実が見えなくなるからです。眼を閉ざして闘うことは不可能ですから。

放射能に対しては動かぬ事実を踏まえ、解決ではなくより良き対処を、逃避ではなく新しい現実に対して適応する知恵を出し合って生きていきます。 

安全圏でせせら笑う人たちに対して、どちらが人間としてまっとうな生き方なのかをこの数年以内に見せてあげましょう。 

さて、TDZ(第2ドイツテレビ)問題は看視できない問題となりました。 

それは、日本産の農産物が海外で売れる売れないといった低次元な話ではなく、明らかな意図的歪曲によって制作された番組が、「海外メディアの権威ある報道」として国内で流布されているからです。 

このTDZの番組は、このようなことをセンセーショナルに叫んでいます。 

「80km離れた水田で5万3千ベクレル/kgの土壌汚染」
「自宅庭の空間線量90マイクロシーベルト/h」
「人間の想像力を超える惨事」
「人類史上最悪の惨事」
 

このTDZの番組にも登場する「市民放射能測定所」は、福島市内で活動する自主的な測定組織です。私とも共に放射能と闘う被曝地域の民間ネットとしてコンタクトがあります。 

この市民放射能測定所はTDZの取材を受け、それに対して抗議メールを送りました。
以下、その抗議内容です。
 

(以下引用) 

➊ユーチューブの配信動画を2度見ました。 

➋動画中7000Bqと出てきますが、これは既に出荷停止措置のとられている地域のシイタケのもので、動画の中では、出荷停止措置がとられていることを何もふれていない。 

➌市民放射能測定所のこれまでの分析で1000Bqを超えているのは、このシイタケとタケノコだけ。100を超えているのはブルーベリーなどごく一部。

➍ほとんどの野菜は、20~100Bqの範囲。検出限界以下(ND)の20Bq以下も少なからずありました。 

(なお、取材時に持ち込まれた ネギとジャガイモの測定結果も、市民放射能測定所
のホームページでちゃんと公表されております。産地「本宮市」がそれです。)

http://www.crms-jpn.com/mrdatafoodloc/pref_7.html 

➎以上のようなことを動画の中では何も言わず、高いものだけを強調している。 

❻自分が映っている時に流れたテロップは自分が話したことではない。 

❼(このように事実と違うのであれば)対応せざるを得ない。 

❽こんなだったら、すべてマスコミは立ち入り禁止!害ばっかり。
(引用終了)

これは被取材者の1次証言であることから、極めて高い信憑性をもっています。同じ内容でも、間接に聞いた、ネットで見たという次元ではなく、まさにTDZの取材者と顔をつきあわせた人でしかできない証言だからです。 

この「市民放射能測定所」の証言を読めば、TDZの取材方法が分かります。ここで取材者であるTDZは、マスメディアが絶対にしてはいけない取材方法をとっています。

➊当初より「人間の想像を超えた惨事」という予見を持って取材しました。

制作意図はどの報道にもあって当然ですが、制作中に意図と違った事実が出た場合、適時修正をかけねばなりません。

それをしないと、現実の事実のほうを逆に予見に合わせてしまうという倒錯が起きるからです。

➋取材において、TDZはその予見に合うものだけを恣意的に選んで取材しました。

たとえば、同じ地域で作られた農産物のうち、あえてもっとも放射性物質が蓄積しやすい地衣類のシイタケのみを選んで報道しました。

そしてそれが出荷停止になっている事実をコメントからあえてはずしました。もし「被爆地福島」を客観報道したいのならば、シイタケとブルーベリー以外の農産物は「検出限界以下」だったことを平等に報じなければなりません。

報道とは事実の積み重ねによる「思想」表現です。「思想」を言いたいがために事実を歪曲してしまっては本末転倒です。事実を無視してやるなら「小説」です。

➌制作意図に合わない被取材者の発言、あるいは事実については言ってもいないテロップを被せるなどといった歪曲的編集を行いました。

これはもはや報道の域を超えた「やらせ」です。このような方法があたりまえとなると、被取材者がなにを言おうと、まったく無関係なテロップを被せてしまえばいいことになります。

TDZの取材を受けた市民放射能測定所の代表は、もう二度とマスコミ取材は受けたくないとまでマスコミ不信を持ってしまっています。

➍その上で、「人類史上最悪の惨事」などというセンセーショナルな言葉を使って、いたずらに危機のみを煽りました。

TDZのこの番組は、もはや歪曲報道というより、プロパガンダそのものと評していいでしょう。自分の「思想」を言うためには、取材させてもらった人たちや、事実関係を歪曲しても良いとなるともはや報道の名に値しません。

このTDZの「思想」はおそらくは「脱原発」でしょうが、ならば、どうして放射能の下で闘っている人たちをこれだけないがしろにできたのでしょうか。どうしてあそこまであの人たちの気持ちを無視して、それに泥を塗れたのか不思議ですらあります。

それを思うと、TDZの取材者の「脱原発」思想内容の薄さが分かります。

これと同じ感想は、TDZを持ち回っている国内の人たちにも言えます。放射能と闘っている人を刺して何が楽しいのですか?

私がTDZに対して、「さすがはゲッペルスを生んだ国の局が作りそうなしろものだ」と言ったら、彼らはどう思うでしょう。

たぶん怒って反撃するか、訴訟を起こすかもしれません。しかし、このドイツ人たちはそれと同じことを私たち「被爆地」の人間に行ったのです。

同じく神奈川県在住のペンネーム「なぎら」様から、このTDZのYouTube上からの削除について情報提供を頂きました。ありがとうございます。以下、全文引用いたします。

(引用開始)  

福島中央テレビさんの受難
http://togetter.com/li/180342

福島中央テレビは3年ほど前から違法にWEB上にアップロードされた動画は見つけ次
第、削除申請をしており、ZDFの番組内容はまったく関係ありません。
また、ZDF番組内で使用されている福島第一原発3号機の爆発シーンは、何者かが音
を加え(アテレコ改竄)、それをZDFがどこからか入手したものです。
 

匿名氏はコメントで、
「FCTが著作権を保有している「爆発映像」を削除したものです」
と述べていますが、それはそれで加工(改竄)、ZDFに対する著作権侵害にあたるのではないでしょうか。要は、自らの“正義”のためなら法など知ったことではない、ということですね。
 

くだんの「爆発映像」は下記で誰でも、何度でも再生できます。

福島第一原発3号機で水素爆発 < 2011年3月14日 11:18 > by 日テレNEWS24

http://www.news24.jp/articles/2011/03/14/06178236.html

誰も隠蔽などしておりません。観たければ観ればいいのです。
海外に紹介したいのであればしかるべきメディアのサイトに、記事について英文などで投稿すればよろしい。

それから「爆発映像」以外でも、取材を受けた福島市内の市民放射能測定所の方が「事
実と違う」としてZDFに抗議しています。

がんばります福島県農業!二本松農園ブログ
第2ドイツテレビ(ZDF)の放送内容について~取材の実際について~

http://nihonmatufarm.blog65.fc2.com/blog-entry-306.html

とんでもない作為です。
さらに経緯を検証、まとめられた方がおられますので紹介いたします。

ドイツZDF作成のFrontal21 「福島原発事故、その後(日本語字幕)」動画の、元番組
の動画、フルテキスト、関連リンクなど

http://memo-no-memo.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/zdffrontal21-8e.html

匿名氏は、東日本の農産物が売れなくなれば自分が真っ先に飢えるかもしれない、とは
考えないのでしょうか。
西日本の農産物や輸入品で、日本の全人口を養えるとでも?
このような有様では、そのうちに教育費を「仕分け」されそうで心配です。

ともあれ、どんなにセンセーショナルなフラッシュが出回ったとしても、真偽を確かめて農家の方々の話に耳を傾ける人はいます。
ささやかながら、わたしもお力添えしたいと思っております。

(引用終了)

■写真 朝焼けの里山。この色はなんとなく今日の私の心情です。

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コメント

YouTubeでその手の動画を沢山見てる人なら、英スカイニュースで日テレカメラにアテレコ(ゴゴーン!と)入れた爆発映像(明らかに距離と音のタイミングがおかしい)に、アンカーの女性がしばしポカーンってやつくらい知ってそうだが…。
当該部分の出所はあれでしょう。
悪質な世論誘導です。
各国の思惑が垣間見えます。

キノコ類は以前から放射性物質蓄積のバロメーターだということくらい、チェルノブイリで分かってますから、もちろん今後も重点継続的にモニターすべきと考えますが。

ただキノコ大好きのドイツ国民が、チェルノブイリ直後にパニックになったことを覚えていない世代がずいぶん増えたもんですな。
あのドイツの番組は、当時のキノコパニックを利用した偏向世論誘導と判断します。

それを得意気にネット上で匿名で拡散するような輩こそ、犯罪者・テロリストです。

http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110830-06.pdf

http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/110830.htm

茨城県については、作付け制限にあたる5000ベクレル/kg以上汚染された土壌は、少ないと思われますので、東京方面の方には、正しい汚染事実を持って、判断してほしいですね。

野生の山菜、きのこ類については、廃棄するつもりで、採取していただけば、除染効果が、多少なりとも、あるのではないかと思えます。

お茶、きのこ類、山菜類以外の農地で、耕作する農産物については、今まで同様、測定して出荷すれば、大きな問題になる被曝量には、ならないように思えます。

当面、自生きのこの出荷は、止めてもらい、今、1番流通している工場内栽培きのこを出荷してもらえばよいと思います。ただし、培地は、もちろん、無害なものを導入してほしいのですが。。

都会では、工場内栽培きのこ、外部でほだ木で栽培したきのこ、山中に自生していたきのこの差が、表示がないので、わかりません。こまったことです。

いつも冷静で貴重な情報ありがとうございます(^^)

ドイツテレビ、ひどいですね!私も動画を見て、なんか違くないか~?と思いました。

あと、バズビーさんって形容詞すごいですね。京都大学の小出先生も同じようにすごい形容詞使って煽ってる感じします。「とんでもない、人類史上最悪、破滅に向かってる、、。」形容詞を聞いただけでゾッとします。でも、とんでもないとか、破滅にとか、人によって感性に差があるし、そうならなくても言い訳できる言い方だな~と。ドイツの映像の解説もそんな曖昧な表現多かったと思いました。

りぼんさま
スーパーで流通しているきのこは大部分が菌床栽培(培地を袋状につめたものに菌をいれて施設内で栽培)だと思います。(ほだ木に菌をうって栽培する原木栽培のしいたけと、かさの厚さや風味が全然違います。またスーパーの販売単価では、企業的に栽培が出来て揃いが良い菌床栽培でないとあわないのでは。)
原木栽培でも私の知っているしいたけ農家の方は、ビニールハウスに黒の布状の資材をかぶせた場所で栽培しています。
自生きのこはその地域の農産物直売所などに行かないとまず手に入らないと思います。

私は今日キノコ談義をしたわけではないんですが(涙)。

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