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2011年9月11日 (日)

被災地の半年  ただちに全力で国は復興支援をしろ!

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震災からちょうど半年が立ちました。 

折も折、鉢呂吉雄経済産業相、いや前大臣というべきでしょうか、いずれにせよ、くだらないことを言いにだけ出てきたようなこの人間失格男の発言が飛び出しました。

私はその発言そのものより、そういうことを平気で口走らせるような国の姿勢にたまらない不信感を感じます。

今、被災地で求められているものは何か、ひとことで言えば「国の復興支援」です。

「政治家というものはこの程度だ」、「国に期待しても仕方がない」という政治的ニヒリズムに私は立ちません。というか、被災地に住むひとりとして立てないからです。

私の地域の政治経済の中心地であった鉾田市は今年、関東でも指折り子の夏祭をすることができませんでした。子供たちが楽しみにしていたこの地域でいちばん大きな花火大会も中止となりました。

なぜでしょうか。

夏祭を支えていた各区の中小企業や商店がことごとく大震災で大打撃を食って、倒産と廃業が続出しているからです。

商店街など、まさに軒並みという感じで潰れてしまいました。今までも地域経済の疲弊でよれていたものが、一気にこの震災による店舗の倒壊、器材の破損などで経営がなりたたなくなりました。

立て直すには少なくとも数千万円単位の資金が必要です。しかし、それがどこからも出ないのです。

今までも苦しい経営回転をしていた商店、中小企業には、これまでの借金を返しながら、さらにその上に倍するような借金を重ねることは不可能です。継ぐ子もいないようだし、ここらがが見切り時かと考えてしまったのでしょう。

市の郊外に拡がる農村地帯も、こ承知のような3月4月の「風評被害」(実害かどうかは置きます)による壊滅状態を建て直せないまま、その次の宮城牛のセシウム騒ぎ、米の検出などの打ち続く打撃で、目も当てられない状況になってしまいました。

おそらく年内には離農者が続出するでしょう。自殺が出ないのが不思議なくらいです。

そして更に海側に行った漁村はどうかと言えば、ある意味こちらのほうが農業より深刻かもしれません。

茨城も襲った津波は5メートルでしたが、漁港が文字どおりすべて壊滅状態になりました。

漁船と埠頭の破損だけではありません漁具が流されました。漁具は船と同じくらいの値打ちがあるのです。第一、これがなくては漁にも出られません。

なんとか埠頭の一部を修理し、船や漁具を修理して、何隻かあった漁協の船を共同運行するなどしても、今度は揚げた魚を加工する港に隣接する小規模な加工場が、大震災でことごとく潰れてしまいました。

漁業というのは、サプライ・チェーンの背景があって成り立っています。

魚を獲る⇒魚を競りにかける⇒冷凍する⇒運送する⇒魚を加工してすり身などにする⇒かまぼなどの最終製品にする⇒アラを魚粉にする、こういった一連の流れはすべて中小零細企業がおこなっています。

それが大打撃を受けて、潰れる加工場が続出しました。この流れのどこか一カ所が断ち切られただけで、サプライ・チェーンは機能不全となってしまいます。

魚を上げても加工できなくなれば、漁にでても仕方がないことになります。その上に汚染水の放出による被害です。

おそらくわが茨城県は、汚染水の影響を最大に食った県なはずです。

今回の汚染水事件の直後、天皇陛下が北茨城に行幸されて、昼食にコウナゴが出されなかったのを見て、陛下は「コウナゴはないのですか」とご質問されたそうです。

陛下は身をもってわが県を守って下さったのです。それを聞いて漁民だけではなく、県民すべてが泣きました。私も泣きました。

大震災と原発事故においてわが国には、まともに「政府」と呼べるようなものは存在しませんでしたが、天皇陛下がいらしたのです。でなければ、暴動のひとつも起きたでしょう。

それはさておき、ここまで広大な地域全体のありとあらゆる部門が潰れかかった状況において、地元行政の力などたかが知れています。ほとんど無力です。

政令指定都市規模ならまた違うかもしれませんが、数万人規模の市では自力復興などまったく不可能です。

県もまた無力です。基本的なインフラ復興だけでも巨額な財政がかかる上に、面として壊滅状態に陥った地域が続出していては、なす術もないでしょう。

国が復興支援するしかないのです。この震災-原発事故はとうに地元行政の力量をはるかに超えてしまっています。欄外の写真をご覧ください。

沿岸部では、3月12日撮影した写真よりいっそう灯が消えているのが分かります。そうです。広大な東北から北関東にかけての海岸地域が壊滅の危機にあるのです。

おそらく東北は、わが県に倍した苦悩の中にいるでしょう。

国の支援が早急に必要です。今、国が全面的な復興計画を策定し、とりかからねば、おそらくはこの灯は二度と戻って来ないでしょう。

そのような切所に今、被災地は立っています。

■写真 08年の鉾田祭。都市にいった若者が皆戻ってきます。今年はこの若者たちが、自力で復興祭を開きました。すべて自弁。すべて若者だけでがんばり抜きました。
彼らの力が残っていれば、まだ希望は残されているのかもしれません。

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■ 衛星からの夜間撮影したインフラと都市の復興状況(産経新聞9月11日)

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コメント

もう半年経ってしまいましたね。

三陸方面でも港と製氷の回復を最優先させて、少しずつ水揚げの再開に漕ぎ着けてますが、サプライチェーンの復活の道程はまだまだ長く困難です。

昨夜のNHKスペシャルでもやっておりましたが、市町村が復興計画や高台移転計画を立ててもとにかく国の反応が遅い。
とにかく国家がドカンと予算措置して強引にでも進めないとどうにもなりません。
もちろん、地元住民の意見集約や権利といった困難な問題はありますが。

また、漁場どうこうではなく、水揚げが小名浜というだけで鰹がキロ百円とか、ありゃ酷い風評(イメージ)被害でしょう。


夜の衛星写真、興味深いですね。宮城・岩手はメインストリームの仙台~盛岡は回復してますが、沿岸部や福島市・郡山市などはむしろ暗くなってしまってる。

3月12日のは東北全域停電から回復した直後ですね。私も余震続きで不安な中、また寒く暗い夜を迎えたところで午後7時頃に電気がついてホッとしました。まるで昨日のことのように感じます。


それにしても茨城県。東北3県ばかり強調されて、相変わらずマスコミは置いてけぼりなのはなんなんでしょうね…。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO100.html

結局、都市計画法で、人口の少ない市町村は、特に、機関委任事務の範囲と権限がないので、国土交通省が、全体プランを了承しない限り、1歩も手が出せない状況です。

塩害にあった地域、地盤沈下した地域など、居住危険地域と指定するのか、土砂を入れて、海抜を上げれば、今までどおり、市街化地域にしてくれるのか、何の指示もないまま、半年過ぎてしまいました。

財政的にも、地方交付税交付金の割り増しとか、復興税による資金投入とか、具体的財政支援を、政治家のリップサービスでなく、実行しない限り、交付税をもらえないような事態で、市町村レベルで、復興はできないでしょうね。

政府は、2分の1補助を目安に、自治体は4分の1補助をベースに、スキームは、作ったらしいですが、こども手当て同様に、本当に財源がくるのか、非常に不透明です。

もともと、全部高台に居住する案も、その山林の開発許可が、出ない状況では、手が付けられません。

砂防法、保安林伐採許可など、国の基準は、平時の宅地開発の乱立を防ぐための、法律で、これだけ広大な復旧、復興をしていくのは、無理なので、緊急時の都市計画法の見直しをしない限り、無理でしょう。高台に水を供給する水利権とか、農地を触れば、農地法の問題とか、すべて、平時を標準にした法令で、処理しようとしていることに、相当の無理がありますよね。

減災目的で、国道など、道路をかさ上げすることすら、国は、認めないのですから。。

復興庁の現地事務所を各県において、復興に矛盾する現行法令を、緊急時として、時限立法的に、適用しないと言うような、閣議決定をして、平時の法令に、頼らない計画を、早急に認めるべきと思います。

お互い省益を考えて、自分の担当部署で、予算要求しないで、どこかの省の予算で、復興してくれ。と言う、細かい話に終始しています。何省の予算であれ、結局国民の税金で、行うので、復旧、復興に省益を入れないでほしいのですが、民主党の各大臣は、キャリヤから、省益をまず守る発言をしてほしいと言われているのか、まったく現状を認識してない様子です。小宮山厚生大臣など、今に至っても、復興より子供手当が大事だと言い張る状態ですので、
今後も、失言で、辞職する大臣は、出てくると思えます。

実に、国益が理解できない大臣のオンパレードですので、残念です。

はじめまして

野中昌法教授からのメール文掲載記事、リンクさせていただきました。
先日新潟市内で先生の講演をお聞きし、勉強して来ました。

hamadaさんのプログは今後も注目して行きたいと思います。宜しくお願い致します。

山形様のコメントでもあります震災の特集番組を私も昨夜みておりまして胸の詰まる思いでした。


本当に国は政府は、国民(住民)を守る意志があったのか?
疑問符の付くものでした。


大丈夫だ大丈夫だが一転、避難指示命令のでた飯舘村の様子。あの原子力保安員 の各地区の首長さんたちに質問され答えた適当な答え。


ああ言ったことがあちらこちらの町であったんでしょうね。


不信を抱くのは当然です。


先のお題でもありました武田教授は初めからブレずに危険と訴えておられましたよね。『東北の農産物を食べるな』発言は、農家を非難、バッシングするものではなく、一般国民なかでも子どもに対して、子どもを持つ親に対しての発言で、農家には、休業してもらって所得保障、除せん作業を!と言われているのであって敵に回してわして 武田非難をしないで、歯がゆさばかりの国を動かす手助けになってもらって活用なさる方が良いかと思いますよ。


doll24様お久しぶりです。あなた様のブログも楽しみに読ませて頂いておりましたが見失って何ヶ月にもなります。


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