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2011年9月12日 (月)

DASH村再訪  浪江町の現状の線量測定と帰る夢

012
昨日のテレビでDASH村の今をやっていました。

この番組はかつて私の愛好番組でした。なにからなにまで、昔の農家の知恵で作ってみる、建ててみるというのが、30年前の入植した時の私たち夫婦の姿に重なって共感をもって観ていたものでした。

最近はあまり観なかったのは、この彼らが作っているDASH村が福島県浪江町にあり、避難地域に入ってしまったからです。

直線距離で原発から約20数キロのようです。ここは浪江町の西の方にありますが、問題はおそらく3月12日の第1回水素爆発の時の飛散をもろにかぶった地域なことです。

おそらくは距離から言っても、もっとも線量が高い地域となるでしょう。この地域の人々のことを思うと、なんとも言葉にできないような胸が潰れるような気分です。

さて、このDASH村に山口タツヤさんが戻りました。もちろんわずか2時間という制限された時間でしたが、今の浪江町の現状がかいま見れました。

この再訪は、JAXAの火星での「宇宙農業」(!)を研究している研究員と三重大学の放射線防護の専門家が同行したものでした。

私もJAXAのひまわりプロジェクトはよく知っていたのですが、それがなんのためかはわからなかったのですが、火星で「宇宙農業」するっていう途方もない研究の一環だったのですね!

考えてみれば、火星で自給するとなっていちばんの問題は火星の大地がとてつもない高線量だということでしょう。

火星の大地はオゾン層や大気圏がないので、モロに宇宙空間の放射線のウルトラハイビームを浴びているわけですから、土壌浄化から始めないと「農業」どころか、住めないということになります。

で、その浄化のためにひまわりですか。なるほど。話が繋がりました。どうしてJAXAがヒマワリの除染研究しているのかわからなかったんです。

浪江町にあるDASH村は、山口君が「ああこんなに荒れちゃって・・・!」と叫んだくらい、草ぼうぼうでした。

よく手入れされていた畑にはヨモギが樹になりかかっていました。ヨモギやアカザは成長すると堅い灌木になり、杖ができます。実際私も作ったことがあります。

アイガモが泳いでいた田んぼは干からびてカラカラになっていました。井戸の蓋の内側にはニホンミツバチが分ポウして新しい巣を作っていました。

おいしそうな蜜がたっぷり。線量が許せば食べたいくらい。ハウスから這い出したカボチャは、見事イノシシの餌になっていました。

登り窯は無事でした。茨城の益子や笠間ではいくつもの貴重な登り釜が壊れていたので心配していたのですが、まずはよかったですね。

専門家が線量を計測していきます。ざっとこんなかんじでした。

・DASH村の屋外・・・・10~11マイクロシーベルト/時
・田んぼ・・・・・・・・・・・・12~14
・牧草地・・・・・・・・・・・・15
・室内・・・・・・・・・・・・・・5

浪江町では16マイクロシーベルト/時のホットスポットもあるので心配していたのですが、DASH村にはそのような高い線量を示す場所はなかったようです。よかった。

実は盆地で周囲が小高い山林なのでちょっと心配していたのです。あのような地形は空気に乗った放射性物質が、周囲から雨と共に流れ込んで溜まりやすいのです。

ただ、ひとつだけやはりそうかということがありました。

枯れ葉です。枯れ葉の吹き溜まりからは実に外気の3倍の30マイクロシーベルト/時が測定されました。

枯れ葉は、山の斜面から吹き寄せられる時に、周囲の放射性物質を雪だるま的にくっつけてしまうもののようです。

ですから、ある意味危険とも言える反面、枯れ葉は天然の除染係ともいえるのです。うまくこの枯れ葉を利用できれば、あんがい面白い里山の除染方法が見つかるかもしれません。

番組では、「一重咲黄色」と「「太陽」という二種類のヒマワリを使って除染実験をしていました。

後日1か月後にもう一回行くのですが、ひまわりは田んぼには不向きなようで生育不良。これは播種時期が遅かったためもあります。

また、田んぼのような水はけの悪い保水性がいい場所には向いていないのかもしれません。

一方乾燥した畑に植えた太陽のほうはグングン伸びていました。やや不気味なくらい花がデカイ。よく吸ってくれそうです。反面、処分が大変だろうな、きっと。

これを根とその周辺の土、茎、葉、花弁に分けて採取しました。JAXAで分析中のようですが、結果が楽しみです。

番組の最後に紹介される浪江町から避難している農民の声が私の心に残りました。

「ああ、早く戻って百姓やりてぇ」

この農民の声が天に届きますように。

■写真 残暑が厳しいですが、アカマンマの季節です。来週くらいは秋になるのかしら。

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コメント

以前、青空様がおっしゃってましたが、DASH村を農村の復興の象徴に!
高線量地域で、これは厳しく長い道のりですが、これまで長くやってきた企画で、本人たちも番組も諦めていない。ぜひ起爆剤になってほしいです。

青空です。

拝金主義だとかやらせだとか色々言われる番組ですが、私は唯一長年見ていた番組です。

軽い乗りで始まった企画でしたし、長続きしないのではと最初思っていましたが、自然と格闘しその果実を得ていく姿は大変楽しかった。
徐々に様々な挑戦や新作物の試み等を行うその試行錯誤の仮定こそ楽しく、失敗もまた楽しかった。

よりにもより最も放射線汚染度合いの高いところに立地し、その地形からも恐らく高濃度で汚染された場所となるであろうことは当初から想像に難くありませんでした。

昨日の番組は私も見ました。
家族ともども日曜日の夕食後の楽しみだっただけに子供たちも困惑気味の顔です。
「お兄ちゃん達はどうして白い服を着ているの?」
「どうして草ぼうぼうになっちゃったの?」
「どうしてひまわりを植えるの?」
「どうしてパパとママは泣いているの?」
見ている間に質問攻めに合いましたが、家内も私もいつの間にかに悲しくなり泣いていたようです。
自然の恵みを拒絶されるこの喪失感は多くの人が味わっていると感じます。

番組の撮影上あれだけの高線量の場所で継続は困難だと感じましたが、あの番組から農業の尊さを感じほほえましく見ていた家族は多いと思います。

できることは限られるでしょうが、なんとか除染をしながら科学的に状況を分析しより効率的な方策を模索する番組になってくれればと祈ります。

実現可能性は限りなく低いでしょうが、一ファンとして心から願います。

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