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2011年9月 8日 (木)

災害ユートピアの終焉。しかし私たちはこの空気に染まらない

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この人たちは、真剣にこの原子力災害を解決する気持ちがあるんだろうか。

YouTubeで「たかじんのそこまでいって委員会」の武田邦彦氏の番組を見ながらなんとも憂鬱な気分になりました。

そこにあるのはクスクス笑いと、どこか他人の不幸を楽しげにおもちゃにしてもて遊んでいる人たちがいました。

そして、武田氏がもっと過激なことを言うように誘導する司会。その中でその要求に応えていっそう問題を単純化し、先鋭にしていくだけの武田氏。

このような空気は、おそらくは「敵」を求めるでしょう。もしくは「生贄」です。

その対象に上がったのが、「東日本」であり、「農業」という射的遊びの的だったのです。

おそらくは、この原子力災害の中で、懸命に自分の生きる土地を浄化しようと闘っている多くの人たちも、その変わらない自然の姿も、その人たちの念頭をよぎらないのだと思います。

そう、飽きているのです、この人たちは。疲れてきたのです、「応援」することに。

私たち被災地であり、被爆地の人間には飽きることなどできませんが、遠く離れた人々にはその権利はあります。

「がんばれ、ニッポン」とか「絆」とかいうエールの声が、そこから果てしもなく続く日常の中でいつしか重苦しさに変わり、「うざったい」と思うようになったのです。

ただそう思ったとしても、それを露骨に口に出していいほど日本社会は甘くありませんから、代替としての「敵」を求めるのです、同胞と国民内部に向けて。

そして、放射能汚染を拡げて自分たちの生活を脅かそう画策している「敵」を探したのです。

東日本の農業者に対してはこんな言葉が投げつけられました。すべて事実です。

そこにあるのは、まるでこの人たちの「安全・安心」の生活を侵略するモンスターのような農民像です。

「農民は金のために毒だとわかっていながら汚染野菜を売っている」
「農民は汚染を知りながら平気で汚染牛肉を売ったテロリストだ」
「農民はあんな汚染地帯で農業なんかやめればいいのに」

「農民は今の緩い暫定規制値をもっと緩くするつもりだ」
「農家は除染もしないで平気でいる」
「農民はいままでだってさんざん国から補助金をもらってきて、今度は賠償金で焼け太りだ」

あるいは、福島県などの東北地方に対してはこうです。すべて現実に言われた言葉です。

「避難地域は汚染物質の捨て場とするしかない」
「20年、いや30年は帰れない」
「建物が除染の妨げだから更地にしろ。チェルノブイリではそうやった」
「あれだけ線量が高ければいくら除染してもむだだ」
「灰ひとつだって東北からこちらに運んで来てほしくない」
「フクシマはヒロシマと同じだ」

そして口を揃えて言う言葉は、「東日本はおしまいだ」 、「東日本のものは食べない」。

・・・書きながら吐き気がしてきました。

その不満と不安に形を与えたのが、たまたま武田邦彦氏だっただけです。彼がいなければ、別な人がやったでしょう。

このような「空気」が私が言う「放射能の壁」を作り出してしまいました。茨城県と一部千葉県を含み、東葛地域を境にしてそびえ立つ「壁」です。

日本を東と西に分ける境界線です。

この「壁」の内側に住む人間と、外側に住む人間の隠微な対立が生まれようとしています。

私はそれを哀しみます。そしてその「壁」を時間をかけて溶かしてゆかねばならないと思います。

それはこの「空気」に私たちが負けないことです。同じ空気に染まらないこと。憎しみに憎しみで返さないことです。

私たちが今をどうやって生きているのかを知らせ、どのように健康な土を取り戻そうとしているのかの努力を伝えていくことです。

仮に嘲りの言葉しか返ってこないとしてもそれを続けることです。

情けないくらい平凡なことですが、そこから進むしかないと思います。

■写真 今日の朝焼けは美しかった。

Photo

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コメント

拍手喝采。

挙げられた発言の数々、私も方々で目にしています。
日本国民はかくも卑怯者になり果てたかと悲しくなりました。

はじめまして。
福島や東北で一生懸命安全な食べ物を作ろうと努力してくださっている農家の方々に感謝しています。
こちらに書かれているような発言をいくつも目にしましたが、これらが国民の大多数の意見だとは思いません。
健康な土を取り戻そうと頑張っている農家の姿や声がもっと見えれば、空気は変わっていくはずです。
これからも発信をよろしくお願いします。
いつもこちらのブログを楽しみにしています。

熱しやすく冷めやすい日本人特有のせいかも知れません。
事が起きたら全国民が関心を持ち、同情・支援に一斉に動き出しますが、時間と共に薄らぎ、やがて敵視する・・・・いつもの事ですが、今回の様な放射線被害は長期戦を覚悟し、息の長い支援や応援が必要ではないでしょうか?

義援金の配分も、日赤や共同募金会に集まった大部分が、まだ届かない状況だと推察しています。

個々人の立場や環境によって支援の仕方や内容は夫々ですが、一人一人可能な範囲での支援が望まれます。

当然支援する立場の人たちが元気で無ければ支援活動も出来ませんし、その子供たちも健康でなければ次世代での支援も出来ません。

輸入・国産問わず、どこで生産された農畜産物であっても、買う買わない、食べる食べないは消費者の自由な選択です。大丈夫だと思えば食べれば良いし、食べさせる事も可能です。それを人に押し付ける事は出来ません。自由な選択が可能となるよう、測定値や放射線の影響等の情報提供が最も必要だと思います。
その情報がきちんと提供されていない事が、曲解される大きな要因であると考えています。
濱田様が今やろうとしている事を正しく理解する事が、大きな運動に繋がり、結果として消費者も安心して関東・東北産の農畜産物を口にできる様になるのではないでしょうか?

はじめまして。
僕は料理人ですが、管理人さんの作る野菜は美味しいんやないかな、と勘ですが思います。
これだけ色んなことを考えて下さってるので。
農業は高齢化が進んでますし、無闇な農家バッシングはやめてほしいです。
武田氏のブログには抗議しときました。「たたくなら農家より東電や国だろ!」と。
これからもお体に気をつけて頑張ってください!


http://www.asahi.com/national/update/0905/TKY201109050151.html
「火祭り用の材料譲って」地元産は汚染 福島・須賀川


http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001108260002
「松明あかし」セシウムの影
2011年08月26日

安全に加えて「安心」を求める市民感情を考慮した結果、「北海道や関西、九州方面など、放射能に汚染されていないカヤ、竹を広く求める」方式に落ち着いた。


おなじ薪の話なのに、1ヶ月前とは、随分かわりました。

転載様

これこそ恐れていた事態です。
京都市民が放射能におびえる以上に福島県民の放射能に対する恐怖は相当なものです。
ある意味京都での騒動が放射性物質への強い拒否反応を連鎖させているといえます。

この問題はより深刻な問題の発生を明示しています。
管理人様が「福島の灰一つ他県に出すな」という意見を見たといわれているように、
福島県民は他県の放射性物質は一つたりとも福島県に入れることを許さないというでしょう。

汚染土壌や高濃度汚染物質はどこかに集約化し、最終処分するのが必須ですが、おそらく福島県でその建設をするのは中間処理場でも不可能の領域になったといえます。

憲法で定める基本的人権の尊重と財産権はいかなる法律を上回ります。
仮に原発側の地権者が土地を売っても建設には周辺地域の住民の同意がなければ不可能です。裁判所に差し止め請求が来て建設不能となるでしょう。

原発半径50キロの住民の同意が成立するなどということがありえると思いますか?
福島県内の除染後の土壌なども運搬先がなくトラブルが散見されています。すでに現実の問題、ここまでパニックになれば、放射性物質の処分は発生した各自治体で処分するほか手はないでしょう。

まあ、国民が生み出したヒステリーです。
因果応報ともいえるかもしれませんが。

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