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2011年9月27日 (火)

一定の移行係数などは存在するのだろうか?

Photo

昨日頂いたコメントでどうにも引っかかることがありました。

移行係数をめぐってなのですが、今、公表されている農水省の0.1はたしかにある種の政治的な思惑があるでしょうし、一方、農業環境技術研究所の0.0026もしょせん試験場の机上の数値です。

現実の移行数値は、実際にこの現地に行って測ってからでないとなんとも言えません。おそらく私は、一定の移行係数というものは存在しないのではないかとさえ思っています。

何度となく私が書いているのは、放射能(*)というヤツはメチャクチャに微妙で複雑なやつだということです。(*慣用的表現。正確には放射性物質、ないしは放射線量)

これは私が実測運動をしているからわかったことです。同じ地点ですら、地表面放射線量が別な日には違うのです。

移行係数も、その土壌成分が粘土質であるのか砂質であるのかによっても違うでしょう。堆肥成分によっても違うでしょう。とうぜん、降下した放射線量やその核種によっても違うことでしょう。

「数値」という存在がが危ういのは、数値が出回って、しかも検索で簡単に手に入るとなると、あたかもそれがどこの場所でも通用する不変の定理だと錯覚してしまうことです。ちょうど理科の実験のようにです。

私は自分が計った簡易測定器の数値を公表していません。手元にはそうとう溜まりましたが、公表することは差し控えています。なぜでしょうか?

ひとつには、私の簡易測定器が「校正」をしていないからです。業務用のシンチレーション・サーベイメータやガンマ・スペクトロメータで計った数値と突き合わせて、誤差を修正していないので、公表に耐えません。
*放射能測定機器の「校正」についてはこちらをご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/anshin-kagaku/sub071218saitoh_ESI.html

おそらく誤差が20%、ひどい場合には50%ある可能性があります。

私は2種類の測定器を持っていますが、同時に計測して数値が倍ちがったことがあって愕然となりました(苦笑)。

まさに測定器の「個性」とでもいうべきもので、専門機関に持ち込んで校正をかけねばなりません。ちなみに、校正にはもう一台買えるていどの費用がかかります。

ですから、ネットであふれかえるほどある素人の自主計測データは、自分のものと同様にあまり信用していません。せいぜいが参考数値ていどでしかありません。

しかし「数値」の恐ろしさは、いったんそれが社会に出ると一人歩きしてあたかも「定理」のようになることです。数値って、なにかホンモノ臭いじゃないですか。

ここに数字の落とし穴があります。

移行係数にしても0.0026と出ると、農業者は0.1より耳に快いですから飛びつきました。しかし、現実を見てください。

二本松市で4600bq出た土地のそばで、今度は米(玄米)から500bqが出れば考え方を変えるしかないでしょう。残念ながら、今の時点では(とお断りしておきますが)、農水省の出した移行係数のほうが現実に近かったということです。

ただし、これが全国どこでも、どの状況でも通用するとも思っていません。さきほど言ったように、その土地の土壌成分、降下した放射線量などで変化するものだからです。

ともかく実測データが少なすぎるのです。バックデータが少なすぎるので、これこそがと言えることはまだ少ないのが現状です。

農業者と市民が、ひとつひとつの地域を計っていく、田畑や公園を一枚一枚計っていく、そして計測機関で計ったデータと照合して「校正」をかけていく、結局、こんな素朴な歩みしかないと思うのです。

放射能はまだわからないことだらけです。それを知って闘うしかないのです。

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

最近になってテレビの番組などでもようやく簡易測定器のデータ誤差を取り上げたりしてます。

数字は独り歩きしやすい。これはこの半年でネット上で嫌というほど味わいました。
不確かな数字に基づく、あまりにも被災地への配慮を欠いた匿名発言の多かったこと。
そこには住民それぞれの生活があり、不安に苛まれて苦しむ農家やサラリーマンの家庭が沢山あるのです。

以下話が逸れてしまい申し訳ありませんが、お許しを。
つい先日陸前高田市の松の木送り火の件。1000ベクレル越えだったはずが、計測条件でNDとなり成田山金勝寺でお焚き上げいただきました。

また、人に当たる確率3200分の1だと騒がれた人工衛星の残骸、11月にはさらに2000分の1だという衛星が墜ちてきます。
これはより多くの破片にバラけながら墜ちるからという数字のトリックがあります。
最近の衛星なら、細かいモジュールになって燃え尽きる仕様になるように配慮されていますが、「当たる確率」だけで言えば、単体のままズドンと墜ちるほうが遥かに下がります。

朝からワイドショーでは大騒ぎして煽ってましたが、数字(確率)とはそういうものです。

連投失礼しますm(__)m

メーター販売各社のサイトで、店長のひとこととかで各種メーターの利点や弱点のレビューがありますが、
気になる方はぜひ山形県ホームページ→放射線対策→放射線の健康影響Q&A(PDF)などもご覧になって下さい。
お役所にしては地元が驚くほどはっきりとした物言いで、サーベイメーターの種類による利点・弱点までよくまとめた回答が載っております。

すべてを肯定はしませんが、役所にも頭の切れる誠実なやつがいると感心しました。

濱田様や山形様がおっしゃるように、数値に縛られ過ぎてはならないと思います。自然や生き物はわからない事だらけです。数値で解明できたら苦労しません。毎日、あーでもないこーでもないと四苦八苦しながら、私も牛を飼っています。思い込みや決めつけで、しょっちゅう失敗もしています。
でも、科学的なアプローチを否定してもいけないと思っています。科学的な考察もせずに殺処分に突き進む、口蹄疫やトリインフルエンザの例もあります。科学的に異議を唱えなければならない時もあります。(これを實踐している濱田様のブログで、今更述べることではないのは、重々承知しております。)


昨日の磯子の眠り猫様のコメントに対して、移行係数の数字に焦点が当たってしまいましたが、もっと大事な分析があったと私は思います。昨日の記事ではそこに踏み込むのば場違いだと感じたので遠慮していましたが、福島県のような汚染のレベルの高い谷津田で営農するために、検査・測定しなければならないポイントが指摘されていると思います。

それは、谷津田の場合は根っこからの土壌を介したセシウムの吸収だけではないのではないかと言う指摘です。このブログでも、森から沢を通じてセシウムが絶えず田に流れ出ているのではないか?沢水のセシウムをゼオライトで吸収すべきではないかという指摘が再三ありました。
更に、森林の樹冠が汚染されており雨を介して葉面散布状態になっているのではないか、という推測も挙げられています。
またおそらく磯子の眠り猫様は、二本松の谷津田では、雨水や沢水の中のセシウムが電離したイオンの状態で稲に吸収されやすくなっていると考えてもいるようです。この辺りも、このブログで過去に話題にのぼっていました。

私たちの宝である谷津田でコメ作りを再開するためにも、単純な土壌や稲の検査だけでなく、森や沢や等の周りの環境との繋がりを考慮した総検査が必要です。谷津田は自然に溶け込んだ存在なのですから、当たり前の事だったのですが・・・、現在の検査・測定では、完全に無視されています。


磯子の眠り猫様のブログを拝見すると、様々な角度からのデータを集めて、推論されています。私の様な浅い科学的な思いつきとはレベルが違います。私はすごいと思いました。専門家や研究施設だって、ここまで丁寧に考察していないでしょう。

磯子の眠り猫様に質問ですが、玄米500Bq/kgなら根31200Bq/kgというデータは、どこからでしょうか?3120Bq/kgではないですよね?

常に周囲の森林(里山)からセシウムが湧き水などで供給されている可能性はありますね。

ただ谷津田といっても条件が色々あるので、これも一概には言えません。

私も、磯子の眠り猫様のブログは拝見しました。私とはまったく違う次元で考察されていることがよくわかります。
今、現場の農業者は、失礼ですか、あのような細緻な科学的分析を必要としません。
必要なのは、もっと現実に立脚した実践的な知見です。放射能と闘う「武器」です。
いい悪いではなく、まったく私とは別次元だなと思いました。

また、昨日の記事は私もやや感傷的になっていたかもしれませんが、福島の農民支援を訴えるのが主題でした。頂戴したコメントは、それをまったく無視されて、ご自分の関心に引き寄せていらっしゃいました。

あれだけ立派なご自分のブログをお持ちなのですから、そこから出て、他人のブログにいらっしゃる場合、そのままの姿勢で来るとブログ主の私とすれ違いますよ、と思いました。

眠り猫様のコメントは昨日に限れば確かにテーマにそぐわない部分はある気もしますが、2~3日内のテーマから大きく離れてはいない様な気がします。
 また、ブログも濱田様の主張に相対するものでは無いですし、かえって科学的な見地からアプローチして濱田様の意見をサポートしているようにも見えます。

特に杉木立からの雨水等による葉面からの吸収の可能性は、根(田畑)からの移行のみを考えるよりも整合性がありますし、農水省の0.1の方が近かったと考えるよりは現実的だと思えます。

今日と昨日のブログの写真を見てください。これが現実の谷津田です。

杉の葉からの雨水の飛散の影響はないとはいいません。あるでしょう。しかし、それが2桁も移行率を押し上げる原因となったことは考えにくいのです。

育成期間中に雨ばかり降るわけでもなく、稲は何といっても土壌と水からの影響が最大です。2桁押し上げるような放射線量というと、周囲の森林はものすごい線量、おそらくは数万ベクレルくらいあるということになります。

しかし、ここでそのような議論をするのは実は無意味です。なぜならあの当該の谷津田の条件がわからないからです。

条件とは
①当該田んぼの土壌線量
②周囲の里山の土壌線量
③当該の田んぼに流入する水の線量

谷津田といっても色々あり、通常の農業用水路から取る場合もあるし、湧き水もあります。ともかくあの田んぼの諸条件のデータがありません。
これらが分からないところで、あの可能性もある、この可能性もある、というのは無意味です。推測の域を出ません。

私は農水省の0.1でも0.0026でもどっちでもかまいません。問題は、「当該の田んぼの土壌がどれだけ線量があったか」、この一点を知りたいのです。

これさえわかれば、それなりの「移行論争」(?)のあくまでもここの土地における結論は出ます。

しかし、もう何回も同じことを言うのもいやですが、あくまでも、この土地の移行、この条件の移行であることに留意してください。
私は移行率や移行ルートは単一ではありえないと思っています。農業って複雑なのですよ、自然が相手ですから。

現在は推測の域をでないのだから、とりあえず今は、この福島農民にもう少し共感してもいいのではないですか、今はそのような時期なのではないでしょうか、というのが私のお願いでした。
だから、福島の方のコメント全文を転載したのですが。

青空です。
皆様落ち着いて下さい。

種子様も眠り猫様も如何にして放射線物質を除去して福島県に安寧を与えられるかという事を考えられ悩まれているかはわかります。

悪意があるものだとは思いません。

各々持てる知見や経験、分析を示し解決策を模索することは徒に行政や政府、東電、消費者あるいは生産者をなじり自己満足に陥る人よりは遙かに良いと思います。
闊達な議論の中で現実的に対応可能な改善策が昇華されることはあるかもしれないことです。
私もそれに一縷の望みをもち模索し続けています。

ただ
先日のta様のコメントを読んで私は戦慄しました。
涙がでました。情けなくなり落ち込みました。
同じ日本人を故なく苦しめ、絶望させているのにのうのうと生活している自分が憎らしくなりました。

各々がいる場所や仕事立場によりできることは異なり、またできることもかぎられるでしょう。
だからこそ持てうる知見を総動員して説明し現地の不安を払拭したいという気持ちは嘘ではないと感じます。

ただ現時点の被害者とわれわれは例えるなら燃えさかるマンションの最上階で助けを求める園児や父兄住民をテレビの実況中継で見ているのに似ています。
誰もが目を覆いたくなり何とか助けられないかと思うでしょう。テレビの前でおろおろしていても子供達の悲痛な叫び声は消えませんし業火も消えません。

多くの人ははらはら泣きながら無事を祈り見守るでしょう。ある人はあんなところにビルを建てるのが悪いと毒づくでしょう。
ある人は高層ビルの効果的な消火方法や救出方法を調べ提言するでしょう。

今回の事故で例えれば私は差し詰め隣町の住民です。テレビの映像と業火の煙をより近く感じより動揺するでしょう。知人がいるかも知れないのです。できることはないか模索するでしょう。

濱田様が今いるのは同じ町内です。フェンス一つ隔てた場所にいるのです。持てるすべての経験と力を投入しようと奔走しておられます。

私はこの二日の記事で福島支援を考える上で今まさに業火に苦しみ助けを求める福島の人たちに何ができ、どう力になるべきか考えさせられました。

今自分がしていることは趨勢を見守るだけのテレビ視聴者にすぎないのではと反省している次第です。

ただ今コメントを送られている人達ができることはないかとテレビから離れ行動を起こそうと模索していると感じます。ですから、コメントにはせめて今は被害者の苦しみに心を寄せ言葉を添え、必ずこの苦境から救い出す思いも示すべきではないでしょうか。

うまくいえませんがそのように感じました。

今日の私の発言で気分を害されたのであればお詫びいたします。
ただ、一つだけ御確認いただきたいのですが、昨日のコメントで、私が名指しで、「心」の問題です。と指摘されました。
私は、指摘される以前数日間コメントしていなかったと記憶しております。
人違い、勘違いでなければいつのどの書き込みに問題があったのか今後の参考に教えていただければと思います。

濱田様、すみませんがもう少しお付き合いください。
私は阿武隈の谷津田に行ったことが無いので、もちろん想像でコメントしています。私は島で農業をしていますが、かなり山の中で暮らしています。濱田様も暮らしたことのあるヤンバルと、ほとんど同じような環境です。南の島の谷津田みたいな所です。

ここで暮らしていて思うのは、こちらは湿度が高いからかもしれませんが、結構、霧やモヤで谷間の田畑が覆われます。更に毎朝のように、朝露で草はたっぷり濡れています。(子牛用の質のいい干し草を作るときなど、頭が痛いです。)
阿武隈の谷津田でも同じだとしたら、数万ベクレルという高い線量でなくとも案外森に漂う湿気によって、毎日毎日セシウムが稲に吸収されているかもしれないのでは?と思うのです。
セシウムの対策をとる上で厄介な問題になってしまいそうなのですが、可能性としては捨て去らないほうがよいのではないかと思うのですが・・・。

山間の湿った空気は本当に美味しいです。それが汚染されているかもしれないなんて、本当は推測したくはありません。

種子様。すいません、勘違いです。「猫」様と一緒にしていました。ごめんなさい。当該の私のコメントは削除しておきます。

またさきのコメントも「猫」様相手に行っているつもりで、あなたの名をトップにつけたのでまずかったと思って修正しました。

私も少々むっとなっていたもんですいません。

青空様。ありがとうございます。大変よく整理してもらって助かりました。

力を合わせて福島を助けようと呼びかけたかっただけです。

南の島様。う~ん霧ですか。霧ね・・・。ヤンバルもかかってたな。もうある意味なんでもありなんですよ。

枯れ葉、湧水、霧、土壌の流入・・・。豊かな森林ぼと複雑で、その分原因特定が困難かと思います。

ともかくその田んぼの土壌と水の線量数値が欲しいのです。しかし、公開しないだろうな。

ハウス周りの落葉と土をこの3ヶ月間、手作業でごみ袋に集めつづけその数1000袋以上、集めた落葉の上の空間線量は瞬間的に20マイクロシーベルトにもなりました。
まだ上を見ると百本以上の木が葉っぱをたくさんつけています。
いろいろな報道で肩を落としたり少々疲れぎみです。
でも毎日、濱田様のブログを拝見させて頂き、本気で福島の事を考えて下さっていることに前に進まなくてはと思えます。
現場で作業をしている農家にはそれなりの知識と勘があります。
以前からですが、本当に気持ちはわかって下さっているようですが、数字でしか判断出来ないお役人さん達にはがっかりばかりです。
むずかしいことはわからないですが皆さん本当にありがとうございます。

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