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2011年9月15日 (木)

福島県から計測-除染作戦を開始せよ! これ以上避難民の苦痛を長びかせてはならない

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昨日、福島からのコメントをいただきました。ありがとうございます。 

野田首相が所信表明演説で引用した福島の子供たちの詩につながるものでした。 

福島で生まれ、福島で生き、福島で子供を生み、福島で育てる、福島で孫をみる、福島で土に還える・・・そんな人として一番根っこにあることを大事に思います。

今、必要なことは、避難民をこれ以上出さないこと、そして安心して住める福島を取り戻すことです。

そしてそのために除染と、それに先立つ測定を徹底的に行うことです。 

しかし、事故から半年たつのに未だ国家を上げた除染はされていません。土壌汚染は解決されるどころか、避難地域は放射性廃棄物の中間処理施設を作る、20年は住めないというような話しか聞こえてきません。 

これで絶望しない福島の人がいるでしょうか。涙しない福島の人がいるのでしょうか。 

放射能汚染は、いかなる汚染とも違い、極めて長期に存在し続けます。放射性物質は半減期まで減数しつつも消滅することはないのです。 

通常のウイルス伝染病が、汚染地域の個体をすべて殺し尽くしてしまえば宿主を失い、自らも生きることができずに消滅に向かうのと対象的です。

またウイルスには、生物内に耐性が備わります。それに対して放射能は、消化器系に排出を促す力は持つといいますが、人類には基本的に放射能耐性はないと考えるべきでしょう。(ただし、放射能によるDNA損傷に関しては免疫力があると言われています。) 

このように考えると、放射能ほど手ごわい人類の敵は存在しないのかもしれません。 

今年5月18日から6月3日まで、東北、関東、四国で母親の母乳の放射能測定がされました。 

この検査結果を福島の母親は怯えながら待ったはずです。結果は、福島在住の母親から1ℓあたり1.9~13.1bq(ベクレル)のセシウムが検出されました。 

この数値は特に健康に直結するものではないとされましたが、東京大学児玉龍彦教授によれば、チェルノブイリでは同じく母親の尿中1ℓに対して6bqが15年間に渡って検出され、増殖性膀胱炎という前癌症状になったこともあるそうです。(以下、児玉先生については月刊「文芸春秋」10月号による) 

つまり、このまま除染をせずに福島を現状のまま放置し続ければ、チェリノブイリで起きた悲劇が繰り返される可能性がなしといえないのです。 

前政権は、このような重大な福島の状況を放置しました。そしてその目くらましのように再生エネルギーを突然口にし始めます。 

今、目の前で火がぼんぼんと燃えているその時に、その火を消さずに「火災に強い都市計画を考えよう」と言っているようなものです。 

児玉教授は、政府に対して一刻も早く除染をするように、7月27日の衆院厚生労働委員会で求めた放射線の専門医です。 

先生は、対策を建てるに当たって測定を全面的にするべきだと言います。例えば、農産物、あるいは土壌です。

そして測定すべき放射性物質は、もっとも多いセシウム134と137の2種類に限定すべきだとおっしゃっています。

専門家の指導の下に、妊婦や子供が日常的に生活する保育園、幼稚園、学校、病院から開始し、こう線量のホットスポットを発見し、それを細かく丁寧に除染すべきだとしています。

児玉先生は既に、南相馬市の幼稚園や学校で手弁当で除染作業を地元の人たちと協力して行っています。

先生はこのような子供が多く集まる施設での除染は、専門家が指導しないと、除染時にでる埃を吸い込んでしまって内部被曝の原因になると警告しています。

このような「緊急敵除染」をする行政の「コールセンター」と「すぐやる課」を作り、直ちに線量を計って、除染するシステム作りを先生は唱えています。

このような測定-除染体制作りを地方自治体が作ることに、国が全面支援をせねばなりません。

先生は、いちばんやってはいけないこととして、「危険/安全」という二分法にたたないことを提唱しています。

「ここは原発から20キロだから危険、立ち入らない」、「ここは60キロだから安全というふうに予見で考えないことです。

この二分法を取ると、避難区域はすべて強制収容して、国家が借り上げて更地にしてしまえ、という乱暴なことになりかねません。実際そう言う人もいます。

これでは避難している人々の苦痛や怒りを増すだけでしょう。こんな心ないことをしてはいけません。

一方反対に、ひとつの地域をざっと計って、「ここは安全だから除染する必要はない」として放置することです。

これは私の住む地域での農地の測定結果を見ても分かります。

ひとつの地域は、山ひとつ隔てて線量が違ったり、400m離れただけで線量が3倍になることもよくあるからです。

それは、複雑な日本の地形が原因です。フォールアウト(放射性降下)時の風や雨、霧の状態で線量が変化し、しかもその後の農作業などの人間活動によってまた線量が変化するからです。

この福島県と茨城県の全域、千葉県、東京東部、栃木県、群馬県の一部の除染作業は、かつて日本人が経験したことのない大がかりな作業となります。

そのために、それを行うための国家レベルの「除染対策中央本部」が必要です。ここで包括的な粗測定計画-除染計画-除染後の処分などに対する計画をたてなければなりません。

なぜこのようなものがいるのかと言えば、現状では保育園の除染は厚労省、幼稚園は文科省、道路は国交省、農地は農水省・・・というアホくさい縄張りがあってなにひとつ進まないからです。

地元自治体や各省の壁を乗り越えて、それを統合して調整し、測定-除染作戦を大胆に進めねばなりません。

これは待ったなしです。私たちは半年間も無駄にしたのですから。これ以上避難している福島の人々の苦しみを長引かせてはなりません。

福島を救え!

■写真 本日の朝焼け。大変な霧でした。クモの巣に朝露が光っていました。クリックして大きくして見てください。

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
今朝の新聞で報道されていて、ご存知だと思いますが、農水省から農地除染の実証試験結果が発表されていました。
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/110914.htm
表土を4cm剥いだ場合、75%、セシウムの濃度が減るが、40t/10aの汚染土壌が出てくるとのことです。
農水省は5000Bq/kg以下の汚染地域は反転耕を推奨していました。下層の土を引っ張り出すと生産力が落ちるので、堆肥や土壌改良資材を入れることと書いてありましたが、その堆肥や有機物自体が汚染されている状況でどう土を作っていったらよいのか、きびしいです。
管理人さんがおっしゃっていた耕運が現実的なのかなと改めて思いました。

ろこさんのコメントに絡みますが、農林水産省の発表を受けて、今日は農地の除染について多くのマスコミが報道しています。
朝日新聞の記事と図表がわかりやすいと思います。
http://www.asahi.com/national/update/0914/TKY201109140656.html
でも、一番わかり易いのは「3.11東日本大震災後の日本」というブログの9/14の記事だと思います。
人それぞれなので、あくまでも私の感想です。

マスコミによると5000Bq以上の農地は福島県内だけで約8300haあり、その全体を削った場合、東京ドーム2~3個分に当たる300万t以上の残土が発生するとのことです。

この土の量を多いと考えるのか、実現可能なのか、工事期間はどのくらいになるのか、表土の剥ぎ取りを何Bq以上からにしたらいいのか、おそらく、今後定められる規制値と絡んでくるでしょう。
この場面でも、私たちはどこまでの汚染を受け入れるのかという、難しい決断を求められます。

しかし、多量の汚染された残土は大量に発生するのは避けられず、現代の巨大ピラミッドや古墳群のようなものを作って、何百年以上にわたって厳重に管理し続けねばなりません。

すみません。追加です。

完全に田畑の除染できない場合、農作業による被曝を真剣に考えねばなりません。

例えば、5000Bqの圃場を天地返しや深耕ですませた場合、その圃場で何十年と農作業をしたらどの程度被曝するのか、農家の安全は確保できるのかなどです。

重ねてすみません。名前入れ損ねました。
ブログを汚してすみませんでした。見苦しかったら削除お願いします。

いや、そんなに気にしないで下さいよ。ここんとこイヤなことばかりが続いて、かえって気を使わせてしまってすいません。IPアドレスでわかりますから大丈夫です。

さて、明日農水省の方針を乗せようと思ったんですが、皆さん速いなぁ!(笑)

5千bq以上で排土-客土ですか。まだ「考え方」で完全な方針じゃないようですが、むちゃいいよるわ、というのが私の実感です。
どれだけ汚染土壌がでると思っているのでしょう。いよいよ避難地域の処理施設が現実みを帯びてきました。

あんな程度の線量なんかわが茨城にもかなりあるはずです。福島なら相当量あるでしょう。特に未耕耘の場所はそうです。

どうして深耕(反転耕)を5千bq以下に限定するのか不思議です。この方法なら確実に10~14分の1にまで落とせます。これは私の実測数値です。

ろこさんには私の「続・セシウム除染Q&A1回~3回」をお読みいただくようにお勧めします。8月18日~21日です。

ゼオライトなどできつく結着させれば私は再被曝はないと思っています。ただし、これに関しては経年実験していないので、実証実験が必要です。


深く反転させるのは一回きりで、2回目からは浅く耕さないと折角埋め込んだものが又戻って来ますね。

仮に土を剥いで大量の汚染物が出た場合、端末処理場の残渣などと一緒に日本海溝などの深海に沈めて捨てることを真剣に考えるべきだと思います。

その為には世界の理解を求める必要も有るでしょうが、陸地だけでは大変です。

放射性廃棄物の海洋投棄には絶対反対です。
たとえ深海でも反対です。

原発事故は日本の問題です。この問題で他国の人にまで不安を感じさせていいものか?
逆の立場で考えてみてください。日本の周辺国が放射性廃棄物を海洋投棄すると言い出したら我々はどう思うでしょうか?

一義的には事故を起こした当事国が他国に迷惑にならないよう処理するのが当然ではないでしょうか。
これは国家の良心に関わる問題だと思うのです。


ちなみに良心とは別に、実際問題として深海の高水圧に耐えられる格納容器が作れるかどうか、費用対効果が合うかどうか、という技術的費用的側面もあると思います。実現は可能なものなのでしょうか?

のりーさん。私は技術的にも無理だと思います。塩水からくる腐食と高圧に耐えるような格納容器は、仮に出来ても廃棄物で使用するような量を揃えるだけで莫大なコストです。

つまり合いません。すべての環太平洋の諸国を敵にして、膨大な賠償金を払い続けるという政治財政的負担プラス莫大な製造コストです。

利根さん。深耕ロータリーは高速回転するので、一回下が出てしまってまた沈み、それを高速で行うために均一になります。

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