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« 日本政府はチェルノブイリの8倍もの線量を汚染地域の下限とした | トップページ | 二本松周辺の水田における放射線量測定調査結果 »

2011年10月 5日 (水)

農水省は原子力施設の2.5倍の土壌放射線量基準で農民を働かせている!そして「汚染区域」の大部分は除染しないつもりだ

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農水省は10月1日にこのような除染方針を出しました。 

「2013年の8月末までに、推定被曝線量を半減させる目標を掲げた。長期的には空間線量を1ミリシーベルト以下にする。
推定被曝線量が20ミリシーベルトを下回る地域で今後、除染が本格化する。」
(日本農業新聞10月3日)
 

「20ミリシーベルト以下」という線量数値は、空間線量です。はて?農水省はいつから放射能汚染の指標を空間線量に置いたのでしょうか。 

被曝初期ならともかく、農業作業者の安全・健康を保証する環境基準は、農業者が歩く、吸う、手にする、作物を作る、家畜を飼う土壌でなければならないのはあたりまえすぎて言う気にもならないことです。 

ならば、放射線量の指標は空間放射線量ではなく、土壌放射線量です。それ以外考えられません。 

それが今の除染開始の前段になって、年間空間線量の積算量が指標だということです。理解に苦しみます。 

しかしこれでは先に進まないので、とりあえず良いとしましょう。空間線量累積でも、ベクレル単位に変換が可能ですから、いちおう土壌汚染度もラフですが、わかることはわかります。ただし、正確さを欠きますが。 

ではその空間線量の年間累積量の推定マップはというと、既にあります。 

Photo 産経新聞10月2日より参考のため転載いたしました。ありがとうございます。 

このマップは、文科省が9月11日というちょうど半年間の節目の積算値を、年間推定にシミュレーションしたものです。 

マップの黄色、オレンジ、赤色が20ミリシーベルト「以上」の地域です。「以下」は青色とグレイです。 

「20ミリシーベルト以下で農地除染が活発化する」(日本農業新聞)・・・?意味が分かりません。まさかとは思いますが、20ミリシーベルト以上の農地は除染をしないというわけでしょうか。

となると、上図の避難地域の大部分は放置されることになります。まぁ、そうなことをしたら福島県民の総スッカンを食いますからやることはやるのでしょうね。

飯館村の除染計画は非常に緻密に考えられている計画書ですが、国との協同、特に財政支援を要求しています。あまりにも当然な要求です。

政府は飯館村の除染事業の予算3224億円を満額で支援すべきです。

そして今後出揃うであろう、南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町など30キロ圏内の除染事業を全力で支援してください。

おそらく2兆円規模の大事業となるでしょうが。国家の全力をかけてやらねばなりません。

飯舘村除染計画
http://www.vill.iitate.fukushima.jp/saigai/wp-content/uploads/2011/10/b2eb22467554edc1286c0f22672344be 

問題はむしろ、チェルノブイリで言うところの3万7000bq/㎡、つまり日本流でいうキログラム換算で1850bq/㎏以上の土壌放射線量の残留している土地です。

そもそも政府が出した5000bq/㎏という暫定規制値自体のインチキさは今までさんざん書いてきました。

5000bqは、国際的な基準となっているチェルノブイリでいうところの10万bq㎡、すなわち「汚染区域」に相当するあり得なく高い放射線量です。

わが国の法律でほぼ唯一放射線量を規定している「原子炉等規制法」には、原子力施設で働く作業者の労働環境は、平方メートル当たりにして4万bq以下にすることとされています。

それを2.5倍もの10万bq/㎡を基準値にするとは、信じがたい棄民政策だと言わざるを得ません。

昨日掲載したセシウム134、137の土壌沈着マップをもう一度見て下さい。

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       *「朝日新聞」より参考のために転載いたしました。ありがとうございます。

この汚染マップで一目瞭然なのは、3万bq/㎡という黄色、オレジ、赤色地域が広大にひろがっていることです。国際基準に照らせば、これが除染が必要な「汚染区域」です。

わが国政府は、この「汚染区域」は除染しないつもりですか?おそらくそうでしょう。暫定規制値である5000bq/㎏=10万bq/㎡以上を楯にしてサボタージュする気です。

だから、今になって年間放射線量の積算などという空間線量に指標を切り換えたのです。

「チェルノブイリは旧ソ連のことだ。わが国は関係ない」、というのならそれでも結構です。ならば、チェルノブイリの2.5倍の土壌放射線量を許容する科学的根拠を明らかにして下さい。

原発事故当時の農水副大臣だった篠原孝さん、チェルノブイリに行ったのが自慢なら、この矛盾を説明してください。

日本の農産物は各国で輸入禁止にあっています。関西でもそうです。その多くは間違った情報の伝聞ですが、根はあるのです。

その風評を作っている元凶は他ならぬ農水省です。風評のみならず、私たちを「汚染区域」で働かせて平気という農水省に農民を守れるはずがありません。

農水省は「汚染区域」の大部分を除染しないつもりです。これを許してはなりません。

■写真 すすきを見ると妙に秋しますね。朝日を浴びてたよやかなすすきはなごみます。珍しく縦位置で撮ってみました。

 

 

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コメント

分かりやすい!
思いの外群馬が多いですねえ。

エルミタージュ美術館の特別展が中止されましたが、このデータを手にして判断したのかも…。
除染どうするんでしょ。


「問題はむしろ、チェルノブイリで言うところの3万7000bq/㎡、つまり日本流でいうキログラム換算で1850bq/㎏以上の土壌放射線量の残留している土地です。」

の部分ですが、3万7千ベクレル/㎡だと土の採取方法にも寄りますが、15cm採土で185Bq/Kgになります。5cmでも569Bq/Kgです。実際4月と8月に茨城県で行われた土壌検査でも同様の結果になっていますが、1850bqの数字はどの様にお考えでしょうか?http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20110922_01/files/20110922_01aa.pdf

Bq/㎡とBq/Kgの換算ですが、私も気になっていて色々当たっているのですが、単純に土の体積と比重から重さに換算するようなものでないことが、実際の計測から分かります。
土の比重も圃場によって、てんでバラバラですからね。セシウムが地表からどの様に浸透して分布しているか大きく左右されます。

私の結論から申しますと、茨城県の資料の1/200は??です。200より小さそうです。

文部科学省による放射線量等分布マップ
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/0002/11555_0830.pdf
もしくは、コンタン様が加工したマップ
http://twitpic.com/6diuc1/full
農水省の飯舘村除染の資料
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110914-05.pdf
を比べてみてください。
200で割ってしまうと飯舘村の試験地域は10000~15000Bq/kgにはならないんですね。もっと小さな数字で割らないといけません。
今年米の作付け制限した5000Bq/kgの水田も200倍して1000000Bq/㎡に換算したら本当に狭い範囲になってしまいます(文部省マップでは赤と黄色)が、実際5000Bq/kgは緑や水色の一部に及びます。これだと100弱くらいかな。
文部省の航空測定がいい加減なのかもしれませんが、真相は私には今のところ分かりません。

おそらく、濱田様の20という数字を示した方は、表面だけではなく深さ5cm程度までセシウムが濃く存在しているという考え方に基づくのではないかと思います。

連投すみません。

もし5000Bq/kgを200倍して100万Bq/㎡だとしたら、その事実が大問題ですよ。農家はそこで農作業にしているのですから。

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