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日本政府はチェルノブイリの8倍もの線量を汚染地域の下限とした

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諸外国の認識では、日本政府の原発事故対応は「チェルノブイリ以下」だとされています。 

その大きな理由は、放射能汚染を「汚染」として法的に認めなかったということから始まっていることは昨日お話したとおりです。 

「法的に無規定だから、除染してはならない」というサボタージュがまかり通っていました。 

これは単なる「たら・れば」論ではなく、この責任は原発を国策としておきながら、その事故処理を何も考えてこなかった歴代政府と現在の政府にあります。 

さて、サェルノブイリの事故対応には学ぶべきものが多々あります。そのひとつが私が3つの考え方の一番目に述べた「何が、どこにどれだけ降ったのか」、という被害の範囲の確定です。 

旧ソ連政府が、大規模避難の後の事故処理にあたって真っ先にやったことは、この被害範囲の確定でした。 

それは「汚染地域」と「非汚染地域」を区分し、それぞれに対して除染方法を定めていく方法でした。 

このラインを旧ソ連政府は、土壌放射線量が1平方メートル当たりセシウム137の線量で3万7000ベクレル(bq)と定めました。

3万700bq/㎡とは、日本で使用されているキログラム単位で言えば1850bq/㎏に相当します。 

チェルノブイリにおいては、実に日本の国土の4割にあたる面積である15万ヘクタールが汚染区域に指定されました。 

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上図で薄いグレイ部分が日本流にいえば1850bq/㎏の汚染地帯に相当します。

ここから旧ソ連政府は1986年4月26日の事故後のほぼ1か月後の6月上旬には、既にこの図の原型を作り上げて公表していました。

そして3か月後の8月から9月にかけては、汚染区域に指定されたコルホーズやソルホーズに対して個別汚染状況のマップを渡し、更に小規模個人農家に対しても集落ごとの汚染マップを手渡しています。

同時に並行して、線量低下の目標を設定して、積極的な除染活動に国家規模で乗りだしています。

では、続いてわが国の汚染マップを見ます。

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 *以上ふたつの図版は「農業経営者」7月号より参考のために転載いたしました。ありがとうございます。

この図は4月29日の測定値を基に作られた最初のマップです。単位は国際単位の平方メートルに直してあります。

この図で右脇の切れてしまいましたが、汚染段階は上から300万~2000万bq/㎡、100万~300万、60万~100万、30万~60万、30万以下、そして斜線が測定していない地域です。

何か気がつきませんか?そうなんと最小単位が30万bq/㎡です!旧ソ連では3万7000bqでしたね。実に8倍もの高い数値が最小区分なのです。

日本政府は、当時既に事実上の国際的な基準となっていたチェルノブイリの汚染地域区分の3万7000bqを国民の目から隠すために、㎡単位ではなく、キロ単位にわざわざ書き換えた上で、その上限を30万bqという途方もなく高い数値に置いて公表したのです。

したがって、国際的には、「汚染区域」は更に多いだろうという認識を諸外国に与えてしまったわけです。これが「フクシマはチェルノブイリ以上の人類史上最悪の災厄だ」という誤った国際認識に繋がりました。

あげくに国民を被曝の危険にさらし、暫定規制値を5000bq/㎏、すなわち国際的には10万bq/㎡という「汚染区域」に設定したあげくは、二本松市での汚染米が出る原因を作り出したのです。

昨日、二本松市の市長が、農水省に対してサンプリングではなく全量調査するように申し入れしたのは、遅まきとはいえ、まったく正しい要請です。

そもそも5000bqという暫定規制値の設定自体が問題視されるべきであり、規制値以下なら4600bqでも耕作を許可したこと自体が深刻な失敗なのです。愚かというよりも、むしろこれは犯罪的と言っていいでしょう。

さて、下図が7か月たった今頃になって文科省が出した汚染マップです。

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    *「朝日新聞」より参考のために転載いたしました。ありがとうございます。

この図は文科省の航空機モニタリングマップですが、ほぼ国際標準で書かれています。最小単位も平方メートル単位で、下限が3万bq/㎡となっています。

この日本の汚染マップを、チェルノブイリに置き換えるとこうなります。

・薄い黄色3万~6万bq/㎡・・・・・汚染区域
・オレンジ色6万~60万・・・・・・・・汚染区域から永久管理区域
・赤色60万以上・・・・・・・・・・・・・・永久管理区域から立入禁止区域

ちなみに私の農場は、ギリギリで汚染区域より数キロ南にあります。

チェルノブイリが5段階に分かれていたのに対して、3段階だけというラフなものですが、ないよりましです。

ようやく初歩的な調査に7か月たって着手したのは、前進と評価すべきでしょうね、やっぱり。

この文科省の測定箇所は非農地が管轄です。ここでも農地の測定のみする農水省とおかしな縄張り争いがあるようですが、困ったことに測定方法が異なっています。

文科省は表土から5㎝下で測定し、農水省はその3倍の15㎝で測定しています。

いうまでもなく、文科省の測定方法のほうが正しいわけで、農水省はセシウムが表土下5㎝に集中してあることを知りながら、すっとぼけて15㎝下で計っています。ズルい上にボケています。ズルボケです。

農水省は測定をしていた夏には大部分の「汚染区域」の農地が耕耘されていたことを知っており、結果としてセシウムが希釈されていたことを知って、こういう計測をしたとしか思えません。

文科省のほうも、農地は計れずに農地は雑草などでお茶を濁しているようですし、千葉県では15㎝で計ったかと思えば、茨城県では3㎝になるなど一定していません。

海洋は海水部分が農水省で、海底の泥は文科省です。もうこうなるとお笑いですね。

そしてこの農水省よりなんぼかましな文科省汚染マップすらも、実測ではなく航空機モニタリングだということに留意ください。

あくまで飛行機でブーンと飛んで計ったもので、大枠は掴めますが、細かいン地形の褶曲が多い東日本ではラフなのものでしかないのです。

放射能測定は歩いて測るのが原則です。それが無理なら文科省のモニタリング・カーで土埃を採集するほうがより正確な汚染マップが出来るでしょう。

この汚染マップがあって初めて、除染計画が成立するのです。

■写真 台風が去って。ようやく秋が来ました。稲借りも完全に終わりました。最後は台風との競争でした。

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コメント

醜い省庁の縄張り争い。そこに県や自治体の思惑も絡み合って…ドロドロと。
こんなときこそ強力なリーダーシップが欲しいですね。角栄さんや小泉だったらどんな震災初期対応をどんなふうに進めたでしょう?


また、「福島はすでにチェルノブイリ」以上だ論者が沢山いましたが、86年当時の汚染(現地ではなく日本)と比べること自体がナンセンスで苦笑しておりました。そりゃ越えるわな。

投稿: 山形 | 2011年10月 4日 (火) 07時44分

多くの国民は、放射能を汚染物質だと認識していない法的欠陥を軽くみているようですが、あれが放射能ではなくカドミウムやヒソだったら農水省は大騒ぎしています。

除染もとっくに政治家にいわれなくても官庁主体でしていたはずです。なぜならこれらは指定汚染物質だからです。

今回の放射能が指定物質除外の歪みは非常に大きくて、この空白の7カ月を生みました。汚染を汚染として頑として認めないのですから、なにも始まりません。

官庁は絶対に「汚染マップ」という表現はとりません。一貫して「放射性物質蓄積量マップ」のような表現です。

こんな給料分の仕事もしない国家公務員に月額4万で超高級マンションを105億で建ててやろうというのですから、もう笑ってしまいます。

除染予算は5億だそうで、国家公務員宿舎の玄関にもなりはしない。そして被災地にも均一にかかる大増税。この国の政府は腐りきっています。

投稿: 管理人 | 2011年10月 4日 (火) 08時25分

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