放射線量測定会が始まりました!
茨城大学農学部・小松崎先生のご指導で、会員の田畑、自宅周辺の計測を行いました。
使用した機器は、先生にご持参いただきましたシンチエーション・サーベイメータ、会員所有のガイガーカウンター2台です。
同時に3台で測定したのは、精密機器と一般ガイガーカウンターとの数値のズレを校正するためです。結果は、案外ズレがないのにはかえって驚きました。ちなみに誤差範囲は.以下です。
3台の数値のズレ 単位μSv
・シンチエーションサーベイメータ・・・・・0.22(基準数値とする)
・ドイツ製ガイガーカウンター・・・・・・・・0.18(誤差(0.04)
・アメリカ製ガイガーカウンター・・・・・・0.065((誤差0.15)
数字でみると非常にあるような感じを受けますが、実際に測定してみるとわかりますが、メーターの針は常に一定ではなく、常に震え続けています。おおよそブレが静まったところでエイヤっと計っているので、0.05μSvていどの誤差はありえる誤差範囲ではないでしょうか。
シンチエーション・サーベイメータは本来は外部からスクリーニングするためのもので、土壌線量自体を計測するものではありませんが、先生によると土壌放射線量と空間放射線量には一定の相関関係があるとのことで、空間線量測定でおおよその土壌放射線量の目安は分かるとのことでした。
計測ポイントとしては、ホットスポットを発見することに重点を置きました。というのは、二本松の例でもわかるように、沢水が入る水口と、下の田んぼでは線量が大きく異なる場合があります。
田畑をメッシュで仕切ってしらみつぶしに計測するより、経験的にあらかじめホットスポットと思われる地点を選んで計測し、一般の地点と比較してみる方法をとりました。
私たちがホットスポットと考えたのはこのような地点です。
・舗装された道路や森林からの水が流れ込む水口
・ハウスの周辺部
・森林との境
・森林の風雨が当たる前の立ち木の根付近
・樹木の皮
・耕耘していない土地
・草地あるいは牧草地
・雨樋の出口付近
上の写真は計測風景ですが、これは耕耘されて収穫を終わった水田の道路からの流水の水口部分です。
前日の雨で舗装道路からかなりの流水があったので、上の自宅の樋付近はかなりの線量が出ましたが、一段下がった農道では水田水口では通常の数値に戻っていました。
以下地表面スレスレ1㎝数値です。単位はマイクロシーベルト。測定器はシンチエーション・サーベイメータ。
・自宅雨樋周辺・・・・0.26μSv
・農道・・・・・・・・・・・・0.16
・水田水口・・・・・・・・0.16
・水田内・・・・・・・・・・0.17
・山林との境・・・・・・0.19
・不耕起地・・・・・・・0.16
森林内での測定結果は以下です。測定位置地表1㎝。
・森林・・・0.24μSv
・樹皮・・・0.24
測定は高さを3カ所に分けて測定しました。
水田水口
・地表面1㎝・・・・0.17μSv
・地表面50㎝・・0.16
・地表面1m・・・0.12
このように地表面に近いほど数値は高くなります。
今上げたデータはごく一部で、現在これを地図にポイントして分布図を作成中です。今月下旬までには作り上げて、ひとめで自分の田畑の放射線量分布がわかるマップにまとめていきます。
こうしてまずは始まった農地測定、今後もどんどんと計って実態を明らかにし、対策を立てていく予定です。計測も3か月ごとていどのペースで行い、数値の推移を調べていきます。
■写真 霞ヶ浦の夕陽。水鳥が一羽夕陽に向けて飛んでいきました。
■参考 行方市の小中学校の放射線量(11月8日)
・単位:マイクロシーベルト毎時
●麻生小 0.091
●太田小 0.189
●大和一小 0.184
●大和二小 0.170
●大和三小 0.239
●行方小
0.152
●小高小 0.158
●津澄小(北浦幼) 0.126
●要小 0.185
●武田小 0.235
●羽生小
0.143
●玉造西小 0.147
●現原小 0.160
●玉川小 0.141
●玉造小 0.140
●手賀小 0.129
●麻生中 0.167
●麻生一中 0.184
●北浦中 0.189
●玉造中 0.090
●麻生幼 0.110
●太田幼 0.144
●玉造幼 0.142
●市役所麻生庁舎 0.127
●市役所北浦庁舎 0.178
●市役所玉造庁舎 0.141
●のぞみ幼稚園 0.220
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コメント
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いよいよ動き出しましたね!!
国や東電からの支援も無い中、ここまで進める事は大変だったと推察します。
これからが本番です。くれぐれも、お身体大切にお願いします。
仲間がいるって良いですね!!
投稿: 北海道 | 2011年11月 9日 (水) 11時49分
北海道様。ありがとうございます。がんばります。やってみるとわかることというのがあって、2ヘクタールの畑を漏れなく計測するには相当な時間が必要となります。
1㎝、50㎝、1mで計測したためもあり、だいたい2時間かかりました。今後はもう少し合理化して1㎝のみの計測とします。
あとこれをマップにドットしています。これも案外大変で、手間を食っています。しかしこういうことの積み重ねが「放射能との闘い」なのだと思いきかせております。
投稿: 管理人 | 2011年11月10日 (木) 06時09分