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2011年11月16日 (水)

野田首相舌先三寸は国際社会では通用しない

012
野田首相という人は日本的あいまいさというのが、外国でも通用すると思っているらしいですね。 

帰国してすぐに国会で、「参加のための協議」に入る、というあいまい語が厳しい追求にさらされました。 

いやまぁ、日本語というのは便利ですな。この野田首相の表現では、TPPに「参加」するのか、そのための「協議」入りするのかがボカされています。 

目的語が、「参加」と「協議」のふたつあるのです。 

オバマ大統領やAPEC諸国に対してはTPP「参加」だといい、国内に対しては「協議」ですよと、いつでも「国益に範囲したら参加しないこともある」、つまりは「ちょっと内容を見てダメだったらクーリングオフしますからね」、と言うわけですから頭がクラクラします。 

もちろんこれは彼が出発の前日になって苦し紛れにひねり出したものにすぎません。本心は「参加する」だったのですが、それをいうと慎重派に大量脱党されてしまうから、なんとか山田さんたちのメンツを立てて、かつ規定路線でやるということでしょう。

こんなまやかしは日本国内だけで通用するのであって、国際社会では通用するわけはありません。アメリカ人がいちばん嫌うのはのテの日本人特有のあいまいさじゃないでしょうか。 

よせばいいのにオバマ大統領との会談でもこのアンパンマン流あいまい語を言ってしまったようです。 

野田首相が、オバマ大統領に言ったことが麗々しくホワイトハウスのHPに乗っています。(資料1参照) 

「Readout by the Press Secretary on the President's meeting with Prime Minister Noda of Japan」
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan

問題はこの部分です。 

Noda's statement that he would put all goods, as well as services, on the negotiating table for trade liberalization 

野田首相は、すべての商品、およびサービスを貿易の自由化のための交渉のテーブルに乗せると声明した。 

もしこの野田発言がオバマ大統領との会談で言われたとすれば、「交渉への協議」というあいまい語ではなく、明瞭に「すべての商品、及びサービスの自由化を交渉対象とする」参加表明を言った、ということです。 

考えてみれば、TPPとはそもそも「すべての商品とサービスを自由化する」ことですから、このようなことは大前提で読むと、特に驚くに値しません。 

野田首相は往生際悪く、そんなことは言ってないよ、と国会での追求に対して答えていましたが、ならば会談議事録を公開されたらいかがでしょうか。

既に民主党は、菅政権の時に、「センシティブ品目について配慮を行いつつ、すべての品目を自由化交渉対象とする」と決定してしまっています。

米側はとうぜんこの菅政権の新自由主義路線が継承されてTPP参加になったと理解していますから(そのとおりですが)、「すべての商品、サービスの自由化を交渉対象にする」と理解したのでしょう。

これを国に帰るや野田首相が言ってない、と否定してしまったのですから、オバマ大統領からすれば、「あんた一体なにしにハワイに来たの?」、ということになります(笑)。

なにか野田首相の脳味噌のようにゴチャゴチャしてきましたから、まとめてみますね。

➊「すべての商品、サービスを自由化交渉の対象とする」・・・・TPPに参加する

➋「そのようなことは言っていない」・・・・TPPに参加しない

➌「参加協議に参加する」・・・・すべての商品、サービスを自由化するとは言わないが、すべての商品、サービスを自由化するTPPの参加協議には参加する(なんじゃこりゃ?)

書きながら吹きだしてしまいました。もう支離滅裂、はっぱふみふみ(古いね)。

いいかげんな口先三寸を言うと、後で帳尻が合わなくなるという見本です。いい子はまねしてはいけませんよ。

彼は既にISD条項を「知らなかった」と言ってしまっているので、ひょっとしてTPPはなにをする条約なのかホントはよく知らないんじゃないのでしょうか。

いずれにせよ、米国側には「修正要求はしない」そうですから、日米間では「すべての商品、サービスを交渉のテーブルに乗せると野田首相は発言した」が公式記録とされます。(資料4)

こんなていどの人が主導するTPP交渉。結果はもう見えました

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 ホワイトハウスHP オバマ-野田会談要旨  (太字は引用者)

The President and Prime Minister Yoshihiko Noda had a good discussion today on a range of issues, including APEC and the upcoming East Asia Summit, and next steps on Futenma relocation.  The leaders also talked about Japan's interest in the Trans-Pacific Partnership (TPP) agreement.  Prime Minister Noda noted that he had decided to begin consultations with TPP members, with an eye to joining the TPP negotiations.  The President welcomed that important announcement and Japan's interest in the TPP agreement, noting that eliminating the barriers to trade between our two countries could provide an historic opportunity to deepen our economic relationship, as well as strengthen Japan's ties with some of its closest partners in the region.  The President noted that all TPP countries need to be prepared to meet the agreement's high standards, and he welcomed Prime Minister Noda's statement that he would put all goods, as well as services, on the negotiating table for trade liberalization.  The President noted that he would instruct USTR Kirk to begin the domestic process of considering Japan's candidacy, including consultations with Congress and with U.S. stakeholders on specific issues of concern in the agricultural, services and manufacturing sectors, to include non-tariff measures.  Prime Minister Noda also explained the steps he had taken to begin to review Japan's beef import restrictions and expand market access for U.S. beef.  The President welcomed these initial measures, and noted the importance of resolving this longstanding issue based on science.  We are encouraged by the quick steps being taken by Prime Minister Noda and look forward to working closely with him on these initiatives.

 

■資料2   米「発表はそのままだ」…TPP発表食い違い
2011年11月14日11時33分  読売新聞
 

12日の日米首脳会談の内容をめぐり、米ホワイトハウスは会談後、野田首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に関し、「すべての物品とサービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」と述べたと発表した。 

これに対し、日本政府は「発言を行った事実はない」と否定する文書を発表した。

 米側が文書で発表した会談概要によると、首相発言は、オバマ大統領が「すべてのTPP参加国は、協定の高い水準を満たす準備をする必要がある」と広い分野での貿易自由化を求めたのに対して答えたものだとしている。日本政府は、米側が発表した首相発言は「日本側の基本方針や対外説明に米側が解釈を加えたものだ」として、実際の発言ではないとの主張を米政府に伝えたという。 

 日本側の主張に関し、フローマン大統領副補佐官は12日の記者会見で「両首脳はTPPの包括的な議論をした。(米側の)発表はそのままだ」と述べ、訂正しない考えを明らかにした。 

■資料3 首相、国益損ねるならTPP交渉不参加も 

TBS系(JNN) 11月15日(火)19時56分配信 

 APECで日本がTPP交渉に参加する意向を表明した野田総理、15日の参議院予算委員会では「国益を損ねてまで参加することはない」と答弁しました。一方、野党側は、野田総理とオバマ大統領との会談に関する日米の発表の食い違いについて厳しく追及しました。

 「日米両政府の記者発表の中身が食い違っていたと、こういうハプニングがあったという報道がされていますが、それは事実でしょうか」(自民党・山本一太参院議員)

 自民党の山本議員がとりあげたのは、「日米首脳会談で野田総理が『すべての品目を貿易自由化交渉のテーブルにのせる』と発言した」とするアメリカ政府の発表です。

 「ひと言も言っておりません。そして、そうだったということはアメリカも認めました」(野田首相)


 日本政府からの指摘に対し、アメリカ側は、野田総理の発言としてはなかったことを認めたといいます。しかし・・・。

 「我々の発表文は、オバマ大統領と野田首相の非公式のやりとりと、これまでの首相や政府の他のメンバーの公式の発言をもとにしたものだ」(アーネスト副報道官)

 アメリカ政府は、発表の訂正はしない考えを明らかにしました。

 「事務的な調整不足であって、アメリカ側の悪意はない」(野田首相周辺)

 ポイントは、1年前の閣議決定です。「センシティブ品目について配慮を行いつつ、すべての品目を自由化交渉対象とし・・・」と書いてあります。

 野田総理は、会談で「菅・前内閣が決めた基本方針に基づいて」と発言したことから、アメリカ側が「すべての品目を自由化交渉の対象」と解釈したのも無理はない、と関係省庁の幹部は指摘します。

 「ちゃんと訂正を要求してください。抗議してください。どうですか」(自民党・山本一太参院議員)
 「事実でないということは明らかになったということで、私はそれをもって良しというふうに思います」(野田首相)
 「総理、日本の外交を率いていく資格ないですよ」(自民党・山本一太参院議員)


 いったん鉾をおさめた形の民主党内の慎重派も、この問題に反応しました。
 「野田総理に十分な時間をとっていただいて、この点をはっきりただしたい」(民主党・山田正彦前農水相)

 「アメリカ側は、日本の交渉に臨む姿勢がどこまで本気なのか、不安を感じている」(関係省庁幹部)

 首脳会談での総理の発言をめぐる「言った」「言わない」の日米の食い違い。これから日本との協議に臨むアメリカ政府の姿勢の厳しさを、早くも示した形と言えます。

 ところで野田総理は、慎重派が強く警戒している公的医療保険制度の自由化について、あり得ないという認識を示しました。

 「それぞれの公的な保険制度を根本から変えていくようなことを、やるわけがないと基本的には思います」(野田首相)

 ただ、コメについては自由化の例外と主張するかどうか明言を避けました。(15日17:38)

■資料4 <TPP>米声明は「正しい」 発言内容で大統領副報道官

毎日新聞 11月15日(火)10時32分配信

 【ホノルル白戸圭一】12日の日米首脳会談で環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への交渉参加を表明した野田佳彦首相の発言内容を巡り、日米政府の説明が食い違っている問題で、アーネスト米大統領副報道官は14日の記者会見で、発言内容に関する米政府の声明は「正しい」と述べた。

 野田首相のTPPに関する日米首脳会談での発言を巡っては、米政府が会談後に「首相は全ての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せると述べた」との声明を発表した。しかし、この発言は、例外品目を残す可能性を示唆してきた首相の立場と異なるため、外務省は「発言の事実はない」と米側に抗議。外務省はその後、日本メディアに対して「米側も発言はなかったことを認めた」と説明していた。

 アーネスト副報道官は会見で「(米国の)声明は野田首相とオバマ大統領の会話に基づいて作成された」と述べ、声明を訂正する考えはないことを明らかにした。

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コメント

鹿野農水相の答弁と食い違っていて、バタバタと慌てて答弁するシーンもありましたね。
そりゃ、閣内不一致との批判も出ます。
そして、米に関してはあっさりボヤカシた。あーあ。

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