• As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014
  • 20250114-011659
  • 20250113-133232
  • 20250113-134354
  • 20250113-134844
  • 20250113-135719
  • 20250114-062849
  • 20250112-044948

« 自然放射線について考えてみよう | トップページ | 東北被災地にTPP「復興特区」の罠 »

2011年12月 6日 (火)

東京農大後藤逸男教授によるゼオライトのセシウム吸着試験の驚異的結果

018_2
東京農大後藤逸男教授の教室でなされたゼオライトのセシウム吸着のデータをご紹介します。 

福島県はあまり知られていませんが、世界1位のゼオライト産出地域です。ほぼ無尽蔵だとすら言われています。 

現在、さまざまな除去素材が登場していますが、いずれも一長一短であり、価格的にも高価なことが農業資材として利用する上でのネックとなっています。 

ファイトレメディエーション(除染植物)として、ウクライナやベラルーシでは大規模なひまわりの栽培が実施されましたが、それはかの地が元々ヒマワリ栽培が盛んであったことと無縁ではありません。 

チェルノブイリにはチェルノブイリの地質と伝統にあった除去方法があり、わが国にはまた独自なものがあるはずです。私は、福島に無尽蔵にあるゼオライト鉱物がそれに当たると思っています。 

ゼオライトは従来から土づくりに広く用いられてきました。それはゼオライト特有のキレート構造(*カニのハサミのように金属物質を分子構造にはさみこむ構造のこと)が、施肥分を沈下させることなくガッチリと土中につなぎ止め、また微生物の住処となるためです。 

特に施肥したものが沈下しやすく保水性が悪い砂地の土質の農地では土壌改良材として用いられてきました。 

このゼオライトが、現在放射能を結着し、作物に移転しない決め手として改めて注目されているのはご承知のとおりです。 

後藤教授教室での実験ではその驚異的とすらいえる吸着能力が分かります。Photo

上図によれば、40分程度での短い処理時間で、ほぼ完全にセシウムを補足してしまうことが分かりました。驚くべき速さと言えます。 

補足率の高さはほぼ100%であり、使用量と使用方法に誤りがなければ、確実なセシウム補足が得られます。 

Photo_8

 また同じくセシウムを結着することができる粘土質の土壌に対比した場合、ゼオライトのほうが再び放射性物質の放出率が極めて少ないことが分かります。(下図参照) 

つまり、粘土質土壌においていったん放出されたセシウムをゼオライトが再び結着して完全に補足してしまうことができるわけです。 

これは粘土土壌がマイナス電荷によりプラス電荷のセシウムを電気的に結着することに対して、キレート構造により物理的に補足するからです。 

電気的吸着は時間が経過するに連れて弱まりますが、それを物理的に補完することがゼオライトには可能なわけです。 

Photo_3

ゼオライトには数えきれないほどの種類があり、価格もキロ80円からウン百万円までありますが、下記の実験データで見る限り放出率に差か出るものの、補足率においてはほぼ同等の結果がでました。゛ 

Photo_2
ただ唯一の欠点は、水田などの土壌と水が混濁した状態の場合は、セシウムの補足率は著しく落ちるので気をつけて下さい。 

Photo_9
このように優秀なゼオライトは、10㎏800円から売られており、非常に安く入手できるために、その土地の土質、土壌成分などを知った上で利用すれば大きな効果が期待できます。

  

本資料は11月12日に開かれた「第23回全国土の会 神奈川大会」の資料を基にさせていただきました。ありがとうございます。

■写真 レンコンたんぼの夕暮れです。

« 自然放射線について考えてみよう | トップページ | 東北被災地にTPP「復興特区」の罠 »

原子力事故」カテゴリの記事

コメント

ゼオライトは、約10日でセシウムへの吸着力が消滅します!!

下記のプレスリリースを見ました。

http://deconlite.com/

が、何かご意見をお願いします。

後藤先生のゼオライトを用いた除染効果の記事を見ましたが、合わせて、次の記事も記載されており、興味を持ちました。
「福島県南相馬市で始めたのは、土壌を深さ15センチまで耕して放射性セシウムを薄める方法」
持ち出しが無く、分散させて堆積あたりの放射性物質濃度を下げると言うことですが、どのような結果であったのでしょうか。セシウムが表層5cm内に多く含むことから、15cm耕耘することは、単純に3分の1になるのかと思いますが、いかがでしょうか。汚染地域には万のオーダーのベクレル数を検出されるところも多く、持ち出しのない除染方法は可能な技術があれば、理想的なのですが。
そこで、高嶋開発工学研究所の勧める、微生物の複合発酵による浄化方法はいかがでしょうか。
川俣町山木屋の牧草地で、微生物の複合発酵による酵素を触媒とし、約75日で、10分の1のレベルまで放射性物質量を低減したと公表いたしておりますが、こちらも酵素液と液肥の散布そして耕耘と持ち出しはありません。

http://takashima.tidt.fool.jp/

をご覧頂き、ご意見をお願いします。

ゼオライトは約10日でセシウムへの吸着力が消滅します!!とのことですが、吸着力がなくなった後のゼオライトの処理はどうしたらよいでしょうか?
ちなみに、ゼオライトの利用はセシウムを洗い落とすために水の流れる側溝に設置していますが、使用期間と使用後の対応が解りません。よろしくお願いします。

除染様。通常は除染した使用済みの資材は一カ所に集めて穴に埋め、上に鋼板(できれば鉛がベスト)で蓋をして埋却します。
使用期間に関してはゼオライトは非常に種類が多く、メーカーに問い合わせていただく以外、なんとも申し上げられません。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 自然放射線について考えてみよう | トップページ | 東北被災地にTPP「復興特区」の罠 »