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日本の風景と文化は農業が作り上げました

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今、私たちが見ている日本の風景は日本人が作ったものです。 

たとえば谷津田という地形があります。上の写真のように両脇の森林が腕を拡げるたなごころの中に、さほど広いともいえない田んぼが連なっています。 

東の森にはオオタカとフクロウが棲んでいます。西の森の淵には湧き水の小さな泉があり、夏にはホタルが舞います。 

田んぼを遡って北に少し遡ると、この田んぼ全体を潤す小さな沢があり、分け入ると朽ちた祠が残っています。小さな祠は朽ちてしまいましたが、いまでも田植えの前の肌寒い春になると、誰かが塩とお神酒を捧げた跡があります。 

田んぼは一代でできるものではありません。一代30年で造成はできるでしょうが、水田に必要な澄んだ潤沢な水を得ることが出来ません。 

水は米の味を決定します。水は豊富な滋養分を稲に惜しみなく与えます。化学的に作った純粋で米を作ってご覧なさい。食べられませんから。 

青々とした水田を潤す水は、森の落ち葉、朽ちた土の香りと恵みを運んできます。森は天然の堆肥の蔵でもあるのです。 

もし、田んぼがなかったらどんなだったでしょうか。この青々とした水田はなく、ただの日照の悪い草むらだったことでしょう。 

イノシシにとっては嬉しいでしょうが、私たち人間には何の恵みも与えてくれない土地として、捨てられた存在だったことでしょう。 

私たちの先祖は米を食いたいと熱望しました。米を腹一杯食べてみたい。昔はご飯を「銀シャリ」といって、神々しいまでに輝くご飯をそのように評したのです。 

お百姓は米を食べるためになにから始めたでしょうか。森を作ることから始めたのです。 

森がなければ水が出ません。森の樹々は水を溜めて、腐葉土のゆりかごの中で時間をかけてそれはおいしい水に変えていきます。今風に言えばミネラルウォーターですね。 

森が荒れていたり、裸山だった地域では、樹を植えることから始めました。苗を植えて若木になり、ぐんぐん伸びて一人前の森になるまで数十年かかります。時には、60年近くかかる場合もありますから、親子二代の仕事になります。 

そして水が湧くまでまた十数年。その間毎年、夏には下草を刈り、冬には枝を落とし、また新しい苗を植えていくことを続けるのです。 

これを一年でも怠ると、夏草が繁茂して森には人が立ち入れなくなってしまいます。獣すら通えない森はだんだんと弱っていきます。 

このような長い時間の末にようやく頃合いをみて田んぼを作っていきます。上の冷たい湧き水が染みだす水口の田は小さくしてそこで温められます。あたたまった水は、次の2枚へ流れ込み、そしてまた温かくなり、そして次の3枚目へ・・・。  

このように水口からいきなり大きな田んぼに入れるのではなく、徐々に森の水をお日様の体温でくるむようにして下の大きな田に導き入れていくのです。

こうして初めて採れたお米をどんな気持ちで私たちの先祖が頂いたことでしょうか。日本人は米を余さず食べました。

初めに採れたお米は神様に捧げられました。秋祭りは田んぼの神様に捧げられる感謝の祭りでした。その時に人々は、土地の水と米で出来た酒をしたたかに飲み、歌い、舞ったのです。

これが日本人の祭りの原型です。お米は村の中で水と森を守って出来た共同体への贈り物でもあったからです。

家庭で炊き上がった米は、まず仏壇で見守る先祖に捧げられました。なぜなら、このお米は森の神と豊穣の神が与えてくれたもので、ご先祖の汗の賜物だからです。お米は個人のものではなく、時間の流れが与えてくれたものでもあるからです。

食べる前には手を合わせ、感謝し、食べ残すなどもっての他でした。これが日本の食育の原点です。

米の藁は、冬の農閑期に縄にしたり、堆肥に刻んで入れたりもしました。畑の株間に敷いたり、あますところなく使われました。

田んぼの粘土は陶器のようになめらかであり、床土からはいい陶土がとれました。これで陶器をひねり、稲藁や森の樹をくべて出来上がったのが益子焼や備前焼などの民窯です。

米は日本人の文化です。生身の日本人が生きてきた姿を映し出しています。日本の風景は農業が作りました。日本の文化は農業が作り上げました。

確かに商品穀物としてのコメはアメリカでもできるでしょう。

飛行機で種と農薬を撒いて、強制感慨をして砂漠を拡げながら作るがよろしい。そこには何の文化」もありません。工場と一緒です。

当然のこととして、そのようなアメリカの米は日本の自然を守りません。彼らがTPPで日本農業に参入できたのなら、ブルドーザーでまっ平らにして、巨大な一枚の水田にしてしまいたいのでしょう。

水資源を収奪し、遺伝子組み換え苗を植え、外国人労働者を使って6000円の米を作るのでしょうか。そしてそこで出来たアメリカ人の米を「日本米」の袋に入れて海外に安値で輸出するのでしょう。

これに歓声を上げるように日本人がなったなら、わが国は終わります。なぜなら、それは文化と魂を捨てたことに等しいからです。

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TPP」カテゴリの記事

コメント

見事な分かりやすい谷津田と里山の写真です。

日本の農村風景は数百年レベルで農民が開墾して守り作り上げたものです。
純粋に放置された自然ではなく、人の手が常に入ることで維持されてきました。
山を守ることは海の幸にも大きな関係があります。
もう20年も前ですが、現気仙沼市の唐桑半島などを走ってると「魚付き保安林」の看板があちこちに…。
「さかな付きの林?」と疑問に思いましたが、まだ科学的実証が無いながら「先人の知恵」です。
93年発売のブルーバックス「森が死んだら海も死ぬ」で、森からの栄養「フルボ酸鉄」について詳しく述べられて、北海道の局のドキュメント特番で分かりやすく説明されてました(ナレーションは島田陽子だった)
それまで、「磯焼け被害の拡大」は、不明ながら農薬多用説が大勢でしたが、一気に覆す画期的なものです。
今週放送されたNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀・牡蠣養殖の巨人」でも触れられていました。

スタジオジブリの宮崎駿監督の思想自体には、私はかなり疑問を感じるのですが…彼の「隣のトトロ」や「もののけ姫」についての里山と農村風景のインタビューには強く共感します。


下請けです。様。
映画「フォッグ・オブ・ウォー」とかの話でしょうか?
インタビュー中心の暴露映画で興味深かったのですが、私途中で寝ちゃった(汗)

投稿: 山形 | 2011年12月17日 (土) 08時38分

日本で最も降雨量が多いのは梅雨でなく台風シーズンの9月です。稲の収穫の10日前にやる落水は台風の被害の多い関東より以西では9月の中旬までにはやります。そうすると農水省のいう田圃の保水効果というのは肝心の時期に洪水防止には役に立たないのでは?
それとも台風の前には農家は地域を洪水から守るため田圃に再度、水が溜まるようにするのですか?

棚田が洪水防止になると言う人がいますが、人間が棚田を作る前には原生林であったと思います。1年中、生えている原生林のほうが棚田より保水力は優れてませんか?

農業は人の生活に必要ではありますが、本来自然の生態系を破壊するものだと私は教わりました。日本の田舎のどこの山の入り口にも昔からある祠やお宮は、「これ以上、奥に田畑を作るな、山の神様の祟りがあるぞ」という印だと祖父から聞きました。森を開いて田畑をつくると洪水という仕返しがあるという先人の戒めだそうです。管理人の話と矛盾しますが祖父の間違いでしょうか?

投稿: keiko | 2011年12月17日 (土) 14時38分

おっ、こっちに来たか。
相変わらず話題を変えて質問形式と独善だけか。しかも相変わらず無知の極み。
こんなことも近くに学ぶべき人物や仲間もおらず、少しは体感で知ることも経験して無いのか…可哀想なやつだな。
こんな書き込みするなら、ネットだけでも少しは調べられるだろうに。
また、台風と梅雨の違い、短時間降雨量だけで比較したり、地域や場所・地形でまるで違うことなど理解できないアホなことを露呈してるだけだよ。例えば雪って知ってるかい?


いや、これまで散々隠して来たつもりの無知さ加減を平然と晒すのもいとわない自爆テロか?

もしかして一川防衛大臣の昨日の会見にインスパイアされたか(笑)

お前さんに言ったろ。すでにただのオモチャなんだよ。

管理人さん、もういい加減に強制退場でいいんじゃないですかねえ。

全く何の意味も無いし、問い掛けには無視だし。
もっと遊んでやれというなら、ヒマだから相手してもいいですけど、これはただの荒らしですよ。
むしろこのkeikoが不憫になってきた。

よく3日も支離滅裂なままで頑張ったよ。
よかったら年齢くらい教えて欲しい。
少なくても、これまでのコメントからは未成年としか思えないから。

投稿: 山形 | 2011年12月17日 (土) 15時28分

管理人さんが説明するとは思いますが、
稲作は水深の調整をします。「深水管理」とか聞いたことがありますか?普段は水をはっていても満水じゃないです。大雨の時の田を見てください。かわいそうなくらい稲が水に浸かっていますから。

その手の戒めの祠やお宮はあるでしょう。しかし、その先を切り開くどころか、TPPで祠やお宮は人里離れた森林の中に埋もれてしまうでしょうね。伝統的に人出の入った里山と放置された森林の違いは、自分で勉強してください。

投稿: 南の島 | 2011年12月17日 (土) 15時43分

南の島さん、ご回答有難うございます。

私は農水省が宣伝する「田圃の保水効果に2兆円の経済価値がある」に疑問をもったからです。稲刈りのかなり前に田圃の水抜きをしますね。一旦、水抜きした後に大雨が降ればもう田に水は溜まらないでしょう?だから水抜きした後に台風がきたら保水の機能は果たせず、洪水防止にもならないのではという疑問をていしたのです。

「夏にはほたるが舞います」というのはこの写真の田に特有の事だから記述されたのでしょう?私は栃木県の田園地帯の出身ですが、周りに大きな田圃がいくつも有ります。死んだ祖父が「昭和40年頃までは田や川には蛍が沢山いたが、今は農薬を大量に使用するのでいない」と話してました。管理人さんは有機農業に戻れとおっしゃるのですか? 種モミの直播もやるな伝統文化に反すると仰りたいのですか。

投稿: keiko | 2011年12月17日 (土) 16時39分

管理人さん、はじめまして。いつも素晴らしい内容、ありがとうございます
本当は前回の記事に関するものですが、今日初めて見ましたので。

>keikoさん
>名目GDP 
日本    US$42,782. 世界 17位
シンガポール   43,116     15位
購買力平価GDP
日本    US$33,884     25位
シンガポール   56,694      3位

>日本は規制の多い閉鎖的経済であるから、競争が少なく、物価が高いため、購買力平価で計った実質の豊かさは(自由な解放経済で競争が激しい)シンガポールよりかなり低いといえます。

どうして? 1人当たりGDPは、平均所得だから、自由貿易、規制とは関係ない。購買力平均は一人当たりGDPに市場為替レートを加味するために、自国通貨をドル換算したもの。つまり、平均所得をドル換算したもの。そもそも、日本は自由貿易に関して、他の世界と比べても規制は多くない。ランキング上位に来ている他の国を見てみれば?
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_GDP_(PPP)_per_capita

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B7%8F%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88_(%E4%B8%80%E4%BA%BA%E5%BD%93%E3%82%8A%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E5%8A%9B%E5%B9%B3%E4%BE%A1)

日本よりも自由貿易に関して、「開かれていない」規制が多いヨーロッパの国が多いことに気づきませんか。

>物価が高いため、購買力平均が落ちる
 言っていることがムチャクチャです。購買力平均は一人当たりの平均所得です。だから、購買力平均が高い国は賃金が高い国です。そのため、ランキングでアメリカやヨーロッパの国が上位に来る(逆に、メキシコのような平均所得が低い国はNAFTAに加入していて「自由貿易」の度合いが高くても、低くなる)。賃金が高いということは、商品の値段が高くなる(物価が高い)。逆に物価が下がれば、賃金も下がってくる(今の日本のデフレ現象)。賃金が下がれば、購買力は落ちる。
 日本がTPPに参加すれば購買力平均も落ちます。工業製品の関税は高くないので、輸出が伸びるとしてもわずかで、逆に安い農産物が大量に入ってくる。農業や食品産業が低価格競争を始めるので、賃金圧縮に向かう。もちろん物価は安くなるかもしれない。でも、賃金が下がるので、購買力も下がります。
 ともかく、自由貿易、貿易規制と平均購買力は関係ありません(むしろ、今の日本の状況では、自由貿易が平均購買力を下げます。工業製品でも低価格競争をしなければならないので)。

 ただし、経済成長につながればTPPに賛成というわけではありません(管理人さんが「文化」の話をしているのも、そのためです。勝手に代弁していますが・・・)。

この件に反論したくても、ここではやらないでください(管理人さんのブログを汚したくないので)。経済の面からTPPに反対しているひとのところで勝手にやってください。でも、あなたの知識では、簡単に論破されます。

投稿: 偽ルクセンブルク人 | 2011年12月17日 (土) 20時20分

わが愛知県も、高度成長時代は、過剰な農薬散布もあり、ほたるどころか、かえるさえ、絶滅というか、居なくなりました。しかし、今は、ほとんどの田んぼは、減農薬で、米を作ってますし、コシヒカリもササニシキも、愛知の気候にあうBL米を使ってますので、本来のコシヒカリ、ササニシキとは、厳密には、別品種ですが、米袋の表示は、コシヒカリ、ササニシキとして、出荷しているようです。
各県の農業試験場で、開発したBL米は、その地域の米の病気に強いので、減農薬でも、大丈夫です。

また、河川の堰も、ほどほどの高さに、河川改良してますので、(河川をコンクリート壁でまっすぐにするのでなく、わざと、まがりくねった流れになり、水草が生えるように、土を入れている)ほたるの餌のカワニナも増え、もっとも問題になる家庭用の洗濯石鹸汚水も、昔の汚水のみの浄化槽から、生活雑排水を含む浄化槽の敷設が、義務ですので、浴槽排水、台所排水、洗濯排水が、浄化処理前に、河川に流入することが無くなったため、カワニナも生きていて、今は、6月の短期間ですが、昔の田舎並に、ほたるが乱舞してます。

http://www.rurubu.com/season/summer/hotaru/detail.aspx?SozaiNo=230002

農水省の言う2兆円の保水効果があるかどうかは、私には、解りませんが、漁業関係者が、中山間部の植林と、山の手入れに熱心になったのと、山林の不在地主の承諾を得て、現地の森林組合が、国の補助金をいただきながら、山林整備をしている場所は、河口付近の赤土や山砂の流出が減って、確実に、漁業資源は、増えているようです。

一応、三河湾は、あさりの産地でもあります。

私は、名古屋のど真ん中のビルだらけのところに住んでますが、やはり、田んぼは、宅地や道路より2尺以上低いので、保水効果は、あると思いますし、基本的に、ため池も含めて、灌漑用水の保水量や、知多半島に伸びる愛知用水の流量は、コントロールしていますし、オーバーフローした場合は、愛知用水も、バイパス通路が、ありますので、非常事態になれば、それらも、使います。田んぼの一時保水が無くなると、河川の水位上昇スピードが、ものすごく早くて、ダムの放流や、ため池の水位調整など、時間的に間に合いませんから、ある程度の田んぼは、必要だと思います。現実に、今年は、わずか2時間で、1級河川が、異常水位になり、名古屋で、109万人に、避難勧告や避難指示が出ましたし、実際、水没した地域は、最近まで、田んぼだったところを宅地造成した地域が、多かったです。

各田んぼで、用水の導入や水抜きをしなくても、大きなブロック単位で、灌漑用水は、管理されてますから、そこそこ、田んぼが、河川水位の調整には、役立っていると思えるのですが、田んぼが無くなった地域は、地下に巨大な雨水貯溜施設を作っていますが、まだ、充分ではありませんので、やはり、田んぼは、あった方が、良いように思えます。

面白いのは、ほたるの出る地域とトヨタ自動車とは、隣同士ですし、あさりの産地と、トヨタはじめ、各自動車の輸出港とは、隣同士だということです。1次産業と2次産業は、コミュニケーションをとれば、同居可能なんですね。

有機JASは、費用対効果が、合わないので、今のところ、減農薬が、多い気がしますし、完全有機には、多分、戻らないと思ってますけど。


私は、農家ではありませんから、具体的に、詳しい保水システムは、解りませんが、経験的に、山林、水田、ため池の整備が良いところほど、稲作農家さんには、気の毒ですが、宅地への浸水は、少ないように、感じています。

投稿: りぼん。 | 2011年12月17日 (土) 21時13分

購買力平均とは何のことですか?初めて聞きました。
私は購買力平価といってるのです。

A国のPer Capita GDPが名目US$10,000、購買力平価ではUS$9、000でB国のPer Capita GDPも名目US$10,000,購買力平価がUS$18,000とするとA国の平均物価はB国の2倍ということを意味します。ドル建ての一人当たりGDPはA,B国は同じですがB国の方が2倍豊かということです。

日本はシンガポールより物価が約6割高い計算になります。例外は自家用自動車で交通混雑をなくす為、極めて高い。

投稿: keiko | 2011年12月17日 (土) 21時35分

一言。
恐るべし自己中
他人の間違いは、鬼の首を取ったみたいに追求ですか?

投稿: 一宮崎人 | 2011年12月17日 (土) 22時23分

山形様へ

70年代のオイルショック、ニクソン政権の大豆禁輸について自分なりに調べた際に見つけた言葉です。
「フォッグ・オブ・ウォー」はレンタルで借りて見ました。アメリカという国の裏側は・・・・という気持ちになりましたけど。

投稿: 下請です | 2011年12月17日 (土) 22時39分

たしかに、購買力平価でした。

1人当たりGDPを購買力平価にすると、ヨーロッパの国(日本も)は順位が下がります。例えば、ノルウェーは2位から4位。それはおっしゃるとおり、物価が高いからです。でもルクセンブルクは2位です。


言いたいことは、購買力平価が高くなるのは、自由貿易の規制が少ないためでしょうか? ということです。
それなら、どうしてノルウェーやルクセンブルクのような国が高いのでしょうか(しかも物価がそれほど安いわけではないのに)?

そして、ヨーロッパの国々の物価を高くしているのは賃金が高いからでしょう。賃金が高いのは、さまざまな雇用保障、労働法規などの保護主義的な規制があるからかもしれません。規制をなくせば賃金は下がりますし、規制がなくても、新興国からの安い輸入品と低価格競争をしていれば、賃金は下がります。物価も下がりますが、賃金が下がるので購買力は増えないでしょう。

だいたい、シンガポールとだけ比べるのが「恣意的」です。日本より上位にある国すべてと比較して、傾向を見るべきです。例えば、アメリカは? 一般的なアメリカ人は日本人より豊かだと思いますか?購買力平価が必ずしも豊かさを反映しているわけじゃないんですよね(基準のひとつにはなりますけど)。


投稿: 偽ルクセンブルク人 | 2011年12月18日 (日) 00時14分

管理人さん、すみません。

もう少しつけ加えておきます。

アメリカと比べて見れば、購買力平価というものがよくわかります。1人当たりGDPでは、物価などの要素が入っていないので、より生活水準に近かたちで比較できるようにしたものが、購買力平価です(といっても、私は計算方法を知りません)。

日本やヨーロッパの国は、1人当たりGDPよりも購買力平価のほうが低くなります。それは、物価が高いため、そして賃金が高いためです(とくに、物価と関係があるのは、サービス業の賃金です。なぜなら、輸出入されるものは、為替レートによっておなじ「価値」に収束するので、それぞれの国の物価の「差」にはあまり影響しない。それに対して、輸出できないサービ業が、それぞれの国の物価の差により大きな影響を与える)。
しかし、アメリカは1人当たりGDPと購買力平価が同じぐらいです(4万ドル台)。
それは、日本とヨーロッパの場合と逆で、賃金が低いためです。サービス業の分野で、低賃金で働く移民が大量に流れ込んでいることと、雇用保障・社会保障が弱く、ヨーロッパよりも低賃金・低条件で働いているためです。
 そのためアメリカはヨーロッパや日本よりも購買力平価が高くなっている(しかも、自由貿易の国ですね)けど、それは豊かだといえるのでしょうか。

投稿: 偽ルクセンブルク人 | 2011年12月18日 (日) 00時47分

keikoさん。
管理人は有機農業の最前線の方です。だから少しは過去ログ読みなさい。
降水量?雪国なめすぎ。栃木県なら山間部なら結構なもんでしょうに。
積雪量は雨換算で10分の1になりますが、生活や農業・流通への影響は毎年甚大なのは常識ですよ。
ホタルの件の質問も、何故「特別な事例」と断じて自分のお爺様と比較するのか、全く要領を得ませんね。
オツムは大丈夫ですか(笑)まあ、聞く耳持たずに自分の言いたいことだけ喚くアスペルガーの方でしょうけど。


偽ルクセンブルク人さん。コメント内容は面白いし、1人当たりGDPでルクセンブルクがトップなのは存じておりましたが…その胡散臭さプンプンのHNは、なんとかなりませんでしょうか(苦笑)


下請けさん。
そうでしたか。なんか冷戦期のアメリカ覇権の裏側を見てるとねえ…。
だからって9・11テロや今年の震災陰謀説を唱える連中には、とても付いていけませんが…。

投稿: 山形 | 2011年12月18日 (日) 07時05分

近代農業が環境破壊的要素となる例を二点あげます。

長崎諫早湾の干拓で広大な農地が生まれましたが、川からの流れ込みが阻止され、有明海は死の海となりました。季節の風物詩であった美しい海苔いかだの風景も激減してます。

全国つづ浦々にあった美しい白砂青松の光景も海岸線の侵食で数少なくなりました。醜いテトラポットのみがやたらに目に付きます。海岸の松は天然のものではなく、防風、防災のため数百年に亘って日本人が大切に育てたものです。川の上流にコンクリートのダムを造ったため砂が河口に補給されなくなったのです。ダムには農業用灌漑用のものも多数あるのです。

TPPでアメリカが「巨大な一枚の水田」にすると管理人はおっしゃいますが、既に国内でも乾田直撒で稲作をやる大規模農家は増えてきてます。温暖化のせいもありますが北海道が米の一大産地になってるのも「巨大な一枚の水田」で高品質、低コストの稲作のおかげです。

管理人の理想とする農業はぼんやりとイメージ出来るし、意気込み、情熱も熱く伝わって来るのですが、日本の農業の大勢は管理人の理想と反対の方向を向いて効率、経済性を目指していると言わざるを得ません。どちらが良いかの二者選択の問題でなく、価値観の問題です。TPP賛成者に管理人の農業を強要するのでなく、広く消費者に訴えて、管理人の賛同者を集め、高くとも受け入れてくれる消費者を探すのが最善の策と思います。

投稿: keiko | 2011年12月18日 (日) 08時03分

私の実家は栃木の田舎ですが、周りの専業農家の一所帯当たり年間収入は殆ど1000万円を超えます。兼業農家は少ないですが、地元志向である為、転勤のない役所職員、教師が多く公務員ですから、収入も民間より恵まれてます。みんなの党の渡辺党首の地元でもあります。渡辺氏はTPP賛成を公言してますが、農家にも絶大な支持を得てます。

一方、私の住む東京では20代の若者の3割は非正規雇用者で年間所得は200万にも満ちません。この不幸な若者は多分、一生この収入で終わり、結婚も出来ず、年金ももらえないでしょう。貧乏な若者が払った税金が豊かな農家の支援に充てられる事に私は義憤を感じるのです。TPP加入で何時もカップラーメンを食べてる若者に、せめて安い牛丼を食べさせたいというのが私の願いなのです。

訂正 二者選択  二者択一

投稿: keiko | 2011年12月18日 (日) 08時29分

TPPで、本当に正規雇用や獲得年収、低所得の若者が減ると思えないのですが?
輸入労働力の増加は、日本の最低賃金も押し下げてしまうのではにでしょうか?
自由貿易そのものは否定しませんが、TPPを結べばバラ色の未来が約束されているとは思えません。

経済の全くの素人ですが、輸出で利益を上げたいのなら、そして今の行き過ぎた円高を是正するには、円の価値を下げるのが一番早いのではないでしょうか?
日銀引き受けで、国債を発効すれば、市場には円が溢れ、一発で円の価値は下がります。経済もインフレに傾くでしょう。復興にお金が要るのなら、それが一番手っとり早い気がするのですが?
日銀が、バブルに懲りて、あつものに懲りて吸い物をふくと言われている今の状況を変える方が、余程経済の回復につながる気がします。

投稿: 一宮崎人 | 2011年12月18日 (日) 12時05分

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