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2012年1月

経団連会長の異常な愛情。またはなぜ原発を心配するのを止めて東電を愛するようになったか

022

昨日、「経済界総理」・経団連会長にして、住友化学会長である米倉弘昌氏の言動を調べていたところ芋づる式にいろいろなことが出てきました。 

2010年10月、ちょうど福島第1原発事故の5か月前に、住友化学と東京電力、そして福島第1原発原子炉の設計会社であるGEの子会社GEヘルスケアの3社が合弁で、「日本メジフィジックス」社という非上場の会社を立ち上げています。 

この合弁企業の設立目的は、体内セシウウム除去剤「ラディオガルダーゼ」の製造販売です。薬品自体は10年11月に認可を受けています。 

この「ラジオガルダーゼ」はドイツの「ハイル」社で開発されたもので、全米に配布・備蓄されている、とされています。 

国際的には、米国において Strategic National Stockpile の制度に基づき国家備蓄が開始されているほか、世界保健機関(WHO) においても Essential Medicine の一つとして備蓄推奨のリストに上げられるなど、標準的な放射性セシウム体内除去剤として位置付けられています。」(同社プレスリリース 欄外参照) 

三者合弁で、いかにもいかにもというメンツで構成されている合弁企業です。(欄外参照) 

日本に政治的な圧力をかけてまで欠陥原発Mark.1を導入させたGE、、そしてそのボロ原発を耐用年数を超えて酷使し大事故を引き起こした東京電力の社長にして経団連副会長(当時)の清水正孝氏。 

そして、経済界の不評を尻目に、企業向け電気料金値上げ容認を叫び、その上家庭用電気料金値上げまでを自ら求める経団連会長・米倉弘昌氏。 

米倉経団連会長はこう言い放ちます。
原発を再稼働をしないとコスト高は防げない」と強調。「企業だけにしわ寄せをするのではなく、民生についても幾分上げてもらいたい」と語り、家庭用の電気料金の値上げも必要との考えを示した。」(ブルームバーグ 12月22日))
 

この米倉氏の東京電力擁護、いや護持とまで言える過剰な東電支援の発言は際立っていました。 

事故当初より、事実関係が明らかになる前から東電擁護発言を繰り返し、事故補償に対しては国の全額負担を要求してきました。(欄外参照) 

これらの言動は、単なる財界のトップとしての社会的立場をわきまえた発言を超えた余りに非常識な東電擁護論として、各方面から顰蹙を買ったものでした。

米倉氏の発言で一貫しているのは、被曝した被災地に対してのひとこともなく、原因究明を求める客観性もなく、ただひたすらに東京電力擁護を繰り返し、その限りにおいて政府方針を批判し続けたことでした。 

東電にすべての責任があるとしたい菅前首相と、政府に責任があるとする米倉会長の場外乱闘まで起きたのですから、なんともかともです。

片や自らの事故処理の指揮は正しい、原因は東電にのみあるとする前首相と、一方東電に一切の罪はない、すべてを国が補償せよ、という経団連会長が事故処理を難しくさせたことだけは確かでしょう

私はこのような米倉氏の言動を見るにつけ、「財界トップというのは、国民感情を逆撫でしてまでかくも傘下企業を擁護するものなのか」、とやや呆れた気がしたことを覚えています。 

東電清水社長が女房役の経団連副会長であるとしても、あまりに偏ったスタンスには、なにか妄執すら感じたものです。 

これには裏がありました。事故の数年前から住友化学は大きなプロジェクトを開始していました。 

ひとつが、前回に取り上げたモンサント社とグローバルパートナーシップを結んで、GMO(遺伝子組み替え)種子と除草剤を売りまくるというのが一点めです。 

モンサント社は、今までの主力製品体系だった「ランドアップレディ」の主成分グリホサートの特許期限切れに伴い、その差別化戦略を住友化学の除草剤「セレクト」とのタイアップである「ランドアップレディ・プラス」にシフトしようと考えました。 

住友化学にとってこのモンサント社-カーギル連合との大型提携により、既存の北米、インド、中南米を商圏に食い込める絶好のチャンスを得たわけです。 

北米市場という最大市場のモンサント社のシェァは実に9割近くにも達します。しかも労せずしてモンサント社の種子とセットで販売できるのですから、こんなうまみのある話はないでしょう。 

そしてこのモンサント社-住友化学の提携には、間違いなく裏協定が付属していました。 

それが、かねてからモンサント社が鵜の目鷹の目で狙っていて果たせなかった日本市場への遺伝子組み替え種子の参入です。 

その手段としての最終兵器・TPPです。 

モンサント社があまたある除草剤メーカーから住友化成を選んだのは、米倉会長が「経済界総理」だったからもあったでしょう。ないと考える方が不自然です。 

そしてモンサント社はTPPの旗を米倉会長に手渡して、「経済界の意思」としてTPP推進」をぶち上げさせたわけです。 

まったく悪い時期に、悪い人物が経済界と政界の最高責任者として座っていたものです。 

そしてもう一点は、GEの子会社GEヘルスケアが持ち込んだ放射能除去薬品「ラディオガルダーゼ」剤の製造販売です。 

ここで住友化学が東電を引き込んだ理由は、東電を介して原発立地自治体にこの薬品を常備・備蓄させることを狙ったものだと思われます。

電気事業界最大手の東京電力艱難の原発立地地域での導入が進めば、次は中部、そして関西、九州などへと商圏を拡大していくことでしょう。 

とうぜんのこととして東電はまったく懐が痛まない、全額国の税金を使ったボロイ商売です。 

最大の不安要因たるな原発を作っておきながら、それに毎年巨額な国費を原発立地交付金として投入させ、あまつさえ事故時のための緊急備蓄薬品として自分の会社の薬剤を国に買わせる・・まぁなんともすごい商魂です。 

まさにマッチポンプです。右手で火をつけ、火事だ!」と叫びながら左手で消す、というわけです。 

原発が事故を起こさなくとも備蓄で儲け、いったん事故ともなればその後始末でまた儲ける、たいしたものです。 

これで経団連米倉会長の東京電力と原発への「異常な愛情」がお分かりになったと思います。

 

■写真 雪のレンコン田んぼの早朝。雪を払いながら掘り出しています。壮絶です。

本日のタイトルは私が好きなスタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情。またはなぜ心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」をパロっています。つまらんパロりですいません(笑)。

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日本メジフィジックス株式会社の事業内容
http://www.jikurepo.com/company/r624210031
「放射性医薬品」の研究・開発・製造・販売を行い、国内シェアNo1を誇る製薬会社

会社概要・役員紹介
http://www.nmp.co.jp/company/about/index3.html
日本メジフィジックス
      非上場
出資比率 
      住友化学株式会社 50%
      GEヘルスケア 50%
取引銀行
      株式会社三井住友銀行
      住友信託銀行株式会社

■ 日本経済団体連合会
会長  米倉弘昌 住友化学会長 
副会長 清水正孝 東京電力社長
 

■東電の電気料金値上げ、家庭用も求める 米倉経団連会長 

米倉弘昌経団連会長は22日、経団連会館で記者会見し、東京電力が来年4月から事業者向けの電気料金の値上げを表明したことについて「燃料コストの高い火力発電に電力の安定供給を頼っている今の段階ではやむを得ない」と述べ、値上げを容認する姿勢を示した。  

 そのうえで「原発を再稼働をしないとコスト高は防げない」と強調。「企業だけにしわ寄せをするのではなく、民生についても幾分上げてもらいたい」と語り、家庭用の電気料金の値上げも必要との考えを示した。 

 電気料金値上げで空洞化が加速するとの見方については、今回の約20%の値上げで平均3円の値上げになるとの試算を示し「そのくらいならまだ我慢できる」と表明。「国内の生産拠点を守りながら海外進出をするためにも電力の安定供給は大事だ」とした。
(産経1月22日)
 

日本初の放射性セシウム体内除去剤が認可(10年11月4日) 

2010年11月4日
日本メジフィジックス株式会社
放射性セシウム体内除去剤「ラディオガルダーゼ®カプセル500mg」承認取得のお知らせ
〜体内汚染の軽減を効能・効果とする国際的標準薬剤の国内初導入〜

本剤は、開発者であり、また諸外国において製造供給実績のあるドイツのハイル(Heyl)社との提携により、弊社がわが国において本剤を輸入販売するもので、販売体制が整い次第発売する予定です。

 放射性セシウムは、原子力関連施設における廃棄物などに含まれているために、災害時において被ばく原因となるリスクがあります。また、医療用(癌治療の放射性線源)や工業用(滅菌や測定)などに広範に使用されている放射性同位元素のひとつです。

 

放射性セシウムによる被ばくが発生した場合の体内汚染軽減のためには、出来るだけ短時間の内に本剤を経口投与することが望ましいことから、今後、国内各地域の緊急被ばく医療対応機関、災害拠点病院等での備蓄の推進が期待されます。

 本剤は、国際的には、米国において Strategic National Stockpile の制度に基づき国家備蓄が開始されているほか、世界保健機関(WHO) においても Essential Medicine の一つとして備蓄推奨のリストに上げられるなど、標準的な放射性セシウム体内除去剤として位置付けられています。(太字引用者)
 

■体内セシウム除去剤「ラディオガルターゼ」製造承認認可(10年10月27日) 

{日本メジフィジックス株式会社(本社:東京都江東区 代表取締役社長:三上信可)は、放射性セシウム(137Csなど)による体内汚染の軽減を効能・効果とする医薬品「ラディオガルダーゼ®カプセル500mg」(以下、「本剤」)について、10月27日付で製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。  

米倉経団連会長:東電の企業向け電力料金値上げは「やむを得ない」     

12月22日(ブルームバーグ) 

日本経団連の米倉弘昌会長は22日、東京電力が企業向け電力料金を来年4月から引き上げると発表したことについて、記者団に対し「今の段階ではやむを得ない」と述べた。

   米倉会長は「民生料金も上げてもらって国民全体で支えていくことが必要だ」とし、電力供給システムを全体で支えていく必要性を指摘した。 

経団連会長、政府の対応を痛烈批判 東電の賠償問題で 

jjcastニュース 011/4/27 14:30      

 日本経団連の米倉弘昌会長は2011年4月26日の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所の損害賠償問題をめぐる政府の対応について「責任をもって賠償しますと言うべきだ。腰が引けている」などと、痛烈に批判した。 

   原子力損害賠償法(原賠法)が定めた「異常に巨大な天災地変」の場合の免責規定を適用すべきとの考えを示したうえで、補償に関しては「原賠法を行政が曲げて解釈することは言語道断だ。法治国家にもとる行為で許されない」と指摘。国が責任を負うべきだと強調した。

 

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住友化学会長・経団連会長・米倉氏のグローバルな企みとは

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先日の自民党大会で、経団連の米倉昌弘会長が「TPP推進」とぶち上げたところ、手厳しい罵倒のヤジを受けました。 

ヤジを最初に発したのは山田たかお氏だったことが、当人のカミングアウトによってわかっています。 (欄外参照)

さて、その米倉会長ですが、ご承知のように財閥系としては初めて「財界総理」となった男です。出身は住友化学です。 

氏が率いる経団連は、TPP、増税推進、東電擁護路線で民主党政権と二人三脚を演じています。この方針については、財界内部でも異論が相当にあるようです。 

それはさておき、この「財界総理」率いる住友化学が2年前からめだった動きをふたつしています。

ひとつは、10年10月に、米国モンサント社と遺伝子組み替え製品において強い提携関係に入ったことです。 

そしてもうひとつは同じく10年11月に、米国GEと東電と共同で、「日本メジフィジックス株式会社」というセシウム除去剤の合弁会社を立ち上げました 

この日本メジフィジックス社は、会長に住友化成の米倉氏、副会長に当時東電社長だった清水氏という大変に分かりやすい布陣です 

まず、モンサント社との大型提携ですが、この提携は大きな柱があります。 

まず、住友化学が保有していた除草剤製品「セレクト」を、モンサントUSAの「ランドアップレディ・システム」の中に組み込んだ新体系の「ランドアップレディ・プラス」を作るとしています。 

「雑草防除体系である ‘Roundup Ready system’ を農業分野に対して従来から推奨しておりましたが、 2011年以降は米国内において、住友化学・ベーラントUSAの除草剤ラインナップを 雑草防除体系に組み込み’Roundup Ready Plus’として推奨することとなります。」(提携公表文 欄外参照) 

除草剤ランドアップは、この製品にだけに除草剤耐性を持つ遺伝子組み替え種子(GMO) 「ランドアップ・レディ」をセットで販売しています。 

セットでということは、モンサント社のGMO種子を使わなければ、ランドアップ除草剤耐性や害虫耐性が効かないということです。 

このセット販売により、GMO種子は短期間で米国穀物生産を制圧してしまいました。いまやGMOフリーは極小派にすぎません。 

そして遺伝子組み替え技術により、モンサント社の2005年の売上高62億ドルがわずか3年後の2008年には倍の110億ドルに達しました。

また、モンサント社のGMO種子は巨大アグリビジネスのカーギルと組むことで国際シェアの実に90%を締めるモンスター企業となりました。

まさにモンサント社にとって、ベトナム戦争での人類史上に刻まれる悪行のひとつである枯葉剤4800万リットルにも負けないえぐい商売だったことでしょう。(欄外参照) 

しかしこのモンスター企業にも悩みがありました。それは主力商品のであるランドアップの主成分であるグリホサートの特許有効期限が切れてしまっていることでした。 

つまり、モンサント社はGMO種子は独占できても、もう片手のランドアップは別の会社の製品でもいいことになってしまうのです。

特許期限切れで安い追随商品がゴマンと出てきます。それに押されて、「ランドアップは高くて使えない。安い別なやつでもランドアップレディには有効だそうだ」という声が強くなってきてしまったわけです。 

これに困ったモンサント社が打った手のひとつが、米国市場でそれなりの規模をもつ「住友化学・ベンラートUSA」の除草剤製品である「セレクト」に対応する遺伝子組み替え種子の「ランドアップレディ・プラス」を作ることでした。

そして同時に、住友化学とは米国市場のみならず世界市場でも提携関係を作るとしています。

住友化学とモンサント社は、さらに、ブラジル、アルゼンチンなど南米各国での 協力関係構築に向けても協議を進めることに合意しています」(同上 )

近年世界有数の綿花生産国のインドにも進出し、今や世界でこのモンサント世界制覇に待ったをかけているのはEUと日本などの孤塁を残すのみとなっています。

このGMO種子の世界支配が完了すれば(事実そうなりかかっているわけですが)、種子と農薬という農業の必須資材はモンサント社とカーギルによって事実上握られることになってしまいます。

これが日本農業のみならず、世界農業にどのような結果をもたらすのか、い考えるまでもないことです。わずか一社、ないしはそれと強い提携関係にある数社が世界農業を裏で支配するのです。

このモンサント社と手を握った数社のうちのひとつが住友化学です。住友化学が描いている戦略は、モンサント社やカーギルと手を握って世界の農業市場支配の一翼を担うことによる膨大なシェアの独占です。

そのためにGMO種子を「頑迷に」拒んでいるわが国を、「TPPは平成の開国」などいう虚ろな掛け声でこじ開ける必要があります。

まさに国を売る所業と言えます。わが国の農業を国際競争力がないと不当に貶め、TPPでGMO導入の道を拓き、そして合わせて財界型農業改革を断行する、これが米倉経団連会長・住友化学会長の戦略です。

TPPで利益を上げることができる経済分野はわが国のごく一部にすぎません。

よくTPPがらみで引き合いに出される自動車産業は今や7割弱が現地生産ですし、家電製品などの対米輸出は対GDP比率で微々たるものです。

アパレルなどはとっくに外国生産が完了しています。流通も再度ウォールマートに上がってこられて安値競争が激化することを望んでいません。

このように、むしろ経団連傘下の企業の多くはTPPには消極的だと思われます。

しかし、唯一例外的にTPPを絶対にやらねばならない一握りの企業がありました。それが米倉会長の住友化学です。

モンサント社やカーギルのグローバルパートナーとなった住友化学に「母国」はありません。その母国がない社の会長が経済界総理とは一体どうしたことでしょうか。

■写真 雪の朝の連作です。雪などもう見たくないやという地方の皆様にはもうしわけないのですが、関東の人間にとっては新鮮です。

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経団連会長ヤジ事件

山田議員によればこう言ったそうです。
「私は、「米倉会長、何をおっしゃっているのですか、TPO(時と場所と場合)をわきまえて下さいよ」と申し上げました。」
(山田としおメールマガジン)
 

いや、まったく結構です。パチパチ。私でしたら、「お前のそのガンモドキ面を、豆腐の角にぶつけてしまえ!」くらい言いますからね。 

TPP護衛艦隊と化した大手媒体は、「来賓に失礼な」的な報道をしていましたが、唯一わが日本農業新聞だけは、「ざぶとん一枚」というトーンで報道していましたっけね。 

山田議員以外にもかなりの数の議員が山田議員に続いたようで、これで自民党も「財界の狗」から、やっと「闘う野党」らしくなってきました(笑)。 

結構なことです。今の野田民主党と谷垣自民党には政策上の違いはゼロですから。これでは有権者はどちらに入れるか鉛筆を倒して決めるしかなくなります。  

<農作物保護(雑草防除)分野におけるモンサント社との長期的協力関係について
2010年10月20日
住友化学株式会社>

住友化学、および同社の米国での農薬開発・販売子会社であるベーラントUSA社は、 このほど、米国の大手種子・バイオ・化学メーカーであるモンサント社との間で、 農作物保護(雑草防除)分野における長期的な協力関係の構築について合意し、 契約を締結いたしました。

本件は、モンサント社の本社があるミズーリ州セントルイスにおいて、 現地時間の10月19日(火)9時(日本時間:19日23時)に、3社の連名による添付文書の内容を発表しております。
モンサント社は世界的な除草剤ブランドである ’Roundup®’ と、 同剤への耐性を付与したさまざまな遺伝子組み換え作物である ‘Roundup Ready’ の種子を組み合わせた効果的、 経済的かつ簡便な雑草防除体系である ‘Roundup Ready system’ を農業分野に対して従来から推奨しておりましたが、 2011年以降は米国内において、住友化学・ベーラントUSAの除草剤ラインナップを 雑草防除体系に組み込み’Roundup Ready Plus’として推奨することとなります。

具体的には、大豆、綿、テンサイを栽培する農家がこの雑草防除体系で推奨される種子と 除草剤(住友化学の製品を含む)の使用を選択した場合、 農家に対してモンサント社から様々な製品サポートが提供されます。

今回の協力関係構築によって、住友化学のフルミオキサジン(Flumioxazin)を 有効成分に含む除草剤であるValor®SX、Valor XLT、Gangster®、Fierce™、 およびクレトジムlethodim)を有効成分とするSelect®といった一連の製品群は、 モンサント社の雑草防除体系に長期的に組み込まれ、 ’Roundup®’ の有効成分であるグリホサートGlyphosate)に対する抵抗性を持った 雑草の防除を含む様々な雑草問題への農家の要請に応えることができるようになります

住友化学では、これまでグリホサートに対する抵抗性を有する雑草への対策に有効な除草剤の開発と販売を進め、 子会社のベーラントUSAを通じて米国で高い使用実績を獲得しておりますが、 今回の提携により当社の農薬ビジネスが米国内において更なる発展をとげることを大いに期待しております。

 また、住友化学とモンサント社は、さらに、ブラジル、アルゼンチンなど南米各国での 協力関係構築に向けても協議を進めることに合意しています。
以 上
*添付資料 3社連名リリース(英文)
‘ MONSANTO, SUMITOMO CHEMICAL AND VALENT ANNOUNCE LONG-TERM
ゴチック引用者
 

YouTube 遺伝子組み換えとモンサント
http://www.youtube.com/watch?v=groT_MLZFB8&feature=related 

ベトナム戦争枯葉剤
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%AF%E8%91%89%E5%89%A4 

枯葉剤製造メーカー
ダウ・ケミカル(Dow Chemical)
モンサント(Dow Chemical)
Valero Energy Corporation  

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日本農学会の放射能被害についての見解

003
日本農学会という農業関係学会の横断組織が震災と放射能被害についてワーキング・チームを作りました。

その報告書から引用します。私がこの10カ月間訴え続けてきたこととまったく同じことを日本農学会も指摘しています。

東日本大震災からの農林水産業の復興に向けて ― 被害の認識と理解、復興へのテクニカル リコメンデーション

以下引用

「放射能汚染を受けた地域の農業関係者に共通するのは、風評被害に対する恐怖である。それが、極端にいえば、「村に一切の放射能がない状態への復元」という実現不可能な除染を望む声を生み、結果的に除染が一向にすすまない状況を生んでいる場合さえある。」

「 消費者が、事故発生時点の「何が起こったか分からない」という状況で、事故地周辺の農産物を避けたのは正当なリスク回避の一つであったともいえよう。

しかし、現在、放射性物質による汚染がほぼ正確に理解され、出荷、流通段階での検査等で安全性が確認された状況で、同じことをするのは公正な市場を損ねることになりかねない。」

「残念ながら、ときに、他地域の地方自治体と住民までが「風評加害者」となり、放射能汚染は、差別のような日本人の心の汚染にまで広がっているという指摘さえある。」

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「脱原発」は、さまざまな立場、考えを許容して進められるべきだ

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昨日経済産業省の前でテント村を作って脱原発を訴えている福島の女性の訴えを転載しました。 

昨日の5時の時点までに枝野大臣は警察を使って撤去する方針を固めたとの報を聞いて、私も福島県支援に取り組むひとりとしてできることをしようと考えました。
http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-727b.html 

私は福島県の復興をめざす県民の動きを原則として等しく支援します。 

訴える内容が必ずしも私の考えと異なる場合においても、立場が異なるのはとうぜんのことである以上、厳密に細部に渡っての意見の一致は不必要であると思っています。 

たとえば、私は福島県内の原発は二度と稼働させることはありえないと思っています。現在生き残っている福島第2、女川原発も封印され、廃炉に付すべきだと思っています。 

また福島の農業者が今年のコメの作付けを多くの障害を乗り越えながらすることに対して強く応援のエールを送ります。 

実を言うと、今私が上げたわずか2ツのことだけでも、いわゆる「脱原発」運動を進める人たちの中で意見が割れるでしょう。 

低線量被曝を拒否する人々の中には、後者の福島農業者の作付け行為を「テロ行為」、あるいは「市民社会に対する戦争」(早川由紀夫氏の発言)とすら呼ぶ人が絶えないからです。 

低線量の脅威に対する恐怖はありえることです。特に福島県の子育てをしている女性たちにそれが強いのはあまりにも当然なことです。 

問題は、ある者を名指しで「テロリスト」呼ばわりする偏狭な精神です。福島の農民というもっとも支援を受けるべき人たちを攻撃して恥じない心です。 

「脱原発」は、さまざまな立場、考えを許容して進められるべきです。

その中には、復興が終了するまで電力供給確保のために原発は止めてはならないという人がいてもいいし、いや即時全機停止すべきだという人がいてもいいのです。 

今の「脱原発」運動で危惧されるのは、もっとも急進的な主張のみが正しく、それ以外は間違っているかのようなことを言う人が見受けられることです。 

原発の即時全面停止以外の選択しかないとか、食品はゼロリスクで規制値を作れ、などという主張だけで「脱原発」運動を進めるのならば必ず失敗します。 

「脱原発」運動は多くの異なった立場、違った主張が渾然一体となって、語り合いながらされるべきです。「反原発」から「減原発」までいるほうが自然ではありませんか。

私が「脱原発」3原則を作るとすればこんなことになるでしょうか。

第1条・・・・敵は放射能のみ。国民の内部に「敵」を作らない
第2条・・・「反原発」から「減原発」まで広い立場を受け入れる。
第3条・・・「脱原発」と復興はひとつ

しかし今「脱原発」運動の一部にあからさまな排除と選別の論理を持ち込む人たちのグループが生まれています。http://twitter.com/#!/toled/status/78816766612094976

これは「脱原発」の名を借りた政治運動としか思えません。私はこのような人たちが増えることを強く危惧します。

「脱原発」運動は、大都市の人たちのみの運動であるべきではありません。もっとも被害を受けて今も苦しみ続けている福島の住民、農業者、漁業者の復興再生と同時に語られるべきです。

「脱原発」運動は、ただの異議申し立ての反権力であるべきではなく、地域に根ざした自然エネルギーのあり方や、地域農業、漁業の復興と一緒に考えられるべきだと思います。

■写真 早朝の霧氷。欅が全身に作夜の雪を氷化させて輝いています。

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福島の母親たちの経済産業省への緊急行動に対しての応援をしよう!

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福島の母親たちの経済産業省への緊急行動に対して、枝野大臣は恥知らずにも、排除命令を出したようです。

以下彼女たちの緊急メールを転送します。これには枝野大臣への抗議メールが付属しております。
http://www.avaaz.org/jp/stand_with_fukushima_mothers/?tta

以下、「経産省前テントひろば」のメールを転載します。寒空でがんばっている彼女たちに緊急の支援をお願いします。

                                                 濱田

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

日本全国の友人たちへ

いま、恐ろしいことが起きつつあります。福島のお母さんたちは、子供たちのために、放射能汚染のない未来を築くことを求めて、経済産業省前で平和的なキャンペーンを行っています。そのお母さんたちに対して、枝野幸男・経済産業大臣が退去命令を出しました。警察がお母さんたちのテントを撤去しにやってくるまで、あと数時間しかありません。警察を止められるかどうかは、私たちの今の行動にかかっています!

枝野大臣は、影響力ある原子力産業の圧力に負けつつあります。原子力産業は、福島のお母さんたちの闘いが社会の注目を集め、その真摯な努力が実り始めていることに脅威を感じています。今、全国で多くの国民が、お母さんたちの闘いに呼応して、危険な原子力発電をやめるように、声を上げ始めています。この勇気あるお母さんたちが警察によって立ち退かされないように、私たちが今、みんなで支援をしなければ、子供たちの命を守る闘いはつぶされてしまいます。

残された時間は半日だけです!今すぐ、枝野大臣の受信箱に何千通のメッセージを送り、退去命令の撤回を要請しましょう。枝野大臣をはじめとする政治家たちにとっても、人命や安全が大事か、それとも目先の利益に固執するのか、選択の時が来ています。いま、福島のお母さんたち、そして脱原発に取り組む活動家たちとともに立ち上がり、原子力産業の汚いやり口を終わらせるために、クリックしてください。そして、このメッセージをすべての人に伝えてください。


http://www.avaaz.org/jp/stand_with_fukushima_mothers/?tta

日本では、驚くべきことが今起きています。福島での大事故から数ヶ月、原子力が安全でもクリーンでもないという事実に、国民が気づき始めました。メディアでも、数多くの活動家たちの努力が取り上げられ、放射能汚染が危険なレベルに達していること、また、それが日本の未来にとって何を意味するのかということが、極めて身近な問題として取り上げられ、多くの国民がこの事態に懸念を抱くようになっています。

原子力産業に対する、国民からのこの圧力は功を奏しています。今、日本国内で稼動している原子炉は4基のみで、4月末までには、この数がゼロになるかもしれません。強力な原子力産業は、この事態に脅威を感じ、全力で延命策を講じています。福島のお母さんたちによる経済産業省前の座り込みが長引くほど、国民の支持はお母さんたちの方に傾くことを知っているからです。そこで、原子力産業は全力で政府内の支持者に働きかけて、抗議行動を終わらせ、見せかけの平穏を取り戻そうとしています。しかし、私たちはもう後戻りできません。

今日、経済産業省の係官と警察が、抗議行動を行っているお母さんたちを力づくで排除する可能性があります。警察官たちは、退去しなければ、懲役刑や罰金刑になると脅迫を加えるでしょう。でも、お母さんたちは、平和的に、合法的に座り込んでいるのです。私たちは、日本国民、また、日本に住む市民として団結し、政府が、原子力関連の利権団体が主催する晩餐会における乾杯の音頭にではなく、国民の声にこそ耳を傾けるように、要求しましょう。私たちが今日とる行動が、主権者である国民の、異議申し立てを行う権利を守り、私たち全員の安全な未来を築くために闘っているお母さんたちと活動家たちを支え、その決意をさらに強めることにつながります。あと数時間しかありません。メッセージを今送信し、�! ��れを��べての人に転送してください。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

先日来、野犬の襲撃との攻防を続けて寝不足気味です。

棒を用意して、毎晩野犬のヤローを待っているのですが、ふとした隙を狙われて少しですが、またやられました。

かくてはならじと、昨夜は不寝番をしたのですが、うたた寝をしたかも・・・うむ、不覚じゃった。まだ甘いのう、わしも。

まぁ、とりあえず早朝見回りでは無事なようで一安心。

というモーロー状態で、「愚者は歴史に学ばず第2回」を書き終えたところ、一瞬でなぜか消滅。左手がなにかのキイに触れたようです。いつもは保存しながらかくのに、今日に限って・・・(号泣)!

グラフ2ツ入りという記事の復元はちょっと無理。というわけで、すいません今日はお休みです。ご勘弁を。

お断り 第1稿が消滅した後の顛末で終わるつもりでしたが、福島の母親の緊急応援要請が飛び込んだために急遽それをアップいたしました。

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愚者は歴史に学ばず・1997年消費税増税の悲劇を忘れたのか!

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今、民主と自民が「奇妙な戦争」をしていきます。 

野田首相は、一昨日の所信表明演説でも「国民に対する政治の責任」として、消費税増税に関しての与野党協議を改めて強調しましたが、これにはわけがあります。 

ひとつは国会審議入りの前に、自民と大筋で消費税増税を決めてしまいたいとする民主党と、それはできないと拒否する自民党が、実は消費税増税で党の執行部は意見は一致しているからです。 

自民党は民主党政権の消費税増税案に対して心底反対ではなく、「マニフェストになかったのをやるのはおかしい」という揚げ足を取っているにすぎません。 

私にはマニュフエストなどをしんじている国民はただのひとりもいないのですから、どうでもいいことです。まぁ、謝罪のひとことくらいはあってしかるべきでしょうが、本質ではありません。 

つまり、消費税増税で根本は一致している与野党が、政局で「奇妙な戦争」をしているにすぎません。醜態と言っていいでしょう。

さて愚者は歴史に学ばないと言うそうですが、日本はほんの15年前の1997年に消費税増税をした経験があります。覚えていらっしゃると思いますが、橋本龍太郎政権時の消費税を3%から5%にした増税でした。 

この直後から日本社会がどのようになったのかが下図です。

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消費税増税の翌年の98年にご注目ください。自殺者が急増します。97年には年間約2万4千人だったものが、翌年には約3万3千人にと、なんと1万人増加します。

覚えておいて下さい。消費税増税した翌年に日本は世界有数の自殺者を出す国になったのです。この分水嶺とでもいうべき3万人を突破したのがこの98年です。

更に追い打ちをかけるようにこの98年から本格的なデフレが口を開けて国民を待っていました。今に続く長いデフレのトンネルの入り口です。

賃金はジリジリと下がり始めました。インフレのように激しい激減はないのですが、「将来に明るさ見えない」というデフレに典型的な閉塞感が社会に生じます。

そして、それは失業率にも現れてきました。失業率は98年を境にぐんぐん高まっていきます。これが消費税増税の与えた社会的な効果でした。

つまり日本は消費税増税の翌年の98年から、「自殺者が多く、失業率が高く、賃金が上がらない国」にずり落ちていったのです。

そして未だ橋本政権の歴史的な失敗から始まったデフレ地獄からわが国は立ち直っていません。

大震災、放射能災害、そして出口の見えないデフレ地獄、このような時期にあえて消費税増税をすれば、97年の橋本政権に増す災厄を日本に与えることでしょう。

「財政再建」も「社会保障と税の一体改革」とやらも必要なことかもしれません。私は賛成でも反対でもありません。

しかし、それが「今」ではないことだけは確かです。もしどうしてもやりたいのなら増税法案に「デフレ脱却後に発効する」と、「食品・燃料などの生活必需品と医薬品を除く」の一項を入れるべきです。

これではまた自殺者と失業者が激増するのは火を見るより明らかです。日本は歴史に学ぶべきです。

■写真 垂れ込める暗雲。遠くの空にはほのかに光が。しかしこれは沈みゆく夕陽なのですねぇ。

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原発事故政府対策本部2つの議事録がすべて消滅!ありえない情報隠蔽だ

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また野犬に侵入されました。 

昨年、震災、放射能と立て続けにパンチを食らっところに、今度は野犬の群に鶏舎に入られて200羽も殺され、それからも防備を固めてはやられ、また固めてはやられの連続でした。 

そしてまた今朝。地上から1m70㎝はあろうかという高い場所から入られました。どうやってそこまで野犬の身体が届いたのか皆目わかりません。 

しかし、現に大穴を開けられているのですから、なんともかとも。異変を感じて私が駆けつけたからいいようなものの、もう少し遅かったらまたもや大惨事でした。

というわけで、朝の6時からカミさんと3度目の補強工事をやる羽目になりました(泣)。 

へこたれそうな気持ちに喝をいれていきます!いくぞ、バモス!

さて、政府の原子力事故対応の問題点は、いくつかに分かれるでしょう。

第1に、原発事故そのものへの対応の失敗。
第2に、事故情報と災害情報の意識的隠匿。
第3に、放射能災害に対するリスクコミュニケーションの欠落。 

事故対応の失敗は政府事故調査委員会が調査中です。政治的な圧力に負けないでいただきたいものです。

どうしても政権与党への批判は手ぬるくなるものです。今に至るも当時の政府対策本部のメンバーの聞き取りはなされていない状況です。第1回の中韓報告を見る限り、期待薄な内容でした。

というのは、かんじんの政府対策本部という指揮系統のトップの会議の議事録がないのです。昨日、これを岡田副総理が公式に認めました。(欄外記事参照) 

政府が当時設置したのは3本部。緊急対策本部、原子力災害対策本部、復興対策本部の三つでした。

このうち原子力災害対策本部、緊急対策本部の2ツの政府中枢の事故対応議事録が「ない」という信じがたいことになりました。

「保安院によると、対策本部が設置された昨年3月11日以来、計23回あった会議ごとに作成されたのは、議事次第程度の簡単な書類だけという。」(産経新聞 欄外参照)

23回あった対策本部はいずれも「議事録がない」とのことで、あるのは議事次第だけだとのことです。 

これの作成は原子力安全・保安院が担当していますが、「緊急のことで対応する時間がなかった」とのことです。ふざけるのもいいかげんにしていただきたい。あなた方は、それでも国家官僚なのですか?

小学生でもわかるウソをつくのはやめてほしい。保安院は小学校に戻って子供会の議事録作りを習ったほうがいい。

もしほんとうにこの政府対策本部の議事録すべて取られていなかったのならば、これに関わった保安院の官僚、そして所轄官庁である経済産業省の大臣は責任をとらねばなりません。

私は政府による意図的隠蔽だと思います。政府中枢のドタバタの混乱劇は今や国民の知るところになっていますが、その反面の隠蔽体質に対してはまだメスが入ったばかりです。

なぜSPEEDIがリアルタイムで開示されずに、飯館村などの避難が遅れたのか。

なぜ、放射能雲の通過をその住民に知らせなかったのか。降雨があった柏、松戸、東葛地域に屋内避難を命じなかったのか。

住民は知っていれば冷静に避難し、屋内で被曝を免れたでしょう。しかし、国はSPEEDIの存在すら知らせなかったのです。

政府は数次に渡る避難地域の拡大をしても、当該自治体はテレビのニュースで知った有り様で、結果、自治体同士が助け合って避難を助け合ったのが実情だったのです。この間、国の組織的支援は皆無でした。

これら被曝しなくともいい多くの人々が子供、妊婦にいたるまで多数被曝したのは、ひとえに政府の責任です。

その政府対応を決定した議事録が完全に消滅しているとなれば、誰がまともに枝野経産相(当時官房長)の「悪い、悪い、作ってなかったんだよね。事務方のミスだよ。2月までに作っておくから」、などという戯れ言を信じます。

この対策会議には全閣僚と多数の関係官庁官僚が出席しており、その誰ひとりとして議事録を作っていなかったというのも信じがたいことです。

それらの官僚は、所轄官庁に戻って報告書を作成していなかったのでしょうか。この国家の重大会議に出席した高級官僚たちはそろって皆居眠りでもしていたようです。

しかも同時に2ツの政府対策本部の議事録がないなど、ぜったいにありえません。

枝野経産相は2月までにこれらの官僚のメモから議事録を「再生」するそうですが信用できません。

なぜなら、政権中枢には情報隠匿の体質が骨がらみで染み込んでいるからです。

彼らの作るつぎはぎの情報の「議事録」など信用できるはずもありません。必ず政府自らの失態、失言、判断ミス、情報隠しなどの諸悪を隠蔽したものを出して口をぬぐおうとします。

議事録はその場で書かれて修正されていないドキュメントだから意味があるのであって、半年以上たった後からの、しかも批判を受けた者が作ったものなど誰が信じるものですか。

政府は、直ちにこれらの官僚のメモを原型のまま内閣府HPで公開しなさい。政府には国民に対してその義務があります。

写真 昨日の雪は今朝はもう日陰に残るのみ。 文中「バモス」(VAMOS)、ボルトガル語で「いくぞ!」です。サッカーでカウンターアタックなどの時に、ブラジル選手がよく叫んでいます。

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<震災議事録>緊急本部も未作成か 原子力本部に続き 

毎日新聞1月24日(火)22時23分配信 

岡田克也副総理は24日の記者会見で、東日本大震災直後に設置された政府の緊急災害対策本部で「議事録が作成されていない疑いが濃厚だ」との見解を示した。

原子力災害対策本部でも議事録が残されていないことが分かっており、原子力本部事務局の原子力安全・保安院を所管する枝野幸男経済産業相は同日、担当者のメモなどをもとに2月までに議事録を作成・公表する考えを示した。

 政府が震災・原発事故関連で設置したのは緊急、原子力と復興対策の3本部。このうち2本部で、重要会議の決定経緯の文書作成を義務づけた公文書管理法の趣旨に反するずさんな対応が行われていた疑いが強まった。復興本部は議事録に準じる非公表の文書を作成しているという。

 枝野氏は同日の記者会見で「公文書管理法に基づく手続きが緊急事態とはいえ整えられていなかったことについて、当時の官房長官としてもおわび申し上げる」と陳謝。岡田氏も「公文書は情報公開の対象で、後から行政を検証する基本的なインフラ。誠に遺憾だ」と述べ、他の会議についても調査を指示したことを明らかにした。

 緊急本部は全閣僚で構成し、昨年3月11~17日に計12回開催。自衛隊の災害派遣や物資輸送などの対応を決定した。内閣府の担当者は「事実関係を調査中だが、議事録を見たことはない」と話している。
 

枝野経産相、対策本部の議事録作成を保安院に指示

  東京電力福島第1原発事故に対処する政府の原子力災害対策本部が会議の議事録を作成していなかった問題で、枝野幸男経済産業相は24日の閣議後会見で「大変遺憾なことだ」と陳謝し、事務局を務める経産省原子力安全・保安院の深野弘行院長に、過去の議事録作成と公開を指示したことを明らかにした。 

 枝野氏は「遅くとも来月には(公開)できるよう全力を挙げさせる」と強調。対策本部の会議は全閣僚や多数の省庁の職員が出席しており、メモに基づき再現が可能との認識を示した。 

 その上で「事故発生直後の緊急事態とはいえ、国民的な関心、社会的な影響の大きさを踏まえると、(議事録作成の)作業は可能な限り迅速に行うべきだった。当時の官房長官としても、現在の経産相としてもおわび申し上げる」と述べた。 

(産経新聞1月24日) 

政府の原子力災害対策本部、議事録作らず 「急に開催、対応困難」  

(産経新聞2012.1.23 13:14  

 東京電力福島第1原発事故に対応するため設置され、避難区域の設定や除染方針の決定をしてきた政府の「原子力災害対策本部」の会議の議事録が全く作成されていないことが23日、分かった。事務局を務める経済産業省原子力安全・保安院が明らかにした。 

 保安院は「開催が急に決まるなど、事務的に対応が難しかったようだ」と釈明している。 

 保安院によると、対策本部が設置された昨年3月11日以来、計23回あった会議ごとに作成されたのは、議事次第程度の簡単な書類だけという。

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関東にも雪が降りました

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おかげさまで関東にも雪が降りました。毎日乾燥続きで、豪雪で苦しめられている北海道や東北、北陸の皆様になんと申し開きしたらいいのか、と思っていたところ、昨夜ついに念願の雪がどどっと。

といいたいところですが、ショボショボ、チラチラと。しかし朝には一面の雪。ああ、降ってくれたのかぁ、と喜んでいるのは村でわたしと小学生くらいなものかもしれませんが。

あ、もうひとつ。犬です。犬に寒いというメモリーは内蔵されていないようで、まさに歌のように「イヌは喜び庭駆け回る」をやっております。

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もうすぐ、春。梅の季節までひと息です。
豪雪地帯の皆様、お身体をご自愛下さいませ。

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外国から来るであろう汚染水流出賠償請求。東電に責任を全面的に認めさせるしかない!

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原子力事故処理は大きな「地雷」を抱えています。政府が、福島第1原発から大量に放出することを許してしまった放射能汚染水の賠償問題です。 

汚染水の放出は前後3回にわたって行われています。 

1回目は、4月4日~10日にかけて、高濃度汚染水が溢れだしてきそうだったために、低レベル汚染水の入った集中処理施設から放出しました。東電発表で10393トン、150ギガベクレル(1500億bq)です。 

2回目は、この1回目放出の最中の4月2日に2号炉に注水していた冷却水が海に流れだしていたことが判明しました。これは1回目と違い、意図した放出ではなく流出が判明していなかったのです。 

このときに流出した放射線量は520トン、推定4700テラベクレルという途方もない高濃度放射性物質の放出でした。
(東京電力HP東京電力HP 
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11042102-j.html

そして3回目は、隣の3号機にも及び、5月10日から11日にかけて流出した高濃度汚染水の量は250トン、20テラベクレル(20兆bq)という量となりました。 

これ以外の流出はとうぜんあると思われますので、1万2千トン以上にも及ぶ汚染水が流出したことになります。 

もはや「漏洩」というべき量ではなく、「流出」という意図せざることでもなく、「放出」という言葉をつかうべきでしょう。それは、これらの放出、特に第1回目の集中処理施設からの放出は、東電が政府の許可を得て行ったものだからです。 

政府対策本部長の菅前首相の許可を得た正式な放出だと諸外国は認識しています。これが原発事故処理で残された「地雷」です 

この高濃度汚染水は潮流に乗って東北沿岸を汚染したのみならず、遠くロシア、中国の沿海部にまで及んだと考えられます。 

よりによってこの政治的に厳しい関係が続いている諸国にまで汚染が及んだとすれば、国内漁業者に対する賠償とは別に、私たちはそう遠くない将来に中国、ロシアから巨額な賠償金請求を突きつけられることになります。 

今は震災復興期ということで政治的判断で見合わせているのでしょうが、ある専門家の試算では賠償金額は数百兆円にのぼるとされています。 

実はこの外国からの賠償金額に根拠は不要です。これだけ被害が出たのだ、と強く主張すれば、私たちには反駁できる材料はありません。 

私たちと流儀を異にする社会体制の国だからです。私たちはその白紙の小切手にサインをさせられるだけです。 

もう今更という感がありますが、菅直人前総理はとんでもない許可を出してくれたものです。彼の残した置き土産は超弩級の「地雷」でした。

さて、この諸外国の請求書はどこに来るのでしょうか?ぼんやり考えると日本政府かと思いますが、実はそうではなく東京電力に行くべきです。ただし、東電が事故責任を認めればの話ですが。

東電が事故責任を自社にあると認めさえしたならば、請求は政府にではなく東電という一民間会社に行きます

ところが東電救済という大命題の下に原子力災害の処理が進められたために、東電の責任はあいまいにされ、政府が責任を認めた形で無制限に税金を投入できる枠組みを作ってしまいました

まったく愚かなことをしたものです。東電に貸し込んでいた某銀行が経産省に圧力をかけたとも噂されますが、今後来る可能性が高い外国からの巨額賠償と較べればそんなものははした金に過ぎません。

東電に完全に責任をとらせよ、という私の主張は単なる被曝地の感情論ではなく、今後くるであろうこの外国からの巨額賠償に対して言っているのです。

政府はすべてをあいまいなぁなぁにしたまま東電救済至上主義で突っ走っています。東電など単なる一民間企業でしかないにもかかわらず、です。

東電に事故責任を認めさせ、完全に解体してから政府支援に乗り出すべきです。

それをしなければ、今年、あるいは来年に外国の裁判所に外国法人、あるいは外国政府が日本政府と東電を相手に損害賠償請求に乗り出すでしょう。

■写真 雪のうっすらと積もった村の田んぼの朝。

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双葉町のモニタリング公表を週1回にするという愚挙。必要なのは政治介入を許さない原子力災害情報のリアルタイム化だ!

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昨日の記事で、政府・東電は「長期に渡るであろう健康不安と、そのための検査体制は含まれていません」と書きましたが、日本農業新聞(1月20日)によれば、「250億円の健康管理調査費をだすそうです。 

「東京電力は19日、福島大1原発事故被害者に対する健康管理調査費の賠償費用として、福島県に250億円を支払うことに決めた。」 

おお、やっと決めたか、10カ月もたつのに遅いんだよ、と思って読み進めると、「資金は原子力損害賠償支援機構の交付金から捻出する」そうで、一挙に脱力感。なに、税金からだすってことですか。 

やがていつかは 返済するのでしょうが、とりあえず身銭は切らさないと。さすがは、東電帝国!福島県民の健康より帝国版図の保全こそが至上命題なようです。 

次に、同日の紙面には福島県佐藤知事が平野文科相と会談したことが伝えられています。知事は、「原発被害に対する内閣の姿勢をしっかりしていただきたい」と釘を刺した上で、このような具体的な要請を行いました。 

「知事は、学校給食の放射性物質検査機器の購入全額補助や、自主避難者に対する賠償対象地域の全県拡大を求める要請書を手渡した」。 

余りに妥当な要求です。むしろこれも遅すぎたくらいで、もう8か月早ければ、お母さんたちの恐怖のあり方もまったく違ったのではないかと思われます。 

福島のお母さんたちの必需品がガイガーカウンターになる前に、行政が支援の手を差し伸べるべきでした。

管前首相は、政争と「自然エネルギー」にかまけて、緊急対応が必要な国民の足元の放射能の恐怖を無視しました。 

この佐藤知事の要請に対して平野大臣は、検査機器の導入には「対応するように指示した」とのことで、とりあえず一点プラス。 

しかし、自主避難地域の全県への拡大は、「政府全体で考えてみる」とのことで、「考えてみる」は、官僚用語では「検討するふりだけして、やる気はない」ということのようです。 

学校給食に対する検査機器の導入は緊急にすべき最重要課題です。

増税などはデフレが治まってからゆっくりやればいいので、本当に政府が「不退転」になるべきは、福島県とその周辺県の検査体制の充実です。

都内の学校の一部では既に放射能を恐れての弁当の容認に踏み出しており、これは他県にも拡がる気配です。

この原因はすべての給食センターに義務的に設置されるべき測定機器が圧倒的に不足していることです。

学校給食は国の教育の根幹をなしています。国が児童に対して安全・安心を保証するというのは、余りに当然と言えば当然なことで、それを今更のように福島県知事から要請を受けてからするという政治の鈍感さがたまりません。

この政府の怠慢が、自県産の食材に対する母親の忌避を拡げる結果になっています。

この恐怖心は今や抜きがたくお母さんたちの心に浸透してしまっており、一朝一夕では解消できないほど根深いものになってしまっています。

この恐怖が怒りに転じて、私たち農業者に向けられているのはこのブログにお越しの皆さんはよくご存じのことだと思います。

私たち農業者は筋違いだ、東電に矛先を向けてくれと言う前に、消費者と一緒になって広域の健康被害調査を要望していくべきです。

学校給食は自分の地域の食材を食べることを食育の基本にしてきました。これは素晴らしい伝統で、原発事故で揺らいだ地場農産物の信頼回復にとって、もっともすべきは学校給食の信頼回復だと私は思います。

農業者は自らの賠償ばかり言い立てるのではなく、もうすこし視野を広くもったほうがいいのではないでしょうか。

最後にバカヤローのニュース。

「文部科学省は今年に入り、全国の都道府県の県庁所在地などで毎日測定・公表している放射線量について、「今後、土日祝日の公表を休止」、さらに原発から約30キロに位置する福島県浪江町のデータについては「1週間前後に1回の公表」とする意向を打ち出した。」(欄外切り抜き参照)

これは放射能対策の完全な後退です。なにを考えているのか文科省。真逆でしょう。今するべきは、現行一日一回の定期報告をリアルタイム化することのはずです。

それを土日祝日はやらないですと。土日祝日には原子力事故は起きないとでもいうのでしょうか。唖然とします。

浪江町に至っては週1回ていどにするという大幅な後退です。浪江町で高線量の採石が見つかって、その対応がこれだとは・・・。これを決めた官僚の官姓名が知りたい。

また、SPEEDIは文科省から新設される原子力安全庁に移管して情報公開に務めるそうです。

しかし今回のSPEEDI情報の隠匿を命じたのは他ならぬ政府中枢の細野原発担当大臣、枝野官房長、そして管首相のお歴々であったことはもはや公然の事実です。

移管してどうなるということなのでしょうか。移管しようとどうしようと、政府中枢がストップをかけてしまえばまた闇の中です。そして放射能雲の下にまた国民はさらされるのです。

まずは事故調査委員会に情報隠蔽の事実を公表させて、とるべき政治責任をとらしてからにしていただきたいものです。

やるべきは、政治介入を許さない原子力災害情報のリアルタイム化なはずです。

■写真 みぞれまじりの氷雨です。パッと華やかな花で景気づけのつもり。

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

セシウム降下急増に広がる不安 平野文科相「より安心できる情報開示を」

にこにこニュース

平野博文文部科学相は2012年1月13日、官邸で行われた大臣就任後の初会見で、東京電力福島第1原発事故を受けて文部科学省が実施している一連の放射線モニタリングについて、「放射線は目に見えないものなので、もう少し情報開示をしていくことが基本だ」と語った。

また、12年度から文部科学省より環境省の外局として新設する原子力安全庁(仮称)に移管される「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」についても言及。「SPEEDIの移管も含めて、より国民が安心できる状態の環境をつくるための情報提供のあり方も含めて対応する」との考えを明らかにした。

 文部科学省は今年に入り、全国の都道府県の県庁所在地などで毎日測定・公表している放射線量について、「今後、土日祝日の公表を休止」、さらに原発から約30キロに位置する福島県浪江町のデータについては「1週間前後に1回の公表」とする意向を打ち出した。

この理由について文科省は、プラントからの放射性物質放出の減少による数値の時間変化の安定化等を掲げているが、福島市内では2日から3日にかけて放射性セシウム134と137の降下量が突然急上昇するなどの異常が見られ、住民に不安が広がっている。福島第1原発からは未だに放射性物質が放出され続けている状況にもかかわらず、調査縮小の方針を決めた文科省に非難の声があがっており、新大臣の対応が注目される。

 

 

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税金で原発賠償をしておきながら、今度は10%の電気料金値上げを言い出す政府・東電

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東電が電気料金の値上げを言い出しています。 

これは原子力損害賠償支援機構が「総合特別事業計画」の中で明らかにしたもので、国営化のための道筋として収益改善を目指したもので、今年の夏から10%値上げとしています。(欄外切り抜き記事参照) 

この計画では、これから更に1兆円規模の資金を投入するとのことです。「資金」とは、つまり税金。すなわちわれわれの金です。 

今までの福島県避難地域への住民には第1次で100万円が支払われました。しかしこれでは公平を欠くという声が強く、第2次として30万円の支給を決めました。 

結局現状での賠償金額は、130万円です。生活と生産の根こそぎすべてを国策と東電に奪われて、たった130万円です。 

いうまでもなく、ここには今後長期に渡るであろう健康不安と、そのための検査体制は含まれてていません。 

また、広域にわたる農地や住宅地の除染も国はなんの見解も示していません。東電は悪名高き「放射性物質無主論」ですから、まったくやる気はないのでしょう。 

住居も職も奪われた人がどうやって暮らせというのかというべき額です。今までの生活の掛りで瞬時に消えてしまったことでしょう。大きな借金を抱えた人も多いと聞きます

しかしここからの上積みは、1999年の東海村JCO原子力事故の100万円という前例に縛られて厳しく長い交渉になるでしょう。 

一方、主犯である東電は、大リストラの真っ最中であると報じられています。 

昨年10月に東電の経営・財務調査委員会が出した被災者の賠償に要する金額は約4兆5千億円規模です。 

これに対して東電はリストラで1兆2千億円を捻出すると言っていますが、政府は2兆5千億円にまで増やせと要求しています。 

一見すると、国は東電の尻を叩いて更に国民負担を減らせと命じているように見えますが、そうではありません。 

そもそも今までに投じられた原子力災害の補償金は国が東電支援のために作ったとしか思えないこの原子力損害賠償支援機構から投入された税金なのです。 

この支援機構の報告書には、官僚が書いたらしい晦渋な一文があります。ここにはこうあります。 

「支援機構が東電に対して資金交付により援助を行なうことで、同額の収益認識が行なわれるとの前提を置いた上で、調整後連結純資産には、既に発生した原子力損害賠償費の他今後計上すべき原子力損害賠償引当金についても反映をさせない前提で作成している。」 

市民語に翻訳すると、東電のリストラ後の「調整後連結純資産」に、原子力災害の賠償費用を「反映させない」ということです。 

要するに、賠償の資金交付は支援機構がするから、東電は優良会社に生まれ変わってちょうだいね、ということです。なんと東電に取って虫がいい方針なことか! 

この支援機構という組織そのものが多くの批判を尻目に、極めて東電に都合よく作られた組織です。 

東電を巨額の賠償から切り離し、電気事業法の下で水ぶくれした膨大な資産を整理することで再び資産超過の会社にするのが支援機構の存在理由です。 

福島第1原発事故は東電という民間会社が引き起こしたものです。この本質を見誤ってはなりません。あくまでも民間企業の出した人災なのです。

ですから、資産が完全なゼロとなるまで絞り尽くしたあとに、国が支援に入るのが筋です

東電の社員は当然のこととして、債権者である銀行、株主に至るステークホルダー全体が負担すべきものです。

ところが、政府は電力供給の不安を口実に今まで社会全体に節電とやらでさんざん迷惑をかけておきながら税金で賠償を贖い、そして今回はなんと10%の電気料金の値上げです。

今東電がしているリストラは、電気事業法の下でついた贅肉をとっているだけです。被災地・被曝した人たちのために身を削っているポーズをつけていますが、まるっきりのデタラメです。

身を削っているのは被災者も含めた私たち国民であって、東電の腐り切った体質はなにひとつ改善されていないのです。

これで国民がはいそうですか、東電さんがんばってね、と言うとでも思っているようです。政府・東電は国民をバカにするのもいいかげんにしてほしいものです。 

古川経済財政担当相は、「電気料金値上げがGDPを0.1~0.2%押し下げる」との試算を発表しました。

東電を甘やかすだけ甘やかしたあげくのこの大幅電気料金値上げ。これは超円高とデフレに苦しむ日本経済を、増税と相乗して震災恐慌へ引きずり込む引き金になることでしょう。

増税をあっさりと容認した経団連米倉会長は、この電気料金値上げにも諸手を上げて賛成するのでしょうか。

■写真 雪の北浦。昨日のものではありません。昨日はみぞれでした。北海道、東北の皆様、根性がない関東の雪に替わりまして、もうしわけございません。

        ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

原子力損賠支援機構:東電値上げ素案を提示

 

 原子力損害賠償支援機構は20日までに、3月末までに策定する東京電力の「総合特別事業計画」の素案をまとめ、主要取引銀行に提示した。

公的資金投入による東電の実質国有化が柱で、収支改善策として最大10%の家庭向け電気料金の値上げなどを想定。素案をたたき台に、金融機関からの融資の調整を進めるが、東電は実質国有化への抵抗感が強いほか、家庭向け電気料金の値上げには認可が必要で、枝野幸男経済産業相は慎重姿勢を崩していない。 

 ◇家庭向けで最大10% 

 素案は機構が1兆円規模の公的資金を投入し、取引金融機関が1兆円規模の追加融資を実施することが柱で、今後10年間の資金計画を示している。12年夏ごろに家庭向けの電気料金を最大10%引き上げるなどして、収益改善を図ることを想定。10%引き上げが実現すれば、標準的な家庭で月600~700円の値上げになる計算だ。 

 また経営監視を強化するため、過半数の取締役を社外から起用、東電を経営陣の人選や報酬を決定する「委員会設置会社」に移行することも検討する。 

 東電は火力発電の燃料費増大が経営を圧迫。廃炉費用などの負担で債務超過に陥る可能性があるため、金融機関は東電への追加融資の条件として、収支の改善を求めている。 

 東電は、認可不要の企業向けの電気料金を4月から平均で17%引き上げることを発表済み。 

毎日新聞 2012年1月20日 12時40分

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コープ福島が、100所帯の食事の放射線量を測定しました。結果は安全!

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外を見ると垂れ込めた曇天からの氷雨が雪にかわっています。ひえぇ~関東も雪です。 

記録的な大雪の見舞われている北海道、東北のみなさんには申し訳ないのですが、関東は雪がまだ降っていません。 

謝るこっちゃないのですが、被災地の大変さを思うと、かえって雪のひとつでも降ってくれないと世間に顔向けできないという気分になります。 

こんな時に明るいニュースがないものかと思って「日本農業新聞」をめくっていたらありました。(o^-^o) 

コープ福島さんがいい仕事をしています。実際の100所帯の家庭の食事を一食だけ多く作ってもらって、放射線量測定をして、内部被曝がどのていどあるのかを調べようという試みです。 

う~ん、着眼点がグッドだ。( ^ω^ )←今日は珍しく絵文字乱発モード 

今、消費者の皆さんとお話すると、10人中8人までが食品からの低線量被曝の怖さを訴えられます。

それはそうです。NHKまでもが低線量被曝の脅威を特集する時代で、毎日家族に作っている食事に放射能が入っていると考えるだけでゾッとしますもんね。

こういう時にICRPがどーたら、疫学データが6千人分しかないからどうのこうの、などと言ってもほとんど悩みを解決できません。いわば「男の論理」です。「お母さんの論理」ではありません。

いちばんいいのは実際に食卓を計ってみることです。福島の食材を使って、福島の現実の家庭の食事にどのていどの放射線量が出るのかが分かれば、ちょっと気持ちが違いますもんね。

で、コープ福島が100所帯の2日間の食事(6食分)を、今日本で一番精密に放射線量測定ができるゲルマニウム半導体検出器で計ってみました。

いや、これだけですごい。600検体ですぞ。検査機関でやったらざっと1800万円だぁ。経営苦しいこの時期に潰れないかなぁと余計な心配までしてしまいますが、コープ福島なら自分で検査室持っているんでしょうね。

こんなことさっさと厚労省がやれ、といいたいのですが、国には一切期待しないのが私の3.11以降の人生の教訓ですので、民間ががんばるしかないのですよ

それはさておき、100所帯の半分の51所帯の速報値が出ました。食事測定の条件は、9割までを福島県産の食品にすることです。

とうぜんといえば当然ですが、正直言って勇気が必要だったでしょうね。食品流通としては、県の測定値を流すだけで澄ませられることを、火中の栗を拾うこことにもなりかねませんもの。

万が一悪い数値が出れば、福島県産食品が全面ストップになりかねない。よく踏み切ったものです。敬意を評します。

結果は、福島県産食品を1年間採り続けて受ける放射線量の合計は、0.01から最大で0.06ミリシーベルトでした

これは政府の基準の寝棺1ミリシーベルトをはるかに下回ります。ほっ。(v^ー゜)ヤッタネ!!

よかったぁ。数値結果が出るまで、コープ福島のお母さんたちもほんとにやきもきしたことでしょう。

これで万全ではありませんが、ともかく現実の食事で線量測定するというのは、厚労省の検査機関でも同様の方法を使っている科学的な方法です。いわば限りなく現実の家庭の条件に即した方法で信頼性が非常に高いといえます。

これで福島県産農産物は、特定の県から指定されている農産物を除いてほぼ安全であることの証明に一歩近づきました。

 

 

■写真 季節ハズレですが、今日は曇天の雪まじりの空ですので、ぱぁ~と派手に椿と桜の共演をアップしました。

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

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原発事故。 真実の青い鳥は横にいた

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昨日、つくば市の蝋梅が咲く学園でお話をさせていただきました。蝋梅ってご存じですか。 

それは可憐な花と、えも言われぬ芳香があります。これが一輪室内にあるだけで気持ちが安らぎます。実はジャムやお酒にもなります。 

さて、90分間の講演のテーマは、あえてしんどい「放射能と農業」を選びました。 

われながらこの重いテーマをよく90分間でまとめたものです。枝葉に入ったらそれだけで出てこれません。真面目にレジュメと資料集も作りました。 

学生諸君たちは、ほとんどが知らない内容だったようで、それなりに関心をもっていただいたのかなと思っています。 

私の講演は、この放射能事故について日本にはだれひとり「専門家」などいなかったのだ、ということから語り始めました。 

今、10か月たつとなんでも言えます。あの時ああしたらよかった、こうすべきだった。しかし、あの3月12日、そして3月15日にそれを知っていた者が何人日本にいたのか、です。いや、世界でもかまいません。 

いやしません。人類は、福島第1原発事故規模のシビアアクシデントはチェルノブイリしか経験していないからです。

そしてチェルノブイリの事故の様態、置かれた地形、放射性物質がフォールアウトした地形、土壌の地質、そして政治形態などすべてが違っていました。 

日本の専門家は研究所内部の放射能汚染ていどの知識しかなく、放射線医療関係者もICRP(国際放射線防護委員会)基準ていどの回答しかできない、それが現状でした。 

彼らがいかにICRP基準にそって、「100ミリシーベルト以下の被曝は問題がない」と力説しても、政府の情報隠蔽に不信を募らせていた国民は聞く耳をもちませんでした。 

放射能雲の通過を知りながら、その通過地域になんの警告も発しなかった政府がなにを言おうと誰が信じるものですか。 

まして、もっとも多くの被曝地帯を抱えることになった農業の放射能の専門家などはいませんでした。

当初日本土壌学会ですら、放射性物質が拡散するから耕耘するな、削土するしかない、という見解を述べていたのでした。

国家のシンクタンクでもあるはずの官僚集団は、「政治主導」を恐れて余計なことはしないというヒラメ状態で、すべてが手遅れ、手抜かり、不作為の山を築きました。

初動の出荷規制の失敗、計測の著しい遅れ、警報の遅れ、牧草からの全国への拡散・・・思い出せば、歯ぎしりしたくなるような失敗の連続でした。

叩かれるのは常に農業者のみ、官僚と東電は知らぬ顔。これがこの10か月でした。

この中で私たち農業者は、「経験に学ぶ」しかないと思い定めました。自ら身近の田畑を測り、データを集積し、ネットで情報を集めて検討しました。

その中で、唯一地元大学農学部の教員の皆様たちが立ち上がって私たちを支えていただきました。本当にありがたい支援でした。

心の中で手を合わせました。彼らこそ本物の「専門家」でした。

地元大学の先生たちは福島現地にも足を運び、多くの計測とデータ集積をされてきました。その分析結果が出始めたのが去年夏ごろからです。

このデータ集積と分析から、ホットポイントには必ず一定の法則性があることが分かるようになったのは大きな光明でした。

ここをフレークスルーすることで、一挙に「セシウムの天敵」が浮かび上がりました。

それが東日本に多い粘土土壌であり、有機農業を特徴づける堆肥=腐植物質の存在であり、それと共生する土中生物、微生物群でした。

そして決め手は、私たちが除染資材とは知らずに長年土質改良材として使用してきたゼオライトでした。

それらがセシウムを電気的に、あるいは物理的にセシウムを捕捉し封じ込めるのです。まさに今まで私たち農業者が営々と行ってきた「耕す」、「土を作る」という営みそのものでした。

メーテルリンクの青い鳥のように、真実は私たちのすぐ横にあったのです! 

私は今や、放射能は万能ではない。地上最強でもなく、放射能が地上の存在である以上、必ず「天敵」がある、と思っています。

放射能は手強い敵ではあるが、不必要におそれる必要はなく、今までの農業のやり方に自信を持って対処していけば、必ず減少していきます。

絶望ではなく、希望を、怒りではなく平穏をもって彼ら放射能というマレビトと対応することです。

この一見なんの変哲もないような認識に辿り着くまで実に10カ月間かかりました。今でもなんだそんなこと分かりきったことだよ、したり顔で言う者もいます。

それは結論を知っているから言えることです。あの忌まわしい2011年3月12日、15日の時点でそれを知っていた人間は地上にはいなかったのですから。

「専門家」などおらず、いたのは負けてたまるかと思う農家と、それと誠実に向き合ったごく少数の研究者だけです。

そんな感謝の気持ちを伝えたくて、学生に話をしたつもりです。

■写真 これが蝋梅(ろうばい)です。蝋のような半透明な質感があります。

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ブルーインパルス

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本日は講演のために更新を休載します。ブルーインパルスの妙技をどうぞ。
わたしガキの頃からのヒコーキファンです。

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放射能新規制値はできたが、検査体制の裏打ちなき、言っただけ基準値だ!

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ご承知のように食品の規制値から「暫定」が取れました。現在ヒアリングの真っ最中です。 

各種あった規制値は飲料水の10bqを除いて、50bqに統一されました。 小児規制値も設けられました。

結論から言えば、おおよそは妥当であるとは思いますが、いくつか問題点を上げます。 

まず、最大の問題点は新基準だけがあってそれを担保する放射線量測定器がまったく不足していることです 

現在全国にあるゲルマニウム半導体測定器はわずか百数十台です。 

この中には民間検査機関や流通所有のものも多くありますから、国が検査の主体であると位置づけている地方自治体には半分以下の50数台しかないと思われます。 

わが茨城県では各市町村に1台あるか、ないかといった状況でしょう。わが市では1台こっきりです。 

純農業地帯の私たちの市でこの有り様です。たった1台でどうして膨大な量の農産物を計測できるのでしょうか。 

農業サイドとしては随時抜き取りサンプリングをするためには、農業団体で1台は必要です。地域JAだと各部会で1台欲しいところでしょう。 

それは現状では政府が農業団体のゲルマニウム測定器の購入に予算を計上していない以上まったく不可能です。 

事実、震災後に17都県でされた検査数は月にわずか10件ていどにすぎません。自治体によってはただのひとつもされていない所すらあります。(ソース NHKニュース) 

こんな現状に甘んじて、基準値だけ下げようなどとはちゃんちゃら可笑しい。わが政府はいつもそうです。 

゛国民に聞こえのいいことだけを言って内容はないのです。今までさんざん消費者からゆるゆるの規制値と言われ続けてきたものだから、「世界でもっとも厳しい規制値を作りますよ。子供にも配慮した素度らしいものです」と言いたかったのでしょう。 

だが、それを測る計測器がない。もう笑うしかありません。だからわが政府はこう正しく言い換えるべきです。 

素晴らしい規制値を作りますよ。しかし測る計測器を増やす財源がないので、もし出たら農家に文句を言って下さい。国は知りません」。 

とりあえず、国は簡易計測器の使用を認めるそうです。そりゃそうだ。でなければ農業現場で測りようがありません。 

計らないで出荷すれば、一挙に300~500bqから50bqへと一挙に10分1になった新規制値に対応することが難しくなります。 

検体の数をこなそうと思うならば、JA福島のようにベルトコンベアー式で出荷全量を検査機に通過させる方法しかありません。 

しかし、これではスピードがある分の正確が担保されません。スクリーニングの宿命です。 

測定機器の急速な進歩で(震災以降の測定機器の進化はすごいものがありますが)、50bq以上の弾き出しは可能でしょうが、たとえば作物が朝採りで露に濡れていたり,土がかかった根野菜など諸条件の変化に対応できるか、実際やってみないと分かりません。 

一挙に10分の1にする以上、それに見合った検査体制が構築されないとすべての責任は出荷団体と農家にきます 

政府は「財源がないから」とかうだうだ決まり文句を並べて逃げていないで、各団体に1台を目指して予算を組むべきです。

第2に、この検査体制もろくにないくせに、「抜き打ち検査を強化する」と厚労省は考えているようです。馬鹿も休み休み言っていただきたい。

そもそもこの原子力事故は国と東電がいわば「犯人」でしょう。それが懐手して、すべてを私たち民間に押しつけて、まるで未登録農薬のポジティブリストよろしく「お上が抜き打ちでチェックする」はないもんです。

ポジティブリストにおいて検出されれば、100%違法農薬を使った農業者の側に非があります。しかし、農薬と放射性物質を同列にすること自体がナンセンスです。放射能は私たちが降らせものではないのですから

農地の放射線量計測もまともにやっていない国が、よくもこういう最後の責任だけ私たち農家に持ってくるものです。厚顔無恥。恥知らず。 

第3に、新規制値が出来た以上、急速に現行の暫定規制値は無意味化していくことでしょう。

流通や農業団体の立場では、今になって「〇〇から290bqでましたが、規制値以下ですので問題ありません」などと口が裂けても言えないはずです。そんな度胸がある団体があったら逆にお目にかかりたい。

となると、事実上新規制値は始まったと考えるべきです。しかし、猶予期間は二重基準、ダブルスタンダード状態となります。

ほんとうに政府って馬鹿じゃないですか。どうしてこんな長い猶予期間をとるのですか。やるなら、来年度から、これで決まりです。せいぜい数か月です。

いや、私たちなどただ今、今日からでもかまいません。こんな長い移行期間は農業で現場と流通現場を混乱させ、かえって農産物の信用を下落させます

問題だらけで、ただ作ってみました、というだけのアリバイ作りのような新規制値。これからどんどん問題が吹き出すことでしょう。

本気で国民の健康不安を解消させたいのなら、ただ新規制値を作っただけではダメであり、それに見合った出荷前後の検査体制を作らないと意味がないのです。

そのためにはトータルな農地計測-除染-農産物出荷前測定-出荷後測定など一連の大きな放射能防衛体制が必要なのです。これは農家の手に余ります。国が指針を作り、金を出汁、指導すべき事柄です。

■写真 里子に行ったミルクちゃん。元気でいるそうです。 

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

ベラルーシにおける食品規制値の推移(抜粋)
単位ベクレル/㎏

 

      86年     88年   92年   96年  99年

 

・水    370     18.5   18.5  18.5   10
・野菜  3700    740    185   100     40
・果物          同上                  70
・牛肉  3700    2960   600   600    500 
・パン  -        370   370   100     60
・豚肉・鶏肉 7400  1850  185    185     40
・きのこ(生) -      -   370    370    370
・きのこ(乾燥) -  11100 3700   3700   2500
・牛乳   370     370   111    111    100
幼児食品  -      1850                37

 

農水省放射能食品関係サイトhttp://www.maff.go.jp/noutiku_eikyo/mhlw4.html

食品の放射能規制:新基準、海外より厳しく 現行の値「緩い」は誤解 改定後はより子供に配慮

 毎日新聞12月19日 

食品に含まれる放射性物質の規制値について、厚生労働省は年内に新たな基準を設ける。日本の規制値は海外とどう異なるのか。規制値をつくる際の条件や基本的な考え方を、解説した。【小島正美】 

 Q 日本の暫定規制値は緩いのですか。 

 A 決して緩いわけではありません。いま問題になっている放射性セシウムの暫定規制値は、野菜や穀類などの食品で1キロあたり500ベクレルなのに対し、欧州連合(EU)は1250ベクレル、米国は1200ベクレル、国際機関のコーデックス委員会は1000ベクレルです。 

 Q でも、日本は子供に配慮していないのでは? 

 A 誤解です。暫定規制値は乳幼児への影響も考慮されています。日本は年間被ばく限度を5ミリシーベルトとし、五つの食品群に1ミリシーベルトを割り当て、各食品群で乳幼児がセシウムで汚染された食品を食べ続けても、内部被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう設定されています。たとえば乳製品の場合、乳児は1キロあたり270ベクレルの規制値でも1ミリシーベルト以下になりますが、実際はより安全になるように、200ベクレルとされています。 

 Q 新しい規制値はどうなるのですか。 

 A 年間被ばく限度が5ミリシーベルトではなく、1ミリシーベルトに決められます。その根拠として、小宮山洋子厚労相はコーデックス委員会の1ミリシーベルトを挙げています。規制値は間違いなく、いま以上に厳しくなります。 

 Q でも、コーデックスの一般食品の規制値は日本より高い。なぜですか。 

 A そこは大事なポイントです。汚染食品の割合をどう見積もるかが、違うのです。チェルノブイリ事故後に基準を作ったコーデックスは、食品の10%が汚染されているという仮定です。EUも同じ考え方です。米国は被ばく限度を年5ミリシーベルトとしながら、食品の30%が汚染されているとして1200ベクレルとしました。日本の暫定規制値は、汚染食品の割合を50%と仮定しています。新規制値作りにあたっては、厚労省が汚染割合をどう仮定するかで大きく変わります。

 Q 新たな規制値の特徴は? 

 A 規制対象の食品区分が▽飲料水▽牛乳▽一般食品▽乳児用食品の四つになります。被ばく限度の評価にあたっては、年齢層を「1歳未満」「1~6歳」「7~12歳」「13~18歳」「19歳以上」の五つに分け、その最も厳しい数値を全年齢に適用して新規制値とする方針です。さらに、乳児用食品は大人とは別の規制値を設けます。食品安全委員会の「子供はより影響を受けやすい」という答申に従ったものです。新規制値が今の5分の1~10分の1ほどになれば、世界でも相当に厳しい規制値となります。 

 Q チェルノブイリ事故にあったベラルーシの規制値は厳しいと聞いていますが……。 

 A 確かにパンや野菜の基準値は1キロあたり40ベクレルです。しかし、ベラルーシは事故のあった1年目(86年)は被ばく限度を年間100ミリシーベルトとし、92年に1ミリシーベルトに引き下げたのです。最初から厳しかったのではありません。 

============== 

 ◇暫定規制値の決まり方 

被                     1ミリシーベルト以内に収まる上限値

 

ば5          食品群         成人   幼児   乳児     最小値   規制値

 

くミ→1ミリシーベルト 飲料水        201  421  228     201 → 200 

限リ→1ミリシーベルト 牛乳・乳製品    1660  843  270     270 → 200 

度シ→1ミリシーベルト 野菜類        554 1686 1540     554 → 500 

 ー→1ミリシーベルト 穀類        1110 3830 2940    1110 → 500 

 ベ→1ミリシーベルト 肉・魚・卵・その他  664 4010 3234     664 → 500 ル

  *数値は1キロ当たりのベクレル数

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震災恐慌がやってくる!


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なぜ、私がこの畑違いの経済テーマに取り組んでいるのかをお話します。

誤解されているかも知れませんが、私は経済一般のうんちくを語りたくて書いているのではありません。 

私たちは去年日本史に刻まれるような大災害をふたつ同時に経験しました。結果、2万余にも登る人が死に、3千の遺体は冷たい海に眠ったままです。

生き残った人々も、今に至るもその爪あとで苦しんでいます。傷跡は無数にあり、無数の悲劇が進行中です。

震災復興の遅れはなぜでしょうか?もうあと2か月で1年だというのに何が進みましたか? 

今また大規模地震が来るという予測すらある中、太平洋側の備えは大丈夫ですか?何ひとつ対策は進んではいません。 

被曝した人たちの長期医療支援はどうなったのでしょうか?避難地域の住民を一回ホールボディカウンターで計ったきりではありませんか。 

まして、福島県東部、茨城県全県、宮城県、千葉県東の一部、東京都東部、群馬県、栃木県の一部といった広大な地域住民の健康は見捨てられたままです。主婦の流行はガイガーカウンターと、測定ショップです。 

福島第1原発の放射能事故の補償はどうなっていますか?避難地域と風評被害補償だけで、先に一歩も進みません。

東電は、「放射能は無主の所有物だ」という論理を裁判で持ち出しました。環境省の汚染物質指定から放射能がはずされたことを楯にして、「放射能を無主である」と言い切っています。

国が除染をしない以上、これら避難地域を除く広大な地域の除染をについて、国は関知しないということを宣言したに等しいのです。そして東電も「降下した放射性物質は東電の責任ではない。無主だ」と主張します。

では私たちはどに行けばいいのですか?教えて下さい。私たち被曝地の住民、農民はだれを頼ったらいいのですか? 

未だ膨大なコメが余剰しており、その原因は放射能に対する恐怖です。今年の作付けすらできないと悩む農家が溢れています。 

JAも答えを出せません。政府が沈黙しているからです。農家はひとりが悩み苦しんでいます。在庫が膨大にあって新たな米作りはできませんから。

もう稲苗を作る時期だというのにひとりひとりが追い詰められていっています。ある者は鬱病になって薬が切れず、ある者は死を選びました。こんな春が続くのなら、もっと農民の中から犠牲者はでるでしょう。

教えて下さい。私たちにどうしろと言うのですか?農業をやめろとでも?あるいはいっそう死ねとでも?

そして都市消費者からは1年たつも未だ唾を吐きかけられています。ほんとうの責任者である国は素知らぬ顔です。

もう一回聞きます。教えて下さい。私たちはいつまでこんな不当な農民差別に苦しまねばならないのですか? 

私は政府に倫理は求めません。道義心すら要求しません。そのようなものは民主党政権に初めから期待してはいない。

私は政権を批判することには飽きました。やるべきことにさっさと金を出せ、と言っているだけです。今を置いたら遅きに失することに対して国が責任をもって金を出せ、と言っているだけです。 

震災恐慌がやってきています。政府はこの時期に、こともあろうにこの時期に金融緩和をためらい、増税をしようとしています。そして加うるにTPPです。 

これらの明白に誤った政策をとれば震災でデフレがいっそう加速し、長年にわたることが目に見えています。 

私たち被災地・被曝地は国に見捨てられたと覚悟しましょう。国はなにもしません。彼らの言う台詞はいつも一緒です。「財源がない」。

今、百年に一度の災害だから、「財源をひねり出そう」ではなく、「災害で言い訳ができたから増税しよう」と言っているのです。

かくして復興予算は初期の一括投入がないままに、牛の涎のようなダラダラとした既製予算の刈り込みだけで終わろうとしています

財源はなく、展望もないまま、すべての復興努力はガソリンを入れられないブルドーザーのようになっています。

その上に、被災地にまでかかってくる復興目的ではない消費税増税のみが、「復興に使うのなら仕方がない」という国民の錯覚による合意をとりつけて進められていっています。

一般会計に入れられる増税で捻出した金で、豪華マンションのような国家公務員住宅でも作るのですか。

経済はどんどん縮小し、被災県から既に4万とも5万ともいう人々が去りました。失業率は上がる一方です。若い人たちで自分の生まれた県で働けなくなる時代が始まったのです。

復興するには財源がいるのは分かりきった道理です。ならば作ればいいではないですか。この非常事態にとりうる方法は限られています。

田村秀男氏(産経新聞編集委員・論説委員)はこのように提案します。

財源を復興増税という形の増税によってまかなう。
❷政府が復興国債を発行して民間から資金を集める。
❸復興国債を政府が発行して、それをそのまま日銀にお金を刷らせて、直接買い取らせ、それを財源としてまかなうという方法。いわゆる国債中央銀行買い取り。

実際の復興支援対策は、これらを単独で行うか、もしくは組み合わせて行うという方法が考えられます。

私もこの方法しかないと思います。特に❸の国債の日銀買い取りをしなければ、国が滅びます。

田村氏とは別な論理からですが類似の考えは政界でも浮上してきています。(欄外参照)

今デフレにとらわれている限り、必ず震災恐慌はきます。それは急激にではなく、だらだらと続く長い下り坂を国力を絞り尽くす時まで続くのでしょう。

中央銀行の国債買い取りはどの国もとっている非常の手段です。そしていまこそがその「非常の時の時」なのです。

古代ギリシア人はやるやると言って何もしない臆病者にこう言ったそうです。

「ここがロドスだ!飛べ!」

       ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

超党派議連、日銀に復興国債の全額買入求める
(ロイター)

超党派による「増税によらない復興財源を求める会」は16日、国会内で会合を開き、東日本大震災の復興に向けた財源について、増税ではなく、日銀よる復興国債の全額買い切りオペで調達することを求める声明文を決議した。

 同声明文には民主党や自民党などを中心とした国会議員211人が署名。今後、各党政調会への申し入れや、政局動向を見極めた上で、新政権を含めた政府への提言などを計画している。

 政府部内では、震災復興のための資金調達手段として新たに復興国債を発行するとともに、日本国債の信認を維持するため、その償還財源を一定期間後の増税で確保することが検討されている。

こうした動きに対し、声明文では「大増税になる可能性があり、デフレが続いている日本経済へのダメージは計り知れない」と指摘。デフレ脱却、経済の安定成長まで増税すべきでないとし、「国債や埋蔵金などに復興財源を見出すべき」と主張している。

その「第一歩」として「政府と日銀の間で政策協定(アコード)を締結し、必要な財源調達として、政府が発行する震災国債を日銀が原則全額買い切りオペする」ことを求めている。日銀の全額買い切りオペによる貨幣供給増で、「デフレ脱却、円高是正、名目成長率の上昇が期待でき、財政再建に資する」とも主張している。

 日銀では、こうした国債買い入れオペの増額議論などに対して、財政支援とみなされれば、日本の財政に対する信認が低下し、国債の円滑な発行に支障が生じかねないなどの観点から慎重姿勢を崩していない。

 会合には、民主党デフレ脱却議連の松原仁会長や自民党の安倍晋三元首相、中川秀直元幹事長、みんなの党の渡辺喜美代表らが出席。

安倍元首相は「増税は明らかに経済成長にマイナスだ。デフレから脱却し、しっかり成長することこそが、復興、財政再建の道と信じている」とし、渡辺代表は「復興、社会保障、財政再建の増税3段跳びが菅政権の戦略。法人税を中心に減税しなければ日本の空洞化が進む」と懸念を示した。

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日本経済の業病・デフレ第3回 世界の中央銀行がお札をする時代に、唯一背を向ける日銀

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デフレ問題に戻ります。放射能問題と違って「疫学データ」が大量にあるので、何か気分が明るいのも妙なもんです(笑)。 

おさらいからいきます。デフレとは定義すると
●「持続的に物価が下落すること」
 

ですから、デフレは供給過多-需要不足により生じます。モノ余り、購買意欲不足ですね。 

一方、インフレは同じように定義すれば
●「持続的に物価が上昇すること」
 

インフレ対策に対して、世界の経済当局はやるべきことは決まっています。 

これが鉄板のインフレ退治方法の「総需要抑制政策」です。なかみは三つです。
❶金融引き締め・・・・お札を刷らないことや国債の発行を抑制する
❷増税・・・・・・・・・・・・消費税などを上げることで消費活動を抑制する
❸歳出の削減・・・・・・政府のケチケチ作戦
 

なにか既視感はありませんか?そうです、今の野田政権が取っているのは、デフレ対策ではなくインフレ抑制対策そのものだからです。 

一方、デフレはインフレ対策と真逆を行います。
❶金融緩和・・・・・・・・・・・低金利、お札や国債の発行を増加する
❷減税・・・・・・・・・・・・・・・法人税や個人消費者の税金を減免する
❸公共投資の増加・・・・・復興や公共インフラ、放射能対策などに政府支出を増加させる
 

昨年、日本経済研究センターの岩田一政理事長は、政府の国家戦略会議で、日銀に50兆円分の追加発行をしたらどうかと提言したそうですが、財務省脳となっている政府に一蹴されたそうです。 

田村秀男氏によれば、日本はギリシアでもイタリアでもないのですから、50兆円~100兆円ていどの規模のお札を刷ることなどわけはないそうです。 

余談ですが、「お札を刷る」というのは、今やコンピーターのキイボードの一発でできるように電子マネー化されており、カップラーメンの待ち時間より短く10兆円が「刷れて」しまいます。あまり簡単なことなので、日銀は秘密にしていますが。

中央銀行がお札を刷りすぎると悪性インフレになる、というのはインフレ加熱時代の話です。

リーマンショック以降各国は主要各国で唯一お札を刷らない国となってしまいました。各国の通過発行状況が下図です。

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上図は上から米国、中国、ユーロ、韓国、日本の順で07年から11年までの各国中央銀行の通過発行量と、最上部のには円ドル相場が示されています。

米国のFRBは2008年9月のリーマンショックから、11年6月まで実に3倍ものお札を刷りまくっていることがわかります。

現在の米国の通過発行量の規模は、かつての第2次世界大戦以上の水準だそうで歴史的水準だそうです。

そしてドルは円ドルレートは80円を切っています。ユーロに対しては7%安、中国に対しては15%安です。

このことにより米国の輸出業は競争力が急激に高まりました。例外的にウォンには逆に16%高となり,韓国が為替レートではもっとも有利になっています。

日本が輸出を増やすのはTPPなどという壮大なことをする必要がありません。お札を刷れば、たちどころに円ドルレートが円安方向にふれて問題解決になるのです。

今の韓国の輸出業の強さは、単にドル・ウォン相場による薄氷の結果にすぎないからです。為替が円安に振れればもろくも崩壊するような性質だからです。なぜこんな簡単なことを日銀はしないのでしょう。

他国も通過の大増刷政策をとっており、これによってリーマンショック以降の恐慌に対応しています。

わが国だけが世界で唯一の例外なのです。日銀はリーマンショック以降FRBと同調せずに資金供給量をふやしませんでした。上図の2008年末からの通過発行量の伸びに着目ください。

わが国だけが他国が通貨発行量を急激に増大させているのに対して、頑として発行量を増加させずにいるのがお分かりになるだろうと思います。

さすがに11年3月の大震災でわずか15%~17%(4月のみ23%)の資金供給を増やしましたが、すぐにペースを落としています。

なにかに取り憑かれように日銀は資金供給を増やしません。そしてみるみるうちに円ドル相場も70円に近づきつつあります。

大震災による数百兆円規模の復興需要、放射能禍の対策などあふれるほど政府投資の対象がありながら、財務省・日銀は頑としてお札を刷らずに、デフレ加速政策にこだわり続けています。

大震災になろうと、悪性デフレから抜け出せなくとも、進むべき道はただひとつ増税とTPPだけのようです。

デフレの時代にデフレのアクセルから足を外さない集団。それが財務省であり、日銀であり、そのパペットの野田政権です。

■写真 霧氷の森。

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福島農民の自殺は人災だ。 このような愚かしいコメントを出すような者が殺したのだ

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未だこのような冷血な恥知らずなコメントが絶えない。この者の身体に赤い血が流れているのか知りたいものだ。

日本人であるのか、いやそもそも人間であるのか知りたいものだ。

今日は怒りで新たなことを書く気になれない。このような者ばかりが都市に住むとは信じたくないが、このような者もかなりの数いるのだろうと思う。

何が「絆」か!何が「一緒に生きている」だ!何が「復興を祈願する」だ!

私たち被災地・被曝地の日本人が去年味わったのは「絆」ではなく断絶である。

繋がることではなく被曝地差別だ。

復興のことなど考えもしないで、己の小さな健康被害しか頭にないような者たちの姿だ

受けた数々のご支援の喜びと同量の絶望感だ。

こんなことがなければひとつになれない。こんなことがあってもひとつになれないわが国。

私たちを差別し、嘲笑し、そのことによって自分が安全だと錯覚をする。他人を傷つけることでしか、自分の安全信仰を確認できない。

この者たちは自分たち「消費者」だけが一方的に農民を非難し、憎悪をぶつけることができる特権を持っていると錯覚している。

農民の沈黙をいいことに、精神的サディズムに酔っている。

このような者が福島の農民を傷つけて嗜虐的に喜んでいるなら、私たち農民の中にも彼らへの大きな怒りが抜きがたく生まれていることを知ったほうがいい。

農民をなめるな!俺たちにはお前に流れていない赤い血が流れているのだ。

私は福島で避難を求めて闘うお母さんたちには心から支援をしたいと思う。

低線量被曝を恐れる人たちと農民としてしっかりと連帯したいと思う。だから、長期の健康被害の診断が受けられる「被曝手帳」の提案もした。

しかし、安全地帯に住みながら、みずからの「健康」被害のみに埋没し、「被曝地」の人々をせせら笑うような奴らはぜったいに許さない。

この者に問いたい。あんたは何か放射能被害の解決のために汗をかいたことがあるのか?
涙のひとつも流したことがあるのか?
「被害者」はあんただけなのか?
農民をテロリスト呼ばわりするだけで放射能問題が解決するとでも思っているのか?

俺たち農民は放射能と日々闘っている。
自分の作り出す農産物の安全のために全力を尽くしている。
それを知ろうともしないで、俺たちを背中から撃つのはあんたのような人間たちだ。

このような奴らのおかげでどれだけ私たち福島・茨城の人間が悩み、傷つき、あるものは死さえ選んでいったのか!

毒を撒くと言われ
奇形児を生むから結婚するなと言われ
お前らはガンで長生きしないと言われ

福島第1原発事故が人災というならば、あの自殺をせざるをえなかった福島農民の死もまた人災だ。それもこのようなコメントを書く者による人災だ。

以下この汚らしいコメント全文を掲載する。さらしものだ。
恥を知るといい。鏡を見て自分の相貌の醜さを知るがいい。

死んでいった福島の農家の仲間を思うと胸が張り裂けそうだ。悔しい。

なぜ俺たち農民は政府・東電がぬくぬくとしているのに、いつまでもこんなに悪しざまに言われねばならないのか。本当に悔しい。

写真 昨年の霧氷です。

■このコメントにありました私の「全量の袋を測定できない」という記述ですが、後にJA福島は全量の袋を測定することを決定しました。

■今日の記事は読み直すと感情的になっています。お許しください。仕事にも身が入りません。

関係過去ログhttp://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-825f-2.html

         ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

>このような膨大な在庫を抱えるとなると、作らないで放棄してしまうかということになります。

実に喜ばしいことですね。 \(^^)/万歳。
毒撒きを止めさせるには買わないのが一番という
消費者としての信念の大事さを感じるところです。

>転作奨励の大豆や麦に走ることになる農家も激増することでしょうが

どのような加工食品に毒が入ってしまうのか。
消費者として、醤油・豆腐などには気をつけないと。

>星の数ほどあるコメ袋すべてを測定することなどはできる相談ではない
BSEの時には「全頭検査しろ」と仰ったであろう農家のホコリ様は都合のよいダブスタ。

>作付けのゴーサインを出した結果
>行政は恥ずかしくないのですか
おやおや、あらゆる都合の良い論理を振り回し
毒米を作ったのは生産者自身であるのに。
今更、行政に責任転嫁ですか?見苦しい。
農家のホコリ(笑)の為に作ったんでしょ?w
それともナカジマ先生の教えでしたっけ?

「作るのは止めとけ」とわざわざ声高に叫んだ人も居たのに。
耳も傾けず「サベツだ」と分けの解らん逆ギレ起こして。
「農家のホコリ」の為に毒撒いたんでしょ?

>都市生活者の見る視線は私たちに対してひややかです
田舎の消費者だったら文句言わずに食べるとでも?
馬鹿にしてますなぁ。
ホコリの為に毒撒いて自分でブランドを傷つけて、
自分で首絞めて、自分で首吊って、被害者アピール。

コントにしたって全然面白くないですね。

見てますよ。あなたが「ホコリの為に作る(笑)」と書いておきながら、
都合が悪くなると「行政が作れと言った」などと
行政の責任にして、税金から補償を掠めようとしているところを。

見てますよ。散々被害者アピールはすれど、
一言も消費者への毒撒き行為の反省が無い文章を。

消費者は見ていますよ。

guilty  
IPアドレス 219.185.248.98実に面白いね。農家のホコリ君よ。

現在の放射性物質の検査体制がユルユルの中、
毒入り食品を撒くような行為を「農家の誇り」とやらで
正当化した人間がBSEの検査基準の緩和にはイチャモンを付けるのかね?

まったくもって
農家のホコリ君はどこまででも都合の良いダブスタ君であることよ。

毒撒きの正当化も中島正先生(笑)から教わったの?

guilty  
IPアドレス 219.185.248.98

■福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」

 自宅は地震で母屋や納屋が壊れた。ただ、畑の約7500株のキャベツは無事で、試食も済ませ、収穫直前だった。遺族によると、男性は21日にホウレンソウなどの出荷停止措置がとられた後も「様子をみてキャベツは少しずつでも出荷しないと」と話し、納屋の修理などに取り組んでいた。  

 23日にキャベツの摂取制限指示が出ると、男性はむせるようなしぐさを繰り返した。「福島の野菜はもうだめだ」。男性の次男(35)は、男性のそんなつぶやきを覚えている。「今まで精魂込めて積み上げてきたものを失ったような気持ちになったのだろう」  

 男性は30年以上前から有機栽培にこだわり、自作の腐葉土などで土壌改良を重ねてきた。キャベツは10年近くかけて種のまき方などを工夫し、この地域では育てられなかった高品質の種類の生産にも成功。農協でも人気が高く、地元の小学校の給食に使うキャベツも一手に引き受けていた。「子どもたちが食べるものなのだから、気をつけて作らないと」。そう言って、安全な野菜づくりを誇りにしていたという。  

 遺書はなかったが、作業日誌は23日までつけてあった。長女(41)は「こんな状態がいつまで続くのか。これからどうなるのか。農家はみんな不安に思っている。もう父のような犠牲者を出さないでほしい」と訴える。

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日本経済の業病・デフレ第2回  凍死寸前の患者に10キロマラソンを強制する愚

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あまり経済問題を書いてこなかった私がデフレについて書こうと思いたったのは、どう考えても「今やるべきことじゃないだろう」ということが続いたからです。 

ひとつは、大震災の復興がまったく進まない中で、被災地や放射禍にあった地域まで等しくかける消費税増税がまずひとつ。 

次に、世界で最悪のデフレ不況のドツボにあえいでいるわが国が間違いなく安い輸入品攻勢を受けることになるであろうTPPを「今」やればどういうことになるのか、が二点目。 

そして、デフレ不況の真っ只中の「今」が、「税と福祉の一体改革」などという増税路線をやる時期として適切なのかどうなのか、が3点目にありました。 

このテーマは門外漢な私には荷に余るのは見え見えなのですが、こうも私たちの暮らしや、生産に関わることの障害物としてデフレが登場してくれば考えないわけにはいかなくなりました。 

さて私は、今の日本はデフレ恐慌のガケ淵に立っていると思っています。政府がTPPや増税といった「今とるべきではない政策」を強行すれば、このデフレ不況は本格的な恐慌へと変わり、あと数十年の長きに渡ってわが国は立ち直る機会を逸すると考えています。 

というのは現在のデフレ不況は国際経済と連動しており、世界恐慌の前触れの様相を呈してきているからです。 

世界はかつて1929年に世界史に刻まれる巨大な恐慌を経験しています。 

その時の経済もまた、大きな需要の不足によりました。そうです、あの大恐慌もまたデフレ恐慌だったのです。Photo

上の図をご覧ください。この100年の米国の実質成長率とインフレ率の相関図ですが、大きな景気の底が3カ所あります。これが恐慌期です。 

まず初めの第1次世界大戦直後の小恐慌は、戦時経済の過剰生産による膨大なモノのダブつきに対して、消費需要が圧倒的に不足したことにより起きました。第2次大戦直後の小恐慌も同じです。 

そして1929年から始まり大戦前夜まで続くことになる大恐慌もまたモノ余り恐慌だったことは、インフレ率がマイナス14%まで大きく落ち込んでいることを見ればお分かりになるでしょう。 

この大恐慌はルーズベルトのダム、道路の建設などのインフラに対する大規模公共投資により息をつきましたが、本当の恐慌からの回復は大戦による巨大軍需の出現まで待たねばならなかったほど深刻なものでした。  

別な言い方をすれば、世界規模のデフレ恐慌は、戦争といった大消費がないと解消されなかったとも言えます。 現代は過去の大戦前夜とよく比較されるのはこのような時代背景があるからです。

一方、インフレ恐慌もあります。図の0%から上のプラスのインフレ率をご覧ください。第2次世界大戦以降はこのインフレ恐慌タイプです。 

1973年のOAPECによる禁輸によるオイルショックは、原油の供給不足によるモノ不足による恐慌でした。

よりにもよって私が学校を出た年なのであの時代はよく覚えています。就職口なんぞまるでなかったですね。トイレットペーパーが日本から消えました。 

それはともかく、インフレ恐慌は立ち直りも早いのが特徴です。オイルショックの場合は中東戦争がらみの原油不足が原因だと特定できましたから、第4次中東戦争の終了と共に一時はマイナス12%をつけた日本の経済成長率も回復していきます。 

もう一回1979年のイラン革命でも同じパターンのインフレ恐慌が起きました。 

そして現在のリーマンショックとEU経済危機以降やって来るかもしれない恐慌は、モノ過剰-需要不足によるデフレ恐慌です。 

それは昨日掲載したこの10年の消費者物価指数が一貫してマイナスであることを見ればお分かりになると思います。

経済成長がプラスになるには、需要と供給が同時に成長しなければなりません。

インフレ時はどんどん物価が上昇していきますから、「今買っておかないと大変だ」という心理が消費者に生まれるのですが、デフレ期は真逆で、「もうちょっと待てばもっと安くなるんだから、今買わないでおこう」という心理が支配します。 

このようなデフレ期にいくら子供手当てだ、農家戸別補償だなどと税金をバラ撒いても消費者は「今買う必要がない」と思っているのですから、貯蓄に回してしまって景気はまったくよくなりません。

私たちは民主党のバラ撒き型景気対策がまったくダメだったのを目撃しました。

デフレはモノを作っても売れない、あるいは安くなければ売れないという「低体温症」の時期ですから需要が増大しない限りぜったいに解決しません。

需要が回復すればそれに連れて経済の供給能力がフルに利用されていきます。昨日のブフレ・スパイラルと逆な景気回復のスパイラルが生まれます。

消費者が財布のヒモを緩める⇒
      モノが売れるようになる⇒
           企業の売り上げが伸びる⇒
               国民全体の所得が増える⇒
                    物価が緩やかに上昇する⇒
                          更に企業の売り上げが伸びる⇒
                                  更に所得と就業が伸びる⇒
初めに戻る・・・

野田政権は、今までの役にたたないバラ撒き政策は止めて今度は正反対の方向に走りました。凍死寸前の低体温症の患者をベッドから叩き出してこう叫んでいます。

「10%増税マラソンで身体を鍛えてこい!外国から安い輸入品を入れて国際競争力をつげてやるゾ。これがオレの改革だ!」

野田首相を洗脳したのは財務省だとわかっているのですが、経理が一番威張っている会社にロクな会社はありません。ましてこの大不況の時に締めるだけしか知らない経理がいる会社なんて・・・。

プリーズ・プリーズ・プリーズ・ギブアップ、プライムミニスター・ノダ。

■写真 暗いデフレ期には花などもいいかと。 

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日本経済の業病・デフレ第1回    物価が安くて嬉しいという人は、自分の給料が安くて嬉しいということと一緒だ

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復興の著しい遅れや、TPP問題、増税、そして国民全体を覆うやきれない不況感はあるひとつの問題に根ざしています。 

それがデフレです。このブログは政治経済はあまり扱わない方針だったのですが、これほどまでにすべての問題がそこに行き着くと目をそらすわけにはいかなくなりました。 

日本は今、史上かつてない、そして世界広しといえど最悪最凶のデフレ経済のまっ只中にいます。 

下のグラフをご覧ください。わが国が陥ったデフレが世界でず抜けて酷いものなのかお分かりになるでしょう。 わが国はぶっ千切りでデフレの底を這っています。

Photo                               (OECDデータによる・広宮孝信氏の作成による・下図も同じ)

デフレのもっとも簡単で本質的な定義は、「持続的な物価の下落」のことです。「物価」とは消費者物価のことを指しています。 

上図をご覧になれば一目で分かると思いますが、わが国は2000年頃からこの10年、悪質なデフレ病に取りつかれています。 

トルコやアイスランドなどの国を除くと、たしかに世界は2008年10月のリーマンショック以降デフレ傾向にありますが、その中でひときわ酷い「経済の低体温症」に見舞われているのはわが国です。 

人間いでいえば凍死寸前です。これは私たちが生活の中で実感できることです。賃金は上がらず、むしろ下降しています。 

私たちのような農業者も、今まで売れていた有機農産物のような付加価値高額商品の売れ行きは、放射能禍がある前からさっぱりでした。売れるのは直販所の一把80円のナッパばかり(涙)。 

このような中で唯一売り上げを伸ばしているのは、衣料ではファーストリテイリング(ユニクロ)、家具ではニトリ、外食ではゼンショー(スキ屋・はま寿司)です。お世話になっている方も多いのではないでしょうか。 

これら低価格を売り物にする企業は、円高による仕入れ安もあって軒並み空前の収益を上げています。

デフレとは需要が冷え込むために供給が過多になり、経済全体の血の巡りが悪くなる現象です。これはこのようなメカニズムで発生します。 

モノが安くなる⇒
     企業の売り上げが下がる⇒
         国民全体の所得が下がる⇒
              消費者が安いものに走る⇒
                    更に物価が下がる⇒
                       更に企業の売り上げが落ちる⇒
                         更に所得が減り、 失業者が増大する⇒                                                              初めに戻って延々と続く
・・・

このような状況が進めば進むほど経済は悪循環に入っていきます。いわゆるデフレ・スパイラルです。スパイラル、つまりらせん状に渦潮に巻き込まれるようにして冷たい海の中に国全体が引き込まれていっていますPhoto_2

この消費者物価指数と民間給与総額の相関関係を見たのが上図です。 

1980年代から90年代中盤まで順調に上昇し続けていた民間給与は、90年代末期を境に停滞に転じます。

そして2005年からは緩やかではありますが低落の傾向にあります。09年11月に遅まきですが、政府がブフレ宣言を発しました。 

民間給与と完全に並行して消費者物価も停滞を続けます。

この物価と所得と間には完全な相関関係にありますから、「モノが安くなって嬉しい」と喜んでいる消費者は、「ウチの亭主の給料が安くて嬉しい」と言っていることと一緒です。「100円牛丼バンザイ!」と叫ぶ人は、「給料安いのバンザイ!」と言っているのと同じです。

デフレは需要が少ないということですから、別の言い方をすればモノが余っていることになります。モノの供給は足りていて、買い手が少ないということです。 

作っても売れない、どんどんと安くしなければ売れないということは、企業間競争が激化することでもあります。私たち農業界では産地間競争の激化です。

このような安売り合戦になると、ほんとうに品質が良くて、故に価格もそれに見合ったものは作るのが困難になります。よく言えば生産の合理化、悪く言えば品質の低下が起きます。

もうひとつが生産そのものを外国に出すことです。たとえばベトナムは労働者の年間賃金(月給ではありません)が1万5千円程度ですから、そこで作って日本に輸入しても充分に安く供給できます。

これがSPA(製造小売り)です。ユニクロやニトリの得意技ですが、今やどの企業もやるようになりました。つまり国内生産がどんどん空っぽになっていっているのです。

国内産業がみんな外国に出てしまえば国内の失業者は増え、給料も下がります。すると物価もそれに連動して下がり、経済成長率は下降を続けます。

このデフレ・スパイラルはよりスピンを早めテ、「デフレ恐慌」の海底に日本を引きずり込もうとします。わが国はその淵にいます。アナリストによっては既に突入したという人もいます。

今までの世界恐慌はデフレかインフレのいずれかによって生じました。では今回、日本経済が落ちてしまったドツボはどちらなのでしょうか。

■写真 霞ヶ浦です。モノクロもたまにはいいものです。光と影がくっきり出ます。

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関税で保護されるにはわけがあると言い切るために、おかしな関税は変えよう

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昨日あたりの記事を書いていると、私は関税撤廃論者なのではないかと勘違いされそうです。 

違います。私は関税は重要な国家主権の一部であると思っていますから、関税主権そのものには反対していません。 

複雑で奇怪な関税制度はやめて、すべての品目を牛、鶏肉などのようなシンプルに輸入価格に上乗せされる「従価税」方式にしたらどうか、と言っているのです。 

この方式ならば透明性があります。誰が見てもこの輸入価格にこれだけ関税が乗っているのだと理解できます。 

豚肉などは、恣意的な線で差額関税のラインを引いたために安い肉と高い肉を混ぜて輸入するコンビネーション輸入が生じてしまい、国産豚肉を圧迫する結果となってしまいました。
豚肉関税については過去記事をご覧ください。

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-6b58-1.html 

 また小麦は、国が独占的に国際市場からは無関税で購入しておきながら、17000円/トンの国家マージンをかけて民間にお下げ渡ししているために国際市場価格の倍の価格につり上がってしまいました。 

いや、正確には小麦は250%の関税がかけられています。小麦のような麺類、パンなどで膨大な量を消費する穀物ですから、2.5倍は痛いわけです。 

そこで国は、それよりやや安い17000円/トンを提示して国家貿易品を半強制的に買わせるという仕組みを作っています。 

こんな農家の私が見てもおかしな関税のかけ方をするために、今や国民的な議論になったTPP関税論議で、農業に対して「世界一の高関税だ」とか、「日本農家ほど過保護な者はない」などという俗論がまかり通ってしまいました。 

この日本農業「高関税」論は、兼業農家の高齢化だけを取り出して意欲ある農家を見ないような「日本農業あと10年でおしまい」論と並んで双璧をなしています。 

省益や天下り団体が栄えるようなおかしな関税のかけ方を改めてスッキリとした従価税にし、かけられる目的を国民に広く宣伝することが必要です。 

北海道の酪農は加工業-流通まで含んだ大きなすそ野を持つ地域全体の基幹産業だから保護せねばならず、離島のサトウキビや山あいのコンニャクは人口の減少に苦しむ山間地支援だから必要なのです。

そして、魚介類に対する関税は、日本の漁業を守ることが日本の海を守ることに繋がるからです。

関税で保護されるにはわけがあり、保護することが国益なのだということを明解に言い切るためには、歪な現在の関税制度を変えていかねばばなりません。

■写真 午後の陽に輝く霞ヶ浦の湖面。中央の箱のような建物は、内水面試験場の養殖用の餌や機械を入れるハウスです。

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農業関税 守るべきものは守り、変えるべきは変えねばならない

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今回のBSE基準緩和の問題は、
TPPなどの米国の圧力に対してわが政府が自国民を守る意思が脆弱であるかを教えました。 

日本農業は守らねばなりませんが、それは今までの農政の中で温存されてきた矛盾まで無批判に守ることではありません。 

「TPPは農業関税問題である」と矮小化してはなりませんが、同時に関税問題でもあります。 

農業関税は、本来は自国農業保護のためにあるはずですが、長年の間に変質してそれを権力と勘違いしている官僚たちの道具に成り下がっています。 

コメの高関税は有名ですが、あの高関税が果たして農家のためだけのものだったのかははなはだ怪しいと、私は考えています。 

あれは減反と一対になったコメの国家カルテルを維持するためにあるもので、あのままで今後生き抜けるはずがありません。 

農水省は関税によって、数百億円単位の関税収入を得て補助金財源としての権力基盤として使っています。 

減反政策は、「米の生産-流通-管理-消費のすべてにわたり政府が管理する」という時代錯誤の社会主義計画経済ばりの政策です。 

これは戦中-戦後の配給米制度の名残ですが、このような戦時統制経済を21世紀まで続けるとは、さすが農水省も思わなかったのではないでしょうか。 

ここに農水省は、米の検査、減反の確認、保管などで別の官庁まで作っています。それが食糧庁-食糧事務所です。今では食料管理法の改正にともなって衣替えして農政事務所と称していますがなかみは同じものです。 

ここに1万人余の農水省職員がいます。仕事は減反の監視と米の等級検査のみです。つきあってみればわかりますが、いまでもお役人体質そのままの強権体質が抜けません。 

このような社会主義義も真っ青な計画経済の裏側で、年間80万トンものMA米が輸入され、その保管だけに500億円もの税金を投じて寝かせています。いや、多くのMA米は結局は家畜の飼料にするか、安物のセンベイの原料にするしかないようですが。 

今は国内米が原則自由市場となりましたので、民間の卸業者が保管しています。すると1万人余の農政事務所の職員はやる仕事がなくなり、今やMA米の管理と、重箱の隅をつつくような減反監視だけが主業務となっているようです。 

この食糧事務所は海外にまで出先機関を持ち、そこは例によって農水省の天下りの温床と化しています。 

つまりは、農水省の財源確保と余剰人員のプール、天下りの温床という役割をコメ関税は持っているのです。この関税-減反制度がなければ、農水省2万人余の職員はその半分以下でも充分に機能するはずです。 

コメ関税-減反制度はTPPで最初の標的にされるでしょう。いかなる改変を迫られるか私には分かりませんが、今のような形で温存できるとはとうてい思えません。 

また、バターの関税は「農畜振興財団」(ALIC)という、農水省の外郭団体、はっきり言えば天下り団体が仕切っています。この振興財団の主業務は、輸入バターの独占貿易です。

輸入バターは、特殊な関税システムを持っています。単純関税ではなく、二段階なのです。ここに財団が権力をふるう余地があります。

●600トン以下の輸入量・・・・一次関税・35%
●その枠を超えた輸入量・・・二次関税・29.8円/㎏+179円

バター輸入業者は、二次関税を払った上で、伝票だけ振興財団に回し、マークアップ(輸入差益金)の806円/㎏を上乗せされた金額で買い戻すということをします。

仮に500円/㎏の国際市場価格でバターを輸入するとなると
❶二次関税・・・・・・・・・・・・・・・・・29.8%149円+179円
❷マークアップ(輸入差益)・・・・806円
❶+❷=1634円

これに流通・小売りマージンが上乗せされる、輸入原価の3倍になります。一部消費者の「輸入食品が店で手に入らない」というのは、ことこのことに関してはあながち間違いではありません。

振興財団はいわばトンネル会社のようなもので、伝票操作だけで年間約11億円の収益を得ています。振興財団が一定枠を取って、上部団体の農水省に上納する仕組みになっています。

振興財団の法外な収入は有名で、理事長年収2000万円、一般職員の年収は930万円という東電顔負けの収入を得ています。

そしてこの関税収益は建前としては「農業の保護振興に当てられる」はずですが、それは7割程度にすぎません。

本来全額が畜産農家の振興に当てられるべきにもかかわらず、みずからはペーパーワークのみで甘い汁を吸いながら権力をほしいままにしている、と言われても仕方がないでしょう。

北海道様がご指摘のように、BSE対策で内部留保の財源が枯渇したようですが、それならば振興目的の官製団体としてまさに本望というべきでしょう。高額報酬を削ってでも財源を捻出するべきで、BSE対策基準の緩和に走るなど本末転倒というべきです。

このような存在を伏魔殿といいます。伏魔殿を維持するために、欧米にはありえない国家貿易を行っているのです。この腐敗した構造は麦でもみられます。

日本農業は長年内部にガスを蓄え込んできました。それは事実です。保護するべきは保護するのは当然ですが、しかし前世紀の遺物のような国家貿易や国家カルテルは廃止されるべきです。

■写真 なにか冬の日本海といった風景で、「津軽海峡冬景色」のひとつも歌いたくなりますが、茨城の北浦湖畔です。

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BSEの最後の砦が破られようとしている

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BSE(牛海綿状脳症)の対策基準が引き下げになるようです。これは、日本農業新聞(1月7日)によれば 

「昨年12月厚労省は、BSE対策の見直しを表明し、米国産などの輸入牛肉の月齢を20カ月齢から30カ月齢に引き上げ、更に月齢制限撤廃にまで踏み込んだ諮問をした。」 

それだけにとどまらず、厚労省はもう一歩踏み込んで 

「感染原因である異常プリオンが溜まりやすい特定部位の規制まで緩めた。」 

日本は、ご承知のように月齢を問わない全頭検査体制を続けてきました。これには根拠があります。 

2001年9月にわが国にもBSEに感染したの牛が発見されて衝撃を与えました。この第1例は5歳のホルスタインの雌牛でした。 

この原因は乳牛に与えられる強化タンパク飼料である肉骨粉であることがつきとめられるまでそう長い時間は要しませんでした。英国産肉骨粉が、産地を転々と偽装しながらわが国に流入しており、それによる発症でした。 

農水省は肉骨粉の全面輸入と使用禁止を決定しました。ここで農水省が決定した検査方法はがすべての牛を月齢を問わず感染検査する全頭検査体制でした。 

この日本のとった検査方法は、EUの全頭ではなく「24か月、ないしは30月齢以上」という検査方法より一段と厳しく評価されるべきものでした。 

一方同時に、危険部位とされる牛の脳、脊椎、遠位回腸、扁桃腺といった特定部位を取り除くことも決められました。 

このような世界的に見ても高い水準の対策が功を奏して、市場に安心感が出始めた2003年秋に発生したのが2頭の2歳以下の若い牛からの発生でした。第8、9例です。

2歳以下、つまり「24か月以上の月齢」という基準をすり抜けるBSEが存在していたことになります。その上に、この2頭は第8例が01年10月、第9例は02年1月の生まれで、いずれも肉骨粉の使用禁止がなされてからの牛でした。 

これは防疫当局に衝撃をもたらしました。そりゃそうでしょう。英国産肉骨粉が原因であると断定して、それをマークして対策を立ててきたのに、それが原因とは思われない牛が続々と出始めたのですから! 

そして、同年12月末に、必ずいつか必ず出るであろうと世界中の関係者が噂していた米国のBSE発症がとうとう発見されました。米国の肉牛の飼育管理方法が世界有数のいいかげな存在であることは畜産業界では有名だったからです。 

しかも、この米国産の感染牛がややっこしいことにカナダ産であって、その同時期に移動された牛の行方の記録や検査記録がわからなかったのですから、言いわけがききません。

これもNAFTA(北米自由貿易協定) の産物でした。カナダ生まれでも、米国企業が飼育し、しかも飼育期間中に米国に移動して、そこで仕上げられて米国産牛として輸出されるなどと、内実はわけのわからないジャングル風呂状態だったのがバレました。

これにより、米国産牛肉は輸入停止がとられました。あたりまえです。

吉野屋に得意そうに掲げてあった米国牛肉輸出業組合(だったっけな)のエライさんの「米国産牛肉は世界一安全です」というポスターは剥がされ、吉野屋牛丼ファン冬の時代が始まったのです。 マスコミは最後の牛丼を食べる客の姿を報道していましたが、馬鹿か。

これと同時に、米国からのすさまじいまでの政治的圧力がかかり始めます。 

まず2004年7月、内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会は「感染を検出できない若年牛を検査対象からはずしても、ヒトへの健康リスクには影響しない」という諮問を発表しました。これが、全頭検査体制の検査対象を「月齢20カ月以上」とした線引きの始まりでした。 

これが単なる科学的な諮問ではなく、米国産牛肉の全面禁輸荷対して「せめても20月齢以上の牛を輸出させろ」という米国の圧力があったことは明白です。 

政府は、第8例、9例のような20月齢以下の若牛から発症している事実に目を閉ざして、外圧に屈したのです。科学が政治の恣意に膝を屈するという悪例でした。

これが米国のお家芸である、「下方への協調」(Downward Harmonization)です。米国の低い水準に輸出相手国のほうが合わせろ、という無理無体です。それを美しく表現するとダウンワード・ハーモニゼーショとなります。 

「協調」とは強制の言い換えであり、強制は米国の勝手のことです。高きが低きと「協調」する、これこそがグローバリズムです。 

こうして、日米両政府の専門家・実務者会議は「全頭検査体制には限界がある」として若牛の検査場外を決定しました。 

しかし、検査には手間こそかかりますがエライザテストの1件あたりのコストは2500円程度にすぎず、牛肉100グラムで1円ていどの上昇にすぎないのです。しかも税金でまかなわれており消費者に転化されてはいません。 

現在日本ではこの検査費用に30億円を投じていますが、これは単に感染牛を見つけ出すためのものではなく、生育中の牛まで含めた国産牛の安全性の担保となっています。 

そして今年。TPP前夜。この最後の砦とでもいうべき20月月齢以上の検査体制が突破されようとしています。 

日本の消費者もなめられたものです。日本の科学者もなめられたものです。日本の畜産家もなめられたものです。

「食の安全」が、その時の為政者の勝手な都合に左右されることほど危険なことはないのに、それを易々と認めてしまうとは。 

もうTPPは始まっています。TPP参加交渉を名目にして、国民の目に触れない密室で、討議内容も国民に知らせずに密約が積み重ねられていきます。そして国民がそれを知った時には、国家間協定として国内法を超越するのです。 

これがTPPというバケモノです。

■写真  雪の朝。去年のものです。どこの雪国といった風景ですが、わが家の近くです(笑)。

■体調最悪の正月も終わり、おかげさまで少し元気がでてきました。酒を飲まないから元気がないのだという説もあり(私が流しています)、今夜あたり飲んでみようかな。

 

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福島県米作り農家からのSOSレター 福島県農業の未来は今年にかかっている!ガンバレ!

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福島の米作り農家たちからの訴えを転載します。自殺者すらでているとのことで痛ましい限りです。欄外をご覧ください。 

この福島有機ネットの呼びかけ文には数十トンとありますが、これは現状で福島有機ネットが把握している一部だと思われます。 

というのは、私の知る茨城の有機農家の現状ですら売れていない在庫は数百トンを超えているのが現状です。おそらく福島全体ではこの数十倍に登ると思われます。 

このような状況でもっとも心配されるのが、もう間近となったこの春のコメの作付けです。このような膨大な在庫を抱えるとなると、作らないで放棄してしまうかということになります。 

いったん放棄された田んぼは名目上は休耕田ですが、1年放置した田んぼは草が生い茂り、床土は抜けて、再生するまでに大変な労力が必要です。 

転作奨励の大豆や麦に走ることになる農家も激増することでしょうが、多くは放棄される危険があります。 

また、仮に作ったとしても、福島米という全国有数のブランド力を誇った優良な米が果たしてこの状況で生き残れるかが問われる事態になりました。 

福島県は全出荷袋(30㎏)の検査を開始しましたが、ベルトコンベアー式の検査では下限値がどうしても高くなるために、これで消費者の中に根強く浸透してしまった低線量被曝への恐怖をやわらげられるかどうか難しいところです。(欄外資料参照)

かといって低線量被曝を恐怖する消費者が要求するような5bq以下の全量測定は不可能です。30bq以下は一検体の測定は、デルマニウム半導体検出器での長時間測定しか方法はなく、星の数ほどあるコメ袋すべてを測定することなどはできる相談ではないからです。

仮に技術的にできたとしても莫大な予算がかかってしまいます。このベルトコンベア式計測器も一台百数十万円もする上、県は数十億円の予算を組んでいますが、例によって国の支援はなきが如しです。 東電はそしらぬ顔を決め込んでいます。

また福島県伊達市は、すべての水田にゼオライトと、セシウムが稲に取り込まれるのを抑える珪酸カリウムを撒くことに決定しました。(日本農業新聞1月7日) 

これは去年発生した暫定基準値500bqを超えるコメを検出した水田についての福島県と農水省合同調査の中韓報告において、以下のことが明らかになったことを受けた対応です。(日本農業新聞12月26日) 

農水省・福島県報告書によるセシウムが暫定規制値を上回った米の発生要因
❶土壌のカリウム濃度と野間に相関関係
❷空間放射線量が1.4マイクロシーベルト/時超
❸トラクターでの深耕が難しい田が多かった
➍セシウムの固定力が強い粘土質が少ない
➎沢水などを使う山林に囲まれた狭い田んぼが多い
 

この農水省・福島県中韓報告は、私たちが去年10月時点から指摘してきたことそのままです。(過去ログhttp://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-f6d1.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-1d1a.html 

このような地形の水田をしらみ潰しに計測するしか術はありません。

そもそも去年の春段階で農業者が福島県や農水省に対して、「このまま田植えをして大丈夫なのか。もっときめ細かく測定してほしい」という声を無視するようにして、作付けのゴーサインを出した結果がこれです。

そして収穫前1週間の検査の対象は、予備土壌測定調査(200bq/㎏以下)は各市町村で1カ所(* 平成合併以前の区割り)だけでは、ザルのようなものであることは明らかです。

今回の検出されたケースでも、周囲の水田の土壌測定値が低いのに、沢口の一枚だけが高いというケースでした。その基準値超の一段下の水田では基準値をはるかに下回っています。

しかもそれを見つけたのは、農家の自主測定の結果です。行政は恥ずかしくないのですか。

この事前測定方法では絶対にホットスポットは見つかりません。はっきり言ってザルもザル、大ザルです。

私がかねてから提唱しているのは、比較的安価なシンチエーションベロメータ(*一台20~30万円。3.11以降、国内メーカーの改良が進み、より高性能で安価になってきている)を各区、各JA、各改良区に大量配布し、ホットスポットになる諸条件のある地域を徹底的に測定することです。

今年こそホットスポットを見逃しては、福島農業の来年ない、と思って下さい。今年こそ、寝ボケた農水省の指示を待つことなく、各JA、各農業団体が持てる力のすべてを出して事前測定をしてください。

現状で福島県は雪の地域が多いと思われます。雪は測定を困難にするばかりか、雪は降雨より放射性物質の降下に強い影響を与えることがわかってきつつあります。

ほんとうに大変なことでしょう。悔しいことでしょう。不条理に胸をかきむしられるでしょう。隣県の農業者として、同じ放射能禍をかぶった者として心から同情します。

しかし、単に「安全です。食べて下さい」では都市の消費者にはまったく納得してもらえないのが現状です。それほどまでに都市生活者の見る視線は私たちに対してひややかです。

私たちが自分で自分の安全を科学的に証明するしか方法はないのです。今こそ、農業の共同の力で、コミュニティの力でこの暗雲を吹き飛ばすしかありません。

福島の農業者の皆さん、がんばって下さい。私たち茨城農民も同じ「被曝」仲間として応援しますから!

■写真 田植え前の稲しろかき風景。菜種が咲き始める時期にやります。今年は茨城でも農水省の決断の鈍さで丸々2~3週間遅れました。 この決断は遅く、そして杜撰でした。そのつけを農業者が払わされています。

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年の瀬にあたり、ふくしま有機ネットからの訴え~有機農業者・減農薬生産者のコメの支援をお願いします~

 

・11大震災・原発事故に揺れた2011年の年末にあたり、この1年の温かいご支援、ご協力に心から感謝を申し上げます。

年の瀬のこのときに、伊達市(霊山町)のイチゴ農家、二本松市(東和町)のりんご農家が自ら命を絶ちました。もうこれ以上農民から犠牲者を出さないでください。福島県の米は農協の倉庫に業者の倉庫にそして農家の納屋に生き場をなくして年を越す状況にあります。

とくに消費者との産直で取り組んできた有機米、減農薬米の生産者の「これでは年を越せない」との悲痛な声に耳をかたむけてください。

すでに報道されているように、検査の結果100ベクレル以下は95%(不検出は85%)であり、基準値を超えたのは0・3%です。もちろん検査し、不検出の米のみの支援をお願いするものです。出荷停止となっている伊達市小国地区などの地域は特異な例であり、それてすべての福島県産米が否定されることは悲しくてなりません。セシウムの米への移行が極力少ないことが検証され、来年の米づくりに光りが見えてきているこのときに、この希望の芽に心を寄せて下さい。

責任は東電にあり、農民を責めることができるでしょうか。

原発のない新しい時代を創るために今こそ、都市と農村の新しい関係を構築していくこと、私たち農民も農の営みを続けて、さらに安全安心なふくしまを再生していくことを約束して、緊急に米のご支援を訴えさせていただきます。


                         2011年12月30日

                         
NPO法人福島県有機農業ネットワーク

                                        理事長  菅野正寿

※支援を求めている農家は多数あり、販路を求めている米は数十トンにのぼります。詳しいお問合せ・連絡はふくしま有機ネット事務局(齊藤登 yuuki@farm-n.jp TEL0243-24-1795【二本松農園事務所を兼ねる】)までお願いします。
※二本松農園を応援いただいている皆さん、ぜひこの内容をツイッターなどで広げてください。お願いします。

 

■福島県は6日までに、今年秋に収穫される県産米について、放射性物質の検査を全袋で実施する方針を明らかにしました。測定機器を導入するJAや流通業者に対しては、購入費を全額補助する意向です。

 県産米をめぐっては、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る放射性セシウムを相次いで検出。4月からは規制値が同100ベクレルに引き下げられることもあり、県は消費者の信頼回復には全袋検査が必要と判断しました。 

 県農林水産部によると、測定機器は機械メーカーが開発中のベルトコンベヤー式の機器を想定。導入台数は百数十台、補助総額は数十億円を見込んでいます。規制値を下回ったコメに関しては、セシウム濃度を示すQRコードを付けて出荷することも検討しています。 

 県は現在、計20台の測定器を使うなどしてコメの検査を行っていますが、1日の処理量は約1200袋が限度。全袋検査にはJAや流通業者の協力が不可欠として、全額補助することにしました。(新聞赤旗1月6日)

 

 

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私たちは今、復興初期という「総論の時代」に生きています

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今、なにを議論していくべきなのだろうか、ということが去年から頭を離れませんでした。 

ご承知のように私のブログはわりと粘着質です。

口蹄疫は発生から終結までほぼ半年間毎日継続しましたし、放射能問題も、数えてはいませんが、8カ月間ていどは続けています。一日も休まず更新したので、回数にして300回弱にはなるのでしょうか。 

一昨年の口蹄疫の初めの時でしたが、「赤松口蹄疫」などというふうに感染症問題を政局でねじ曲げてしまう人が絶えなかっことに対して、そうではなくもっと今宮崎県で起きていることを直視しようよ、何が拡大の原因で、どうしたらこの悲劇を食い止められるのか考えよう、という気持ちで書いていました。

書き続けていると、私の凡庸な頭にもそれなりに見えてくるものがあります。それを探すための旅といったらきざですね。

今私たちがせねばならない国民的議論は、3.11以降を受けて、なにが復興を遅らせているか、放射能禍を晴らすにはどうしたらいいのか、TPPのなにが問題なのか、エネルギー問題はどのように考えたらいいのか、といった多くの問題を、ひとつひとつ潰すように考えていくことです。 

「民主党が悪い」ではそれで終わってしまいます。彼らの定見のなさと能力不足は今や誰の目にも隠しようがないからです。 

しかし,自民党の中枢は民主党の合わせ鏡であり、増税とTPP推進では立場を一緒にしています。

つまり民主か自民かという旧来の二分法には解がないのです。もし、今後日本の政治が有効な力を発揮するには、今のような数合わせの選挙互助会ではなく、本格的な政策と理念に基づく政界の再編しか生きる道はないでしょう。

「原発が悪い」でも同じです。今ほど原子力エネルギーや東電を無条件に批判できる時期はないでしょう。ではこの復興の時期に、即時にすべての原発を止めますか?すべてを直ちに廃炉に出来ますか?

エネルギー問題を政治スローガンにしてはいけないのです。

「放射能が怖い」と言うだけでいいのでしょうか。それを言い続けても少しも放射線量は下がりません。農家を批判し続けても何の解決にもなりません。放射能と闘う長い対策がいるのです。

「自然エネルギーが素晴らしい」といっても何の答えにもなりません。そのようなことはあたりまえであって、自然エネルギーの特性を考えないで走りだしても失敗するだけです。 

まずは自然エネルギーの特性と、限界を知ることです。そしてひとつひとつ落ち着いて俎上に乗せることなのです。 

準備のための議論をする時期なのです。その時期をふっ飛ばして「自然エネルギーの時代」になれば、必ずギクシャクします。現実化できません。 

私なりに提起したかったことは、今は自然エネルギーの細部に入ることを禁欲してほしいということです。今それを始めると、そこでどんどん深まってしまい、それで終わってしまいます。 

その意味で、木質チップの現状の問題点は重要ですが、、「今」考えねばならないことはもう少し別にあるはずです。それをみんなで考えていきたいと思うのです。

念のために申し添えますが、木質チップの話をするなと言っているのではまったくなく、そこにのみ力点をかけないで、もっと視野を拡げてほしいということです。 

各論より、今は総論をすべき時期なのです。私が何日か前の記事で「震災の復興にはイマジネーションがいる」と書いたのも、そのことです。

あれは別に目先の民主党政権批判のために書いたのではありません。 私は狭い意味での「政治」にはさほど関心はありません。

この復興期こそ、100年先の時代を考える大ぼらを吹きましょう。

私の文章は拙く、万分の1も伝えることがなきないでいますが、お越しいただいている方々はそれぞれ深い知見と経験を持たれています。その力を信じています。

■写真 茨城県神栖の風力発電基地。わが家のすぐそばにあります。つくば市の風車は回っているのを見たことがありませんが、この風車はぶんぶん回っています。日本で数少ない自然エネルギーの成功事例でしょう。

■[お休みについて] 去年毎日更新という「暴挙」をしてしまったためかどうか体調がぱっとしません。更新速度を週一回休みていどにま落とすことにしました。ご了承ください。

 

 

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「次世代エネルギー」について整理してみよう

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少し「次世代エネルギー」について整理してみます。 

「ポスト原子力」のエネルギーを考える時に、私は一括して「次世代エネルギー」としてしまうことに抵抗感がありました。 

たとえば一宮崎人様から提起いただいた木質ペレットと、メタンハイドレートやトリウム原発を同列にしてみても仕方がないじゃないか、というのが私の考えです。 

また、「バイオマス・エネルギー」という言い方で、今や熱病のように大規模に生産されている食料由来のバイオエタノールと木質ペレットや畜糞尿メタンガスなどを一緒にしてしまうのもいかがなものか、と思っています。 

昨日の繰り返しになりますが、各々のエネルギー源の置かれた立場や本質が違うのです。 

まず、前提として私は人間の食料と競合するような、あからさまに言えば餓死しようとする人から食料を取り上げて、燃やして自動車を走らせるようなバイエタには反対です。 

私はこのような行為がエコの名の元に行われる偽善に耐えられません。このカーボン・ニュートラルという考えは、立論それ自体の科学的根拠がいかがわしく、現実には21世紀に起きている地球規模の食料不足の格差を拡げる原因となっています。 

あくまでもバイオエネルギーは人間の食料と競合してはならず、産業廃棄物や地域未活用資源の再循環の過程から生み出されるべきものだと思っています。

その意味で、トウモロコシ、菜種、小麦、サトウキビなどのバイエタ化は間違ったコースに入り込んでいます。 

また、風力、太陽光、バイオマスなどのいわゆる「自然エネルギー」ですが、ひとつひとつ丁寧に検証されねばなりませんが、本来は小規模な地域コミュニティやビル、家屋などで利用されるべきローカルエネルギーパスです。国全体の代替エネルギーとするには荷が重いと思っています。 

たとえば木質ペレットですが、かっちゃん様のご指摘がありましたように、国内大手のファーストエスコが典型なように、今の木質ペレットは大部分が輸入材の加工くずの産業廃棄物が原料です。だから採算がとれています。 

それはそれとして結構なことですが、本来は手が入らなくなてしまった日本の山間地林業の再興と一対で考えられるべきものに思えるのです。

これは荒廃の度を深める国内山林をいかにして守っていくのかという環境保全と、その守護者であった一次産業の問題でもあります。

またゆっくりとお話したいと思いますが、森を守り、山を守り、水を守る、それが自分たちの生産の基本にも繋がるのだ、という伝統的にあった農業や林業のあり方をどこかでとり戻さねばなりません。

農業は農業だけで製造業化し、林業は人手がいなくなって輸入材に押され続けている現状自体をを変えて行く中で、木質ペレットも輝くのではないでしょうか。 

言い換えれば、私たちと無関係にどこかに「自然エネルギー」が存在するのではなく、自分の住む地域や、職業と絡ませて考えるべきものです。 

その意味でも自然エネルギーの取り組みは、国の代替基幹エネルギーうんぬんという議論から自由になって、もう一回自分の住む地域の宝を見直していくことに繋いでいけたらと思っています。

さて次に、今注目を集めているメタンハイドレートやトリウム原発などですが、位置づけとしては国レベルの代替エネルギーです。つまり、減少の一途を辿るであろう原子力に代わって、化石燃料やLPGと組み合わされて基幹エネルギーを担うべき役割を期待されています。 

こう言うと身も蓋もないですが、国レベルの代替エネルギーについては素人の私たちにあまり議論の余地はありません。

私たちはその技術が私たち国民にとって「安全・安価・継続性」ということを基準にして末端ユーザーとしての評価を下すことです。 

安全や継続性は、3.11以後説明を要しないと思います。いったん事故になれば国の3分の1が壊滅的打撃を受け、数万人が「被曝」し、その再生まで気が遠くなるような歳月がかかるようなエネルルギー源は、いかに発電コストが安かろうと本質的には「安価」とはいえません。

また、その代替として菅内閣が強行した再生エネルギー法は明らかな欠陥法であり、全量定額買い取り制により初期参入者のみが過剰な利潤を上げられるような構造になっています。

電気料金の値上げは、主唱者である孫氏が言うような500円値上げなどではとうてい済まず、おそらくは5000円近い値上げになると言われています。

このような高額な代替エネルギーをうむを言わせず国民に押しつけるようなことは、エネルギー新世代の戸口で慎むべきではないでしょうか。

今必要なことは、雨後の竹の子のように登場した各種エネルギー源を性質ごと切り分けて位置づけ、それぞれに適したあり方を国民が議論することです。

同時に技術的な進歩に対しても国策化するべきです。今はそのような「次世代エネルギー」のテイクオフ前の準備期間であり、拙速な国民への押しつけは逆効果となると思います。

■写真 近所の山林。完全に手が入っていません。間伐がされないために樹は細く、少しの大風で倒れて道を塞ぎます。これが今の里山の状況です。

■[ひとこと] 
コメント欄は記事に対してのコメントを書き込む場所です。「コメントに対するコメント」を書き込む場所ではありません。議論が熱していくのは好ましいことですが、このコメントは私の記事を読んで書いているのだろうか、というものも少なからず見られるようになってきました。

このようなことになると、私はテーマ座談会のお題を決めるだけでいいことになります。もう少しエントリーとのやりとりの中で書き込んでもらえると励みになります。毎朝2時間かけてそれなりに苦労して書いても頭から記事を無視したような書き込みが続くと、正直に言ってなんともやりきれない思いがしてくじけます。
よろしくご判断ください。

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自然エネルギーは農業に似ています

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今まで私は2種類の自然エネルギーを実践しています。 

ひとつは太陽光発電であり、これがわが言えに設置されたのは契約書を読むと平成9年とありますから15年ほどになりますか。 

わが県では第1号に近いもので、設置にあたってはシャープの関東支店長が直々に指揮をとったほどです。 

上の写真がモジュールと呼ばれるパネルです。24枚あります。定格出力は3.096Kwです。ガタイがでかくて分厚いのはご愛嬌で、今のモジュールは比較にならないほど薄く、発電効率が高くなっています。 

わが家は、東京電力との「太陽光発電設備の系統電力受給に関する契約書」によれば、「濱田太陽光発電所」という呼称になります。 

「発電所」ですぜ。そうか、わが家は太陽光発電所なのであるかと、ハンコを押した時にジーンときました。

2番目は菜種です。菜種を1ヘクタール栽培して菜種油を絞り、廃油をバイオディーゼル化する実験をしました。その時の栽培写真が下です。 

Img_0009
結論を言えば、新年そうそうナニですが、太陽光、バイオマスエネルギーの2ツに限って言えば、現時点で代替エネルギーにするには弱いと思われます。
太陽光に関しては、過去記事でも何度か書きましたのでそちらをお読み下さい。
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_afad.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_7da5.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-c447.html

その理由は、自然エネルギーの本質的性格にあります。

自然エネルギーはローカルエネルギーパスです。、地域エネルギーがその本質なのです。ですから、メガロポリスや大工業地帯に対するエネルギー源としては不安定な存在です。 

たとえば、夜間電力を供給することは太陽光にはできません。曇ったり雨になれば直ちに発電が止まります。 

蓄電は電気がもっとも苦手とする分野で、現在技術進歩が急がれていますが、完全なブレークスルーに至っていません。 

そのために、現状では、通常の化石燃料や原子力発電のブレンド電源の系統に昼売って、夜に買う宿命から逃れられていません。 

つまり晴れている時の昼間専用電源なのです。 

また気象条件ひとつで、供給電力量のみならず周波数すら変化してしまうので精密機器用電源には向いていません。

国策として大量に生産されれば違ってくるでしょうが、現状では太陽光パネルはコスト的に高価にすぎます。一所帯で200万円というのは、普及価格ではありません。

私の場合20年償却で考えていますから、あと5年で償却完了となります。そうすれば、電気代が8割浮くことになりますね。おお、長き道のりであったことよ(うるうる)。

このように考えると、太陽光発電は、自宅や狭い範囲の地域電源,ビルなどのサブ電源としては有効であっても、そもそも広域電源としては不向きなのです。

もちろん、やればできないことはありません。米国で一部実用段階に入ったスマートグリッドを使って適時に必要な電力量を確保することや、超電動を利用して送電ロスをなくすことなどです。

また電力消費者がエネルギー源を自由に選択できないことも難点です。どうしても高い電力となる自然エネルギーか、それとも相対的には安価ではあるが化石燃料や原子力を使った電源を選ぶかの自由です。

ドイツでは、日本のような電気事業法がないために送電会社と発電会社が異なっており、自らの希望するエネルギー源を選択することが可能です。

ただし、これには発送電分離が前提となります。日本では電気事業法を改訂し、東電が7兆円ともいわれる送電網を入札にかけることができれば、現実味を帯びてきます。

東電国営化もささやかれているので、その時に同時に電気事業法が抜本的改訂されればちょっと面白いことになりますね。

さて私は、自然エネルギーは農業とよく似ていると思っています。農業が自然と敵対しては生きることができず、土と天候に絶対的に拘束を受けるように、自然エネルキーもまたその名のとおり自然条件によって宿命づけられています。

農業が本来その地域の中で作られて消費されることが理想なように、自然エネルギーもまた地域の特性に合わせた電力源を選び、一定の大きさの地域社会の中で消費されることがいいのだと思います。

たとえば風が吹かない地域に風力発電を持って行けば、つくば市のような税金をドブに捨てるはめになりますし、大都市で木質ペレットを使うのも馬鹿げています。小型水車は水系が豊かな地域のものです。地熱は温泉地帯です。

ですから地域の特徴に合わせた電源を選び、それをうまく組み合わせることで小規模なコミュニティの電源としては充分に実用的です

その場合、発電ポイントからせいぜいが3キロの範囲で消費されれば良いと思います。昔でいう火の見櫓から見渡せるコニュニティの大きさが最適です。

あてがいぶちの化石燃料や原子力由来の電源ではなく、自分の生きる地域の風土を住民がよく観察してエネルギーを選ぶことができるのです。これは素晴らしいことだと思っています。

ですから、なにがなんでも太陽光という今の風潮には私はちょっとなじめません。自然エネルギーは、各種の地域の自然を活かしたエネルギー源の無数の組み合わせに特色があるので、ひとつに偏って大規模に膨張させるというのはいかがなものでしょうか。

その意味で、孫正義さんの提唱するメガソーラー構想は、いわば大規模農業の施設園芸のようなもので、きっとこの人、多額の税金投入が前提の高額買い取り制度をあてにして濡れ手に粟を企んでいるんだろうな、と心秘かに邪推しています。そう言われれると彼は激怒するそうですから、あんがいズボシなんでしょうね。

原発が全機停止することが射程に入りました。、本来は代替エネルギーのめどがたってやるべきなのでしょうが、論議が生煮えのまま政権維持の党利だけで突っ走ることが特技ですのでいたしかたがありません(←どうしてもイヤミのひとことがでてしまいますね)。

それはさておき、自然エネルギーの議論は、自分の生活スタイルや生きる地域を見直す意味でも大変に有意義なことです。代替エネルギー議論だけにとどまらず、エネルギーを農業のように考えてみるのもいいかもしれません。

そぱが本来の自然エネルギーの生き方なのですから。

 

■写真上 母屋屋上の太陽光パネル。夏になるとヘチマやキウイのツルとの闘いになります。

■写真下 菜種の栽培風景です。4月下旬の満開の時期です。国産菜種を絞ってくれる油屋も少数ながらあります。 

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復興にはイマジネーションを持て!

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先日、福島県の子供を県外に疎開させよう、という運動をなさっているお母さんたちの話を聞くことがありました。
 

彼女たちが訴える、「なぜ政府は徹底した測定をしないのか。もう子供だけでも疎開させるしかない」という声は胸を打ちます。  

しかし、政府は重い腰を揚げる様子もありません。ホールボディカウンターでの内部被曝測定は避難地域などの放射線量が高かった地域のみの約6千人にすぎません。それも長期に渡る内部被曝の定期的検査の予定は未だ立っていません。  

福島市、郡山市、二本松市などの地域では遅れたままに放置されています。地方自治体はがんばっていますが、財源的にも施設的にも無理があるからです。

事故から10カ月が立とうというのに、被曝による健康被害をしっかりと国で長期間にわたって管理していく仕組み作りは俎上にすら登っていない状況です。 

なぜでしょうか?答えはバカバカしいほど簡単です。国に「金がない」からです。  

今回の被災は津波により街全体が押し流された地域が続出しました。復旧の鉄則は同じ場所に街を建ててはならないということです。  

瓦礫を撤去して、津波のこない安全な高地へと地域社会を移転をせねばなりません。ところがこれもまったく進んでいません。  

なぜでしょうか?これの答えも同じです。1兆6千億円規模の「財源しかない」からです。  

震災により東北から関東の漁港は例外なく大きな損害を受けました。関連施設の加工場も押し流されてしまっています。この復旧はめどすらたっていません。漁業者の互助によってかろうじて操業が再開されている有り様です。  

福島第1原発の事故によって、5県にまたがる広域な農地が汚染されました。国による除染は、避難地域のみに限られていて、9割以上の農地は国から見捨てられた状態になっています。  

深耕による方法での除染には限界があり、セシウム結着資材であるゼオライトなどを大量に必要としています。この支援も低調です。  

また、農産の測定器材は自治体に1ツというのが現状であり、大部分の農業団体は自腹で高価な測定器材を購入している状況です。  

しかし、消費者の低線量の脅威に対する声は日増しに高まり、それの対応をどうしたらいいのか個々の農業団体の手には余るというのが本音です。農業者の苦悩はまったく先が見えない状況です。  

ここでも国は何の支援もしていません。支援を訴えようにも国の姿はどこにもありません。  

なぜでしょうか?ここでも答えは同じです。投入すべき復興の「財源が不足している」からです。  

政府の第3次補正予算案12兆1025億円のうち、復興費としては9兆  2438億円です。これでは被害総額のごく一部しか復旧が可能とならないでしょう。  

震災による被害総額の見積もりは去年3月末の時点で16兆から25兆と言われていました。今は原発事故が加わり、とてもそのような規模では収まらさず、その十倍にも達するでしょう。

このような消極的な復興予算が生まれるのにはわけがあります。それは法的な問題です。

「公共土木施設災害復旧災害復旧事業負担法」(「災害負担法」)を根拠として、国は震災により被災した地方公共団体のインフラを整備することができます。

この災害負担法によって地方自治体の公共インフラを復旧する資金を国が出すことができます。

裏返しに言えば、それしかできません。最大限に解釈しても、元の公共インフラの現状回復までです。

それを超える民間の被害、、市街地の移転、農地の除染、市民の被曝被害の検査、ましてや新たな街作り構想などは、一切視野に入っていません。その都度、特別措置法を作る必要があります。

この災害負担法は、かつての1995年阪神・淡路大震災でもわずか3.5兆円という焼け石に水の復旧予算しか組めなかった村山内閣の前歴を持ちます。この法律は、台風ていどの災害規模しか対応ができないのです。

今回の東日本大震災と福島第1原発という二重巨大災害は、この法律の想定した枠を軽々と飛び越えて、巨大で複雑な様相を呈しました。

しかし政府は、この災害負担法に縛られた財源論の中で、ちまちまと高速道路の無料化はもう無理だとか、子供手当ては自民党案に妥協してここで税源をひねり出しなどと子供の遊びのようなママゴトをやっていたわげです。

かつての関東大震災の時、後藤新平内務大臣の構想をご存じですか。1925年の国家予算の実に3分の1という規模に相当する5億円の復興予算を組んでみせました。

今の日本の国家予算が92兆円ですから、30兆円規模の復興予算です。実は後藤は5億円などというなまぬるいものではなく、30億円という国家予算の二倍ちかい予算案を作っていたのです。

現在の国家予算規模に直せば184兆円です。驚嘆すべきイマジネーションとしか言いようがありません。元東京市長だった彼は、単なる原状回復ではなく、将来の自動車時代を見越した斬新な新帝都構想をもっていました。

結局大蔵省の頑強な反対で5億円にまで縮小したものの、今でも後藤のプランは環状線、放射線として現在の東京の大動脈となっています。

このような天に届けという復興の号令は、関東大震災以後荷うちのめされた市民を勢いづけ、復興特需すら生み景気回復に繋がっていきました。現代の政府中枢に巣くう政治家とは同じ日本人とは思えないほど壮大で豊かでてす。

今の政府は後藤と真逆なことをしています。復興に名を借りた増税です。各種の規定予算を切って財源を少々作り、それで足りなければ増税だという発想です。

この発想は残念ながら、与党の菅-野田政権の基本的な方針であり、弱り目に祟り目なことには野党自民党の谷垣総裁も同じ増税論なのですから救いがありません。

今、大震災と原発事故の復興に必要なことは家計簿感覚での財源論ではありません。国民に勇気を与える復興への想像力です。

■写真 朝日より夕陽のほうがなぜか好きなワタクシ。人生が黄昏だからなんていわんで下さいよ。

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今年、私は年男です。カンレキですって!

010
今年は私の干支です。はい、私は辰年のオトコなのであります。わ、はは。  

昭和27年(1952年)のある眠そうな春に誕生いたしてなんと還暦です。いや重いこの響き。ズーンときますぜ、60歳。  

以後、ハマジィとお呼びください(←ぜったいに呼ばないでね)。  

30歳の時に農業の世界に転がり込み、40歳は忙しさにかまけてなんとなく超え、そして50歳はやりたいこと満載でクリアし、そして嗚呼、今年とうとう還暦だ~い(号泣)。  

私の回りのジジィ、ババァ予備軍に聞くと、全員が「実感がないよなぁ」。歯も抜けていないし、背中も曲がっていないし、30㎏の半俵はかつげるし、シワはないし、髪だって若い時からでいまさら・・・、おっとと髪の話はやめましょうかね。

私の記憶にある「60歳」は、もうしっかり老人でした。縁側で爪切っている感じとでもいいましょうか。ズズッと渋茶を飲んでいると言いましょうか。  

ただ、都市に住む勤め人と、農家の私とではかなり事情は違うようで、勤め人の友人どもに聞くと、軒並み定年です。第2の人生とやらに出発だそうで、まことにめでたいことです。ただ、大部分がなにをやったらいいのか分からないようですが。  

私の場合、定年もなにも死ぬまでこの職業ですから、脳卒中にでもならない限り、這いつくばっても農業やっております。いや、ヨイヨイレロレロでも働くかもしれませんね。 

農業とはおっそろしいことにヨイヨイだろうが、レロレロだろうが出来る仕事があるのです。口が回らなくとも選別はできる、てなもんです。 

農業のよさは懐が深いことです。障害者でも、老人でも必ずやる仕事があります。身体の事情でペースも選べます。 

大規模企業農業はいざ知らず、家族労働なら自分の事情に合わせた仕事が必ずあります。これは強い。 

私の知人の農場では知的障害児たちが雑穀を作っています。あの細かいキビやアワ、ゴマの実を温かい日差しの中で終日より分けています。私なんぞ、あんな根気はないですね。 

旧友がいまさらのように、「お前が30で農業に行った時は世捨てになる気かと思ったが、今はみんな農家になりたがっているんだよな」、と正直なことを言っていました。

そうかオレは世捨て人だったのか、それにしちゃあ元気な世捨て人だったんだなぁと思ったのですが、かつてのそういう就農イメージはまったく変わりました。

今、就農をめざす若者はそれぞれ独自のイメージを持って農業にやって来ています。自分の生活をすべて手作りしたい者、農業をビジネスと考えている者、身障者を受けられる農場を作りたい者、第3世界で使える有機農業を実験する農場を作りたい者、皆それぞれです。

農業は可能性に満ちた分野です。農業生産のみならず、福祉、教育、工芸、芸術まで含んだ巨大な分野です。それは同時に、現在の農業が製造業になる中で、少しずつ切り捨ててきた世界ではあります。

私は「農業を守る」という言い方は相当に嫌いです。なぜなら、そう農家が言う場合、農業が弱体化しており、滅亡寸前であるかのような自虐的陰りがあるからです。

私は違うと思います。農業には確かに守るべき価値はありますが、それは高齢化したから、国際競争力がないから、といった後ろ向きの理由ではなく、農業が守ってきた伝統と歴史の中にかけがえのない価値があるからです。

TPPのグローバリズムと「闘う」というのは、製造業としての農業だけの土俵ではなく、もっと広い「農業の価値」を見直していくことだと思っています。

今年はこのような農業の伝統的な価値も見直しながら、あくまで農業者としてグローバリズムと「闘う」ことになるでしょう。

それは泣き言ではなく、こんな価値が農業にはあるのだ、という農業の復権です。

さて私の60代、いかなることになりますか。

■写真 一面のススキの原に陽が沈みます。 

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心の底からおおめでとうと言える一年とするために!

033
明けましておめでとうございます。
本年こそ、この弧状列島に平穏な日々が訪れますように祈念いたします。

さて今年私は、大変申し訳ないのですが、素直に「おめでとうございます」と言えません。

去年私たちの頭上に現れた暗雲は、未だ私たちの上を覆っているからです。それはいうまでもなく、復興の著しい遅れであり、原子力事故であり、今一つはTPPに現されるグローバリズムです。

復興の遅れは復興予算規模の過少さと政府の熱意のなさによって、今や許しがたいほどです。

また原子力事故による放射能は広域にまき散らされました。その影響は避難地域のみならず、東日本全域の市民生活の隅々まで脅威を及ぼしました。

政府は「冷温停止」などと言っていますが、国民のうちどれだけがその言葉をまともに受け取ったでしょうか。

このような政治的な宣伝にうつつをぬかし、守るべき者たちを守らず、防ぐべき災厄を放置したのは「政治」でした。原子力事故において、「政治」は完全な不在でした。

市民は自らの家族をネット情報だけを頼りにして守るしか術はなかったし、農業者は自らの農地がいかなる状況なのか知ることすらできなかったのです。

そして、農業は市民の怨嗟を一身で引き受けざるをえない立場に追い込まれました。去年、私たち東日本の農業者が受けたいわれなき罵倒、中傷、経済的打撃は思い出すだけで煮えくり返る思いです。

この打撃から未だ東日本農業は立ち直っていません。いや、福島県農業は今春の田植え計画すら立たない闇の中に置き去りにされたままなのです。

この震災と原子力事故がなにひとつ解決を見ぬ今、「政治」は更なる重税とグローバリズムを仕掛けてきました。

正気とは思えません。原子力事故を防ぐことができず、守ることができず、癒すことができず、解決を放棄した「政治」がした唯一のことは、地獄に私たちをより深く蹴り入れることだけだったのです。

今年は原子力事故との息の長い闘いに加えて、TPPとの闘いも本格化します。「政治」は私たち農業が「国民の敵」であるかのような宣伝を行うでしょう。

既得権益にしがみつく過保護農業が自由貿易圏に参入することを阻んでいる壁だ、と言いつのるでしょう。

「政治」は、今年6月から9月だと予想される米国議会承認まで、秘密交渉で米国に平服しながら、一方で国内の世論をTPP歓迎一色で染め上げようとします。

すべての大マスコミはグローバリズムの翼賛会と化しました。地方紙のみが私たちの側にいるにすぎません。

その時、去年についで再び私たち日本農業はスケープゴトトに仕立て上げられます。

私たちは堅い論陣を張っていかねばなりません。原子力事故においても、TPPにおいても、私たち農業は孤立してはなりません。

農業は農業のみのために闘っているのではなく、国民の代表として闘っているのです。国土のために闘っているです。森と水のために闘っているのです。

今年もつらい一年となるでしょう。しかし、私たちがひとりではないことを信じて一歩を進めましょう。

心の底からおめでとうと言える一年とするために!

いきなり震度4の初揺れです。無事でしたが、なにも元旦から来なくてもよさそうなものなのに。(午後2時28分)

■写真 せめても写真くらいはおめでたくということで、茨城の初日の出です。ただし、今年は曇っていまして、去年のものですが。 

■明日は更新を休ませていただきます。ああ、南の島様、cowboy様、畜産農家はつらいっですね!うちもヒヨコが年末に入ってしまいました(泣)。

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