被曝した広島市民は世界一の長寿をまっとうした
コメントありがとうございます。
さて、私は言うまでもなく専門家ではありませんが、分かる限りお答えします。 といいますか、ご意見をいただきながら一緒に考えていきましょう。
●遺伝子や染色体に対する影響
前回載せた被曝疫学調査40年間の資料によれば「「性染色体、「平衡型染色体再配列」など、いわゆる奇形に関する統計データには有意な差は認められていません。
このデータは、責任ある広島大学医学部研究機関による、実に20万人以上の、しかも40年間という被曝者の半生にも渡る追跡調査です。
統計母集団の多さと長期間にわたるこのデータ解析の信憑性は極めて高いと思います。
この広島・長崎の被曝者に対する40年間の調査の結果、以下のような放射能の影響があることがわかっています。
障害は被曝後数週間で発生する急性障害と、数か月から数十年の潜伏期間をへて発症する後障害(晩発障害)に分けられます。
これは受けた放射線量によります。
・250ミリシーベルトを短時間に受けた場合・・・・早期に影響が出る
・250ミリシーベルト以下 ・・・・臨床症状が出ないが、後障害に注意を要する
・500ミリシーベルト ・・・・リンパ球の一時的減少
・100ミリシーベルト ・・・・吐き気、倦怠感、リンパ球の激減
・1500ミリシーベルト ・・・・半数の人が放射線宿酔(頭痛、吐き気など)
・2000ミリシーベルト ・・・・長期的なは血球の減少(白血病)
・3000ミリシーベルト ・・・・一時的な脱毛
・4000ミリシーベルト ・・・・30日以内に半数の人が死亡
(「放射能と人体」1999年による)
広島・長崎では500ミリシーベルト以上被曝した場合、その線量によってガン発生率が増大することがわかっています。
つまり、1時間に年間許容限度の放射能を浴びてしまうと、人体はDNA損傷を修復できなくなってしまいます。それがガンなどの原因になる可能性があります。
●安全か危険かを問う前にしてほしいこと
さて、私が福島住民の被曝に関して、 安全か、危険かと問う前に確認していただきたいことがあります。
❶どこで、どのような状況で被曝したのか。そのときの空間線量の値を知ること。室内なのか、屋外なのか。
❷被曝期間の長さ。数時間なのか、それ以上なのか。
❸妊娠していたのか、していなかったのか。乳児はいたか、いないか。成長期の子供はいたのか、いなかったのか。
➍安定ヨウ素剤を飲んだか、飲まないか。
➎被曝直後なにを食べたのか。
❻ホールボディカウンタで診断を受けたか、受けないか。
これらの住民の状況を把握することは体系的にやらねばならず、現在県外に避難している人々も含めて最低でも浜通地域のすべての住民を対象にして、国家が責任をもって行うべきです。
●放射能によって奇形がでるという説があるが
放射線によって奇形異常があるという説も承知していますが、それの多くはその科学者の知見、要するに意見です。
たとえば低線量被爆についてはECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会)のバズビー氏がチェルノブイリ以降にスウエーデンで数万規模の発ガンがあったと唱えていますが、疫学データの裏付けに疑惑が持たれており、国連科学者委員会(UNECEAR)では採用されていません。
知見の発表は尊重されねばなりませんが、疫学的データに基づかないものは仮説の域を出ません。
しかし残念ながら現在仮説を百倍膨らました妄想のような意図的差別言辞がネットを中心に多く流されて福島の人々を苦しめています。許しがたいことです。
これらの愚劣な言辞は、福島の人々を差別し、結婚差別や児童差別を生み出すだけではなく、今後の福島の人々のあるべき健康管理を妨害しています。この人たちがよく使う表現でいえば、かれらこそ真の「東電の手先」です。
●α線とγ線では、人体(染色体など)に対する影響が違うのではないか
私は専門外ですが、α線であろうともβ線であろうとも、飛ぶ距離や、透過する厚みなどの違いはあっても、いかなる放射線の種類であろうとも人体に対しての影響は出ると思われます。
核種による放射線の種類は欄外資料をご覧ください。
セシウムはベータ線・ガンマ線ですが、同じ放射線の仲間には私たちが体内に大量に蓄え込んでいる自然放射性物質のカリウム40などもあります。
横浜で発見されて大騒ぎになったストロンチウム90は(原因は米ソの核実験野残留物質でしたが)、人体が取り込むと骨に蓄積し障害をおこすベータ線です。
あるいは、原爆で大量に放出される中性子線は、人体を透過しますが、確実に生命体を殺します。
決定的なことは言いかねますが、放射線の種類は、人体に対する影響に関係ないのではないでしょうか。
放射線はその量と時間によって、大量に一時期に被曝すれば活性酸素を発生させてDNAに損傷を与えます。
このDNA損傷に対して修復が間に合わない場合、ガンを発生させます。少量の放射線は日常的な人体のDNA修復作業の中で解消されるとされています。
なお、低線量被曝についての異説は存在します。といいますか、今や異説のほうが社会的に影響力をもっているようですが、とりあえずこれが放射線防護学界の国際的な共通知見だと思って下さい。
ということで、このメカニズムは放射線の種類によるものとは無関係だと思います。
●内部被曝と外部被曝の違い
外部被曝と内部被曝の差は、おそらく影響と起きるタイミング、時期の違いではないでしょうか。
内部被曝は食料、呼吸によって臓器内部に侵入しますから、晩発性です。一方、外部被曝してしまうような条件は、空間線量が多いということですから事故初期に限られます。
外部被曝は屋内に退避したり、それなりの防護措置をすれば防ぐことができます。
たとえば、昨年の3月から4月の一定の時期までは外部被曝に警戒が必要でした。しかし、今は避難地域を除いては、焦点は内部被曝という関節的なものに変化してきています。
内部被曝は食べないわけにはいかない食料や水を介します。これについて結論的なことは控えますが、私は現時点では発ガン、あるいは奇形を発生させることはないのではないかと思っています。
それは放射能の影響を受けやすい細胞分裂が盛んな器官である、腸管、造血器官、生殖腺、皮膚であるために、逆にいえば排出も早いことになります。
また成長過程の乳児や子供は警戒を要するのですが、これも比較的早く体外に排出されてしまうことが知られています。これを生物学的半減期といいます。
放射性物質はセシウム136が半減期30年間などとよくいわれますが、現実には生体内から排出されてしまうので身体の中で30年間あるわけではありません。
セシウムの生物学的半減期
・乳児の排出までの期間・・・9日間
・9歳児で ・・・38日間
・30歳で ・・・70日間
・50歳で ・・・90日間
週刊誌に福島の子供たちの尿からセシウムが出たと大騒ぎしていましたが、あたりまえです。正常な人体の放射能防御だというだけの話です。週刊誌は他人の不幸が嬉しいようです。
ただし、呼吸器系は腸管などより排出はむずかしいようです。また微量の低線量放射性物質が各種臓器に蓄積された場合、長期間のうちになんらかの影響が出る可能性は否定しきれません。
「福島でガン患者が40万人でる」などというECRRの発言は悪質な妄想の類だと思いますが、性周期の乱れ、呼吸器系の障害、強い心理的ストレスなどは既に福島県の女性から多く寄せられています。
何度も言いますが、国は責任をもって福島県の人々、特に子供と女性の健康管理を徹底する必要があります。国は福島県浜通リを中心として県民の医療無料化に踏み切るべきです。
●福島の住民の内部被曝線量の疫学データはあるのか
不完全ですがあります。まだ測定の過程で1万人ていどの住民しか終了していませんが、徐々になされてきています。
非常に遅い!もう1年ちかくたっているのですから第1次測定は終了してもいいはずなのに。無能政府の不作為と言われても仕方がありません。
それはさておき、9月末までの福島県の住民4463名の疫学データによれば、この内部被爆量は以下です。
・最大数値であった3ミリシーベルト・・・2人
・2ミリシーベルト ・・・・8人
・1ミリシーベルト以下 ・・・・4447人
セシウムが、女性の卵巣に影響を与えるとすれば、650ミリシーベルト以上の被曝線量が必要です。それがチェルノブイリでのラインでした。
仮にセシウムが全身均等被曝することなく、卵巣にのみ蓄積されたとしても、福島の最大内部被爆量3ミリシーベルトは、チェルノブイリの750ミリシーベルトの、250分の1でしかありません。
ただし、繰り返しますが、これに関しては疫学データが圧倒的に不足していますので、結論的なことは言う段階ではありません。 すこしでも早い住民の測定を願います。
●広島・長崎と福島とは違うのではないか
原爆と原発事故は同じ性格の部分と違う性格の部分があります。
ひとつは、原爆と原発事故で出る核種に違いがあることです。原爆は爆発的に高エネルギーのγ線、α線、中性子線を出します。核種としてはプルトニウム、ウラン、ストロンチウムなどです
1970年代に広島大学原爆放射線医学研究所が広島市の土壌残留放射能測定をしましたが、結果はセシウム137はほとんど検出されず、濃縮ウランが検出されました。
原爆はほとんどセシウムを出さずに、ウラン、プルトニウム、ストロンチウムなどを放出します。ですから、小出裕章先生が「広島で落とされた原爆140発分が福島に放出された」という発言は、この広島大学の測定を知らないか、意図的に無視した発言です。
もっとも小出先生の専門は原子炉であって、放射線防護学ではありませんが。
一方、福島第1原発事故においては、事故直後に放射性ヨウ素131が大量に放出され、その後にはセシウム134、136が9割以上を占めています。ストロンチウム90やプルトニウムはごく微量が原発近辺で見つかったのみです。
このような核種の違いはありますが、どう考えてもプルトニウムや濃縮ウランとセシウムを同列に並べるわけにはいかないでしょう。言うまでもなく前者のほうが数百倍凶悪です。
次に広島・長崎と福島の共通点ですが、投下直後に亡くなった方を除いて、大部分の方はいわゆる「入市者」という被爆直後に救援のために市に戻った人たち、家族、知人の安否を求めて帰った人々、そして映画にもあった「黒い雨」という煤煙を含んだプルーム(放射能雲)からの雨を浴びた2キロ圏内の人々です。
この方々を中心にして40数年間データ採取されています。 それが昨日に掲載した疫学調査結果です。
これらの人々は誘導放射能(*原爆から出た放射能が土壌に当たってはねかえて出る放射線)やフォールアウト(*放射性降下)によって被爆しました。
その数は、被爆直後に亡くなった人々より多い37万2千人(昭和55年度)にも及びます。
広島・長崎と福島と安易に同列に扱うことは憚られますが、しかし初期における劇症の外部被爆を除けば、あるていどの時間がたった後の土壌や食品、水などを介しての間接的な内部被爆という構図は一緒だと思います。
いや、広島・長崎のほうが福島よりはるかに大きな放射線量を日常的に浴びていたり、吸収していたのではないでしょうか。
●広島の再生は福島より早かったのか
比較にならないほど速く広島のほうが福島より早期に復興しています。
投下から2か月たった広島市内には相当量の放射線が残留していたと思われます。当時の土壌放射線量のデータが見つかりませんが、現在の避難地域以上の線量であったことは確かです。
しかしその広島に、その年の10月には人が戻り始め、翌年春には交通などのインフラが復旧しています。なんという再生と復興の力でしょうか!
さて、ここに広島で被爆した人たちの後半生のデータがあります。下図をご覧下さい。
グラフの外縁の-●-が「入市者」という先ほど述べた被爆直後に救援や捜索で市内に戻った人たちのその後です。
女性、男性の平均寿命(左側)ともに、一目でお分かりのように、全国平均を上回っています。三大疾病、つまりガン、心筋梗塞も全国平均より下です。
そして広島市の病床数、病院従事者数は全国を上回っています。広島市の平均寿命は女性で全国一です。日本一ということは世界一ということです。
世界一の長寿の県、これが「60年間草木も生えない」と言わしめた広島の現在の姿です。
これは、被爆による後の日本政府がとったフォローが正しかったことによります。この核心となったのが被爆者手帳の存在です。
私は今の福島に必要なことは被爆者手帳だと思っています。長くなりましたのでこれは次回に続けます。
■写真 芽吹いた桜のつぼみ。もう少しでこれを見られます!寒波にめげず芽は春を待っています。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
■ 放射射性物質と放射線野種類
名称 記号 半減期 放射線の種類
炭素-11 11C 20分 ガンマ線
酸素-15 15O 2分 ガンマ線
リン-32 32P 14日 ベータ線
カリウム-40 40K 13億年 ベータ線、ガンマ線
鉄-59 59Fe 45日 ベータ線、ガンマ線
コバルト-60 60Co 5.3年 ベータ線、ガンマ線
ストロンチウム-90 90Sr 29年 ベータ線
ヨウ素-131 131I 8日 ベータ線、ガンマ線
セシウム-137 137Cs 30年 ベータ線、ガンマ線
ラジウム-226 226Ra 1600年 アルファ線
ウラン-235 235U 7億年 アルファ線、ガンマ線
ウラン-238 238U 45億年 アルファ線
プルトニウム-239 239PU 2万4千年 アルファ線
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昨日に続き、正面からの勇気あるエントリーです。
データを掲示して、現実的です。広島原爆のケースとは違うという反論もあるでしょう。
有意義な議論になればと思います。
放射線の怖さばかり強調する方々が多いですが、自分がガンを発症したら、治療拒否できますか?
また、痛ましい雪崩事故が発生した秋田玉川温泉。大変な高線量地帯です。
それでも、全国からいちるの望みを持って岩盤浴に訪れる場所です。
私も、末期ガンの母を何度か連れていきました。
そんなことも理解せずに「とにかくひたすらゼロリスクが前提だ」とおっしゃる方々は理解できません。たぶん一生無理。
宇宙放射線や地域の土壌を無視する方も。
投稿: 山形 | 2012年2月 3日 (金) 08時59分
正直、私には、高エネルギー短期集中被曝以外(原水爆)では、人体のDNAに対して、生命進化的に劣勢に遺伝子破断と再構成ができるか否かは、存じ上げていません。
ただし、アルファ線のように、紙も通さない線種であっても、DNA2重螺旋の両切断と、遺伝子転移は、起こることは、すでに、証明されていて、論文も出ています。
ただ、DNAの2本鎖同時破断が、必ずしも、人体に、激しい劣勢の影響を必ず与えると言う論文は、まだ、見たことがないです。
つまり、両親から受け継いだDNA構造と違う切断と再構築が起きたことが、良い意味での進化なのか、がんに代表される、身体的ダメージなのかは、正直、わかりません。ぶらぶら病と言う、広島、長崎の原爆手帳をお持ちの方で、低線量長期被曝による障害が起きたと言う論文発表は、見ましたが、GHQの管理下では、それらの調査は、軍事機密扱いで、国際医学界での論文発表が、敗戦国日本の医学者が発表できないよう制限を受けたこともご存知だと思います。本来、終戦から50年以上、経つので、ぶらぶら病という低線量長期被曝病について、米国の資料保管庫から、発表されることを期待しています。
いづれにせよ、空間放射線量の高い地域で、呼吸による内部被曝は、現状のγ線主体の空間放射線量だけで、判断しないで、アルファ、ベーター線の空間放射線量や、粉塵等に含まれると思われる、アルファー線放射物による内部被曝は、避けられるなら、避けるべきと思います。
管理人さんのおっしゃるように、福島県民と結婚したら即奇形児が生まれるので、結婚できないと言う論理は、可能性としては、ほとんどないと思いますが、広島、長崎の原爆手帳の申請が、それを気にして、なかなか、申請しなかったと言う悲劇というか、差別も、少なからず、当時もあったように聞いています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%88%86%E3%81%B6%E3%82%89%E3%81%B6%E3%82%89%E7%97%85
本来、低線量長期放射線被曝問題は、米国軍としては、ある程度、情報を持っているのでは?と、推察します。
それが、どのようなものかは、解りませんが、公開されることを望んでいます。
投稿: りぼん。 | 2012年2月 3日 (金) 11時40分
まず、すいません、りぼんさん、改行して書いてください。びしっと打たれると老眼で解読できません(笑)。オレも歳です(泣く)。
DNAは放射線によって損傷を受けます。それは確かです。しかし、その損損がかならずしも人体にダメージを与えません。それはDNA修復するからで、それがなくては1秒間1万5千個という膨大な自然放射線に耐えられません。
次に、 おっしゃる「長期低線量をGHQが握りつぶした」というソースをお教えください。
当時の低線量は現在巷間で言われる「低線量」とはレベルが違って高いはずです。
また米軍が被曝直後の資料を持ち去ったという説と、一部が開示され返還されて日本の研究者が使っているという説があります。
日本独自の調査は1950年から約40年間にわたっています。その数、実に20万人超です。被曝2世に関しては2万5千人の疫学調査です。
私にはその長期間と2世まで含んだ調査個体数にひたすら敬服を覚えるのみです。
「広島を当てはめる」とか「当てはめない」というのではなく、これだけの疫学調査を無視することは不可能ではないでしょうか。
cowboy様。放射線の種類は関係ないと今日も書きました。核種は関係すると思いますが、どうしてその種類にこだわるのかまだわかりません。
あるとすれば、避難場所の壁の厚みや種類にまつわることくらいしか私には浅学ながら思い浮かびません。
よくわからないままもう一回お答えします。広島で多かったのは1970年代の、広大放原医研の調査で、ウラン(濃縮ウラン)、プルトニウム、ストロンチウムです。セシウムはかぎりなくゼロです。
また広島当時は「低線量被曝」とか、「内部被曝」という概念自体が存在しませんでした。それが出たのはチェルノブイリまで待たねばなりません。時代的な限界を考慮すべきでしょう。
最後に、私はここで科学論争をする気にはあまりなれません。私かこの2日間書いてきたのは福島支援のためです。また福島差別をなくすためです。
そのために被曝者手帳を提言しています。これについては明日に書きます。
現在において広島-チェルノブイリと続くことになった福島は人類になにを残すでしょう。
政府の支離滅裂な対応と、情報隠蔽、そして国民に蔓延する「放射能差別」と「低線量心身症」だけです。
私は日本人として恥ずかしい。ですから、放射能の素人のくせにと言われながらも、福島支援の声を上げています。
残念ながら、その声に唱和いただける人は限りなく少ないのが現状です。
訪問者の方にもその志を共有していただけたら幸いです。
投稿: 管理人 | 2012年2月 3日 (金) 16時40分
管理人さま、改行の件。申し訳ございません。
IEの表示>文字のサイズ>最大。や、拡大150%など、常用しているため、感覚がなくてすみません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A5%E7%94%B0%E8%88%9C%E5%A4%AA%E9%83%8E
どれほどの真実性かは、良く解りませんが、肥田 舜太郎(ひだ しゅんたろう)、ペトカウ効果
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%A6%E5%8A%B9%E6%9E%9C
ラルフ・グロイブ博士などで、検索くださいませ。
なお、低線量被曝(しきいち論でいう閾値以下の被曝)が、人間の染色体を、引きちぎり、再結合すると言う事実は、昨年、名前を失念していて申し訳ないのですが、
新しいDNA染色技術と、最新の電子顕微鏡を使った、継続実験で、確認されたことは、NHKの特別番組でも発表されましたし、ラットの実験でも、国内で、証明されています。それにより、閾値の存在は否定されつつも、閾値以下の危険性は、概ね、閾値以上の2分の1程度
と、言われています。
セシウムが、原発事故で問題になり、原爆で問題にならないのは、ウランの崩壊過程にあるようです。セシウムは、原発特有の重要各種のようですね。
なお、放射線と言うレベルですと、電波望遠鏡で、地上に降り注いだ、宇宙放射線量は、素粒子を含めれば、数え切れない量でして、桐箱実験でさえ、大量に、見ることが出来ます。
前にも、賛同の意思表示はしましたが、被爆者手帳は、大至急、現実のものにしてほしいと思ってます。
それだけでも、被曝量のどの程度が、尿、汗、血液、リンパ液に、影響して、対外に排泄されているのか、検討がつくはずで、必要と思われるデータを集め、管理することは、大事なことと思ってます。
両鎖切断の修復程度については、最近の研究なので、正直、わかりません。
管理人さんのおっしゃるように、思ったより修復されて、問題ないのか、ずっと影響を与えるものかは、
今のところ、わかりません。ただ、DNAレベルの議論と、細胞分裂染色体レベルとでは、意味が違うので、やはり、細胞分裂が激しい、乳幼児については、現状では、できるだけ、低線量であれ、被曝を避けた方が望ましいとは、思います。
老人でのがんの発生率は、1%も上昇しないと思われますので、老人の精神的ストレスによる発ガンの方が、実際は、多いように思います。
なお、GHQが隠したかどうか、以前に、ビキニ環礁で、100回以上行った、核実験についてさえ、50年経った今でも、ほとんど、内容は公開されてませんし、現地に、人工的に植えたやしの木の樹脂から、今でも、2000ベクレル/kg以上のセシウムが検出され、島民の帰宅は、許されてない実情からして、今後、50年程度は、動植物に吸収されたセシウムの追跡調査は、必然なのかもしれません。
空間放射線量、海水放射線量は、特段問題ない値なんですが。
投稿: りぼん。 | 2012年2月 3日 (金) 20時10分
追伸
京都大学放射線生物研究センターに、DNA関係や閾値関係の資料があると思います。
投稿: りぼん。 | 2012年2月 3日 (金) 21時12分
青空です。
濱田様ありがとうございました。
大分、ネガティブな不安が薄らぎました。
私自身は低線量の放射能による健康被害を重要視して居ないのですがそれでも気が楽になります。
感謝申し上げます。
今は転勤により東京におりますが、
震災当時から10ヶ月、仙台で家族共々生活していました。
福島第一原子力発電所から直線距離で80キロ足らず。
乳飲み子もおり6歳の女の子もいます。
ゼロリスク論者から言わせれば、人殺し呼ばわりされるでしょうね。
震災後私も家族を10日ほど関東に避難させました。
残念ながら3月の下旬で山形県経由でなんとか移動できたという具合です。
ただ最大の目的は、低線量の放射能回避ではなく、深刻な食料不足と、万が一原発が制御不能になり大爆発するリスクをさけるためです。
おそらく私の3人の子供達は、被爆手帳を渡される立場のものになるのでしょう。しかし私はそのような手帳は欲しくはありません。日本人は差別意識の強い民族です。
いまも福島県や宮城、茨城県に数百万の人口が踏ん張っているにもかかわらず、心無い発言は後をたたない。
福島県の市民を目の前にして議論できる内容だといえるのでしょうか。
この光景は以前も見ました。
宮崎県の口蹄疫の際です。インフルの時もそうでした。
闘っている人を目の前に残酷な言葉が跋扈していました。
日本人には残念ながら最も辛い立場にある人への配慮や慮りが足りないのではないかと最近感じます。
いかなる境遇であれ、議論であれ、最も苦しんでいる人がそれを読めばどう感じるかという配慮は何を置いてもおこなうべきではないでしょうか。
私たちの年代の人間は、正直に言ってしまえば福島原発程度の有害物質には幾度もまみれてきました。
幾度にも及ぶ大気圏内核実験の放射能、
工業地帯から排出される有害物質や農薬に汚染された河川からの水道水、
大量の重金属や有毒物質に長年汚染されたヘドロの海から取れたしじみやあさりの味噌汁の大量摂取、
寄生虫が大量にいた野菜、
現在とは比較にならない有害な農薬にまみれた食品、
極度の大気汚染、と工場からの死の灰。
アスベスト、ダイオキシン等の各種有害物質の氾濫。
そのような環境下で虫網をもって飛び回り、川で、森で公園で遊びまわっていた人間が全滅せず、大半健在であり、長寿国になっていることを考えると、
私には今回の放射能がそれらより有害であるとは思えないでいます。
数日前仙台の同僚から宮城県の津波被災地の写真を送ってくれました。
悲しいほどになに一つ建物が復元していません。
それは10ヶ月たった今ですらその場所では復興など始まってすらいないことを示しています。
しかし写真に映る同僚とお客さんは目に光を感じ復興に並々ならぬ気概を示していました。
福島におられる人々の状況はさらに辛辣です。
この上、彼らの心を折ることばかりを並べ立ててなにかよいことなどあるのでしょうか。
私が間違っているのかもしれません。しかし納得のいかない状況だと感じています。
投稿: 青空 | 2012年2月 4日 (土) 00時39分
入市被爆者の寿命について、そのデータは入市被爆者のなかで既に亡くなった者の寿命の平均値を以って、長寿命と結論付けるにはかなり問題ありと思います。
その理由は入市被爆者の被曝の程度がピンキリでその実態が良く分かっていない筈です。
私も入市被爆者の一人ですが、私も含めてこれで本当に被爆者なのかなと思われる者も多くおれば、私の母のように戦後幾つかの奇病で悩まされた者も多くおりますので、単純に長寿と云う一見楽観的な表現は短絡過ぎるのではないかと思います。
福島の方を励ます意味も含めて広島の入市被爆者は長寿命と云いたかったのかもしれませんが、深刻な影響を被った入市被爆者は亡くなるまでの間、奇病や不安でかなり苦しんでいたことだけは確かなことです。
投稿: | 2014年6月 1日 (日) 09時59分
入市者だとおっしゃられている方の指摘は承知しております。
確かに広島のその後の調査(LSS)には欠陥がいくつかあると言われております。
ひとつは調査開始までの5年間の記録がないことです。そのために直後の5年間の状況がわかりません。その間ひどい被曝症状が出て、亡くなったとしてもわからないということは大いにありえます。
また、当時は発ガンという概念そのものがなかったために、それとの関係で調査が行われなかったことです。
それらの欠陥があるものの、やはりこれほど大規模な終生に渡る健康測定記録はないと思っております。
そしてそれは被爆手帳による国家の医療保障体制があったたためであり、これは今の福島に対してもかくあるべきだと考えております。
お母上の大変さを思うと言うべき言葉もありません。二度とこのようなことを繰り返さないためにも、福島の「被曝」者に手厚い終生の国家による医療保障を望む次第です。
投稿: 管理人 | 2014年6月 1日 (日) 10時33分