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2012年2月 2日 (木)

放射能の遺伝的影響はない

006

このような哀しい話があります。ある福島の若い女性は3.11の後に突然、関西に住む婚約者に婚約破棄を告げられたそうです。 

震災当初は狂ったように婚約者の安否を探し求めた男性は、原発事故の後だんだん疎遠になり、やがて破談を一方的に通告してきたそうです。 

彼は彼女にこう告げたそうです。「もし結婚して子供に放射能の遺伝が出たら大変だ」。 

彼女は一時精神的にぎりぎりまで追い詰められ、自殺すら念頭をよぎったそうです。 

現実に福島では統計数字にこそ現れませんが中絶が秘かに進行しているということを聞くことがあります。 

福島の女性の皆さん、そのようなことは絶対になさならないで下さい。子供を祝福の中で迎えてやって下さい。そしてあなたの腕の中で抱きしめてやって下さい。 

放射能の遺伝的影響は科学的には完全に否定されています。 

それは日本が世界の中で唯一原爆の被曝を受けた民族であり、その膨大な調査記録が残っているからです。 

よく原爆の疫学調査記録はすべて米軍が持ち去ってない、などと知ったかぶりのことを言う人がいますが、それはデマです。

日本政府は、広島大学原爆放射線医学研究所、長崎大学医学部などと共に、膨大な疫学調査をしており、その記録は精査されています。 

これは40年以上に渡って続けられた質量共に世界で最大級の放射能晩発障害の疫学データであり、放射線防護学上のゴールドスタンダード(絶対基準)とまで称されています。

欄外資料を見てください。これは、原爆の被曝者の遺伝的影響を調べたものです。 

「親の被曝量」にレムとありますが、これは古い単位呼称で、0.01シーベルト = 1レムに相当します。よく使われる単位であるミリシーベルトはその1000分の1となります。またマイクロシーベルトはそのまた1000分の1です。 

ですから、この表の上段の被曝量36レムは0.36シーベルトであり、360ミリシーベルトとなります。 

現在、政府は年間1ミリシーベルトで管理しようとしていますから、その大きさがお分かりになるだろうと思います。ちなみにICRP(国際放射線防護委員会)は100ミリシーベルトを閾値として、それから上を放射能の影響が出る範囲としています。 

この資料は爆発時の光線と熱波、そして高線量被曝により即死した方々ではなく、その後に入市された生存者の調査です。それにして600ミリシーベルトです。

いかに広島、長崎の市民の頭上600mで炸裂した原爆が非人道的で許されざるものか、この数値をみただけで伺い知ることができます。 

この統計グラフをよくご覧になって下さい。この背後には膨大な被曝者の苦しみと怒り、嘆きと思いがこめられています。

そしてそれを40数年に渡って採取し続けた科学者たちの執念がこもっています。日本人の宝と言っていいでしょう。 

では、もっとも高い60レム=600ミリシーベルトの項を見てください。 

よろしいですか、600ミリシーベルトは、現在よく私たちが見聞きするマイクロシーベルト単位にすれば実に60万マイクロシーベルトです。一瞬計算間違いをしたかと思ったほどの放射線量です。 

参考までに福島市の事故直後の3月27日の環境放射線量は3.87マイクロシーベルト/h(現在0.67マイクロシーベルト)、3月15日夜の浪江町では330マイクロシーベルト/hでした。
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/houshasen/fukushima/index.html
http://icanps.go.jp/111226Honbun5Shou.pdf#search='

年間被曝線量に換算すれば、福島市は33.2ミリシーベルト、双葉町で2890ミリシーベルトです。

ただし、事故直後にはヨウ素131が激増し、急速に消滅して空間線量が下がりますから、この単純な初期線量の積算では正しくないような気がします。こういう場合の年間線量はどの時点でするかご存じな方はご教示下さい。

さて、上から3列、4列目の「平衡型染色体再配列」、「性染色体異常」の項になんと記されているでしょうか。

「対照」、すなわち被曝しなかった人は、「平衡型染色体再配列」において異常個体の発生率は9%低く、「性染色体異常」において7%多いのです!  

また最下段の「遺伝性ガン」の項においては430ミリシーベルトの被曝者と一般人との異常個体率は0.05%とまったく同率でした。

これでもまだ放射能の遺伝的影響があると言うのでしょうか。 

現在、この広島・長崎の遺伝的影響の調査を超えるものは世界に存在しません。 

ネットではまことしやかに福島で生まれた奇形のうさぎとか、魚の例が流されています。うさぎや魚の奇形を持ち出すのならば、出産数に対する奇形発生率のデータを出して下さい。 

そのうさぎの出産数の母集団が1万、いや百歩譲って1000個体あって、その中での突然変異数が広島・長崎の突然変異数である0.05%を超えたのならば、有意性があります。

私は現時点で、放射線による遺伝的影響はないと断言します。ですから、福島の人々を遺伝的影響にがあると騒ぐのは止めなさい。それはいわれなき差別です。

■写真 福島の皆さん、もうすぐ春が来ます。春が来ない冬はないのですから。

        ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

悲しいことです。
当事者にとっては農家の悩み以上に深刻な「風評被害」だろうと思います。

「風評」という言葉をちょっと出しただけで、ネット世界では激しいバッシングを受ける現実がありますが、
しっかりとデータを提示した上で毅然とした反論を農業者の立場から述べる管理人さんの勇気に敬服いたします!


しっかし、雪が酷い。
玉川温泉で悲しい雪崩被害が発生しました。
あそこは超高線量のラジウムが放射されている岩盤温泉。
亡くなられた方もガン患者で、医学的実証云々ではなく、最後に藁にもすがる思いで厳冬の中で訪れていたことでしょう。

私も母が末期ガン闘病の頃に、何度か連れて行きました。残念ながら3年の闘病の末に亡くなりましたが…。
一方で、完全に治った方も知っています。
たまたまだと言うのは簡単ですが、何らかの力があり信じる人がいるからこそのことでしょう。


すいません。脱線してしまいました。

今回の事例のようなことはあってはなりません。
チェルノブイリ直後に胎児だった障害(片肺欠落と心臓疾患)のある女優さんが、ドイツ映画「見えない雲」に主演したりしてましたが、いたって元気です。

ましてや結婚前になって破棄なんて…ひどすぎます。

人間または男女や親子の愛情とは、なんなのでしょうか?
と、全国や全世界に問いたい!

苦しみの深さは当人でなければ、全てを理解することはできませんが、悲しいことですね。
「それぞれの価値観」と言ってしまえば、それまでですが、誰かが言ってましたけど、「正しく恐れる」ためには、正しい(信頼に足りる)情報を入手し正しく理解することが重要です。
その意味で本日の記事は勇気付けられるものと思います。

少し、疑問があります。

①広島の原爆の放射線による被曝と今回の福島原発(1F)の放射線による被曝の比較なんですが、線種(α線、β線、γ線、x線、中性子線)による違いは、考慮しなくてもよいのでしょうか。
つまり、同じ1μSv/hでも、α線とγ線では、人体(染色体など)に対する影響が違うのではないでしょうか。

②内部被曝と外部被曝の違いも考慮しなければならないと考えます。

③親の被曝した時期、つまり妊娠中なのか、妊娠前なのか、あるいは出産後なのかで、話が違ってくると思います。


今回の福島の女性の結婚破談の話は、大変、残念です。

ただ、遺伝的影響に関係するとの記述も存在します。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-02-06
の「概要」の上から4行目の「遺伝的影響」をクリックすると更に詳しい内容が表示されます。

何を信じて良いやら。

放射線が外部被ばくだろうが、内部被ばくだろうが、どんな線種だろうが、DNAを損傷することには変わりありませんし、それにより、奇形やガンが発症する危険性は変わらないと思います。その意味でいえば、DNAの損傷は遺伝子の損傷であり、その為に起こる障害は遺伝的障害と言われるでしょう。
ただ、放射線によるDNAの損傷は、今、こうしている時にも、自然界にある放射線で随時行われています。今日の管理人様の記事は、そんな自然界にある放射線の影響と、原爆による特異的な放射線の影響には、なんら有意差が存在しないと言うことだと思います。つまり、原爆だろうと、今回の原発事故だろうと放射線による遺伝性疾患を理由に婚約破棄などと言う行為にでる事は、あまりにもナンセンスであり、間違いであると言う事だと思います。

やはり賛否両論ありますね。それでこそ健全な議論だと思います。

反対(中には単なる中傷)意見が多数寄せられるかと、ちょっと心配しておりました。

このお題目で、生産者の立場から意見を述べる方は少ない。
残念ながら、それぞれ微妙な事情あってのことでしょうが、押し黙ってしまった農家さんが多い中で、勇気あるエントリーだと思います。

今後も賛否や意見の相違はあれども、お互いにぶつかり合ったり納得したり…それでいいとおもいます。
それでこそ有効な情報交換になります。


午前中にとんでもない大雪でした。
たまたま家の前で立ち往生したのを四苦八苦して助けた直後に、ウチのクルマも周りを少しずつ踏み硬めとこうとしてたら…見事にハマった。
逆に近所のお世話になっちゃいました(^_^;)

皆様お気をつけて。

私は、専門家ではありませんが、
「遺伝的影響」と「遺伝学的影響」は、明確に区別されているようですよ。
前者は、被曝した人の子や子孫に現れる影響、後者は、子や子孫に伝わるか否かに係らず、遺伝子や染色体に対する影響なのだそうです。

今回の管理人さんの記事は、明らかに前者に関してのものと思われます。

私がコメント(質問)したかったのは、
広島の原爆の遺伝的影響は見られない⇒福島の原発の遺伝的影響は見られない
としてもよいのか?
という素朴な疑問でした。

一宮崎人さん
>原爆だろうと、今回の原発事故だろうと放射線による遺伝性疾患を理由に婚約破棄などと言う行為にでる事は、あまりにもナンセンスであり、間違いであると言う事だと思います。

管理人さんのご主張は、「遺伝的影響は無い。広島のデータがそれを物語っている」ですよね。
換言すれば、「遺伝的影響が関与する(婚約破棄のような)問題はそもそも存在しないはず。」ということだと思います。

あと、思うのは、この福島の女性に全く遺伝的影響が無いと証明できても、元通りに修復される関係とは、到底思えない。
辛いでしょうが、早く忘れて、顔を上げて前を向いてほしいと思います。

確かにCowboyさんの整理された①~③は考慮すべきだと思います。
今回のケース③で…自分が将来の父親だったらどうしますか?
重い課題であります。結婚というのは本人同士だけでは無い部分も大きいですし。

だからといって堕胎するのか?
それこそ極めて重い問題です。

正しい答えなんて、だれも知らないでしょう。

それなら「愛の結晶」は極力普通に育て上げるのが親としての義務ではないでしょうか?
楽観的と思われるかも知れませんが、この件ではブログ主さんを支持します。
勿論、反論はあって当然とも思ってます。

広島、長崎の原爆の事例と、今回の福島の事例を正確に比較するなら、やはり、広島長崎同様な長い年月と大量なデータの集積を行ってからの事になると考えます。ただ、そのデータが揃うのは、いつのことでしょうか?単純に比較できないかもしれませんが、同様な事象が起きていると仮定したなら、広島、長崎の事例は、十分な判断基準になり得るのではないかと考えます。つまり、放射線被ばくした後の遺伝的影響についてです。
私自身も、このカップルの仲が修復出来るとは思いません。男性、女性お互いに言い分や考えがあると思います。ただ残念なのは、地震や津波の時には心配したのに、被ばくした可能性があると聞いたら、何の相談もなく一方的に婚約破棄した事です。もし、その判断基準が、放射線による遺伝的影響なら、それは間違いであると思います。

一つ例を挙げると、記事内の表に記載されている「親の被曝」に関して、疑問があります。
「周産期異常」の「被曝」の欄の分母は、10,069人となっており、「親の被曝」は36レムとなっています。この36レムというのは、
①親全体の平均値
②まさか、親全体の合計値
③それとも、別の統計処理された値
なのでしょうか。

そして、この被曝線量は、どのようにして測定されたものなのでしょうか。
①原爆投下直後、実際に個人個人、測定した
②何らかの(例えば、被曝した際の爆心地からの距離を元に)算出された値
③被曝後、一定の時間を経て、実際に個人個人、複数回測定した平均値

もし、②なら、どうでしょう。
今回の福島の原発事故と同列に比較することは、極めて無理があるといわざるを得ません。
①だとすれば、同列に見ることができると思います。(線量計の精度の問題はありますが)
③だと微妙です。

横入りすいません。
財団法人 放射線影響研究所っていうのを見つけました。
http://www.rerf.or.jp/radefx/genetics/geneefx.html
ご報告だけ・・・。

私は子供が2人います。上は娘で下が息子です。
小学校2年生と幼稚園です。

原発が爆発した当時、私の車はガソリンがたまたま満タンで、
嫁さんが千葉の出身だったものですから逃がす気になれば可能でした。
でも逃げませんでした。
なぜかというと、テレビで「学校・幼稚園を再開します」と報じていたからです。
24時間体制で「15日まで休校、16日再開」とテロップが流れていました。
その後線量が平常の500倍超に上がり、届かない高圧放水車や自衛隊ヘリがバケツで水をかけている姿を見せられて・・・
結局18日のに、年度内は全て休校をするという連絡が来ました。

その間の恐怖というか、絶望感は忘れられません。
(だからSPEEDIの件はかなり怒ってます)

19日の未明に那須塩原駅まで妻子を送り千葉まで行ってもらいました。
4月の新学期からは福島に戻っています。


私の子供達は「19日に那須塩原駅から」避難したわけですけれど、
家庭内ででは「12日に新潟から」ということにしています。
まだ小さい子供ですので避難した月日や場所までは記憶していません。

なぜこんなことをするのかというと、将来の差別が怖いからです。

原発事故や福島県民であることは拭い去ることはできませんが、
避難した事実は子供達の記憶に残っています。
ただその日付だけ、記憶を塗り替えてあげたいのです。

将来、縁あって結婚することになったときに、19日に避難したのと
12日に避難したのとでは重みが違うのかも・・・
と考えてしまうんですよ、親としては。

私も遺伝はしないと思っています。
でも差別は存在すると思っています。
私の考えすぎならばいいんですがね・・・

ta様。お察しします。ご心痛はいかばかりかと思います。しかし、ここでめげてはだめです。
まずひとつひとつ当時の状況を確かめてから、心ない声と闘っていきましょう。
必ず春は来ます!

cowboy様。あの被曝線量は書いてあるとおり「入市者」のものです。
投下後に救援と捜索で市内に行った人たちのデータです。
それとどうして現在の福島の避難者のものを比較できないのでしょうか。わかりかねます。

比較不可能というのならば、広島のほうが比べ物にならないほどの高線量で残留放射線量が高かったこと、そして核種がセシウムなどという「平和的」なものではなく、凶暴無比のプルトニウム、濃縮ウランだったことです。

その意味では広島と福島を比較するのは誤っています。

それは福島にとって、「広島ですら遺伝はなかったのだ」と勇気づける意味はあっても、逆にはならないのではないでしょうか。

失礼ですが、福島の人のほうが広島より悲惨だなどとお思いなのではないでしょうね。それならそれでまた違ってきますが。


私の投稿の内容がやや分かりにくかったかもしれませんので、それも含めて、もう一度、書きます。

記事内の表中の被曝線量は、入市者のものであることは、存じております。
ただ、その線量は、どのようにして測定されたものなのかが、よくわからなかったわけです。
例えば、
爆心地からの距離に応じて、被曝線量を計算(推定)した値
と、
被曝された方を直接、線量計で測定した値
では、話が違ってくると思ったのです。
後者なら、今回の福島の原発事故に関することに、ある程度、そのまま当てはめることができるかもしれません。
しかし、前者ならどうでしょう。
α線で(外部)被曝した場合とγ線で被曝した場合では、その人体への影響は、同列に見れないはずです。
線種によって、人体への影響が異なるわけですから、線量だけのデータ(広島の)をそのまま、福島に当てはめることができるとは思えないと思う次第です。
広島の原爆では、主にどのような線種が多かったのか、福島ではどうだったのかということも検討する必要があるのではないかと思ったわけです。

それと、どちらも歴史に残ることではありますが、決して、福島の人々の方が広島より、悲惨であるとは思っておりません。

久しぶりにコメントします、 pnhjwdmh と申します。
こんな研究結果が報道されていますね。

「被爆2世」の白血病で新研究 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120603/k10015570261000.html

「両親被爆」に多い発症 広島の2世、白血病で調査 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/47topics/e/229942.php

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