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2012年3月17日 (土)

3.11から1年を迎えた「ダッシュ村」の今

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去る3月11日に放映された「鉄腕ダッシュ村」を見ました。1周年に当たる特番だけあって力のこもった内容でした。 

実は私には秘かな危惧がありました。 

「ダッシュ村」は、農業が持つ伝統の中の「生活技術の楽しさ」を蘇らせました。それは農民の中ですら、三瓶さんのような御老人の中で細々と生き続けていたもので、一度農村では断絶してしまった生きるための技術でした。 

若い農業者は、今は農業の中に「生活の楽しさ」を見いだすことはしなくなりかかっていました。 

竹を編む、保存食を作る、お茶を作る、井戸を掘る、焼き物を焼く・・・そのようなことをしなくなって久しいのです。 

それを、街の眼で蘇らせたのが「ダシュ村」でした。アイドルグループを農業バラエティに使うという奇想天外な発想は、驚くほどの反響を呼び、あの番組を見て就農しようと思った者も多いと聞きます。 

ただし、あれは「農業」という経済部門そのものではありません。いわば農業から経営という心臓部を取り除いて、「農」というひと滴のエッセンスにまで濾過したものです。 

私のようなひねた農業者は、「あれは農業のいいとこ取りだ。しかしその楽しさを思い出させてくれてたのはありがたい」、といった心境で見ていました。 

だから私は3.11以後、日テレはあの巨大な悲劇から眼を背けると考えていました。新たな農業バラエティ企画を組み、荒れ果てたダッシュ村から逃げ出すだろうと踏んでいました。 

放射能という万人が恐怖するものをお茶の間に持ってくることはないだろう、と。それは私自身が、3.1以後にあまりに多くの都市消費者の離反を経験していたからでした。 

しかしその不安はいい意味で裏切られました。他の放送局が3月11日の悲劇に焦点を当てる中で、この番組は警戒区域となってしまった浪江町の地域や人々を見守りつづけるいわば定点観測船となっていることが分かりました。 

さて、この特番は、ダッシュ村の現状、周辺の村人の今、そしてチェルノブイリ訪問の三部構成になっています。 

今日はその中のダシュ村の現状を見ます。初めにダッシュ村の位置を見てみましょう。
*上の扉絵部分参照 

ダッシュ村は、計画的避難区域の浪江町にあります。まさに福島第1原発事故による最大の汚染を被った地域です。現在この地域の住民は全員が避難しています。
*上図赤色地域 

現状の放射線量は下図の数値でした。ガイガーカウンター計測でしたが、JAXAや元放射線医学研究所の専門家がつきそっていましたので、しっかりとこう正(*)されて、信憑性は高いと思われます。
*こう正・ガイガーカウンターの測定のばらつきを補正する作業のこと。 

まず下図は、去年の夏(7月16日)に測定されてたものです。単位はマイクロシーベルトです。

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これが今年の冬にどのように変化しているのかが次の図です。
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一目して線量が低下しているのが分かります。登り窯前など15μSvから5.8μSvへと激減しています。 

この原因は雪だと思われます。雪は地表面5㎝ていど蓄積した放射性物質を遮蔽する作用があります 

降雪があると放射線量は減少していくのがわかるのが、この放射線量の推移表です。

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興味深かったのは次のグラフのように、母屋と井戸前の線量が降雪とともに急激に下がっていったことに対して、森林との境界にある登り窯前はさほどの低減がなっかたことです

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これ森林に降った放射性物質から恒常的に、落ち葉の形で放射性物質が供給されているために森林の際では放射線量が落ちないためだと考えられます。

一方、母屋前は、降雪がなかった1月15日には9.0μSvから、降雪があった2月4日には6.4μSvに落ちています。*上図赤い○が母屋、緑色が登り窯前。

これは森林からやや遠いこと、降雪の遮蔽効果が予想より高かったことによります。

上のテロップにあるように農村部における落ち葉、否藁、常緑樹による森林汚染の除染が必要な面積は約1343平方キロにおよびます。

しかし、チェルノブイリ事故で放出された放射能汚染の70%の被害を受けたベラルーシでは、未だ森林除染が進んでいないそうです。

都市部の瓦礫処理と農村部の森林除染とその処分が、今後の課題として重くのしかかってくるでしょう。

ただし、予想を超えてかなり早い速度で放射施療が低減していることがわかりました。次回は番組のチェルノブイリの部分をレポートします。

 

■お断り 「鉄腕ダッシュ村」の3.11特番より、計画的避難地域の現状、そしてチェルノブイリの現状を理解するために有意義だと考えて、参考のために引用させていただきました。改めまして、この番組を作られました日本テレビに感謝いたします。

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コメント

特番見逃した…。

ダッシュ村が始まって間もない頃、夜勤の休日出勤でたまたま休憩時間に観ていた時、隣に座った季節従業員で農家のオジサンが
「あんなのフザケンナよ!農家は365日休み無しなのに、たまに東京から来てチャラチャラとたのしそうにやりやがって」と。
わたし、「全くその通り!だけど、人気タレントグループがこういう企画続ければ、若いのが農業や田舎の暮らしや食に少しは興味持ってくれるんじゃないかなあ。」
「んだなぁ、確かに悪いことだけじゃないかもなぁ」
なんて会話がありました。
そして、正直チャラいと思っていた彼らもいい歳になり長期企画となりました。そして、原発事故以後もしっかり現状を報じる。素晴らしいです。

この冬の経験則から言いまして、地上に雪が無い状態での降雪時には雨以上に空間線量が上がります。
おそらくゆっくり落ちてくる雪が大気中の放射性物質を含むチリを取り込むのではと。
そして、今年はとてつもない豪雪でしたが、積もってしまうと空間線量が劇的に低下しました。
現在市街地はだいぶ溶けましたが、若干上昇。まあ、山形市で毎時0.04μSv程度ですが。(但し保健所屋上のモニタリングポスト)
雪による遮蔽効果は思いのほか高いようです。
秋の時点でどこかの教授さんが指摘していたはずなんですが…失念。
蔵王のスキー場はガラガラのままでした。

今は山の雪が溶ける季節にどうなるか、現在モニター値を注視しています。

理論的に、原子炉燃料棒の上に3mの純水がかぶっていれば、直接、目視できるほど、ガンマー線は、遮断されることから、鉄、コンクリートによる遮蔽より、水が、放射線遮蔽能力が、非常に高いこと。また、チェルノブイリと異なり、日本の土質は、大陸の土質と違い、かなり、水に近いほど、遮蔽能力があることなど、はっきり、理論が、実証されていることが、わかりますよね。
今でも、水素爆発時の昨年3月時の土壌汚染値を、基軸に、政府もマスコミも、危険性をアピールしてますが、チェルノブイリでも、鹿類、いのしし類に食べさせて、その生体を埋却することで、森の放射線量を下げる努力を継続中ですよね。これは、生物と言う有機物に、Csを吸着させ、埋却することで、土壌汚染と空間放射線量を下げる、手段です。

雪もそうだし、雨もそうですが、大陸気候と違って、東北は、雪や雨や、ガンマー線を遮断しやすい土があります。
これらを、有効に組み合わせることで、かなりの放射性物質を、取り込み管理できることが、解っています。

今後は、実効預託線量を基準とした、長期的な放射線管理が必要で、それらの補整係数などの意味を理解して、消費者も、賢くなってほしいものです。

http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/yotaku_jikkou_syousai.html

水素爆発当時にフォールアウトした放射性物質は、1年の期間が過ぎて、状況が変わりつつあります。

分析化学等における補整係数など、消費者に理解していただければ、生涯被曝量は、思ったより、少なくなってきていることは、証明されつつありますが、新聞、TVとも、親切、丁寧な説明や解説がないので、岩手の津波震災がれきまで、受け入れできない世論が、出てくるのだと思います。本来、毎年、測定して、最新の汚染状況から、危険とか、安全とか、論議してもらいたいのですが、少なくとも、現状は、水素爆発時の汚染がピーク値で、時間経過とともに、全体的に福島の汚染量は、確実に下がっていると言う認識を、全国民が、理解することが、大事に思いますね。汚染がひどいと言う3月当初の情報は、消費者に伝わったのですが、改善されつつあると言う情報は、ほとんど、共有されてないと言う情報社会に、振り回されている実態が、福島蔑視の根源のような気がして、残念です。

雪が積もると線量が低下するのは、雪が地表の放射性物質からの放射線を遮蔽するからで、線量の原因物質が減少しているわけではありません。単純に線量だけで比較して汚染が低下したといえないと思います。

http://quasimoto.exblog.jp/17344403/
こちらに転載されている河北新報社の記事をどうぞ。

首都圏のママさん。
今更こんなこと書き込んでたのかい。今気付いたよ(笑)
相変わらず自分の考えではなく「こちらをご覧下さい」ですか。
とっくに見てるよ(笑)
何ヵ月遅れて苦し紛れに粗探ししてんだよ。
私は、だからこそ雪が無くなる時期の線量に注意しているだけのことなんだが。

ああ、『歴史が証明する』んでしたね。
負け犬の遠吠えそのものですなあ。(前回は言いそうになって避けた表現)
私も、自分が絶対正しいなどとは思ってませんが。(前にも書きましたが)

貴方も私もいなくなった頃に、しっかりしたデータが出るかどうか。
ですから私は以前から、初期ヨウ素被曝もふくめて『しっかり計測して、追跡調査せよ!』と申してるんですが…。
あなたは、相変わらずワーワー言うだけで、何も読んでないんですね…。プッ。

この後が、気になる
今の放射線量は、幾つ位かなぁ
2011.2.6録画
2011.6.12録画したのを見て気になった

さて、話は少し変わって上のコメントに
農家は365日休みなしと言ってるが、何故か季節従業員として働いている
何故?休み無いなら、家から出れないのでは?
農家は国に唯一保護された職業!!
だから、農家の家は何処行っても、綺麗でデカイ
子どもの家も、別に建てられる!

フムさん。バカな書き込みしないでよ。「農家は国に唯一保護された職業」、なんです、それは。
農家は過保護で、収入も保障されてる、遊んでいても食える、デカイ家に住んでクルマも2台あるとか・・・ああ聞き飽きた。もう少し新鮮味のある農業批判してくれよ。

このような「農家過保護論」のプロパガンダの出所は構造改革派、つまり竹中さんたちのような格差社会を作った連中と経団連だよ。

いいかげん、目を覚ましなよ。きみの農業に対するルサンチマンなんか人工的にあいつらがデマ流して作ったものなんだぜ。

ふむさん。

季節従業員って書いたのは私ですよ。お間違いなく。

「季節従業員」の意味を全く誤解されているようですね。
私は食品工場勤務で、雪深い土地では真冬は当然農家の仕事が限られます。
それでもハウスや温室周りの除雪や管理、果樹の雪落としや春先の枝切りなどを昼間にこなして、夜間は工場に出て来るという「季節従業員」扱いになります。

中には冬場は完全に休みにする方もおりますが、大抵は未だに藁編みや竹製品製作の伝統的作業が今もあります。だから「基本的に農家は365日休み無し」なんですよ。家族や親戚に代わってもらえる時は旅行に出たりしますが。

かつてのような東京等へ出ての半年出稼ぎは少なくなりましたが、それでも過酷な仕事です。
一夜の大雪で葡萄棚が全滅したなんて話も珍しくありません。

私の説明不足だったかもしれませんが、あなたはとんでもない誤解をなさってますよ。

>フム(´-ω-`) さん

保護ねぇ~。確かに、そういう側面があるかも知れません。あっ、因みに、私は、和牛の繁殖を生業としていますので、その保護の恩恵に預かっている一人なんでしょう。

全ての食物を海外から輸入して流通させることを良しとするなら、淘汰される農家があってよいかもしれません。
でも、国産の農産物の安全性を疑う人は少ないはずで、輸入品だけでよいとすることに反対する消費者の方が多いのではないでしょうか。
それを担保するには、保護せざるを得ないと思えるんですが。

保護してもらった分は、貯蓄に回せるのなら、問題がありますけど、実際は、補助金もらって、手出しを含めて何らかの機材を購入する・畜舎を建てる(改修する)ことなどに充てるのが殆どですから、地域の経済に寄与していると思いますよ。

管理人さんもそうですが、農家の中でも、特に、生き物(豚・牛・鶏など)を相手にしている私たちは、間違いなく365日休み無ですよ。
盆も正月も無い。
この間の4月には、義父が急逝。
その仮通夜の日に、子牛が生まれましてね、しかも逆子で、大変でした。

餌をやるだけなら、誰でも出来ますが、病畜の世話や分娩の介助などは、やはり、他人に任せるわけにはいきません。
つまり、畜主としての判断を問われる場面では、他人にその責任を負わせる訳にはいかないのですよ。

>農家の家は何処行っても、綺麗でデカイ
子どもの家も、別に建てられる!

きっと、余程の豪農ばかり見ているんじゃないですか。しかも、外見だけ。
確かに、デカイかもしれませんが、中は、案外、倉庫兼用仕様ってことになっていると思いますよ。
農機具を納めたり、農産物を加工したり、箱(袋)詰め作業したりする場所、保管したりするための場所が必要で、どうしても大きくならざるを得ないところはあると思います。
まぁ、子供の家の話は、そこの家庭の事情がありますから、何ともいえません。

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