1年後。 私たち日本人は、希望の光だけは失っていない
1年後
J.D マクラッチー
訳ジェフリー・アングルス
その写真の中で
彼は、膝まで水に漬かり
微笑しながらも、微妙に恐怖している
彼の壊れたトランスフォーマーも、
彼のナップザックも、コップも猫も
なぜ生き残ったか
どうして他人に触れられるように
大事なものを置き去りにするか
政治家たち、答えてほしい
あの動力が、今のままありつづけると
考えたのはなぜか
古びた炉心は
誰も住めなくなる未来の波に
呑まれて崩れ落ちる
原子炉はまだそこに立っている
暖める、殺せるものが、まだあるというのか
ニュースは移り変わっていく
他の、より小さい、より大きい
遠くでおこった惨事へと
生きろ、と
ひそやかな、内なる声が
騒がしい画面のなかかで響き続ける
私たちの命は、死に向かって伸びていく
まるで臨終のように
彼は、みつめるばかりだった
彼は、速く走れなかった
彼は、すくいとられ
ほかの人々と一緒に
繰り返された日の映像にとられた
誰もそこから戻らない
私がその写真を撮ったとき
彼は、7歳半だった
「それでも三月は、また」より
« 自民党の「TPPについての考え方」は一歩前進だ 全文つき | トップページ | 今日から2年目に突入です! »
「東日本大震災」カテゴリの記事
- 東日本大震災を永遠に忘れないために(2013.03.11)
- わが村の廃校式と子乞い(2012.03.25)
- 今日から2年目に突入です!(2012.03.12)
- 1年後。 私たち日本人は、希望の光だけは失っていない(2012.03.11)
- 被災地の半年 ただちに全力で国は復興支援をしろ!(2011.09.11)
コメント