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2012年4月15日 (日)

カミさんの見聞から見た北朝鮮の宿痾 農業と治水

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民間ツアー第1弾で北朝鮮に乗り込んだウチのカミさんにご意見を聞くと、あっけらかんと「実が入っていない米作っているようじゃだめね」とのことでした。

女房殿が出かけたのはジョンイル氏時代初期の初秋です。

彼女は、わざわざ連れて行かれた名所旧跡の隣の田んぼの穂を失敬してくるということをやってのけ、他にも大豆、トウモロコシのサンプリングまでしてきました。

亭主としては公安にひっ捕まったらどうするんだ、と心配になりますが、頼んだのはこの私なんですが。

田んぼの穂は乳化が終了した収穫間際の時期であるにもかかわらず、半分ほどしか実が入っておらず作柄不良。日本ならば、米価が急上昇してしまうような出来でした。

私が見た感想では、分けつが弱く、出穂も少ないので、反当たり3俵かせいぜいが5俵といった収量しか期待できないように思えました。

また、品種改良がされていません。北朝鮮は寒冷な土地ですから、寒冷用稲への品種改良が不可欠でしょうが、改良された形跡はありません。

これでは、米からトウモロコシなどに主食をシフトせざるをえないわけです。

大豆は信じられないほど小粒。常識的には商品にはならないでしょう。トウモロコシはいじけて堅く食用には不適。砕いて飼料用にするしかないでしょう。

あれを食べるとなると、砕いて粉にして焼くトルティーアにでもするしかないでしょう。飼料用のソルゴー系ではないでしょうか。

畑は赤茶けて表土はもろく、バサバサしたかんじだったそうです。地力不足は明らかです。

それだけバサつくというのは、団粒構造がメチャクチャになっているのではないかな。土壌サンプルが欲しかったですね。

私がテレビの画像などで見る農村風景で推測すると、表土の剥離は顕著で、既に砂漠化がそうとうに進んでいる気がします。

金日成時代の化学肥料の多投と、その後の肥料さえも満足にやれていない時代が長すぎたように見受けられます。この修復は簡単ではないでしょう。

ちなみに当時は、トウモロコシの軸を燃やして走るバスまであったそうです。彼女が乗った観光バスも、燃料節約のために坂になるとノーギアの惰性で下るようなので、絶叫マシーンが楽しめたそうです。

捕獲された米国のスパイ船プエブロ号に連れて行かれたときは、果敢に人民軍兵士にインタビューを試みています。

彼は見張りなのに釣りをしていたのです。「釣れてます?」とのジャスチャーに、わけねぇだろうと口走って隠れてしまったそうです。

それもそのはず、この湾は吃水が浅い小型漁船ていどしか接岸できないほど浅瀬になっていたのです。かなり本格的な浚渫をしないと大型船が使えない湾になっていました。

このような状況だと、湾口からかなりの沖まで生態系が死滅に向かっているのではないかと思われました。

ホテルで出る魚はこぶりで貧弱でした。ちなみにピョンヤンの高麗ホテルでは冷凍オムレツだったようで、まぁあの国にグルメ旅する人はいないでしょうが。ただし、玉流館の冷麺はうまかったそうです。

それはさておき、この湾の浅さは、ここに到着するまでの山道で何度か見たという崖崩れや、トウモロコシ畑の地盤崩壊による土砂の流出が原因だと思われます。

トウモロコシは根が浅く軽く引き抜けます。ですから根で土をつなぎとめる力が弱く、急峻な斜面で作る場合、よほどしっかりとした石造りの土留めでも作らないと、畑が崩壊していきます。

崩壊した先は河川ですから、河底が埋まって洪水の原因となります。洪水となれば、下流域では、その都度畑や人家を押し流すことになります。

そしてもう一点、北朝鮮の稲作が日本のように水田が9割以上なのとは違い陸稲が多いこととも重なります。ただし、北朝鮮は大雑把な生産量以外の農業統計資料を公表していませんので、推測とお断りしておきます。

陸稲はまずいうえに、水田と違って連作障害を引き起こします。何年もたたない間に多種多様な病気が発生するでしょう。

だから日本ではほとんど作られないのです。あの米の作柄不良もそれとも関係あるのかもしれません。

そして乾田であることは別の問題とも繋がっています。これが先に述べた治水システムとしての田んぼが貧弱なために、大水発生時の一時調整池としての使用ができないことです。

日本の場合、急峻な山系に降った水は、途中の水田で分散されて引き込まれ、エネルギーを失いながら下流域に到着します。そのために、台風や大水などの災害時の被害が少ないのです。

わが国の水田による治水調整がなく、代わりに根が浅いトウモロコシの段々畑があるとすれば、原因はおのずと理解できるでしょう。

これが北朝鮮の毎年恒例の大水害の原因です。まさに人災であり、人災の恒常化です。

正恩氏はスイスの外国人学校に行ったそうですが、東北か北海道の農業大学に行くべきでしたね。正恩氏は日本ではティズニーランドに行かれたそうですが、そんな場合じゃないでしょう(苦笑)。

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コメント

なんつうか物凄い記事ですね!

ふむ、なるほど彼の国ならではの「ジャガイモ米」なんてものをエライ手間暇かけて作られたわけですなあ。
あちらの農民が不憫でなりません。
かつて「理想郷」だと言われて国家事業で渡った人々も…。

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