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2012年4月 7日 (土)

放射能との闘い第2ラウンド・森林汚染との闘い

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私たち農業者は放射能汚染の第2ラウンドに突入しています。

2年目の私たちは去年春の私たちではありません。もはや去年春のように無知、無防備ではありません。そして国の新基準値がこの4月1日から適用開始になりました。

私は2年目の焦点は森林関係だと考えていました。

その理由はまず畑や水田の放射線量が急激に下がっていることです。

私たち茨城南部では、1年前にあたりまえに土壌放射線量が100から500bq/㎏あったものが、現在はおしなべて30~100bq/㎏ていどにまで落ちてきています。ざっと10数分の1になったわけです。

これは「土の神様」のおかげです。これは実験室のセシウム実験では予測し得なかったことです。

土中の生態系が、ありとあらゆる箇所でセシウムを捕捉し、封じ込めていたことが分かりました

粘土や腐植物質は電気的に、ゼオライトは物理的に、土中生物や微生物は土を食べることで、いずれも外敵セシウムと闘ってくれていました。

日本の土中に多く含まれる無機物のカリウムさえも、セシウムと同族元素が故に植物への吸収を妨げることが分かってきました。

私たち現場の人間にとっての2年目の課題は、低線量内部被曝ウンヌンなどという解決の方法がない神学論争ではなく、私たちの地域の里山と森林汚染をどうしていくのかに移ったのです

さきほど「ありとあらゆる生態系内の生き物が除染に一役かっている」、と書きましたが、実は地上のイノシシさえも地虫を食べようと土ごと喰うために天然の除染活動していることがわかりました。

しかし「除染にひと役買っている」というのは、裏返せば森林の落ち葉、腐葉土に含まれる放射性物質を食べている、ということになります。

やはり野生のイノシシからは高い放射線量が検出されてしまいました。また他のジビエ類の野うさぎ、キジ、キノコ類、タケノコ類も同様です。

これは森林がほぼ手つかずの状態だからです。昨年9月の計測によれば

森林汚染度

茨城北部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3千bq/㎏
・福島山木屋地区(標高600m)・・・1万7千bq

・群馬県・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.35μSv(bqの測定資料不明)

また、山木の土壌の放射性物質分布は

・A0層(0~7㎝)・・・・98.6%
・A1層(7~15㎝)・・1.4 
(11年9月測定)

このように、放射性物質は微生物が分解中のその年の腐植層(A0層)に98.6%存在し、その下の落ち葉の分解が終了した最上部(A1層)には達していないことが分かりました。

今後福島の山間部では、この森林に降下したセシウムが、A0層とA1層の間にある地中の水道(みずみち)を通って雪解け水となって流れ出していくものと予測されます。

つまり、セシウムは、葉と落ち葉に計71%が集中しており、それは地表下7㎝ていどに99%蓄積されていて、沈下せずに、むしろその下の去年の腐植層との隙間を流れだすと思われます

対策としてはいまのところ落ち葉の除去以外に3ツです。

山林からの流水がそのまま田んぼや農業用水に入らない対策をとる。たとえば福島で試みられている水路のもみ殻袋の3段除染。

❷沢口の田んぼの厳重警戒。

❸山林で採れるキノコやタケノコ類の事前計測の徹底化。いのしし、うさぎ、キジなどジビエ類も同じ

特に現在タケノコのシーズンですが、厳重に警戒しておく必要があります。既に各地で100bqr超えを連続して出しています。

出荷前に計らないタケノコは絶対に出さないで下さい。

出荷組合で事前測定を徹底化するか、計れないなら今年はあきらめて自家用にした方がいいかもしれません。

未組織の個人出荷の人にも情報を流して地域で歯止めをかけて下さい。いったん出ると地域全体に出荷規制がかかります。

シイタケはタケノコと違って森林内で育てているだけではありませんが(*発生舎が大部分)、原木の樹皮の間にセシウムが入り込んでいて、樹皮をはがさないと除染できないのです。

高圧放水でもある程度は落ちますが、なかなか樹皮の裏側にまではとどきません。シイタケは菌の働きと共に放射性物質が回る仕組みが未だ解明されきっていないので高圧放水除染だけで安心しない方がいいでしょう。

去年明らかに放射性降下があった地域の森林で採れた原木使用は止めるべきです。経営的にお気の毒ですが、原木に問題がある以上、原木対策なき出荷はたいへんに危険です

去年は私たち田畑や家畜がたいへんな目にあいました。今年は森林での放射能との闘いとなります。

        ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■茨城でも原木シイタケ、タケノコで新基準値超え 
産経新聞 2012.4.5

茨城県は5日、常陸大宮、つくばみらい、守谷の3市の露地栽培の原木シイタケと、小美玉、潮来、つくばみらいの3市のタケノコが今月1日から適用されている国の新基準値(放射性セシウム1キロ当たり100ベクレル)を上回ったと発表した。1日以降、県内の検査で新基準値を超えたのは初めて。 県林政課などによると、原木シイタケは最大960ベクレル、タケノコは最大240ベクレル検出。県は5日、この5市に対し出荷・販売の自粛を要請した。県は3月下旬から新基準値を超えた市町村には出荷自粛を要請しており、出荷自粛対象の県内市町村は原木シイタケが17市町、タケノコが9市町となった。

■栃木のシイタケ新基準値超 新たに4市町で出荷自粛
産経新聞 2012.3.26

栃木県は26日、芳賀町など県内4市町で露地栽培された原木シイタケから、1キログラム当たり289~103ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。4月から食品に適用される新基準値(同100ベクレル)を上回ったため、県は4市町に出荷自粛を要請した。 県内で、現行の暫定基準値(同500ベクレル)による出荷停止と、新基準値による自粛要請は計14市町となった。

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コメント

こちらでも山間部の猟友会などで波紋が拡がってます。
熊や野ウサギなどは、いわゆるマタギの伝統で当たり前に食べてきましたから。
イノシシは東北には生息していなかったはずが、数年前から山形や岩手でも捕獲されています。線量高かったようです。
屋外栽培の原木椎茸は、すぐ隣の宮城県村田町から基準越えが出ました。賠償はどうなるのやら…。チェルノブイリの例でも分かるように、やはりキノコは危ないですね。
他にタケノコや野生キノコは、個人で採ってきて道の駅や直売所にその日のうちに持ち込む(鮮度が命ですから)ケースが定番でしたが、今後はあくまでも検査クリアしたもの以外は出さない・売らないという、販売所側の対応も必須です。

あ~あ、私かつては吾妻山系某所に毎年タケノコ(細竹)狩りに行ってたんですが…当分は自粛だなあ。

福島県だけでも広大な山林の除染…どうやって進めるんでしょうかねえ。表層の腐葉土を取り除くだけでも大変なマンパワーが必要であることは、飯舘村の実験でも分かりましたし。

谷津田を守るには、少なくとも沢水の出口だけでも継続的監視と対策が必要なのは間違いないでしょう。

たった今、NHKで食品低線量被曝についてやっているわけですが…、
外国と日本の基準について、ゼロリスク論者はどんな反論をなさるんでしょうかね?

まあ、こちらで無知と上から目線で暴論を喚き散らした挙げ句に出禁になったらしい首都圏ママさんみたいなのは論外でしょうが。

日本も、当然、スウェーデンのトナカイのように、いのしし、鹿など、山間部の動物や、胞子で、増えて、樹木の皮や根っこに寄生するような自生きのこ類は、汚染のループが、長時間、続くと予想がつきます。

口蹄疫禍のように、それらの山間部の動物も、サンプリングして、放射線量を測定し、早期より、長期的データーを取りながら、対応策を考えるべきでしょうね。

落葉樹が多く、昆虫やミミズのような腐敗物の分解能力のある土壌で、どのようなセシウムの自然界での移動が起こるのか、積極的に観測してほしいと思います。そういう意味では、環境省の野生動物や山林に対するデーター収集と研究は、非常に、こころもとない現状認識のようですので、心配しています。

豚もいのししも、えさと同時に、土を食べさせることで、消化能力を上げていると思います。塩分、ミネラルなど、かなり土壌から、得ていると思いますから、蜂蜜、岩塩など、豚の餌に混ぜている方は、おられると思います。

土の研究は、今後の山林のセシウム汚染問題に、重要なポイントだと、思えるので、国が、調査研究費を、予算配分して、適切な研究を誘導していただけると、ありがたいのですが。。

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