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水路除染の決定打となるか、もみ殻除染。実に9割を除去!

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春の田起しを前に各地で、実用的なセシウム除染の方法が試されています。

まずは私たちがよく言う言い方で言えば、「放射能の見える化」から始まります。これは読んで字の如しで、放射能が田畑にどの程度あるのかを農民みずからが「見る」ことです。

各地でそれぞれの方法があるのでしょうが、私たちはかなり細かく計っています。1反歩を3~5カ所計測します。ただし、谷津田など比較的ホットスポットが多い場所は、沢口周辺を注意します。

この「見える化」の結果、確実に去年5月の田植え時から、急激に土壌線量が低下していることが分かりました。

去年3月から5月期に100から500bqあった田畑は、現在おしなべて100bq以下になってきています。

特に耕耘をひんぱんにする畑は、放射性物質はかなり減少することが分かりました。

誤解なきように言えば、「減少」とは消滅したのではなく拡散したのですが、地表面5㎝で濃厚に蓄積されている状態より、はるかに危険性は低くなったといえます。

生井兵治・元筑波大学教授は「耕すな」と言いますが、逆です。

「耕す」ことにより、濃厚な地表直下のセシウム層を破壊できるのであって、そこから次の手段が見えてくるのです。

耕さなければなにも始まりません。生井氏は農民にはほとんど影響力はありませんが、一部脱原発団体が彼の言説を拡散させているのは困ったものです。

さて、去年の米作りの分析結果、実際にどのようにセシウムが移行するのかも分かってきました。

かなり知られて来た概念ですが、土壌のセシウムはそのまま作物に移行するわけではありません。セシウムはカリウムと同族の元素で、ほぼ同一の動きをします。

土壌中にカリウムが必要なだけ入っていれば、作物は充分なカリウムを体内に持つので、これ以上セシウムという新顔を必要としません。

逆に不足していれば、植物はカリウムだと思ってセシウムを吸収してしまって、作物のセシウム濃度は上がります。

日本の農地は草木灰を施肥する習慣があるため、土壌にカリが足りているために、植物への移行はたいへんに低かったと思われます。

また東日本は粘土質が多かったのも不幸中の幸いでした。粘土は電気的にセシウムを吸着します。福島に至っては、天然の放射性物質吸着材であるゼオライトの日本一の産地でさえあります。

そのようなわけで、去年の栽培では、私たち農家が恐れていたよりはるかに少ない検出にとどまりました。

移行率はその田畑によっても違いますが、米ならば0.1から0.0026です。

メチャクチャに幅がありますが、これは田んぼが森林に接しているか、平野部にあるのか、なにを施肥しているのかによって異なるからです。これは「見える化」しないと分かりません。

だから私はできるだけ畑一枚で済ませるのではなく、すべての自分の畑をできるだけ多く測ることを勧めています。

今年もまた田起こしの春を迎えて、できるだけ田畑の線量を下げようという工夫がこらされています。

欄外切り抜きは、福島県で11年度作付け制限がかかった南相馬市で行っている実験です。

南相馬市の水田脇の用水路に、もみ殻を木綿袋に入れ、更に洗濯ネットに入れた袋を作って、水路に沈めました。

結果が、記事左上のグラフです。いや驚きましたね。グラフ一番左のあえて水を攪拌させてセシウム濃度を高くした5万2500bqの水路が、もみ殻袋を通過させることで、一気に3590bqへと実に93%減少しました

低濃度ではND(検出限界値以下)まで除去できます。ほぼ実用的には、完璧といっていい除去ができたわけです。

なお、6~7回目が除去率が低下したのは凍結したからだそうです。しかし、現実に使用する春には大丈夫でしょう。

試験で使ったもみ殻の放射能濃度は、18日間で1万7337bq/㎏となり、いかにセシウムを吸着したのかわかりました。

これはもみ殻表面の毛が有効に働いたのではないか、とされています。

このもみ殻除去のすごいことは、カサが小さいことによって、後の焼却処分が楽になることです。「ダッシュ村」のヒマワリは除去率が非常に低い割にかさばって処分が困るという難点がありました。

「ダシュ村」ではたいそうな大型器械を使っていましたね。あんな高価なハイテク器械は農業現場では役に立ちません。

それに対して、カサが小さいもみ殻は軽くかさばらないために処分にも困らないというのは大きな利点です。

農業現場の放射能除去で大事なのは、農村で簡単に手に入る資材を使い、出来るだけ金をかけずに簡単に日常的にできるかがポイントです。つまり必要なのは、ハイテクではなくローテクなのです

研究機関の人はここがどうもよく分かっていないふしがありますが、このもみ殻除染を考案したのも現地南相馬市の地質調査会社「庄建技術」さんです。パチパチ。

避難地域に入っているかどうかは分かりませんが、現地でがんばっている泥くさい技術屋さん達なんだろうな。こういう人たちがいれば、地域は必ず復興します。

私たちの地域でもさっそく試してみようと思います。これは水路除染でしたが、土壌除染応用も可能な気がします。

■写真 なにかよくわからない写真ですが、森のかなたに登る朝日です。水彩画調にしてみました。

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■日本農業新聞」3月30日(クリックすると大きくなります)

Photo

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

まさにローテク!
しかし、先人の知恵であるローテクを組み合わせ進歩させて結果を出すってのは、ハイテク日本と呼ばれる遥か昔からの得意分野です。
良い結果が出ることを願ってやみません。

投稿: 山形 | 2012年4月 1日 (日) 07時28分

籾殻の三段通しって、すごい効果があるんですね。

農水省や、県の農林水産部が、もっと奨励した方が、良いですよね。
そして、都会にも、チェルノブイリとは、違って、もみの表面のでこぼこと毛が、効果があることを、知ってもらいたいですよね。

水路の入口と出口に、1m間隔くらいで、3段くらい通過させるだけで、効果が上がっていることを、国民全部が知れば、これ以上、買い上げ補償などしなくても、きちんとした適性価格で、流通すれば、すばらしいことです。

流通すれば、休耕田にしなくても、済む可能性が残りますよね。あくまで、適正価格で、流通できることが、前提になりますが。。

投稿: りぼん。 | 2012年4月 1日 (日) 19時51分

青空です。


先日のJAXAの可視化センサーといい、
この籾殻といい、有効な手段が複数同時並行ででていることに喜びを感じます。徒手空拳の闘いから近代戦へと移行できる画期的な手法です。こういうのを待っていました。

特に昨日のJAXAのセンサーはまさに見えない恐怖と戦っていた被害者に一条の光を与えました。
視覚でここがどの程度汚染されているとわかることは、精神面からも不安を取り除きます。

口蹄疫も鳥インフルエンザも可視化できないことが最大のネックでした。
見えない以上、ありとあらゆる可能性を考慮して暗中模索、手当り次第に同じ水準で完璧に除染作業をする必要がありました。
また、見えないため、どういった経路で汚染が集まるホットスポットができるかは推測の域を出ず、不安を広がるばかりという苦しい闘いを余儀なくさせていました。

可視化できれば、定点観測してどういった流れで溜まって行くのか把握もできます。
汚染されている場所のみ除染作業をすればよいため、コストは飛躍的に下がり、必要時間も大幅に減ります。
見えさえすれば自らで動くこともできないあれらの物質を除くのは容易です。

除染コストを浮かせた分を投入すれば、
あのセンサーの量産など容易です。
というよりは試作品も含め国力を上げじゃんじゃん投入するべきです。

場所が特定できれば取り除くのみ。
籾殻の活用はかなり効果的なようですし、実現可能性の高い低コスト素材で特殊技術も不要です。画期的ですね。

しかし一点不思議です。
ゼロリスク論者はどうしてこういった記事の内容を見て一気呵成に汚染を取り除けとか、もっと新兵器を活用するというようなコメントしないのでしょう。というよりはその存在すら目に入らないような書きぶりです。
有効な手段がでてきても、依然避難を示すばかりです。

まあ、おかげで彼らの狙いが、被害者保護ではなく、混乱助長であったことがよくわかりました。
彼らにとり、福島県民や東日本在住者は永久に住んではならない所に住み続ける哀れで無知な市民でなければならないのです。
自らのストレスを解消するゲームなのでしょう。

上から目線、失礼な物言い、
記事やコメントへの無反応と自己主張のみのコメント。
そう考えれば腑に落ちます。解決策や努力による成果など聞きたくもないのでしょう。解決策がでてきてしまえば、哀れな市民でなくなってしまい、精神的優越感を失ってしまいますので。

そうでないならば、意見を聞きたいですが、そうでないなら最早聞く意義もないのかもしれません。

投稿: 青空 | 2012年4月 2日 (月) 00時48分

もみがら除染は 以前から聞いていました。
こんなに身近にあるものでできるなんて!と喜んでいたら 22年産のもみがらと聞いてがっかり

もし 23年産のもみがらを使ったら どうなるんでしょうか?
もみがらのセシウムは測ったことがないので 推測しかできないのですが もし藁と同じ100ベクレルとしたら除染に使えるでしょうか?

福島は条件付きで作付が認められましたが 除染の条件が これ 誰かやってみたの?と言えるようなものばかり・・・
地域ひとくくりで お役所仕事まるだしです。
農水省から時間が無いときに丸投げされて 県も市も大変なんでしょうが 机の上で稲は育ちませんよと言ってやりたい

だいたい 30センチの深耕とか ゼオライト200キロとか セシウムを出したくない気持はわかりますが
これじゃ 田んぼにならない 田植えができません
指摘されて 今は深耕は声高に言いませんが・・・

ゼオライトを 今まで こんなに田に入れた方 いらっしゃいますか? セシウムもさることながら 窒素を吸着して 赤くて硬いイネで(になってしまうんではないかと) 米になるんだか心配しています。

すみません。。。 愚痴っぽくなってしまいました

投稿: みずほ | 2012年4月 7日 (土) 10時11分

みずほさん。確かにそうなんですが、地域で22年度をさがすしかありません。そしてこれはあくまでも水田ではなく水路除染です。

福島県も分からないんですよ。私たち茨城も分かりません。行政はあまりあてにはなりません。一般的なことしかいわないでしょう。

ですからまず「見える化」をするしかないのです。100bqと3000bqの対処方法は違います。

また、土壌検査もやられてはいかがでしょうか。特にカリ分と土質です。
粘土質なのか砂質なのか、カリ分が充分に入っているのか、地域の仲間と地域の状態に合わせて考えるしかないのです。

実は私たちの地域はゼオライトはあまり今年は使用しないでしょう。線量が落ちてきているというのと、入手困難だからです。
その代わりあるていどのロータリーは入れますね。これもここまでと決められないのです。田んぼの状況で違いますから
いまでも深田の谷津の所と、浅い平地とは一緒になりません。

お互いに地域の仲間と話合いながらの手探りというのが実情です。しかし、耕せば必ず先が見えてきます。それを信じています。

土の神様を信じましょう。

投稿: 管理人 | 2012年4月 7日 (土) 15時18分

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