• 20241105-053338
  • 20241111-145814
  • 20241111-153445
  • 20241110-145403
  • 20241110-145453
  • 20241110-153255
  • S-013_20241109025501
  • S-014_20241109025401
  • S-017_20241109025601
  • S-025_20241109025501

« 家伝法の改革は必要だが、東国原氏に言われたくはない | トップページ | すごいぞ、京都市“都市油田発掘プロジェクト”!    その1 バイエタのウソクササとは »

2012年4月23日 (月)

政府、空間放射線量予測図を公表 生活と生産を持続することが大事だ

015

政府が1年後から、2年後、5年後、10年後、20年後の空間放射線量予測図を公表しました。これは避難区域の帰還計画の参考資料とするものです。
(欄外切り抜き・図表参照)

この政府予想図によれば
「原発が立地する大熊町と双葉町の境界付近では20年後でも居住が原則制限される帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)が、両町に加えて浪江町、葛尾村では居住制限区域(同50ミリシーベルト以下20ミリシーベルト超)が残る。」
(毎日新聞)

ただし、この政府予想図はあくまでも理論シミュレーションであり、現在進められている住宅地、農地の除染作業の結果を反映していないものです。

私はこの政府予想図よりはるかに早いスピードで放射能は減衰していくと考えています。これは、去年の事故当時の予想を大幅に超える早いテンポで放射能が減衰しているからです。

事故から24年たったチェルノブイリ原発脇での現在の放射線量は0.48μSvです。チェルノブイリ原発周辺は事故直後には、防護服なしでは急性被曝症状で死に至る放射線量だった所です。土壌放射線量は200万bq/平方mを超えていたと思われます。

また原発から40キロ離れた農村部でも、現時点で0.11μSvでした。現在の関東地方より低いくらいです。
*関連過去ログ
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-d5ce.html

セシウムは134と137との合計量で見るのですが、その比率は7対3と言われており、半減期が2年と短い134のほうが圧倒的に多いのです。(*7対3は放射線の強さでの比率です。存在比は1対1です。詳しくはコメント欄に付記しましたのでご覧ください。 )

134は2年で5割が半減し、10年後にはほぼ消滅してしまいます。一方、3割を占める137も26年間のうちに気象状況や自然条件によって除染をしないでも消滅・拡散していくようです。

また、避難区域の多くを占める農地を「耕す」ことによって、土壌放射線量は半分ていどにまで低落していきます。生産活動によって線量は劇的に低下していくのです。(下図参照)
*関連過去ログ
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-5c20.html

Photo

(「放射能に克つ農の営み」 伊藤俊彦氏の図表より引用させていただきました。ありがとうございます。)

また住宅地においても、住むためにはしっかりとした除染活動をせざるをえないでしょう。人が帰ることににより、住宅の屋根、庭、道路、商業施設、公共施設、公園などの除染を急ピッチで進めねばなりません。

たしかに住宅地で用いられる高圧放水による除染は、「移染」でしかありませんが、それでも、下水処理施設で集中管理することができます。今のように生活空間に遍在しているよりはるかに処分しやすい条件を作れます。

もっとも悪いのは、人が生産しなくなり捨てられた田畑とゴーストタウンまがいの風景を作ることです。こうなってしまうと大量の雑草が生い茂り、除染活動に困難を来します。

刈った雑草も放射能を吸っているために、低レベル放射性廃棄物扱いにせねばなりません。表土から5㎝あたりに蓄積されているセシウム層もそのまま固定されたままになります。

帰還は多くの障害があることはいうまでもありません。生活インフラは震災の被害と放置された1年でズタズタでしょう。市民サービスも万全とはほど遠いでしょう。

なにより放射能に対する恐怖が最大の障壁でしょう。これについてはきめの細かい地域単位の測定所を設置して健康保護をせねばなりません。

また、残念ですが農業の場合、ゼロベクレル派が全盛の現在、作っても売ることには多くの困難が待ち受けているのは事実です。

避難区域の農産物は全量国家が買い上げる措置をとるべきです。それをとった上で、農業再開計画を国が全面支援すべきです。

農家にとって耕すこと、作ることが最大の放射能との闘いの武器なのですから。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

福島の空間放射線量予測 10年後も「帰還困難」 3町に50ミリシーベルト以上地域
産経新聞4月23日

政府は22日、東京電力福島第1原発の事故に関し、福島県内などの今後20年間の空間放射線量の予測を公表した。それによると、浪江町の北西に広がっていた年間の空間放射線量100ミリシーベルト以上の高線量区域は、5年後には双葉町の福島第1原発周辺に縮小するが、10年後にも、住民が長期間戻れないとされる「帰還困難区域」にあたる50ミリシーベルト以上の地域が双葉、大熊、浪江の各町に残る。この3町と富岡町などでは、政府が住民に避難を求めている20ミリシーベルトを超える地域が残るとされている。

 原発事故で出された放射性物質の汚染土などを保管する中間貯蔵施設の設置をめぐり、国が設置場所を指名している福島県双葉郡の8町村長と平野達男復興相らとの意見交換会で、明らかにした。

 昨年11月に実施された航空機モニタリングの結果をもとに予測。1年、2年、5年、10年、20年後の福島の放射性物質の減衰と、風や雨などの自然現象の影響を考慮した理論値で、住民帰還のめどや復興計画をつくるための判断材料となる。

予測は除染を前提としておらず、平野復興相は「これだけの期間は最大限帰れないということを明示した」と説明。現在、除染の効果を調べるモデル事業を実施しており、各市町村が策定した除染計画も加味した上で、放射線量の減衰期間は短縮する可能性がある。

 年間の空間放射線量は、その場所で1日8時間、屋外で過ごした場合、1年間に浴びる積算の放射線量。3月末時点では、積算が150ミリシーベルト以上の地域が原発周辺や北西部に点在。50ミリシーベルト以上や20ミリシーベルト以上の地域も北西部を中心に帯状に広がっているという。

 一方、中間貯蔵施設の設置について、政府はこれまで示してきた双葉、大熊、楢葉の3町に分散設置したいという方針を改めて説明した。

 会合に出席した細野豪志環境相兼原発事故担当相は「施設の迷惑さばかりに目が行きがちだが、地域にとってプラスになる面もある」と強調。施設の設置で、管理業務や除染方法の研究業務など大規模な雇用が創出されるとした。

■ANNニュース 
政府は、福島県内の今後の空間放射線量の予測をまとめました。10年後でも福島第一原発のある双葉町などの一部では、帰還困難とされる50ミリシーベルトを超えています。

 細野環境大臣:「すべて帰還ありきということではないという選択も皆さんにして頂けるような準備はしなければならない」
 政府が示したのは、1年後から20年後までの福島県内の年間の空間放射線量の予測です。10年後にはほぼ全域で100ミリシーベルトを下回りますが、双葉町や大熊町、浪江町のそれぞれ一部では、10年後でも帰還困難区域の50ミリシーベルトを超えています。除染などの効果は見込んでいないということですが、平野復興大臣は「予測をもとにしながら、大まかな帰還の区域や見通しを作っていきたい」と述べています

         現時点の空間放射線量図(12年3月末)

Photo_3          

          1年後(13年3月末)の空間放射線量予測図

Photo_2

           5年後(17年3月末)の空間線量率の予測図

Photo_4                

              20年後(32年3月末)の空間線量予想図

Photo

全図表はこちらからhttp://mainichi.jp/graph/2012/04/23/20120423k0000m010076000c/001.html?inb=yt

Photo_5

産経新聞4月23日

« 家伝法の改革は必要だが、東国原氏に言われたくはない | トップページ | すごいぞ、京都市“都市油田発掘プロジェクト”!    その1 バイエタのウソクササとは »

原子力事故」カテゴリの記事

コメント

おたずねします。セシウム134:137が、7:3ということですが、それは、どこに載っているのかぜひ教えてくださいm(__)m

というのは、チェルノブイリが1:2だったが、今回の場合は1:1だから、ずっと減衰が早いと、昨年6月時点で、野口邦和氏の講演で聞きました。
それが、137がもっと少ないってことですね、さらなる明るい情報と存じます。

「チェルノブイリと地形・気候が違う。日本の場合は雨風が多いから早く減っていく(移動する)」という山下先生の震災直後の見立て通りかと思います。

よろしくお願いします。

K様。
セシウム134と137の比率については、学習院大学田崎晴明教授のサイトによりました。http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/Cs137vs134.html

「放射線の強さ」として「ベクレルで測ったときに)同じ量の 137Cs と 134Cs があれば、それぞれからの放射線の強さの比は 1 : 2.7 程度になるということがわかる。つまり放射線の 7 割程度が 134Cs から出ていて、残りの 3 割程度が 137Cs から出ている」
私は、これを根拠としました。

ただし、測定結果として現れる存在比は、1対1です。これは私たちの実測でもそれに近い数値が出ます。

しかし、1対1だからといって同じだけの放射線がでるわけではありません。異なった崩壊をするために放射線量(吸収線量率)が異なるからです。
この放射線の強さで見た場合は7対3となるわけです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 家伝法の改革は必要だが、東国原氏に言われたくはない | トップページ | すごいぞ、京都市“都市油田発掘プロジェクト”!    その1 バイエタのウソクササとは »