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2012年6月28日 (木)

霞ヶ浦放射能汚染の実態その4 高低差の少ない平野部の霞ヶ浦は一身で汚染を引き受けてしまった

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水系汚染を決定する要素は、その河川や湖の固有の性格によって決まります。ですから、単純に「放射能が1年で何キロ移動する」と言い切れないのは確かです。

といっても、もちろん法則性らしきものはあります。

河川の流域面積の大小・・・流域面積が大きいと比例して流量が多くなりますから、河川内で放射性物質を溜め込みにくく、汚染は比較的速やかに下流に移動します。

河川の勾配・・・勾配が大きいと流速が増します。そのために汚染は勾配の少ない場所に向けて移動し、そこで河床に沈殿しながらゆっくりと河口に向けて移動します。

下図は那珂川のセシウム濃度です。(濱田篤信氏「霞ヶ浦の放射線汚染」による)

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太線ので表されている2011年10月の測定では、栃木県塩原では濃度は低く推移しているのが、茨城県堺の野口近辺で急上昇しているのがわかります。

これが点線の第2回2012年2月の測定では、栃木県内の数値には変化が見られないものの、茨城県内の野口から勝田橋にかけて急激に放射線量が低下しているのが分かります。

もうひとつデータを見てみましょう。これは利根川です。(同上)那珂川と利根川の位置関係は地形図をご覧ください。

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利根川も那珂川と同じ特徴をもっています。2011年10月第1回の測定では源流付近の「みなかみ」では低い濃度であり、それが勾配のなだらかな栗橋あたりから急上昇しピークを作っています。

そしてそれからわずか4か月後の12年2月には、これもまた一気に低下しています。これは既に河口から海へ流れだしてしまったためだと思われます。

このように河川の放射能汚染濃度は、源流域であるか否かに左右されるのではなく、その地形の勾配によるものだと分かります

山岳部では川が急流のために流速が速く、平野部ではゆっくりと流れるために汚染ピークは平野部で発生します

また、河川によって、湖に流れ込むのか、それとも海に流れ込むのかによっても状況は異なると思われます。

下図の茨城県地形図にあるように、茨城県はいくつかの大きな川が流れています。

北から八溝山系から流れだす久慈川、同じく那珂川、栃木県に源流を持つ鬼怒川、小貝川、利根川などありますが、霞ヶ浦湖尻に影響を与える利根川の一部を除いて、内陸部の湖に影響を与えず、外洋へと流れ出していきます。

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               茨城県地形図(ジオテック株式会社作成)

そのために、内陸部の湖や川に「溜まる」事態になりませんでした。

それに対して霞ヶ浦は、大きな流入河川がない代わりに、平野部の勾配の少ない地域の56本もの中小河川が霞ヶ浦一カ所に集中して流れ込むという特異な構造をしています。

それ故に、霞ヶ浦は一身で放射能を引き受けることになってしまったのです。霞ヶ浦を救え!

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■夕暮れの霞ヶ浦から筑波山を望む。わが地域は、登る旭は北浦で、沈むむ夕焼けは霞ヶ浦(西浦)で眺められるという写真ファンにはたまらない地域です。うらやましいでしょう。(o^-^o)

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コメント

地形的に北関東の中小河川からの流れを、平坦で浅い霞ヶ浦がガッチリ受け止める形になってしまったのですね…。
スケールが大きすぎて、残念ながら私には対策らしいものは思い付きませんです。

今日の写真も素敵です!

霞ヶ浦河川事務所さんが、おっしゃるには、流入河川や湖の汚染については、毒性の高い環境省指定毒物や油類の監視であって、放射性物質は、業務の範囲外である。
また、環境省からも、何も指示、命令は、受けてないので、当面のセシウム対策など、する気はない。

本省の国土交通省からも、指示がないので、何もできない。

河川や湖の近隣利害関係者から、異常通報をもらえば、そのことについてのみ、調査する。との返事でした。

やっぱり、日本の公務員は、地に落ちたのかもしれません。

戦前は、法律に書いてないことでも、儒教的精神で、民のためになることなら、頑張って、働いただろうに。。

手を打つのが、遅れれば、余計に、大変なことになるかも知れないと知りながら、何もしない体質は、相変わらずだなあ。と思いました。

管理人様、お久しぶりです。
毎日、ブログは拝見させていただいているのですが、なかなかコメント付けられずです。
法的根拠がないので、何もしない。法令順守(コンプライアンス)と言う名のサボタージュそのものですね。そのような光景は、宮崎口蹄疫禍の時も、嫌というほど見てきました。今の日本、本当にこれで良いのでしょうか?ほんの数十年前には、まだ情があったような気がします。車のハンドルの遊びのような柔軟な部分が存在していたような気がするのですが、今は全くそれがない。世智辛い世の中です。マスコミに踊らされて、そんな風に追い込んだ我々国民にも責任の一端はあるのでしょうね。

霞ヶ浦はとてもきれいな景観をもっています。
夕焼けのとてもきれいなこと、筑波山をはさんでそれはとても見事な景観です。
また、今は泥底のなかから透き通るような見事な蓮の花が満開です。
この見事な景観が放射能で汚染されているのか?と思うととても残念でなりません。
 未来に向けて何をしたらいいのでしょうか
私はこの霞ヶ浦が好きです
この地で死んでいく人間です
何ができるのでしょうか?
教えてください

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