« 霞ヶ浦放射能汚染の実態その2 既に小河川からの流入は相当に進行してしまっている | トップページ | 霞ヶ浦放射能汚染の実態その4 高低差の少ない平野部の霞ヶ浦は一身で汚染を引き受けてしまった »

霞ヶ浦放射能汚染の実態その3 湖の縦割り行政が、放射能汚染の防止対策を妨害している

Photo                     霞ヶ浦衛星写真 Wikipediaより

りぼん様、霞ヶ浦の管轄は国交省です。「国土交通省・関東地方整備局・霞ヶ浦河川事務所」という長ったらしい名前の部署が担当しています。湖畔を歩くと、よく国交省のパトロール車と出会います。
http://www.ktr.mlit.go.jp/kasumi/

ただし、環境政策は環境省、環境教育は文科省、内水面漁業は農水省で、茨城県にもそれぞれ管轄する部署があります。

消費者が湖の魚を心配する時の窓口は、「農水省・消費・安全局消費者情報官・消費者の部屋」が受け付けています。ただ、木で鼻をくくったような回答しかしてませんね。
http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1105/a02.html

また茨城県も県としても霞ヶ浦水産事務所があります。上部組織としては漁政課です。http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/nourin/suisanji/
http://www.pref.ibaraki.jp/nourin/gyosei/gyoseika.htm

だんだんイエローページみたいになってきましたが、まぁ典型的な縦割り行政で、実にややっこしいのです。

今回のような放射能問題で漁業がピンチだとなると農水省の管轄にころがりこみますが、できるのは魚介類の監視と出荷制限までです。

環境省も一緒で、環境測定はしても、それを浄化する力がありません。かんじんの地元行政である茨城県は先日書いたとおりで、臭いものに蓋をしたいようでスッキリとなにもしていません。

茨城県は、霞ヶ浦から取水している水道水に検出されなければ重い腰をあげないつもりでしょうか。そうなったらもはや手遅れなのですが

となると、消去法で放射能による水質改善をする権限は国交省となるわけですが、未だ指針すらなく、果たしてやる気があるのかないのかさえ分からない状況です。

こういう時にこそ政治主導とやらに期待したいのですが、与党の選出議員殿たちは内部抗争に打ち興じて霞ヶ浦などという票にならないものには振り向きもしません。

というわけで、霞ヶ浦は忘れられた存在になりかかっており、56本の河川から日々放射能が流入している状況です。

いうまでもなく、いったん湖に放射性物質の流入を許してしまえば、もう対策のとりようがありません。

このような行政の不作為により、大きい方の湖である西浦だけで、約172平方キロ、最大水深7m、小さいほうの北浦は面積約36平方キロ、最大水深7m、合わせて208平方キロにおよぶ日本第二位の湖ノ底泥の中に放射能は降り積もって行くことになります。

下図が霞ヶ浦の現在の放射能汚染状況です。

環境省・霞ヶ浦に流入する河川底泥の汚染状況
     場所     2011.09~011.10セシウム合計   2012.02セシウム合計
     西浦湖心            221Bq           900Bq
     北浦釜谷沖           130Bq          1000Bq
     玉造沖             330Bq           1300Bq
     外浪逆浦            184Bq            91Bq

007

         図 濱田篤信 「霞ヶ浦の放射線汚染」 濱田篤信氏によるhttp://www.kasumigaura.net/asaza/images/kasumigauranohousyanouosen.pdf

内水面研究者の濱田篤信氏によれば、
「(環境省第1回モニタリング時)2011年9月の時点ではすべての地点で330bq/㎏以下であったが、2012年2月の今回は霞ヶ浦湖心、玉造沖、釜谷で一気にセシウム濃度が高まった。」(同上)

「河川から流入したセシウムが湖内に流入し、沖側に移動していることを示している。湖心に近い玉造沖、湖心では5か月で4倍に、北浦釜谷では8倍に急上昇した。」(同)

このように霞ヶ浦の放射能の堆積は時を追うごとに高まっており、今この時点で湖への流入を阻止しなければ、霞ヶ浦の放射能汚染は極めて長期に及ぶものになっていくでしょう。

しかしこの対策をとるための壁は、実は行政組織の縦割りの壁がもっとも厚いのかもしれません。

霞ヶ浦概念図 Wikipediaより)。扉写真の衛星写真とみくらべると分かりやすいと思います。私の家は西浦と北浦の中間地点です。どうでもいいか(笑)。

Photo_2

関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-f9cd.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-2.html

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-825f.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-8e5d.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-2057.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-78e3.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-c07b.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-cc65.html

|

« 霞ヶ浦放射能汚染の実態その2 既に小河川からの流入は相当に進行してしまっている | トップページ | 霞ヶ浦放射能汚染の実態その4 高低差の少ない平野部の霞ヶ浦は一身で汚染を引き受けてしまった »

原子力事故」カテゴリの記事

コメント

やっぱり、縦割り行政が、「癌」のようですね。
霞ヶ浦を、きちんと出来ない国では、琵琶湖は、まったく対応不可能ってことでしょうね。

琵琶湖は、関西の水がめですから、京都、大阪と、大都市が、水飢饉になるでしょうね。

工業製品も、大量の水を使う業種も多いので、漁業だけの被害ではないでしょうね。

福井の原発11基のうち、どこが、水素爆発しても、琵琶湖は、汚染されると思ってます。

霞ヶ浦問題は、琵琶湖問題でもあるようですね。
琵琶湖は、飲用水、農業用水の水利権問題もありますし、東京都の上水場汚染問題で、大量のペットボトルが売れたときの程度より、ひどい状態になるでしょうね。

なぜ、行政や公務員は、学習できないのか?
公務員は、法令遵守だから、自分の家族の命を差し出しても、公務員でありたいと言う思想なら、戦前のお国のために、命を差し出すのはあたり前、非国民にはなりませんと、同じ発想なんですね~。

投稿: りぼん。 | 2012年6月27日 (水) 09時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/515571/55061293

この記事へのトラックバック一覧です: 霞ヶ浦放射能汚染の実態その3 湖の縦割り行政が、放射能汚染の防止対策を妨害している:

« 霞ヶ浦放射能汚染の実態その2 既に小河川からの流入は相当に進行してしまっている | トップページ | 霞ヶ浦放射能汚染の実態その4 高低差の少ない平野部の霞ヶ浦は一身で汚染を引き受けてしまった »