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2012年6月 3日 (日)

魚介類の放射能汚染は、食物連鎖に従っている

022   

大震災で東北と茨城の漁港のすべてが破壊されました。例外なくすべてです。今、震災瓦礫瓦礫を不条理にも拒否されている石巻もそのひとつです。

漁港が被災すると、私たち農業と較べて問題がいっそう複雑になります。
その理由は
➊政府の怠慢により復興予算が十分にとれない
❷老齢化が進んでおり、復興したとしても未来を描けない
❸加工場、冷凍・冷蔵庫の破損がひどく、せっかく水揚げしても魚に値段がつかない
➍震災後1年間で、非被災地域の漁港にシェアを奪われてしまって、震災前と同じ価格、品質では対抗できない

このように山積する問題で苦しんでいる石巻市の瓦礫処分を拒否する北九州市の運動は、人間の仕業とも思えません。

何度も書いてきていますが、宮城県、岩手県は被曝していません。(*一関を除く)

被曝したのは、福島県とわが茨城県が中心です。私たちは逃げも隠れもしないが、無関係な被災地いじめはやめなさい。あなた方は、過激派に踊らされて人間として恥ずべき行為をしていることに気がつかないのか。

おっと、またテーマからはずれてしまうところだった(苦笑)。

本題に戻します。昨日に続いて、海の放射能汚染を追跡することにします。漁業が農業より複雑なのは海中で食物連鎖が起きることです。

農業がそれを無視できるのに対して、漁業は食物連鎖のシステムの中で漁獲を挙げているだけに深刻な問題です。

海水中に放出された海底の放射性物質は、まずプランクトンと海草類に取り込まれ、食物連鎖の階段を登ってより高次の捕食者に移行していきます。

最初に北茨城港で放射性物質が検出されたのはコウナゴでした。これはシラスのような小さな魚ですから、代謝が早く、吸収するのも早い魚です。

このような小さな魚は、海の食物連鎖のもっとも底辺にいる魚ですから、ここが汚染されたということは、時間の問題でより大きな魚にも放射性物質が移行していく可能性がある、ということになります。

ここで問題になるのは、魚介類には農産物がそうであるように、独自の移行係数が存在することです。

下図にその魚介類の移行係数をみます。魚介類の場合は、農産物と違って「濃縮係数」という概念を使うようです。

これは海水に1bqの放射性物質があるとして、それを何倍に濃縮してしまうのかを調べたものです。(欄外資料参照)

魚介類の放射性セシウムの濃縮係数(単位・倍)

・緑藻類            ・・・16倍
・棘皮類・ウニ、ヒトデなど  ・・・11
・甲殻類・カニ、エビなど   ・・・9.7
・貝類・二枚貝        ・・・12
・頭足類・イカ、タコなど   ・・・8.9
・原索類・ホヤなど      ・・・3.0
・魚類             ・・・46

これを見ると、魚類の濃縮係数が高いことがわかります。セシウムは、藻類⇒棘皮類⇒甲殻類⇒貝⇒頭足類⇒原索類⇒魚類という食物連鎖の移行を通して濃縮しているからです。

また、生態系における濃縮係数には別なデータも存在しています。これを見ると、食物連鎖の階段を登るにしたがって、イカ、タコを除き体内濃縮が進むことが分かります。
(欄外資料2参照)

私としては正直に言ってややショッキングな数値で、掲載するのをためらったほどです。私たち農業の移行係数が、たとえば米0.026などと100分の1、1000分の1の単位なのに対して、魚類は実に100倍です。

大きな魚になるほど体内蓄積される時間がかかるので、短期的にこの濃度になるわけではありません。初めはあくまでも藻類、やタコ、イカから始まり、小魚に至り、小型魚類、中型、大型と濃縮していきます

すると、とうぜんのこととして、コウナコなどの小魚はすぐに検出が見られますが、中型魚に検出が見られるのはやや後ということになります。

その時差は、半年から数年の幅があります。これはチェルノブイリのデータが残されていますが、それについては次回とします。

■写真 霞ヶ浦の夕暮れ。実にロマンチックです。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 魚介類の放射性物質の濃縮係数(「勝川俊雄 「日本の魚は大丈夫か」による)

Photo_3 Photo_2 

■資料2 生態系におけるセシウムの濃縮係数(同 IAEAによる)

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コメント

愛知に住む者からの「お願い」

管理人さま、大変な、ご苦労を増すことになり。誠に恐縮なんですが、正しい食品の現在の放射線量(今のところ、セシウム2種の合計値)は、愛知には、正式には知らされて居りません。多分、北九州市も同じだと、想像しています。
ある意味、愛知は、伊勢湾、三河湾、など、魚介類も、地元調達できる地域ですので、具体的に、福島、茨城地区の魚介類の自粛について、実感は、湧きません。

少なくとも、農業新聞の読者も消費者の購読が限りなく少ないですし、関東地区版に載っている、食物の放射線検査結果は、名古屋では、報道されておりません。

表層魚のコウナゴの汚染報道以降、なしのつぶてです。
日本の流通は、トラック便で、一晩で、全国の小売店に流通してしまうほど、トラック輸送が、網のようにありながら、農作物の表記は、JAS法に定められた記載事項以外には、ほとんど記載されてません。

西日本での過剰心配心理で、流通してこない状況ですから、
管理人さんが、ヤンバルで、居住していたときの、沖縄の新聞に書かれたことが、関東地区の全国紙には、ほとんど、記事になっていないのと、同じ現状です。

ゼロベクレル信者に、赤ちゃんを育てているお母さん、学校給食を食べているお子様に、実際どのような、セシウムやポストハーベストが、混入しているかの情報は、全くありません。少なくとも、観光で、沖縄本島へ行ったとき、沖縄の新聞では、基地問題について、より具体的なレポートを、読めたのですが、名古屋では、観光案内以外は、あまり掲載されません。リスクゼロを求めていると言う都会人の異常とも思える食品選別や選択は、日々変化する正確なセシウム量など、いわゆる、現時点でわずかであれ、購入に向かえるような、数値が、出てきていないのが、結局、東北産を拒否すれば、何とかなるだろうとの推測と感で、購入している状態が、以前、続いております。
この都市部の情報が、政府の脚色なしに、正直な値と、よくあらうことや、調理法で、内部被曝が減るという知識が、西日本の買い物する人には、伝わってないこと。

当時の枝野官房長官のいい加減な報道とか、総合的に自分の人生の中で、どう受け入れていいものか、全く具体的な情報がゼロなんです、空間放射線量は、落ち着いてきた今、食品での安全性評価について、政府発表が、いい加減なので、やはり、聞き入って、自分の食生活を守っていく方法がない、以上、マスコミ報道で、どちらかかと言えば、危険情報のみ、デフォルメされ、伝わっている状況では、東日本の食材を、店舗も仕入れないで、販売されている以上、まず、流通卸問屋自身が、今後、被曝量が、大きくなっていくと想像される魚介類は、ほとんど、敬遠されています。三河湾は、あさり、を中心とした優秀な後場であり、ふぐのような、下関産が有名と言われながら、現状は、三河湾や、佐賀、長崎方面のふぐを食べている状況ですね。

最終、コンタンのブログに書いてあるような、実際のサンプル汚染量が、きちんと公開されていない以上、今の数字なら、食べても良い派から、0ベクレルでないと、購入しない派まで、正直、なにを、信じて購入すべきか、実際は困っている現状です。福島や宮城で陸揚げされた魚が、どの海域で採れたことすら、具体的表記がないのが、実態で、イオンなど、一部のスーパーがPOP表示すること以外の情報がないですし、大体、ゲルマニウム半導体測定器やシンチレーションメータでの、実際の測定は、一般人は、見ることもできない状況です。本来、3.11以降、採取地区の情報やセシウム量を詳しく書かれる販売店さんは、極端に少ない以上、多分、西日本産なら、大丈夫だろうと言う主婦の判断なのでしょう。南半球で採れた冷凍魚介類しか購入しないと言う人もおられますが、詳しく南半球が現状、汚染されているのか、居ないのかも、数値として、わかってないのに、食材の仕入れ先を、強く要求されているのが、西日本の市場の現況です。

もう、時間の流れにより、汚染レベルで購入して、安全、安心感を持つには、どういう説明をすれば、理解していただけるのか。

正直、何を根拠に説明するかと言う事だけでも、小売店では、困っているのです。

個人的には、1m以上地盤沈下した農地や住宅街は、早急に、海抜が最低0までとか、プラス何メートルとか、早くしてしまって、現行、体力のある、工場等だけが、なんとか、生産に向かっているだけで、個人的には、いつもの、官僚の手口で、使い古されてきた。地元市町村が、地元の金で復旧してくれというのが、本音であり、まあ、数年先にならないと、復興大規模プロジェクトは、自治体がある程度、最低限の整備ができたころに、実物(現金)を投入する、キャリア官僚のわざと、支給を遅らせる力が、邪魔をしているとしか、思えないのは、私だけなんでしょうか?

リボン様。すいません。2回読み直したのですが、私がなにをしたらいいのかよくわかりません。

管理人さんへ

管理人さんも、何をすべきか、お困りのように、今、実質被害が出ていない地域の都市部では、根拠のない、依頼やうわさが、流れています。東日本大震災時の昨年なら、まだ、理解できるのですが、現時点で、水素爆発後から、放射線量全体が、ありがたいことに、下がってきているのに、相手の方の考え方が、私には、理解できないのですが、学校給食に使う「魚」は、南半球で、採れたものしか、使ってはいけないとか、ホOト産業が製造したきのこ以外は、使うな、など、突然、言い出す、若い母親が、増えてきていることが、困ったことなのです。生半可に学力もあり、あくまで、お客さまとして、接しなければいけないのですが、当然、私の理解できる範囲を超えた行動をして、さらに、間違った情報をネットで流す人が、今年になり、急激に増えてきたことで、困っています。
すでに、ガイガーカウンターの玩具のような器具で、判断するレベルではない汚染量なんですが、モンスターペアレント的思考をする人が、西日本には、増えつつあると言う事実を、東北の人にお知らせしたいことと、そのような誤解を現場でどうやって理解してもらうべきか?が、わたしに取って、今の問題点なんです。説明すればするほど、危険なものを隠していると思われている毎日なんです。

関東で、問題ない現状ですから、愛知で、問題のある検査数値が出てきません。感度を高くしても、NDなんですが、NDと言うと、信じてもらえない現状に陥っております。多分、福島の人や関東圏の人は、3.11以降、数字が、下がっている実感があるのでしょうが、全く、数字が出ない地域に居て、安全とか危険とかを説明することの難しさに直面しています。
まあ、現時点では、無視して、係わらないようにしてますが、西日本でも、極端に神経質な方がみえて、根拠のない食材の危険度を、ネットで、ばら撒く行為に、閉口しているってことですが。。。

正直、西日本で、こんなに騒がれるとは、思いませんでした。北九州市と変わらない反応に、この5月以降、なりつつあります。

「霞ヶ浦の水産物の検査結果(pdf)」まとめてみました。
http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/kasumigaura.pdf

ワカサギ、シラウオ、コイの汚染は中程度。
フナ、ナマズ、ウナギの汚染度が高い。
海ではすでに終息した甲殻類の汚染も、霞ヶ浦では長引きそうな感じです。

”シラスのような小さな魚ですから、代謝が早く、吸収するのも早い”と記述されていますが、「小さい魚=代謝が早い=吸収するのも早い」とは根拠があるのでしょうか?

北茨城の漁師 さま。

「小さいから」ではなく、

「若い成長期の魚=代謝が大きい=吸収も速い(排出も速い)」 ですね。

人間の子どもも同様に、吸収が速く、排出も速いです。

りぼん さま。

愛知県の「たけのこ幼稚園」が、AT1320Aを導入して測定室を開設しました。
http://ameblo.jp/takenoko-kids/theme-10058021282.html

測ること自体は、とてもいいことだと思うのですが、
がんばって長時間(10時間とか)測定して、加工食品から
数ベクレル程度を検出しています。

問題は、
「こんなに少ないんだからいいじゃない」
とならずに、
「ちょっとでも入っているから、ほかのものを探そう」
ということにならないか、ちょっとだけ心配です。

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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