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2012年6月19日 (火)

知事選得票率と基地占有率、財政依存率にみる沖縄南北問題とは

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一昨年のことでしたか、普天間問題を追いかけていた時に、沖縄現地のブログにリンクを貼られました。

このブログの主張は、典型的な反戦・反基地でしたが、その主張の中で面白かったことがひとつありました。

それは「もはや沖縄経済は基地依存ではない。基地は沖縄の発展を妨げている。即時基地撤去すべきだ」と書かれていたことです。

これで私は、ああなるほどなぁと思いました。

この人はたぶん宜野湾から以南に住む人ではないでしょうか。同じ中部でもコザ(沖縄市)以北の人間ならこのような言い方を簡単にはしません。

それでは、まず今の沖縄の国会議員を見てみることにしましょう。国民新党幹事長・下地幹郎氏は、地元では知らない人のほうが少ない県内有数の建設会社「大米建設」の副社長でした。

「大米建設」は、下地氏の父親が創設したもので、沖縄の多くの建設業と同じく、基地建設で成長しました。氏の兄は沖縄県建設業協会会長をしています。

下地氏は普天間移設問題で一貫して、嘉手納統合案を主張しており、この案には民主党県連会長の喜納昌吉議員も賛成しています。ちなみに喜納氏は嘉手納基地の城下町・コザ市出身です。

県知事の仲井真氏は、沖縄電力会長出身で、沖縄経済団体会議の会長と防衛協会会長を兼任していました。

この沖縄県経済団体会議の会長は、防衛協会会長も兼任することが多く、先代の国場幸一氏は県内最大手の建設会社「国場組」の社長でした。

このように見ると、沖縄現地での普天間問題のキイパーソンである、与党幹事長の下地氏、県知事の仲井真氏、そして与党の県連会長の喜納氏という3名が惑星直列よろしく揃って米軍基地に強い利害関係を持っている人たちだと分かります

もうひとつおまけに、一昨年、この仲井真氏に知事選を挑んだ革新候補の伊波洋一氏は当時宜野湾市長でした。宜野湾市は普天間基地がある自治体です。

私は普天間基地が、もっともストレートに経済発展と基地撤去に結びつけることのできる希有な場所だと思っています。

というのは、この宜野湾市を除いて、よく本土のマスコミが勘違いしている「保守対革新」か、あるいは、「基地撤去か経済発展か」、という単純な図式は成立しないと私は思っているからです。

また、2006年の仲井真氏と糸数氏との知事選は、米軍基地を争点とした今どき珍しい保守対革新の一騎討ちとして全国の注目を集めました。

その選挙の集計結果と、米軍基地収入の自治体財政に占める割合、そして基地面積を一覧した表をご覧ください。(欄外資料参照 日経新聞那覇支局長 大久保潤氏による)

当時、普天間の辺野古移設容認を掲げていた仲井真氏の得票率が50%を超える市町村は以下です。

・国頭村・・・仲井真得票率70%  基地占有率23%
・伊江村・・・         68%         35%
・金部町・・・         65%         59%
・東村 ・・・          3%         42%  
・嘉手納町・・・       57%         83%
・名護市・・・         56%         11%
・恩納村・・・         55%         29%
・沖縄市・・・         54%         36%
・宜野湾市・・・       52%          33%

以上の得票率を見ると、基地現状維持派が5割を超えるのは、いずれも基地のある北部から中部にかけての自治体だと分かります。

逆に、基地撤去を掲げた糸数候補が勝利した基地依存度が高い自治体はふたつ、北谷町(ちゃたん)と読谷(よみたん)村に限られています。

そのうち読谷村は、糸数氏の地元であり、北谷のあるキャンプ瑞慶覧は縮小が決定していました。

一方、糸数氏が勝利した自治体は、南部の住宅地である西原町、豊見城(とみぐすく)市、南風原(はえばる)市などです。

いずれの自治体にも基地はありません。豊見城市に典型なように県外移住者も含めて人口が激増しており、企業進出も盛んで、経済成長が著しい地域です。

この選挙結果から見えるのは、北部から中部にかけて、「基地経済」に強く依存している地域ほど基地の現状維持を願っていることです。

「基地経済」とは、自治体への地代や、見返りとしての振興策など有形無形の基地に依存した経済のことですが、これに寄り掛かれば寄り掛かるほど自治体経済が安定するという結果になっています。

その意味で、北部から中部にかけての地域において、「基地は資産」であり、「経済か基地か」ではなく、「基地で経済を」が実情です

地域に基地がなく、基地公害と無縁な中部地域の南側及び南部地域は、沖縄の建て前である「反戦・反基地」という革新スローガンを受け入れやすい風土があります。

沖縄を本土の人が見る場合必ず誤るのは、イデオロギー対立で見てしまうことです。「保守対革新」、「基地経済か基地撤去」かと二項対立の中に入れて判断しがちです。

しかし、私は縄には、基地経済に依存している地域が、同じ基地が多い神奈川県などと較べても比べものにならないほど多いという厳然たる事実を知った上で、普天間移設に象徴される基地問題を考えるべきだと考えています。

経済発展を続ける南部とその周辺にとって基地は邪魔なだけであり、貧困と過疎から抜け出せないでいる中部・北部地域にとって基地経済は失うことのできない重要な経済手段なのです

その意味で、普天間問題は沖縄における南北問題でもあるのです。

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Photo_2              (日経新聞那覇支局長 大久保潤氏による)

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コメント

細かな分析をすればするほど、複雑さが出てきますね。
遠く離れた私は、基地をどうのこうの、移設か?撤去か?なんて軽いコメントはできません。
仮に住民投票をしても、半々か若干多数となった結論で決着しても、後々様々な問題や課題が出てくるのでしょうね。
難しいです。

領空侵犯、スクランブル発進は、微妙に、増加傾向ですね。

中国の地形を見る限り、北方の樺太基地からの侵犯より、中国空軍の日本の制空権の侵犯が、非常に多いですし。国際法上潜水艦は、深く沈んだまま、いわゆる公海であっても、艦橋と国旗は、オープンにして、日本の沖縄近辺の離島のうち、公海と認められる海域を横断すべきですが、その気はないので、潜ったまま、潜水艦の通れるルートを、海図に、起こしているようですね。

もう、戦闘機は、第4世代、第5世代にすべきですが、追いついていないようです。

本来国内で遊んでいる国土交通省管轄の空港ももっと利用すべきだし、農業用滑走路も、緊急事態に使えるように、航空法を改善してほしいものです。

本日、花巻空港から帰ってきましたが、ちょうど、風がやんだときに、名古屋小巻空港に着陸できて良かったです。着陸できなければ、花巻に帰るとのアナウンスでしたが、無事着陸でき、良かったです。責めて、静岡や羽田で降りてくれると新幹線で、帰ってくれるので、そういう空港に降りてほしいと願ってました。

現地は相変わらず、復興が止まっていて、海水を出して、沈下した1mくらいの土壌を、盛土くらいしてくれれば、いいのにと思ってました。神戸に比べて、復旧は相当遅れているように感じました。

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