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霞ヶ浦放射能汚染の実態その5 100万人が飲む取水ポイントまで放射能は2キロの地点まで迫っている

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霞ヶ浦の放射能汚染は事故が起きた去年よりも今年、そして今年よりも来年とひどくなっていきます。

これは3.11をピークとして徐々に減少する傾向にある平地の農地とは異なっています。

農地は、私たち農業者が実地で証明しているように、「耕す」ということにより、地表下5㎝までに溜まったセシウム層が砕かれて、土壌中の粘土に取り込まれていき、線量は減少の一途を辿ります。

実にめでたいことで、この「土の神様」のおかげで、私たち東日本の農業は救われました。

それに対して、変化しない地形もあります。それが森林地帯です。森林は去年の落ち葉層にセシウムが取り込まれたまま、分解して地表下に蓄積されていきます。

ですから、雨で山を下って水系に流れ込んだもの以外の大部分はそのまま森林内にあるままです。

そして、これがいちばんやっかいなのですが、周囲の流入河川から集めて「溜め込んで」線量が増加し続ける湖です。

これは一般と逆な経年で増加するという常識はずれのパターンを取りますから、喉元過ぎて気分的に落ち着きを取り戻した数年後に気がついてみたらとんでもない数値が出るということになります。

下図をご覧ください。(NPO法人アサザ基金作成による)

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これは茨城県内に降下したセシウム134・137の分布図に、霞ヶ浦に流入する56本の河川を赤線で示したものです。濃い青の部分が線量が高い地域で、次に薄い緑、茶色と続きます。

次にこの放射性セシウム分布図に、霞ヶ浦・北浦の上水の取水ポイントを重ねてみます。(同)

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赤い点が取水ポイントで、霞ヶ浦(西浦)には2カ所土浦入りという地点にあります。この地名でも分るように、土浦市市街地のすぐ外にあるわけです。

この取水ポイントからわず2㎞前後上流にある備前川小松橋で12年3月8日市民モニタリングで測定した値があります。この地点が上図に黒い星印でドットしてあります。

備前川小松橋付近セシウム値・・・・9550bq

衝撃的数値です。旧暫定規制値の土壌規制値である5000bqを軽々と2倍せんとする数値です。

私はこの数値を聞いた時に唖然としました。おそらく茨城県で測定された放射線数値の最大クラスではないでしょうか。

そしてあろうことか、このホットスポットが、霞ヶ浦100万人上水道の取水ボイントの上流2キロ弱の地点に存在していることをです。上図の黄色エリアの広さをご確認ください。

これまで何度か書いてきたように湖内の線量は、わずか1年間で一桁はね上がりました。一番顕著なのは霞ヶ浦釜谷沖で、2011年環境省モニタリング時130bqが2012年モニタリング時には1000bqに急上昇しています。

つまり、河川からの放射性物質の流入が増加し続けていることを示しています。

●*環境省・霞ヶ浦に流入する河川の底泥の汚染調査データ
     場所     2011.09~011.10セシウム合計    2012.02セシウム合計
     西浦湖心            221Bq           900Bq
     北浦釜谷沖         130Bq         1000Bq
     玉造沖              330Bq          1300Bq
     外浪逆浦            184Bq            91Bq

この間の内水面研究者の研究によれば、事故から2年目、(来年2013年)にピークを迎えると予測されています。

その場合、どんな汚染分布になるのか、汚染の度合いを示す化学的酸素要求量(COD)の分布図で予測してみましょう。(同)

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赤い場所が汚染濃度が高い所ですが、見事に取水ポイントに重なってしまっています。

まぁ、わが茨城県はよりにもよって、こんな一番汚い場所から汲まなくてもいいのにと思いますね。そのために土浦市のジアソー消毒濃度は全国でも高い部類に属しています。

それはさておき、CODが溜まりやすい地点というのは、同時に放射性物質が溜まりやすい地点であるわけで、おそらく来年に向けて上図のような放射能汚染の拡大がみられると思われます。

つまりは、土浦市、つくば市などの100万人がそこから水を飲んでいる取水ポイントまで危機は2キロを切ったということになります。

国は、湖の所管の国交省が言うように「放射性物質は法で定める汚染物質に該当しない」(!)などとウルトラバカ官僚なことを言っていないで、直ちに対策を打つべきです。

■「SAVE霞ヶ浦!霞ヶ浦を放射能汚染から救え」http://www.kasumigaura.net/asaza/03activity/01lake/save/index.html

■関連記事
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■写真 あじさいの季節です。私の大好きな花です。実に多種多彩。

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

放射性物質は法で定める汚染物質に該当しない>>>

このことも含め、ごみ焼却灰の管理型最終処分場では、公害防止法や条例等も含め、処分場から、調整池を経由して、そこの谷の水系へ、雨水は、排水投棄されるのですが、環境省の法令上、排出直前に、指定毒劇物でない限り、排泄は自由。決められたPH、BOD、CODなどをクリアーするように、排水処理場を通過したものは、自由排水と言うルールですから、上水道処理施設で、塩素消毒したら、毒物ができるような薬品は、当然、ノーチェックですし、重金属も放射性物質も、法的には、測定しなくても良いために、仮に、セシウムが、管理型最終処分場の排水に含まれていて、下流の水系の灌漑用水に、流れても、法律違反ではないと言う点では、都市部で、震災ガレキを燃やしたくないと言う反対運動が起きるのは、ある意味、やむを得ない社会現象であるように思えます。

つまり、原発事故以降、霞ヶ関のどの省庁も、現行法で、規制されてないものは、無視しても良い?と言う官僚体質の反省が全くないのです。

本来、霞ヶ関から、国会に、放射性物質の拡散防止と、回収処理について、法案を国会に示すべきなのに、全く、そういう庶民の命に関することより、自分達が、楽が出来る、消費増税とか、そういうことにしか、関心がないのです。
国の一般会計の支出順位は、公務員の給与が1番であり、復興復旧や放射性物質汚染対策など、事業予算は、国家公務員給与を支払い後、余った収入で、予算化するというように、法的に順番が決められていますので、農家さんも一般国民消費者も、黙って、汚染状態を甘受しなさいということのようですね。

次亜鉛素酸ナトリウムは、食品に使っても、大丈夫?だから、構わないというのが、日本国の法解釈レベルなんでしょうね。海外先進国では、出来ることなら、消毒剤を使わない形で安全に提供したいと言う自然な発想なんですが、
(海外のペットボトルの水は、消毒加工していないで、販売されるものが多いですね。国内では、厚生労働省の飲用水基準により、消毒するのが、一般的に思えますが)

このままで行けば、新たな塩素化合物毒物が、水道水に混入する可能性は、高いのでしょうね。
愛知も、長良川河口堰を作ってからは、消毒レベルが上がり、塩素臭い上水道になりました。以前の木曽川水系の上水より、塩素臭いです。

投稿: りぼん。 | 2012年6月30日 (土) 12時06分

昨夜クルマで走りながら、山形・福島で活動するNPOの話が流れていました。
まずは汚染された稲藁を焼却・減少させるもので、放射性物質が減るわけではなく濃縮された灰の最終処分の問題は残りますが。
次は福島県での森林という広大な腐葉土に挑むそうです。


りぼん。さんもご指摘のように、元々水源による処理次第(と水道管)による水の美味さは違います。
私の住む町でも、線路を挟んで蔵王山系の水と、最上川系の水では味がハッキリ違います。
やはり山に近い小水量域のほうが基本的に美味しい水のようです。
私が経験した中では、母方の実家の山水と、三陸山田町の水こそが最高でした。

最近では大都市でも金町を初め「高度浄水」を行って美味い水を供給してますが、だからこそ、すべてを汚してしまう放射能汚染は許し難く、複雑な思いです。

投稿: 山形 | 2012年6月30日 (土) 15時01分

大変危険です。茨城県選出の議員に皆で申し入れましょう。彼らもたまには選挙区に戻るはずですから、危機感は持つでしょう。

投稿: 木戸 | 2013年1月13日 (日) 23時39分

茨城県の放射能汚染は掲載された文の通りだと思います。県知事、該当市町村に情報を広く公開するようにしなければなりません。ことは生死に関わることです。茨城、福島、宮城、山形、千葉等、関東6県及び東北6県、北海道、この地にすむ約6000万人に危機がせまっているです。とくに年少者には注意を呼びかけなくてはなりません。平均寿命が40歳になる危険がある。と思われます。ただせさえ、人口減少(15年後9000万人、30年後6500万人)に遭遇するわが国にあって、国家消滅の危機が訪れる日が迫るであろうと思われます。福島県民の強制移動、放射能検査の徹底が望まれます。

投稿: きむらm | 2013年3月10日 (日) 13時11分

きむらmさん。

福島から強制移住とか、いったい何を言っているやら。今や中通りには続々と帰還が始まって、山形県内への避難者がようやく1万人を切ったところです。

また東北6県や山形県とか、何を根拠に?
すでに2年経ちましたが、貴方のような思考こそが差別の温床であることに気付いて欲しいですね。
せめて法的根拠くらいは示してもらわないと。

貴方がどちらに在住かは知りませんし興味もありませんが、東京はいいんですか(笑)

少しはホットスポットや放射能プルームと降雨の関係、地形や時間的経過くらいは勉強なさって下さい。
あなたはあまりにも幼稚すぎますよ。

投稿: 山形 | 2013年3月11日 (月) 08時01分

土浦市が公に公表している資料です。

http://www.city.tsuchiura.lg.jp/cms/data/doc/1363235053_doc_18_0.pdf

この資料よっても、霞ヶ浦に大量の汚染土が流入している事が証明されています。
しかし、霞ヶ浦に汚染物質が流入しているにもかかわらず、霞ヶ浦の線量が低下すると言う矛盾したDATAも存在します。

ある程度理屈がわかる人間からすると、ねつ造を疑うわけですが、
ねつ造でないと言う事なら、以下の2つの可能性が考えられます。

1.汚染度は利根川に流入し、利根川及び銚子沿岸の汚染が進んでいる

2.汚染物質が上水道に流入し、住民の体内に取り込まれた

さて、住民のあなたなら、どの結果を期待しますか?

投稿: 嗚呼 | 2013年5月28日 (火) 06時46分

いくつか理由は考えられます。
消去法で考えてみます。
利根川水系への移動にはもうしばらくかかるでしょう。利根川水系には湖を縦断して逆水門からでねばなりません。汚染物質の移動距離は年に3キロですから、もう出たということはちょっと考えにくい。

飲料水に出るというのはありえないことではありませんが、とりあえず行政データでは検出されていません。ただし、私は取水地点が湖岸に近いので危惧してはいます。

いちばん有力なのは、湖底の泥にトラップされた可能性です。泥は有力なセシウム・トラップ材ですから、いったん湖底に沈降してヘドロに捕獲されたのかもしれません。

あとは湖岸の植生帯でしょうか。植物は放射性物質を九州します。

今、長期的的観測体制を地元大学がしていますので、追々分かってくると思います。

投稿: 管理人 | 2013年5月28日 (火) 07時07分

始めまして、

僕も、霞ヶ浦に入る河川の最終出口に、放射線をトラップする深い堀溝を、建設機械のユンボなので、集中的に掘ったらどうでしょうか?

基本的には、放射性物質は、流れる水による移動ではなく、土、砂、泥水によって、霞ヶ浦まで移動すると言う事ですよね。

直前に、堀溝を入れるだけでしたら、経費はかなり安く済むと思います。

そして、
掘った堀溝に、ゼオライトなどの吸着材料と入れ、半年毎に、泥と砂と一緒に、掘り出し交換してはいかがでしょうか?


霞ヶ浦とつながっている川は、川幅が、細い川ばかりなので、
川の泥を掘る事が、容易で、有効と思います。

投稿: ジュン | 2013年5月29日 (水) 05時23分

水源に、放射性セシウムが流入し続けているのは、あまりいい気分でないのは確かでしょう。しかし、

1.流入するセシウムのほとんどは懸濁質に結合していて、浄水場で効果的に取り除くことが出来ます。水道原水への底泥の混入は、恐れる必要はありません。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001eaf3-att/2r9852000001eaor.pdf

2.事故直後の汚染 http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/seiei/suido/04moni/04moni.html のようなことが、再度起きることは考えられません。

3.浄水場発生土の放射能濃度は低下しています。
2011/9/7 http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20110907_01/index.html
2011/11/2 http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20111102_01/index.html
2011/11/27 http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20111227_01/index.html

何となく不安になるのはわかりますが、冷静に状況を見るべきかと思います。

投稿: コンタン | 2013年5月30日 (木) 19時14分

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