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2012年6月 5日 (火)

中・大型魚は放射性物質の蓄積・濃縮まで1年弱かかる  事故後すぐに出ないからといって安心してはならない

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放射能汚染と一言で言っても、その場所、その時間で違います。私はとりえあえず4ツのカテゴリーに分けてみました。お断りしますが、あくまで私流です。

➊カテゴリー1[山林固着型]      ・・・山林の落ち葉層に蓄積されて固定化された
❷カデゴリー2[平地・畑・漸減]    ・・・平地の農地・水田などの耕耘で減少していく
❸カテゴリー3[平地・未耕起・固着] ・・・平地で耕さない畑や耕作放棄地で固定された
➍カデゴリー4[湖底・沿岸海底・漸増タイプ]・・・湖や沿岸の底に蓄積されて増加する

これは時間の経過でみると、原発事故当座はカテゴリー1、2、3、そして4の沿岸小魚で大きな検出値を出しました。しかし、農地は耕耘することにより、土の遮蔽する力を使って急速に線量は減少しました。

わが茨城県南部では、去年3月に100から多いところで500ベクレル/㎏あった線量が、数回の耕耘とゼオライトを投入した去年暮れの時点で、一気に10から50ベクレルていどにまで減少しました。

福島、茨城両県の農産物の急速な線量低下はそのためです。

一方、より汚染が深刻なのは山林、原野、沿岸、湖です。これらは耕耘することが出来ないために、今もなお去年並の線量を維持しており、湖底、沿岸海底などではいっそう増加する傾向にあります。

したがって、漁業は1年たって内水面(湖)、沿岸を問わず、いっそう深刻な事態になったといえます。ただ救いは、外洋漁業は汚染の拡散により影響は軽微でした。

現在の茨城県の魚介類の検出状況は、下図です。
茨城県漁政課・茨城県産水産物の放射性物質検査結果(平成24年5月30日公表分まで)
http://www.pref.ibaraki.jp/nourin/gyosei/gyoseika.htm

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これを見る限り、放射能汚染は去年のような食物連鎖下位の餌となる小魚のカタクチイワシ、シラスから、一年たってより上位で捕食魚のスズキ、アイナメ、チダイと、海底に棲む底魚のヒラメなどに移ったようです。

これはチェルノブイリ原発事故の後にも見られています。(下図参照 勝川俊雄「日本の魚は大丈夫か」による)

Photo

上図は、1986年4月26日のチェルノブイリ事故以後のキエフの湖で経年でセシウム値を計ったもので、上段が餌となる小魚、下段が捕食魚です。

グラフ左から2番目の1986年の値を見ると、小魚は事故後すぐに1000bq直前まで跳ね上がったのに対して、より大型の捕食魚は30bqていどの低い検出値でした。

しかし事故後の87年になると様相は一変します。餌になる小魚が680bqていどにやや下がったのに対して、捕食魚は1600bqを超えた高い数値を記録します。(上段と下段の縦軸の目盛りが異なるのでご注意)

これで分るのは、餌となる小魚は事故直後に強い影響を受け、一方捕食魚の中・大型魚は蓄積・濃縮まで約1年かかることです。

もうひとつデータを見てみましょう。今日はグラフが多いのですいません。これは、チェルノブイリ事故後の日本海の魚類の汚染の経年変化のデータです。(同)Photo_2

当時の日本海の汚染度は低いのですが、それでも表層海層の汚染のピークは事故後わずか1か月でありるに対して、スズキは半年後、マダラは9か月後でした。もっとも数値的には魚類はいずれも0.3bqと低い値です。

このように、中・大型漁は蓄積まで半年から1年弱かかるのであり、事故後にすぐにこれらから検出されなかったと言って安心はできないということです。

今回もまた同様の推移を辿っています。次回はもうひとつ心配な海底付近に棲むカレイ、ヒラメなどの底魚をみます。

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コメント

ETV特集でやっていた、海底の泥やゴカイ類へのセシウム沈着とも合致しますね。

漁業関係者にはお見舞い申し上げます。残念ながらしばらく時間がかかりそうです。

別の見方をすれば、最近の世界的需要増加でツナ缶用のカツオやキハダマグロが高騰してますから、少し落ち着くのでは?というほのかな期待もあります。

一方で、昨年八丈島沖で捕ったカツオを焼津等に行かず、復興支援としていわきに水揚げしたら、キロ100円にしかならないという悲しい現実もあります。
これは見てて辛かった…。
数は少ないながら、現在もいわき平漁港への水揚げは続いています。
関係者の皆様、挫けずに頑張って下さい!
もちろん測定(必然的にサンプル測定になります)は必要ですし、これから万一には廃棄せざるをえないことでしょうが、漁業の火を消さないために。

私は流通する限りは食べて応援します。
最近はほぼ毎日、三陸沖カツオや千葉沖イナダやワラサなどを食べています。
あとは三陸ワカメの本格復興と、壊滅した三陸町(現大船渡市)綾里の加工場の製品で愛用していた美味しいメカブのパック(タレ別添の)をいつまでも待ってます。

とりあえず、一言だけ補足させてください。

「大型魚では、事故後すぐに出ない」と言うときの
「すぐ」というのは、1~2週間とか、せいぜい1ヶ月くらいの期間です。

昨年5月には、ヒラメもスズキも、すでに汚染が高くなっています。
(ピークまでは半年~1年くらいかかっています。)

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