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大山鳴動、結局再稼働に・・・

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結局、再稼働されそうな感じですね。首相の珍しくも明解な再稼働発言と、橋下市長の完敗宣言で勝負あったというところでしょうか。

しかも夏期限定再稼働ではなく、恒常的再稼働のようです。

どうやら飯田哲也氏の「足りています」というのは机上の数字だったようで、「電力需要ピーク時に節電すれば乗り切れる」といった規模ではなく、関西圏のかなり広範な範囲で節電をしなければならなくなったというのが実態のようです。

電力会社で作る関西広域連合は全国にまで節電してもらい、その分まで回してくれと言いはじめたのが5月中旬ですから、その時点でかなり深刻な状況だったのかもしれません。(資料1、2参照)

橋下市長はかなり安易にこの夏を乗り切れると考えていたようです。飯田氏を特別顧問職でブレーンに入れている以上、彼の考えがダイレクトに影響していると考えたほうがいいようです。

それは、大阪圏の不足分は全国の人が負担しろ、一緒に節電しろという相当に安直な方針だったようです。はっきり言って、去年も計画停電をイヤというほど味わった東日本の人間には迷惑な発想です。(資料3)

きれいごとのスローガン政治を嫌って、政策実現のプロセスを明解にすると言っていた橋下氏とは思えない滑った方針でした。地元財界が、この方針に警戒感を示したのはあたりまえといえばあたりまえです。(資料4)

飯田氏は揚水発電を隠し球と見て、盛んにマスコミに露出するたびに揚水発電を稼働すれば一挙に電力不足解消と言っていた気がしますが、どうも実態はそうではなかったようです。

飯田氏は東電だけで1050万kW分も隠匿していると言っていたのですが、実際は揚水発電に要する夜間や早朝の電力すら不足していたようです。(飯田哲也「原発がなくても電力は足りる」)

それを指摘されると彼は、ならば早朝、夜間も節電しろと言い出したようで、このあたりになるとさすがに彼を招請した橋下市長も怪しいと思い出したのではないでしょうか。(資料5)

復興の途上にある東日本も含めた全国から電気をかき集め、それでも足りず、「早朝、夜間まで徹底節電だぁ」、となると、行政の長としては常軌を逸していると思われても致し方ないでしょう。

このような橋下氏が再稼働のキャスティングボードを握ってしまったために、関西圏の企業は一斉に逃避を真剣に考慮し始めました。

橋下氏と同意見であった嘉田由紀子知事のいる滋賀県などでは、大津市の東洋紡が関西圏から北陸や中部に移す考えを発表し、日ハムも関東に移転する考えを示し、ダイキンなども追随する可能性がでてきました。(資料6)

実際に、大震災時には東北や東関東の企業はサプライチェーンに穴があくことを恐れて、関西や中国地方に拠点工場をシフトした企業が続出しました。

いったん企業拠点がシフトされてしまうと、子会社、孫受けまで含めてという傘下企業丸ごとになるために地域経済にあたえる影響は計り知れないものになります。

再稼働方針に至るまでの政府の意思決定がめちゃくちゃであったのはいうまでもないことです。恥知らずと言われてもしかたがない所業でした。

ただしそのことと、現時点で再稼働を全面否定することによるデメリットを秤にかけて軽重を検分してみる作業もまた必要なことだったのではないでしょうか。

脱原発は唱えるだけではやってきません。リアルに原発をたたむことを考えるならば、考えるべきことは山ほどあるはずです。

その意味で、この再稼働騒動はいい薬になったと思います。世界第3位の工業国のエネルギーーシフト問題を一時の熱で進めるべきではありません。

去年の熱い夏を知っている「被曝地」の人間だからこそかえってそう思います。

        ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 関西広域連合、全国に電力融通要請へ 松井知事提案方針
産経新聞 5月12日

関西電力が、今夏の管内の電力供給について、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働しない場合、供給不足になるとの見通しを示していることについて、大阪府の松井一郎知事は12日、関西広域連合として電力量に余裕のある地域の電力会社に電力融通を要請する方針を明らかにした。同連合を構成する府県の首長らが参加する19日の会合で提案する。

 松井知事は、この日大阪府庁で開かれた連合議会の総務常任委員会に広域産業振興担当として出席。今夏の電力需給などを連合議員に説明するため、関電の香川次朗副社長も出席し、改めてピーク時の供給見通しの厳しさを強調した。

 松井知事は常任委員会終了後、記者団に「日本全国では、電力が余る地域があり、その分をぜひ関西に融通してもらいたい。さらに府県民の節電があれば、100万や200万キロワットぐらいは足せるので、需要を上回る供給体制ができる」と、他の電力会社に協力を求める意向を示した。 また松井知事は「自家発電の電力を送ってもらえないかなど、あらゆる設計図作りを広域連合で考えていきたい」とも述べた。

■資料2

政府は12日、関西電力管内での夏の電力不足に対応するため、中部、北陸、中国、四国の西日本4電力に対し5%程度の節電目標を設定し、余剰分で関電への融通を拡大するよう求める方向で検討に入った。関電管内では、10数〜20%程度の節電を要請する方向だ。

 政府の需給検証委員会(委員長・石田勝之内閣府副大臣)が同日、関電管内で今夏14.9%の電力不足が生じるとした報告書をまとめた。これを踏まえ、政府は来週にも「エネルギー・環境会議」を開き、節電の具体的な数値目標や電力使用制限令など強制措置発動の是非について議論する。 

[時事通信社]

■資料3 

大阪市の橋下徹市長は14日、関西電力への他の電力会社からの電力融通に関して「日本全体の電力供給体制、エネルギー政策を転換する第一歩を踏み出すためにも、関西以外の皆さんにご協力いただきたい」と語り、電力不足が懸念される関西への他地域からの融通に期待感を示した。同市内で記者団の質問に答えた。

 橋下市長は「データを出せとか言い合う時期はそろそろ終息させないといけない」と述べ、6月中旬には具体的な電力不足対策をそろえるべきだと強調。電力使用制限令の発動についても「厳しい状況になるかも分からないが、次世代のために、どういうものか経験することも必要かなと思う」と指摘した。(2012/05/14-20:07)

■資料4

関西経済連合会の16日の定例記者会見で、森詳介会長(関西電力会長)は「関電大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働なしでは(電力需給は)大変厳しい」と述べた。

 夏に電力需給が

するのを見越し、「安全が確立できた原発はすべてできるだけ早く再稼働させてほしい」と強く求めた。

 夏場の電力不足に関して関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長は、計画停電は避けられるとの見通しを示す一方で、「計画停電もあり得ると腹を決めれば、電力供給体制を変えられる」との考えも表明している。

 これに対して松下正幸副会長(パナソニック副会長)が「昨年並みの節電でも困ると言っているのに、計画停電なんてとんでもない。軽々に計画停電と言うべきではない」と強く批判した。

(2012年4月17日09時51分 読売新聞)

■資料6 神戸新聞

昨夏以上の節電要請や電力使用制限令を出す可能性が浮上し、兵庫県内をはじめ関西の企業は、事業活動の維持と従業員の体調管理に頭を悩ませている。製造業の海外シフトが加速する恐れなどから、原発の早期再稼働を求める声も経営者の間で高まっている。

 「安全を再確認した原発を再稼働していかないと、製造業は生産拠点を海外に移さざるを得なくなる」。エアコン大手ダイキン工業の井上礼之会長は10日、大阪市内で開いた決算発表会見の席上で危機感を強調した。

 化学メーカーのケミプロ化成(神戸市中央区)は、相生市にある工場の一部を7月から9カ月間休止し、従業員16人を配置転換することにした。自動車用の塗料などに使われる主力製品の「紫外線吸収剤」は製造に約2週間かかり、片木茂行社長は「電力需給に応じて稼働を調整できない。先進国向けの販売がなかなか上向かず、止めた方がましだ」と話した。

 貨幣処理機大手メーカーのグローリー(姫路市)は本社工場で自家発電設備を準備中で、燃料費や防音工事なども含め数千万円かかる見込み。尾上広和社長は「昨夏は勤務時間を夜間に移したが、従業員の健康などを考えると、一層の無理はさせられない」と困り顔。

 金属部品加工のトーカロ(神戸市東灘区)は昨年、千葉県内の工場が計画停電の対象となり、生産の一部を兵庫県内に振り替えた。町垣和夫社長は「この夏、あれ以上の対応を求められるときつい」と悲鳴を上げる。

 市民生活に大きい影響を与える鉄道の間引き運転も焦点。現時点で実施を決めている関西の鉄道会社はないが、南海電気鉄道などは「準備はしており、要請があれば実施に向け取り組んでいく」(広報担当)という。一方、山陽電気鉄道(神戸市長田区)は「普通電車は1時間に4本で、1本でも減らせば利用客への影響が大きい。電力会社から正式な要請がないと決められない」(総務本部)としている。

 神戸市営地下鉄では昨夏、駅構内の一部消灯や車内の冷房温度の設定引き上げ、券売機やエスカレーターの一部停止などを実施した。同市交通局は「最低でも、昨年並みの対策はしないといけない」とし、昨年は実施しなかった間引き運転も含め、関電の要請を受けて具体策を考えるという。

(2012/05/11 08)

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コメント

それでも日本人は原発再稼働を選んだ。


一億総懺悔への道、この道はいつか来た道。


安らかに眠って下さい、過ちは繰り返しますから、、、、


http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

投稿: noga | 2012年6月10日 (日) 11時58分

橋本徹、元気は良いし、分かりやすく敵を作り上げて攻撃する手法も共感を呼ぶのだろうが…あれでは浅すぎるという現実にようやく気が付いたか。
といっても、私は「ハシズムを許すな」などという香〇リカ他の単純極まりないカウンターパートに与する気はさらさらありませんが…。

投稿: 山形 | 2012年6月10日 (日) 12時05分

nogaさん、
何が言いたいのか、まるでわかりませんね。
現実を見極めず他人のブログを貼り付けるだけですか?問題外です。

また、「現実派」と名乗る自ら馬鹿の壁に閉じ籠って偉そうなこと上から述べてる方もいらっしゃいましたが、なら実際に「現実世界」で避難者のみなさんの前で、是非同じことを言ってみなさい。
あまりにも馬鹿馬鹿しい。
スルーしようかと思ってましたが、とても「心」がある人間の言動とは思えませんね。
それとも、自分の現実が知られると何か困るのでしょうか?

だから、ネットやテレビのデータや、恐怖感で取り付かれたようにコメントなさる方は、福島沿岸部とは言いませんが、宮城や岩手に一度行って自分の眼で「現実」を見てきなさい!

好きなだけポケットカウンターでも持って行ってリポートして下さいな。

そこには被災した住民の生活があり、人々は必死で生きています。
広大な仙台平野は、まだまだ回復の兆しは無く、大量の瓦礫の山と
、地盤沈下で冠水した田畑ですよ。

高台のグラウンドに並んだ巨大な仮設住宅なんて、写メ撮るのも憚られますよ。

放射線がそれほど怖くないと宣言されているとのことですので、まあ2~3日でいいでしょう。

あなたと違って、連日ボランティアを行ったり、レポートをしている方が沢山いるのですが、貴方はただのネット世界の壁の向こうの存在です。
「現実派」などという実質匿名での無責任な書き込み荒らしはいい加減にしなさい!
私達こそ、現実世界で生きて、被災地を直接見ているのですから。

投稿: 山形 | 2012年6月10日 (日) 12時54分

大飯原発再稼働には、原発輸出ということも関係しているのかも・・・。危険と自ら認めるものは輸出できない。→大変な損害

投稿: しゅん | 2012年6月15日 (金) 15時13分

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