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2012年6月13日 (水)

米韓FTA ISD条項で初訴訟か 

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米韓FTAは、TPPの近未来ですが、ひとつ大きな動きがありました。とうとう「あの」悪名高きISD条項が使われそうです。もちろん米国企業が、です。

ISD条項(「国家・投資家間における訴訟制度」)とは、FTAやTPPなどの自由貿易協定に忍び込ませた毒素の名です。

ある米国企業が相手国の市場に参入して不利益を被ったと考えた場合、世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」と称する所に駆け込むことができます。

なんとなく中立ぽい名前ですが、これが国際司法裁判所のようなもんだ、と思ったら大間違い。

違うのです。上部組織の世銀総裁は代々米国の指定席で、米巨大企業の社長がなると決まっていますから、その紛争解決センターとやらもなんのことはない、ただの米企業の守護神でしかありません。

参入外国企業が思ったような利益を上げられないなどと思ったら最後、当事国は覚悟せねばなりません。

なにを?あの国民3人に1人が弁護士という(ウソ)米国の風土病である訴訟をです。しかもFTAとなると、国がらみですから大変。

さて今回は、米国のローンスターというテキサス州ダラスに本拠地を置く人間のクズのハゲタカ集団、失礼、投資ファンド会社が主人公です。

彼ら投資ファンド会社は、韓国がIMF管理に陥った窮状を利用して巨額の利益を貪りました。

やり口は、ガタガタになった韓国企業をこれ以上ないほど安く買い叩いて入手します。そしてメチャクチャにリストラをしまくって従業員を大量解雇し、不採算部門を叩き売り、とにもかくにもいちおうの黒字会社に仕立て上げます。

そして買った価格の何倍もの高値で売却して、がっぽり儲けるという手口です。

2003年、ローンスターは破綻寸前の状況に陥っていた韓国のKEB(韓国外換銀行)を買収し、嵐のようなリストラを行って経営を黒字化しました。ここまでは筋書きどおりです。

そして、2006年にKEBを売却して、実に4兆6千億ウォン(約3000億円)という巨額の儲けに手がかかった瞬間、韓国の司直がストップをかけて売却を認めませんでした。

あまりにひどい米国のハゲタカぶりに、韓国政府も堪忍袋の緒が切れたのでしょう。

容疑は、不当な安値でのKEB買収、脱税、外貨密輸などです。そして徹底した捜査に入り、結局売却できたのは12年2月になってからでした。

その間にお気の毒にも、KEBの株価は下落していましたから、ローンスターが怒るまいことか。

彼らは、OINK(Only In Korea)という造語まで作って大騒ぎを演じました。このOINKには豚の鳴き声の意味もあるそうですから、韓国はブタだと言いたいわけですね。やれやれ、なんて下品な。

怒り狂ったローンスターは、12年5月にベルギーの韓国大使館に協議要請状を叩きつけます。

訴え内容は、「韓国政府の恣意的で差別的な措置」だそうで、不当な課税により損害を被ったとしています。

ここでなぜベルギーが舞台になったかが面白いのですが、まず、KEBを買収したのがローンスターのベルギー法人だったというのが一番目の理由。

そして二番目に、韓国が2011年3月にベルギー・韓国投資協定を結んでいるのを利用したのです。

これはおそらく米韓FTAが発効したのが今年の3月15日のために、発効前のこの事案をごり押しするためにベルギーとの投資協定の中のISD条項を利用したのではないかと見られています。

いずれにせよ、ローンスターは6カ月間の韓国政府との協議期間を経て、紛争解決センターへの提訴に踏み切るのは確実です。

韓国政府は、ローンスターのベルギー法人がペーパーカンパニーだということを突き止め、条約発効前の損害請求などは認められないとハネつけていますから、果たして調停はどうなりますか。

3月に締結してわずか3か月、もう始まったのかというところです。韓国政府は、この事件を受けて、ISD条項に対して再協議を米国に求めました。

ただ遅いんですよね、締結してからでは。わが国もTPP交渉参加前に叩き潰しましょう。

今日の標語。気をつけよう、グローバリズムと夜の道。

■関連過去ログ カテゴリーTPPに多数あります。
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-1d4c.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-2230.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-4285.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-5770.html

資料 韓国KBS映像
http://www.youtube.com/watch?v=Zxs1fEQ0wBc

資料

東亜日報

韓国政府が韓米自由貿易協定(FTA)の批准過程で議論になった投資家対国家間の紛争解決条項 (ISD)に関連し、今年4月、米政府が発表した両者投資協定(BIT)の改正案を根拠に、米政府に改正 を要求することを決定した。

現行単審制のISDに抗訴の手続きを追加し、透明性強化のための両国間 協議会を設置して、周期的に開催する案などが主な内容となっている。政府は下半期にこのような内容で、
李明博(イ・ミョンバク)大統領が昨年11月国会で約束した韓米FTAのISD再交渉推進に入る方針だ。

政府当局者は6日、「米政府が今年4月に発表したBIT改正モデルの条項の中で、韓米FTAに適用可能な 内容を検討している」とし、「透明性強化や多者間抗訴手続きの設定などがBIT改正モデルの代表的な内容 だが、米国自らが改善した部分であるだけに、我々が要求する上で大きな無理はないだろう」と話した。

これに先立って米貿易代表部(USTR)と国務省は、4月20日、今後米国が他の国と締結するBITおよびFTAのモデルになる「米BIT2012モデル(US 2012 Model BIT)」を発表した。04年、ブッシュ政権が作った モデルをオバマ政権が8年ぶりに見直したもので、透明性の向上や一般人の参加拡大、国営企業に対する強化などの内容が盛り込まれている。このモデルには、△ISD関連当事国間の透明性強化のための 協議会の周期的な開催、△新しい規定を作る時に公開および説明の義務付け、△現行単審制のISDに 抗訴手続きの追加検討などが含まれる。

米政府が改正したBITモデルは、韓米FTAなど、既に締結された協定には遡及適用されない。しかし、 「米BIT2012モデル」は米国自らがISDの問題点を探して見直したものであるだけに、これをガイドラインに してISD再交渉を求めた場合、米国としては受け入れられない名分がないというのが韓国政府の考えだ。
しかし、米国側が韓米FTAの改正に消極的な姿勢を取っているため、韓国の考えどおり再交渉が行われるか どうかは未知数だ。

一方、韓米両国は7、8日、米ワシントンで韓米FTAの円滑な履行のため、両国間商品貿易委員会、 貿易救済委員、サービス・投資委員会や中小企業作業班会議を開催する。ISD関連部分はサービス・投資委員会で話し合われる予定だ。韓米FTA発効後、ISDと関連して両国間で公式の議論が行われるのは 今回が初めてだ。

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コメント

なんともまあ、もうラチェット条項発動ですか…。

TPP参加にひた走る日本の不安定な政権や財界は、しっかり直視して欲しいですね。
始まってしまったら遅いのですから。
郡司農水相頑張って下さい。

連投失礼!

ラチェット条項ではなくISDでした。
私の不勉強です。

管理人様も指摘してきた危惧が現実になってきましたね。
現時点では「お隣」の国の事ですが、現政権が突き進む先には、「明日は我が身」がある事を、国民全員が認識する必要があると思います。

先行してFTA締結した隣国があった事は我が国にとって、様々に検証する事が可能となる結果となりました。

日韓FTAの現実を、農業者全体で、勉強して、一方的な、国際条約で、不利にならず、良い意味で、島国日本を守ってきた、相手国の言われる非関税障壁も、日本の国情で必要であれば、本来は、残していただきたいですね。

今は、農林大臣や副大臣が、職権で、自己の営利目的で、中国に、農産物のテスト輸出と言う建前で、議員個人の私腹を肥やすことを、したらしい?
との、国会での追及があるようですが、良い意味での、農産物の輸出は、良いと思いますが。。

農林大臣は、誰になっても、何かどこかで、利権がらみのことをやってるように思えてしまいますね。

TPP、やるなら、日本の国益になるように、お願いしたいですね。

IDS条項にはオーストラリアも反対してます。 国会でもかなり警戒感が広がってます。甘利大臣が机を叩いて向こうと言いあいなんと42時間夜中までかかって…温厚な?あの方が怒ってました。フロマンのおっさんはアメリカ車が売れないのは小型車の税金が安いからだと超屁理屈… 日本は国土が狭いから小型車なの!と言い返しアメリカは押し付けばかりで話し合いじゃない!!と大臣も荒れまくりです。日本はあれもこれもダメダメやんか~なんか子供じみてますね。アメリカの言いぶん。

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