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2012年7月30日 (月)

米国で観測史上2位の干ばつ すべての穀物や原油市場に影響が出るだろう

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米国が深刻な干ばつに陥っています。観測史上2番目だそうです。豪州は今や干ばつの常連さんで、米国までこれに追随しようとしています。

米全土を襲っている干ばつがこの1週間でさらに悪化している。19日の統計によると、米国土の約64%に干ばつが広がり、観測史上最悪を記録した1934年に次いで2番目の規模となった。この影響でミシシッピ川の水位も低下し、過去最低に迫っている。」
(CNN7月20日 資料1参照)

当然、世界に影響が出るでしょう。既にトウモロコシの先物取引は天井知らずの状態になっており、大豆の8月物は連日最高値を更新しています。トウモロコシも9月物が19日に1年1か月ぶりに更新しました。(産経新聞7月23日による)

ご承知のように、大豆やトウモロコシなどは投機の対象とされ、天候次第、雨の降り方ひとつで収穫予想が変化し、それに応じて先物価格が上下します。

工業製品は価格が安定していますが、自然によって収量が増えたり減ったりする農産物は、ある意味もっともギャンブル性が高いバクチなのです。

このように人の命を育む食糧が「国際金融商品」としてバクチの対象になっていることが、世界の現状です。

既に投機筋のホットマネーは巨額な流入を続けており、一時的にではあれ狂乱水準になる可能性があります。

テレビは例によってマヨネーズが上がってマヨラーが困るというしゃもないことを報じていましたが、真の影響は養豚、養鶏などの畜産の基幹に影響を与えることです。

穀物相場は四半期ごとにリスクヘッジされていますので、現在は前四半期の価格で供給されていますが、次四半期はどのようになるのか、全国の畜産家は私も含めて気が気ではありません。

ただし、ロイターは影響は一時的ではないかという観測も出していますので参考になさって下さい。(資料2参照)

また、原油野需給にも影響が出る可能性があります。下図をご覧ください。原油相場と黄色線のトウモロコシの相場に着目してください。完全にパラレルになっていますね。これが穀物相場の基調をなす原油-トウモロコシ相場曲線です

このようにトウモロコシと原油価格がパラレルに動くのは、米国がガソリンにバイエタを一定割合混合することを法的に定めているからで、バイエタの主原料であるトウモロコシが減産すると、石油相場にも影響が出ると思われます。

米国農家はトウモロコシ、大豆、綿花、小麦、コメなどを単作しているわけではなく、相場を見ながら生産スイッチしているために、他の穀物すべての相場が連動して高騰するかもしれません。

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            表は九州大学大学院農学研究院伊東正一教授による

そしてさらに、トウモロコシを餌とする畜産価格や加工品にまで波及し、食糧を外国に頼る貧困国にまで食料危機をもたらします。

さて、米農業がクシャミをすれば、世界が震撼するという構造がある限り、私たちは枕を高くして眠れないことになります。

TPPで更にこのグローバリズムは飛躍的に拡大強化されるわけですから、推進論者の皆さんはそのような不安定な食糧需給をよしとされるのでしょうか。

ところで、なぜかくも穀物輸出大国では干ばつ、熱波が多いのでしょうか?私にはこれが天気は神様が投げるダイスのようなものとはどうしても思えません。

そのあたりを次回考えたいと思います。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

■資料1 米国の干ばつ、国土の64%に拡大 観測市場2番目の規模
7月20日 CNN  

米全土を襲っている干ばつがこの1週間でさらに悪化している。19日の統計によると、米国土の約64%に干ばつが広がり、観測史上最悪を記録した1934年に次いで2番目の規模となった。この影響でミシシッピ川の水位も低下し、過去最低に迫っている。

ミシシッピ川では港湾の運営と船舶の航行を継続させるため、米陸軍工兵隊が今後数週間で約700万ドルをかけてしゅんせつ工事を実施する。テネシー州メンフィスでは、88年の干ばつで記録した最低水位まであと90センチに迫った。

ミシシッピ川はわずか1年前の昨年5月、大規模な洪水によって増水し、過去最高水位まであと約30センチに迫っていた。しかし現在の水位はそれより約17メートル低下。米航空宇宙局(NASA)の衛星がとらえた画像を比較すると、昨年4月の時点ではミズーリ州とアーカンソー州で川幅が4.8キロにも達した地点があった。しかし今年7月の画像では川幅が0.8キロに満たない場所もあるなど、大きな対比を見せている。

作物の被害も深刻化し、トウモロコシの不作は約40%と、わずか1週間で8ポイント拡大した。農務省は2012耕作年の間に29州の1297郡を被災地に指定していたが、干ばつと熱波による被害が広がっているとして、16日にはさらに8州の39郡を被災地に追加指定した。

■資料2 米国干ばつ 物価全体への影響は一時的か
ロイター 7月24日

[ワシントン 23日 ロイター] 米国は50年ぶりという大干ばつに襲われ、先物市場では大豆やトウモロコシの価格が高騰している。このため米国民は食品価格の値上がりに見舞われることになる。ただ、食品価格上昇は物価全体に持続的な影響を及ぼさず、連邦準備理事会(FRB)の金融政策方針も左右しないだろう。

メジロウ・ファイナンシャルのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「一過性の原油相場上昇のたぐいだ。来年には適度な降雨があり、干ばつは終わる。FRBがインフレ要因として対処するような問題ではない」と述べ、金融政策の道筋を変えることにはならないとの見方を示した。

FRBは今年初めに原油相場が跳ね上がった局面でも、物価への影響は一時的だとの認識を表明していた。

6月の米消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率は1.7%で5月と変わらず、FRBが目標としている2.0%を下回っている。

このCPIの約14.2%を占める食品価格は、果物や野菜、食肉の値上がりによって前年同月比で2.7%上がった。

先物市場では大豆とトウモロコシの11月きりと12月きりが先週、それぞれ限月最高値を更新したが、エコノミストはこれが小売価格に波及するには最低半年はかかるとみている。

ビアンコ・リサーチのアナリスト、ハワード・サイモンズ氏は「価格上昇の波及には時間差が生じる。なぜなら食品加工業者は既に過去の収穫分で契約を確保しているからだ。年内に実感される値上がりの程度は、来年上半期に比べるとそれほど大きくはないだろう」と話した。

サイモンズ氏によると、先物高がどれだけ続くかは、米国の半分以上の地域に広がる干ばつの持続期間や、南半球の穀物の収穫状況にかかっているという。

米海洋大気局(NOAA)は先週、8月は米国の48州の大半で気温が平年を上回り、既に干ばつに見舞われている中西部では降水量が平年より少なくなるとの見通しを発表した。

米農務省は8月に穀物の作柄調査の結果と、今年のトウモロコシ、大豆の収穫に関する最新見通しを示す。

<アフリカやアジアでは食料インフレの懸念>

農産物価格上昇に対してエコノミストは平静を保っているようだが、米国はトウモロコシや大豆、小麦の最大の輸出国であるため、これらを輸入するアフリカやアジアの諸国では食料インフレが起こりかねない。

ブラジルやアルゼンチンといった主要大豆生産国でも、降雨不足が悪影響を及ぼしており、世界的な生産量の減少につながっている。

また農産物価格の上昇と同時に、最近大きく値下がりしていたガソリン小売価格もじわじわと上がり始めている。

それでも、米国内外における慢性的な需要の弱さで生産者が消費者にコストを転嫁するのが難しくなっている点を理由に、コモディティ価格の上振れが大幅なインフレ圧力を生み出すことはないとみられている。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は「消費者にとって農産物の値上がりの影響は、ガソリンのじり高によって大きく感じられるが、生産者は消費者に価格転嫁できないのでもっと負担に思うだろう」と語った。

<長期の予想インフレ率は動かず>

一部の物価が跳ね上がれば家計はさらなる値上がりを予想するのが普通だが、エコノミストは予想インフレ率が大きく上昇することはないと考えている。

スイート氏は「短期的な予想インフレ率は変動しても、長期的には一時的な食品高に影響されないはずだ。食品価格高騰が長期の予想インフレ率を動かした例はない」と指摘する。

干ばつによって逆に目先は食肉価格が下落する可能性もある。飼料の値上がりのせいで、畜産業者が家畜が通常の生育段階に達するのを待たず、早めに市場に食肉を供給せざるを得なくなるからだ。

農務省のチーフエコノミスト、ジョセフ・グローバー氏によると、飼料コストは畜産業者にとって生産コスト全体の約40─50%を占めており、飼料コストが上がればもうけが少なくなるので、完全に育つ前に食肉にして市場に出してしまうケースがしばしばあるという。

もっともこうした動きは家畜頭数の不足を招くので、消費者は長期的には食肉価格の上昇に直面しかねないことを意味している。

(Lucia Mutikani記者)

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コメント

コストの面は、政府なりが、考えて、何かしらの援助をすることにして、食糧自給率44%カロリーベースを、世界標準の生産量ベースに直すと約66%くらいと聞いております。

つまり、休耕田畑を、生産に向ければ、輸入基本穀物について、なんとか、自給率を、国際穀物取引単価に影響することなく、調達は、理論的には、可能だと思えます。

質素な暮らしを前提とすれば、小麦のように、日本の気候に合いにくい作物以外は、自給できそうな気がします。

大豆、とうもろこしは、可能性がある穀物ですし、現状、遺伝子組み換えをしていない大豆は、国産な訳で、小売単価は、高くても、貿易戦略的に何とかすべき穀物だと思えます。

日本の農耕機器を開発することで、輸入小麦のように、全量、政府が買い取り、再販する条件なら、将来は、自給可能性のある分野だと思えますが、どうなんでしょうか?

困難さが実感としては、わかないのですが、極端に、輸入食品依存をすることは、外交戦略的には、問題が多いので、スイスのように、自国農産物を保護する国内法とTPPに負けない、TPPに勝てる戦略を、進めてもらいたいものです。

りぼん。さん
新食糧管理法制定ですか?
それこそTPPのいい餌食になりますが…。


また、米より遥かに儲からない小麦ですが…、つい先日北海道産小麦100%のフランスパンを食べました。
ライ麦ブレンドで、バゲット1本98円のスーパーでは高めの220円。

これが実に美味い!
北海道の農家さんがんばっておられます。

まあ、低所得層なら少しでも安い方に流れる消費者マインドはとめられませんが…。

それにしても暑い日が続きます。
私の部屋はエアコンが完全に壊れて、現在39℃の地獄です。昨年に続き、工事会社が宮城方面に出払ってるので…買い替えても、施工は秋です。

皆様体調にはくれぐれもご注意下さい。

それこそTPPのいい餌食になりますが>>>

これは、正直、解らないと思いますよ。
日米FTAなら、完全に、米国の餌食にならざるを得ないのでしょうが、環太平洋全体となると、どこかの国が、何らかの保護貿易項目を主張してくるのは、ありえるのではと思います。
フィリピン、インドネシアも、昔のような、半独裁政治経済主義では、治められないようになってきましたから、米国だって、牛肉戦争でいけば、オーストラリアと、張り合うことでしょうし、結局、外交政治力や長期国際戦略なのだと思います。
強いことを米国が無理じいをすれば、東南アジアは、アセアン+3の方が、メリットがあると思うでしょう。

現状、米国の言うなりに、小麦を買い、とうもろこし、大豆、使い道のない長粒米の輸入など、輸入食材の激しい動きが、続いてますが、近年は、中国で、加工後に輸入するなど、生産国から消費国へ輸出するスタイルは、家畜飼料などに限定してきているように思います。

ベトナムは、現地通過、ドンより、昔は、米国ドルが、メインでしたが、今や、中国元が、メインになってしまいました。

国際基軸通貨より、中国の物流取引に有利な中国元が、現場では、重宝なんでしょうね。

実際、小麦も、米国よりオーストラリア小麦の方が、質が良い訳ですから、米国流、殿様商売が、G20時代に通用していくのか?(オーストラリアは、相手国の要望に応じた小麦を輸出する国ですので、さぬきうどん用小麦とか、かなり相手国の嗜好を考えた輸出体制に思えます)

ちょっと、解らない世界情勢になりつつありますよね。
ミヤンマーなどへの急激な国際投資をみると、従来の手法とか、考えが、ついていかないと、個人的には、思ってます。

日本の貿易経済としては、すでに、工業産品、電化製品では、そろばんが合わないので、愛知県は、ロケットや航空機産業など、軍事産業に転用できるような技術の新工場が、増えてきていますけど。。

イスラム圏のアジア諸国が、中国と手を組むか、米国と手を組むかは、今は、不透明ですから、アセアン+3より米国TPPの内容が、かならず参加国が批准するかは、当面、中国経済を無視できない以上、単純ではないと思えます。

アセアン各国は、南沙諸島問題で、中国とは、張り合っているのですが、中国は、不思議な国で、そういうこととは、別に、華僑が、商売してしまいますので、日本ほど、米国一辺倒と言う国では、ないのだと思います。

まあ、私の生きてる間に、TPP参加国が、すべて批准してしまうとも、思ってないというのが、個人的考えなんですが。。

中国本土、香港、台湾、上海など、中国国内でも、貿易自由度が、全く違いますから。。

今日は干ばつについて書いたので、TPP論議ではないんですが・・(苦笑)。りぼん様。山形さんへのアンサーなのでしょうが、最近、そちらの議論がお好きですね。
できるだけ、記事のテーマに沿っていただけたらと思います。

つい最近アメリカを訪問した人の情報では、アメリカ中部から南部にかけての干ばつは深刻な状況で、特に南部に行けば行くほど被害が大きいようです。
例年だと草丈が1.5メートルくらいに育っているのに、今年は50cmにも満たない状況で、且つ殆どが枯れているようです。

参考資料にある「ロイター」の記事の通りになる事を祈るばかりですが、畜産業の飼料のみならず、人間の食糧への影響が小さくて済む事を祈っています。
4~5年前に小麦や大豆(肥料も)が高騰し食糧危機目前となりましたが、日本人特有の「咽元過ぎれば・・」の通り、忘れてしまった感がありました。
生きるのに一番大切な食糧の安全保障をもう一度考える必要があると思っています。

りぼん。さん。

ここ数日のコメント欄のやりとりで、やり合いたくなし重箱の隅になりそうだから自重しておりましたが…。

台湾は中国国内ですか?
ちょっとした書き込みの間違いだと思いますが、本気なら看過いたしかねます。

国際社会や日本政府の承認云々がどうとかは関係ありません。
昨年の大震災での友好国ぶりは、大陸中華や朝鮮半島とは全く違いましたが…。

管理人様。
政治的発言で申し訳ありませんです。

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