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金沢市内で黄砂から放射性物質を検出 未だ続く中国核実験の長い影

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石川県で発行されている「北国新聞」によれば、今年の春、1980年代の中国の核実験からのものだと思われるセシウムが微量ですが、見つかったそうです。

この放射性セシウムを日本列島に持ち込んだのは、例の黄砂です。例のというのは、あの黄砂は大陸からのありとあらゆる汚染物質のメッセンジャーだからです。

昨日、米国グレートプレーンズの砂漠化をテーマにしましたが、中国の砂漠化はこんな生優しいものではありません。

中国西部のタクラマカン砂漠、中国北部から内モンコルにかけてのゴビ砂漠、中国中央部の黄土高原などの三大黄砂発生地域は拡大を続け、今や黄河の源流域を枯渇させ、北京近郊にまで達する勢いです。

「北国新聞」の中でこんなとぼけた見解が登場しています。
「山本教授は、中国やモンゴルの土壌に含まれるセシウムが砂漠化の進行で黄砂と ともに飛来している。」

ありえません。土壌中に放射性セシウムが自然に含有されるとでも言うのでしょうか?自然由来の放射性セシウム、聞いたことがありません。原因は疑う余地なく中国の核実験によるものです。

この三大黄砂発生地域のひとつにタクラマカン砂漠があり、その中に位置するタリム盆地ロプノールは16年前まで中国の核実験場でした。

「ウイグル人の暮らすウイグル地区のロプノルで中国当局は1964年10月16日から1996年に渡って、0・2メガトン級~4メガトン級の地表、空中、地下で延べ46回、総爆発エネルギー20メガトンの核爆発実験を行っている。うち、放射線災害として最も危険な地表核爆発を含む大気圏実験を、少なくとも1980年までに21回実施した。」
(高田純 「中国の核実験」)

この中国核実験場が、他国と大きく異なる点は、少数民族居住地周辺で核実験が行われたことです。しかもにわかには信じがたいことには、ウイグル族が核爆発を目視できる距離で、なおかつ地表すれすれで爆発させるという方法をとっています。

その数実に1964年から1996年まで46回。1980年までの大気圏内核実験だけで21回。総爆発エネルギー量20メガトン。

「中国がかつて実施した最大規模の核実験は4メガトンに達したが、旧ソ連の核実験を上回った10倍の威力だった。実験により大量に落下した「核の砂」と放射汚染は周辺住民計19万人の命を一瞬にして奪った。放射線汚染の影響を受けた面積は東京都の136倍に相当、中国共産党の内部極秘資料によると、75万人の死者が出たという。」
(同)

これは地上に組み上げた枠の上で核爆発させるものです。通常の地下核実験においては大部分の放射性物質は封じ込められますが、空中爆発させた場合、原爆投下と同程度の被害を周辺地域に及ぼします。

これにより大気圏内に放出される大量の光線、熱波、そして放射性物質は巻き上げられた大量の砂に混ざってエアゾル化され周囲に降り注ぎました。

その上、中国政府は周辺住民に対していかなる避難措置はおろか事前通告も行わず抜き打ちで強行したのです。自国民に対して無警告で原爆投下をするに等しい蛮行です。まさにウイグル族に対する民族浄化政策、ジェノサイドそのものです。

これを16年間に渡り21回実施しました。言葉の正しい意味で、まさに悪魔の所業です。

被害者総数は19万人から75万人とされていますが、未だ闇の中です。それは中国政府に自国の暗部である被害統計を取る意思がそもそもないこと、そしてなにより国際世論がこのことに対して無関心でであったことによります。

ところで、この春に32年ぶりに金沢市内で計測された黄砂中の放射線量はこのようなことのようです。
調査期間中に計8回検出されたセシウムの総量は、1平方メートル当たり0.67ベク レルだった。このうち約70%に当たる0.46ベクレルは、金沢市内で大規模な黄砂が観測された10年3月21日を含む4日間に検出された。」
(「北国新聞」)

この放射線量は、3.11で降下した金沢市内の放射線量を桁違いで上回っています。

これをして検出された放射線量は微量でありたいしたことがないと言うのは自由です。また原発事故と混同するな、という意見もあるでしょう。

しかし、立ち止まって考えていただきたいのです。

32年たって未だこれだけの濃度で出続ける中国核実験は、1960年代から1980年代にかけてどれだけ大量の放射性物質をわが国の頭上にに降らせたのか、そしてなにより実験地周辺の人々にいかなる災厄を与えたのかに心致して頂きたいと思います。

■関連記事 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-cd1f.html

カテゴリーフリーチベット・ウイグル には現在の中国少数民族弾圧の記事をいくつか載せております。

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■黄砂に乗って微量セシウム 石川県保健環境センター調査「人体に影響なし」
北国新聞

大陸由来の放射性セシウムが黄砂とともに日本に運ばれ、春先の石川県内にも降下して いることが、5日までの石川県保健環境センターの調査で分かった。検出されたセシウム は微量で、1980年代以前の核実験で発生したと考えられる。実験から30年以上が経 過していることから、専門家は「健康への影響は極めて小さい」としている。

 県保健環境センターは2009(平成21)年4月から10年3月にかけ、金沢市太陽が丘の同センター屋上で10日ごとに降下物を採取、濃縮乾燥した上で半導体検出器を使いセシウム137の量を測定した。

 調査期間中に計8回検出されたセシウムの総量は、1平方メートル当たり0.67ベク レルだった。このうち約70%に当たる0.46ベクレルは、金沢市内で大規模な黄砂が観測された10年3月21日を含む4日間に検出された。

 4日間の数値を人体が浴びる放射線量に換算すると、1日当たり0.000925マイ クロシーベルトでエックス線検査1回分の放射線量の約6万4800分の1となる。

 東日本大震災による福島第一原発事故に伴い、県内で3月21日~4月4日に確認され たセシウムと比較すると、1日当たりでは約71倍に当たるが、同センターは人体に影響がある値ではないとしている。

 金大低レベル放射能実験施設センター長の山本政儀教授によると、黄砂で運ばれてくる セシウムは、アメリカや旧ソ連が80年以前に実施した大気圏内核実験で発生したと推定される。山本教授は、中国やモンゴルの土壌に含まれるセシウムが砂漠化の進行で黄砂と ともに飛来しているとし、「半減期である30年以上が経過しており、直接健康に影響を与える可能性は極めて小さい」と話す。

 黄砂にはセシウム以外に硫黄、窒素酸化物など大気汚染物質が含まれており、県保健環 境センターは「セシウムをはじめさまざまな物質で長期的なデータを集めていきたい」と している。

■ユタ州における大気圏内核実験の画像。まさに血も凍る光景です。ただし、これは小規模実験であり、中国では桁違いの大規模実験が行われました。_edited_3

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰していました。

この数年、私の住んでるところにも黄砂が頻繁に飛来するようになったと感じています。
空気の綺麗さが自慢の我が島で、靄がかかった天気の翌日、黄砂だと地元新聞がしばしば伝えるようになっています。海の向こうは中国ということに、改めて気付かされます。

強烈な紫外線に加えて中国の有害物質や放射性物質も気にしながら、屋外の農作業をしなければなりませんね。新聞によると、原発事故により隣の沖縄には700名の方が移住されているそうですが、これらのリスクには充分に注意したほうがいいと思います。


確かに中国の核実験の悪質性は数字の上では際立っているとは思いますが、先住民族を無視したようなやり方は他の核保有国やウラン採掘国でも全く同じです。こんなことは承知の上の中国批判でしょうが・・・。

濱田様には既知の事実でしょうが、
【資料】ウラン採掘の段階から世界の先住民族は核被害を受け続けているhttp://www.peace-forum.com/gensuikin/news/110610date.html
を皆様に読んでもらいたいです。

投稿: 南の島 | 2012年8月 3日 (金) 17時45分

話は、それますが、新疆ウイグル地区で、遊牧民が、遊牧している地域で、水爆実験を、何回もしてきた中国は、とても、怖い国だと思いました。
大体、ウイグル地区は、北京語が、ほぼ通じません。

何らかの「立ち入り禁止」エリアの看板が、道路脇にあった(北京語は見ないですが)としても、ウイグル語、アラブ語、現地の田舎方言など、現地に行けば、北京語以外の言葉がメインですから、お店の看板も、4ヶ国語以上並べて書いてありますし、漢民族同化政策で、漢族の嫁になれば、中国共産党から、資金援助があったりとか、民族同化政策と現地宗教の弾圧が、ものすごく強いですね。外国人専用ホテルに宿泊していても、何が起こるか解らず、深夜の漢族公安職員の焼き討ちもあるところで、とても、怖い地区でした。


現地人との通訳は、ダブル通訳だし、ラマダンになると、ホテル内で、閉じこもることになるし、移動用のテントに入って、移動がないから、そのまま、水爆実験をしてしまう中国共産党幹部は、怖い存在ですし、放射線測定すら、しないですし。。

とても、現地遊牧民を、人間とは思ってない中国。

竜巻が、数十本、常時一面に見える膨大な平地での、核実験は、福島第1原発が、4基壊れたくらいは、たいしたことではないと、中国共産党上層部が思っていることが、怖いですね。

ある意味、福島の避難国民には、申し訳ないのですが、ウイグル現地人は、もっと酷いことになってることが、かわいそうに思えます。

南京大虐殺を国際社会に言うなら、ウイグル族の大量人体実験は、どうなんだ?と、言わずにはいられない状況だと思うのです。

投稿: りぼん。 | 2012年8月 4日 (土) 03時44分

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201207/2012072400675


http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/6000/5808/24/194_Sr_0724.pdf


ストロンチウムは、怖い放射性物質には、違いないですが。測定値を見る限り、限定的な被害を生ずるかもしれませんが、問題になる濃度になったデーターは、まだ、報道されていないように思います、


http://www.cpdnp.jp/pdf/110330_Takasaki_report_Mar27.pdf

高崎CTBT観測所のデーターでも、中国で盛んに、水爆実験をしたときに、日本の空気がよごされましたが、当時のデーターと比較しても、問題になるべき、レベルには、ストロンチウム90の捕獲データーは、発見されていないで、低い値で、推移しているようですが。。

過去、水爆実験時の空間放射線量と比較しても、ホットスポットがない限り、当面、セシウム中心の除染対策で、ストロンチウム90が、大きな問題になるとは、今のところ、思えませんが。。

原子炉から出る、放射性物質ですので、聞いたことない物質がどんどん検出されるとはおもいますが、対セシウム対策が、出来ていれば、そんなに、騒ぐ量が発見されたとは、私には、思えません。まあ、東京で、あらゆる人工放射線核種を測定すれば、膨大な
種類の放射性物質は、検出されるでしょうが、セシウムほど、気を使うレベルの量は、関東地区で、発見されたとの報道は、西日本側には、流れてきていないようですが(もちろん、微量のストロンチウム90が、あちこちで、検出されたという定性情報は、聞いておりますが、人体への影響を及ぼすと言うほどの、危険量の報道は、当方では、報道されていませんが。

投稿: りぼん。 | 2012年8月 4日 (土) 20時50分

以前にも書いたかもしれませんが、あの時期(70年代後半)にシルクロードブームを巻き起こしたNHK。
「幻の湖ロプノールを探して」で、現地入りしたスタッフは一時的ながら高濃度汚染地域に滞在したはずですが…被害報告は無いようですね。


南の島さんが提示された、ウラン鉱石採掘とダンプ輸送地域の無駄な汚染は存じておりますし、全く同感です。
せめて防塵マスクやしっかりした飛散防止シートで防護すべきですよね。

日本国内でさえ、人形峠の汚染すら解決していませんから…。

投稿: 山形 | 2012年8月 5日 (日) 07時26分

放射能(放射性物質は)中国から日本に来るだけでは有りません。世界中で原爆実験は至る所で行われ、その数はもの凄い数です。北半球ではそれが偏西風に乗って世界中を駆け巡っています。この事は、京大の小出教授が口すっぱく言い続けています。偏西風はかなり上空を吹いています。しかし、雨の多い東アジアのモンスーン地域では雨とともに地表に落ちて来ます。放射性物質は消滅しません。放射性物質の放射能は半減期ごとに1/2に下がりますが、永久に残ります。
国の基準では、大気中1mシーベルト/年以下なら健康に影響が無いと言っていますが、影響が完全にゼロでは有りません。必ず影響は少ない確率ですが有ります。即ち、ゼロに成ると言うしきい値は有りません。セシュームの半減期は数十年です。即ち数十年後に1/2に下がるだけでゼロでは有りません。特に恐ろしいのは、プルトニュームです。プトニュームの半減期は数億年です。長崎に落ちた原爆はプルトニューム型ですが、プルトニュームの量は1kg程度で非常に少ないものでした。それでもあれ程の被害を出したのです。もし、原発事故の多発や核戦争が起これば、地球は死の世界に成るでしょう。

今回ノーベル平和賞を得たパキスタンの少女マララ・ユスフザイさん(17)が戦争の無い世界を作るべきだと訴えました。パキスタンやインドも原爆を持っています。原爆の怖さを実際に体験したのは日本だけです。自国パキスタンが原爆を持っている国だからこその訴えとも言えます。イラン、北朝鮮、トルコ等も原爆の開発に取り組みつつ有ります。

本当に、怖いことです。

投稿: Tom-J | 2014年12月12日 (金) 16時51分

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